JP2010259609A - 内視鏡用シース装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡の観察窓の洗浄や観察目標部に多量に溜まっている体液の吸引除去等を優れた操作性で容易に行うことができ、さらに、シースが破損した場合に経済的に対処することができる内視鏡用シース装置を提供すること。
【解決手段】連結アダプタ部22に少なくとも吸引口金23が設けられて、シース部21が連結アダプタ部22に対し軸線方向に可動に構成されると共に、シース部21を連結アダプタ部22に対し軸線方向に進退操作するための操作レバー40が連結アダプタ部22に設けられ、連結アダプタ部22が内視鏡10の操作部12に連結された状態で、操作レバー40を操作することによって、シース部21の先端面21aが内視鏡10の挿入管部11の先端面11aより前方に位置する状態と後方に位置する状態とを選択することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は内視鏡用シース装置に関する。
挿入管部が金属パイプ等で形成されている硬性鏡は多くの場合、観察手段と照明手段だけが挿入管部内に挿通配置されている。そして、使用時には、挿入管部にシースが緩く被嵌されて、挿入管部の外面とシースの内面との間に形成される通路が、送水や吸引のための流路として用いられる。
そのような構成を採ることにより、送水と吸引を同時に連続的に行って、観察窓の表面等を洗い流しながら観察することで解像度の高い観察画像を得ることができる。遠隔操作により先端部分を屈曲させることができる湾曲部付硬性鏡や軟性鏡等でも、同様の構成を採るものがある(例えば、特許文献1、2)。
特開平7−275185 特開2001−198077
そのような内視鏡の挿入管部もシースも単純な筒状体なので、シースをそれだけで挿入管部に安定した状態に取り付けることは難しい。そこで、シースの基端部に連結アダプタ部を取り付けて、連結アダプタ部を内視鏡の操作部に機械的にしっかりと連結する構成が採られている。
そして、連結アダプタ部が内視鏡の操作部に連結された状態では、内視鏡の挿入管部に被嵌されたシースの先端面が、挿入管部の先端面より僅かに突出した状態を維持するようになっている。観察窓の表面を洗浄するのに都合がよいからである。
しかし、シースの先端面が挿入管部の先端面より僅かに突出した状態では、観察目標部が多量の体液中に潜ってしまっている場合等に、汚液や体液等を効果的に吸引除去することができない場合がある。
また、構成が単純なシースよりも連結アダプタ部の方がコストのかかった部品であるが、シースが損傷するとそれと一体の連結アダプタ部も一緒に交換する必要があり、極めて不経済であった。
本発明は、内視鏡の観察窓の洗浄や観察目標部に多量に溜まっている体液の吸引除去等を優れた操作性で容易に行うことができ、さらに、シースが破損した場合に経済的に対処することができる内視鏡用シース装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用シース装置は、挿入管部の先端面に観察窓が配置されて挿入管部の基端に操作部が連結された構成を有する内視鏡に着脱自在に取り付けられる内視鏡用シース装置であって、挿入管部に緩く被嵌されるシース部の基端に、操作部に対し係脱自在に連結される連結アダプタ部が取り付けられた内視鏡用シース装置において、連結アダプタ部に少なくとも吸引口金が設けられて、シース部が連結アダプタ部に対し軸線方向に可動に構成されると共に、シース部を連結アダプタ部に対し軸線方向に進退操作するための操作レバーが連結アダプタ部に設けられ、連結アダプタ部が内視鏡の操作部に連結された状態で、操作レバーを操作することによって、シース部の先端面が内視鏡の挿入管部の先端面より前方に位置する状態と後方に位置する状態とを選択することができるようにしたものである。
なお、シース部の先端側の部分が可撓管で形成されていてもよく、操作部からの遠隔操作により屈曲する湾曲部が内視鏡の挿入管部の先端付近に設けられていて、可撓管が、湾曲部の屈曲動作に追従して屈曲するように、シース部のうち少なくとも湾曲部に被嵌される部分に形成されていてもよい。
また、可撓管が真っ直ぐな状態及び屈曲した状態のいずれの場合においても、操作レバーを操作することによって、シース部の先端面が内視鏡の挿入管部の先端面より前方に位置する状態と後方に位置する状態とを選択することができるようにするとよく、シース部のうち可撓管以外の部分が硬質パイプで形成されていてもよい。
