JP2010256261A - 結晶方位同定システム及び透過電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、電子線回折像を用いて、微小な結晶粒の結晶方位解析を可能にし、また、解析を自動化することにより、多点の結晶方位を迅速に解析することを目的とする。
【解決手段】本発明は、電子線を試料に照射して透過電子を検出する透過電子顕微鏡において、前記透過電子顕微鏡は、前記試料の電子線回折像を撮像する電子線回折像撮像部と、前記試料の組成情報を取得する検出部と、前記電子線回折像から格子面間隔の情報を取得する解析部と、前記取得された組成情報と前記格子面間隔の情報から試料の同定を行う物質同定部と、前記同定された試料の情報から、前記試料の回折像を演算する演算部と、を有し、当該演算された回折像と前記電子線回折像とのずれ量に基づいて、前記試料の結晶方向を特定することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透過電子顕微鏡、及び、結晶性試料の電子線回折像から結晶方位を同定する結晶方位同定システムを有する透過電子顕微鏡に関する。
結晶性試料の結晶方位の解析手法として、従来からX線を用いたX線回折装置が用いられている。
また、電子線を用いた結晶方位の解析手法として、走査型電子顕微鏡(SEM)ではEBSP(Electron Back-Scattering Pattern),ECP(Electron Channeling Pattern)を解析する方法が存在し、透過型電子顕微鏡(TEM)では菊池パターン,CBED(Convergent Beam Electron Diffraction),電子線回折像を解析する手法が存在する。
一例として、EBSP解析法は、擬菊池パターンを用いた手法であり、擬菊池パターンが結晶方位に敏感に反応するため、結晶粒の方位解析に利用されてきた。試料として圧延により製造された銅線や鋼板の内部結晶粒子の配向性を解析するのに使用されている。
また、電子線回折像を解析する手法として、特許文献1や特許文献2がある。
特開2006−258825号公報 特開昭59−163548号公報
近年、材料・デバイスの微細化が進み、微細構造の結晶配向性が注目されている。例えばHDDの磁性膜の結晶配向性や結晶粒の結合角度を測定するために、直径10nm程度の粒子の結晶方位解析をする必要が出てきた。
TEMでは、電子ビームを細く(数nm径)絞ることができるため、電子ビーム径の観点から結晶方位解析に適している。しかし、菊池パターン,CBEDを用いた解析では、解析可能な試料に条件(試料厚さ,方位,組成)があり、すべての試料で結晶方位の解析ができるわけではなかった。
この点、電子線回折像は電子線が透過する試料であれば観察することができるため、菊池パターン,CBEDのように試料厚さなどの試料の制限は少ない。電子線回折像も試料の結晶構造を反映した像であるため、EDXなどの元素分析装置とともに、物質同定に利用されてきた(例えば、特許文献1)。
しかし、電子線回折像を用いた結晶方位の決定手法については困難であった。特許文献1の手法では電子線回折像は物質同定のための情報を得るために使用されており、結晶方位についての言及はなされていない。また、電子線回折像を用いた方法でも、回折像を撮影し、解析することで、結晶方位を求めることは可能であるが、各点で回折像の撮影,解析を行うため、結晶配向性の解析に必要な多点の結晶方位解析をすることは労力および時間の関係上、困難であった。
特許文献2の手法では、対称性の高い回折図形の方位(低次晶帯軸)を求めることはできるが、低次晶帯軸から例えば5度程度ずれた場合の方位も低次晶帯軸の方位と算出されてしまう。なぜならば数度のずれでは回折スポットの強度が変わるだけでその出現位置は変化しない。よって、結晶の特定の方位しか解析できず、正確な結晶方位の特定はできない。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、電子線回折像を用いて、微小な結晶粒の結晶方位解析を可能にし、また、解析を自動化することにより、多点の結晶方位を迅速に解析することを目的とする。
本発明は、電子線を試料に照射して透過電子を検出する透過電子顕微鏡において、前記透過電子顕微鏡は、前記試料の電子線回折像を撮像する電子線回折像撮像部と、前記試料の組成情報を取得する検出部と、前記電子線回折像から格子面間隔の情報を取得する解析部と、前記取得された組成情報と前記格子面間隔の情報から試料の同定を行う物質同定部と、前記同定された試料の情報から、前記試料の回折像を演算する演算部と、を有し、当該演算された回折像と前記電子線回折像とのずれ量に基づいて、前記試料の結晶方向を特定することを特徴とする。
