JP2010262194A - 走査型顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な機構で、光束の軸ズレを補正する機構を備えた走査型顕微鏡を提供する。
【解決手段】本発明の走査顕微鏡は、レーザー光源からの光を試料で走査する走査手段と、前記走査手段と前記試料との間に配置される対物レンズと、前記レーザー光源と前記走査手段との間に配置され、前記レーザー光源からの光の波長変更に伴って発生する、前記光の基準光路に対するズレを補正する補正手段とを備えた走査型顕微鏡であって、前記補正手段は、シフト補正機構のみであり、前記レーザー光源から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率、又は前記補正手段から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率が6倍以上である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の走査顕微鏡は、レーザー光源からの光を試料で走査する走査手段と、前記走査手段と前記試料との間に配置される対物レンズと、前記レーザー光源と前記走査手段との間に配置され、前記レーザー光源からの光の波長変更に伴って発生する、前記光の基準光路に対するズレを補正する補正手段とを備えた走査型顕微鏡であって、前記補正手段は、シフト補正機構のみであり、前記レーザー光源から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率、又は前記補正手段から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率が6倍以上である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、走査型顕微鏡に関する。
走査型顕微鏡では、レーザー光源の特性変化、波長切換時時の内部光学素子の位置変化などにより、レーザー光の出射位置および出射角度が変動する。
そのため、光路中に光束のズレを検知する装置を設け、検知したズレ量に基づいて補正機構により光束を補正している(例えば、特許文献1参照)。
ズレのうち、チルト成分はチルト機構を持つミラー、シフト成分はシフト機構を持つミラーにて行っている。
しかし、チルト機構とシフト機構を設けると、顕微鏡の構成が煩雑になり、制御も難しくなる。
そこで、本発明は簡便な機構で、光束の軸ズレを補正する機構を備えた走査型顕微鏡を提供する。
本発明の走査顕微鏡は、レーザー光源からの光を試料で走査する走査手段と、前記走査手段と前記試料との間に配置される対物レンズと、前記レーザー光源と前記走査手段との間に配置され、前記レーザー光源からの光の波長変更に伴って発生する、前記光の基準光路に対するズレを補正する補正手段とを備えた走査型顕微鏡であって、前記補正手段は、シフト補正機構のみであり、
前記レーザー光源から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率、又は前記補正手段から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率が6倍以上であることを特徴とする。
前記レーザー光源から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率、又は前記補正手段から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率が6倍以上であることを特徴とする。
本発明によれば、従来に比べて、簡便な機構により光束の軸ズレを補正でき、その結果、標本に対して適切な照明ができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した観察システムの一実施の形態の構成例を示す図である。この観察システムは、走査型顕微鏡11、コントローラ12、およびパーソナルコンピュータ13から構成される。
走査型顕微鏡11には、互いに異なる波長の光を射出する光源として、IRパルスレーザー21および可視レーザー22が設けられている。IRパルスレーザー21から射出された赤外光は、走査型顕微鏡11の照明光学系23を通って観察対象の試料24に照射され、可視レーザー22から射出された可視光は、照明光学系25を通って試料24に照射される。
照明光学系23は、入射光学系26、コンフォーカルヘッド27内に設けられた光学素子、第2対物レンズ28、ダイクロイックミラー29、および対物レンズ30から構成される。したがって、IRパルスレーザー21から入射光学系26に入射した赤外光は、入射光学系26において平行光とされて、コンフォーカルヘッド27内部のビームエキスパンダー31に入射する。
