JP2010259131A - 電動機駆動装置およびこれを具備した空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御が不安定な兆候を検出し回転数を下げる事で負荷の運転を停止させること無く継続すること可能にする電動機駆動装置の提供を目的とする。
【解決手段】電動機駆動装置3は、電動機4に流れる電流を検出する電流検出部9と、目標速度ω*と電動機4の回転速度ω1との速度誤差から電流指令値I*を作成する速度制御部11と、電流指令値I*と検出された電流値との電流誤差から電圧指令値v*を作成する電流制御部12と、回転子位置速度推定部15の出力から安定性を判断する安定性判断部16と、安定性判断部16の出力から速度制御部11へ減速を指示する減速指示部17とを備え、この安定性判断部16と減速指示部17と速度制御部11により、制御が不安定となる兆候を捉え回転数を下げる事により制御を安定させ、脱調による停止を防ぐため、負荷の運転を継続する事ができる。
【選択図】図1
【解決手段】電動機駆動装置3は、電動機4に流れる電流を検出する電流検出部9と、目標速度ω*と電動機4の回転速度ω1との速度誤差から電流指令値I*を作成する速度制御部11と、電流指令値I*と検出された電流値との電流誤差から電圧指令値v*を作成する電流制御部12と、回転子位置速度推定部15の出力から安定性を判断する安定性判断部16と、安定性判断部16の出力から速度制御部11へ減速を指示する減速指示部17とを備え、この安定性判断部16と減速指示部17と速度制御部11により、制御が不安定となる兆候を捉え回転数を下げる事により制御を安定させ、脱調による停止を防ぐため、負荷の運転を継続する事ができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブラシレスDCモータなどの電動機を任意の回転数で駆動する電動機駆動装置に関するものである。
近年、空気調和装置における圧縮機などの電動機を駆動する装置においては、地球環境保護の観点から消費電力を低減する必要性が大きくなっている。その中で、省電力の技術の一つとして、ブラシレスDCモータのような効率の高い電動機を任意の周波数で駆動するインバータなどが広く一般に使用されている。さらに、駆動する技術としては、矩形波状の電流により駆動を行う矩形波駆動に対して、より効率が高く、騒音も低くすることが可能な正弦波駆動技術が注目されている。
空気調和装置における圧縮機のような電動機を駆動する場合、電動機の回転子の位置を検出するセンサを取りつけることが困難であるため、回転子の位置を何らかの方法で推定しながら駆動を行う位置センサレス正弦波駆動の技術が考案されている。回転子の位置を推定する方法としては、電動機の固定子巻線に生ずる誘起電圧を推定することにより行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図4に特許文献1の電動機駆動装置のシステム構成を示す。電動機駆動装置3は、複数のスイッチング素子5a〜5fと対をなす還流ダイオード6a〜6bからなるインバータ5と、直流電圧検出部10と、速度制御部11と、電流制御部12と、PWM信号生成部13、誘起電圧推定部14と、回転子位置速度推定部15とを備える。
交流電源1からの入力電圧は整流回路2で直流に整流され、その直流電圧は交流直流変換部5により3相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスDCモータである電動機4が駆動される。
電動機駆動装置3では、外部より与えられる目標速度を実現するべく、速度制御部11は目標速度ω*と現在の速度ω1(回転子位置速度推定部15により推定された推定速度の現在値)との速度誤差Δωがゼロとなるように比例積分制御(以下、PI制御という)により電流指令値I*を演算する。
電流制御部12は速度制御部11により演算された電流指令値I*に基づいて作成される固定子巻線の相電流指令値と、電流検出器7a、7bおよび電流検出部9から得られる電流検出値との電流誤差がゼロとなるようにPI制御により電圧指令値v*を演算する。誘起電圧推定部14は電流検出器7a、7bおよび電流検出部9により検出された電動機4の電流検出値と、電圧指令値v*と、分圧抵抗8a、8bおよび直流電圧検出部10により検出されたインバータ5の直流電圧の情報とに基づいて、電動機4の固定子巻線の各相に生じた誘起電圧を推定する。
