JP2010261462A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機停止時における油の逆流を回避することができる密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機構部4は、密閉容器3の内部におけるガス貯留空間14の下方の位置に配置されている。給油通路11は、油溜め部32からガス貯留空間14および圧縮空間24の圧縮機構部4の摺動部分へ油を給油する。しかも、給油通路11は、ガス貯留空間14と吸入室24に対してピストンの裏側の第2空間26との間を連通する。弁41は、給油通路11の油溜め部32側の開口である流入口11aに配置される。弁41は、圧縮機構部4の回転軸6が回転するときに発生する遠心力を受けるときに開き、遠心力を受けないときに閉まることにより流入口11aを開閉する。弁41は、開いている場合に、油溜め部32と給油通路11との間を連通し、閉じている場合に、油溜め部32と給油通路11との間を連通しない。
【選択図】図2

Description

本発明は、密閉型圧縮機に関する。
従来より、冷媒ガス等の圧縮媒体を圧縮するために、密閉容器内部に圧縮機構およびそれを駆動する駆動モータ等を収納された密閉型圧縮機が種々用いられている。密閉型圧縮機は、例えば、密閉型圧縮機としては、圧縮機構が、シリンダと、その内部で回転するローラと、ローラ外周に摺動可能に接触するブレードとによって構成されたロータリー圧縮機がある。
特許文献1記載のロータリー圧縮機では、密閉容器下部に油溜め部が形成されている。圧縮機運転時には、油溜め部の潤滑油は、クランク軸内部に形成された給油通路を通り、圧縮機構内部およびクランク軸の軸受部に供給される。給油通路は、圧縮機構上部の圧縮後の冷媒ガスが一時的に貯留されるガス貯留空間と圧縮機構内部の圧縮空間との間を連通している。
また、このロータリー圧縮機では、給油に悪影響を与える発泡冷媒ガスを排出するための孔が主軸受の弾性軸受溝に設けられている。また、ローラ外周・ブレード先端間の損傷を回避するために、該孔には絞りが設けられている。
すなわち、特許文献1(特開平6−074176号公報)記載の構造では、給油通路とは別の第2経路である該孔が、軸受端板を貫通しており、または、ガス貯留空間に対して吐出マフラ出口を介して開口している。
しかし、特許文献1に記載されているロータリー圧縮機のように、密閉容器内部において圧縮機下部に圧縮機構および油溜め部が設けられている密閉型圧縮機では、圧縮機の停止時に給油通路を介して油が圧縮機の吸込み側へ逆流し、圧縮機の起動時には逆流した油を圧縮機構の内部に吸い込むことによって圧縮室内で油圧縮を起こすおそれがある。このような油圧縮が起きれば、吐出弁割れ、軸損傷、または芯ずれなどの損傷を起こすおそれがある。さらに、起動時には、圧縮機構内部での油切れによる軸受損傷のおそれがあり、とくにインバータ圧縮機に生じやすい。
しかも、特許文献1記載の圧縮機では、油溜め部における油面が上昇する場合にも、圧縮機構内部に油を吸い上げて油圧縮を起こすおそれがある。
さらに、二酸化炭素のような超高圧の冷媒ガスの場合には、圧縮機停止時における圧縮後の冷媒ガスが存在する高圧空間と圧縮室内部との差圧が高いため、上述の吐出弁割れ等の損傷の症状が生じやすくなる。
また、二酸化炭素のような超高圧の冷媒ガスを用いる場合には、軸受耐力を向上するために高粘度の油が使用されている。このため、逆流した油を圧縮室内で圧縮する油圧縮時の圧力が高くなるので、吐出弁等の損傷に至る可能性が高くなる。
一方、逆流した油の圧縮を回避するために、圧縮機の吐出側に逆止弁を設けることが考えられるが、通常運転時に吐出圧損を伴い性能が低下するという問題が生じたり、逆止弁を設けることで製造コストが上がる等の問題がある。
本発明の課題は、圧縮機停止時における油の逆流を確実に回避することができる密閉型圧縮機を提供することにある。
