JP2010260846A - マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒアルロン酸オリゴ糖、ケラタン硫酸オリゴ糖、6−O−硫酸化N−アセチルヘパロサン及びN,6−O−硫酸化ヘパロサン、並びに、薬学的に許容されるこれらのグリコサミノグリカンオリゴ糖の塩からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上、を有効成分として含有するマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤乃至阻害方法、エラスターゼ活性阻害剤、及び、慢性閉塞性肺疾患治療剤等を提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。
【選択図】 なし
Description
MMP:マトリックスメタロプロテアーゼ
COPD:慢性閉塞性肺疾患
HA:ヒアルロン酸
CS:コンドロイチン硫酸
DS:デルマタン硫酸
GAG:グリコサミノグリカン
GPC:ゲル浸透クロマトグラフィー
HA4:ヒアルロン酸4糖(GlcA β1-3 GlcNAc β1-4 GlcA β1-3 GlcNAc)
L4:ケラタン硫酸2糖(Gal6S β1-4 GlcNAc6S)
L4L4:ケラタン硫酸4糖(Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S)
HA4:GlcA β1-3 GlcNAc β1-4 GlcA β1-3 GlcNAc
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
L4L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、GlcAはグルクロン酸残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
HA4:GlcA β1-3 GlcNAc β1-4 GlcA β1-3 GlcNAc
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
L4L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、GlcAはグルクロン酸残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
HA4:GlcA β1-3 GlcNAc β1-4 GlcA β1-3 GlcNAc
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
L4L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、GlcAはグルクロン酸残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
本発明MMP阻害剤は、HAオリゴ糖、ケラタン硫酸オリゴ糖、6−O−硫酸化N−アセチルヘパロサン及びN,6−O−硫酸化ヘパロサン、並びに、薬学的に許容されるそれらの塩、からなる群から選択される少なくとも1種、を有効成分として含有するMMP阻害剤である。
本発明MMP阻害剤で用いられる、GAGオリゴ糖は、単一の種からなっていても、混合物であってもよい。
例えば、公知の手段により入手したHAを、ヒアルロン酸分解酵素によってオリゴ糖に分解し、該オリゴ糖を、常法、例えば、エタノール沈殿による濃縮、ゲルろ過及び陰イオン交換クロマトグラフィーによる分解精製法等を用いて精製することにより、本発明に用いるHAオリゴ糖を製造することができる。HAオリゴ糖は、下記のHA4であることが好適である。
(式中、GlcAはグルクロン酸残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
ケラタン硫酸オリゴ糖の調製法としては、ケラタン硫酸又は高硫酸化ケラタン硫酸の緩衝溶液にエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ型ケラタン硫酸分解酵素、例えばバチルス属細菌由来のケラタナーゼ(II)、又は、バチルス・サーキュランスKsT202株由来のケラタン硫酸分解酵素を作用させて分解した後、得られた分解物を分画することにより得ることができる。得られたオリゴ糖の画分は、例えば、エタノール沈殿による濃縮、ゲルろ過及び陰イオン交換クロマトグラフィーによる分解精製法等を用いて、目的のケラタン硫酸オリゴ糖を分離精製することが出来る。ケラタン硫酸は、下記のL4又はL4L4であることが好適である。
L4L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、GlcAはグルクロン酸残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
6−O−硫酸化N−アセチルヘパロサンは、公知の手段により入手したN−アセチルヘパロサンを蒸留水に溶解した後、触媒の存在下、6−O−硫酸化を行い、例えば、エタノール沈殿による濃縮、ゲルろ過及び陰イオン交換クロマトグラフィーによる分解精製法等を用いて、分離精製することができる。
