JP2010263998A - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機 Download PDF

Info

Publication number
JP2010263998A
JP2010263998A JP2009116472A JP2009116472A JP2010263998A JP 2010263998 A JP2010263998 A JP 2010263998A JP 2009116472 A JP2009116472 A JP 2009116472A JP 2009116472 A JP2009116472 A JP 2009116472A JP 2010263998 A JP2010263998 A JP 2010263998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
motor
cloth
laundry
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009116472A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5508758B2 (ja
Inventor
Norifumi Ogura
範史 小倉
Takeshi Shiga
剛 志賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Lifestyle Products and Services Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Consumer Electronics Holdings Corp
Toshiba Home Appliances Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Consumer Electronics Holdings Corp, Toshiba Home Appliances Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2009116472A priority Critical patent/JP5508758B2/ja
Publication of JP2010263998A publication Critical patent/JP2010263998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5508758B2 publication Critical patent/JP5508758B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)

Abstract

【課題】洗濯物の重量検知をより確実にして、モータの特性を実際の負荷量に適合できる洗濯機を提供する。
【解決手段】ドラムモータが、ロータに着磁量を容易に変更可能なレベルの保磁力を有するアルニコ磁石を備えて構成される場合、ドラム内に投入された洗濯物につき、最初の給水が行われる以前に検知された乾布重量に応じてアルニコ磁石の着磁量を設定し、最初の給水が行われた以降に検知された吸水布重量により推定された洗濯物重量(ステップS13〜S15)と、乾布重量とに差がある場合は、その差に応じてアルニコ磁石の着磁量を変化させる(ステップS16〜S19)。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転槽内に投入された洗濯物の重量を検知する手段を備えた洗濯機に関する。
洗濯機では、必要な洗剤量を決定するためや、洗い運転やすすぎ運転において給水を行う量を決定するため、洗濯運転を開始する前に、例えばドラムなどの回転槽内に投入された洗濯物の重量を検知する処理(重量センシング処理)が行われている。例えば特許文献1には、ドラム内の洗濯物のアンバランスを解消した後、回転数を200rpmまで上昇させる期間において、ベクトル制御演算で得られるq軸電流(トルク電流)をサンプリングし、サンプリング値を累算することで積分して、その結果に応じて洗濯物の重量を検知する構成が開示されている。ところが最近は洗濯機の大容量化が進んでおり、洗濯物の最大重量が10kg近くに達する製品も存在する。そのため、様々な布質の洗濯物が混在しているような場合には、乾布の状態で検知した重量が、実際の重量と相違することも想定される。
また、出願人は、特許文献2に開示されているような、ロータマグネットの一部に着磁量を容易に変更可能なレベルの保磁力を有する永久磁石を配置し、その磁石の着磁量を変化させることで、特性をダイナミックに変更可能なモータを洗濯機に適用することを検討している。斯様な構成を採用すると、洗濯運転や脱水運転のように要求される出力特性が大きく変化する場合や、洗濯物の重量に応じてモータのトルク特性を変化させることが可能になる。
特開2004−113286号公報 特開2006−28095号公報
しかしながら、実際の洗濯物の重量がセンシングした結果と異なっていると、重負荷に対しモータのトルクが不足して撹拌動作が不十分になったり、逆に軽負荷に対しモータのトルクが過剰となり無駄に回し過ぎるなど、運転効率が低下することが想定される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗濯物の重量検知をより確実にして、モータの特性を実際の負荷量に適合できる洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の洗濯機は、ロータ側に着磁量を容易に変更可能なレベルの保磁力を有する永久磁石を備えて構成され、洗濯運転を行うための回転駆動力を発生させる永久磁石モータと、
前記永久磁石の着磁量を変化させるように励磁電流を発生させる着磁量制御手段と、
回転槽内に投入された洗濯物の重量を検知する重量検知手段とを備え、
前記着磁量制御手段は、
前記重量検知手段により前記回転槽内に最初の給水が行われる以前に検知された乾布重量に応じて前記永久磁石の着磁量を設定し、
前記最初の給水が行われた以降に検知された吸水状態の布重量(吸水布重量)より推定される洗濯物重量と、前記乾布重量とに差がある場合は、その差に応じて前記永久磁石の着磁量を変化させることを特徴とする。
斯様に構成すれば、永久磁石の着磁量が、洗濯物の実際の重量により対応するようになるので、モータの特性を負荷量に応じて最適化できる。
請求項1記載の洗濯機によれば、モータの特性を負荷量に応じて最適化できるので、運転効率を向上させて、消費電力を低減できる。
第1実施例であり、洗い運転中に重量検知を行う処理部分を示すフローチャート (a)はアルニコ磁石の増磁処理、(b)は同減磁処理を示すフローチャート ロータの停止位置と回転位置センサの各信号出力レベルとの関係を示す図 一般的な洗濯機が全自動運転を行う場合の工程と、モータ回転数の推移とを示す図 ドラムモータの全体構成を概略的に示す(a)平面図、(b)はロータの一部を拡大して示す斜視図 洗濯乾燥機の構成を示す縦断側面図 ドラムモータの駆動系を概略的に示す図 ドラムモータについて行なうセンサレスベクトル制御の機能ブロックを示す図 第2実施例を示す図1相当図 布質判定処理を示すフローチャート 第3実施例であり、洗い運転中に重量検知を行う処理部分を示すフローチャート 第4実施例であり、乾燥運転中に重量検知を行う処理部分を示すフローチャート 乾燥運転の進行状態の一例を示すタイムチャート