第1発明の密閉型圧縮機は、密閉容器と、圧縮機構部と、油溜め部と、給油通路と、弁とを備えている。密閉容器は、密閉空間を有する。密閉容器は、ガス貯留空間を有する。ガス貯留空間は、密閉空間の上部に圧縮後のガス媒体が一時的に貯留される高圧の空間である。圧縮機構部は、密閉容器の内部におけるガス貯留空間の下方の位置に配置されている。圧縮機構部は、内部において、第1空間である吸入室と、第2空間とを有する。第2空間は、吸入室からピストンのシール面で吸入室と仕切られる。しかも、第2空間は、吸入室に対してピストンの裏側の空間である。圧縮機構部は、ガス媒体を吸入室で圧縮してガス貯留空間へ排出する。油溜め部は、密閉容器の内部において圧縮機構部の下方の位置に配置される。油溜め部は、圧縮機構部の潤滑に用いられる油を貯留する。給油通路は、油溜め部からガス貯留空間および第2空間の圧縮機構部の摺動部分へ油を給油する。しかも、給油通路は、ガス貯留空間と第2空間との間を連通する。弁は、給油通路の油溜め部側の開口である流入口に配置されている。弁は、圧縮機構部の回転軸が回転するときに発生する遠心力を受けるときに開き、遠心力を受けないときに閉まることにより流入口を開閉する。弁は、開いている場合に、油溜め部と給油通路との間を連通する。弁は、閉じている場合に、油溜め部と給油通路との間を連通しない。
ここでは、油溜め部32と圧縮機構部4が共に高圧又は中間圧空間の下部に設けられた圧縮機において、給油通路の流入口付近には遠心力によって開閉する開閉弁1が設けられている。これにより、遠心力を利用した弁を用いることで、簡単な構造で油逆流を確実に回避することができる。
第2発明の密閉型圧縮機は、第1発明の密閉型圧縮機であって、二酸化炭素をガス媒体として使用する。
ここでは、ガス媒体として一般的に用いられている他の冷媒よりも高圧の二酸化炭素冷媒を使用しているが、高圧の二酸化炭素冷媒と相性のよい高粘度の油を使用しても、第2経路によって、油の逆流を防止できるので、吐出弁等の損傷を回避することができる。
第1発明によれば、遠心力を利用した弁を用いることで、簡単な構造で油逆流を確実に回避することができる。
第2発明によれば、高圧の二酸化炭素冷媒と相性のよい高粘度の油を使用しても、第2経路によって、油の逆流を防止できるので、吐出弁等の損傷を回避することができる。
本発明の第1実施形態に係わる密閉型圧縮機の構成図。 図1の給油通路および第2経路の周辺部の拡大縦断面図。 図1の圧縮機構部の水平断面図。 本発明の第2実施形態に係わる密閉型圧縮機の給油通路および開閉弁の周辺部の拡大縦断面図。 本発明の第3実施形態に係わる密閉型圧縮機の給油通路および開閉弁の周辺部の拡大縦断面図。
つぎに本発明の密閉型圧縮機の実施形態を図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
<密閉型圧縮機1の構成>
図1〜3に示されるスイング式の密閉型圧縮機1は、ケーシング2と、モータ3と、圧縮機構部4と、シャフト6と、油溜め部32と、給油通路11と、第2経路12(図2参照)とを備えている。
モータ3、圧縮機構部4およびシャフト6は、ケーシング2の内部に収納されている。圧縮機構部4は、単シリンダのスイング圧縮機であり、後述する揺動ピストン21、ブレード22、ブッシュ23、およびシリンダ27aを有している。
ケーシング2は、密閉容器であり、筒状部2aと、筒状部2aの上下の開口端を閉じる一対の鏡板2b、2cとを有している。ケーシング2の筒状部2aは、モータ3のモータステータ8およびモータロータ9を収納している。また、ケーシング2は、圧縮機構部4の下部に油Aを貯める油溜め部32を有する。油Aは、圧縮機構部4等の潤滑に用いられ、CO2冷媒とともにケーシング2の内部に充填される。CO2冷媒が充填されたケーシング2の内圧は、高圧(12MPa程度)になっている。
