JP4650476B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、水槽内に配設した回転ドラムを回転駆動することにより、回転ドラム内に収容した衣類の洗濯や脱水を行うドラム式洗濯機の制御に関するものである。
ドラム式洗濯機の構造の一例を図6に示す。洗濯機本体1内に、図示しないサスペンション構造によって水槽2を防振支持している。前記水槽2内には、有底円筒形に形成された回転ドラム3を、その軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜して支持する。
水槽2の正面側には回転ドラム3の開口端に通じる衣類出入口4を形成し、洗濯機本体1の正面側の上向き傾斜面に設けた開閉可能に構成した扉5を開放して、回転ドラム3内の洗濯物(衣類)を出し入れする。
回転ドラム3には、その周面に水槽2内に通じる多数の透孔6を形成し、内周面の複数位置に衣類攪拌用の突起(図示せず)を設ける。この回転ドラム3は、水槽2の背面側に取り付けたドラム駆動モータ7によって正転及び逆転方向に回転駆動される。このドラム駆動モータ7には、回転数を検知するための回転検知部14が設けられている。
また、水槽2には、注水管路8及び排水管路9が配管接続され、図示しない注水弁及び排水弁の制御によって水槽2内への注水及び排水がなされる。
扉5を開き回転ドラム3内に洗濯物(衣類)及び洗剤を投入して、洗濯機本体1の前面上部に設けた操作パネル10での操作により運転を開始すると、水槽2内に注水管路8から所定量の注水がなされ、ドラム駆動モータ7により回転ドラム3が回転駆動されて洗濯工程が開始される。
回転ドラム3の回転により、内部の洗濯物(衣類)は回転ドラム3の回転方向に持ち上がり、適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返され、叩き洗いの作用で洗濯がなされる。
所定の洗濯時間の後、すすぎ工程を経て、回転ドラム3を高速回転させる脱水工程に移行する。このドラム式洗濯機には、回転ドラム3内に収容した洗濯物(衣類)を乾燥する機能が設けられ、循環送風経路11や熱交換器12などが構成されている。
以上のような構成のドラム式洗濯機においては、回転ドラム3は、その回転軸を水平方向あるいは水平方向から前上がりした状態にして水槽内に配設しているため、回転ドラム3内に洗濯物を収納して回転させると、洗濯物(衣類)や水が下方に偏りがちになる。
そのため、回転ドラム3の回転に伴い振動が発生しやすく、特に、脱水工程のとき、水を含んだ洗濯物(衣類)がアンバランス分布したまま回転ドラム3が高速回転すると水槽2に大きな振動が生じ、洗濯機に異常振動や異常騒音が発生する。
その対応として、大きな振動が生じた場合には、回転ドラム3の回転を一時停止し後に再回転させたり、回転数を減少させる駆動制御などにより、洗濯物(衣類)の偏りを解消させる制御動作が従来より実施されてきた。
上記制御動作を行うためには、大きな振動が発生した場合に、振動を速やかに検知する必要があり、従来から行われてきた方法として、振動検知の手段として、駆動モータをインバータ制御する回路の出力電流から振動発生を検知し、過振動警告を出力する洗濯機の異常振動検出方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、水槽の振れを検知するセンサを設け、このセンサによって検知した出力に基づいて洗濯またはすすぎ工程から脱水工程への移行制御を行い、脱水工程中の異常振動検知により脱水動作を停止する制御を行う運転方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−170080号公報 特開昭61−098286号公報
しかしながら、前記従来の方法における、特許文献1に記載のインバータ回路の出力電流の変化から振動を検知する方法は、異常振動を間接的に推定する方法であり、洗濯物の偏りが誘導モータの電流実効値に現れ、そのアンバランス状態が異常振動につながるという推定でなりたっている。しかし、異常振動を検出して過振動警告を出力し、回転を停止させ、あるいは回転数を減少させるだけでは、洗濯物(衣類)の偏りに起因する異常振動を防止し、あるいは軽減するためには十分に効果的であるとは言えないという課題があった。