また、シース部の先端面が、挿入管部の先端面の後方側に比べて前方側に大きく移動できるように構成されていてもよく、シース部の先端面が挿入管部の先端面の前方側に移動した時、観察窓を通して得られる内視鏡観察像の周辺部分がシース部によって遮られる状態になるようにしてもよい。
また、シース部の先端縁が径方向に窄まった形状に形成されていてもよく、シース部の基端が連結アダプタ部に対し着脱自在に取り付けられていてもよい。そして、シース部の基端が着脱自在に取り付けられるシース取付筒体が軸線方向に可動に連結アダプタ部に設けられていて、シース取付筒体に取り付けられたシース部がシース取付筒体と共に軸線方向に可動であってもよい。
そして、連結アダプタにおけるシース取付筒体の軸線方向移動範囲を規制するストッパ手段が設けられていてもよく、シース取付筒体が、連結アダプタ部に形成されている受け孔にスライド自在に嵌合していて、その嵌合部に弾力性のあるOリングが装着されていてもよい。なお、シース取付筒体が操作レバーにより軸線方向に駆動操作されるようにするとよい。
また、操作レバーが、支軸を中心に回動自在にピストルの引き金状に連結アダプタに取り付けられて、操作レバーを待機位置に戻すための付勢手段が設けられていてもよく、操作レバーが待機状態にある時は、シース部が軸線方向可動範囲の後端位置にあり、操作レバーが付勢手段の付勢力に抗して回動操作されると、シース部が軸線方向可動範囲の前方方向に移動するようにしてもよい。
本発明によれば、シース部が連結アダプタ部に対し軸線方向に可動に構成され、連結アダプタに設けられた操作レバーを操作することによりシース部を進退させて、シース部の先端面が内視鏡の挿入管部の先端面より前方に位置する状態と後方に位置する状態とを選択することができるので、内視鏡の観察窓の洗浄や観察目標部に多量に溜まっている体液の吸引除去等を優れた操作性で容易に行うことができ、さらに、シース部の基端を連結アダプタ部に対し着脱自在に取り付けることにより、シースが破損した場合でも操作レバー等が設けられている連結アダプタ部は再使用することができるので、経済的に対処することができる。
本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置が内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置が内視鏡に取り付けられた状態(スライド状態)の側面断面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置と内視鏡が並べられた状態の側面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置が内視鏡に取り付けられた状態の側面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置と内視鏡が各々部分的に分解された状態の側面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置の側面断面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置の部分拡大断面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置の側面部分断面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置においてシース部が連結アダプタ部から分離された状態の側面断面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置が内視鏡に取り付けられる際の状態の部分斜視図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置が内視鏡に取り付けられた状態の先端部分の正面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置が内視鏡に取り付けられてスライド範囲の両端にある状態を並べて示す先端部分の側面断面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置が内視鏡に取り付けられて屈曲した状態でスライド範囲の両端にある状態を並べて示す先端部分の側面断面図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置の使用状態を示す略示図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置の使用状態を示す略示図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置の使用状態を示す略示図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置の使用状態を示す略示図である。 