JP2005006676A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】機構的な誤差要因を極力排除して、より正確な洗濯物の重量や分布バランスを推定することができる洗濯機を提供する。
【解決手段】制御部は、回転軸に洗濯機のドラムが直結されたモータを駆動制御するに際して、モータの各相巻線の端子電圧を分圧回路によって検出することで誘起電圧のゼロクロス点を検出し、その検出結果に基づいてロータの回転位置を検知する。そして、回転数検知部によりモータの回転速度を検知し、ドラムの内部に収容された洗濯物の重量(ステップS1〜S8)、ドラム内における洗濯物の分布バランスを推定すると、その推定結果に応じて洗濯機の運転状態を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】制御部は、回転軸に洗濯機のドラムが直結されたモータを駆動制御するに際して、モータの各相巻線の端子電圧を分圧回路によって検出することで誘起電圧のゼロクロス点を検出し、その検出結果に基づいてロータの回転位置を検知する。そして、回転数検知部によりモータの回転速度を検知し、ドラムの内部に収容された洗濯物の重量(ステップS1〜S8)、ドラム内における洗濯物の分布バランスを推定すると、その推定結果に応じて洗濯機の運転状態を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの回転軸に直結され、回転槽内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させることで、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行うための回転体を備えてなる、所謂ダイレクトドライブ方式の洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗濯機は、撹拌翼(パルセータ)やドラムなどの回転槽(これらを総称して回転体とする)をモータによって回転させることで、回転槽内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させ、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行う。この場合、モータの回転軸から回転体へ駆動力を伝達させる方式には、ベルト機構や減速歯車を介して伝達したり、回転軸と回転体とを直結したり(ダイレクトドライブ方式)、或いは前者と後者とを運転行程に応じて切替えるものがある。
これらの内、ダイレクトドライブ方式は、運転時における振動及び騒音を低減する効果が得られることから、近年広く採用されている。
【0003】
また、洗濯機のモータを駆動する方式としては、ホールICなどの磁気センサを位置センサとして用いることでモータの回転子位置を検出し、その位置情報に基づいてインバータ回路などを駆動制御するものが主流である。
【0004】
更に、洗濯機には、使用水量,洗剤投入量や運転時間の決定,或いは運転行程の選択などを自動的に行うものがあるが、これらの決定や選択を行うには、上述した位置センサにより検出されるモータの回転子位置情報を利用し、所定の条件下における回転体の回転状態(速度変動など)を把握する。そして、その回転状態に基づいて洗濯物の重量や回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定し、それらの推定結果に応じて所定の決定や選択を行うようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−126390
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、ダイレクトドライブ方式ではモータと回転体との回転速度は誤差無く一致しているため、モータの回転状態を把握すれば回転体にかかる負荷の状態、つまり、洗濯物の量などを良好に推定することが可能である。
【0007】
しかしながら、位置センサは、通常2個ないし3個が所定の電気角に対応する位置に固定された状態でモータの回転子が発生する磁界を検出するようになっている。従って、モータを構成する永久磁石の寸法や固着間隔、或いは磁気特性などのばらつきが誤差要因として潜在しており、それらに基づいて発生する誤差によって推定を正確に行うことができず、洗濯機の使用水量や使用電力量に無駄が生じるという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機構的な誤差要因を極力排除して、より正確な洗濯物の重量や分布バランスを推定することができるダイレクトドライブ方式の洗濯機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の洗濯機は、モータの回転軸に直結され、回転槽内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させることで、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行うための回転体と、
前記モータに発生する誘起電圧若しくは前記モータの巻線に流れる電流を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された電圧若しくは電流に基づいて前記モータの回転子位置を検知する位置検知手段と、
前記検出手段によって検出された電圧若しくは電流に基づいて前記モータの回転速度を検知する速度検知手段と、
この速度検知手段によって検知された回転速度の変動情報に基づいて、前記洗濯物の量若しくは前記回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定する推定手段と、
前記位置検知手段によって検知された回転子位置に基づいて前記モータを駆動制御すると共に、前記推定手段による推定の結果に応じて運転状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
即ち、本発明では、モータの駆動制御については、位置センサを使用することなしに回転子位置を推定し、その推定した位置に基づいて制御を行う所謂センサレス駆動方式を採用している。そして、回転子位置の推定には、検出手段によって検出されるモータの誘起電圧若しくは巻線電流を利用する。
【0011】
この場合、モータの誘起電圧若しくは巻線電流は、モータの全周について磁界の影響を平均化したものとして得ることができる。このことは、誘起電圧については、各相巻線がモータの全周にわたって分布する構成であることから自明である。また、巻線電流についても、次式で示すように誘起電圧に基づいて導出されるから同様のことが言える。
(巻線電流)=(相電圧−誘起電圧)/(インピーダンス)
【0012】
従って、モータの誘起電圧若しくは巻線電流に基づいてモータの回転速度を検知し、推定手段が検知された回転速度の変動情報に基づいて洗濯物の量若しくは洗濯物の分布バランスを推定することで、モータにおける特定の磁極の磁界強度のばらつきや磁石寸法或いは組立て精度のばらつきが存在する場合でも、それらを平均化、最小化したものに基づいて推定が可能であるから、推定精度を向上させることができる。
【0013】
尚、「モータの回転軸に直結」の「直結」とは、必ずしも物理的な直結だけを意味するものではなく、モータと回転体とが同じ回転数で回転するように構成されていれば、両者の間を直接結合するための部材が介在する場合もここで言う「直結」の概念に含むものとする。
【0014】
この場合、請求項2に記載したように、モータを、一相当たりの巻線数を3組以上として構成することが好ましい。例えば、回転体が、回転軸が略水平方に配置されるドラムによって構成されるドラム式洗濯機である場合は、ドラム内に収容されている洗濯物は、ドラムの内周に配置されているバッフルによって洗濯物を持ち上げ、下方に落下させることで洗濯作用をなすようになっており、洗濯物の落下前後においては大きな負荷変動が生じる。
【0015】
従って、その落下前後に生じる負荷変動を検出するには、洗濯物の落下が生じる回転角度の周期よりも短い周期で検出を行なう必要がある。ドラム内において洗濯物の落下が生じる回転角度は、概ね機械角90度から120度の範囲内であるから、その前後において負荷変動を検出するには、電気角を機械角90度未満に設定する必要がある。
【0016】
そこで、一相当たりの巻線数を3組以上とすれば、6極以上の構成によって機械角が60度未満となるので、誘起電圧若しくは巻線電流に基づいて負荷変動を良好に検出することができる。尚、ここで言う「1組」とは、例えば、隣り合う2つの磁極に一相の巻線が互いに逆方向巻で巻装されているようなものも1組とみなす趣旨である。また、巻線の組数をカウントする場合、同じ鎖交磁束を発生させる磁極は含まないものとする。
また、この場合、請求項3に記載したように、モータを、三相直巻き方式で構成すれば、全巻線数は9個以上となる。
【0017】
以上の場合において、請求項4に記載したように、検出手段を、モータの巻線と回路グランドとの間に接続される抵抗素子の端子電圧に基づいて誘起電圧を検出するように構成すると良く、斯様に構成すれば、誘起電圧を簡単な構成で検出することができる。
【0018】
また、請求項5に記載したように、モータの巻線に通電を行うインバータ回路を備え、
検出手段を、前記インバータ回路の下アーム側のスイッチング素子と回路グランドとの間に配置されるシャント抵抗の端子電圧に基づいて巻線電流を検出するように構成すると良く、斯様に構成すれば、巻線電流を簡単な構成で検出することができる。
【0019】
この場合、請求項6に記載したように、シャント抵抗を1素子のみとし、そのシャント抵抗の一端を全相の下アーム側のスイッチング素子に共通に接続し、他端を回路グランドに接続する構成としても良い。斯様に構成すれば、1つのシャント抵抗によって電流検出を行なうことができる。