また、特許文献2に記載のセンサによって水槽の振動を検知する運転方法では、低速回転によりバランス取り工程を行う場合に、洗濯物(衣類)のドラム内面への張り付き方によって回転ドラムにアンバランス状態があっても、振動の振幅が小さいため異常振動が検知できず、回転ドラムが高速回転に移行したときに大きな振動となり、そこで初めて異常振動として検知することになるため、高速回転に至る以前に異常振動が発生するか否かを検知することができない。従って、異常振動が発生して停止するまでに洗濯物(衣類)や洗濯機に損傷を与える恐れがあり、回転ドラムを停止させるまでに多くの無駄時間が生じるという課題があった。また、センサには差動トランス等の機構を使用するため、構造が複雑で、コストを増大させる課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡単な構成により、洗濯物(衣類)が投入された回転ドラムを回転駆動して脱水工程を行う際の、洗濯物の偏りに起因する回転ドラムの異常振動を回避して、安定した回転を維持することが可能なドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機は、回転ドラムを駆動するドラム駆動モータと、前記ドラム駆動モータの回転数検知から回転ドラムの回転数を検知する回転数検知装置と、前記ドラム駆動モータの通電電流を検知する電流検知部と、前記の検知回転数および検知電流値に基づき前記ドラム駆動モータへの通電電流を制御する制御部とを備え、前記制御部は脱水工程において、予め設定された複数の設定回転数ごとに、当該設定回転数を目標値とする制御を行い、前記設定回転数ごとの検知電流値を記憶し、2回目以降の設定回転数ごとに、検知電流値及び当該設定回転数の検知電流値から記憶している前回設定回転数の検知電流値を減じた差分値と、予め設定された電流上限値及び上限差分値とを比較して、前記電流上限値及び上限差分値を超えない場合に、次に高い前記設定回転数を目標値とする制御に移行するものである。
これによって、脱水工程で回転ドラムの回転数を段階的に上昇させる際に、各段階の設定回転数で回転ドラムの振動状態に応じたドラム駆動モータの回転制御を行うことにより、洗濯物(衣類)の偏りに起因する回転ドラムの異常振動を回避して、安定した脱水回転を維持することができる。
本発明のドラム式洗濯機は、脱水工程で、洗濯物(衣類)の偏りに起因する回転ドラムの異常振動を回避して、安定した回転を維持することができる。
第1の発明は、水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有し、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包し洗濯機本体内に弾性的に支持された水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するドラム駆動モータと、前記ドラム駆動モータの回転数検知から回転ドラムの回転数を検知する回転数検知装置と、前記ドラム駆動モータの通電電流を検知する電流検知部と、前記回転数検知装置の検知回転数および前記電流検知部の検知電流値に基づき前記ドラム駆動モータへの通電電流を制御する制御部とを備え、前記制御部は脱水工程において前記回転ドラムの回転数を停止から最高回転に向かって上昇させて行く過程で、低い回転数から順番に予め設定された複数の設定回転数ごとに、当該設定回転数を目標値とする制御を行い、前記設定回転数ごとに前記電流検知部の検知電流値を記憶し、2回目以降の設定回転数ごとに、検知電流値及び当該設定回転数の検知電流値から記憶している前回設定回転数の検知電流値を減じた差分値と前記各設定回転数に対して予め設定された電流上限値及び上限差分値とを比較して、前記電流検知部の検知電流値及び差分値が前記電流上限値及び上限差分値を超えない場合に、次に高い前記設定回転数を目標値とする制御に移行することにより、脱水工程で回転ドラムの回転数を段階的に上昇させる際に、各段階の設定回転数で回転ドラムの振動状態に応じたドラム駆動モータの回転制御を行うことで、洗濯