入射光学系26は、図2に示すように、ビームエキスパンダー2、音響光学素子(AOM)3、ビームエキスパンダー4、第1のシフトミラー5と第2のシフトミラー6とからなるビームシフタから構成される。ビームエキスパンダー2は、IRパルスレーザー21から出射された赤外光を音響光学素子3に対して、最適な径で入射するようにビーム径を縮小し、ビームエキスパンダー4は、音響光学素子3から出射した赤外光を、エネルギー密度が低い状態でビームシフタに入射するように、ビーム径を拡大する。
入射光学系26からに光束の軸ズレ検出部50に入射した赤外光は、不図示のビームスプリッタで一部反射され、残りは透過される。光束の軸ズレ検出部50による光束の軸ズレ量の検出方法は、後述する。
光束の軸ズレ検出部50を経てビームエキスパンダー31に入射した赤外光は、ビームエキスパンダー31を構成し、それぞれが複数のレンズからなる前群32および後群33を通って、ミラー34に入射する。そして、赤外光はミラー34において反射されて、ダイクロイックミラー35を透過し、さらにダイクロイックミラー36で反射されてダイクロイックミラー37に入射する。
ダイクロイックミラー37に入射した赤外光は、ダイクロイックミラー37を透過してガルバノスキャナ38により偏向され、ダイクロイックミラー39、瞳投影レンズ40、および第2対物レンズ28乃至対物レンズ30を通って試料24の観察面に照射される。つまり、赤外光は、ガルバノスキャナ38により試料24の観察面上で走査される。
このように、赤外光は、照明光学系23により試料24に導かれる。一方、可視レーザー22により平行光とされて、可視レーザー22から射出された可視光は、照明光学系25により試料24に導かれるが、照明光学系25は、照明光学系23と一部において共通の光学系を有する。
可視レーザー22からの可視光は、コンフォーカルヘッド27内のダイクロイックミラー35において反射され、さらにダイクロイックミラー36で反射されてダイクロイックミラー37に入射する。そして、可視光は、ダイクロイックミラー37において反射されてガルバノスキャナ41により偏向されてダイクロイックミラー39で反射され、さらに瞳投影レンズ40、および第2対物レンズ28乃至対物レンズ30を通って試料24の観察面に照射される。つまり、可視光は、ガルバノスキャナ41により試料24の観察面上で走査される。なお、図1において、矢印Z11は、対物レンズ30に入射する赤外光および可視光の一次像面の位置を示している。
試料24の観察時においては、赤外光または可視光の何れか一方が試料24の画像を得るためのイメージング(励起)用の光とされる。
例えば、IRパルスレーザー21からの赤外光が多光子励起によるイメージングに用いられる場合、可視レーザー22からの可視光は、全く利用されないか、または試料24の光刺激用の光として利用される。
この場合、IRパルスレーザー21からの赤外光が試料24に照射されると、試料24からは蛍光が発現し、この蛍光は観察光となって対物レンズ30を通ってダイクロイックミラー29に入射する。そして、観察光はダイクロイックミラー29において反射され、レンズ42およびレンズ43により集光されてディテクタ44に入射する。ディテクタ44は、入射した観察光を受光して光電変換し、その結果得られた電気信号をパーソナルコンピュータ13に供給する。パーソナルコンピュータ13は、ディテクタ44からの電気信号に基づいて、試料24の観察画像を生成し、表示する。
これに対して、可視レーザー22からの可視光が試料24のイメージングに用いられる場合、IRパルスレーザー21からの赤外光は、多光子励起による試料24の光刺激に利用される。
すなわち、赤外光により試料24の観察面が刺激された状態で、その観察面に可視光が照射されると、試料24からは蛍光が発現する。この蛍光は観察光であり、対物レンズ30、ダイクロイックミラー29、第2対物レンズ28、および瞳投影レンズ40を通ってダイクロイックミラー39に入射する。観察光は、ダイクロイックミラー39に入射すると、ダイクロイックミラー39おいて反射し、ガルバノスキャナ41によりデスキャンされて、ダイクロイックミラー37に入射する。
さらに、観察光は、ダイクロイックミラー37において反射されて、ダイクロイックミラー36を透過し、集光レンズ45により集光される。すなわち、ダイクロイックミラー36は、ダイクロイックミラー37から入射する観察光と、ダイクロイックミラー35から入射する赤外光および可視光とを分離して、観察光を集光レンズ45に入射させる。集光レンズ45により集光された観察光は、試料24と共役な位置に設けられたピンホール46を通ってディテクタ47に入射する。