電子線回折像を用いて自動で迅速に微小領域の結晶方位が同定できる。特に、低次晶帯軸から数度ずれた場合でも、正確な結晶方位の特定ができる。
本発明による物質同定システムの主な処理手順を示した説明図。 電子線回折像の説明図。 本発明による結晶方位同定システムの一例の概略構成図。 本発明による結晶方位同定システムの主な処理手順を示したフローチャート。 電子線が晶帯軸から入射する場合のエワルド球,逆格子点,電子線,電子線回折像の関係を示した模式図。 電子線が図5の場合より晶帯軸から少しずれた位置から入射する場合のエワルド球,逆格子点,電子線,電子線回折像の関係を示した模式図。 電子線回折像の強度重心,透過波スポット,晶帯軸の位置関係を示した模式図。 強度重心位置,傾斜方向を示した電子線回折像の一例を示す図。 図8から求めた晶帯軸のときのシミュレーション回折像と傾斜方向を示す図。 図9のシミュレーション回折像をシミュレーションにより試料を傾斜方向に傾けた後のシミュレーション回折像とシミュレーション回折像の強度重心位置を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
図3は本発明による結晶方位同定システムの一例の概略構成図である。
この結晶方位同定システムは、電子線装置1,EDX分析部2,電子線回折像解析部3,結晶構造のデータベースを備えた物質同定部4,結晶構造データを用いてシミュレーションにより回折像を作図できる機能を備えた結晶方位解析部5を備える。
電子線装置1は、電子銃12,コンデンサーレンズ13,対物レンズ14,投射レンズ24を備える。コンデンサーレンズ13と対物レンズ14の間には、電子線装置制御部19の制御下にある走査電源18から給電される走査コイル27が配置されている。対物レンズ14は強励磁により前磁場14aと後磁場14bの2つのレンズ作用を有し、対物レンズ14の前磁場14aと後磁場14bの間には、試料微動装置26により可動な試料ホルダ25に装着された試料15が挿入される。
試料15の上方、走査コイル27の下方には二次電子検出器6が配置されている。投射レンズ24の下方には、円環状の暗視野像検出器8が配置され、暗視野像検出器8の下方には明視野像検出器7が光軸から出し入れ可能に設置されている。検出器6,7,8は、それぞれ信号増幅器16,20,21を介して、CRT等の走査像表示部17に接続される。走査像表示部17には走査電源18からの走査信号も入力される。明視野像検出器7の下方には、電子線回折像検出器10が配置されている。電子線回折像検出器10は、電子線回折像解析部3を介して電子線回折像表示モニター11に接続されている。
電子線解析像解析部3は電子線装置制御部19および結晶方位解析部5とデータの通信が可能なように接続されている。また、対物レンズ14の上方には、電子線照射によって試料から発生された特性X線を検出するためのEDX検出器9が配置されており、EDX検出器9はEDX分析部2に接続されている。なお、電子線装置制御部19,EDX分析部2,結晶方位解析部5および電子線回折像解析部3は、それぞれ物質同定部4とデータの通信が可能なように接続されている。
図1は結晶方位同定システムの主な処理手順を示した説明図である。
(1)まず、電子線装置1で試料の測定領域に電子線を照射し、試料形状および構造を二次電子検出器6,明視野像検出器7または暗視野像検出器8にて二次電子像,明視野像または暗視野像を観察する。結果は電子線装置制御部19に保存される。
(2)走査電子線を試料の測定対象となる領域に停止する。このとき形成された電子線回折像は電子線回折像検出器10で取り込まれる。回折像観察結果は電子線回折像表示モニター11上に表示される。回折像観察記録は電子線回折像解析部3に保存される。保存と同時に、その画像ファイル名または画像データが物質同定部4に入力される。
次に、電子線回折像から測定値Rを求め、結晶の格子面間隔dを求める。図2は電子線回折像の一例である。ここで、測定値Rは透過波スポットと回折波スポットの距離を示す。格子面間隔dはd=Lλ/Rで与えられる。Lはカメラ長、λは電子線の波長であり、Lλは定数であるので、Lλを既知の物質のd,Rを使って予め求めておけば、測定値Rから格子面間隔dを算出することができる。算出された結晶の格子面間隔値は電子線回折像解析部3に保存され、そのデータが物質同定部4に入力される。
(2′)電子線回折像撮影と同時にEDX分析を開始する。得られたEDXスペクトルはEDX分析部2に保存される。保存と同時に、そのファイル名またはEDXスペクトルデータが物質同定部4に入力される。