物(衣類)の偏りに起因する回転ドラムの異常振動を回避して、安定した回転を維持することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、制御部は、1回目の電流検知部の検知電流値に基づき、各設定回転数ごとの前記電流検知部の検知電流値を予め設定された補正値で補正するようにしたことにより、機械的構造に起因する機構的なロスを排除することで、検知測定のバラツキが解消されるので、精度の高い回転ドラムの異常振動を回避制御ができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御部は、2回目以降の設定回転数ごとに、検知電流値及び当該設定回転数の検知電流値から記憶している前回設定回転数の検知電流値をひいた差分値とを比較する前記各設定回転数に対して予め設定された電流上限値及び上限差分値とを複数パターン有したことにより、個々の機体の構造的なバラツキを考慮した検知ができるので、より精度の高い回転ドラムの異常振動を回避制御ができる。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の概略構造は、図6に示したものと同様である。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の制御装置を示す回路図であり、図2は、同ドラム式洗濯機による脱水工程の制御方法を示す図、図3は、同ドラム式洗濯機による脱水工程の制御手順を示すフローチャート、図4は、同ドラム式洗濯機による脱水工程での、各設定回転数におけるドラム駆動モータの通電電流上限値を設定する方法を示す図、図5は、同ドラム式洗濯機による脱水工程での、各設定回転数におけるドラム駆動モータの通電電流の差分上限値を設定する方法を示す図である。
図1の回路図において、商用電源20の交流電力を整流器21より整流し、チョークコイル22及び平滑コンデンサ23からなる平滑回路により平滑化された直流電力を駆動電力として、インバータ回路24によりドラム駆動モータ7を回転駆動する。
また、入力設定部25から入力される運転指示、及び各検知手段(図示せず)により検知される運転状態の監視情報に基づいてドラム駆動モータ7の回転を制御し、負荷駆動部26により給水弁27、排水弁28、送風ファン12、ヒータ29等の動作を制御する。
ドラム駆動モータ7は、3相巻線7a、7b、7cを有するステータと、2極の永久磁石を有するロータとを備える。そして、3つの位置検出素子30a、30b、30cを設けた直流ブラシレスモータとして構成され、スイッチング素子24a〜24fにより構成されたPWM制御インバータ回路24により回転制御される。
位置検出素子30a、30b、30cが検出するロータ位置検出信号は、マイコンからなる制御部31に入力され、このロータ位置検出信号に基づいて駆動回路32によりスイッチング素子24a〜24fのオン/オフ状態をPWM制御することにより、ステータの3相巻線7a、7b、7cに対する通電を制御してロータを所要回転数で回転させる。
制御部31は、3つの位置検出素子30a、30b、30cの検出出力が入力される回転数検知部33を有する。回転数検知装置(回転数検知部)33は、3つの位置検出素子30a、30b、30cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を算出する。このようにして検知されるドラム駆動モータ7の回転数は、回転ドラム3の回転数に対応しているので、回転数検知装置(回転数検知部)33として構成される。
以上の様な制御回路で、ドラム駆動モータの回転数検知と回転制御および電流値の検知と制御を行う。
また、電流回路と直列に接続された抵抗器34の両端電圧から、電流検知回路35により電流量を検知することにより、電流検知部36が構成されている。
次に図2にて、脱水工程の制御方法を説明する。
図2(a)は、ドラム駆動モータ7の駆動を開始してからの経過時間t(横軸)と、回転ドラム3の回転数(縦軸)の関係を示し、図2(b)は、ドラム駆動モータ7の駆動を開始してからの経過時間t(横軸)と、電流検知部36により検知されるドラム駆動モータ7の通電電流(縦軸)の関係及び補正値の関係を示し、図2(c)は、ドラム駆動モータ7の駆動を開始してからの経過時間t(横軸)と、電流検知部36により検知されるドラム駆動モータ7の通電電流の差分値(縦軸)の関係を示す。