ディテクタ47は、入射した観察光を受光して光電変換し、その結果得られた電気信号をパーソナルコンピュータ13に供給する。パーソナルコンピュータ13は、ディテクタ47からの電気信号に基づいて、試料24の観察画像を生成し、表示する。
なお、以下においては、可視レーザー22からの可視光が試料24のイメージングに用いられ、IRパルスレーザー21からの赤外光が試料24の光刺激に用いられるものとして、説明を続ける。
また、走査型顕微鏡11では、赤外光および可視光の光路上に配置される対物レンズ30を切り換えることができるようになされている。すなわち、走査型顕微鏡11には、複数の対物レンズ30を保持するレボルバ48が設けられている。レボルバ48は、観察者の操作に応じて回動して、保持している複数の対物レンズ30のうちの何れかを、赤外光および可視光の光路上に配置するとともに、光路上に配置された対物レンズ30を特定する特定情報をコントローラ12に供給する。例えば、特定情報は、光路上に配置された対物レンズ30が取り付けられている、レボルバ48の取り付け穴を示す情報とされる。
パーソナルコンピュータ13は、観察者の操作に応じた処理を行う。例えば、パーソナルコンピュータ13は、IRパルスレーザー21や可視レーザー22を制御して、赤外光や可視光を射出させたり、射出させる光の波長を変更させたりする。また、パーソナルコンピュータ13は、赤外光の波長を変更させると、変更後の赤外光の波長を示す波長情報をコントローラ12に供給する。
IRパルスレーザー21の波長変化に伴って、光束の軸ズレが発生したとする。光束の軸 ズレが生じた場合にズレ補正を行わないと、光束の中心が対物レン
ズ30の瞳中心を通過しないので、試料24上における視野の位置ズレを起こし、中心対称ではない視野ムラが発生することとなる。
ズ30の瞳中心を通過しないので、試料24上における視野の位置ズレを起こし、中心対称ではない視野ムラが発生することとなる。
光束の軸ズレが起きた場合は、対物レンズ30の瞳の中心を光束の中心が通過するように、第1のシフトミラー5と第2のシフトミラー6を所定量シフトし、軸ズレを補正する。補正はx方向とy方向を補正する必要があるため、各シフトミラー5、6のシフト方向が互いに直交するように配置するのが効率的である。
ここで、チルト補正機構を用いずに、シフト補正機構のみで光束の軸ズレの補正を行うための条件を説明する。
試料24上での光束のズレ量は、瞳投影レンズ40、第2対物レンズ28、対物レンズ30の焦点距離に依存して変化するので、瞳投影レンズ40、第2対物レンズ28、対物レンズ30の焦点距離がそれぞれ同じであると仮定して、試料24と共役関係である第1次像面Z11における光束のズレについて説明する。なお、対物レンズ30の焦点距離が第2対物レンズ28の焦点距離と等しい場合、すなわち対物レンズ30の倍率が1倍の場合、試料24上での後述するエアリーディスク径に対するエアリーディスク位置のズレ量が最も大きくなるので、1倍で検討しておけば十分である。
IR パルスレーザー21の波長変化による射出角度のズレ量がθとし、瞳投影レンズ40の焦点距離をf(mm)とした場合、1次像面Z11でのズレ量yは、IRパルスレーザー21から瞳投影レンズ40まで倍率がかからないとすると、
y = f × tanθ となる。
y = f × tanθ となる。
また、1次像面Z11におけるエアリーディスク直径φを考えてみる。瞳投影レンズ40の開口数をNAとすると、1次像面Z11におけるエアリーディスク直径φ = 1.22 × λ /NA となる。
さらに、どのくらいのズレ量であれば、試料24上で視野位置にズレがないとみなせるかを考えてみる。
レイレーの解像力程度であれば、ズレを認識することは難しいと考えらえる。それはエアリーディスク直径φの1/2程度であり、1.22×λ /(2×NA)である。 IRパルスレーザー21の波長変化による射出角度のズレ量は、f × tanθであるので、f × tanθ < 1.22×λ / ( 2×NA ) 程度であれば、チルト成分を補正する必要が無く視野で像ズレが判別できなくなる。
よって、IRパルスレーザー21から対物レンズ30の瞳位置までの間の光学系の倍率をβとすると、β = 1.22×λ /(2×NA×f×tanθ)倍以上の倍率をかけることにより、試料24上でのチルト量を減らすことができるので、チルト補正機構が不要となる。
これにより、装置構成が煩雑でなくなり、廉価で明るい走査型顕微鏡を提供することができる。また、可動部分が減るということは、誤差が生まれる要因も減ることとなる。