ケーシング2は、その内部の密閉空間の上部に圧縮後のCO2冷媒が一時的に貯留されるガス貯留空間14を有する。ガス貯留空間14は、モータ3の上側の部分14aと下側の部分14bとを有している。部分14aと部分14bとは、モータ3の内外の隙間を通して連通している。ガス貯留空間14は、吐出管29に連通している。
ガス貯留空間14の下方の位置には、圧縮機構部4が配置されている。さらに圧縮機構部4の下方の位置には、油溜め部32が配置されている。
モータ3は、環状のモータステータ8と、モータステータ8の内部空間8aに回転自在に配置されたモータロータ9とを有している。モータロータ9は、シャフト6に連結され、シャフト6とともに回転することが可能である。モータステータ8は、筒状部2aの貫通孔2d内部におけるスポット溶接等の複数の点接合部7によって筒状部2aに固定されている。
<圧縮機構部4の構成>
圧縮機構部4は、図1および図3に示されるように、揺動ピストン21と、揺動ピストン21に一体に連結されたブレード22と、ブレード22を揺動可能に支持するブッシュ23と、シリンダ27aと、シリンダ27aの両端に位置するフロントヘッド27bおよびリアヘッド27cとを有している。フロントヘッド27bおよびリアヘッド27cは、シャフト6を支持する軸受である。シリンダ27aは、揺動ピストン21を収納する吸入室24、ブッシュ23が回転自在に挿入されたブッシュ孔25を有する。ここで、吸入室24は、その内部でCO2冷媒を圧縮する空間であり、本発明の第1空間に相当する。また、圧縮機構部4は、吸入室24から揺動ピストン21のシール面21aで吸入室24と仕切られ、かつ、吸入室24に対して揺動ピストン21の裏側の第2空間26を有している。
揺動ピストン21は、モータ3の回転駆動力を受けてシャフト6の偏心部6aが偏心して回転することによって、シリンダ27aの内部で揺動し、これによって、吸入管28から吸入されたCO2冷媒を吸入室24内部で圧縮する。圧縮されたCO2冷媒は、圧縮機構部4上部のガス貯留空間14を通ってケーシング2の内部を上昇し、吐出管29から吐出される。
フロントヘッド27bは、マウンティングプレート30にネジ止めされている。マウンティングプレート30は、スポット溶接等のマウンティングプレート接合部31によってケーシング2の筒状部2aに固定されている。
<給油通路11および第2経路12の構成>
給油通路11は、図2に示されるように、シャフト6を貫通して形成されている。給油通路11は、油溜め部32からガス貯留空間14および第2空間26へそれぞれ油Aを給油する通路であり、圧縮機運転中にガス貯留空間14および第2空間26における圧縮機構部4の摺動部分への給油を可能にしている。給油通路11は、油溜め部32側に開口している油Aが流入する入口11aと、シャフト6の半径方向に延び、フロントヘッド27bより上方のガス貯留空間14に開口する上部出口11bとを有している。さらに、シャフト6の偏心部6aの上側、下側および中央には、それぞれ、シャフト6の半径方向に延びるように、給油通路11の内部出口11c、11d、11eが形成されている。また、給油通路11は、上部出口11bおよび内部出口11c、11d、11eを介して、ガス貯留空間14と第2空間26との間が連通されている。
なお図示されていないが、シャフト6の下端の給油通路11の入口付近には、回転ポンプまたは遠心ポンプなどが設けられているので、シャフト6内部の給油通路11を通して、油溜め部32から油を吸い上げて圧縮機構部4の摺動部分等への給油することが可能である。
また、給油通路11は、部分的に流路が狭くなった少なくとも1つの狭路13を有している。狭路13は、シャフト6の偏心部6aの外周面と揺動ピストン21の内周面とが面接触している区間の隙間であり、偏心部6aの中央部に形成された内部出口11e周辺に形成されている。この給油通路11は、狭路13を介してガス貯留空間14と第2空間26との間を連通している。