本発明の第1の実施例に係る内視鏡用シース装置の使用状態を示す略示図である。 本発明の第2の実施例に係る内視鏡用シース装置の先端部分を示す側面断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図3には、内視鏡10とシース装置20とが並べて図示されている。
内視鏡10は、挿入管部11の基端に操作部12が連結され、挿入管部11の先端面11aに観察窓11Vと照明窓11Lが配置された構成を有している(図11参照)。
挿入管部11は、硬質部11Hの先端に湾曲部11Bが真っ直ぐに連結されたものであり、硬質部11Hは硬質のステンレスパイプ等で外装されている。14は、挿入管部11の基端部を囲んで着脱自在に取り付けられたカバー環である。
湾曲部11Bは、操作部12に配置された湾曲操作レバー13を操作することにより、図3の紙面に沿う方向に任意の角度だけ屈曲させることができる。挿入管部11内には、流体を通すためのチューブ類は配置されていない。
シース装置20は、内視鏡10の挿入管部11に緩く被嵌されるシース部21の基端に、内視鏡10の操作部12に対し係脱自在に連結される連結アダプタ部22が取り付けられた構成を有している。
シース部21は、硬質パイプ部21Hの先端に可撓管部21Fが真っ直ぐに連結されたものであり、可撓管部21F以外の部分を構成する硬質パイプ部21Hは、ステンレスパイプ等のような硬質パイプで形成されている。21Cは、硬質パイプ部21Hと可撓管部21Fとの連結部である。
連結アダプタ部22には、図示されていない吸引チューブを接続するための吸引口金23と、図示されていない送水チューブを接続するための送水口金24とが各々突出して設けられている。それらの詳細については後述する。
このように構成されたシース装置20は、図4に示されるように内視鏡10に対し着脱自在に取り付けられ、連結アダプタ部22が操作部12に連結されることにより、シース装置20のシース部21が、内視鏡10の挿入管部11に被嵌された状態になる。
ただしそのためには、図5に示されるように、まず操作部12からカバー環14を取り外して、操作部12の端部に設けられている取付台座部15に連結アダプタ部22を嵌合させる手順がとられる。16と28は、取付台座部15に嵌合した連結アダプタ部22が軸線方向に抜け出さないように、互いに係合する係合ピンと係合溝である。
シース部21は、連結アダプタ部22に対しねじ込みにより着脱自在である。具体的には、シース部21の基端に設けられた雄ねじ管部26が、連結アダプタ部22の端部に設けられたシース取付筒体25に対して螺合/分離自在な構成になっている。
27は、その螺脱操作を行う際に指先で把持するための摘まみである。なお、シース取付筒体25は連結アダプタ部22に対して軸線方向に一定範囲だけ可動に構成されており、その詳細については後述する。
図6は、シース装置20の構造を詳細に示している。可撓管部21Fは、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のような可撓性チューブで形成されており、内視鏡10の湾曲部11Bの屈曲動作に追従して屈曲するように、内視鏡10の湾曲部11Bより少し長めに形成されている。ただし、少なくとも湾曲部11Bに被嵌される部分全体が、可撓管部21Fになるように形成されていればよい。
可撓管部21Fは、例えば図7に拡大図示されるように、螺旋状の波形の断面形状等に形成することにより、可撓性を増大させることができる。ただし可撓管部21Fは、吸引口金23から吸引圧が作用した場合に、その吸引圧で潰れてしまわない程度の剛性を保有する必要がある。
そのような可撓管部21Fと硬質パイプ部21Hとの連結部21Cは、例えば図8に示されるように、可撓管部21Fの端部が硬質パイプ部21Hの端部に重ね合わされて接着された部分を、ばね性のある連結リング21cできつく締め付け固定した構成になっている。
図6に戻って、硬質パイプ部21Hの基端には摘まみ27が溶接等で強固に連結固定されている。雄ねじ管部26は摘まみ27と一体に形成されている。このようにして、シース部21の先端面21aから雄ねじ管部26までの部材が、一本の真っ直ぐな管状に形成されている。