回転子位置速度推定部15は、誘起電圧推定部14により推定された誘起電圧を用いて電動機4における回転子磁極位置および速度を推定する。この推定された回転子磁極位置の情報に基づいて、電流制御部12では、インバータ5が電圧指令値v*を出力するために、スイッチング素子5a〜5fを駆動するための信号が生成され、その駆動信号はPWM信号生成部13により、スイッチング素子5a〜5fを電気的に駆動するためのドライブ信号に変換される。ドライブ信号により各スイッチング素子5a〜5fが動作する。
以上の構成によって、位置センサレス正弦波駆動を行っている。
しかしながら、実際のモータ駆動では、実際のモータのモータパラメータのバラツキや外乱などにより、回転子磁極位置の推定に破綻をきたし、その結果脱調を引き起こし停止するという場合がある。この場合は、一旦モータ駆動を停止させ、再起動を実施するシーケンスとなる。
しかしながら、実際のモータ駆動では、実際のモータのモータパラメータのバラツキや外乱などにより、回転子磁極位置の推定に破綻をきたし、その結果脱調を引き起こし停止するという場合がある。この場合は、一旦モータ駆動を停止させ、再起動を実施するシーケンスとなる。
この脱調が発生した場合の判定方法としては、特許文献2に示すように脱調判定の精度を上げて脱調の誤判定をなくするものがある。
しかしながら、上記従来の技術では、脱調が発生した場合には、空気調和装置の運転を停止させ、再度立ち上げる事となりその間運転は停止してしまうという不具合は解消されない。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、その目的は、運転中の安定度を、推定した回転子磁極位置の変動から不安定となる兆候を検出し、不安定の兆候を発見した場合には、回転数を下げる事により負荷を下げ安定駆動を継続させることができるモータ(電動機)駆動装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動機駆動装置は、高圧側に配置された上アームスイッチング素子と低圧側に配置された下アームスイッチング素子からなるスイッチング素子対を複数有し、各スイッチング素子の動作により直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電圧に変換し、複数相の電動機にその駆動電圧として供給するインバータと、外部から与えられる電動機の目標速度と電動機の回転速度との速度誤差から電動機の電流指令値を作成する速度制御部と、電流制御部に対し進角指令値を作成する進角指示部と、電動機の固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、電流指令値と電流検出部により検出された電流検出値との電流誤差と回転子位置速度推定部の推定した回転子磁極位置から電動機の電圧指令値を作成する電流制御部と、電圧指令値に基づいて、インバータの各スイッチング素子の動作を制御するPWM信号を作成するPWM信号生成部と、電動機の運転状態の安定性を判断する安定性判断部と、安定性判断部の結果に基づいて速度制御部に対して減速を指令する減速指示部とを備えるものである。
この安定性判断部と減速指示部と速度制御部によって、脱調を回避し運転を継続する事ができる。
本発明の電動機駆動装置は、電動機の制御不安定の兆候を検出した場合は回転数を低下させる事で未然に脱調を防ぐ事により継続運転を実現できる。
第1の発明は、高圧側に配置された上アームスイッチング素子と低圧側に配置された下アームスイッチング素子からなるスイッチング素子対を複数有し、各スイッチング素子の動作により直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電圧に変換し、複数相の電動機にその駆動電圧として供給するインバータと、外部から与えられる前記電動機の目標速度と電動機の回転速度との速度誤差から電動機の電流指令値を作成する速度制御部と、電動機の固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、電流指令値と電流検出部により検出された電流検出値との電流誤差と回転子位置速度推定部の推定した回転子磁極位置から電動機の電圧指令値を作成する電流制御部と、電圧指令値に基づいて、インバータの各スイッチング素子の動作を制御するPWM信号を作成するPWM信号生成部と、電動機の運転状態の安定性を判断する安定性判断部と、安定性判断部の結果に基づいて速度制御部に対して減速を指令する減速指示部とを備えることにより、電動機の制御不安定の兆候を検出した場合は回転数を低下させる事で未然に脱調を防ぐ事ができる。