第2経路12は、給油通路11とは異なる経路であり、ガス貯留空間14から第2空間26へのCO2冷媒の流通が可能である。第2経路12は、CO2冷媒が第2経路12を流れるときの通路抵抗は、給油通路11を流れるときの通路抵抗よりも小さくなるように形成されている。例えば、第2経路12は、給油通路11よりも、流路径を大きくしたり、通路長を短くしたり、または通路の直線部分を多くすることによって、通路抵抗を小さくなるように形成されている。
第2経路12は、図2に示されるように、圧縮機構部4のシャフト6を支持する上側の軸受端板であるフロントヘッド27bに貫通して形成されている。第2経路12は、ガス貯留空間14と第2空間26との間を連通している。第2経路12は、フロントヘッド27bおよびリアヘッド27cにおける軸受隙間や摺動シール部の隙間部(例えば、これらヘッド27b、27cとシャフト6との隙間等)などの狭路を介さずに、フロントヘッド27bを貫通している。
したがって、圧縮機停止時には、給油通路11を介さずに通路抵抗の小さい第2経路12を通してCO2冷媒を逆流させて高圧側のガス貯留空間14と第2空間26との間の圧力を均圧するので、油Aの逆流を確実に回避することが可能である。
<第1実施形態の特徴>
(1)
第1実施形態では、油溜め部32からガス貯留空間14および圧縮機構部4における吸入室24に対して揺動ピストン21の裏側の第2空間26へ、油Aを給油する給油通路11とは別に、ガス貯留空間14から第2空間26へのCO2冷媒の流通が可能であり、かつ、通路抵抗が小さい第2経路12を備えている。したがって、圧縮機停止時には、給油通路11を介さずに第2経路12を通してCO2冷媒を逆流させてガス貯留空間14と第2空間26との間の圧力を均圧するので、油Aの逆流を確実に回避することが可能である。したがって、高圧のCO2冷媒は、通路抵抗の小さい第2経路12を通ってガス貯留空間14から第2空間26へ即時に移動して圧力を均圧するため、このときに給油通路11の入口11aから油溜め部32から油Aを吸い上げて第2空間26へ逆流させることを回避できる。
(2)
第1実施形態では、第2経路12は、図2に示されるように、圧縮機構部4のシャフト6を支持する上側の軸受端板であるフロントヘッド27bに貫通して形成されている。第2経路12は、ガス貯留空間14と第2空間26との間を連通している。第2経路12は、フロントヘッド27bにおける軸受隙間や摺動シール部の隙間部などの狭路を介さずに、フロントヘッド27bを貫通している。したがって、第2経路12の寸法や形状を管理することによって、第2経路12の近辺に既に存在している軸受隙間や摺動シール部の隙間部などの狭路との間の通路抵抗差を調整することが可能になる。その結果、既存の圧縮機の構造から大きな設計変更をする必要なく、所望の通路抵抗差を確実に得ることが可能である。
(3)
第1実施形態では、第2経路12のガス貯留空間14側に開口する上部出口11bは、圧縮機構部4のシャフト6を支持するフロントヘッド24bの上端よりも上方の位置に開口しているので、圧縮機停止時に油Aの巻込みを防ぐと共に、通常運転時に第2空間26内部で発生する給油に悪影響を与える発泡冷媒ガスを効果的に排除することができる。
(4)
第1実施形態では、給油通路11は、部分的に流路が狭くなった少なくとも1つの狭路13を有している。したがって、狭路13の寸法や形状を管理することによって、狭路13の近辺に既に存在している軸受隙間や摺動シール部の隙間部などの狭路との間の通路抵抗差を調整することが可能になり、既存の圧縮機の構造から大きな設計変更をする必要なく、所望の通路抵抗差を確実に得ることが可能である。
(5)
第1実施形態では、圧縮機構部4は、少なくとも1個のシリンダ27aと、シリンダ27a内部で揺動する少なくとも1個の揺動ピストン21と、揺動ピストン21と一体に連結されたブレード22とを有している。したがって、従来のロータリー圧縮機のようにローラの外周面をブレードが摺動することによって生じる摺動部分の損傷を回避しつつ、油の逆流を防止することができる。
