JP2010286799A - 走査型顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の異なる波長の光を試料に照射する場合に、光の集光位置をより簡単に調整できるようにする。
【解決手段】IRパルスレーザ21は、試料24を多光子励起により光刺激するための赤外光を射出し、赤外光は照明光学系23を通って試料24に照射される。可視レーザ22は、試料24から蛍光を発現させるための可視光を射出し、可視光は照明光学系25を通って試料24に照射される。赤外光と可視光とは波長が異なるため、対物レンズ30の色収差により、それらの光の集光位置にずれが生じるが、照明光学系23に配置されたビームエキスパンダ31により赤外光の発散角を偏向させることで、対物レンズ30による赤外光の集光位置を調整することができる。本発明は、走査型顕微鏡に適用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長の異なる複数の光を試料に照射する場合において、光の集光位置をより簡単に調節できるようにした走査型顕微鏡に関する。
近年、生物顕微鏡の分野では、非線形効果を利用した顕微鏡が注目を浴びている。なかでも、多光子励起を利用した走査型顕微鏡は拡散に強く、試料の深い部位まで観察することができるため、ユーザからの需要が増加している(例えば、特許文献1参照)。例えば、このような走査型顕微鏡を用いれば、これまで観察の難しかった脳などの拡散の大きい試料の観察が可能となる。
通常、走査型顕微鏡では、走査した光を非走査光に変え、ピンホールを通過させて共焦点効果を得ることにより、光軸方向の分解能が得られる。これに対して、多光子励起を利用した走査型顕微鏡では、試料における励起光の集光位置の部位だけが励起されるので、ピンホールを用いなくても光軸方向の分解能を得ることができる。
多光子励起では、一般的に、光源としてIRパルスレーザが用いられる。IRパルスレーザから射出される励起光(赤外光)の波長帯域は、略700乃至1000nmとされ、励起光の波長を自由に変化させることが可能とされている。
また、走査型顕微鏡では、試料の光刺激が行われることもある(例えば、特許文献2参照)。そのような場合、励起用の光源からの励起光と、光刺激用の光源からの照射光とが、それぞれ異なるスキャナにより走査されて、試料に対する光刺激およびイメージングが行われる。
さらに、走査型顕微鏡において、IRパルスレーザを用いて、多光子励起により試料の光刺激を行いつつ、他のIRパルスレーザを用いてイメージングを行うという観察方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。多光子励起では、試料における励起光の集光位置の部位のみが励起され、励起光のデフォーカス光が集光位置以外の部位を刺激することはないので、多光子励起による光刺激は優れていると言える。
特許第2848952号公報
特開2007−47465号公報
Volodymyr Nikolenko,Kira E Poskanzer and Rafael Yuste「Two-photon photostimulation and imaging of neural circuits」NATURE METHODS VOL.4 NO.11 NOVEMBER2007 p.943
ところで、IRパルスレーザは高価であるため、走査型顕微鏡において、光源からの光で試料を光刺激しつつ、他の光源からの光で試料のイメージングを行う場合に、それらの2つの光源としてIRパルスレーザを用いることは容易ではない。
そこで、IRパルスレーザを用いた多光子励起により試料の光刺激を行い、可視光の光源を用いて試料のイメージングを行うことが考えられるが、そのような場合には、走査型顕微鏡の光学系、特に対物レンズにおいて色収差の補正が必要となる。
すなわち、試料を観察するには、試料の観察対象の部位に、イメージング用の可視光と、光刺激用の赤外光とを集光させる必要があるが、それらの光は互いに波長が異なるため、走査型顕微鏡の光学系の色収差により、集光位置にずれが生じてしまう。そのため、色収差により生じるこれらの光の光路のずれを補正する必要がある。
ところが、可視光と赤外光の波長帯域、すなわち400乃至1000nmまで色収差が補正された対物レンズは高価であり、その種類も多くはない。また、対物レンズを構成するレンズの枚数が多くなり、透過率が低下してしまう場合や、色収差の補正範囲が広いために可視光専用の対物レンズよりも平坦性、つまり像面湾曲などの特性が犠牲になってしまう場合もあり得る。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、走査型顕微鏡において、所定の光源からの光で試料を光刺激しつつ、他の光源からの光で試料のイメージングを行う場合に、光源からの光の光路ずれを簡単に補正することができるようにするものである。
本発明の走査型顕微鏡は、第1の光を観察対象の試料に導く第1の照明光学系と、前記第1の照明光学系と共通の光学系を有し、前記第1の光とは異なる波長の第2の光を前記試料に導く第2の照明光学系と、前記共通の光学系を構成し、前記第1の光および前記第2の光を前記試料に集光する対物レンズと、前記第1の照明光学系を構成し、前記第1の照明光学系における前記共通の光学系とは異なる位置に配置され、前記対物レンズによる前記第1の光の集光位置を、前記対物レンズの光軸方向に移動させる第1の集光位置調整手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、走査型顕微鏡において、所定の光源からの光で試料を光刺激しつつ、他の光源からの光で試料のイメージングを行う場合に、光源からの光の光路ずれを簡単に補正することができる。