以下に本発明の実施形態における具体的な値を用いて検証してみる。
IRパルスレーザー21の波長変化による射出角度のズレ量は、100μrad/100nm程度である。IRパルスレーザー21において、700nm - 1000nm 程度までの波長を使用した場合、約300nmの波長変化で、最大約300μradのズレが発生する(角度に直すと、0.017189度)。
また、第1のシフトミラー5と第2シフトミラー6とからなるビームシフタには機械的なガタがあり、チルト成分を全く発生させずに各シフトミラー5、6をシフトさせることはできない。各シフトミラー5、6をシフトさせたときに生じるチルト量は、約IRパルスレーザー21のズレ量の半分程度であることが実験的に分かっている。
瞳投影レンズ40の焦点距離fが200mmであるした場合、IRパルスレーザー21から瞳投影レンズ40まで倍率がかからないとすると、1次像面Z11でのズレ量yは、y = 200× tan(0.017189) = 60μmとなる。
また、IRパルスレーザー21の波長変更に伴って発生したシフトを補正するためにビームシフタを動かした場合に、1次像面Z11において約30μmズレが生じるので、結果的に、約90μmのズレが生じる。
一方、1次像面Z11におけるエアリーディスク直径φは、瞳投影レンズ40の開口数を0.03、波長を0.7μmとすると、φ= 1.22 × 0.7 / 0.03 = 28.5μm となる。
1次像面Z11でのズレ量は、1次像面Z11におけるエアリーディスク直径よりも大きい。ズレを認識できない量は、エアリーディスク直径の1/2程度であり、15μm程度になる。
以上のことから、IRパルスレーザー21から対物レンズ30の瞳位置までの間の光学系において約6倍(約90μm/15μm)以上の倍率をかけることにより、ズレ量を1/6程度にできるので、チルト成分を補正しなくても視野の位置ズレが判別できなくなる。
なお、ビームシフタを第1のハービング用ガラス基板と第2のハービング用ガラス基板とからなり、各ハービング用ガラス基板を互いに直交するように配置してよい。この場合、シフト補正は、各ハービング用ガラス基板を所定角度傾けることにより行う。
また、ビームシフタをシフトミラーとハービング用ガラス基板とから構成してもよく、その場合もそれぞれ互いに直交するように配置する。
なお、IRパルスレーザー21から射出された赤外光は、ビームエキスパンダー2、4、31、瞳投影レンズ40、第2対物レンズ28のいずれかのレンズによって倍率をかけることにより、チルト成分を小さくできる。
しかし、ビームシフタの機械的ガタにより発生するズレを考慮すると、ビームシフタから対物レンズ30の入射瞳までの位置で倍率をかけるのが最も効率的である。
このことからビームシフタから対物レンズ30の入射瞳までに6倍以上の倍率をかけると良いといえる。
次に、光束の軸ズレ検出部50の構成を説明する。図3は、光束の軸ズレ検出部50の構成である。
ハーフミラー134は、ハーフミラー119からの赤外光の一部を反射して光電検出素子135に入射させるとともに、残りの赤外光を透過させて光電検出素子136に入射させる。すなわち、ハーフミラー134は、被検光路のずれを検出するためにハーフミラー119により抽出された赤外光を2つの光(光路)に分岐させる。
ここで、光電検出素子135は、ハーフミラー134から光電検出素子135の受光面までの赤外光の光路長がL1となる位置に配置され、光電検出素子136は、ハーフミラー134から光電検出素子136の受光面までの赤外光の光路長が、L1より長いL2となる位置に配置される。また、光電検出素子135および光電検出素子136は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)等の撮像素子、PSD(Position Sensing Detector)、4分割フォトダイオードなどの受光位置を検出可能な素子とされる。
光電検出素子135は、ハーフミラー134からの赤外光を受光して光電変換し、光電変換により得られた検出信号D1を不図示の
A/D(Analog/Digital)変換器に供給する。この検出信号D1は、受光面上の各位置に入射した光の強度を示す信号であり、A/D変換器によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、コントローラ12を介してコンピュータ13に供給される。
A/D(Analog/Digital)変換器に供給する。この検出信号D1は、受光面上の各位置に入射した光の強度を示す信号であり、A/D変換器によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、コントローラ12を介してコンピュータ13に供給される。