第2の発明は、特に第1の発明の安定性判断部における安定性の判断を、回転子位置速度推定部の推定した回転子磁極位置の変動から判断することにより、従来制御に対し複雑な処理を追加する事無く安定性の判断を実施する事ができる。
第3の発明は、第1または第2に記載の電動機駆動装置によって駆動する圧縮機を空気調和装置に用いたものである。これによって、未然に脱調を防ぐことができるため空気調和装置の継続運転を実現でき、信頼性の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電動機駆動装置のシステム構成図を示すものである。図1において、電動機駆動装置3は、複数のスイッチング素子5a〜5fと対をなす還流ダイオード6a〜6bからなるインバータ5と、電圧検出部10と、速度制御部11と、電流制御部12と、PWM信号生成部13と、誘起電圧推定部14と、回転子位置速度推定部15と、安定性判断部16と、減速指示部17とを備える。
図1は、本発明の実施の形態1における電動機駆動装置のシステム構成図を示すものである。図1において、電動機駆動装置3は、複数のスイッチング素子5a〜5fと対をなす還流ダイオード6a〜6bからなるインバータ5と、電圧検出部10と、速度制御部11と、電流制御部12と、PWM信号生成部13と、誘起電圧推定部14と、回転子位置速度推定部15と、安定性判断部16と、減速指示部17とを備える。
交流電源1からの入力電圧は整流回路2で直流に整流され、その直流電圧はインバータ5により3相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスDCモータである電動機4が駆動される。
電動機駆動装置3に示す安定性判断部16の動作を図2のフローチャートを用いて説明する。
ステップ1では、回転子位置速度推定部15が出力する回転子磁極位置θ1により電気角が一周期を越えたかどうかを判断する。超えた場合はステップ2へ進み、超えていない場合はステップ8へ進む。
ステップ8では前回のθ1と今回のθ1の差分Δθ(Δθ=今回θ1−前回θ1)を計算し、Δθの最大値(Δθmax)と最小値(Δθmin)を更新し終了する。
ステップ2では、ステップ8で更新した現時点のΔθの最大値(Δθmax)と最小値(Δθmin)を抽出し、ステップ3へ進む。
ステップ3では、現在の基準Δθ(Δθref)を計算し、ステップ4へ進む。Δθrefは現在の速度指令値から演算周期毎の進む角度を計算したものである。
ステップ4では、Δθの変動率(Δθerr)を下記演算式(1)に従い計算し、ステップ5へ進む。
Δθerr=(Δθmax−Δθmin)÷Δθref・・・・・(1)
ステップ5では、ΔθmaxとΔθminをクリアしてステップ6へ進む。
ステップ5では、ΔθmaxとΔθminをクリアしてステップ6へ進む。
ステップ6では、Δθerrが変動率制限閾値(Δθlimit)以上かどうかを判断する。以上の場合はステップ7へ進み未満の場合はステップ9へ進む。ステップ7では不安定な兆候を検出したため、減速指示部17に対し制御不安定信号を出力し終了する。
ステップ9では、制御は安定状況であるので減速指示部17に対し制御安定信号を出力し終了する。
次に減速指示部17の動作を図3に示すフローチャートで説明する。
ステップ1で、安定性判断部16からの不安定入力信号の有無を判定する。不安定入力信号がある場合はステップ2へ進み、無い場合はステップ3へ進む。ステップ2では、現在の制御状態から不安定の兆候を検出したため、減速させるための要求を速度制御部11に出力し終了する。ステップ3では現在の制御状態が安定であるためそのまま終了する。
速度制御部11は、通常は外部より与えられる目標速度を実現するべく、目標速度ω*と現在の速度ω1(回転子位置速度推定手段15により推定された推定速度の現在値)との速度誤差Δωがゼロとなるように、PI制御により電流指令値I*を演算する。
一方、減速指示部17から減速指示が有る場合は、外部より与えられる目標速度には従わず、減速処理を実施する。減速実施後に減速指示部17からの減速指令が解除された場合には、通常の外部より与えられる目標速度に従った加減速に移行する。