本発明を適用した観察システムの一実施の形態の構成例を示す図である。 赤外光の発散角の偏向について説明する図である。 赤外光の集光位置の変化を説明する図である。 本発明を適用した観察システムのビームエキスパンダの後群とガルバノスキャナの間の距離をそれぞれ変えた場合における、前群の移動量に対する一次像面の移動量を示す図である。 本発明を適用した観察システムのビームエキスパンダの後群とガルバノスキャナの間の距離をそれぞれ変えた場合における、前群の移動量に対するガルバノスキャナ上での光束径を示す図である。 本発明を適用した観察システムのビームエキスパンダの後群とガルバノスキャナの間の距離をそれぞれ変えた場合における、ガルバノスキャナ上での最大光束径を最小光束径で割ったときの値を示す図である。 (a)本発明を適用した観察システムのビームエキスパンダの前群の光軸が傾いている状態を示す図であり、(b)ビームエキスパンダの前群の光軸が傾いている状態のときの赤外光のふるまいを示した図である。 照明光学系の光軸に対して前群の光軸が傾いた状態、及び照明光学系の光軸と前群の光軸とが一致した状態のビームエキスパンダの前群の位置に対する走査位置のずれ(画像ずれ)量を示す図である。 本発明を適用した観察システムの他の実施の形態の構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した観察システムの一実施の形態の構成例を示す図である。この観察システムは、走査型顕微鏡11、コントローラ12、およびパーソナルコンピュータ13から構成される。
走査型顕微鏡11には、互いに異なる波長の光を射出する光源として、IRパルスレーザ21および可視レーザ22が設けられている。IRパルスレーザ21から射出された赤外光は、走査型顕微鏡11の照明光学系23を通って観察対象の試料24に照射され、可視レーザ22から射出された可視光は、照明光学系25を通って試料24に照射される。
照明光学系23は、入射光学系26、コンフォーカルヘッド27内に設けられた光学素子、第2対物レンズ28、ダイクロイックミラー29、および対物レンズ30から構成される。したがって、IRパルスレーザ21から入射光学系26に入射した赤外光は、入射光学系26において平行光とされて、コンフォーカルヘッド27内部のビームエキスパンダ31に入射する。
入射光学系26は、例えば、ビームエキスパンダや、赤外光のチルトおよびシフトによる光路ずれを補正する光学系、赤外光の光量を調節する音響光学素子などからなる。
入射光学系26からビームエキスパンダ31に入射した赤外光は、ビームエキスパンダ31を構成し、それぞれが複数のレンズからなる前群32および後群33を通って、ミラー34に入射する。そして、赤外光はミラー34において反射されて、ダイクロイックミラー35を透過し、さらにダイクロイックミラー36で反射されてダイクロイックミラー37に入射する。
ダイクロイックミラー37に入射した赤外光は、ダイクロイックミラー37を透過してガルバノスキャナ38により偏向され、ダイクロイックミラー39、瞳投影レンズ40、および第2対物レンズ28乃至対物レンズ30を通って試料24の観察面に照射される。つまり、赤外光は、ガルバノスキャナ38により試料24の観察面上で走査される。
このように、赤外光は、照明光学系23により試料24に導かれる。一方、可視レーザ22により平行光とされて、可視レーザ22から射出された可視光は、照明光学系25により試料24に導かれるが、照明光学系25は、照明光学系23と一部において共通の光学系を有する。
可視レーザ22からの可視光は、コンフォーカルヘッド27内のダイクロイックミラー35において反射され、さらにダイクロイックミラー36で反射されてダイクロイックミラー37に入射する。そして、可視光は、ダイクロイックミラー37において反射されてガルバノスキャナ41により偏向されてダイクロイックミラー39で反射され、さらに瞳投影レンズ40、および第2対物レンズ28乃至対物レンズ30を通って試料24の観察面に照射される。つまり、可視光は、ガルバノスキャナ41により試料24の観察面上で走査される。なお、図1において、矢印Z11は、対物レンズ30に入射する赤外光および可視光の一次像面の位置を示している。
試料24の観察時においては、赤外光または可視光の何れか一方が試料24の画像を得るためのイメージング(励起)用の光とされる。
例えば、IRパルスレーザ21からの赤外光が多光子励起によるイメージングに用いられる場合、可視レーザ22からの可視光は、全く利用されないか、または試料24の光刺激用の光として利用される。
この場合、IRパルスレーザ21からの赤外光が試料24に照射されると、試料24からは蛍光が発現し、この蛍光は観察光となって対物レンズ30を通ってダイクロイックミラー29に入射する。そして、観察光はダイクロイックミラー29において反射され、レンズ42およびレンズ43により集光されてディテクタ44に入射する。ディテクタ44は、入射した観察光を受光して光電変換し、その結果得られた電気信号をパーソナルコンピュータ13に供給する。パーソナルコンピュータ13は、ディテクタ44からの電気信号に基づいて、試料24の観察画像を生成し、表示する。
これに対して、可視レーザ22からの可視光が試料24のイメージングに用いられる場合、IRパルスレーザ21からの赤外光は、多光子励起による試料24の光刺激に利用される。