EDXスペクトルから電子線照射領域の試料の構成元素を求める。得られた組成データはEDX分析部2に保存されると同時に、物質同定部4に入力される。
(3)物質同定部4では上記で得られた結晶の格子面間隔データ及び上記で得られた組成データを照合し、結晶構造データベースから該当する物質を検索する。検索結果は物質同定部4に保存され、その結晶構造データが電子線回折像解析部3及び結晶方位解析部5に入力される。
(4)電子線回折像解析部3では格子面間隔データdと上記で得られた結晶構造データを照合し、電子線回折像の低次晶帯軸を求める。晶帯軸とは、結晶において、ある方向に平行な面の群を晶帯といい、その方向のことをいう。ここでは晶帯軸[uvw]のうち低次(u,v,wの小さい)のを低次晶帯軸と呼ぶことにする。照合結果は電子線回折像解析部3に保存され、結晶方位解析部(回折像演算部)5に入力される。
(5)結晶方位解析部5では、上記で得られた結晶構造データと上記で得られた晶帯軸データからシミュレーション回折像を作図する。シミュレーション回折像は結晶方位解析部5に記憶される。
(6)電子線回折像解析部3では電子線回折像から透過波スポット位置および回折像全体を対象としたpixel強度重心位置を算出する。計算結果は電子線回折像解析部3に記憶され、結晶方位解析部5に入力される。
また、電子線回折像解析部3において電子線回折像のpixel強度重心位置102と透過波スポット位置100から傾斜方向104を求める。結晶方位解析部5にて、傾斜方向104に試料を傾斜させたシミュレーション回折像を作図する。傾斜させたシミュレーション回折像が電子線回折像と等しくなれば、シミュレーション回折像から試料の傾斜角度、つまり結晶方位を読み取る。求めた結晶方位は結晶方位解析部5に保存される。
(7)結晶方位解析部5において、結晶方位および上記一連のデータを、解析箇所を示す固有なラベルで保存する。
図4は結晶方位解析システムの手順を説明するより詳細なフローチャートである。
電子線装置1で試料に電子線を照射し、電子線回折像Imを観察する(S1)。回折像観察結果は電子線回折像解析部3に保存される。図2は観察した電子線回折像の一例である。中央の点が透過波スポット100,周りの規則的に並んだ点が回折波スポット101である。ここで取り込まれる電子線回折像は一般的には不特定の結晶方位からのものである。
ここで、前もって観察した明視野像または暗視野像と観察した電子線回折像の上下左右が同じになるように撮影し保存する機構を持つほうが好ましい。
シミュレーション結晶方位解析の基準を設定するために、Imから低次の晶帯軸Aを求める(S2)。その方法は種々あるが、例えば、格子面間隔,構成元素および結晶構造データから、結晶構造を同定し、晶帯軸を各スポットの面指数から算出する方法があげられる。
結晶構造の同定は特許文献1に詳しい。その方法は、まず、電子線回折像Imから測定値Rを実測し、格子面間隔dを算出する。ここで、測定値Rは透過波スポットと回折波スポットの距離であり(図2)、格子面間隔dはd=Lλ/Rで与えられる。Lはカメラ長、λは電子線の波長であり、Lλは定数であるので、Lλを既知の物質を使って予め求めておけば、測定値Rから格子面間隔dを求めることができる。
次に、EDXなどの元素分析により、電子線照射領域の試料の構成元素を特定する。
次に、JCPDSカード等の結晶構造データと、格子面間隔データおよび組成データを比較し、実測値と一致する結晶を同定する。
低次晶帯軸A[uvw]は、例えば、2つの回折波の面指数(h1 k1 l1),(h2 k2 l2)と数1を用いて計算することができる。
Figure 2010256261
ここで、(a***)は逆空間の基本ベクトルとする。
また、(h1 k1 l1)から(h2 k2 l2)へは反時計回りとする。
よって、求める晶帯軸A[uvw]は
[uvw]=[k1*l2−l1*k2 l1*h2−h1*l2
h1*k2−k1*h2]
となる。ここで、*は積を示す。
予めJCPDSカードなどの結晶構造データ、例えば格子定数,空間群,晶帯軸,原子位置などを保有するデータベースを作成,保存しておくほうが好ましい。
前項で求めた結晶系の晶帯軸Aに対応する回折像をシミュレーションにより作図する(S3)。シミュレーションの条件は回折像Imの撮影条件(加速電圧,カメラ長)と合うように設定する。電子線回折像Imの透過波スポット周辺の回折波スポットとIsの各スポットが一致するように、自動的にシミュレーションに回転操作を実行させる。作図したシミュレーション回折像Isは結晶方位解析部に保存される。