光電検出素子136は、ハーフミラー134からの赤外光を受光して光電変換し、光電変換により得られた検出信号D2をA/D変換器に供給する。この検出信号D2は、受光面上の各位置に入射した光の強度を示す信号であり、A/D変換器によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、コントローラ12を介してコンピュータ13に供給される。
コンピュータ13は、コントローラ12からの検出信号D1および検出信号D2のデジタル信号に基づいて、光電検出素子135の受光面上における赤外光の受光位置P1と、光電検出素子136の受光面上における赤外光の受光位置P2とを検出する。
また、コンピュータ13は、検出された受光位置P1および受光位置P2に基づいて、赤外光のチルト量、つまりチルトの角度(および方向)を演算処理により求める。さらに、コンピュータ13は、検出された受光位置P1および受光位置P2に基づいて、赤外光のシフト量、すなわちシフトの大きさおよび方向を演算処理により求め、不図示の駆動部に供給する。
なお、コンピュータ13が、検出された受光位置P1および受光位置P2を示す画像を表示部に表示させたり、演算処理により求められたチルト量およびシフト量を表示部に表示させたりするようにしてもよい。
不図示の駆動部は、コンピュータ13から供給されたシフト量に基づいて、赤外光のシフトが打ち消されるように、ビームシフタを駆動する。これにより、赤外光が平行移動されて、被検光路と垂直な方向への光路のずれがなくなるように、被検光路が補正される。
さらに、走査型顕微鏡による赤外光のチルト検出、シフト検出の原理およびシフトの補正方法について説明する。
IRパルスレーザー21からハーフミラー119までの赤外光の光路でチルトが生じると、図3Aに示すように、赤外光の光路は、赤外光が本来通るべき光路である基準光路に対して傾く。なお、図3Aでは、実線は赤外光の基準光路を示しており、点線は赤外光の実際の光路を示している。
光電検出素子135および光電検出素子136のそれぞれの受光面の中心の位置を、赤外光が本来受光されるべき基準位置であるとすると、チルトの発生により赤外光の光路は基準光路に対して傾くので、受光位置P1および受光位置P2は、それぞれ基準位置からずれた位置となる。
ここで、光電検出素子135に入射する赤外光と、光電検出素子136に入射する赤外光とは共通光路を有し、ハーフミラー134において分岐される。したがって、図3Bに示すように、光電検出素子135に入射する赤外光の基準光路の延長上に光電検出素子136が等価配置され、光電検出素子135に入射した赤外光が、そのまま直進し、光電検出素子136の受光面に到達すると仮想的に考えることができる。
この場合、赤外光は、基準光路に対して角度θだけ傾いて、図中、下側から光電検出素子135の受光面上の受光位置P1に入射し、その後、光電検出素子136の受光面上の受光位置P2に入射する。なお、図3Bにおいて、実線は赤外光の光路を示しており、点線は基準光路を示している。
ここで、光電検出素子135から光電検出素子136までの距離を△Lとすると、基準位置から受光位置P2までの距離と、基準位置から受光位置P1までの距離との差分△Pは、次式(1)で表される。
△P=△L×tanθ ・・・(1)
式(1)における距離△Lは、ハーフミラー134から光電検出素子135までの赤外光の光路長L1と、ハーフミラー134から光電検出素子136までの赤外光の光路長L2との差であるから、距離△Lは既知の光路長L1および光路長L2から求められる。また、差分△Pも受光位置P1および受光位置P2から求められる。
式(1)における距離△Lは、ハーフミラー134から光電検出素子135までの赤外光の光路長L1と、ハーフミラー134から光電検出素子136までの赤外光の光路長L2との差であるから、距離△Lは既知の光路長L1および光路長L2から求められる。また、差分△Pも受光位置P1および受光位置P2から求められる。
したがって、光路長L1、光路長L2、受光位置P1、および受光位置P2から式(1)により、赤外光のチルトの角度θが求められる。なお、赤外光のシフトが生じていたとしても、受光位置P2と受光位置P1との基準位置からの距離の差分△Pは変わらないので、すなわち、差分△Pは、赤外光のチルトの角度θにより定まるので、シフトの発生によらず、式(1)から角度θが求められる。
コンピュータ13は、受光位置P1および受光位置P2に基づいて、式(1)を計算して角度θを求める。例えば、図3Bの例では、角度θは、チルトの方向が図中、右方向であり、チルトの角度の大きさがθとなる角度である。