すなわち、赤外光により試料24の観察面が刺激された状態で、その観察面に可視光が照射されると、試料24からは蛍光が発現する。この蛍光は観察光であり、対物レンズ30、ダイクロイックミラー29、第2対物レンズ28、および瞳投影レンズ40を通ってダイクロイックミラー39に入射する。観察光は、ダイクロイックミラー39に入射すると、ダイクロイックミラー39おいて反射し、ガルバノスキャナ41によりデスキャンされて、ダイクロイックミラー37に入射する。
さらに、観察光は、ダイクロイックミラー37において反射されて、ダイクロイックミラー36を透過し、集光レンズ45により集光される。すなわち、ダイクロイックミラー36は、ダイクロイックミラー37から入射する観察光と、ダイクロイックミラー35から入射する赤外光および可視光とを分離して、観察光を集光レンズ45に入射させる。集光レンズ45により集光された観察光は、試料24と共役な位置に設けられたピンホール46を通ってディテクタ47に入射する。
ディテクタ47は、入射した観察光を受光して光電変換し、その結果得られた電気信号をパーソナルコンピュータ13に供給する。パーソナルコンピュータ13は、ディテクタ47からの電気信号に基づいて、試料24の観察画像を生成し、表示する。
なお、以下においては、可視レーザ22からの可視光が試料24のイメージングに用いられ、IRパルスレーザ21からの赤外光が試料24の光刺激に用いられるものとして、説明を続ける。
また、走査型顕微鏡11では、赤外光および可視光の光路上に配置される対物レンズ30を切り換えることができるようになされている。すなわち、走査型顕微鏡11には、複数の対物レンズ30を保持するレボルバ48が設けられている。レボルバ48は、観察者の操作に応じて回動して、保持している複数の対物レンズ30のうちの何れかを、赤外光および可視光の光路上に配置するとともに、光路上に配置された対物レンズ30を特定する特定情報をコントローラ12に供給する。例えば、特定情報は、光路上に配置された対物レンズ30が取り付けられている、レボルバ48の取り付け穴を示す情報とされる。
パーソナルコンピュータ13は、観察者の操作に応じた処理を行う。例えば、パーソナルコンピュータ13は、IRパルスレーザ21や可視レーザ22を制御して、赤外光や可視光を射出させたり、射出させる光の波長を変更させたりする。また、パーソナルコンピュータ13は、赤外光の波長を変更させると、変更後の赤外光の波長を示す波長情報をコントローラ12に供給する。
コントローラ12は、パーソナルコンピュータ13から供給された波長情報と、レボルバ48から供給された特定情報とに基づいて、ビームエキスパンダ31の前群32を、前群32の光軸方向に移動させ、赤外光の集光位置を調節する。
例えば、ビームエキスパンダ31の前群32を前群32の光軸方向に移動させると、図2に示すように、赤外光の広がりの度合いを示す発散角が変化する。なお、図2中、真ん中には前群32の移動前の赤外光の光路が示されている。また、図2中、上側および下側には、前群32が後群33に近づく方向、および前群32が後群33から遠ざかる方向に前群32を移動させたときの赤外光の光路が示されている。
前群32が移動される前、つまり前群32が予め定められた基準位置にある場合(前群32に入射した平行光の集光位置が後群33の前側の焦点距離の位置に相当する場合)、平行光とされて前群32に入射した赤外光は、前群32により集光され、後群33に入射する。そして、赤外光は、後群33により平行光とされてミラー34に入射する。このように、前群32の基準位置では、後群33により集光された赤外光が平行光となる。
また、前群32を赤外光の光路に沿って、つまり照明光学系23の光軸と平行に、前群32が後群33により近づく方向(以下、前方とも称する)に移動させると、図中、上側に示すように、前群32の焦点位置は、前方に移動する。これにより、後群33によって集光された赤外光は、広がりを持って後群33から出射することになる。つまり、後群33から射出される赤外光の発散角が変更され、その角度は大きくなる。
さらに、前群32を赤外光の光路に沿って、前群32が後群33から遠ざかる方向(以下、後方とも称する)に移動させると、図中、下側に示すように、前群32の焦点位置は、後方に移動する。これにより、後群33によって集光された赤外光は、収斂されて後群33から出射することになる。つまり、後群33から射出される赤外光の発散角が変更され、その角度は小さくなる。
なお、前群32を移動させると、後群33から射出される赤外光の発散角は変化するが、後群33の位置は変化しないので、後群33の焦点位置、すなわち後群33から、後群33の焦点距離fだけ離れた位置における赤外光のビーム径は変化しない。
このように、前群32を移動させて赤外光の発散角を変化させると、対物レンズ30に入射するときの赤外光の発散角も変化するので、図3に示すように、対物レンズ30により集光される赤外光の集光位置も変化する。
なお、図3において、実線、点線、および一点鎖線のそれぞれは、赤外光の光路を示しており、図3では、赤外光は図中、上側から対物レンズ30に入射する。また、図3において、実線、点線、および一点鎖線が交わる位置が、対物レンズ30の瞳の位置となる。
赤外光が平行光とされたまま、つまり赤外光の発散角が変更されずに対物レンズ30に入射すると、図中、実線で示されるように、赤外光は対物レンズ30により、予め定められた基準集光位置に集光する。