連結アダプタ部22内とシース取付筒体25内は、内視鏡10の挿入管部11が支障なく隙間をあけて通過するように、シース部21に対して真っ直ぐな貫通孔31になっていて、吸引口金23と送水口金24とが、各々貫通孔31に連通するように外方に突出して取り付けられている。
連結アダプタ部22の基端(図6において右端)には、内視鏡10の取付台座部15に嵌合する嵌合孔32が形成され、その側壁部分に前述の係合溝28が形成されている。33は、取付台座部15との嵌合部を水密にシールするためのシール用のOリングである。
円筒状に形成されているシース取付筒体25は、軸線方向にスライド自在に連結アダプタ部22側の受け孔に嵌合していて、その嵌合部に弾力性のあるシール用のOリング34が装着されている。
また、シース取付筒体25の外周部には、軸線と平行方向に直進溝35が形成され、連結アダプタ部22側に設けられたガイドピン29がその直進溝35に係合して、シース取付筒体25の軸線方向移動範囲を規制している(ストッパ手段29,35)。
シース部21の基端側の雄ねじ管部26と螺合するようにシース取付筒体25の端部に形成された雌ねじ孔の奥端位置には、雄ねじ管部26の先端で押圧されるシール用のOリング36が配置されて、その部分を水密にシールしている。
このような構成により、シース部21の基端が着脱自在に取り付けられるシース取付筒体25は、ガイドピン29が直進溝35と係合する範囲において連結アダプタ部22に対し軸線方向にスライド自在である。
したがって、シース取付筒体25に連結されたシース部21が、シース取付筒体25と共に軸線方向にスライドする。なお、そのスライド動作に対しては、押し潰された状態に装着されているOリング34によって適度な摩擦抵抗が付与される。
また、図9に示されるように、雄ねじ管部26とシース取付筒体25との螺合を解くことにより、シース部21側を連結アダプタ部22側と分離することができる。したがって、可撓管部21Fが再使用できないほどに損傷した場合等には、高コストの連結アダプタ部22側の部材を交換することなく、シース部21側だけを交換することができ、優れた経済性を有する。
図6に示されるように、連結アダプタ部22には、シース取付筒体25を軸線方向に駆動操作することにより、シース部21を連結アダプタ部22に対し軸線方向に進退操作することができるシース進退操作レバー40(操作レバー)が設けられている。
ピストルの引き金状に形成されたシース進退操作レバー40は、連結アダプタ部22に支持された支軸41を中心に回動自在に連結アダプタ部22に取り付けられており、図6に実線で記載されている待機位置にシース進退操作レバー40を戻す板ばね42(付勢手段)が設けられている。
弾力性に富むバネ材で略「て」の字状に曲げて形成された板ばね42は、一端側がシース進退操作レバー40の先端部分に連結されて、他端側がシース取付筒体25に連結されており、二つのガイド部材43が板ばね42の中間領域に沿って連結アダプタ部22に突設されている。
そのような構成により、シース進退操作レバー40が待機状態にある時は、シース部21が軸線方向可動範囲の後端位置にある。そして、矢印Aで示されるように、シース進退操作レバー40が板ばね42の付勢力に抗して支軸41を中心に回動操作されて二点鎖線で示された状態になると、板ばね42が弾性変形して、矢印Bで示されるように、シース取付筒体25が前方方向に押し出される。
そのようにして、直進溝35内でガイドピン29が移動できる範囲において、シース取付筒体25が前方(図6において左方)に移動すると、それと共にシース部21が軸線方向可動範囲の前方方向に移動する。
そして、シース進退操作レバー40に加えられていた操作力が除かれると、板ばね42の付勢力によって、シース進退操作レバー40及びシース取付筒体25が待機状態に戻って、シース部21が元の位置に後退する。
図1と図2は、シース部21内に内視鏡10の挿入管部11が通されて、連結アダプタ部22の係合溝28に、取付台座部15の係合ピン16が係合して係止された状態を示している。
この状態にするために、図10に示されるように、L字状に形成された係合溝28に係合ピン16を係合させて、連結アダプタ部22を軸線周り方向に回転させることにより、連結アダプタ部22が取付台座部15に対して軸線方向に移動できない状態になる。
図11は、その状態において、挿入管部11の先端面11aとシース部21の先端面21aを正面から見た状態を示している。11Vと11Lは、挿入管部11の先端面11aに配置されている観察窓と照明窓である。シース部21内に通された挿入管部11の外周面とシース部21の内周面との間には隙間Δが形成され、その隙間Δが、送液や吸引等を行うための流路として利用される。