N,6−O−硫酸化ヘパロサンは、例えば、公知の手段により入手したポリサッカライドを、ヒドラジン分解しN−脱アセチル化を行い、得られた生成物をN−硫酸化し、さらに触媒の存在下、6−O−硫酸化を行い、例えば、エタノール沈殿による濃縮、ゲルろ過及び陰イオン交換クロマトグラフィーによる分解精製法等を用いて、分離精製することができる。
薬学的に許容される塩とは、上記(1)〜(3)のGAGオリゴ糖の塩、すなわち、HAオリゴ糖の該塩、ケラタン硫酸オリゴ糖の該塩、6−O−硫酸化N−アセチルヘパロサンの該塩、及び、N,6−O−硫酸化ヘパロサンの該塩である。
本発明MMP阻害剤は、MMP阻害効果を損なわない範囲で、上記のGAGオリゴ糖(1)〜(5)以外の成分を、必要に応じて配合することが可能である。例えば、保湿剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、美白剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、活性酸素抑制剤、抗ヒスタミン剤、慣用の賦形剤、安定化剤、結合剤、滑沢剤、乳化剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、その他着色剤、崩壊剤等を適宜配合することができる。
本発明MMP阻害剤は、注射(静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内等)、経口、経皮、吸入等により投与することが可能であり、これらの投与方法に応じて適宜製剤化することができる。本発明MMP阻害剤が投与される組織又は細胞は、特に限定されるものではないが、肺または気管支への直接投与は、好適な投与形態の一つである。
本発明阻害方法は、下記式HA4、L4、L4L4でそれぞれ示されるGAGオリゴ糖及び薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上により、細胞由来のMMP活性を抑制する、MMPの阻害方法である。
L4;Gal6S β1-4 GlcNAc6S
L4L4;Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、GlcAはグルクロン酸残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
本発明エラスターゼ抑制剤は、ケラタンオリゴ糖を有効成分として含有する、エラスターゼ活性抑制剤である。
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
本発明肺疾患治療剤は、下記式で示されるケラタンオリゴ糖を有効成分として含有する慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤である。
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
本発明選別方法は、被験成分を細胞の培養系に添加することを除けば、上記の本発明阻害方法と実質的には同一の要領で行うことができる。被験成分の添加は、適切な添加濃度を選択して、細胞の培養前、細胞の培養開始時、又は、細胞の培養後、さらには、これらの添加時を適宜組み合わせて行うことが可能である。なお、用いる細胞は、特定の細胞モデルとして確立された細胞株を用いることが、被験薬剤の効果の普遍性をより的確に確認することが可能であり好適である。
(1)L4、L4L4の調製
各ケラタン硫酸オリゴ糖は、ウシ角膜由来のケラタン硫酸I(生化学工業社製)又はサメ軟骨由来のケラタン硫酸II(生化学工業社製)の1mg/200μl水溶液に、0.1Mの酢酸緩衝液で希釈したケラタナーゼIIを1mU/μl加え、pH5.0、37℃で二時間反応後、分画分子量10000の遠心フィルター(ミリポア社製)にかけて、高分子量成分を取り除き、得られた抽出液をGPCで分離することにより、得られる。生成物の構造は、特開2006−292683号公報に記載の方法で、質量分析計(4000Q Trap、アプライドバイオシステムズ社製)を用いて確認した。
HA4の調製は、(Tawada、A、et al.、Glycobiology 12、421-426(2002))及び(Blundell、C.D.、et al. Analytical Biochemistry 353、236-247(2006))の方法に従い調製を行った。具体的には、まず、鶏冠由来のHAを羊精巣由来ヒアルロニダーゼ(シグマ社製)によってオリゴ糖に分解し、陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製及びGPCによる精製を経てHA4を調製した。生成物の構造がHA4であることは、上記と同様に質量分析計を用いて確認した。
6−O−硫酸化N−アセチルヘパロサンの調製は、特開2005−290383号公報に記載の方法に従い調製を行った。具体的には、まず、大腸菌K5株から得られたN−アセチルヘパロサンを蒸留水に溶解した後、カラムにて分画し、n−トリブチルアミン(TBA)を添加し、N−アセチルヘパロサンTBA塩を得た。得られたN−アセチルヘパロサンTBA塩に対しジメチルホルムアミド(DMF)を添加し、50℃で4時間攪拌した。さらにピリジン−サルフォトリオキサイド複合体(Py−SO3)を添加した後、50℃にて攪拌条件下2時間の反応を進行させた。その後氷冷により、反応を終結させ、蒸留水を添加後、流水透析した。得られた液を生成し、凍結乾燥した後、酢酸ナトリウムに溶解し、カラムにて分画し、脱塩・凍結乾燥により調製を行い6−O−硫酸化N−アセチルヘパロサンを得た。