これに対して、赤外光が収斂された状態、つまり発散角がより小さくなった赤外光が対物レンズ30に入射すると、図中、一点鎖線で示すように、赤外光の集光位置は、基準集光位置から、より対物レンズ30に近づく方向に移動する。
また、赤外光が広がった状態、つまり発散角がより大きくなった赤外光が対物レンズ30に入射すると、図中、点線で示すように、赤外光の集光位置は、基準集光位置から、より試料24に近づく方向に移動する。
このように、ビームエキスパンダ31により赤外光の発散角を変化させると、対物レンズ30により集光される赤外光の集光位置は、対物レンズ30の光軸、つまり照明光学系23の光軸と平行な方向に移動する。これにより、赤外光の集光位置が所望の位置となるように調整して、色収差により生じる赤外光の光路ずれを簡単に補正することができる。
しかも、ビームエキスパンダ31は、可視光の光路上には配置されていないため、赤外光の集光位置だけを独立して調整することが可能となる。つまり、ビームエキスパンダ31の前群32を移動させても、可視光の集光位置は変化しない。
ところで、赤外光の集光位置は、赤外光の波長により定まる照明光学系23の色収差、特に対物レンズ30における色収差と、赤外光の波長を変更することにより生じる赤外光のIRパルスレーザ21からの出射位置のずれとにより定まる。
したがって、照明光学系23上に配置された対物レンズ30と、IRパルスレーザ21から射出させる赤外光の波長とが特定されれば、赤外光を試料24の観察面(可視光の集光位置)に集光させるために、前群32をどれだけ移動させればよいかを予め求めておくことができる。
そこで、コントローラ12には、照明光学系23上に配置された対物レンズ30、および赤外光の波長から、前群32を移動させるべき移動量を得ることのできる変換テーブルが予め記録されている。コントローラ12は、記録している変換テーブルを用いて、レボルバ48から供給された特定情報と、パーソナルコンピュータ13からの波長情報とから、前群32の移動量を得て、その移動量だけ前群32を移動させる。
これにより、簡単に赤外光の集光位置を調整し、赤外光の集光位置と、可視光の集光位置とを一致させることができ、光刺激された試料24の観察面を確実に観察できるようにすることができる。つまり、IRパルスレーザ21からの赤外光の光路のずれを、簡単かつ適切に補正することができる。
ここで、ビームエキスパンダ31による赤外光の集光位置の調節量を見積もってみる。
赤外光により光刺激されている試料24の部位に可視光を照射して、蛍光を発現させるには、可視光と赤外光の集光位置のずれの大きさが、赤外光のセクショニング厚を超えないようにする必要がある。
例えば、赤外光の集光位置近傍における、対物レンズ30の光軸方向への赤外光の分布において、赤外光の集光位置、つまり分布のピークから最も近い極小位置を第1暗環と呼ぶこととする。なお、赤外光の分布のピークとは、分布において、赤外光の光量が最も多い位置である。
この場合、赤外光の集光位置(ピーク)を基準として可視光の集光位置(可視光の分布のピーク)が、第1暗環の位置よりも遠くなると、赤外光により光刺激されている試料24の部位を観察することができなくなる。つまり、赤外光の集光位置から可視光の集光位置までの距離が、赤外光の集光位置から第1暗環までの距離Zよりも大きくなると、観察している部位が光刺激されなくなってしまう。
したがって、可視光の集光位置が、第1暗環よりも遠い位置となった場合に、赤外光および可視光の集光位置を一致させて、試料24を観察できるようにするには、赤外光の集光位置を、少なくとも距離Z以上、対物レンズ30の光軸方向に移動させる必要がある。
この距離Zは、赤外光の波長をλ、対物レンズ30の開口数をNAとすると、次式(1)により求まる。
Z〜(2λ)/(NA2) ・・・(1)
例えば、波長λが700μmであるとし、対物レンズ30のNAが0.9であるとすると、距離Zは、約1.7(≒2×700/0.92)μmとなる。また、対物レンズ30の倍率が20倍であるとすると、赤外光(対物レンズ30)の一次像面では、一次像面の照明光学系23の光軸方向への位置の移動距離は0.7(≒1.7×202)mmとなる。したがって、赤外光および可視光の集光位置を一致させて、試料24を観察できるようにするには、前群32の移動可能距離として、少なくとも後群33からの赤外光の発散角が、赤外光の一次像面を光軸方向に0.7mmずらすことのできる角度となる距離以上の距離が必要となる。
なお、式(1)は、2光子励起時ではなく、単一光子の強度分布の式であるが、2光子励起の場合は、式(1)より15%ほど分布が大きくなるので、式(1)を満たすほどの補正力があれば、2光子励起の場合でも充分である(Confocal and Two-photon MicroscopyEdited by Alberto DiasproP.110参照)。
また、試料24における任意の部位を観察面として、観察を行うことができるようにするためには、赤外光の集光位置を、対物レンズ30の焦点深度より微小なステップ(調整幅)で、調整できる必要がある。
対物レンズ30の焦点深度は、赤外光の集光位置から第1暗環までの4分の1の距離DOFとなり、距離DOFは、赤外光の波長をλ、対物レンズ30の開口数をNAとすると、次式(2)により求まる。
DOF〜λ/(2×NA2) ・・・(2)