【0020】
また、以上の場合において、請求項7に記載したように、速度検知手段を、検出値としきい値との比較結果に基づいてパルス信号を発生させるパルス発生手段と、前記パルス信号に基づいてカウント動作を行なうカウント手段とを備え、前記カウント手段のカウント値に基づいて回転速度を検知するように構成しても良い。斯様に構成すれば、前記カウント値は、誘起電圧若しくは巻線電流の周波数を反映した値になるので、その周波数に基づいてモータの回転速度を確実に検知することができる。
【0021】
また、請求項8に記載したように、推定手段を、モータが空転している場合に検知される回転速度の減少状態に基づいて洗濯物の量を推定する構成にすると良い。例えば、モータを所定の回転数で回転させた状態から駆動制御を停止させ、モータを空転状態にすると、モータの回転数は、回転槽内に収容されている洗濯物の量に応じて減少状態が変化する。従って、前記減少状態を参照すれば、洗濯物の量を良好に推定することができる。
【0022】
また、請求項9に記載したように、推定手段を、モータが加速若しくは減速運転されている期間に検知される回転速度の変化に基づいて洗濯物の量を推定する構成にしても良い。即ち、上記期間に検知される回転速度の変化も、回転槽内に収容されている洗濯物の量に応じたものとなるので、斯様に構成した場合も、洗濯物の量を良好に推定することができる。
【0023】
加えて、請求項10に記載したように、推定手段を、所定の目標回転速度に対して変動するモータの回転速度の最大値及び最小値に基づいて、回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定するように構成すると良い。即ち、洗濯物の分布バランス状態は、モータが所定の回転速度で回転しようとする場合における回転速度変動の大小に表れるので、洗濯物の分布バランスを良好に推定することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明のモータ駆動装置をドラム式洗濯機に適用した場合の第1実施例について図1乃至図12を参照して説明する。まず、ドラム式洗濯機の全体構成を示す図11において、ドラム式洗濯機の外殻をなす外箱(筐体)1の前面部には、中央部に扉2が設けられ、上部に、多数のスイッチや表示部(何れも図示せず)を備えた操作パネル3が設けられている。扉2は、外箱1の前面中央部に形成された洗濯物出入れ口4を開閉するものである。
【0025】
外箱1の内部には、円筒状をなす水槽5が配設されている。この水槽5は、その軸方向が前後方向(図11では左右方向)となる横軸状で且つ前上がりの傾斜状に配設され、弾性支持装置6により弾性的に支持されている。水槽5の内部には、円筒状をなすドラム(回転体)7が水槽5と同軸状に配設されている。このドラム7は、洗濯の他、脱水及び乾燥に共用の槽として機能するもので、胴部のほぼ全域に小孔8が多数形成され(図11に一部のみ図示)、胴部の内周部にはバッフル9が複数設けられている(図11に一つのみ図示)。
【0026】
水槽5及びドラム7は、夫々前面部に洗濯物出入れ用の開口部10,11を有し、水槽5の開口部10は前記洗濯物出入れ口4にベロー12により水密に連ねられ、ドラム7の開口部21はその水槽5の開口部10に臨んでいる。ドラム7の開口部11の周囲部には、バランスリング13が設けられている。
【0027】
上記水槽5の背面部には、ドラム7を回転駆動するモータ14が配設されている。モータ14はアウタロータ形のDCブラシレスモータ(永久磁石同期モータ)であり、そのステータ15が、水槽5の背部中央部に取り付けられた軸受ハウジング16の外周部に取り付けられている。
【0028】
モータ14のロータ(回転子)17は、ステータ15を外側から覆うように配置され、中心部に取り付けられた回転軸18が上記軸受ハウジング16に軸受19を介して回転可能に支承されている。軸受ハウジング16から突出した回転軸18の前端部はドラム7の背部の中央部に連結されている。即ち、モータ14のロータ17が回転すると、ロータ17と一体にドラム7も回転する構成(所謂ダイレクトドライブ方式)となっており、ドラム7内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させることで、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行う。
【0029】
水槽5の下面部には水溜部20が設けられており、この水溜部20の内部に洗濯水加熱用のヒータ21が配設され、水溜部20の後部に、排水弁22を介して排水ホース23が接続されている。
【0030】
水槽5の上部には温風生成装置24が設けられ、背部には熱交換器25が設けられている。温風生成装置24は、ケース26内に配設された温風用ヒータ27,ケーシング28内に配設されたファン29,ファン29をベルト伝動機構30を介して回転駆動するファンモータ31で構成され、ケース26とケーシング28とは連通されている。ケース26の前部にはダクト32が接続され、ダクト32の先端部は、水槽5内の前部に突出してドラム7の開口部12に臨んでいる。
【0031】
ここで、温風用ヒータ27とファン29とにより温風が生成され、その温風はダクト32を通してドラム7内に供給される。ドラム7内に供給された温風はドラム7内の洗濯物を加熱する共に水分を奪い、熱交換器25側へ排出される。
【0032】
熱交換器25は、上部が上記ケーシング28内と連通し、下部が水槽5内と連通しており、水が上部から注ぎ入れられて流下することで、内部を通る空気中の水蒸気を冷却し凝縮させて除湿する水冷式である。この熱交換器25を通った空気は再び温風生成装置24に戻され、温風化されて循環する。
【0033】
図9は、駆動制御系の電気的構成を示すものである。インバータ回路33は、6個のIGBT(スイッチング素子)34a〜34fを三相ブリッジ接続して構成されている。また、インバータ回路33は、100Vの交流電源35を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路36及び直列接続された2個のコンデンサ37a,37bにより倍電圧全波整流した約280Vの直流電圧が印加されるようになっている。
【0034】
検出手段たる分圧回路38は、分圧抵抗39乃至44からなっており、モータ14の固定子巻線15u,15v,15wの各一端子,即ち、インバータ回路33出力端子とグランドとの間に、分圧抵抗39と40との直列回路,分圧抵抗41と42との直列回路及び分圧抵抗43と44との直列回路を接続して構成されている。そして、それらの直列回路の各共通接続点は、制御部(位置検知手段,速度検知手段,推定手段,制御手段)45の入力ポートに夫々接続されている。尚、固定子巻線15u,15v,15wは、直巻き方式でステータコアに巻装されている。
【0035】
基準電圧発生回路(検出手段)46は分圧用の抵抗47及び48を備えており、インバータ回路33の電源入力端子間に接続されており、抵抗34及び35の共通接続点は制御部45の入力ポートに接続されている。そして、位置検知手段たる制御部45は、分圧回路38によってモータ14の各相巻線15u,15v,15wの端子電圧を検出し、その端子電圧に基づいて誘起電圧のゼロクロス点を検出し、そのゼロクロス点の検出タイミングに基づいてロータ17の回転位置及びモータ14の回転速度を推定するように構成されている。
【0036】
尚、ロータの回転位置を推定する方式については、例えば、特開平7−147793号公報などに開示されている。その概略を説明すると、制御部45は、内蔵されているコンパレータ(図示せず)によって、各相巻線15u,15v,15wの端子電圧と、基準電圧発生回路46より与えられる基準電圧(インバータ回路33に供給される直流電源電圧Eの1/2)とを比較する。すると、コンパレータは、各相誘起電圧のゼロクロス点間隔のパルス幅を有する位相信号を得る。そして、この位相信号から電気角30度に相当する時間を演算してその分だけ移相を行なうことで、位置検出信号を得る。
【0037】
そして、制御部45は、これらの3つの位置検出信号を論理変換して6つの通電タイミング信号を得ると、これらをインバータ回路33のIGBT34a〜34fに出力してオン,オフさせ、以て、固定子巻線15u,15v,15wに通電してロータ17を回転させる。尚、例えばモータ14を正弦波駆動するためにより詳細な位置信号が必要である場合は、位置検出信号の周期をカウンタで計測し、その周期に基づいて駆動制御に要求される分解能の位置信号を生成する。
【0038】
また、実際の運転に際しては、制御部45は、速度指令信号SVに基づいて出力調整を行なうべくパルス幅変調(PWM)制御を行なうようになっている。具体的には、演算により得られた位置検出信号を基にモータ14の実際の回転速度を示す速度検出信号を生成し、速度指令信号と速度検出信号とを比較して両者の差が零となるようにPWM信号のデューティ比を決定する。
【0039】
図10は、制御部45の内部においてモータ14の回転数(回転速度)データを得るための回転数検知部(速度検知手段)60の構成を示すものである。ゼロクロス検出回路(パルス発生手段)49u,49v,49wは、モータ14におけるU,V,W各相誘起電圧のゼロクロス点検出タイミングに応じてワンショットパルス信号を出力する。例えば、前記位相信号の立上がり、立下りに応じて夫々パルス信号を出力するように構成する。
【0040】
ゼロクロス検出回路49u,49v,49wより夫々出力されるパルス信号は、3入力ORゲート48に与えられており、ORゲート50の出力端子は、カウンタ(カウント手段)51のリセット端子に接続されている。カウンタ51は、ORゲート50によって出力されるパルス信号の周波数よりも十分に高い周波数を有するクロック信号をカウントするようになっている。そして、カウンタ51は、ORゲート50によってパルス信号が出力される毎にリセットされるので、そのパルス信号出力周期をカウントすることになる。