(第1実施例)
以下、ヒートポンプ式洗濯乾燥機(ランドリー機器)に適用した第1実施例について、図1乃至図8を参照して説明する。洗濯乾燥機の縦断側面を示す図6において、外箱1の内部には、水槽2が複数の支持装置3により弾性支持されて水平状態に配設されている。この水槽2の内部には、これと同軸状態で回転ドラム(以下、単にドラムと称す)4が回転可能に配設されている。このドラム4は、周側壁及び後壁に通風孔を兼ねる脱水孔4a(一部のみ図示)を多数有していて、洗濯槽、脱水槽及び乾燥室としても機能する。なお、ドラム4の内周面には、複数のバッフル4b(1個のみ図示)が設けられている。
上記外箱1、水槽2及びドラム4において、いずれも前面部(図中、右側部)には、洗濯物出し入れ用の開口部5、6及び7をそれぞれ有しており、開口部5と開口部6とは、弾性変形可能なベロー8により水密に連通接続されている。また、外箱1の開口部5には、これを開閉する扉9が設けられている。また、ドラム4は、背面部に回転軸10を有しており、この回転軸10は、軸受(図示せず)に支持されて、水槽2の背面部の外側に取付けられたアウタロータ型の三相ブラシレスDCモータからなるドラムモータ(洗い・脱水モータ,永久磁石モータ)11により回転駆動される。尚、回転軸10はドラムモータ(以下、単にモータと称す)11の回転軸と一体であり、ドラム4は、ダイレクトドライブ方式により駆動される。
外箱1の底板1aには、複数の支持部材12を介してケーシング13が支持されており、そのケーシング13の右端部上部及び左端部上部には、吐出口13a及び吸入口13bがそれぞれ形成されている。また、底板1aには、ヒートポンプ(冷凍サイクル)14の圧縮機15が設置されている。更に、ケーシング13内には、ヒートポンプ14の凝縮器16及び蒸発器17が右側から左側に向け順に設置されているとともに、右端部に位置して送風ファン18が配設されている。ケーシング13における蒸発器17の下方に位置する部位には、皿状の水受け部13cが形成されている。
水槽2において、前面部の上部には吸気口19が形成され、背面部下部には排気口20が形成されている。吸気口19は、直線状ダクト21及び伸縮自在な連結ダクト22を介してケーシング13の吐出口13aに接続されている。また、排気口20は、環状ダクト23及び伸縮自在の連結ダクト24を介してケーシング13の吸入口13bに接続されている。環状ダクト23は、水槽2の背面部の外側に取付けられており、モータ11と同心円状をなすように形成されている。すなわち、環状ダクト23の入口側が排気口20に接続され、出口側が連結ダクト24を介して吸入口13bに接続されている。そして、上記ケーシング13、連結ダクト22、直線状ダクト21、吸気口19、排気口20、環状ダクト23及び連結ダクト14は、空気循環経路25を構成する。
外箱1内において、その後方上部には、三方弁からなる給水弁26が配設され、また、前方上部には、洗剤投入器26aが配設されている。給水弁26は、その入水口が給水ホースを介して水道の蛇口に接続され、第1の出水口が洗い用給水ホース26bを介して洗剤投入器26aの上段の入水口に接続され、第2の出水口がすすぎ用給水ホース26cを介して洗剤投入器26aの下段の入水口に接続されている。そして、洗剤投入器26aの出水口は、水槽2の上部に形成された給水口2aに給水ホース26dを介して接続されている。
水槽2の底部の後方部位には、排水口2bが形成されており、この排水口2bは、排水弁27aを介して排水ホース27に接続されている。なお、排水ホース27の一部は伸縮自在になっている。そして、ケーシング13の水受け部13cは、排水ホース28及び逆止弁28aを介して排水ホース27の途中部位に接続されている。
外箱1の前面上部には操作パネル部29が設けられており、この操作パネル部29には、図示はしないが、表示器及び各種の操作スイッチが設けられている。また、操作パネル部29の裏面には、表示・操作用基板84が設けられており、基板ケース110に内蔵される制御回路(着磁量制御手段,重量検知手段)30と通信を行うことで操作パネル部29が制御される。制御回路30は、マイクロコンピュータで構成されており、操作パネル部29の操作スイッチの操作に応じて給水弁26、モータ11及び排水弁27aを制御し、洗い、すすぎ及び脱水の洗濯運転や、モータ11及び圧縮機15を駆動する三相ブラシレスDCモータからなる圧縮機モータ(コンプレッサモータ,図示せず)を制御することで乾燥運転を実行する。
図7は、モータ11の駆動系を概略的に示すものである。インバータ回路(PWM制御方式インバータ,着磁量制御手段)32は、6個のIGBT(半導体スイッチング素子)33a〜33fを三相ブリッジ接続して構成されており、各IGBT33a〜33fのコレクタ−エミッタ間には、フライホイールダイオード34a〜34fが接続されている。
下アーム側のIGBT33d、33e、33fのエミッタは、シャント抵抗(電流検出手段)35u、35v、35wを介してグランドに接続されている。また、IGBT33d、33e、33fのエミッタとシャント抵抗35u、35v、35wとの共通接続点は、夫々レベルシフト回路36を介して制御回路30に接続されている。尚、モータ11の巻線11u〜11wには最大で15A程度流れるので、シャント抵抗35u〜35wの抵抗値は、例えば0.1Ωに設定されている。
レベルシフト回路36はオペアンプなどを含んで構成され、シャント抵抗35u〜35wの端子電圧を増幅すると共にその増幅信号の出力範囲が正側に収まるように(例えば、0〜+3.3V)バイアスを与える。また、過電流比較回路38は、インバータ回路32の上下アームが短絡した場合、回路の破壊を防止するために過電流検出を行なう。
インバータ回路32の入力側には駆動用電源回路39が接続されている。駆動用電源回路39は、100Vの交流電源40を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路41及び直列接続された2個のコンデンサ42a、42bにより倍電圧全波整流し、約280Vの直流電圧をインバータ回路32に供給する。インバータ回路32の各相出力端子は、モータ11の各相巻線11u、11v、11wに接続されている。
制御回路30は、レベルシフト回路36を介して得られるモータ11の巻線11u〜11wに流れる電流Iau〜Iawを検出し、その電流値に基づいて2次側の回転磁界の位相θ及び回転角速度ωを推定すると共に、三相電流を直交座標変換及びd−q(direct−quadrature) 座標変換して励磁電流成分Id、トルク電流成分Iqを得る。
そして、制御回路30は外部より速度指令が与えられると、推定した位相θ及び回転角速度ω並びに電流成分Id、Iqに基づいて電流指令Idref 、Iqref を生成し、それを電圧指令Vd、Vqに変換すると直交座標変換及び三相座標変換を行なう。最終的には、駆動信号がPWM信号として生成され、インバータ回路32を介してモータ11の巻線11u〜11wに出力される。