N,6−O−硫酸化ヘパロサンの調製は、特表2000−517328号公報に記載の方法に従い行った。具体的には、まず、大腸菌K5株から得られたポリサッカライドをヒドラジン分解しN−脱アセチル化を行い、得られた生成物を無水/トリメチルアミンアダクト(TMA/SO3)でN−硫酸化した。その後、蒸留水に溶解しカラムにアプライし、TBAを添加した。過剰のTBAをジエチルエーテルで除去した後、無水ジメチルホルムアミドに溶解し、無水ジメチルホルムアミドに溶解したPy−SO3を加え、0℃で1時間反応させることによりN,6−O−硫酸化ヘパロサンを得た。
各種コンドロイチン硫酸は生化学工業バイオビジネス株式会社より購入した。低分子化されたコンドロイチン硫酸については、各種コンドロイチン分解酵素を用いて低分子化し入手した。コンドロイチン硫酸Cについては、原料のコンドロイチン硫酸C(重量平均分子量:30kDa、コンドロイチン硫酸Cナトリウム塩(サメ軟骨))を出発原料とし、1gをPBS(pH5.3)50mlに溶解した。この溶液に、ヒツジ睾丸ヒアルロニダーゼ(シグマ社製:type V)10万Uを添加して37℃で酵素反応させた。経時的に反応液の一部を採取し、GPC-HPLCで分析し、低分子化の程度を調べた。目的の分子量に達したところで反応液を煮沸して酵素反応を停止させた。目的の分子量に達しない場合には、同様の反応を目的の分子量になるまで繰り返した。こうして得た目的の分子量画分は、反応終了液に活性炭を添加して50℃で1時間反応させ、その後、反応液をろ過し、次いで酢酸ナトリウムで洗浄後、エタノールを添加して沈殿物を得、得られた沈殿物をエタノールで洗浄後、乾燥することで精製した。以上の方法によって各種低分子化したコンドロイチン硫酸を白色粉末として得た。
マクロファージ細胞の無血清培養上清と特異的基質を用いた、MMP活性測定系を樹立した。マクロファージ細胞は生体内において主要なMMP産生細胞であることが知られている。培養上清を濃縮し、総タンパク量が14−18 mg/mlのものをMMP酵素液として用いた。培養上清には、MMP−9とMMP−13をそれぞれ約0.01%、0.0006%程度含んでいた。今回は治療薬の開発を念頭に、総MMP活性に対する抑制効果をスクリーニングの目標としたため、汎用型のMMP基質[DNP-Pro-Cha-Gly-Cys(Me)-His-Ala-Lys(N-Me-Abz)-NH2(Cha=β-cyclohexylalanyl、Abz=2-aminobenzoyl (anthraniloyl) (Ex. 365 nm / Em. 450 nm))]を採用することとした。基質はMMP-1、3、7、8、9、11、12、13、14による分解を受け、MMP-9に対するkcat/Km=1.3x104と報告されている。MMP-9精製酵素を用いて検討したところ、本基質を用いた測定感度は0.015ng以上であった。
まず、上記で調製した各種GAG糖鎖(終濃度1mg/ml)それぞれ10μlと、ポジティブコントロールとして市販のMMP阻害剤であるGM6001(コスモ・バイオ株式会社より購入:終濃度 25μM)に、ヒト由来のリコンビナントMMP−9(4ng/ml)10μl、精製水20μl及びバッファー(最終濃度50mM Tris-HCL、pH7.6、1.5mM NaCl、0.5 mM CaCl2、1μM ZnCl2、0.01% (v/v) Brij-35)50μlを混合し、37℃で1時間インキュベーションした。なお、ネガティブコントロールは、それぞれの系にて配合するべきGAG糖鎖を無配合としたものを用いた。
9〜11週齢のC57BL/6マウス(オス:日本クレア株式会社より購入した)に、L4を250μg/bodyとなるように、5mg/ml水溶液を静注した。コントロールとして、生理食塩水を50μl投与した群を用いた。30分後ブタ膵臓由来エラスターゼ3Uを気管内にスプレー投与した。エラスターゼ投与後24時間後に解剖し、肺に対して生理食塩液で3回、気管支肺胞洗浄を行い、気管支肺洗浄液(BALF)を得た。評価項目は気管支肺洗浄液中の総細胞数及び好中球量により評価した。その結果を図5A〜Cに示した。図5Aは、総細胞数に対するL4投与の影響を検討した図面であり、図5Bは、好中球数に対するL4投与の影響を検討した図面である。図5A、Bにおいて、縦軸は細胞数であり、縦軸への棒グラフは、試験系を示している。また、図5Cは、算出した総細胞数における好中球の比率(%:縦軸)を示した図面である。これらの図に示すとおり、エラスターゼを投与する前にL4を投与した群では、有意に好中球の集積を抑制することがわかった。
9〜11週齢のC57BL/6マウス(オス:日本クレア株式会社より購入した)に、L4を250μg/bodyとなるように、5mg/ml水溶液を静注した。コントロールとして、生理食塩水を50μl投与した群を用いた(1回目のL4投与)。この1回目のL4投与の30分後に、ブタ膵臓由来エラスターゼ5Uを気管内にスプレー投与した。このエラスターゼ投与の24時間後に、1回目と同一内容のL4投与を、コントロール群における50μlの生理食塩水投与と共に行った(2回目のL4投与)。この2回目のL4投与の24時間後に、L4を125μg/bodyとなるように、5mg/ml水溶液を静注し、コントロール群においては、50μlの生理食塩水を投与した(3回目のL4投与)。この3回目のL4投与から21日後に、実験に供したマウスの犠死を行い、常法に従って、肺のホルマリン固定を行い、肺の平均肺胞壁間距離(Lm)を測定した。なお、L4投与群(L4)のマウスのn数は9であり、生理食塩水投与群(PS)のマウスのn数は9であり、未処理群(Untreat)のn数は2、として本試験は行われた。