【0041】
カウンタ51のカウントデータは、リセットによってゼロクリアされる前にサンプルホールド回路(ラッチ)52によって保持されるようになっている。従って、制御部45は、サンプルホールド回路52に保持されているデータを読み出すことで回転数データを得ることができる。ここで、例えばモータ14が三相12極で構成されているとすると、ORゲート50によって出力されるパルス信号の周期は、モータの機械角
360/(12×3×2)=5(度)
に相当する。従って、サンプルホールド回路52に保持されているデータ値を72倍して、カウンタクロックのカウント周期を乗じれば、モータ14が一回転するのに要する時間、即ち回転速度が分かる。
【0042】
尚、上述したPWM信号のデューティ比を決定するプロセスをデジタル的に処理する場合、上記速度検出信号にはこの回転数データを使用すれば良い。また、ORゲート48より出力されるパルス信号を位置検知信号として利用することで、モータ14の駆動制御を行うことも可能である。
【0043】
また、モータ14の誘起電圧は、各相巻線15u,15v,15wがモータ14の全周にわたって分布する構成であるから、誘起電圧に基づいてロータ17の回転速度を検知すれば、モータ14の全周について発生している磁界の影響を平均化したものとして得ることができる。
【0044】
次に、本実施例の作用について図1乃至図8をも参照して説明する。図8は、洗濯機の全行程の流れを示すものである。即ち、ユーザがドラム7内に衣類などの洗濯物を投入し、適当な洗濯コースを選択してスタートさせると、先ず、重量検知が行なわれる。そして、制御部45が検知した重量に応じて必要となる洗剤量を図示しない表示部に表示させ、ユーザがその表示に基づく量の洗剤を投入すると、残りの行程が完了するまでの時間表示が行われる。それから、給水,洗い,排水,しぼり,の洗い行程が行なわれ、続いて、給水、すすぎ撹拌,排水,のパターンを2回繰り返すすぎ行程が行なわれる。その後、脱水行程,乾燥行程を経て全行程が終了する。
【0045】
<重量検知処理>
ここで、重量検知処理について図1及び図2を参照して説明する。図1は、推定手段たる制御部45によって行なわれる重量検知処理のフローチャートである。制御部45は、先ず、モータ14の回転数をN0まで上昇させると(ステップS1)、時間t0が経過するまで待機する(ステップS2)。尚、図2には、図1の処理に関して、モータ14の回転数がN0に達した時点からの回転数変化の一例を示す。
【0046】
回転数がN0に達すると(ステップS2,「YES」)、制御部45は、モータ14の駆動を停止し(ステップS3)、時間t1が経過するまで待機する(ステップS4)。そして、時間t0,t1間に減少した回転数ΔR1を、回転数N0から時間T1経過後の回転数N1を減じることで測定する(ステップS5)。
【0047】
次に、制御部45は、測定したΔR1に基づいて、洗濯物を収容した状態のドラム7の慣性モーメントJ1を(1)式によって演算する(ステップS6)。
J1=a・T1/(ΔR1/(t1−t0)) ・・・(1)
ここで、aは比例定数、T1は回転機構の摩擦などによる減速トルクである。
【0048】
続いて、制御部45は、慣性モーメントJ1よりドラム7の慣性モーメントJ0を減じて洗濯物の慣性モーメントJ2を得ると(ステップS7)、その慣性モーメントJ2に基づいて、洗濯物重量G1を(2)式によって演算する(ステップS8)。
G1=b・J2 ・・・(2)
但し、bは比例定数である。
即ち、モータ14を空転状態にした場合、モータ14の回転数はドラム7内に収容されている洗濯物の重量に応じて減少状態が変化する。従って、その減少状態に基づいて洗濯物の重量を良好に推定することができる。
【0049】
洗濯物重量G1と、ドラム7内に注水する水量W1との関係は、例えば図3で示されるため、制御部45は、内蔵されているメモリに記憶されている図3のテーブルに従って注水量W1を決定する。また、図4は、洗濯物重量G1に応じて基本行程時間(例えば、洗い、すすぎ、脱水や乾燥などの各運転時間)を決定するためのテーブルの一例である(3行程のみ示す)。このテーブルにより、洗濯物重量G1について基本行程時間tc1,tc2,tc3が決定される。
【0050】
<アンバランス検知処理>
次に、洗濯機が脱水運転を行う前にドラム7内における洗濯物のアンバランス状態を検出し、必要に応じてそのアンバランス状態を解消するためのほぐし運転を行う部分の処理について、図5乃至図7を参照して説明する。
【0051】
図5は、制御部45によって行なわれるアンバランス検知処理のフローチャートである。制御部45は、先ず、モータ14の回転数をN2まで上昇させると(ステップS11)、目標回転数N0に対して変動する回転数の最大値N3を検出する(ステップS12)。そして、最大値N3が検出された時点の時刻t3を記憶する(ステップS13)。尚、図6には、図5の処理に関してモータ14の回転数がN2に達した時点からの回転数変化を示す。
【0052】
続いて、制御部45は、目標回転数N0に対して変動する回転数の最小値N4を検出し(ステップS14)、最小値N4が検出された時点の時刻t4を記憶する(ステップS15)。
【0053】
次に、制御部45は、時間t3,t4間に減少した回転数ΔR2(最大変動量)を、回転数N3とN4との差として測定し(ステップS16)、測定したΔR2に基づいて、洗濯物のアンバランス量T2をトルク換算で求める(ステップS17)。
T2=c・J1/(ΔR2/(t3−t4)) ・・・(3)
但し、cは比例定数である。即ち、洗濯物の分布バランス状態は、モータ14が所定の回転数で回転しようとする場合における回転数変動の大小に表れるので、最大変動量ΔRに基づいてアンバランス量T2を求めれば、アンバランス状態を良好に推定できる。
【0054】
以上のようにしてアンバランス量T2を求めると、制御部45は、アンバランス量T2の大きさに応じて、図7に示すように脱水運転の開始時における運転シーケンスを変化させる。例えば、シーケンスCs1はアンバランス量が最も小さい場合であり、脱水運転時における回転数の上昇度合いが一番大きい。
【0055】
シーケンスCs2はアンバランス量がやや大きい場合であり、回転数の上昇度合いをやや緩やかにして、その上昇過程においてドラム7内の洗濯物分布を変化させることでアンバランス状態を解消させるようにする。
また、シーケンスCs3はアンバランス量がかなり大きい場合であり、ドラム7の回転方向を一旦反転させることで、ドラム7内のアンバランス状態をより積極的に解消させるほぐし運転を行った後、回転数を緩やかに上昇させている。
【0056】
ここで、図6に示すような回転変動を検出するのに適したモータ14の構成条件について、図12を参照して説明する。図12(a)〜(c)は、ドラム7の回転に伴い、洗濯物がバッフル9により内壁に沿って上方に移動し、ある程度の高さに達した時点で落下する状態を示したものである。(a)から(c)にかけて、ドラム7の回転角度は180度変化している。
【0057】
図12(c)に示すように、鉛直方向を基準0度とすると、バッフル9により掻き上げられた洗濯物が落下する角度は、概ね90度〜120度範囲であり、この前後においてはモータ14の負荷トルクが大きく変化する(図12(d)参照)。従って、斯様な状態における負荷トルク変動を確実に検出するためには、制御部45の検出分解能が機械角90より高くなる必要がある。
【0058】
モータ14は、先述したように三相12極構成であり、誘起電圧のゼロクロス点を1電圧波形周期について2回検出することで機械角分解能は5度となっているから、上記条件を十分に満たしている。
【0059】
また、検出分解能を機械角90よりも高くするための臨界的な条件を考察すれば、例えば、誘起電圧検出を1相のみについて行なう場合も考慮すると、少なくとも1相当たりの巻線数が「3」(3組)であれば6極になることから、機械角が360/6=60(度)の分解能となる。
【0060】
但し、本実施例と同様に、ゼロクロス点を1電圧波形周期について2回検出すれば分解能は30度となり、この点に限って言えば性能はやや過剰となる。しかし、巻線数「2」(2組)で検出を行なうことを想定すると、誘起電圧周期の検出誤差を訂正するには、正しい周期を示す巻線と誤った周期を示す巻線との比が1:1であれば正誤の判定ができない。従って、その比率が少なくとも2:1以上となる必要がある。更に、モータに偏心が生じている場合には、互いに180度の位置にある1極対の巻線に同じ誤差が乗るおそれがある。この点も考慮すれば、巻線数は「3」以上が適当である。従って、三相モータであれば全巻線数は9個以上となる。
【0061】
以上のように本実施例によれば、制御部45は、回転軸に洗濯機のドラム7が直結されたモータ14を駆動制御するに際して、モータ14の各相巻線15u,15v,15wの端子電圧を分圧回路38によって検出することで誘起電圧のゼロクロス点を検出し、その検出結果に基づいてロータ17の回転位置を検知する。そして、制御部45は、回転数検知部60によりモータ14の回転速度を検知し、ドラム7の内部に収容された洗濯物の重量と、ドラム7内における洗濯物の分布バランスを推定すると、その推定結果に応じて洗濯機の運転状態を制御するようにした。
【0062】
従って、モータ14における特定の磁極の磁界強度のばらつきや磁石寸法或いは組立て精度のばらつきが存在する場合でも、それらを平均化、最小化したものに基づいて洗濯物の重量や分布バランスを推定できるので、推定精度を向上させることができる。
【0063】
そして、モータ14を三相12極構成としたので、ドラム7内に収容されている洗濯物がバッフル9によって持ち上げられ、下方に落下することで生じる大きな負荷変動を確実に検出することができる。
また、回転数検知部60を、ゼロクロス検出回路49u,49v,49wとカウンタ51とで構成したので、カウンタ51のカウント値から誘起電圧の周波数を検知し、その周波数に基づいてモータ14の回転速度を確実に検知することができる。