電流制御部12は回転子位置速度推定部15から出力された回転子磁極位置θ1と速度制御部11により演算された電流指令値I*に基づいて作成される固定子巻線の相電流指令値と、電流検出器7a、7bおよび電流検出部9から得られる電流検出値との電流誤差がゼロとなるようにPI制御により電圧指令値v*を演算する。
誘起電圧推定部14は、電流検出器7a、7bおよび電流検出部9により検出された電動機4の電流検出値と、電圧指令値v*と、分圧抵抗8a、8bおよび直流電圧検出部10により検出されたインバータ5の直流電圧の情報とに基づいて、電動機4の固定子巻線の各相に生じた誘起電圧を推定する。
回転子位置速度推定部15は、誘起電圧推定部14により推定された誘起電圧を用いて電動機4における回転子磁極位置および速度を推定する。
この推定された回転子磁極位置の情報に基づいて、電流制御部12では、インバータ5が電圧指令値v*を出力するために、スイッチング素子5a〜5fを駆動するための信号が生成され、その駆動信号はPWM信号生成部13により、スイッチング素子5a〜5fを電気的に駆動するためのドライブ信号に変換される。ドライブ信号により各スイッチング素子5a〜5fが動作する。
なお、図1では電動機4の相電流を検出する2つの電流検出器7a、7bを備え、回転子磁極位置速度の推定に使用しているが、インバータ5の入力側の直流電流(インバータ5の母線電流)から電動機4の相電流を検出するなどの手段を用いても良いことは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる電動機駆動装置は、電動機の制御安定性を判定し、制御が不安定の兆候を検出した場合は事前に回転数を低下させる事により、脱調による一時運転停止を回避することが可能となるので連続運転が必要となる各種の用途に適用できる。
1 交流電源
2 整流回路
3 電動機駆動装置
4 電動機
5 インバータ
5a〜5f スイッチング素子
9 電流検出部
11 速度制御部
12 電流制御部
13 PWM信号生成部
16 安定性判断部
17 減速指示部
2 整流回路
3 電動機駆動装置
4 電動機
5 インバータ
5a〜5f スイッチング素子
9 電流検出部
11 速度制御部
12 電流制御部
13 PWM信号生成部
16 安定性判断部
17 減速指示部
Claims (3)
- 高圧側に配置された上アームスイッチング素子と低圧側に配置された下アームスイッチング素子からなるスイッチング素子対を複数有し、各スイッチング素子の動作により直流電圧を所望の周波数、電圧の交流電圧に変換し、複数相の電動機にその駆動電圧として供給するインバータと、外部から与えられる前記電動機の目標速度と前記電動機の回転速度との速度誤差から前記電動機の電流指令値を作成する速度制御部と、前記電動機の固定子巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流指令値と前記電流検出部により検出された電流検出値との電流誤差と回転子位置速度推定部の推定した位置から前記電動機の電圧指令値を作成する電流制御部と、前記電圧指令値に基づいて、前記インバータの各スイッチング素子の動作を制御するPWM信号を作成するPWM信号生成部と、前記電動機の運転状態の安定性を判断する安定性判断部と、前記安定性判断部の結果に基づいて前記速度制御部に対して減速を指令する減速指示部とを備えたことを特徴とする電動機駆動装置。
- 安定性判断部は、回転子位置速度推定部の推定した回転子磁極位置の変動から電動機の制御安定性を判断する事を特徴とする請求項1に記載の電動機駆動装置。
- 請求項1または2に記載の電動機駆動装置によって駆動する圧縮機を具備した空気調和装置。
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JP2009102610A JP2010259131A (ja) | 2009-04-21 | 2009-04-21 | 電動機駆動装置およびこれを具備した空気調和装置 |
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2009
- 2009-04-21 JP JP2009102610A patent/JP2010259131A/ja active Pending
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