第1電源回路43は、インバータ回路32に供給される約280Vの駆動用電源を降圧して15Vの制御用電源を生成して制御回路30及び駆動回路44に供給するようになっている。また、第2電源回路45は、第1電源回路43によって生成された15V電源より3.3V電源を生成し、制御回路30に供給する三端子レギュレータである。高圧ドライバ回路46は、インバータ回路32における上アーム側のIGBT33a〜33cを駆動するために配置されている。
また、モータ11のロータには、起動時に使用するための例えばホールICで構成される回転位置センサ78(u,v,w)が配置されており、回転位置センサ78(位置検出手段)が出力するロータの位置信号は、制御回路30に与えられている。すなわち、モータ11の起動時において、ロータ位置の推定が可能となる回転速度(例えば、約30rpm)までは、回転位置センサ78を使用してベクトル制御を行い、上記回転速度に達した以降は、回転位置センサ78を使用しないセンサレスベクトル制御に切り替える。
そして、圧縮機モータについては、具体的には図示しないが、モータ11の駆動系とほぼ対称な構成が配置されている。
また、電源回路39の出力端子とグランドとの間には、抵抗素子79a,79bの直列回路が接続されており、それらの共通接続点は、制御回路30の入力端子に接続されている。制御回路30は、抵抗素子79a,79bにより分圧されたインバータ回路32の入力電圧を読み込み、PWM信号デューティを決定するための基準とする。
また、インバータ回路32のW相出力端子とグランドとの間には、ダイオード80,抵抗素子81a,81b(誘起電圧検出手段)の直列回路が接続されており、抵抗素子81bには、コンデンサ(誘起電圧検出手段)82が並列に接続されている。そして、抵抗素子81a,81bの共通接続点は、制御回路30の入力端子に接続されており、制御回路30は、モータ11が空転している場合に巻線11Wに発生する誘起電圧を検出する。
その他、制御回路30は、例えばドアロック制御回路や乾燥用ファンモータ等の各種電装品83を制御したり、前述した表示・操作用基板84との間で操作信号や制御信号等の入出力を行うようになっている。
図8は、制御回路30が、モータ11(並びに圧縮機モータ)について行なうセンサレスベクトル制御の機能ブロックを示す図である。この構成は、例えば特開2003−181187号公報などに開示されているものと同様であり、ここでは概略的に説明する。尚、図8において、(α,β)はモータ11の各相に対応する電気角120度間隔の三相(UVW)座標系を直交変換した直交座標系を示し、(d,q)は、モータ11のロータの回転に伴い回転している2次磁束の座標系を示す。
減算器62には、速度指令出力部60より目標速度指令ωrefが被減算値として、エスティメータ(Estimator) 63により検出されたモータ11の検出速度ωが減算値として与えられ、減算器62の減算結果は、速度PI(Proportional-Integral) 制御部65に与えられる。速度PI制御部65は、目標速度指令ωref と検出速度ωとの差分量に基づいてPI(比例積分)制御を行い、q軸電流指令値Iqrefとd軸電流指令値Idrefとを生成して減算器66q、66dに被減算値として夫々出力する。減算器66q、66dには、αβ/dq変換部67より出力されるq軸電流値Iq、d軸電流値Idが減算値として夫々与えられ、減算結果は、電流PI制御部68q、68dに夫々与えられる。尚、速度PI制御部65における制御周期は1m秒に設定されている。
電流PI制御部68q、68dは、q軸電流指令値Iqrefとd軸電流指令値Idrefとの差分量に基づいてPI制御を行い、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdを生成してdq/αβ変換部69に出力する。dq/αβ変換部69には、エスティメータ63によって検出された2次磁束の回転位相角(ロータ位置角)θが与えられ、その回転位相角θに基づいて電圧指令値Vd、Vqを電圧指令値Vα、Vβに変換する。
dq/αβ変換部69が出力する電圧指令値Vα、Vβは、αβ/UVW変換部70により三相の電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換されて出力する。電圧指令値Vu、Vv、Vwは、切換スイッチ71u、71v、71wの一方の固定接点71ua、71va、71waに与えられ、他方の固定接点71ub、71vb、71wbには、初期パターン出力部76より出力される電圧指令値Vus、Vvs、Vwsが与えられる。切換スイッチ71u、71v、71wの可動接点71uc、71vc、71wcは、PWM形成部73の入力端子に接続されている。
PWM形成部73は、電圧指令値Vus、Vvs、Vws又はVu、Vv、Vwに基づいて15.6kHzのキャリア(三角波)を変調した各相のPWM信号Vup(+,-) 、Vvp(+,-) 、Vwp(+,-) をインバータ回路32に出力する。PWM信号Vup〜Vwpは、例えばモータ11の各相巻線11u、11v、11wに正弦波状の電流が通電されるよう、正弦波に基づいた電圧振幅に対応するパルス幅の信号として出力される。
A/D変換部74は、IGBT33d〜33fのエミッタに現れる電圧信号をA/D変換した電流データIau、Iav、IawをUVW/αβ変換部75に出力する。UVW/αβ変換部75は、三相の電流データIau、Iav、Iawを所定の演算式に従って直交座標系の2軸電流データIα、Iβに変換する。そして、2軸電流データIα、Iβをαβ/dq変換部67に出力する。
αβ/dq変換部67は、ベクトル制御時にはエスティメータ63よりモータ11のロータ位置角θを得ることで、所定の演算式に従って2軸電流データIα、Iβを回転座標系(d,q)上のd軸電流値Id、q軸電流値Iqに変換すると、それらを前述のようにエスティメータ63及び減算器66d、66qに出力する。
エスティメータ63は、q軸電圧指令値Vq、d軸電圧指令値Vd、q軸電流値Iq、d軸電流値Idに基づいてロータの位置角θ及び回転速度ωを推定し、各部に出力する。ここで、モータ11は、起動時には、初期パターン出力部76による起動パターンが印加され強制転流が行われる。その後、回転位置センサ78によりセンサ信号に基づきベクトル制御を行うと、エスティメータ63が起動されてモータ11のロータの位置角θ及び回転速度ωが推定されるセンサレスベクトル制御に移行する。尚、圧縮機モータの場合は、強制転流からセンサレスベクトル制御に移行する。
切換え制御部77は、PWM形成部73より与えられるPMW信号のデューティ情報に基づいて切換スイッチ71の切換えを制御する。尚、以上の構成において、インバータ回路32を除く構成は、制御回路30のソフトウエアによって実現されている機能をブロック化したものである。ベクトル制御における電流制御周期は例えば128μ秒に設定されている。但し、PWM搬送波周期は、モータ11側が64μ秒,圧縮機モータ側が128μ秒となっている。そして、制御回路30とインバータ回路32とがインバータ装置99を構成している。