【0064】
更に、制御部45は、モータ14が空転している場合に検知される回転速度の減少状態に基づいて洗濯物の重量を推定するので、推定を良好に行うことができる。
加えて、制御部45は、所定の目標回転速度に対して変動するモータ14の回転速度の最大値及び最小値に基づいて、ドラム7内における洗濯物の分布バランスを推定するので、洗濯物の分布バランスを良好に推定することができる。
【0065】
(第2実施例)
図13及び図14は本発明の第2実施例を示すものである。第2実施例は、インバータ回路33に配置されていた分圧回路38及び基準電圧発生回路46が削除されており、それらに代えて、下アーム側のIGBT34d〜34fのエミッタと、グランドとの間に、夫々電流検出用のシャント抵抗(検出手段)61u,61v,61wが接続されている。そして、両者の共通接続点は制御部62に接続されている。
【0066】
そして、制御部(推定手段,制御手段)62は、シャント抵抗61u〜61wにより検出されるモータ14の相電流に基づいて出力トルクをセンサレス方式でベクトル制御すると共に、回転速度をPI制御するように構成されている。
【0067】
図14は、制御部62がセンサレスベクトル制御を行う機能部分を示すブロック図である。シャント抵抗61u〜61wにより検出された電流Iu,Iv,Iwは、A/D変換されて三相/二相変換器63に与えられ、二相電流Iα,Iβに変換される。ベクトル回転器64は、磁極位置推定部(位置検知手段、速度検知手段)65によって推定された磁極位置θに基づいて、二相電流Iα,Iβをd軸電流Id,q軸電流Iqに変換する。磁極位置推定部65は、後述する出力電圧Vd,d軸電流Id,q軸電流Iqに基づいてモータ14の回転速度(角速度)ωを推定し、推定した速度オメガに基づいて磁極位置θを演算する。
【0068】
図示しない速度指令出力部からは、モータ14の速度指令としてωrefが与えられており、減算器66により速度指令ωrefと推定角速度ωとの偏差Δωが出力される。比例積分器67は、偏差Δωに基づいてPI制御を行うことで電流指令Irefを生成し、dq分配器68に出力する。dq分配器68は、q軸電流指令値Iqrとd軸電流指令値Idrとを生成して減算器69q,69dに被減算値として夫々出力する。減算器69q,69dは、指令値Iqr,Idrと、ベクトル回転器64より与えられるd軸電流Id,q軸電流Iqとの差を演算して比例積分器70q,70dに出力する。
【0069】
ここで、Id,Iqは、モータ14の巻線電流のd軸成分(励磁電流成分),q軸成分(トルク電流成分)であり、αβ座標系に対して角度(磁極位置)θで回転しているdq軸座標系で表される電流成分である。d軸は磁束方向に一致しており、q軸はd軸に直交している。
【0070】
比例積分器70q,70dは,q軸電流,d軸電流夫々の差分量に基づいてPI制御を行い、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdを生成して座標変換器71に出力する。座標変換器71は、磁極位置推定部65によって推定された磁極位置θに基づいて電圧指令値Vd,Vqを電圧指令値Vα,Vβに変換するようになっている。
【0071】
PWM形成器72は、電圧指令値Vα,Vβを三相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換すると共に、それらに基づきPWM(パルス幅変調)信号を生成してインバータ回路33に出力する。
【0072】
以上のように構成された第2実施例によれば、制御部62においては、シャント抵抗61u〜61wにより検出された電流Iu,Iv,Iwに基づき、磁極位置推定部65がモータ14の速度ωと回転位置θとを推定している。従って、その推定された速度ωを用いることで、第1実施例と同様に洗濯物の重量検知やアンバランス状態検知を行なうことができる。また、モータ14の巻線電流は、誘起電圧とは(4)式で示す関係にある。
(巻線電流)=(相電圧−誘起電圧)/(インピーダンス)・・・(4)
従って、第1実施例のように誘起電圧に基づいて推定を行う場合と同様に、モータ14における磁界強度のばらつきや磁石寸法或いは組立て精度のばらつきが存在する場合でも、それらを平均化、最小化したものに基づいて洗濯物の重量や分布バランスを推定することができる。
【0073】
そして、インバータ回路33の下アーム側のIGBT34d〜34fと回路グランドとの間に配置されるシャント抵抗61u〜61vの端子電圧に基づいて、モータ14の巻線電流Iu,Iv,Iwを検出するので、巻線電流を簡単な構成で検出することができる。
【0074】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
第1実施例において、重量推定を行なう場合、モータ14が加速若しくは減速運転されている期間に検知される回転速度の変化に基づいて推定を行っても良い。即ち、上記期間に検知される回転速度の変化も、ドラム7内に収容されている洗濯物の重量に応じるので、斯様に構成した場合も、洗濯物の量を良好に推定することができる。
洗濯物の重量推定と分布バランス推定との何れか一方のみを行っても良い。
第2実施例において、シャント抵抗61を何れか二相について配置することで、残りの一相については、それらにより二相について検出される電流に基づいて推定するように構成しても良い。
【0075】
更に、図15に示すように、シャント抵抗61を1素子のみとし、その一端をIGBT34d〜34fのエミッタに共通に接続し、他端を回路グランドに接続しても良い。この場合、制御部73は、各相電流を合成したものがシャント抵抗61によって得られる。斯様に構成すれば、1つのシャント抵抗61によって電流検出を行なうことができる。
スイッチング素子は、IGBTに限ることなく、パワートランジスタやパワーMOSFETなどでも良い。
ドラム式洗濯機だけでなく、ダイレクトドライブ方式で且つセンサレス駆動を行なうものであれば、洗濯またはすすぎ運転時には回転体としてパルセータを回転させる、所謂縦型の洗濯機に適用しても良い。
【0076】
【発明の効果】
本発明の洗濯機によれば、位置検知手段及び速度検知手段は、検出手段によって検出された電圧若しくは電流に基づいてモータの回転子位置及び回転速度を検知する。そして、推定手段は、検知された回転速度の変動情報に基づいて、洗濯物の量若しくは回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定し、制御手段は、検知された回転子位置に基づいてモータを駆動制御すると共に、推定手段による推定の結果に応じて運転状態を制御する。従って、モータにおける特定の磁極の磁界強度のばらつきや磁石寸法或いは組立て精度のばらつきが存在する場合でも、それらを平均化、最小化したものに基づいて推定が可能であるから、推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をドラム式洗濯機に適用した場合の第1実施例であり、制御部によって行なわれる重量検知処理のフローチャート
【図2】図1の処理に関して、モータの回転数がN0に達した時点からの回転数変化の一例を示す図
【図3】洗濯物重量G1とドラム内に注水する水量W1との関係を示す図
【図4】洗濯物重量G1に応じて基本行程時間を決定するためのテーブルを示す図
【図5】制御部によって行なわれるアンバランス検知処理のフローチャート
【図6】図5の処理に関してモータの回転数がN2に達した時点からの回転数変化を示す図
【図7】アンバランス量Tunの大きさに応じて、脱水運転の開始時における運転シーケンスを変化させる例を示す図
【図8】洗濯機の全行程の流れを示す図
【図9】駆動制御系の電気的構成を示す図
【図10】制御部の内部における回転数検知部の構成を示す図
【図11】ドラム式洗濯機の全体構成を示す図
【図12】(a)〜(c)は、ドラムの回転に伴って洗濯物が変位する状態を示し、(d)はその変位に応じたモータの負荷トルクの変動状態を示す図
【図13】本発明の第2実施例を示す図9相当図
【図14】制御部のベクトル制御を行う機能部分を示すブロック図
【図15】第1実施例の変形例を示す図
【符号の説明】
7はドラム(回転体)、14はモータ、17はロータ(回転子)、33はインバータ回路、34a〜34fはIGBT(スイッチング素子)、38は分圧回路(検出手段)、45は制御部(位置検知手段,速度検知手段,推定手段,制御手段)、49u,49v,49wはゼロクロス検出回路(パルス発生手段)、51はカウンタ(カウント手段)、60は回転数検知部(速度検知手段)、61,61u,61v,61wはシャント抵抗(電流検出手段)、62は制御部(推定手段,制御手段)、65は磁極位置推定部(位置検知手段、速度検知手段)、73は制御部(推定手段,制御手段)を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータの回転軸に直結され、回転槽内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させることで、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行うための回転体を備えてなる、所謂ダイレクトドライブ方式の洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗濯機は、撹拌翼(パルセータ)やドラムなどの回転槽(これらを総称して回転体とする)をモータによって回転させることで、回転槽内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させ、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行う。この場合、モータの回転軸から回転体へ駆動力を伝達させる方式には、ベルト機構や減速歯車を介して伝達したり、回転軸と回転体とを直結したり(ダイレクトドライブ方式)、或いは前者と後者とを運転行程に応じて切替えるものがある。