(6)
さらに、第1実施形態の密閉型圧縮機1では、ガス媒体として一般的に用いられている他の冷媒よりも高圧のCO2冷媒を使用しているが、高圧のCO2冷媒と相性のよい高粘度の油を使用しても、第2経路12によって、油Aの逆流を防止できるので、吐出弁等の損傷を回避することができる。
<第1実施形態の変形例>
(A)
第1実施形態の密閉型圧縮機1では、圧縮機構部4を1基備えており、1段の圧縮を行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の変形例として、多段圧縮用の密閉型圧縮機1に本発明を適用してもよく、この場合も、油溜め部と圧縮機構部が共に高圧又は中間圧空間の下部に設けられた圧縮機であれば、本発明を適用することが可能である。すなわち、本発明のガス貯留空間14に相当する高圧又は中間圧空間と第2空間26を結ぶ給油通路11とは別の第2経路12を設け、かつ、第2経路12を給油通路11より通路抵抗が少ないように設計すれば、圧縮機停止時に、給油通路11を介さずに圧力が均圧するので、油の逆流を確実に回避することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態の密閉型圧縮機では、図4に示されるように、油逆流を回避する他の手段として、第1実施形態のように第2経路12を設ける代わりに、給油通路11の入口11aに遠心力によって開閉する開閉弁41を備えている点で第1実施形態の密閉型圧縮機1と異なっており、その他の構成では第1実施形態の密閉型圧縮機1の構成と共通している。
すなわち、第2実施形態の密閉型圧縮機は、図1および図4に示されるように、ケーシング2と、圧縮機構部4と、油溜め部32と、給油通路11と、開閉弁41とを備えている。
ケーシング2は、第1実施形態と同様に、密閉空間の上部に圧縮後のCO2冷媒が一時的に貯留されるガス貯留空間14を有する。
圧縮機構部4は、第1実施形態と同様に、ケーシング2の内部におけるガス貯留空間14の下方の位置に配置され、内部に吸入室24および第2空間26を有し、CO2冷媒を吸入室24で圧縮してガス貯留空間14へ排出する。第2空間26は、圧縮機構部4における吸入室24に対して揺動ピストン21の裏側の空間である。
油溜め部32は、第1実施形態と同様に、ケーシング2の内部において圧縮機構部4の下方の位置に配置され、圧縮機構部4の潤滑に用いられる油Aを貯留する。
給油通路11は、第1実施形態と同様に、油溜め部32からガス貯留空間14および第2空間26における圧縮機構部4の摺動部分へ油Aを給油し、かつ、ガス貯留空間14と吸入室24との間を連通する。
開閉弁41は、給油通路11の油溜め部32側の開口である流入口11aに配置されている。開閉弁41は、圧縮機構部4のシャフト6が回転するときに発生する遠心力を受けるときに開き、遠心力を受けないときに閉まることにより流入口11aを開閉する。
開閉弁41は、図4に示されるように、球形弁体42と、弁蓋43と、弁体押え44とを有している。弁蓋43は、シャフト6の流入口11aの下端に設けられ、球形弁体42より小さい孔が開口している。弁体押え44は、球形弁体42の上方への移動を規制し、給油通路11の内部に固定され、球形弁体42より小さい孔が開口している。球形弁体42は、弁蓋43と弁体押え44との間の空間部に収納されている。圧縮機構部4のシャフト6が回転するときには、そのときに発生する遠心力によって球形弁体42が給油通路11の内周壁に寄って弁蓋43の孔から外れることにより開閉弁41が開き、給油通路11を油Aが上昇するようになる。圧縮機が停止してシャフト6が回転しなくなって球形弁体42が遠心力を受けないときには、球形弁体42が弁蓋43の孔を塞ぐことによって、開閉弁41が閉まる。このとき、球形弁体42は、ガス貯留空間14と油溜め部32との間の差圧により弁蓋43の孔を塞ぐ方向に押圧される。これにより、図4の矢印に示される給油通路11の上部出口11bから内部出口11e等への高圧のCO2冷媒の流れによって均圧を許すが、油溜め部32から第2空間26への油Aの逆流を確実に回避できる。