例えば、波長λが700μmであるとし、対物レンズ30のNAが0.9であるとすると、距離DOFは、約0.4(≒700/(2×0.92))μmとなる。また、対物レンズ30の倍率が20倍であるとすると、赤外光(対物レンズ30)の一次像面では、一次像面の照明光学系23の光軸方向への位置の移動距離は0.2(≒0.4×202)mmとなる。したがって、試料24の所望の部位を観察面として確実に観察を行うには、前群32を、少なくとも後群33からの赤外光の発散角が、赤外光の一次像面を光軸方向に0.2mmずらすことのできる角度となる距離以下の距離ずつ、移動させる必要がある。
なお、以上においては、ビームエキスパンダ31により赤外光の発散角を変更して、赤外光の集光位置を調整すると説明した。走査型顕微鏡11では、前群32へ入射する平行光のビーム径が一定にもかかわらず、赤外光の発散角の変化により、赤外光のビーム径が変化して、対物レンズ30の瞳を満たすように赤外光を対物レンズ30に入射させることができなくなると、多光子励起の確立が低下してしまう。すると、パーソナルコンピュータ13において得られる試料24の画像が暗くなってしまう。
そこで、走査型顕微鏡11では、試料24の画像が暗くなってしまうことを防止するために、ガルバノスキャナ38が、対物レンズ30の瞳と共役な位置であり、かつビームエキスパンダ31の後群33の後側の略焦点位置に配置される。
ビームエキスパンダ31では、後群33は固定されたままであるので、後群33の焦点位置は変化しない。また、後群33の焦点位置では赤外光のビーム径は、前群32へ入射する平行光のビーム径が変化しなければ、赤外光の発散角によらず常に同じ大きさとなるので、常に同じビーム径の赤外光を対物レンズ30の瞳に入射させることができる。したがって、走査型顕微鏡11によれば、赤外光の発散角を変更させて赤外光の集光位置を調整しても、多光子励起の確率が低下してしまうことを防止することができ、常に明るい試料24の画像を得ることができる。
ここで具体的に後群33の焦点位置にガルバノスキャナ38を配置するのにどれくらいのずれ量が許容されるか見積もってみる。
図4は、ビームエキスパンダ31の後群33とガルバノスキャナ38の間の距離をそれぞれ変えた(0mm、100mm、200mm、300mm、400mm、500mm)場合における、前群32の移動量に対する一次像面Z11の移動量を示す図である。横軸が前群32の移動量、縦軸が一次像面Z11の移動量である。
ここで、前群32の焦点距離が25mm、後群33の焦点距離が100mm、後群33とガルバノスキャナ38との距離が100mm、瞳投影レンズ40の焦点距離が60mmであり、前群32が予め定められた基準位置にある時(0)の一次像面Z11の位置が基準(0)であるとしている。もっとも、前群32が予め定められた基準位置にある時は、後群33とガルバノスキャナ38との間の距離が100mm以外の0mm、200mm、300mm、400mm、500mmであっても一次像面Z11は基準(0)に形成される。
なお、横軸の正負(±)の方向は、図2に示すように、前群32が基準位置から後方(右方向)に移動する方向を正(+)とし、前群32が基準位置から前方(左方向)に移動する方向を負(−)とする。
また、縦軸の正負(±)の方向は、一次像面Z11がその基準位置から対物レンズ30により近づく方向を正(+)とし、一次像面Z11がその基準位置からガルバノスキャナ38により近づく方向を負(−)とする。
図中のそれぞれの線は後群33とガルバノスキャナ38との距離を変えた場合の違いである。0mmは菱形プロット、100mmは四角プロット、200mmは三角プロット、300mmはバツプロット、400mmはアスタリスクプロット、500mmは丸プロットとなっている。図4から後群33とガルバノスキャナ38の間の距離に依存して、前群32の移動量に対する一次像面Z11の移動量が異なる(一次像面Z11を移動させる効果が異なる)ことが分かる。
傾きが大きいほど補正量が大きいので前群32の移動量を必要以上に取らなくても良いので、小型化が期待できる。しかし、後群33とガルバノスキャナ38の間の距離が500mmのグラフをみると前群32の移動量が大きくなると、急激に一次像面が動くことがわかる。この現象により、少しの移動量で一次像面Z11を急激に変えることが出来るが、変化がリニアでない分、制御が難しく、移動量の算出、再現性を出しにくくなってしまう。これらのことから、後群33とガルバノスキャナ38の間の距離は300mm以下が好ましい。
また、図4では後群33とガルバノスキャナ38の間の距離が500mmのグラフ中に前群32の移動量が+25mmの値(プロット)が存在しないが、一次像面Z11が瞳投影レンズ40に入ってしまったため、今回の議論からは除いてある。
図5はビームエキスパンダ31の後群33とガルバノスキャナ38の間の距離をそれぞれ変えた場合における、前群32の移動量に対するガルバノスキャナ38上での光束径を示す図である。横軸が前群32の移動量、縦軸がガルバノスキャナ38上での光束径である。
なお、ガルバノスキャナ38が後群33の焦点位置にある場合(100mm)の光束径を1として規格化してある。横軸が前群32の移動距離、縦軸はガルバノスキャナ38上での規格化された光束径である。なお、横軸の正負(±)の方向は、図4と同様である。
ガルバノスキャナ38上での光束径は、対物レンズに入射する光束径に比例する。従って、ガルバノスキャナ38上での光束径が小さい場合は、対物レンズに入射する光束径も小さくなるので、対物レンズの瞳を光束で満たせなくなり、対物のNAを十分に生かすことができない可能性がある。
一方、光束径が大きい場合は、対物レンズに入射する光束径も大きくなり、対物レンズの瞳より光束が大きいときは、光が無駄になってしまう。通常、対物レンズの瞳を光束で満たさなければ、対物レンズのNAが十分に確保されないため、光束径が最小の場合でも、瞳を満たすように設計する。よって光束径の最小値が対物レンズの瞳径であると仮定すると、最大の光束径が対物レンズに入射した時にどれだけ光束が無駄になるかを見積もることが出来る。