これらの内、ダイレクトドライブ方式は、運転時における振動及び騒音を低減する効果が得られることから、近年広く採用されている。
【0003】
また、洗濯機のモータを駆動する方式としては、ホールICなどの磁気センサを位置センサとして用いることでモータの回転子位置を検出し、その位置情報に基づいてインバータ回路などを駆動制御するものが主流である。
【0004】
更に、洗濯機には、使用水量,洗剤投入量や運転時間の決定,或いは運転行程の選択などを自動的に行うものがあるが、これらの決定や選択を行うには、上述した位置センサにより検出されるモータの回転子位置情報を利用し、所定の条件下における回転体の回転状態(速度変動など)を把握する。そして、その回転状態に基づいて洗濯物の重量や回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定し、それらの推定結果に応じて所定の決定や選択を行うようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−126390
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、ダイレクトドライブ方式ではモータと回転体との回転速度は誤差無く一致しているため、モータの回転状態を把握すれば回転体にかかる負荷の状態、つまり、洗濯物の量などを良好に推定することが可能である。
【0007】
しかしながら、位置センサは、通常2個ないし3個が所定の電気角に対応する位置に固定された状態でモータの回転子が発生する磁界を検出するようになっている。従って、モータを構成する永久磁石の寸法や固着間隔、或いは磁気特性などのばらつきが誤差要因として潜在しており、それらに基づいて発生する誤差によって推定を正確に行うことができず、洗濯機の使用水量や使用電力量に無駄が生じるという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機構的な誤差要因を極力排除して、より正確な洗濯物の重量や分布バランスを推定することができるダイレクトドライブ方式の洗濯機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の洗濯機は、モータの回転軸に直結され、回転槽内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させることで、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行うための回転体と、
前記モータに発生する誘起電圧若しくは前記モータの巻線に流れる電流を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された電圧若しくは電流に基づいて前記モータの回転子位置を検知する位置検知手段と、
前記検出手段によって検出された電圧若しくは電流に基づいて前記モータの回転速度を検知する速度検知手段と、
この速度検知手段によって検知された回転速度の変動情報に基づいて、前記洗濯物の量若しくは前記回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定する推定手段と、
前記位置検知手段によって検知された回転子位置に基づいて前記モータを駆動制御すると共に、前記推定手段による推定の結果に応じて運転状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
即ち、本発明では、モータの駆動制御については、位置センサを使用することなしに回転子位置を推定し、その推定した位置に基づいて制御を行う所謂センサレス駆動方式を採用している。そして、回転子位置の推定には、検出手段によって検出されるモータの誘起電圧若しくは巻線電流を利用する。
【0011】
この場合、モータの誘起電圧若しくは巻線電流は、モータの全周について磁界の影響を平均化したものとして得ることができる。このことは、誘起電圧については、各相巻線がモータの全周にわたって分布する構成であることから自明である。また、巻線電流についても、次式で示すように誘起電圧に基づいて導出されるから同様のことが言える。
(巻線電流)=(相電圧−誘起電圧)/(インピーダンス)
【0012】
従って、モータの誘起電圧若しくは巻線電流に基づいてモータの回転速度を検知し、推定手段が検知された回転速度の変動情報に基づいて洗濯物の量若しくは洗濯物の分布バランスを推定することで、モータにおける特定の磁極の磁界強度のばらつきや磁石寸法或いは組立て精度のばらつきが存在する場合でも、それらを平均化、最小化したものに基づいて推定が可能であるから、推定精度を向上させることができる。
【0013】
尚、「モータの回転軸に直結」の「直結」とは、必ずしも物理的な直結だけを意味するものではなく、モータと回転体とが同じ回転数で回転するように構成されていれば、両者の間を直接結合するための部材が介在する場合もここで言う「直結」の概念に含むものとする。
【0014】
この場合、請求項2に記載したように、モータを、一相当たりの巻線数を3組以上として構成することが好ましい。例えば、回転体が、回転軸が略水平方に配置されるドラムによって構成されるドラム式洗濯機である場合は、ドラム内に収容されている洗濯物は、ドラムの内周に配置されているバッフルによって洗濯物を持ち上げ、下方に落下させることで洗濯作用をなすようになっており、洗濯物の落下前後においては大きな負荷変動が生じる。
【0015】
従って、その落下前後に生じる負荷変動を検出するには、洗濯物の落下が生じる回転角度の周期よりも短い周期で検出を行なう必要がある。ドラム内において洗濯物の落下が生じる回転角度は、概ね機械角90度から120度の範囲内であるから、その前後において負荷変動を検出するには、電気角を機械角90度未満に設定する必要がある。
【0016】
そこで、一相当たりの巻線数を3組以上とすれば、6極以上の構成によって機械角が60度未満となるので、誘起電圧若しくは巻線電流に基づいて負荷変動を良好に検出することができる。尚、ここで言う「1組」とは、例えば、隣り合う2つの磁極に一相の巻線が互いに逆方向巻で巻装されているようなものも1組とみなす趣旨である。また、巻線の組数をカウントする場合、同じ鎖交磁束を発生させる磁極は含まないものとする。
また、この場合、請求項3に記載したように、モータを、三相直巻き方式で構成すれば、全巻線数は9個以上となる。
【0017】
以上の場合において、請求項4に記載したように、検出手段を、モータの巻線と回路グランドとの間に接続される抵抗素子の端子電圧に基づいて誘起電圧を検出するように構成すると良く、斯様に構成すれば、誘起電圧を簡単な構成で検出することができる。
【0018】
また、請求項5に記載したように、モータの巻線に通電を行うインバータ回路を備え、
検出手段を、前記インバータ回路の下アーム側のスイッチング素子と回路グランドとの間に配置されるシャント抵抗の端子電圧に基づいて巻線電流を検出するように構成すると良く、斯様に構成すれば、巻線電流を簡単な構成で検出することができる。
【0019】
この場合、請求項6に記載したように、シャント抵抗を1素子のみとし、そのシャント抵抗の一端を全相の下アーム側のスイッチング素子に共通に接続し、他端を回路グランドに接続する構成としても良い。斯様に構成すれば、1つのシャント抵抗によって電流検出を行なうことができる。
【0020】
また、以上の場合において、請求項7に記載したように、速度検知手段を、検出値としきい値との比較結果に基づいてパルス信号を発生させるパルス発生手段と、前記パルス信号に基づいてカウント動作を行なうカウント手段とを備え、前記カウント手段のカウント値に基づいて回転速度を検知するように構成しても良い。斯様に構成すれば、前記カウント値は、誘起電圧若しくは巻線電流の周波数を反映した値になるので、その周波数に基づいてモータの回転速度を確実に検知することができる。
【0021】
また、請求項8に記載したように、推定手段を、モータが空転している場合に検知される回転速度の減少状態に基づいて洗濯物の量を推定する構成にすると良い。例えば、モータを所定の回転数で回転させた状態から駆動制御を停止させ、モータを空転状態にすると、モータの回転数は、回転槽内に収容されている洗濯物の量に応じて減少状態が変化する。従って、前記減少状態を参照すれば、洗濯物の量を良好に推定することができる。
【0022】
また、請求項9に記載したように、推定手段を、モータが加速若しくは減速運転されている期間に検知される回転速度の変化に基づいて洗濯物の量を推定する構成にしても良い。即ち、上記期間に検知される回転速度の変化も、回転槽内に収容されている洗濯物の量に応じたものとなるので、斯様に構成した場合も、洗濯物の量を良好に推定することができる。
【0023】
加えて、請求項10に記載したように、推定手段を、所定の目標回転速度に対して変動するモータの回転速度の最大値及び最小値に基づいて、回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定するように構成すると良い。即ち、洗濯物の分布バランス状態は、モータが所定の回転速度で回転しようとする場合における回転速度変動の大小に表れるので、洗濯物の分布バランスを良好に推定することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明のモータ駆動装置をドラム式洗濯機に適用した場合の第1実施例について図1乃至図12を参照して説明する。まず、ドラム式洗濯機の全体構成を示す図11において、ドラム式洗濯機の外殻をなす外箱(筐体)1の前面部には、中央部に扉2が設けられ、上部に、多数のスイッチや表示部(何れも図示せず)を備えた操作パネル3が設けられている。扉2は、外箱1の前面中央部に形成された洗濯物出入れ口4を開閉するものである。