脱水工程では、図2(a)に示すように、ドラム駆動モータ7を駆動して回転ドラム3の回転数を停止から最高回転に上昇させて行く際に、低い回転数から順番に、予め設定された複数の設定回転数ごとに段階的に、当該設定回転数を目標値とする制御を行う。各段階での回転数はそれぞれ、800、880、1000、1100、1200rpmに設定されている。
このように回転ドラム3の回転数を段階的に上昇させる理由は、一気に回転数を上昇させた場合、洗濯物(衣類)が回転ドラム3内でアンバランスになり振動が大きくなるので、それを防止するためである。すなわち、各段階の設定回転数で振動が抑制された安定した回転状態が得られた後に、次の段階の設定回転数に上昇させることにより、大きなアンバランスの発生を抑制するためである。
上述のように、回転ドラム3の回転数を、予め設定された複数の各設定回転数ごとに目標値とする制御を行うと同時に、制御部31は、各段階の設定回転数に到達するごとに、電流検知部36の検知電流値を記憶すると共に、1回目(800rpm)の電流検知部の検知電流値に基づき、各設定回転数ごとの前記電流検知部の検知電流値を予め設定された補正値で補正し、各検知電流値及び衣類の脱水率が確保できる回転数である2回目以降(880、1000、1100、1200rpm)は設定回転数での当該検知電流値から、前回に検知した検知電流値を減じた差分値も同時に各設定回転数に対して予め設定された電流上限値及び差分上限値と比較する。
電流上限値及び補正値、差分上限値は、例えば図2(b)及び図2(c)に示すように複数のパターンで設定する。
例えば、始動から時間t1までは、1回目の回転数800rpmを目標値とする段階に対応し、電流上限値は、A1アンペアに設定されている。この1回目の回転数800rpmは、この回転数での水槽の振動と衣類の脱水率を確保できる2回目の回転数(880rpm)での水槽の振動が異常にならないかを検証する工程(ステップ4及びステップ7)で使用する電流の絶対値と2回目の回転数(880rpm)での差分値を出す為の電流値を検出する工程である。時間t2までは、2回目の回転数880rpmを目標値とする段階に対応し、パターン1は、電流上限値を(A2−1)アンペア、差分上限値は(B1−1)アンペアに設定され、パターン2は、電流上限値を(A2−2)アンペア、差分上限値は(B1−2)アンペアに設定され、パターン3は、電流上限値を(A2−3)アンペア、差分上限値は(B1−3)アンペアに設定されている。パターン1は電流上限値を小さく差分上限値を大きく設定され、パターン3は電流上限値を大きく差分上限値を小さく設定され、パターン2はその中間値に設定されている。これは、モータの制御のバラツキで電流値が小さいものは同じ回転数の変動に対しても電流値を大きく出力する傾向があり、差分値を大きく設定する必要があるためである。
時間t3までは、3回目の回転数1000rpmを目標値とする段階に対応し、パターン1は、電流上限値を(A3−1)アンペア、差分上限値は(B2−1)アンペアに設定され、パターン2は、電流上限値を(A3−2)アンペア、差分上限値は(B2−2)アンペアに設定されている。時間t4までは、4回目の回転数1100rpmを目標値とする段階に対応し、電流上限値をA4アンペア、差分上限値はB3アンペアに設定されている。3回目の回転数(1000rpm)、4回目の回転数(1100rpm)と進むにつれパターン数が2種類、1種類と減少するのは、回転数の増加に伴い回転数の変動の影響が少なくなっていく為であるが、パターン数を同じに設定すれば、より精度よく制御可能となる。
図2(b)に記載の、○印は、各段階において、回転ドラム3の回転数が目標値に到達した状態における、ドラム駆動モータ7の通電電流の生値(検知したそのままの値)を示し、×印は、補正後の通電電流値を示し、図2(c)の△印は差分値を示す。
補正値は各機体のドラム駆動モータ7を構成するオイルシールや軸受け、回転部に設けられたグリス粘度等により定まる機械的構造に起因する機構的なロス値であり、このロスの影響を少なくする為である。