図1と図2に示されるように、シース部21内に挿入管部11が通された状態でシース進退操作レバー40が操作されて、連結アダプタ部22に対しシース取付筒体25が軸線方向にスライドされ、シース部21が挿入管部11に対して軸線方向に移動すると、挿入管部11の先端面11aに対するシース部21の先端面21aの位置が変化する。
そのような動作において、シース部21の先端面21aが、挿入管部11の先端面11aの後方側に比べて前方側に大きく移動する。即ち、Q>Pである。シース部21の先端面21aは、挿入管部11の先端の観察窓11Vを通して得られる内視鏡観察像の周辺部分がシース部21により遮られた状態になる程度まで、挿入管部11の先端面11aの前方側にQだけ大きく移動させることができる。
図12と図13はそのような先端側の状態を示しており、内視鏡10の挿入管部11とシース装置20のシース部21が真っ直ぐな状態(図12)及び屈曲した状態(図13)のいずれの場合においても、シース進退操作レバー40でシース部21を連結アダプタ部22に対し軸線方向に移動させる操作をすることによって、シース部21の先端面21aが挿入管部11の先端面11aより前方に位置する状態と後方に位置する状態になる。
即ち、操作者は、シース装置20のシース部21の先端面21aが内視鏡10の挿入管部11の先端面11aより前方に位置する状態と後方に位置する状態とを、シース進退操作レバー40を操作することによりいつでも任意に選択することができる。
このようにして、シース部21の先端面21aが挿入管部11の先端面11aより後方に退避した状態をいつでも確保することができるので、周辺までの広範囲の観察が必要な場合等には、シース部21で遮られることのない良好な内視鏡観察像を得ることができる。
また、シース部21の先端面21aが挿入管部11の先端面11aより前方に大きく突出した状態にすることができることにより、観察窓11Vの表面が汚れた場合や、観察目標部が多量の体液中に潜ってしまっている場合等に、汚液や体液等を効果的に吸引除去することができる。
図14はその一例を示しており、内視鏡観察中に挿入管部11の先端面11aの周囲が体液100中等に突入した場合には、シース部21をスライドさせることなく、体液100等を吸引除去することができる。
また、図15に示されるように、特定の部位の体液100等を除去したい場合には、シース進退操作レバー40を操作することにより、シース部21を挿入管部11に対し大きく前方にスライドさせて先端面11aより突出させた状態にして、体液100等を吸引除去することができる。
また、図16に示されるように、特定部位の洗浄を行いたい場合には、やはりシース進退操作レバー40を操作することにより、シース部21を挿入管部11に対し前方に大きくスライドさせた状態にして、シース部21の先端面21aから送水を行うことにより任意に洗浄を行うことができる。
図17に示されるように、挿入管部11の先端面11aの先端に汚液200等が付着して観察状態が悪化した場合には、シース進退操作レバー40を操作することにより、シース部21を挿入管部11に対し大きく前方にスライドさせて内視鏡10の挿入管部11の先端面11aより突出させた状態にし、シース部21の先端面21aから送水を行う。
そして、シース部21の先端内に水を充満させてから、その水を吸引口金23側から吸引することにより、図18に示されるように、汚液200も一緒に吸引除去されて、良好な観察状態にすることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図19に示されるように、シース部21の先端面21aの先端縁が径方向に内方に向けて窄まった形状(ただし、挿入管部11の外周との間の隙間が確保される形状)に形成されていてもよい。このように構成すると、図17に示される洗浄操作の際に、シース部21の先端内に水を貯留し易くなる。
また、挿入管部11の先端部分の内表面を粗面に形成して、水が貯留され易くなるようにしてもよい。
10 内視鏡
11 挿入管部
11a 先端面
11B 湾曲部
11H 硬質部
11V 観察窓
12 操作部
15 取付台座部
16 係合ピン
20 シース装置
21 シース部
21a 先端面
21F 可撓管部
21H 硬質パイプ部
22 連結アダプタ部
23 吸引口金
24 送水口金
25 シース取付筒体
26 雄ねじ管部
27 摘まみ
28 係合溝