【0025】
外箱1の内部には、円筒状をなす水槽5が配設されている。この水槽5は、その軸方向が前後方向(図11では左右方向)となる横軸状で且つ前上がりの傾斜状に配設され、弾性支持装置6により弾性的に支持されている。水槽5の内部には、円筒状をなすドラム(回転体)7が水槽5と同軸状に配設されている。このドラム7は、洗濯の他、脱水及び乾燥に共用の槽として機能するもので、胴部のほぼ全域に小孔8が多数形成され(図11に一部のみ図示)、胴部の内周部にはバッフル9が複数設けられている(図11に一つのみ図示)。
【0026】
水槽5及びドラム7は、夫々前面部に洗濯物出入れ用の開口部10,11を有し、水槽5の開口部10は前記洗濯物出入れ口4にベロー12により水密に連ねられ、ドラム7の開口部21はその水槽5の開口部10に臨んでいる。ドラム7の開口部11の周囲部には、バランスリング13が設けられている。
【0027】
上記水槽5の背面部には、ドラム7を回転駆動するモータ14が配設されている。モータ14はアウタロータ形のDCブラシレスモータ(永久磁石同期モータ)であり、そのステータ15が、水槽5の背部中央部に取り付けられた軸受ハウジング16の外周部に取り付けられている。
【0028】
モータ14のロータ(回転子)17は、ステータ15を外側から覆うように配置され、中心部に取り付けられた回転軸18が上記軸受ハウジング16に軸受19を介して回転可能に支承されている。軸受ハウジング16から突出した回転軸18の前端部はドラム7の背部の中央部に連結されている。即ち、モータ14のロータ17が回転すると、ロータ17と一体にドラム7も回転する構成(所謂ダイレクトドライブ方式)となっており、ドラム7内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させることで、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行う。
【0029】
水槽5の下面部には水溜部20が設けられており、この水溜部20の内部に洗濯水加熱用のヒータ21が配設され、水溜部20の後部に、排水弁22を介して排水ホース23が接続されている。
【0030】
水槽5の上部には温風生成装置24が設けられ、背部には熱交換器25が設けられている。温風生成装置24は、ケース26内に配設された温風用ヒータ27,ケーシング28内に配設されたファン29,ファン29をベルト伝動機構30を介して回転駆動するファンモータ31で構成され、ケース26とケーシング28とは連通されている。ケース26の前部にはダクト32が接続され、ダクト32の先端部は、水槽5内の前部に突出してドラム7の開口部12に臨んでいる。
【0031】
ここで、温風用ヒータ27とファン29とにより温風が生成され、その温風はダクト32を通してドラム7内に供給される。ドラム7内に供給された温風はドラム7内の洗濯物を加熱する共に水分を奪い、熱交換器25側へ排出される。
【0032】
熱交換器25は、上部が上記ケーシング28内と連通し、下部が水槽5内と連通しており、水が上部から注ぎ入れられて流下することで、内部を通る空気中の水蒸気を冷却し凝縮させて除湿する水冷式である。この熱交換器25を通った空気は再び温風生成装置24に戻され、温風化されて循環する。
【0033】
図9は、駆動制御系の電気的構成を示すものである。インバータ回路33は、6個のIGBT(スイッチング素子)34a〜34fを三相ブリッジ接続して構成されている。また、インバータ回路33は、100Vの交流電源35を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路36及び直列接続された2個のコンデンサ37a,37bにより倍電圧全波整流した約280Vの直流電圧が印加されるようになっている。
【0034】
検出手段たる分圧回路38は、分圧抵抗39乃至44からなっており、モータ14の固定子巻線15u,15v,15wの各一端子,即ち、インバータ回路33出力端子とグランドとの間に、分圧抵抗39と40との直列回路,分圧抵抗41と42との直列回路及び分圧抵抗43と44との直列回路を接続して構成されている。そして、それらの直列回路の各共通接続点は、制御部(位置検知手段,速度検知手段,推定手段,制御手段)45の入力ポートに夫々接続されている。尚、固定子巻線15u,15v,15wは、直巻き方式でステータコアに巻装されている。
【0035】
基準電圧発生回路(検出手段)46は分圧用の抵抗47及び48を備えており、インバータ回路33の電源入力端子間に接続されており、抵抗34及び35の共通接続点は制御部45の入力ポートに接続されている。そして、位置検知手段たる制御部45は、分圧回路38によってモータ14の各相巻線15u,15v,15wの端子電圧を検出し、その端子電圧に基づいて誘起電圧のゼロクロス点を検出し、そのゼロクロス点の検出タイミングに基づいてロータ17の回転位置及びモータ14の回転速度を推定するように構成されている。
【0036】
尚、ロータの回転位置を推定する方式については、例えば、特開平7−147793号公報などに開示されている。その概略を説明すると、制御部45は、内蔵されているコンパレータ(図示せず)によって、各相巻線15u,15v,15wの端子電圧と、基準電圧発生回路46より与えられる基準電圧(インバータ回路33に供給される直流電源電圧Eの1/2)とを比較する。すると、コンパレータは、各相誘起電圧のゼロクロス点間隔のパルス幅を有する位相信号を得る。そして、この位相信号から電気角30度に相当する時間を演算してその分だけ移相を行なうことで、位置検出信号を得る。
【0037】
そして、制御部45は、これらの3つの位置検出信号を論理変換して6つの通電タイミング信号を得ると、これらをインバータ回路33のIGBT34a〜34fに出力してオン,オフさせ、以て、固定子巻線15u,15v,15wに通電してロータ17を回転させる。尚、例えばモータ14を正弦波駆動するためにより詳細な位置信号が必要である場合は、位置検出信号の周期をカウンタで計測し、その周期に基づいて駆動制御に要求される分解能の位置信号を生成する。
【0038】
また、実際の運転に際しては、制御部45は、速度指令信号SVに基づいて出力調整を行なうべくパルス幅変調(PWM)制御を行なうようになっている。具体的には、演算により得られた位置検出信号を基にモータ14の実際の回転速度を示す速度検出信号を生成し、速度指令信号と速度検出信号とを比較して両者の差が零となるようにPWM信号のデューティ比を決定する。
【0039】
図10は、制御部45の内部においてモータ14の回転数(回転速度)データを得るための回転数検知部(速度検知手段)60の構成を示すものである。ゼロクロス検出回路(パルス発生手段)49u,49v,49wは、モータ14におけるU,V,W各相誘起電圧のゼロクロス点検出タイミングに応じてワンショットパルス信号を出力する。例えば、前記位相信号の立上がり、立下りに応じて夫々パルス信号を出力するように構成する。
【0040】
ゼロクロス検出回路49u,49v,49wより夫々出力されるパルス信号は、3入力ORゲート48に与えられており、ORゲート50の出力端子は、カウンタ(カウント手段)51のリセット端子に接続されている。カウンタ51は、ORゲート50によって出力されるパルス信号の周波数よりも十分に高い周波数を有するクロック信号をカウントするようになっている。そして、カウンタ51は、ORゲート50によってパルス信号が出力される毎にリセットされるので、そのパルス信号出力周期をカウントすることになる。
【0041】
カウンタ51のカウントデータは、リセットによってゼロクリアされる前にサンプルホールド回路(ラッチ)52によって保持されるようになっている。従って、制御部45は、サンプルホールド回路52に保持されているデータを読み出すことで回転数データを得ることができる。ここで、例えばモータ14が三相12極で構成されているとすると、ORゲート50によって出力されるパルス信号の周期は、モータの機械角
360/(12×3×2)=5(度)
に相当する。従って、サンプルホールド回路52に保持されているデータ値を72倍して、カウンタクロックのカウント周期を乗じれば、モータ14が一回転するのに要する時間、即ち回転速度が分かる。
【0042】
尚、上述したPWM信号のデューティ比を決定するプロセスをデジタル的に処理する場合、上記速度検出信号にはこの回転数データを使用すれば良い。また、ORゲート48より出力されるパルス信号を位置検知信号として利用することで、モータ14の駆動制御を行うことも可能である。
【0043】
また、モータ14の誘起電圧は、各相巻線15u,15v,15wがモータ14の全周にわたって分布する構成であるから、誘起電圧に基づいてロータ17の回転速度を検知すれば、モータ14の全周について発生している磁界の影響を平均化したものとして得ることができる。
【0044】
次に、本実施例の作用について図1乃至図8をも参照して説明する。図8は、洗濯機の全行程の流れを示すものである。即ち、ユーザがドラム7内に衣類などの洗濯物を投入し、適当な洗濯コースを選択してスタートさせると、先ず、重量検知が行なわれる。そして、制御部45が検知した重量に応じて必要となる洗剤量を図示しない表示部に表示させ、ユーザがその表示に基づく量の洗剤を投入すると、残りの行程が完了するまでの時間表示が行われる。それから、給水,洗い,排水,しぼり,の洗い行程が行なわれ、続いて、給水、すすぎ撹拌,排水,のパターンを2回繰り返すすぎ行程が行なわれる。その後、脱水行程,乾燥行程を経て全行程が終了する。
【0045】
<重量検知処理>
ここで、重量検知処理について図1及び図2を参照して説明する。図1は、推定手段たる制御部45によって行なわれる重量検知処理のフローチャートである。制御部45は、先ず、モータ14の回転数をN0まで上昇させると(ステップS1)、時間t0が経過するまで待機する(ステップS2)。尚、図2には、図1の処理に関して、モータ14の回転数がN0に達した時点からの回転数変化の一例を示す。
【0046】
回転数がN0に達すると(ステップS2,「YES」)、制御部45は、モータ14の駆動を停止し(ステップS3)、時間t1が経過するまで待機する(ステップS4)。そして、時間t0,t1間に減少した回転数ΔR1を、回転数N0から時間T1経過後の回転数N1を減じることで測定する(ステップS5)。
【0047】
次に、制御部45は、測定したΔR1に基づいて、洗濯物を収容した状態のドラム7の慣性モーメントJ1を(1)式によって演算する(ステップS6)。
J1=a・T1/(ΔR1/(t1−t0)) ・・・(1)
ここで、aは比例定数、T1は回転機構の摩擦などによる減速トルクである。
【0048】
続いて、制御部45は、慣性モーメントJ1よりドラム7の慣性モーメントJ0を減じて洗濯物の慣性モーメントJ2を得ると(ステップS7)、その慣性モーメントJ2に基づいて、洗濯物重量G1を(2)式によって演算する(ステップS8)。
G1=b・J2 ・・・(2)
但し、bは比例定数である。
即ち、モータ14を空転状態にした場合、モータ14の回転数はドラム7内に収容されている洗濯物の重量に応じて減少状態が変化する。従って、その減少状態に基づいて洗濯物の重量を良好に推定することができる。
【0049】
洗濯物重量G1と、ドラム7内に注水する水量W1との関係は、例えば図3で示されるため、制御部45は、内蔵されているメモリに記憶されている図3のテーブルに従って注水量W1を決定する。また、図4は、洗濯物重量G1に応じて基本行程時間(例えば、洗い、すすぎ、脱水や乾燥などの各運転時間)を決定するためのテーブルの一例である(3行程のみ示す)。このテーブルにより、洗濯物重量G1について基本行程時間tc1,tc2,tc3が決定される。
【0050】
<アンバランス検知処理>
次に、洗濯機が脱水運転を行う前にドラム7内における洗濯物のアンバランス状態を検出し、必要に応じてそのアンバランス状態を解消するためのほぐし運転を行う部分の処理について、図5乃至図7を参照して説明する。
【0051】
図5は、制御部45によって行なわれるアンバランス検知処理のフローチャートである。制御部45は、先ず、モータ14の回転数をN2まで上昇させると(ステップS11)、目標回転数N0に対して変動する回転数の最大値N3を検出する(ステップS12)。そして、最大値N3が検出された時点の時刻t3を記憶する(ステップS13)。尚、図6には、図5の処理に関してモータ14の回転数がN2に達した時点からの回転数変化を示す。
【0052】
続いて、制御部45は、目標回転数N0に対して変動する回転数の最小値N4を検出し(ステップS14)、最小値N4が検出された時点の時刻t4を記憶する(ステップS15)。
【0053】
次に、制御部45は、時間t3,t4間に減少した回転数ΔR2(最大変動量)を、回転数N3とN4との差として測定し(ステップS16)、測定したΔR2に基づいて、洗濯物のアンバランス量T2をトルク換算で求める(ステップS17)。
T2=c・J1/(ΔR2/(t3−t4)) ・・・(3)
但し、cは比例定数である。即ち、洗濯物の分布バランス状態は、モータ14が所定の回転数で回転しようとする場合における回転数変動の大小に表れるので、最大変動量ΔRに基づいてアンバランス量T2を求めれば、アンバランス状態を良好に推定できる。
【0054】
以上のようにしてアンバランス量T2を求めると、制御部45は、アンバランス量T2の大きさに応じて、図7に示すように脱水運転の開始時における運転シーケンスを変化させる。例えば、シーケンスCs1はアンバランス量が最も小さい場合であり、脱水運転時における回転数の上昇度合いが一番大きい。
【0055】
シーケンスCs2はアンバランス量がやや大きい場合であり、回転数の上昇度合いをやや緩やかにして、その上昇過程においてドラム7内の洗濯物分布を変化させることでアンバランス状態を解消させるようにする。
また、シーケンスCs3はアンバランス量がかなり大きい場合であり、ドラム7の回転方向を一旦反転させることで、ドラム7内のアンバランス状態をより積極的に解消させるほぐし運転を行った後、回転数を緩やかに上昇させている。
【0056】
ここで、図6に示すような回転変動を検出するのに適したモータ14の構成条件について、図12を参照して説明する。図12(a)〜(c)は、ドラム7の回転に伴い、洗濯物がバッフル9により内壁に沿って上方に移動し、ある程度の高さに達した時点で落下する状態を示したものである。(a)から(c)にかけて、ドラム7の回転角度は180度変化している。
【0057】
図12(c)に示すように、鉛直方向を基準0度とすると、バッフル9により掻き上げられた洗濯物が落下する角度は、概ね90度〜120度範囲であり、この前後においてはモータ14の負荷トルクが大きく変化する(図12(d)参照)。従って、斯様な状態における負荷トルク変動を確実に検出するためには、制御部45の検出分解能が機械角90より高くなる必要がある。
【0058】
モータ14は、先述したように三相12極構成であり、誘起電圧のゼロクロス点を1電圧波形周期について2回検出することで機械角分解能は5度となっているから、上記条件を十分に満たしている。
【0059】
また、検出分解能を機械角90よりも高くするための臨界的な条件を考察すれば、例えば、誘起電圧検出を1相のみについて行なう場合も考慮すると、少なくとも1相当たりの巻線数が「3」(3組)であれば6極になることから、機械角が360/6=60(度)の分解能となる。
【0060】
但し、本実施例と同様に、ゼロクロス点を1電圧波形周期について2回検出すれば分解能は30度となり、この点に限って言えば性能はやや過剰となる。しかし、巻線数「2」(2組)で検出を行なうことを想定すると、誘起電圧周期の検出誤差を訂正するには、正しい周期を示す巻線と誤った周期を示す巻線との比が1:1であれば正誤の判定ができない。従って、その比率が少なくとも2:1以上となる必要がある。更に、モータに偏心が生じている場合には、互いに180度の位置にある1極対の巻線に同じ誤差が乗るおそれがある。この点も考慮すれば、巻線数は「3」以上が適当である。従って、三相モータであれば全巻線数は9個以上となる。
【0061】
以上のように本実施例によれば、制御部45は、回転軸に洗濯機のドラム7が直結されたモータ14を駆動制御するに際して、モータ14の各相巻線15u,15v,15wの端子電圧を分圧回路38によって検出することで誘起電圧のゼロクロス点を検出し、その検出結果に基づいてロータ17の回転位置を検知する。そして、制御部45は、回転数検知部60によりモータ14の回転速度を検知し、ドラム7の内部に収容された洗濯物の重量と、ドラム7内における洗濯物の分布バランスを推定すると、その推定結果に応じて洗濯機の運転状態を制御するようにした。
【0062】
従って、モータ14における特定の磁極の磁界強度のばらつきや磁石寸法或いは組立て精度のばらつきが存在する場合でも、それらを平均化、最小化したものに基づいて洗濯物の重量や分布バランスを推定できるので、推定精度を向上させることができる。
【0063】
そして、モータ14を三相12極構成としたので、ドラム7内に収容されている洗濯物がバッフル9によって持ち上げられ、下方に落下することで生じる大きな負荷変動を確実に検出することができる。
また、回転数検知部60を、ゼロクロス検出回路49u,49v,49wとカウンタ51とで構成したので、カウンタ51のカウント値から誘起電圧の周波数を検知し、その周波数に基づいてモータ14の回転速度を確実に検知することができる。
【0064】
更に、制御部45は、モータ14が空転している場合に検知される回転速度の減少状態に基づいて洗濯物の重量を推定するので、推定を良好に行うことができる。
加えて、制御部45は、所定の目標回転速度に対して変動するモータ14の回転速度の最大値及び最小値に基づいて、ドラム7内における洗濯物の分布バランスを推定するので、洗濯物の分布バランスを良好に推定することができる。
【0065】
(第2実施例)
図13及び図14は本発明の第2実施例を示すものである。第2実施例は、インバータ回路33に配置されていた分圧回路38及び基準電圧発生回路46が削除されており、それらに代えて、下アーム側のIGBT34d〜34fのエミッタと、グランドとの間に、夫々電流検出用のシャント抵抗(検出手段)61u,61v,61wが接続されている。そして、両者の共通接続点は制御部62に接続されている。
【0066】
そして、制御部(推定手段,制御手段)62は、シャント抵抗61u〜61wにより検出されるモータ14の相電流に基づいて出力トルクをセンサレス方式でベクトル制御すると共に、回転速度をPI制御するように構成されている。
【0067】
図14は、制御部62がセンサレスベクトル制御を行う機能部分を示すブロック図である。シャント抵抗61u〜61wにより検出された電流Iu,Iv,Iwは、A/D変換されて三相/二相変換器63に与えられ、二相電流Iα,Iβに変換される。ベクトル回転器64は、磁極位置推定部(位置検知手段、速度検知手段)65によって推定された磁極位置θに基づいて、二相電流Iα,Iβをd軸電流Id,q軸電流Iqに変換する。磁極位置推定部65は、後述する出力電圧Vd,d軸電流Id,q軸電流Iqに基づいてモータ14の回転速度(角速度)ωを推定し、推定した速度オメガに基づいて磁極位置θを演算する。
【0068】
図示しない速度指令出力部からは、モータ14の速度指令としてωrefが与えられており、減算器66により速度指令ωrefと推定角速度ωとの偏差Δωが出力される。比例積分器67は、偏差Δωに基づいてPI制御を行うことで電流指令Irefを生成し、dq分配器68に出力する。dq分配器68は、q軸電流指令値Iqrとd軸電流指令値Idrとを生成して減算器69q,69dに被減算値として夫々出力する。減算器69q,69dは、指令値Iqr,Idrと、ベクトル回転器64より与えられるd軸電流Id,q軸電流Iqとの差を演算して比例積分器70q,70dに出力する。
【0069】
ここで、Id,Iqは、モータ14の巻線電流のd軸成分(励磁電流成分),q軸成分(トルク電流成分)であり、αβ座標系に対して角度(磁極位置)θで回転しているdq軸座標系で表される電流成分である。d軸は磁束方向に一致しており、q軸はd軸に直交している。
【0070】
比例積分器70q,70dは,q軸電流,d軸電流夫々の差分量に基づいてPI制御を行い、q軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdを生成して座標変換器71に出力する。座標変換器71は、磁極位置推定部65によって推定された磁極位置θに基づいて電圧指令値Vd,Vqを電圧指令値Vα,Vβに変換するようになっている。
【0071】
PWM形成器72は、電圧指令値Vα,Vβを三相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換すると共に、それらに基づきPWM(パルス幅変調)信号を生成してインバータ回路33に出力する。
【0072】
以上のように構成された第2実施例によれば、制御部62においては、シャント抵抗61u〜61wにより検出された電流Iu,Iv,Iwに基づき、磁極位置推定部65がモータ14の速度ωと回転位置θとを推定している。従って、その推定された速度ωを用いることで、第1実施例と同様に洗濯物の重量検知やアンバランス状態検知を行なうことができる。また、モータ14の巻線電流は、誘起電圧とは(4)式で示す関係にある。
(巻線電流)=(相電圧−誘起電圧)/(インピーダンス)・・・(4)
従って、第1実施例のように誘起電圧に基づいて推定を行う場合と同様に、モータ14における磁界強度のばらつきや磁石寸法或いは組立て精度のばらつきが存在する場合でも、それらを平均化、最小化したものに基づいて洗濯物の重量や分布バランスを推定することができる。
【0073】
そして、インバータ回路33の下アーム側のIGBT34d〜34fと回路グランドとの間に配置されるシャント抵抗61u〜61vの端子電圧に基づいて、モータ14の巻線電流Iu,Iv,Iwを検出するので、巻線電流を簡単な構成で検出することができる。
【0074】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
第1実施例において、重量推定を行なう場合、モータ14が加速若しくは減速運転されている期間に検知される回転速度の変化に基づいて推定を行っても良い。即ち、上記期間に検知される回転速度の変化も、ドラム7内に収容されている洗濯物の重量に応じるので、斯様に構成した場合も、洗濯物の量を良好に推定することができる。
洗濯物の重量推定と分布バランス推定との何れか一方のみを行っても良い。
第2実施例において、シャント抵抗61を何れか二相について配置することで、残りの一相については、それらにより二相について検出される電流に基づいて推定するように構成しても良い。
【0075】
更に、図15に示すように、シャント抵抗61を1素子のみとし、その一端をIGBT34d〜34fのエミッタに共通に接続し、他端を回路グランドに接続しても良い。この場合、制御部73は、各相電流を合成したものがシャント抵抗61によって得られる。斯様に構成すれば、1つのシャント抵抗61によって電流検出を行なうことができる。
スイッチング素子は、IGBTに限ることなく、パワートランジスタやパワーMOSFETなどでも良い。
ドラム式洗濯機だけでなく、ダイレクトドライブ方式で且つセンサレス駆動を行なうものであれば、洗濯またはすすぎ運転時には回転体としてパルセータを回転させる、所謂縦型の洗濯機に適用しても良い。
【0076】
【発明の効果】
本発明の洗濯機によれば、位置検知手段及び速度検知手段は、検出手段によって検出された電圧若しくは電流に基づいてモータの回転子位置及び回転速度を検知する。そして、推定手段は、検知された回転速度の変動情報に基づいて、洗濯物の量若しくは回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定し、制御手段は、検知された回転子位置に基づいてモータを駆動制御すると共に、推定手段による推定の結果に応じて運転状態を制御する。従って、モータにおける特定の磁極の磁界強度のばらつきや磁石寸法或いは組立て精度のばらつきが存在する場合でも、それらを平均化、最小化したものに基づいて推定が可能であるから、推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をドラム式洗濯機に適用した場合の第1実施例であり、制御部によって行なわれる重量検知処理のフローチャート
【図2】図1の処理に関して、モータの回転数がN0に達した時点からの回転数変化の一例を示す図
【図3】洗濯物重量G1とドラム内に注水する水量W1との関係を示す図
【図4】洗濯物重量G1に応じて基本行程時間を決定するためのテーブルを示す図
【図5】制御部によって行なわれるアンバランス検知処理のフローチャート
【図6】図5の処理に関してモータの回転数がN2に達した時点からの回転数変化を示す図
【図7】アンバランス量Tunの大きさに応じて、脱水運転の開始時における運転シーケンスを変化させる例を示す図
【図8】洗濯機の全行程の流れを示す図
【図9】駆動制御系の電気的構成を示す図
【図10】制御部の内部における回転数検知部の構成を示す図
【図11】ドラム式洗濯機の全体構成を示す図
【図12】(a)〜(c)は、ドラムの回転に伴って洗濯物が変位する状態を示し、(d)はその変位に応じたモータの負荷トルクの変動状態を示す図
【図13】本発明の第2実施例を示す図9相当図
【図14】制御部のベクトル制御を行う機能部分を示すブロック図
【図15】第1実施例の変形例を示す図
【符号の説明】
7はドラム(回転体)、14はモータ、17はロータ(回転子)、33はインバータ回路、34a〜34fはIGBT(スイッチング素子)、38は分圧回路(検出手段)、45は制御部(位置検知手段,速度検知手段,推定手段,制御手段)、49u,49v,49wはゼロクロス検出回路(パルス発生手段)、51はカウンタ(カウント手段)、60は回転数検知部(速度検知手段)、61,61u,61v,61wはシャント抵抗(電流検出手段)、62は制御部(推定手段,制御手段)、65は磁極位置推定部(位置検知手段、速度検知手段)、73は制御部(推定手段,制御手段)を示す。
Claims (10)
- モータの回転軸に直結され、回転槽内に収容された洗濯物に対して回転力を作用させることで、洗い運転,濯ぎ運転,脱水運転を行うための回転体と、
前記モータに発生する誘起電圧若しくは前記モータの巻線に流れる電流を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された電圧若しくは電流に基づいて前記モータの回転子位置を検知する位置検知手段と、
前記検出手段によって検出された電圧若しくは電流に基づいて前記モータの回転速度を検知する速度検知手段と、
この速度検知手段によって検知された回転速度の変動情報に基づいて、前記洗濯物の量若しくは前記回転槽内における洗濯物の分布バランスを推定する推定手段と、
前記位置検知手段によって検知された回転子位置に基づいて前記モータを駆動制御すると共に、前記推定手段による推定の結果に応じて運転状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とする洗濯機。 - モータは、一相当たりの巻線数が3組以上であることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
- モータは、三相直巻き方式で構成されていることを特徴とする請求項2記載の洗濯機。
- 検出手段は、モータの巻線と回路グランドとの間に接続される抵抗素子の端子電圧に基づいて誘起電圧を検出することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の洗濯機。
- モータの巻線に通電を行うインバータ回路を備え、
検出手段は、前記インバータ回路の下アーム側のスイッチング素子と回路グランドとの間に配置されるシャント抵抗の端子電圧に基づいて巻線電流を検出することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の洗濯機。 - シャント抵抗は1素子のみであり、そのシャント抵抗は、一端が全相の下アーム側のスイッチング素子に共通に接続され、他端が回路グランドに接続されることを特徴とする請求項5記載の洗濯機。
- 速度検知手段は、検出値としきい値との比較結果に基づいてパルス信号を発生させるパルス発生手段と、前記パルス信号に基づいてカウント動作を行なうカウント手段とを備え、前記カウント手段のカウント値に基づいて回転速度を検知するように構成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の洗濯機。
- 推定手段は、モータが空転している場合に検知される回転速度の減少状態に基づいて洗濯物の量を推定することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の洗濯機。
- 推定手段は、モータが加速若しくは減速運転されている期間に検知される回転速度の変化に基づいて洗濯物の量を推定することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の洗濯機。
- 推定手段は、所定の目標回転速度に対して変動するモータの回転速度の最大値及び最小値に基づいて洗濯物の分布バランスを推定することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の洗濯機。
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