電子線回折像Imの透過波スポットおよび回折波スポットのpixel強度分布から回折像のpixel強度重心位置を求める(S4)。このとき回折像全体の重心を求めてもよいし、HOLZを除いた回折像の重心を求めてもよい。また、透過波は中心の情報を常に持つため、透過波を除いた回折像の重心を求めてもよい。HOLZや透過波を除くメリットは結晶の傾斜を敏感に捉えることができる点が挙げられる。
電子線回折像Imの強度重心位置をPmとする。Pmを求める方法は種々あるが、例えば、画素xの座標を(i,j)で示し、画素xのpixel強度をwijとすると、P(p,q)は数2を用いて算出することができる。
Figure 2010256261
次に、電子線回折像Imが晶帯軸であるかどうかを確かめるため、透過波スポットOmと強度重心位置Pmの差を求める(S5)。
図5,図6は電子線,逆格子および回折像の関係を示したものである。エワルド球200と、面の逆格子点201が交わるとき、この面はブラッグの条件を満たし、この場所に回折波スポット101が存在する。逆格子は規則的に整列した点の集まりであり、そこをエワルド球が通るため、エワルド球と交わる逆格子点は円状に平面投影される。また、回折波スポットの強度はエワルド球からのずれで決まる。
ここで、試料の方位が低次の晶帯軸Aである場合(図5(a))、エワルド球と交差する逆格子点は同心円状に並び、透過波スポットに関して回折波スポットは対照的に分布する(図5(b))。そのため、回折図形の強度分布重心位置は透過波スポットと等しくなる(Pm=Om)。
もし、試料の方位が上記の場合より少し傾いた場合(図6(a))、エワルド球と逆格子点との交点は上記の場合よりずれる。しかし、TEMでは、回折スポットの位置はあまり変化しないため、晶帯軸Aのときの回折像と似た像になり、回折スポットの強度分布が変化して、円弧状に励起されたスポットが存在するようになる(図6(b))。この場合、回折図形の強度重心位置は透過波スポットと一致しない(Pm≠Om)。このとき、強度重心位置と透過波スポットを結んだ線分の延長線上に低次の晶帯軸が存在することになる(図7)。
mの座標はすでに求めたので、次に、透過波スポットOmの座標を求める。その方法は種々あるが、例えば、試料を微動させても存在するスポットが透過波スポットであるので、その座標を記憶する。その他の方法として、透過波スポットの位置は走査コイル27に依存するため、予め走査コイル27で電子線を走査し、透過波スポットの位置と走査コイルの電流値を共に記録しておき、分析の際、走査コイルの電流値から透過波スポットの位置を逆算してもよい。
次に、透過波スポットOmと重心位置Pmの差をとり透過波スポットと重心位置の位置関係を調べる。もし、Om−Pm=0であれば、重心Pmは透過波スポットと重なっている(S5)。反対に、Om−Pm≠0であれば、重心位置と透過波スポット位置は異なる(S5)。
重心位置と透過波スポットが異なる場合、電子線回折像Imは晶帯軸Aからずれている。試料の結晶方位を求めるために、シミュレーション回折像の試料を傾斜させ、電子線回折像と一致させる。
その方法は、まず、PmとOmを結んだ線を作図する(図8)。直線PmmをS3で作成したシミュレーション回折像に重ねあわす(図9)。シミュレーション上でPmm方向に試料を傾斜させる。傾斜させたシミュレーション回折像Is′を作図する(S6)(図10)。
傾斜後、シミュレーション回折像Is′の透過スポットOsと重心Psの差Os−Psを透過スポットOmと重心Pmの差Om−Pmと比較する。任意に誤差範囲を設定し、範囲内で等しくなるまでS6を繰り返す(S7)。
s−PsとOm−Pmが誤差範囲内で等しくなれば、傾斜させたシミュレーション回折像Isと電子線回折像Imを比較する。任意に誤差範囲を設定し、IsがImと誤差範囲内で一致しなければ、別の晶帯軸を求め、同様の処理を行う(S8)。任意に設定した誤差範囲内で回折スポットの位置が一致していれば、シミュレーション回折像と電子線回折像は等しいとみなす(S8)。シミュレーション回折像は、例えば、晶帯軸[uvw]のu,v,wの小さいほうから作成していくことができる。
sとImの比較の際、全体の比較を行ってもよいが、回折スポットの実測結果には、周辺の情報をもらった、関係のない回折波が含まれていたり、回折スポットが理想的な丸いスポットとなっていなかったりする場合がある。この様な測定上の誤差を排除するため、各回折スポットを二次元分布としてとらえm×n行列に整理し、各行列要素に回折スポットごとの回折強度をIm(m,n)として割り当てることを行い、シミュレーションに対しても同様にIs(m,n)として割り当てることを行い、Im(m,n)とIs(m,n)を比較することを行う。こうすることで、関係のない回折波の情報を排除することや、回折スポットが丸い形状でなくても強度のみで捉えることができるようになる。