Claims (13)
- ヒアルロン酸オリゴ糖、ケラタン硫酸オリゴ糖、6−O−硫酸化N−アセチルヘパロサン及びN,6−O−硫酸化ヘパロサン、並びに、薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上、を有効成分として含有するマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤。
- ヒアルロン酸オリゴ糖、ケラタン硫酸オリゴ糖、6−O−硫酸化N−アセチルヘパロサン及びN,6−O−硫酸化ヘパロサン、並びに、薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上、からなるマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤。
- グリコサミノグリカンオリゴ糖は、下記式HA4、L4、L4L4でそれぞれ示されるグリコサミノグリカンオリゴ糖及び薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載のマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤。
HA4:GlcA β1-3 GlcNAc β1-4 GlcA β1-3 GlcNAc
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
L4L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、GlcAはグルクロン酸残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。) - マトリックスメタロプロテアーゼは、MMP−9、MMP−12及びMMP−13からなる群から選択される少なくとも1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の阻害剤。
- 下記式HA4、L4、L4L4でそれぞれ示されるグリコサミノグリカンオリゴ糖及び薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上により、細胞由来のマトリックスメタロプロテアーゼ活性を抑制する、マトリックスメタロプロテアーゼの阻害方法。
HA4:GlcA β1-3 GlcNAc β1-4 GlcA β1-3 GlcNAc
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
L4L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、GlcAはグルクロン酸残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。) - マトリックスメタロプロテアーゼは、MMP−9、MMP−12及びMMP−13からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項5に記載の方法。
- ケラタン硫酸オリゴ糖を有効成分として含有する、エラスターゼ活性抑制剤。
- ケラタン硫酸オリゴ糖からなる、エラスターゼ活性抑制剤。
- ケラタン硫酸オリゴ糖は、下記式L4で示されるケラタン硫酸オリゴ糖である、請求項7又は8に記載のエラスターゼ活性抑制剤。
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。) - 下記式L4で示されるケラタン硫酸オリゴ糖を有効成分として含有する、慢性閉塞性肺疾患の治療剤。
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。) - 下記式L4で示されるケラタン硫酸オリゴ糖からなる、慢性閉塞性肺疾患の治療剤。
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。) - 慢性閉塞性肺疾患は肺気腫である、請求項10又は11に記載の治療剤。
- 下記式HA4、L4、L4L4でそれぞれ示されるGAGオリゴ糖及び薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上、並びに、被験薬剤を、細胞に接触させ、該被験薬剤における前記GAGオリゴ糖又は塩による該細胞由来のMMP活性の抑制に対する、促進作用あるいは緩和作用を選別する、薬剤の選別方法。
HA4:GlcA β1-3 GlcNAc β1-4 GlcA β1-3 GlcNAc
L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S
L4L4:Gal6S β1-4 GlcNAc6S β1-3 Gal6S β1-4 GlcNAc6S
(式中、Galはガラクトース残基を、GlcNAcはN−アセチルグルコサミン残基を、GlcAはグルクロン酸残基を、6Sは6位に硫酸基が保持されていることを、β1-3はβ1-3グリコシド結合を、β1-4はβ1-4グリコシド結合を、それぞれ示す。)
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