図5は、モータ11の全体構成を概略的に示す(a)平面図、(b)は一部を拡大して示す斜視図である。モータ11は、ステータ91と、これの外周に設けたロータ92とから構成され、ステータ91は、ステータコア93とステータ巻線11u,11v,11とから構成されている。ステータコア93は、環状のヨーク部93aと、当該ヨーク部93aの外周部から放射状に突出する多数のティース部93bとを有しており、ステータ巻線11u,11v,11wは、各ティース部93bに巻装されている。
ロータ92は、フレーム94とロータコア95と複数の永久磁石96,97とを図示しないモールド樹脂により一体化した構成となっている。フレーム94は、磁性体である例えば鉄板をプレス加工することで扁平な有底円筒状に形成されている。そして、永久磁石96,97は、ロータマグネット98を構成している。
ロータコア95は、フレーム94の周側壁の内周部に配置されており、その内周面は、内方に向けて円弧状に突出する複数の凸部95aを有した凹凸状に形成されている。これら複数の凸部95aの内部には、軸方向に貫通し、短辺の長さが異なる矩形状挿入穴95b,95cが形成されており、それらが1つずつ交互に、環状に配置されている。各挿入穴95b,95cには、ネオジム磁石96(第1永久磁石)と、アルニコ磁石97(第2永久磁石)とが挿入されている。この場合、ネオジム磁石96の保磁力は約900kA/m、アルニコ磁石97の保磁力は約100kA/mであり、保磁力が9倍程度異なっている。
また、これら2種類の永久磁石96,97は、それぞれ1種類で1磁極を形成しており、その磁化方向がモータ11の径方向に沿うように、例えば各24個ずつ、合計で48個配置されている。このように2種類の永久磁石96,97を交互に且つその磁化方向が径方向に沿うように配置することで、隣同士に配置された永久磁石96,97が互いに反対方向に磁極を有する状態(一方のN極が内側、他方のN極が外側となる状態)となり、これらネオジム磁石96とアルニコ磁石97との間に例えば矢印Bで示す方向に磁気経路(磁束)が生ずる。すなわち、保磁力が大きいネオジム磁石96と保磁力が小さいアルニコ磁石97の双方を通過する磁気経路が形成されるようになっている。
次に、本実施例の作用について図1乃至図4も参照して説明する。図4は、一般的な洗濯機が全自動運転を行う場合の工程を示すもので、横軸が経過時間(分)、縦軸がモータ11の回転数(rpm)である。尚、上記で説明した構成は洗濯乾燥機であるが、説明の都合上、乾燥運転については省略している。
これらの内、モータ11の回転数の変化が顕著となる主たる工程は、(B)洗い工程,(E)すすぎ脱水(1)工程,(G)すすぎ撹拌(1)工程,(J)すすぎ脱水(2)工程,(L)すすぎ撹拌(2)工程,(O)最終脱水工程である。工程(B),(G),(L)におけるモータ11の最高回転数は50rpm程度であり、工程(E),(J)における最高回転数は1300rpm程度、工程(O)の最高回転数は800rpm程度となっている。また、工程(B),(G),(L)におけるモータ11の出力トルクは280kgf・cm程度、工程(E),(J)における出力トルクは20〜30kgf・cm程度である。すなわち、工程(B),(G),(L)は低速回転・高出力トルクでの運転となり、工程(E),(J)は高速回転・低出力トルクでの運転となる。
尚、洗濯乾燥機が、ドラム4内の洗濯物に熱を加えながら脱水を行う「プリヒート脱水」運転の場合は、(E),(J)のすすぎ脱水工程と同様なパターンとなる。
そして、従来の洗濯機では、前述したように、高速回転・低出力トルク運転では弱め界磁制御を行うことで回転数をより上昇させるなどしていたが、本実施例では、モータ11のロータ92を構成するアルニコ磁石97の着磁量を変化させることで、モータ11を、洗濯機の各運転について要求される特性に適合するようにロータマグネット98の磁束をダイナミックに変化させる。すなわち、洗い・すすぎ運転のように低速回転・高出力トルクが要求される場合には、アルニコ磁石97の着磁量を増加(増磁)させることでロータマグネット98全体の磁束を増加させ、脱水運転のように高速回転・低出力トルクが要求される場合は、アルニコ磁石97の着磁量を減少(減磁)させることでロータマグネット98全体の磁束を減少させるように制御する。
以下、アルニコ磁石97の着磁量を変化させる処理について説明する。図2(a)は、脱水運転から洗い・すすぎ運転に移行する場合に、アルニコ磁石97が減磁されている状態から増磁させる場合の処理を示すフローチャートである。脱水運転におけるドラム4−モータ11の回転を停止させるためブレーキ動作を開始し(ステップS1)、回転が停止すると(ステップS2:YES)、アルニコ磁石97を増磁させるようにd軸電流を出力する(ステップS3)。この場合、d軸電流を与えることでロータ92の回転位置が固定される。次に、その状態からロータ92を1電気角度分(1/24機械角分)移動させるように通電相を変化させて(ステップS4)、再度d軸電流を出力すると(ステップS5)処理を終了する。
ここで、図5(a)に示すように、アルニコ磁石97は時計回りにU,V,W,…の順に並んでおり、例えば最上部のU相を基準にロータ92を位置決めすると、ステータ91のティース93bが相対するアルニコ磁石97は、U,W,V,U,W,V,…の1つ置き順となる。したがって、ステップS3では上記のようにアルニコ磁石97が1つ置きに増磁され、それらの間に位置するアルニコ磁石97は、着磁が不完全な状態となる。そこで、ステップS4でロータ92を1電気角度分移動させると、残りのアルニコ磁石97を良好に増磁させることが可能となる。
また、ステップS3においてd軸電流を発生させて最初の増磁を行う場合には、それ以前に、回転位置センサ78により停止状態にあるロータ92の位置を把握した後に、その停止位置に応じて通電相を決定する。すなわち、図3に示すように、ロータ92の停止位置に応じて、回転位置センサ(ホールセンサ)78u,78v,78wの各信号A,B,Cの出力レベルは、電気角60度毎に異なる6つの状態がある。そこで、センサ信号A,B,Cの出力レベルに対応した通電相でd軸電流を与え、ロータ92を、30度,90度,150度,…の各位置に固定すれば、通電時におけるロータ92の回転移動量が少なくなるため、騒音を抑制することができる。尚、洗濯機は室内に設置される場合が多いため、騒音を低減することは極めて重要である。
また、図2(b)は、洗い・すすぎ運転から脱水運転に移行する場合に、アルニコ磁石97を、増磁されている状態から減磁させる場合の処理を示すフローチャートである。基本的な手順は、図2(a)のケースと同じであり、ステップS3,S5に対応するステップS8,S10が「減磁電流出力」となっているだけである。
ところで一般に、洗濯機では、ユーザによりドラム4に洗濯物が投入され、運転開始を指示する入力操作が行われると(図4における工程(A)の開始前)、洗濯運転に必要な洗剤量を表示したり、給水量を決定することを目的として、洗濯物の重量検知処理(重量センシング)が行われる。その方式には様々あるが、ここでは例えば、特開2004−113286号公報に開示されている方式を用いる。