sの試料傾斜角度を読み込み、それを試料の結晶方位とする(S9)。読み込んだ結晶方位は、例えば、x軸,y軸,z軸の3軸の回転角で示してもよいし、オイラー角のように、例えば、x軸,z軸,x軸の2軸の回転角で示してもよい。
[実施例2]
実施例1では1箇所の方位解析について例をあげた。次に、解析エリアを設定し、解析エリアの方位分布像を取得する方法の一例を紹介する。
走査コイル27を用いて、収束させた電子線回折像表示モニター11を試料面上で走査させる。解析エリアは図1の(1)で観察した明視野像または暗視野像から任意に指定する。解析エリア内の各点において、実施例1で示した方法により、電子線回折像を自動解析する。自動解析したデータは、解析箇所を示す固有なラベル、例えば解析エリアの画素座標などを用い、結晶方位解析部5に保存される。
取得した結晶方位データを、例えば方位により色分けし、解析エリアの結晶方位2次元分布像を作成してもよい。
1 電子線装置
2 EDX分析部
3 電子線回折像解析部
4 物質同定部
5 結晶方位解析部(回折像演算部)
6 二次電子検出器
7 明視野像検出器
8 暗視野像検出器
9 EDX検出器
10 電子線回折像検出器
11 電子線回折像表示モニター
12 電子銃
13 コンデンサーレンズ
14 対物レンズ
15 試料
16,20,21 信号増幅器
17 走査像表示部
18 走査電源
19 電子線装置制御部
22 電子線
23 表示部
24 投射レンズ
25 試料ホルダ
26 試料微動装置
27 走査コイル
100 透過波スポット
101 回折波スポット
102 pixel強度重心位置
103 低次の晶帯軸
104 傾斜方向(OP方向)
105 電子線回折像の透過波スポットと強度重心位置の距離(Om−Pm
106 シミュレーション回折像の透過波スポットと強度重心位置の距離(Os−Ps
200 エワルド球
201 逆格子点

Claims (9)

  1. 電子線を試料に照射して透過電子を検出する透過電子顕微鏡において、
    前記透過電子顕微鏡は、前記試料の電子線回折像を撮像する電子線回折像撮像部と、
    前記試料の組成情報を取得する検出部と、
    前記電子線回折像から格子面間隔の情報を取得する解析部と、
    前記取得された組成情報と前記格子面間隔の情報から試料の同定を行う物質同定部と、
    前記同定された試料の情報から、前記試料の回折像を演算する演算部と、
    を有し、
    当該演算された回折像と前記電子線回折像とのずれ量に基づいて、前記試料の結晶方向を特定することを特徴とする透過電子顕微鏡。
  2. 請求項1において、
    EDX検出器により前記試料の組成情報を取得することを特徴とする透過電子顕微鏡。
  3. 請求項1において、
    前記電子線回折像の回折スポットの重心と、透過波スポットとの位置ずれ方向及び大きさを考慮して、前記演算された回折像を取得することを特徴とする透過電子顕微鏡。
  4. 前記演算された回折像は、前記試料の晶帯軸の指数の小さいほうから演算することを特徴とする透過電子顕微鏡。
  5. 試料に電子線を照射して得られる電子線回折像を撮像する電子線回折像撮像部と、
    前記試料の組成情報を取得する検出部と、
    前記電子線回折像から格子面間隔の情報を取得する解析部と、
    前記取得された組成情報と前記格子面間隔の情報から試料の同定を行う物質同定部と、
    前記同定された試料の情報から、前記試料の回折像を演算する演算部と、
    を有し、
    当該演算された回折像と前記電子線回折像とのずれ量に基づいて、前記試料の結晶方向を特定することを特徴とする解析システム。
  6. 請求項5において、
    EDX検出器により前記試料の組成情報を取得することを特徴とする解析システム。
  7. 請求項5において、
    前記電子線回折像の回折スポットの重心と、透過波スポットとの位置ずれ方向及び大きさを考慮して、前記演算された回折像を取得することを特徴とする解析システム。
  8. 前記演算された回折像は、前記試料の晶帯軸の指数の小さいほうから演算することを特徴とする解析システム。
  9. 試料の電子線回折像の回折スポットの重心と、透過波スポットとの位置ずれ方向及び大きさに基づいて、試料の回折像を演算し、当該演算された回折像と電子線回折像を比較して、試料の結晶方位を決定すること
    を特徴とする結晶方位解析方法。
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