図6は、図5に示すビームエキスパンダ31の後群33とガルバノスキャナ38の間の距離をそれぞれ変えた(0mm、100mm、200mm、300mm、400mm、500mm)場合における、ガルバノスキャナ38上での最大光束径を最小光束径で割ったときの値である。この比が1に近いほど、最大光束が対物レンズに入射したときの無駄が少ない。
光束は面積なので、光束径の2乗で検討する必要がある。どのくらいの光量落ちまで許せるかはレーザの強さにもよるが、(最大光束径/最小光束径)2の値が1桁程度までならレーザーパワーは十分であり、問題ない。よって、後群33とガルバノスキャナ38の間の距離は300mm以下が好ましい。
以上の理由から、後群33とガルバノスキャナ38の位置(距離)は近い方がよく、後群33の焦点距離をfとし、後群33とガルバノスキャナ38の位置(距離)をdとすると、d < 3fとするのが良い。
今回この計算は前述した通り、前群32の焦点距離が25mm、後群33の焦点距離が100mm、後群33とガルバノスキャナ38との距離が100mm、瞳投影レンズ40の焦点距離が60mmであるとした時を想定しているが、後群33の焦点距離と瞳投影レンズ40の焦点距離を変えると倍率関係が変わるので、図4、図5のグラフの数値は変わってくる。しかし、比例関係なため、縦軸のスケールが変わるだけで、大まかな形は変わらない。また、前群32の焦点距離が変わった場合はガルバノスキャナ38上での光束径が変化する。しかし、今回の計算では図5は規格化しているので変わらない。これらから d < 3f の関係は一般的に成り立つといえる。
また、図7(a)および図7(b)に示すように、ビームエキスパンダ31の前群32は、高精度なリニアガイド51に設置され、精度良く直線駆動されるが、製造誤差およびリニアガイド51の組み付け不備により図7(a)に示すように、照明光学系23の光軸に対して前群32の光軸が傾いた状態(傾き角θ)となる場合がある。
その場合、図7(b)に示すように前群32によって集光した赤外光の後群33からの出射光は、照明光学系23の光軸に対して所定の傾き角で出射し、そのためガルバノスキャナ38への入射位置がずれ、ひいては試料24の観察面上で走査位置ずれ(画像ずれ)が生じる。走査位置ずれがあると、赤外光による刺激位置が所望の位置からずれてしまい、適切な刺激ができない。
図8は、照明光学系23の光軸に対して前群32の光軸が傾いた状態、および照明光学系23の光軸と前群32の光軸とが一致した状態のビームエキスパンダ31の前群32の位置に対する走査位置のずれ(画像ずれ)量を示す図である。
前群32を前方に移動させる方向を正(+)、前群32を後方に移動させる方向を負(−)とする。基準となる走査位置に対して右又は上方向を正(+)、左側又は下方向を負(−)とする。
照明光学系23の光軸に対して前群32の光軸が傾いた状態の場合、前群32の前方又は後方の移動に伴って走査位置ずれ量は変化する。但し、前群32が基準位置に位置するときは、ずれ量は略ゼロとなる。
そのため、予め(工場出荷時等)同一サンプルを用いて、可視光励起による蛍光画像とビームエキスパンダ31の前群32の所定の位置ごとに取得した赤外光励起(多光子励起)画像群とを比較して、可視光励起による蛍光画像を基準にした走査位置ずれ量(画像ずれ量)が測定される。
リニアガイド51の移動精度は高く、傾き角の誤差は可動範囲において概ね一定である。可動範囲のずれ量は、可動範囲内の数点の画像ずれ量を測定すれば、測定した数点の値を数次の曲線で補完して求めることができる。
算出されたずれ量からガルバノスキャナ38の基準位置(角度)に対するオフセット値(角度)が算出され、前群32の移動方向、移動量に対するガルバノスキャナ38のオフセット量がテーブル化されてパーソナルコンピュータ13のメモリに格納される。
ここで、ガルバノスキャナ38の基準位置(角度)とは、可視光で試料24の観察面上を走査するときの各走査位置におけるガルバノスキャナ38の位置(角度)をいう。
検出したビームエキスパンダ31の前群32の移動方向、移動量に対応させてガルバノスキャナ38のオフセット量が読み出され、そのオフセット量に基づいて、図示せぬ制御部によりガルバノスキャナ38が制御される。
なお、ダイクロイックミラー37において、IRパルスレーザ21からの赤外光が反射される場合には、赤外光の走査には、ガルバノスキャナ41が用いられる。そのような場合には、ガルバノスキャナ38の場合と同様に、ガルバノスキャナ41の基準位置に対するオフセット量のテーブルがパーソナルコンピュータ13に記録される。そして、そのテーブルからオフセット量が読み出されて、ガルバノスキャナ41の制御が行われる。
また、図1に示すような観察システムの変形例として、ダイクロイックミラー29、レンズ42、レンズ43、ディテクタ44を配置しない例がある。
IRパルスレーザ21からの赤外光が多光子励起によるイメージングに用いられ、IRパルスレーザ21からの赤外光が試料24に照射されると、試料24からは蛍光が発現し、この蛍光は観察光となって対物レンズ30、第2対物レンズ28、および瞳投影レンズ40を通ってダイクロイックミラー39に入射する。観察光は、ダイクロイックミラー39に入射すると、ダイクロイックミラー39おいて反射し、ガルバノスキャナ41によりデスキャンされて、ダイクロイックミラー37に入射する。