すなわち、直流励磁によりロータ92の位置決めを行なう初期パターン出力部73より出力される起動用の電圧指令によりモータ11を強制転流させる。モータ11の回転速度が30rpmに達するまでステップS3において強制転流動作を継続する。回転速度が30rpmに達するとベクトル制御側に切替え、速度PI制御により、モータ11の回転速度が約3秒間で目標回転数(例えば、270rpmとする)に達するように加速させる。
そして、上記約3秒間の加速期間においてq軸電流値Iqを一定時間毎にサンプリングして積分(積算)し続け、その積分結果より負荷たる洗濯物の乾布重量を推定する。この時、特開2004−113286号公報,或いは特開2004−49631号公報と同様に、q軸電流値Iqを積分し続けると同時にq軸電流の変動分についても積分を行ない、ドラム4内における洗濯物の分布の偏り度合い,アンバランス状態に応じて洗濯物の分量の推定結果を補正しても良い。或いは、q軸電流値Iqの積分を開始させる前にアンバランス検知を行い、アンバランスの程度が閾値以下であると判断した場合にq軸電流値Iqの積分を開始させても良い。
また、本実施例では、上記の重量センシングを行った後、給水が開始され、洗い運転が行われている途中においても、洗濯物の重量検知処理を行う(図4中の上向き矢印参照)。以下この処理について、図1を参照して説明する。図1は、洗い運転中に重量検知を行う処理部分を示すフローチャートである。洗い運転を開始した後、5分が経過するか否かを判断し(ステップS11,S12)、5分が経過すると(YES)、ドラム4を50rpmで定常回転させる(ステップS13)。それから、モータ11を空転させると、制御回路30は、その時点から3秒間誘起電圧をサンプリングしてデータの平均をとることで、洗濯物が吸水した状態の重量(吸水布重量)を推定する(ステップS14)。更に、前記吸水布重量に基づいて、乾布重量を推定する(ステップS15)。
次に、運転開始時に行った重量センシングの結果(乾布重量)と、ステップS15で推定した重量とを比較し(ステップS16,S18)、後者の重量が重いと判断した場合は(ステップS16:YES)モータ11のロータマグネット98を増磁する(ステップS17)。一方、前者の重量が重いと判断した場合は(ステップS18:YES)モータ11のロータマグネット98を減磁する(ステップS19)。ステップS18で「NO」と判断した場合は両者の重量がほぼ同一であるから、そのまま処理を終了する。
すなわち、ドラム4に投入された洗濯物の種類、例えば布質などによっては乾布状態での重量検知が正確に行われず、ドラム4に給水が行われ、洗濯物が水を吸収した状態で検知した重量に基づいて推定される重量とは、異なる場合がある。そして、吸水状態で検知される重量がより正確な値となる場合があるので、その吸水布重量より推定された結果が乾布重量と異なる場合は、両者の差に応じてロータマグネット98の着磁状態を変化させて、モータ11が負荷に応じたトルクを出力できるように調整する。
また、乾布重量を検知する場合と同じ検知方式を採用しないのは、誘起電圧を検知する方式が洗い運転を行っている途中でも実行が容易だからである。
以上のように本実施例によれば、モータ11が、ロータ92に着磁量を容易に変更可能なレベルの保磁力を有するアルニコ磁石97を備えて構成される場合、ドラム4内に投入された洗濯物につき、最初の給水が行われる以前に検知された乾布重量に応じてアルニコ磁石97の着磁量を設定し、最初の給水が行われた以降に検知された吸水布重量より推定される洗濯物重量と、乾布重量とに差がある場合は、その差に応じてアルニコ磁石97の着磁量を変化させるようにした。したがって、アルニコ磁石97,ロータマグネット98の着磁量が洗濯物の実際の重量により対応するようになり、モータ11の特性を負荷量に応じて最適化できるので、運転効率を向上させて消費電力を低減できる。
そして、吸水布重量を検知する場合には、モータ11を一定回転数(50rpm)で回転させてから空転状態にした場合に、モータ11の巻線11wに発生する誘起電圧の大きさ(サンプリングデータの平均値)に基づいて検知するので、洗濯運転の途中であっても吸水布重量を容易に検知できる。また、洗い運転においては、吸水布重量を、洗い運転の開始後所定時間(5分)が経過した時点で検知するので、洗濯物のほぼ全体が水を吸収した状態となった段階で、吸水布重量をより正確に検知できる。
(第2実施例)
図9及び図10は第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例では、洗い運転を行う場合に洗濯物の布質を判定する処理を行い、その判定結果に応じてアルニコ磁石97,ロータマグネット98の着磁量を変化させる。ここでの「布質判定」とは、ドラム4内に投入された洗濯物の全体の布質が、概ね純綿であるものが多いか(綿系)、綿に化繊が混紡されているものが多いか、或いはそれら以外であるかについて大まかに判定するものである。
図9は、洗い運転中の処理を示すフローチャートである。先ず、布質判定処理を行うが(ステップS21)、その処理について図10を参照して説明する。モータ11を駆動してドラム4を回転させ、洗濯物の撹拌動作を行う場合に(ステップS31)、定常回転数(例えば50rpm)に到達して10秒後から、モータ11を空転状態にして回転が停止するまでの間にq軸電流Iqを所定単位数分サンプリングすると、それらの平均値をとる(ステップS32)。上記の所定単位数分のサンプリングデータについて平均値をとる処理を10回分繰り返す(ステップS33)。
そして、10回分の測定が完了すると(ステップS33:YES)、それら10回分の測定結果について更に平均値を算出し(ステップS34)、算出した平均値(測定値)を第1閾値と比較する(ステップS35)。(測定値>第1閾値)であれば(YES)布質を「綿系」と判定し(ステップS36)、(測定値≦第1閾値)であれば(NO)測定値を、第1閾値よりも低い値に設定されている第2閾値と比較する(ステップS37)。ここで(測定値>第2閾値)であれば(YES)布質を「化繊混紡」と判定し(ステップS38)、(測定値≦第2閾値)であれば(NO)布質を上記以外の「その他(例えば化繊系)」と判定する(ステップS39)。
再び図9を参照する。以上のようにして、ステップS21における布質判定を行った結果が「綿系」であれば(ステップS22:YES)、洗濯物が吸水する率が高いと推定され、モータ11の負荷がより重くなるのでロータマグネット98を増磁する(ステップS23)。一方、布質判定の結果が「化繊混紡」であれば(ステップS24:YES)、平均的な洗濯物の布質であると推定されるので、ロータマグネット98の着磁量は変化させずそのままとする。
そして、布質判定の結果が「綿系」,「化繊混紡」の何れでもない場合は(ステップS24:NO)、例えばほぼ全体が化繊である場合のように、洗濯物の吸水率が低くモータ11の負荷がより軽くなると推定される。したがって、ロータマグネット98を減磁させる(ステップS25)。
以上のように第2実施例によれば、洗い運転中に洗濯物の布質判定を行い、その判定結果に応じてロータマグネット98の着磁量を変化させるので、モータ11の特性を洗濯物の布質(吸水率の高低)に応じて異なる負荷に対応させることができる。
(第3実施例)