次に、コンピュータ13は、被検光路にシフトだけが残っている状態において、光電検出素子135および光電検出素子136から供給された検出信号D1および検出信号D2に基づいて、赤外光の受光位置P1および受光位置P2を検出する。そして、コンピュータ13は、受光位置P1および受光位置P2の検出結果から赤外光のシフトを検出する。
例えば、IRパルスレーザー21からハーフミラー119までの赤外光の光路でシフトが生じると、図4Aに示すように、赤外光の光路は基準光路に対して、基準光路と垂直な方向に平行移動する。なお、図4Aでは、実線は赤外光の基準光路を示しており、点線は赤外光の実際の光路を示している。
ここで、図4Bに示すように、図3Bにおける場合と同様に光電検出素子135に入射する赤外光の基準光路の延長上に光電検出素子136が等価配置され、光電検出素子135に入射した赤外光が、そのまま直進し、光電検出素子136の受光面に到達すると仮想的に考える。
この場合、赤外光は、基準光路と平行に、つまり光電検出素子135の受光面に対して垂直に、その受光面上の受光位置P1に入射し、その後、光電検出素子136の受光面上の受光位置P2に入射する。なお、図4Bにおいて、実線は赤外光の光路を示しており、点線は基準光路を示している。
図4Bでは、被検光路にチルトは生じていないので、基準位置から受光位置P1までの距離と、基準位置から受光位置P2までの距離とは同じとなり、その距離が赤外光のシフト量Sである。例えば、図4Bの例では、シフト量Sは、図中、右方向への大きさSのずれ量を示す値である。
コンピュータ13は、受光位置P1(または受光位置P2)からシフト量Sを求めると、求めたシフト量を不図示の駆動部に供給する。なお、より詳細には、図4Bに示した、図中、左右方向へのシフトだけでなく、奥行き方向へのシフトも生じるので、奥行き方向へのシフト量も求められて、不図示の駆動部に供給される。
不図示の駆動部は、コンピュータ13から供給されたシフト量に基づいて、ビームシフタを駆動する。すると、ビームシフタは、不図示の駆動部の制御に基づいて、赤外光のシフトの方向とは反対方向に、シフト量Sの大きさの距離だけ赤外光の光路が平行移動するように電動ハービング板を回動させる。これにより、補正後の赤外光の光路は、基準光路と重なった状態、つまり基準光路そのものとなった状態となる。
なお、前述のように光束の軸ズレを適宜測定するのではなく、予めIRパルスレーザー21の波長変更に伴って生じるズレ量を波長毎にテーブル化したものをコンピュータ13内の記憶部に記憶しておき、波長の変更があるごとに記憶部からズレ量を取得するようにしてもよい。
Claims (6)
- レーザー光源からの光を試料で走査する走査手段と、
前記走査手段と前記試料との間に配置される対物レンズと、
前記レーザー光源と前記走査手段との間に配置され、前記レーザー光源からの光の波長変更に伴って発生する、前記光の基準光路に対するズレを補正する補正手段とを備えた走査型顕微鏡であって、
前記補正手段は、シフト補正機構のみであり、
前記レーザー光源から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率、又は前記補正手段から前記対物レンズの瞳までの光学系の倍率が6倍以上であることを特徴とする走査型顕微鏡。 - 前記シフト補正機構は、複数の反射部材、複数の透過部材、反射部材と透過部材との組み合わせ部材のいずれかであり、各部材の各可動軸は互いに直交しれなる請求項1の走査型顕微鏡。
- 前記シフト補正機構は、複数の反射部材、複数の透過部材、反射部材と透過部材との組み合わせ部材のいずれかであり、各部材の各面は平行ではない請求項1又は2に記載の走査型顕微鏡。
- 前記光学系中には、ビームエキスパンダーが配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザー走査型顕微鏡、
- 前記補正手段と前記走査手段との間に配置され、前記光の基準光路に対するズレを検出するズレ検出手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
- 前記光の基準光路に対するズレ量を保持する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009114154A JP2010262194A (ja) | 2009-05-11 | 2009-05-11 | 走査型顕微鏡 |
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2009
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