制御部31は、各設定回転数に到達するごとに、電流検知部36の検知電流値を補正し、図2(b)及び図2(c)に示す各設定回転数に対する電流上限値及び差分上限値と比較し、補正後の検知電流値が電流上限値、差分値が差分上限値を共に超えない場合に、次の過程の高い設定回転数を目標値とする制御に移行するものであり、逆に上限値を超えたら、ドラム駆動モータへの負荷は大きく、アンバランスは大きいとして次の設定回転数には移行しない制御を行うものである。
以上のように構成されたドラム式洗濯機の制御について、以下その作用と効果を説明する。
まず、本発明の制御をわかり易くするため、制御部31による脱水工程の制御手順を図3に示したフローチャートにて説明する。
図3において、脱水工程がスタートする(ステップS1)と、回転ドラム3の設定回転数を、1回目の目標値、すなわち図2(a)における回転数800rpmを目標値として制御を行う(ステップS2)。1回目の目標値に到達すると(ステップS3)、電流検知部36の検知電流値を、1回目の設定回転数に対する電流上限値、すなわち図2(b)における電流(A1)アンペアと比較する(ステップS4)。検知電流値が、電流上限値以下であれば、制御部31は、2回目の設定回転数を目標値とする制御に移行する(ステップS5)。例えば、図2(b)において、t1前に示される検知電流値○印は電流上限値(A1)アンペア以下であり、従って、図2(a)における2回目の回転数である880rpmを目標値とする制御に移行する。
回転ドラム3の回転数が2回目の目標値に到達すると(ステップS6)、電流検知部36の補正後の検知電流値及び差分値を、2回目の設定回転数に対する電流上限値及び差分上限値、すなわち図2(b)及び図2(c)における電流上限値(A2−1)或いは(A2−2)或いは(A2−3)アンペア、差分上限値(B1−1)或いは(B1−2)或いは(B1−3)アンペアと比較する(ステップS7)。
補正後の検知電流値及び差分値が、図2(b)及び図2(c)のt1〜t2の間に示される検知電流値印×のように電流上限値(A2−2)アンペア未満であり、且つ、差分値△のように差分上限値(B1−2)アンペア未満であるように、パターン1〜3のいずれかを満足すれば、制御部31は、3回目の目標値、すなわち図2(a)における回転数1000rpmを目標値とする制御に移行する。
例えば(ステップS7)において、補正後の検知電流値、或いは差分値が、パターン1の電流上限値(A2−1)アンペア以上、または、差分上限値(B1−1)アンペア以上、或いはパターン2の電流上限値(A2−2)アンペア以上、または、差分上限値(B1−2)アンペア以上、或いはパターン3の電流上限値(A2−3)アンペア以上、または、差分上限値(B1−3)アンペア以上になっていれば、即ち電流値または差分値のいずれかが上限値以上になれば、衣類のアンバランスは大きいとして、制御部31は、3回目の設定回転数を目標値とする制御に移行することなく、2回目の設定回転数(880rpm)を目標値とする制御を維持する(ステップS8)。
以下同様にステップ5〜ステップ8の工程を各段階に応じて制御を続行し脱水工程を終了する(ステップS9)。
例えば図2(b)における時間がt3とt4の間に示される補正後の検知電流値印×は、対応する電流上限値A4を超えている。したがって、図2(a)に示されるように、時間t4になっても回転数を上昇させず、t3からの4回目の目標回転数1100rpmを維持した制御を行う。
また、例えば図2(c)におけるt3とt4の間に示される差分値印△は、対応する差分上限値B3アンペアを超えている。したがって、図2(a)に示されるように、時間t4になっても回転数を上昇させず、t3からの4回目の目標回転数1100rpmを維持した制御が行われる。
次に、図2(b)及び図2(c)に示したような、各設定回転数に対する電流検知部36の検知電流値の上限値、及び、差分値の上限値を設定する方法の一例について、図4の通電電流上限値を設定する方法を示す図、及び図5の通電電流の差分上限値を設定する方法を示す図を参照して説明する。
図4で、横軸は回転ドラム3の回転数、縦軸は通電電流値および水槽の振幅を示す。