図11は第3実施例であり、すすぎ運転中に行う処理内容を示す。設定された時間まですすぎ動作を行うと(ステップS41,S42:YES)、排水を行った後中間脱水を行う前に、第1実施例のステップS13〜S15と同様の処理を行う(ステップS43,S44)。尚、ステップS43の「誘起電圧測定」が、ステップS13,S14に対応している。
それから、すすぎ運転を開始する以前に洗い運転が行われているか否かを判断し(ステップS45)、洗い運転が行われていれば(YES)、ステップS15で推定した重量とステップS44で推定した重量とを比較する(ステップS46)。後者の重量の方が大である場合は(YES)、ロータマグネット98を増磁して(ステップS47)運転を継続し、後者の重量が前者の重量以下であれば(NO)、後者の重量の方が小であるか否かを判定する(ステップS48)。後者の重量の方が小であれば(YES)ロータマグネット98を減磁させ(ステップS49)、小でなければ(NO)両者の重量は等しいので、そのまま運転を継続する。
一方、ステップS45において、事前に洗い運転が行われずにすすぎ運転だけが行われた場合は(NO)、洗濯物の重量は、すすぎ運転が開始される前に固定値に自動設定されている。したがって、その自動的に設定された重量と、ステップS44で推定した重量とを比較する(ステップS50)。後者の重量の方が大である場合は(YES)、ロータマグネット98を増磁して(ステップS51)運転を継続し、後者の重量が前者の重量以下であれば(NO)、後者の重量の方が小であるか否かを判定する(ステップS52)。後者の重量の方が小であれば(YES)ロータマグネット98を減磁させ(ステップS53)、小でなければ(NO)両者の重量は等しいので、そのまま運転を継続する。
尚、ステップS46,S48,S50,S52における比較対象は、推定した乾布重量でなくても良く、推定前の吸水布重量同士を比較しても良い。ただしこの場合、ステップS50,S52については、自動的に設定される洗濯物重量が吸水布重量に対応している必要がある。
以上のように第3実施例によれば、すすぎ運転において中間脱水が行われる前に吸水布重量を検知し、その吸水布重量より推定される洗濯物重量と洗い運転で検知された吸水布重量より推定される洗濯物重量とに差がある場合は、その差に応じてロータマグネット98の着磁量を変化させるようにした。したがって、洗い時とすすぎ時とで推定結果が異なる場合に、両者の差に応じてモータ11の特性を変化させ、中間脱水を開始した直後のモータ11の出力トルクが適切に得られるようになる。
(第4実施例)
図12及び図13は第4実施例である。第4実施例は、乾燥運転について行う処理を示し、図12はフローチャート、図13は乾燥運転の進行状態の一例を示すタイムチャート等である。図12において、先ず室温検知用の温度センサ(図示せず)によって室温を検知すると(ステップS61)、乾布重量を検知する場合と同様に重量センシングを行う(ステップS62)。この場合は吸水布重量を検知することになる。
それから、ヒートポンプ14及び送風ファン18により温風を循環させてドラム4内に送風すると共に、ドラム11を回転させて乾燥運転の第1段階を開始する(ステップS63)。図13(c),(d)に示すように、第1段階におけるモータ11の駆動仕様Aは、回転数55rpm,正反転時間がそれぞれ29秒,回転休止時間が3秒となっている。第1段階の実行中は、ドラム4の温風入口及び出口にそれぞれ配置されている温度センサ(図示せず)によって、入口温度Tiと出口温度Toとを測定する(ステップS64)。そして、両者の温度差ΔT(=Ti−To)が最大値ΔTmになるまでは(NO)第1段階を継続し、最大値ΔTmになると,厳密には温度差ΔTが増加から減少に転じると(YES)第1段階を終了し(ステップS65)、第2段階に移行する(ステップS66)。
図13(a)には、乾燥運転の進行に伴う入口温度Tiと出口温度Toの変化を示し、図13(b)には、同温度差ΔTの変化を示している。乾燥運転を開始する前の状態では、入口温度Tiと出口温度Toとは一致しており温度差ΔTは「0」である。その状態から乾燥運転を開始すると、入口温度Tiは急激に上昇するが、出口温度Toは、温風が洗濯物が含んでいる水分を取り込むため緩やかに上昇する。その結果、両者の温度差ΔTが最大を示すタイミングが後に到来する。この時点での洗濯物の乾燥度は、乾燥運転開始前の水分含有状態を100%とすると、約85%程度になると推定される。
第2段階におけるモータ11の駆動仕様Bは、回転数60rpm,正反転時間がそれぞれ29秒,回転休止時間が0.2秒となっている。第2段階の実行中も、入口温度Tiと出口温度Toとを測定し(ステップS67)、両者の温度差ΔTが最大値ΔTmより所定温度T1だけ低下するまでは(NO)第2段階を継続する。そして、温度差:ΔT<(ΔTm−T1)になると(YES)第2段階を終了し(ステップS68)、第3段階に移行する(ステップS69)。この時点での乾燥度は、約90%程度になると推定される。
第3段階におけるモータ11の駆動仕様Cは、回転数100rpm,正反転時間がそれぞれ14秒,回転休止時間が0.2秒となっている。第3段階の実行中も、入口温度Tiと出口温度Toとを測定して両者の温度差ΔTを求め(ステップS70)、温度差ΔTが最大値ΔTmより所定温度T2(>T1)だけ低下するまで(NO)第3段階を継続する。そして、温度差:ΔT<(ΔTm−T2)になると(YES)第3段階を終了し(ステップS71)、仕上げ行程に移行する(ステップS72)。この時点での乾燥度は、約95〜97%程度になると推定される。
仕上げ行程におけるモータ11の駆動仕様Dは、回転数125rpm,正反転時間がそれぞれ14秒,回転休止時間が0.2秒となっている。予め設定された時間だけ仕上げ行程を行うと、最後に冷却行程を行う(ステップS73)。この時、ヒートポンプ14及び送風ファン18によりドラム4に冷風を送風する。冷却行程におけるモータ11の駆動仕様Eは、回転数80rpm,正反転時間がそれぞれ29秒,回転休止時間が0.2秒となっている。予め設定された時間だけ冷却行程を行うと乾燥運転を終了する。
上記の乾燥運転では、図13(c)に示すように、第1→第2→第3→仕上げ→送風の各段階に移行する際に、第1実施例のステップS13,S14のように誘起電圧のサンプリング結果に基づき、乾燥運転途中の吸水布重量を求める。各段階(行程)を開始する前に検知した重量を、重量(A)〜(E)とすると、第2段階以降に重量検知を行うと、重量(A)と重量(B),重量(B)と重量(C),重量(C)と重量(D),重量(D)と重量(E),をそれぞれ比較する。乾燥運転では、乾燥が進行するにつれて洗濯物重量は順次軽くなって行く。そこで、各段階への移行時に検知した重量の差と、モータ11の駆動仕様の定常回転数と応じて、ロータマグネット98の着磁量を変化させる。
仕様A〜Dに移行する期間は、定常回転数が順次高くなる設定であるから、それに併せてロータマグネット98を減磁させる。最後の仕様DからEに移行する場合は、定常回転数が低くなる設定であるから、それに併せてロータマグネット98を増磁させるようにする。