さらに、観察光は、ダイクロイックミラー37において反射されて、ダイクロイックミラー36を透過し、集光レンズ45により集光される。すなわち、ダイクロイックミラー36は、ダイクロイックミラー37から入射する観察光と、ダイクロイックミラー35から入射する赤外光および可視光とを分離して、観察光を集光レンズ45に入射させる。
集光レンズ45により集光された観察光は、試料24と共役な位置に設けられたピンホール46を通ってディテクタ47に入射する。ディテクタ47は、入射した観察光を受光して光電変換し、その結果得られた電気信号をパーソナルコンピュータ13に供給する。パーソナルコンピュータ13は、ディテクタ47からの電気信号に基づいて、試料24の観察画像を生成し、表示する。
前述したように、照明光学系23の光軸に対して前群32の光軸が傾いた状態の場合、試料24の観察面上で走査位置が基準位置よりずれるので、ガルバノスキャナ38の基準位置(角度)から所定のオフセット量分補正しているが、試料24から発生した蛍光がデスキャンされたとしても、ピンホール46に蛍光が適切に到達しないという現象が生じる。
それは、可視光をガルバノスキャナ38を介して試料24に照射し、試料24から発生した蛍光を、再びガルバノスキャナ38を介してデスキャンしたときにピンホール46に蛍光が適切に到達するように、ピンホール46の位置を決定し、前述したように、そのときのガルバノスキャナ38の位置(角度)を基準位置(角度)と仮定したものだからである。
そのため、蛍光がピンホール46に適切に到達するように、集光レンズ45の位置調整が行われる。蛍光の集光レンズ45による集光位置とピンホール46とのずれ量は、可動範囲内の数点のずれ量を測定すれば、測定した数点の値を数次の曲線で補完して求めることができる。
算出されたずれ量から集光レンズ45の調整量(x方向の移動量、y方向の移動量)が算出され、前群32の移動方向、移動量に対する集光レンズ45の調整量がテーブル化されてパーソナルコンピュータ13のメモリに格納される。
検出したビームエキスパンダ31の前群32の移動方向、移動量に対応させて集光レンズ45の調整量が読み出され、その調整量に基づいて、図示せぬ制御部により集光レンズ45が制御される。
なお、集光レンズ45は不図示のx方向駆動ステージ上に配置され、x方向駆動ステージは、y方向駆動ステージ上に配置され、x方向駆動ステージ及びy方向駆動ステージをそれぞれ駆動することにより、集光レンズ45の位置が制御される。
また、以上においては、赤外光の集光位置を調整すると説明したが、図9に示すように、照明光学系25に、ビームエキスパンダ31と同様の構成のビームエキスパンダ61を配置して、可視光の集光位置も調整できるようにしてもよい。なお、図9において、図1における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜、省略する。
図9の走査型顕微鏡11には、図1の走査型顕微鏡11に、さらにビームエキスパンダ61が設けられている。ビームエキスパンダ61は、照明光学系25上における、照明光学系23の含まれない位置、具体的には、コンフォーカルヘッド27内における、可視レーザ22とダイクロイックミラー35との間に配置されている。
ビームエキスパンダ61は、複数のレンズからなる前群62と、複数のレンズからなる後群63とから構成され、可視レーザ22から射出された可視光は、前群62および後群63を通って、ダイクロイックミラー35に入射する。
また、コントローラ12は、ビームエキスパンダ31における場合と同様に、ビームエキスパンダ61の変換テーブルを記録しており、変換テーブルを用いて前群62を、照明光学系25の光軸方向に移動させ、可視光の集光位置を変化させる。
すなわち、パーソナルコンピュータ13は、可視レーザ22を制御して可視光の波長を変化させると、コントローラ12に変更後の可視光の波長を示す波長情報を供給する。コントローラ12は、パーソナルコンピュータ13から供給された可視光の波長情報と、レボルバ48から供給された特定情報とに基づいて、変換テーブルから前群62の移動量を得て、その移動量だけ前群62を移動させる。これにより、可視光の発散角を偏向させて、試料24における可視光の集光位置を、対物レンズ30の光軸方向の任意の位置に移動させることができ、可視光の光路ずれを簡単に補正することができる。
このように、図9の走査型顕微鏡11によれば、赤外光の集光位置と、可視光の集光位置とをそれぞれ独立に調整することができる。
また、後群63は、後群33と同様に、ガルバノスキャナ38から、後群63の後側の焦点距離だけ離れた位置に配置されている。これにより、可視光の発散角を変化させて可視光の集光位置を調整しても、対物レンズ30の瞳を満たすように可視光を対物レンズ30に入射させることができ、常に明るい試料24の画像を得ることができる。
なお、以上においては、前群32および前群62を移動させて赤外光および可視光の発散角を変化させると説明したが、前群32および前群62を固定し、後群33および後群63を移動させて、赤外光および可視光の発散角を変化させるようにしてもよい。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
11 走査型顕微鏡, 12 コントローラ, 13 パーソナルコンピュータ, 21 IRパルスレーザ, 22 可視レーザ, 23 照明光学系, 24 試料, 25 照明光学系, 30 対物レンズ, 31 ビームエキスパンダ, 32 前群, 33 後群, 38 ガルバノスキャナ, 46 ピンホール, 47 ディテクタ, 51 リニアガイド, 61 ビームエキスパンダ, 62 前群, 63 後群

Claims (12)

  1. 第1の光を観察対象の試料に導く第1の照明光学系と、
    前記第1の照明光学系と共通の光学系を有し、前記第1の光とは異なる波長の第2の光を前記試料に導く第2の照明光学系と、
    前記共通の光学系を構成し、前記第1の光および前記第2の光を前記試料に集光する対物レンズと、
    前記第1の照明光学系を構成し、前記第1の照明光学系における前記共通の光学系とは異なる位置に配置され、前記対物レンズによる前記第1の光の集光位置を、前記対物レンズの光軸方向に移動させる第1の集光位置調整手段と
    を備えることを特徴とする走査型顕微鏡。
  2. 前記第1の集光位置調整手段は、複数のレンズからなり、前記レンズを移動させて前記第1の光の発散角を変化させることにより、前記第1の光の集光位置を移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査型顕微鏡。
  3. 前記第1の光および前記第2の光の光路上に配置された前記対物レンズを示す情報と、前記第1の光の波長を示す情報とに基づいて前記レンズを移動させ、前記第1の光の発散角を変化させる制御手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の走査型顕微鏡。
  4. 前記第1の集光位置調整手段は、少なくとも、前記第1の光の集光位置近傍における、前記第1の光の前記光軸方向の分布のピークから、前記ピークに最も近い前記分布の極小位置までの距離以上、前記第1の光の集光位置を移動可能とされている
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の走査型顕微鏡。
  5. 前記第1の集光位置調整手段は、前記対物レンズの焦点深度より小さい調整幅で、前記第1の光の集光位置を移動させることができるように前記レンズを移動させる
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の走査型顕微鏡。
  6. 前記第1の照明光学系を構成し、前記第1の光を前記試料の観察面上で走査させるスキャナをさらに備え、
    前記スキャナは、前記第1の集光位置調整手段を構成する所定レンズの略焦点距離の位置に配置され、かつ前記対物レンズの瞳と共役な位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の走査型顕微鏡。
  7. 前記第1の照明光学系を構成し、前記第1の光を前記試料の観察面上で走査させるスキャナをさらに備え、
    前記スキャナと前記第1の集光位置調整手段を構成する所定レンズの距離をdとし、前記所定レンズの焦点距離の絶対値をfとするとき、
    前記スキャナは、
    d<3f
    の条件を満たす位置に配置され、かつ前記対物レンズの瞳と共役な位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の走査型顕微鏡。
  8. 前記第1の集光位置調整手段の前記レンズの移動に伴って生じる、前記試料の観察面上の前記スキャナによる走査位置ずれを、予め記憶手段に記憶した補正値に基づいて補正するように前記スキャナを制御するスキャナ制御手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の走査型顕微鏡。
  9. 前記共通の光学系を構成し、前記試料から前記対物レンズに入射した観察光と、前記第1の光および前記第2の光とを分離する分離手段と、
    前記分離手段により分離された前記観察光を受光する受光手段と、
    前記分離手段と前記受光手段との間の前記試料と共役な位置に配置されたピンホールと
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の走査型顕微鏡。
  10. 前記第1の集光位置調整手段の前記レンズの移動に伴って生じる、前記ピンホールに対する前記観察光の集光位置ずれを、予め記憶手段に記憶した補正値に基づいて補正するように前記観察光を集光する集光レンズを制御する集光レンズ制御手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項8に記載の走査型顕微鏡。
  11. 前記第1の照明光学系を構成し、前記第1の光を前記試料の観察面上で走査させるスキャナと、
    前記共通の光学系を構成し、前記試料から前記対物レンズに入射した観察光と、前記第1の光および前記第2の光とを分離する分離手段と、
    前記分離手段により分離された前記観察光を受光する受光手段と
    をさらに備え、
    前記分離手段は、前記スキャナと前記対物レンズとの間に位置する
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の走査型顕微鏡。
  12. 前記第2の照明光学系を構成し、前記第2の照明光学系における前記共通の光学系とは異なる位置に配置され、前記対物レンズによる前記第2の光の集光位置を、前記光軸方向に移動させる第2の集光位置調整手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至7、9、または11の何れか一項に記載の走査型顕微鏡。
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