<第2実施形態の特徴>
第2実施形態では、油溜め部32と圧縮機構部4が共に高圧又は中間圧空間の下部に設けられた圧縮機において、給油通路11の流入口11a付近には遠心力によって開閉する開閉弁41が設けられている。
これにより、圧縮機の停止時に給油通路11を介して発生するガス逆流時の油Aの巻込みは、給油通路11内での微小な圧力差によって生じるので、遠心力を利用した開閉弁41を用いることで、簡単な構造で油溜め部32から第2空間26への油Aの逆流を確実に回避することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態の密閉型圧縮機では、図5に示されるように、油逆流を回避する手段として、第1実施形態の第2経路12と、第2実施形態の給油通路11の入口11aに遠心力によって開閉する開閉弁41とを両方備えている点で第1実施形態の密閉型圧縮機1と異なっており、その他の構成では第1実施形態の密閉型圧縮機1の構成と共通している。
すなわち、第3実施形態の密閉型圧縮機は、ケーシング2と、圧縮機構部4と、油溜め部32と、給油通路11と、第2経路12と、開閉弁41とを備えている。
ケーシング2は、第1実施形態と同様に、密閉空間の上部に圧縮後のCO2冷媒が一時的に貯留されるガス貯留空間14を有する。
圧縮機構部4は、第1実施形態と同様に、ケーシング2の内部におけるガス貯留空間14の下方の位置に配置され、内部において、第1空間である吸入室24と、第2空間26とを有し、CO2冷媒を吸入室24で圧縮してガス貯留空間14へ排出する。第2空間26は、吸入室24から揺動ピストン21のシール面21aで吸入室24と仕切られ、かつ、吸入室24に対して揺動ピストン21の裏側の空間である。
油溜め部32は、第1実施形態と同様に、ケーシング2の内部において圧縮機構部4の下方の位置に配置され、圧縮機構部4の潤滑に用いられる油Aを貯留する。
給油通路11は、第1実施形態と同様に、油溜め部32からガス貯留空間14および第2空間26における圧縮機構部4の摺動部分へ油Aを給油し、かつ、ガス貯留空間14と第2空間26との間を連通する。
なお図示されていないが、シャフト6の下端の給油通路11の入口付近には、回転ポンプまたは遠心ポンプなどが設けられているので、シャフト6内部の給油通路11を通して、油溜め部32から油を吸い上げて圧縮機構部4の摺動部分等への給油することが可能である。
開閉弁41は、図5に示されるように、球形弁体42と、弁蓋43と、弁体押え44とを有している。弁蓋43は、シャフト6の流入口11aの下端に設けられ、球形弁体42より小さい孔が開口している。弁体押え44は、球形弁体42の上方への移動を規制し、給油通路11の内部に固定され、球形弁体42より小さい孔が開口している。球形弁体42は、弁蓋43と弁体押え44との間の空間部に収納されている。圧縮機構部4のシャフト6が回転するときには、そのときに発生する遠心力によって球形弁体42が給油通路11の内周壁に寄って弁蓋43の孔から外れることにより開閉弁41が開き、給油通路11を油Aが上昇するようになる。圧縮機が停止してシャフト6が回転しなくなって球形弁体42が遠心力を受けないときには、球形弁体42が弁蓋43の孔を塞ぐことによって、開閉弁41が閉まる。このとき、球形弁体42は、ガス貯留空間14と油溜め部32との間の差圧により弁蓋43の孔を塞ぐ方向に押圧される。これにより、主に第2経路12を通して(および若干の給油通路11を通して)の高圧のCO2冷媒の流れによって均圧を許すが、油溜め部32から第2空間26への油Aの逆流を確実に回避できる。
<第3実施形態の特徴>
(1)
第3実施形態では、油溜め部32からガス貯留空間14および第2空間26へ油Aを給油する給油通路11とは別に、ガス貯留空間14から第2空間26へのCO2冷媒の流通が可能であり、かつ、通路抵抗が小さい第2経路12を備えている。したがって、圧縮機停止時には、給油通路11を介さずに第2経路12を通してCO2冷媒を逆流させてガス貯留空間14と第2空間26との間の圧力を均圧するので、油Aの逆流を確実に回避することが可能である。したがって、高圧のCO2冷媒は、通路抵抗の小さい第2経路12を通ってガス貯留空間14から第2空間26へ即時に移動して圧力を均圧するため、このときに給油通路11の入口11aから油溜め部32から油Aを吸い上げて第2空間26へ逆流させることを回避できる。
(2)
さらに、第3実施形態では、油溜め部32と圧縮機構部4が共に高圧又は中間圧空間の下部に設けられた圧縮機において、給油通路11の流入口11a付近には遠心力によって開閉する開閉弁41が設けられている。
これにより、圧縮機の停止時に給油通路11を介して発生するガス逆流時の油Aの巻込みは、給油通路11内での微小な圧力差によって生じるので、遠心力を利用した開閉弁41を用いることで、簡単な構造で油溜め部32から第2空間26への油Aの逆流を確実に回避することができる。
本発明は、密閉空間の上部に圧縮後のガス媒体が一時的に貯留されるガス貯留空間を有し、ガス貯留空間の下方の位置に圧縮機構部および油溜め部が配置された密閉型圧縮機に適用することが可能である。したがって、圧縮機構部については、本実施形態で例示したロータとブレードが一体化した圧縮機だけでなく、ロータとブレードが別体のロータリー圧縮機でもよく、さらにその他種々の圧縮方式の圧縮機にも適用することが可能である。
1 密閉型圧縮機
2 ケーシング(密閉容器)
3 モータ
4 圧縮機構部
11 給油通路
12 第2経路
13 狭路
14 ガス貯留空間
21 揺動ピストン
24 吸入室(第1空間)
26 第2空間
32 油溜め部
41 開閉弁
特開平6−074176号公報

Claims (2)

  1. 密閉空間を有し、前記密閉空間の上部に圧縮後のガス媒体が一時的に貯留される高圧の空間であるガス貯留空間(14)を有する密閉容器(2)と、
    前記密閉容器(2)の内部における前記ガス貯留空間(14)の下方の位置に配置され、内部において、第1空間である吸入室(24)と、前記吸入室(24)からピストン(21)のシール面(21a)で前記吸入室(24)と仕切られ、かつ、前記吸入室(24)に対して前記ピストン(21)の裏側の第2空間(26)とを有し、前記ガス媒体を前記吸入室(24)で圧縮して前記ガス貯留空間(14)へ排出する圧縮機構部(4)と、
    前記密閉容器(2)の内部において前記圧縮機構部(4)の下方の位置に配置され、前記圧縮機構部(4)の潤滑に用いられる油を貯留する油溜め部(32)と、
    前記油溜め部(32)から前記ガス貯留空間(14)および前記第2空間(26)における前記圧縮機構部(4)の摺動部分へ前記油を給油し、かつ、前記ガス貯留空間(14)と前記第2空間(26)との間を連通する給油通路(11)と、
    前記給油通路(11)の前記油溜め部(32)側の開口である流入口(11a)に配置され、前記圧縮機構部(4)の回転軸(6)が回転するときに発生する遠心力を受けるときに開き、遠心力を受けないときに閉まることにより前記流入口(11a)を開閉する弁(41)と
    を備え、
    前記弁(41)は、開いている場合に、前記油溜め部(32)と前記給油通路(11)との間を連通し、閉じている場合に、前記油溜め部(32)と前記給油通路(11)との間を連通しない、
    密閉型圧縮機(1)。
  2. 二酸化炭素をガス媒体として使用する、
    請求項1に記載の密閉型圧縮機(1)。
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