以上のように第4実施例によれば、洗濯機が乾燥運転を行う機能を備えている場合に、乾燥運転中に吸水布重量を間欠的に複数回検知し、最新の吸水布重量と前回に検知した吸水布重量とに差がある場合は、その差に応じてロータマグネット98の着磁量を変化させるようにした。したがって、乾燥が進行するのに伴い変化する負荷の状態と、また、乾燥運転の各段階について設定されているモータ11の駆動仕様に応じてモータ11の特性を変化させることができ、乾燥運転の効率を向上させることができる。
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
誘起電圧を検出する場合におけるモータ回転数やサンプリング期間等の設定は、適宜変更して良い。
誘起電圧は、エスティメータ63の内部において、モータの電圧・電流方程式に基づき行う演算で得られるものを用いても良い。
重量検知の方式は、実施例に示したものに限ることなく、どのような方式で行っても良い。例えば、乾布重量の検知と吸水布重量の検知とを同じ方式で行っても良い。
第1実施例において、洗い運転の途中に負荷量を推定するタイミングは、運転開始から5分経過後に限ることなく、適宜変更して良い。
第2実施例における布質判定処理は、異なる方式を採用しても良い。
第1,第2永久磁石は、それぞれネオジム磁石,アルニコ磁石に限ることなく、保持力の条件を満たす磁性材料であれば適宜変更して良い。
第2永久磁石の着磁変化量のみで全ての運転特性に対応させることができる場合、第1永久磁石は不要である。
ドラム4の回転軸は、水平に対して仰角方向に10度〜15度程度の傾きを持たせるようにしても良い。
乾燥機能を持たない洗濯機に適用しても良い。また、パルセータを用いて水流を撹拌させる縦型の洗濯機に適用しても良い。
図面中、4は回転ドラム(回転槽)、11はドラムモータ(永久磁石モータ)、30は制御回路(着磁量制御手段,重量検知手段)、32はインバータ回路(着磁量制御手段)、92はロータ、97はアルニコ磁石(永久磁石)を示す。

Claims (6)

  1. ロータ側に着磁量を容易に変更可能なレベルの保磁力を有する永久磁石を備えて構成され、洗濯運転を行うための回転駆動力を発生させる永久磁石モータと、
    前記永久磁石の着磁量を変化させるように励磁電流を発生させる着磁量制御手段と、
    回転槽内に投入された洗濯物の重量を検知する重量検知手段とを備え、
    前記着磁量制御手段は、
    前記重量検知手段により前記回転槽内に最初の給水が行われる以前に検知された乾布重量に応じて前記永久磁石の着磁量を設定し、
    前記最初の給水が行われた以降に検知された吸水状態の布重量(吸水布重量)より推定される洗濯物重量と、前記乾布重量とに差がある場合は、その差に応じて前記永久磁石の着磁量を変化させることを特徴とする洗濯機。
  2. 前記重量検知手段は、少なくとも前記吸水布重量を検知する場合には、前記モータを一定回転数で回転させてから空転状態にした場合に、前記モータの巻線に発生する誘起電圧の大きさに基づいて検知することを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
  3. 前記重量検知手段は、洗い運転においては、前記吸水布重量を、洗い運転の開始後所定時間が経過した時点で検知することを特徴とする請求項1又は2記載の洗濯機。
  4. 前記着磁量制御手段は、洗い運転中に洗濯物の布質判定が行われた場合は、判定された布質に応じて前記永久磁石の着磁量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の洗濯機。
  5. 前記重量検知手段は、すすぎ運転において中間脱水が行われる前に前記吸水布重量を検知し、
    前記着磁量制御手段は、前記吸水布重量と洗い運転で検知された吸水布重量とに差がある場合は、その差に応じて前記永久磁石の着磁量を変化させることを特徴とする請求項3記載の洗濯機。
  6. 乾燥運転を行う機能を備えている場合、
    前記重量検知手段は、前記乾燥運転中に前記吸水布重量を間欠的に複数回検知し、
    前記着磁量制御手段は、最新の吸水布重量と前回に検知した吸水布重量とに差がある場合は、その差に応じて前記永久磁石の着磁量を変化させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の洗濯機。
JP2009116472A 2009-05-13 2009-05-13 洗濯機 Expired - Fee Related JP5508758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009116472A JP5508758B2 (ja) 2009-05-13 2009-05-13 洗濯機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009116472A JP5508758B2 (ja) 2009-05-13 2009-05-13 洗濯機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010263998A true JP2010263998A (ja) 2010-11-25
JP5508758B2 JP5508758B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=43361550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009116472A Expired - Fee Related JP5508758B2 (ja) 2009-05-13 2009-05-13 洗濯機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5508758B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109468794A (zh) * 2017-09-07 2019-03-15 无锡小天鹅股份有限公司 获得波轮洗衣机称重前进水时间的方法及装置
JP2019187116A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 キヤノン株式会社 モータ制御装置およびその制御方法

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000116198A (ja) * 1998-09-30 2000-04-21 Toshiba Corp 永久磁石リラクタンスモータの制御装置
JP2002233199A (ja) * 2001-02-05 2002-08-16 Railway Technical Res Inst 永久磁石同期電動機の制御装置
JP2004023839A (ja) * 2002-06-13 2004-01-22 Toshiba Corp インバータ装置及び洗濯機
JP2004113286A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Toshiba Corp 洗濯機
JP2004242430A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Toshiba Corp ベクトル制御インバータ装置および洗濯機