図4中のPで示した階段状の実線は、図2(b)電流値上限値図に対応したもので、回転ドラム3の各段階における設定回転数と、ドラム駆動モータ7の電流上限値の関係を示す。例えば、800rpmでは0.1A、880rpmでは0.115〜0.125A、1000rpmでは0.13〜0.135A、1100rpmでは0.14Aである。
図5で、横軸は回転ドラム3の回転数、縦軸は電流差分値および水槽の振幅を示す。
図5中Rで示した凸状実線は、図2(c)通電電流の差分値図に対応し、回転ドラム3の各段階における設定回転数と、ドラム駆動モータ7の電流値の差分上限値の関係を示す。
例えば、880rpmでは0.015〜0.017A、1000rpmでは0.024〜0.025A、1100rpmでは0.02Aである。
また、図4中Qで示した右下り階段状実線及び図5中Sで示した右下り階段状実線は、回転ドラム3の各段階における設定回転数と、回転ドラム3を収容する水槽の許容できる最大振動振幅である振動上限値の関係を示す。例えば、800rpmでは15mm、1000rpmでは10mm、1100rpmでは8mm、1200rpmでは6mmである。この各振幅値をオーバーしてのドラム回転は、異常振動として許容できない事になる。即ち、図4の電流上限値P及び図5の電流差分上限値Rは、ドラム回転数が800rpm、880rpm、1000rpm、1100rpmごとに設けられた閾値である(但し、差分上限値Rは880rpmからの高回転域に設定する)。
この電流上限値P及び差分上限値Rは、回転ドラム3が各段階の設定回転数で回転し、かつ振動振幅が振動上限値Qにあるときの電流検知部36の検知電流値として測定された平均的な値である。即ち、各段階の設定回転数ごとに設けられた電流上限値P及び差分上限値Rを越えないように回転ドラム3の回転数を制御することにより、水槽が前記最大振幅を超えて振動することがない。
図4及び図5で、(a)、(b)、(c)、(d)に示した曲線は、ドラム回転数の上昇に伴うドラム駆動モータ電流及び差分値の変化の例である。
例えば図4のモータ電流(a)では、880rpmから1000rpmに移行する過程で電流上限値0.125Aに到達してしまうので、これ以上回転数を上げないように880rpmを維持する制御をすることにより、水槽の最大振幅を12mm以下に抑えることができる。
またモータ電流(b)の場合では、1100rpmから1200rpmに移行する過程で電流上限値0.14Aに到達してしまうので、これ以上回転数を上げないように1100rpmを維持する制御をすることにより、水槽の最大振幅を8mm以下に抑えることができる。
また、モータ電流の差分値(c)の場合では、880rpm近傍で電流差上限値0.017Aに到達しているので、これ以上回転数を上げないように880rpmを維持する制御をすることにより、水槽の最大振幅を12mm以下に抑えることができる。
またモータ電流の差分値(d)の場合では、1100rpmから1200rpmに移行する過程で電流差上限値0.02Aに到達しているので、これ以上回転数を上げないように1100rpmを維持する制御をすることにより、水槽の最大振幅を8mm以下に抑えることができる。
回転数が高いほど最大振幅を小さく設定しているのは、振動騒音を一定レベル以下に抑えるためである。
上のような制御を行うことにより、回転ドラム3内での衣類のアンバランスに起因する異常振動の発生を抑制することができる。なお、各段階の設定回転数において、電流上限値と比較するための電流検知部36による検知電流値としては、ドラム駆動モータ7の回転数が各設定回転数に到達した直後では無く、回転数が安定した後の検知出力を用いることが望ましい事は当然である。
以上のように、本実施の形態においては、設定された複数の設定回転数ごとに検知電流値を記憶し、2回目以降の設定回転数ごとに、検知電流値及び当該設定回転数の検知電流値から記憶している前回設定回転数の検知電流値を減じた差分値と、予め設定された電流上限値及び上限差分値とを比較して、電流上限値及び上限差分値を超えない場合にはアンバランスは少ないとして、次に高い前記設定回転数の制御に移行するので、異常振動を回避して、安定した回転を維持した洗濯機を得る事ができた。
また、前記予め設定された電流上限値及び上限差分値とを、複数パターン有しているため、モータの制御のバラツキで生じる同回転数及び同アンバランスにおける水槽の振動を検出した複数の電流値と差分値とを、複数パターン中のいずれかのパターンで判定可能となり、水槽の異常振動を回避して、安定したものとできた。
なお、上記実施の形態においては、回転ドラム3の回転軸が水平に対して傾斜して設けられた構造の場合を示したが、傾斜した回転軸に限定されるものではない。例えば、回転軸が水平に設けられた構造においても、本発明を適用可能である。
また、モータ電流値としてトルク成分をあらわす電流値を用いれば、更に精度向上の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、脱水工程を行う際の洗濯物(衣類)の偏りに起因する回転ドラムの異常振動を回避し、安定回転を維持することが可能となったので、家庭用、および業務用の遠心分離機などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の制御装置を示す回路図 同ドラム式洗濯機による脱水工程の制御方法を示す図 同ドラム式洗濯機による脱水工程の制御手順を示すフローチャート 同ドラム式洗濯機による脱水工程での、各設定回転数におけるドラム駆動モータの通電電流上限値を設定する方法を示す図 同ドラム式洗濯機による脱水工程での、各設定回転数におけるドラム駆動モータの通電電流の差分上限値を設定する方法を示す図 従来のドラム式洗濯機の概略構造を示す断面図
符号の説明
1 洗濯機本体
2 水槽
3 回転ドラム
7 ドラム駆動モータ
14 回転検知部
20 商用電源
21 整流器
22 チョークコイル
23 平滑コンデンサ
24 インバータ回路
24a〜24f スイッチング素子
30a、30b、30c 位置検出素子
31 制御部
33 回転数検知部
35 電流検知回路
36 電流検知部

Claims (3)

  1. 水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有し、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを回転自在に内包し洗濯機本体内に弾性的に支持された水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するドラム駆動モータと、前記ドラム駆動モータの回転数検知から回転ドラムの回転数を検知する回転数検知装置と、前記ドラム駆動モータの通電電流を検知する電流検知部と、前記回転数検知装置の検知回転数および前記電流検知部の検知電流値に基づき前記ドラム駆動モータへの通電電流を制御する制御部とを備え、前記制御部は脱水工程において前記回転ドラムの回転数を停止から最高回転に向かって上昇させて行く過程で、低い回転数から順番に予め設定された複数の設定回転数ごとに、当該設定回転数を目標値とする制御を行い、前記設定回転数ごとに前記電流検知部の検知電流値を記憶し、2回目以降の設定回転数ごとに、検知電流値及び当該設定回転数の検知電流値から記憶している前回設定回転数の検知電流値を減じた差分値と、前記各設定回転数に対して予め設定された電流上限値及び上限差分値とを比較して、前記電流検知部の検知電流値及び差分値が前記電流上限値及び上限差分値を超えない場合に、次に高い前記設定回転数を目標値とする制御に移行することを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 制御部は、1回目の電流検知部の検知電流値に基づき、各設定回転数ごとの前記電流検知部の検知電流値を予め設定された補正値で補正するようにした請求項1記載のドラム式洗濯機。
  3. 制御部は、2回目以降の設定回転数ごとに、検知電流値及び当該設定回転数の検知電流値から記憶している前回設定回転数の検知電流値をひいた差分値とを比較する前記各設定回転数に対して予め設定された電流上限値及び上限差分値とを、複数パターン有した請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
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