29 ガイドピン(ストッパ手段)
32 嵌合孔
34 Oリング
35 直進溝(ストッパ手段)
40 シース進退操作レバー(操作レバー)
41 支軸
42 板ばね(付勢手段)
43 ガイド部材

Claims (15)

  1. 挿入管部の先端面に観察窓が配置されて上記挿入管部の基端に操作部が連結された構成を有する内視鏡に着脱自在に取り付けられる内視鏡用シース装置であって、上記挿入管部に緩く被嵌されるシース部の基端に、上記操作部に対し係脱自在に連結される連結アダプタ部が取り付けられた内視鏡用シース装置において、
    上記連結アダプタ部に少なくとも吸引口金が設けられて、上記シース部が上記連結アダプタ部に対し軸線方向に可動に構成されると共に、
    上記シース部を上記連結アダプタ部に対し軸線方向に進退操作するための操作レバーが上記連結アダプタ部に設けられ、
    上記連結アダプタ部が上記内視鏡の操作部に連結された状態で、上記操作レバーを操作することによって、上記シース部の先端面が上記内視鏡の挿入管部の先端面より前方に位置する状態と後方に位置する状態とを選択することができることを特徴とする内視鏡用シース装置。
  2. 上記シース部の先端側の部分が可撓管で形成されている請求項1記載の内視鏡用シース装置。
  3. 上記操作部からの遠隔操作により屈曲する湾曲部が上記内視鏡の挿入管部の先端付近に設けられていて、上記可撓管が、上記湾曲部の屈曲動作に追従して屈曲するように、上記シース部のうち少なくとも上記湾曲部に被嵌される部分に形成されている請求項2記載の内視鏡用シース装置。
  4. 上記可撓管が真っ直ぐな状態及び屈曲した状態のいずれの場合においても、上記操作レバーを操作することによって、上記シース部の先端面が上記内視鏡の挿入管部の先端面より前方に位置する状態と後方に位置する状態とを選択することができる請求項2又は3記載の内視鏡用シース装置。
  5. 上記シース部のうち上記可撓管以外の部分が硬質パイプで形成されている請求項2ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡用シース装置。
  6. 上記シース部の先端面が、上記挿入管部の先端面の後方側に比べて前方側に大きく移動できるように構成されている請求項1ないし5のいずれかの項に記載の内視鏡用シース装置。
  7. 上記シース部の先端面が上記挿入管部の先端面の前方側に移動した時、上記観察窓を通して得られる内視鏡観察像の周辺部分が上記シース部によって遮られる状態になる請求項1ないし6のいずれかの項に記載の内視鏡用シース装置。
  8. 上記シース部の先端縁が径方向に窄まった形状に形成されている請求項1ないし5のいずれかの項に記載の内視鏡用シース装置。
  9. 上記シース部の基端が上記連結アダプタ部に対し着脱自在に取り付けられている請求項1ないし8のいずれかの項に記載の内視鏡用シース装置。
  10. 上記シース部の基端が着脱自在に取り付けられるシース取付筒体が軸線方向に可動に上記連結アダプタ部に設けられていて、上記シース取付筒体に取り付けられた上記シース部が上記シース取付筒体と共に軸線方向に可動である請求項9記載の内視鏡用シース装置。
  11. 上記連結アダプタにおける上記シース取付筒体の軸線方向移動範囲を規制するストッパ手段が設けられている請求項10記載の内視鏡用シース装置。
  12. 上記シース取付筒体が、上記連結アダプタ部に形成されている受け孔にスライド自在に嵌合していて、その嵌合部に弾力性のあるOリングが装着されている請求項10又は11記載の内視鏡用シース装置。
  13. 上記シース取付筒体が上記操作レバーにより軸線方向に駆動操作される請求項10、11又は12記載の内視鏡用シース装置。
  14. 上記操作レバーが、支軸を中心に回動自在にピストルの引き金状に上記連結アダプタに取り付けられて、上記操作レバーを待機位置に戻すための付勢手段が設けられている請求項1ないし13のいずれかの項に記載の内視鏡用シース装置。
  15. 上記操作レバーが上記待機状態にある時は、上記シース部が軸線方向可動範囲の後端位置にあり、上記操作レバーが上記付勢手段の付勢力に抗して回動操作されると、上記シース部が軸線方向可動範囲の前方方向に移動する請求項14記載の内視鏡用シース装置。
JP2009112430A 2009-05-07 2009-05-07 内視鏡用シース装置 Pending JP2010259609A (ja)

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