JP2006280195A (ja) * 2005-03-01 2006-10-12 Toshiba Corp 永久磁石式回転電機
JP2007037299A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Toshiba Corp ベクトル制御インバータ装置
JP2008006179A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Toshiba Corp ドラム式洗濯機
JP2008183122A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Toshiba Corp ドラム式洗濯機
JP2008245368A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Toshiba Corp 永久磁石式回転電機及び永久磁石電動機ドライブシステム
JP2009072021A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Toshiba Corp 永久磁石ドライブシステム
JP2009100794A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Panasonic Corp 洗濯機
WO2009060587A1 (ja) * 2007-11-05 2009-05-14 Kabushiki Kaisha Toshiba 洗濯機
WO2009060588A1 (ja) * 2007-11-07 2009-05-14 Kabushiki Kaisha Toshiba 洗濯機のインバータ装置

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000116198A (ja) * 1998-09-30 2000-04-21 Toshiba Corp 永久磁石リラクタンスモータの制御装置
JP2002233199A (ja) * 2001-02-05 2002-08-16 Railway Technical Res Inst 永久磁石同期電動機の制御装置
JP2004023839A (ja) * 2002-06-13 2004-01-22 Toshiba Corp インバータ装置及び洗濯機
JP2004113286A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Toshiba Corp 洗濯機
JP2004242430A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Toshiba Corp ベクトル制御インバータ装置および洗濯機
JP2006280195A (ja) * 2005-03-01 2006-10-12 Toshiba Corp 永久磁石式回転電機
JP2007037299A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Toshiba Corp ベクトル制御インバータ装置
JP2008006179A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Toshiba Corp ドラム式洗濯機
JP2008183122A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Toshiba Corp ドラム式洗濯機
JP2008245368A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Toshiba Corp 永久磁石式回転電機及び永久磁石電動機ドライブシステム
JP2009072021A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Toshiba Corp 永久磁石ドライブシステム
JP2009100794A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Panasonic Corp 洗濯機
WO2009060587A1 (ja) * 2007-11-05 2009-05-14 Kabushiki Kaisha Toshiba 洗濯機
WO2009060588A1 (ja) * 2007-11-07 2009-05-14 Kabushiki Kaisha Toshiba 洗濯機のインバータ装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109468794A (zh) * 2017-09-07 2019-03-15 无锡小天鹅股份有限公司 获得波轮洗衣机称重前进水时间的方法及装置
CN109468794B (zh) * 2017-09-07 2022-02-01 无锡小天鹅电器有限公司 获得波轮洗衣机称重前进水时间的方法及装置
JP2019187116A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 キヤノン株式会社 モータ制御装置およびその制御方法
JP7144961B2 (ja) 2018-04-11 2022-09-30 キヤノン株式会社 モータ制御装置およびその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5508758B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI452821B (zh) 洗衣機之變頻裝置
JP3962668B2 (ja) ドラム式洗濯機
JP5178400B2 (ja) 洗濯乾燥機
JP3651595B2 (ja) 洗濯機のインバータ装置及び洗濯乾燥機のインバータ装置
JP5468306B2 (ja) 洗濯機
JP6184236B2 (ja) モータ駆動装置及び洗濯機
JP4406176B2 (ja) 洗濯機
JP4786163B2 (ja) ヒートポンプ式乾燥機及び洗濯乾燥機
JP6078783B2 (ja) 洗濯機
JP5508758B2 (ja) 洗濯機
JP5508760B2 (ja) 洗濯機
JP2005006676A (ja) 洗濯機
JP5601827B2 (ja) 洗濯機
JP5670077B2 (ja) モータ制御装置及び洗濯機
JP5121623B2 (ja) 洗濯機のインバータ装置
KR101470628B1 (ko) 모터, 이를 포함하는 세탁기 및 그 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120322

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131010

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20140127

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5508758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees