JP2010254943A - ポリアリーレンスルフィド系多孔質膜、及びその製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド系多孔質膜、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】規則的な連続多孔構造を有し、耐熱性、耐薬品性に優れた多孔質膜として、ポリアリーレンスルフィド系多孔質膜とその製造方法を提供すること。
【解決手段】
環状オリゴアリーレンスルフィドをポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)の共存下で重合させることによりスピノーダル分解を誘発して相分離させてなる、少なくとも2成分の樹脂よりなるポリマーアロイから、樹脂成分(A)を除去してなる、構造周期0.01μm以上10μm以下の規則的な連続多孔構造を、膜の中心部に有するポリアリーレンスルフィド系多孔質膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、規則的な連続多孔構造を有する分離膜に関するものであり、精密濾過膜や限外濾過膜、気体分離膜として有用に用いることができる。
従来から分離膜は、飲料水製造、下廃水処理、電子工業、化学工業、機械工業におけるプロセス用水製造、食品工業、医療等の様々な分野において、有用成分の濃縮あるいは、分離・回収、造水、気体中の微粒子除去などに使われている。それぞれの用途に応じて、膜孔径と透過性能の制御と、物理的強度と化学的強度に代表される耐久性の確保を同時に達成する必要があり、様々な技術開発や工夫がなされている。今後、さらに高温・高圧下など過酷な使用環境において使用されることが予想され、分離性能や透過性能、物理的・化学的耐久性に加え、耐熱性も同時に満たす分離膜の要求がますます高まっている。
従来の多孔質膜の材質としては、有機膜としては、例えば酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン等が、無機膜としては、例えばゼオライト等が挙げられる。
例えば、特許文献1には水処理用途として優れた加工性を有する酢酸セルロースを用いた限外濾過膜が記載されている。しかし、耐熱性、耐薬品性に関して満足する性能を得ることができない問題があった。また、特許文献2にはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンを用いた有機液体混合物用分離膜が記載されている。いずれの膜も酢酸セルロースと比較し、耐熱性、耐薬品性に優れており、実用的な多孔質膜が提供されているが、ポリアクリロニトリルやポリフッ化ビニリデンを用いた多孔質膜は十分な耐熱性を満たしていない。また、ポリスルホンを用いた多孔質膜は比較的耐熱性に優れており、加工性も良いが耐薬品性に課題を残している。
耐熱性、耐薬品性に非常に優れた膜として、ポリアリーレンスルフィドの一つである、ポリフェニレンスルフィドを用いた多孔質膜が提案されている。特許文献3及び4にはポリフェニレンスルフィドを用い、延伸法によって、微多孔質を形成する方法が記載されている。しかし延伸法では精密に孔径を制御することが困難である。また、特許文献5には250℃のN−メチルピロリドン、ジエチレングリコールをポリフェニレンスルフィドの溶媒として用い、溶液製膜する方法が記載されている。しかし、本法ではポリフェニレンスルフィドの高い結晶性のため、使用可能な溶媒が極めて限られており、しかも加圧状態、200℃以上の高温といった過酷な条件でしか溶解できず、製膜が非常に困難であり、規則的な周期構造を得ることが困難であるといった問題があった。
多孔質体を形成する方法として、特許文献6には回路基盤や回路用積層板用途向けに、ポリマーアロイから、少なくとも1成分の樹脂を除去した微多孔質よりなる低誘電率樹脂を得る方法が提案されている。しかしながら同法で用いられる樹脂として、ポリアリーレンスルフィドを用いた具体的な多孔質膜の製法は記載されていない。また、同法で得られる低誘電率樹脂は誘電率を低下させることを目的としており、本発明の如く、分離膜を用途に用いることに関しては記載されていない。
また、特許文献7にはアルミニウム等の酸化物、セラミック、ガラス等を用いた無機膜の製造方法が提案されているが、無機膜は有機膜とは異なり、中空糸膜等に加工することが困難であるため、単位体積あたりの膜面積を増やすことが困難であること、連続生産が困難なため、生産性が低く、高コストであるといった問題があった。
特開平6−343842号公報 特開2001−321643号公報 特開昭58−67733号公報 特開昭59−59917号公報 特開昭60−248202号公報 特開2003−64214号公報 特開平2−31822号公報
そこで、本発明はこのような課題を解決して、規則的な連続多孔構造を有し、耐熱性、耐薬品性に優れた多孔質膜として、ポリアリーレンスルフィド系多孔質膜とその製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明は上記目的を達成するため、以下の構成をなすものである。
1.ポリアリーレンスルフィドからなる多孔質膜であり、該多孔質膜の中心部に、規則的な連続多孔構造を有し、その構造周期が0.01μm以上10μm以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド系多孔質膜。
2.前記多孔質膜が有する規則的な連続多孔構造の電子顕微鏡画像を、フーリエ変換して得られたスペクトルが極大値を有し、そのスペクトルにおける半値幅を(a)、該ピークの極大波数を(b)とするとき、0<(a)/(b)≦1.5であることを特徴とする1に記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜。
3.前記ポリアリーレンスルフィドが、重量平均分子量1万以上20万以下のポリアリーレンスルフィドであることを特徴とする1〜2いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜。
4.下記の工程を経て製造されることを特徴とするポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
i ポリアリーレンスルフィドの前駆体を、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)と相溶させ、重合することによりスピノーダル分解を誘発して相分離を生じさせる工程
ii スピノーダル分解を誘発して相分離せしめた後に製膜する工程
iii 製膜した後に、樹脂成分(A)を除去する工程
5.下記工程を経て製造されることを特徴とするポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
i ポリアリーレンスルフィドの前駆体を、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)と相溶させた状態で製膜する工程
ii 工程iで得た膜に含まれるポリアリーレンスルフィドの前駆体を重合し、スピノーダル分解を誘発して相分離せしめる工程
iii スピノーダル分解を誘発して相分離せしめた後に樹脂成分(A)を除去する工程
6.前記ポリアリーレンスルフィドの前駆体が、環状オリゴアリーレンスルフィドであることを特徴とする4〜5いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
7.前記ポリアリーレンスルフィドの前駆体を250℃以上400℃以下で重合することを特徴とする4〜6いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
8.前記樹脂成分(A)を除去する工程において、樹脂成分(A)の良溶媒を用いて樹脂成分(A)を除去することを特徴とする4〜7いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
9.前記樹脂成分(A)を除去する工程において、樹脂成分(A)を分解して除去することを特徴とする4〜8いずれかに記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
10.前記樹脂成分(A)が、ポリエチレングリコール、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする4〜9いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
本発明のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜は、規則的な細かい多孔を有する耐熱性、耐薬品性にすぐれた膜であり、精密濾過膜、限外濾過膜、気体分離膜として有用に用いることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の多孔質膜は、ポリアリーレンスルフィドからなる多孔質膜であり、該多孔質膜の中心部に、規則的な連続多孔構造を有し、その構造周期が0.01μm以上10μm以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド系多孔質膜である。
本発明における多孔質膜の中心部とは、膜断面の中心部分のことを指し、例えば平膜の場合は多孔質膜の表面ともう一方の表面の中点部分を指し、中空糸膜の場合は多孔質膜外表面と内表面の中点部分を指す。
本発明における連続多孔構造とは、多孔質膜の有する膜孔が二次元的および三次元的に相互に連結しているもののことをいい、該連続多孔構造の構造周期は多孔質膜の中心部の電子顕微鏡観察により決定することができる。観察の際の拡大倍率は、得られた電子顕微鏡画像の少なくとも1辺が構造周期の10倍以上100倍以下の長さとなるよう設定する。なお、構造周期が0.01μm以上0.1μm未満の場合は透過型電子顕微鏡が好ましく用いられ、0.1μm以上10μm以下の場合は走査型電子顕微鏡が好ましく用いられる。
本発明の多孔質膜の有する膜孔が連続多孔構造でない場合には、透過速度が低くなり、膜孔が連続多孔構造であっても、規則的な周期構造を有していない場合には、膜の分画性能が低くなるといった問題が生じる。したがって、本発明の多孔質膜が有する連続多孔構造は規則的な周期構造を有していることが重要である。
構造が規則的な周期構造を有することを確認するためには、前記走査型電子顕微鏡画像をフーリエ変換して得られたスペクトルが極大値を有することで確認することができ、前記極大値に対応する極大波数qから前記多孔質膜の構造周期λ(=1/q)を導くことができる。
また、前記スペクトルにおける極大値に対応するピークの拡がりが、構造均一性に対応するため、該ピークの半値幅に着目することで、構造の均一性を確認することができる。ただし、該ピーク半値幅はピークの極大波数の増加に伴い大きくなる傾向があるため、本発明では構造均一性の指標として、ピーク半値幅を(a)、該ピークの極大波数を(b)とから計算される、(a)/(b)を構造均一性の指標とした。連続多孔構造が規則的な周期構造を有するということを、(a)/(b)の値で、1.5以下であることと定義する。(a)/(b)の値が、1.2以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。
本発明におけるポリアリーレンスルフィド系多孔質膜が有する連続多孔構造の構造周期が小さすぎると、ポリマーアロイからポリアリーレンスルフィド以外の成分を除去して膜孔を形成する際に、能率的に除去することができず、膜孔を形成することが困難となるため好ましくない。本発明におけるポリアリーレンスルフィド系多孔質膜が有する連続多孔構造の構造周期は0.01μm以上10μm以下であり、この範囲であれば、精密濾過膜、限外濾過膜、気体分離膜の支持膜などとして好適に用いることができる。
本発明の多孔質膜を形成するポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、強度、耐久性などの機械特性に優れた膜を得られる点で1万以上であることが好ましく、3万以上であることがより好ましく、さらには8万以上であることがより好ましい。重量平均分子量の上限について、特に制限はないが樹脂の製膜性に優れる点から20万以下の樹脂が好ましく用いられる。なお、ポリアリーレンスルフィドの分子量については、サイズ排除クロマトグラフィーの一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で算出することができる。
かかる多孔質膜の膜厚は、前記連続多孔構造の構造周期の10倍以上(0.1μm以上)のものを形成することが可能であり、20倍以上(0.2μm以上)であることがより好ましい。実用的な機械強度を得るためには、膜厚は1μm以上が好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。また、実用的な透過速度を得るため、多孔質膜の膜厚は1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましい。本発明におけるポリアリーレンスルフィド系多孔質膜は、膜全体が規則的な連続多孔質構造を有していてもよいが、少なくとも膜の中心部が規則的な連続多孔質構造を有していれば本発明の効果を得ることができる。規則的な連続多孔質構造を有する部分は、膜厚の中心部30%の範囲に有していることが好ましく、50%の範囲に有していることがより好ましく、80%の範囲に有していることがさらに好ましい。
また、前記多孔質膜における空孔率は、連続多孔構造形成のためには10%以上であることが好ましく、また20%以上がより好ましい。空孔率の上限としては、実用的な強度を維持するため、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。
かかる空孔率は以下の方法で求めることができる。
得られた多孔質膜を一定の大きさに切り取り、次式により見かけの体積、実際の体積を求めた。
見かけの体積=切り取った膜の面積×膜の平均厚さ
実際の体積(ポリアリーレンスルフィドの占有体積)=多孔質膜の質量/材質の比重
なお、膜の平均厚さは、走査型電子顕微鏡によって観察した多孔質膜の任意の10カ所の断面厚さの平均値から得る。空孔率は次式により算出して求めることとする。
空孔率={(見かけの体積−実際の体積)/見かけの体積}×100
本発明の多孔質膜は、ポリアリーレンスルフィドの前駆体を、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)と相溶させ、重合により相分離を生じさせた後、製膜し、樹脂成分(A)を除去することで得ることができる。
また、本発明の多孔質膜は、ポリアリーレンスルフィドの前駆体を、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)と相溶させ、製膜した後、重合により相分離を生じさせ、樹脂成分(A)を除去することでも得ることができる。
前述した空孔率を有する多孔質膜を得るためには、ポリアリーレンスルフィドの前駆体とポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)と相溶させる際に、ポリアリーレンスルフィドの前駆体とポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)の合計を100重量%として、ポリアリーレンスルフィドの前駆体を10〜90重量%、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)を90〜10重量%の比率で相溶させることが好ましい。さらに好ましくは、それぞれ20〜80重量%、80〜20重量%の比率である。
ポリアリーレンスルフィドの前駆体と、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)とを相溶させ、ポリアリーレンスルフィドの前駆体を重合することで相分離を生じさせた後、製膜するか、製膜した後でポリアリーレンスルフィドの前駆体を重合することで相分離を生じさせる。このあと、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)を除去することで、本発明の多孔質膜を得ることができる。
ここで、樹脂成分(A)を除去する前のポリマーアロイの形態は、樹脂成分(A)を能率的に除去できる点からフィルム状もしくは中空繊維状であることが好ましい。フィルムまたは中空繊維の厚みは1000μm以下であることが好ましく、500μm以下がさらに好ましく、特に好ましくは300μm以下である。このような厚みのポリマーアロイのフィルムまたは中空繊維とすることで、効率よく樹脂成分(A)を除去することができ、分離膜などとして好適な多孔質膜を得ることができる。ポリマーアロイをフィルム状にする方法としては、押出機やTダイ等を用いた溶融製膜、加熱プレスなどの方法を用いることができる。また、ポリマーアロイを中空繊維状にする方法としては、溶融紡糸などの方法を用いることができる。
スピノーダル分解による相分離とは、異なる2成分の樹脂組成および温度に対する相図においてスピノーダル曲線の内側の不安定状態で生じる相分離のことを指す。
かかるスピノーダル曲線とは、組成および温度に対して、異なる2成分の樹脂を混合した場合、相溶した場合の自由エネルギーと相溶しない2相における自由エネルギーの合計との差(ΔGmix)を濃度(φ)で二回偏微分したもの(∂2ΔGmix/∂φ2)が0となる曲線のことであり、またスピノーダル曲線の内側では、∂2ΔGmix/∂φ2<0の不安定状態であり、外側では∂2ΔGmix/∂φ2>0である。
詳細な理論によると、スピノーダル分解では、一旦相溶領域の温度で均一に相溶した混合系の温度を、不安定領域の温度まで急速にした場合、系は共存組成に向けて急速に相分離を開始する。その際濃度は一定の波長に単色化され、構造周期(Λm)で両分離相が共に連続して規則正しく絡み合った両相連続構造を形成する。この両相連続構造形成後、その構造周期を一定に保ったまま、両相の濃度差のみが増大する過程をスピノーダル分解の初期過程と呼ぶ。
さらに上述のスピノーダル分解の初期過程における構造周期(Λm)は熱力学的に下式のような関係がある。
Λm〜[│Ts−T│/Ts]−1/2
(ここでTsはスピノーダル曲線上の温度)ここで本発明でいうところの両相連続構造とは、混合する樹脂の両成分がそれぞれ連続相を形成し、互いに三次元的に絡み合った構造を指す。この両相連続構造の模式図は、例えば「ポリマーアロイ 基礎と応用(第2版)(第10.1章)」(高分子学会編:東京化学同人)に記載されている。
スピノーダル分解では、この様な初期過程を経た後、波長の増大と濃度差の増大が同時に生じる中期過程、濃度差が共存組成に達した後、波長の増大が自己相似的に生じる後期過程を経て、最終的には巨視的な2相に分離するまで進行する。
相溶系において、重合反応に伴う分子量変化によって不安定状態となり相分離するいわゆる反応誘発型相分離は、スピノーダル曲線が分子量変化により変化し、不安定状態領域が拡大するため、スピノーダル曲線が変化しない部分相溶系の温度変化による方法に比べて、その同じ温度変化幅においても実質的な過冷却度(│Ts−T│)が大きくなり、その結果上述の関係式におけるスピノーダル分解の初期過程における構造周期を小さくすることが容易となり、その後の両相連続構造における構造周期の制御が容易となるためより好ましく用いられる。
したがって、規則的な周期構造を有する連続多孔構造を形成させるには、前記ポリマーアロイが、重合前は一旦相溶し、重合後にスピノーダル分解を経て相分離することにより形成されることが必要である。
ここで本発明における相溶する場合とは、分子レベルで均一に混合している状態のことであり、具体的には異なる2成分の樹脂を主成分とする相がいずれも0.001μm以上の相構造を形成していない場合を指し、また、非相溶の場合とは、相溶状態でない場合のことであり、すなわち異なる2成分の樹脂を主成分とする相が互いに0.001μm以上の相構造を形成している状態のことを指す。相溶するか否かは、例えばPolymer Alloys and Blends, Leszek A Utracki, hanser Publishers,Munich Viema New York,P64,に記載の様に、電子顕微鏡、示差走査熱量計(DSC)、その他種々の方法によって判断することができる。
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂の前駆体としては、重合速度が速く、重合時の副生成物が少なく、相分離の際の過冷却度を大きくすることができる、環状オリゴアリーレンスルフィドが好ましく用いられる。該環状オリゴアリーレンスルフィドは、相手ポリマーとの相溶性、重合速度の点から、数平均分子量300〜2400であることが好ましい。
ポリアリーレンスルフィドの一般的な製造方法として、例えば、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒中で、硫化ナトリウムなどのスルフィド化剤とp−ジクロロベンゼンなどのジハロ芳香族化合物とを反応させる方法が挙げられるが、この方法は溶媒を使用するため、本発明の如く重合反応に伴う分子量変化による相分離を誘発することが困難である。また、この方法では、ポリアリーレンスルフィドの高分子量化は困難である。
前記環状オリゴアリーレンスルフィドを重合する際の重合温度が低すぎると重合速度が遅く、実用的でないため、前記環状オリゴアリーレンスルフィドの重合温度の下限は、重合速度の点から250℃以上であることが好ましく、280℃以上であることがより好ましい。
また、重合温度が高すぎると製造時のコストが高くなる上、前記樹脂成分(A)が熱分解しやすくなるため実用的でない上、重合時の分子運動性が増加して相構造が粗大化しやすくなり、両相連続構造を得ることが困難となる。したがって、前記環状オリゴアリーレンスルフィドの重合温度の上限は400℃以下であることが好ましく、380℃以下であることがより好ましい。
前記ポリマーアロイ中のポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)としては、スピノーダル分解による相分離が可能で、本発明のその他の用件を満足し得る組合せであれば使用可能であり、その具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリエーテルイミド、ポリアミド、芳香族ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン等から選ばれる少なくとも1種以上が好ましく挙げられる。
前記ポリアミドの具体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
前記ポリエステルの具体例としては、ジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
上記ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。またジオール成分としては炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどおよびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
これらの重合体ないしは共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記ポリマーアロイから樹脂成分(A)を除去する方法として、樹脂成分(A)を溶媒によって溶解する方法、樹脂成分(A)を分解する方法が好ましく用いられる。
樹脂成分(A)の溶媒を用いて樹脂成分(A)を除去する場合、樹脂成分(A)の種類により、適切な溶媒を選択する必要があるが、樹脂成分(A)を溶解し得るものであれば何でもよい。
例えば、前記ポリエチレングリコールの良溶媒としては、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、エステル類、アセトン等が好ましく挙げられ、前記ポリエーテルイミドの良溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、NMP/キシレン系混合溶媒、NMP/キシレン/メチルエチルケトン系混合溶媒、エチルアルコール/トルエン系混合溶媒等が好ましく挙げられる。
また、前記ポリアミドの良溶媒としては、N−メチルピロリドンやジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒の他、フェノ−ル、オルトクロロフェノール、m−クレゾ−ルなどのフェノール系溶媒、トルエン、メチルエチルケトン、またはこれらとアミド系溶媒との混合溶媒が好ましく挙げられ、前記ポリエステルの良溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、使用するポリマーの化学骨格に応じて溶解性を有するものを使用することができる。
ポリフッ化ビニリデンの良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等の低級アルキルケトン、エステル、アミド等およびその混合溶媒等が好ましく挙げられる。
また、樹脂成分(A)を分解して樹脂成分(A)を除去する方法としては、例えばエネルギー線の照射あるいは酸成分またはアルカリ成分によって変化した成分を、溶媒を用いて除去する方法が好ましく用いられる。
前記エネルギー線としては、例えば、β線、X線、γ線、重粒子線などが好ましく用いられ、樹脂内部への透過性に優れ、低コストプロセスであることから、β線、X線、γ線がより好ましく用いられる。
前記酸成分としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、亜硫酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸などの無機酸の他、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、エチルメチル酢酸、トリメチル酢酸、グリコール酸、ブタンテトラカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、没食子酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、サリチル酸、安息香酸、および3,5−ジヒドロキシ安息香酸などの有機酸およびその混合物が好ましく挙げられる。また、前記アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニアの水溶液などの無機アルカリ水溶液の他、テトラメチルアンモニムヒドロキシド水溶液、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒ
ドロキシド水溶液などの有機アルカリ水溶液、エチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピロール、ピペリジン、コリンなどの水溶液、これらにアルコール類、界面活性剤を添加したものが挙げられる。
また、かかるポリアリーレンスルフィド系多孔質膜には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の各種添加剤を含有せしめることもできる。これら他の添加剤としては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、セリサイト、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、岩綿、炭酸カルシウム、ケイ砂、ワラステナイト、硫酸バリウム、ガラスビーズ、酸化チタンなどの強化材、非板状充填材、あるいは酸化防止剤(リン系、硫黄系など)、紫外線吸収剤、熱安定剤(ヒンダードフェノール系など)、滑剤、離型剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、染料および顔料を含む着色剤、難燃剤(ハロゲン系、リン系など)、難燃助剤(三酸化アンチモンに代表されるアンチモン化合物、酸化ジルコニウム、酸化モリブデンなど)、抗菌剤等が挙げられる。
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例における試験方法は以下の通りである。
(1)ポリフェニレンスルフィド樹脂の分子量測定:サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)の一種であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出した。GPCの測定条件を以下に示す。
装置:センシュー科学 SSC−7100
カラム名:センシュー科学 GPC3506
溶離液:1−クロロナフタレン
検出器:示差屈折率検出器
カラム温度:210℃
プレ恒温槽温度:250℃
ポンプ恒温槽温度:50℃
検出器温度:210℃
流量:1.0mL/min
試料注入量:300μL (サンプル濃度:約0.2重量%)
標準物質:ポリスチレン(PSS製 ps8124,ps12034,ps18074,ps23025)
(2)膜断面の電子顕微鏡観察:液体窒素を用いて膜を凍結した後、膜表面に垂直な方向に切断し、膜断面を観察した。この際、膜厚方向の中心を顕微鏡視野の中心として膜断面の観察を行った。本発明では特に断らない限り、走査型電子顕微鏡(日立製作所製S2100A)を用いて倍率6000倍で観察を行った。
(3)膜孔の構造周期:前記電子顕微鏡画像をフーリエ変換し、得られたスペクトルの極大ピークの有無を確認した。極大値を有する場合、極大値に対応する極大波数qから構造周期λ(=1/q)を導いた。
(4)(a)/(b):構造均一性の指標として、前記スペクトルからピーク半値幅(a)およびピークの極大波数(b)を得、(a)/(b)を算出した。
(5)膜厚:走査型電子顕微鏡によって観察した多孔質膜の任意の10カ所の断面厚さの平均値を膜厚とした。
(6)空孔率:多孔質膜を10〜30mm角の大きさに切り取り、次式により空孔率を得た。
空孔率={(見かけの体積−実際の体積)/見かけの体積}×100
ただし、
見かけの体積=切り取った膜の面積×膜厚
実際の体積=多孔質膜の重さ/材質の比重
(7)引張強度:多孔質膜から長さ50mm、幅10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分で引張強度を測定した。
(ポリエーテルイミド粉末の準備)
ポリエーテルイミド(SABICイノベーティブプラスチックス社製 「Ultem 1010」、以下PEIと略)の濃度5.0重量%のクロロホルム溶液をヘキサンに滴下し、再沈殿によりPEIを粉末化した。粉末化したPEIを100℃24時間真空乾燥し、乳鉢で塊を完全に粉砕した。
(ポリアミド612粉末の準備)
ポリアミド612(ダイセル・デグサ製「ベスタミド D18」)、以下PA612と略)を凍結粉砕した後、80℃24時間真空乾燥し、PA612粉末を得た。
(環状オリゴフェニレンスルフィドの準備)
攪拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.0モル)、96%水酸化ナトリウム2.96kg(71.0モル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略)を11.44kg(116モル)、酢酸ナトリウム1.72kg(21.0モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら約240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水14.8kgおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。なお、この脱液操作の間に仕込んだイオウ成分1モル当たり0.02モルの硫化水素が系外に飛散した。
次に、p−ジクロロベンゼン10.3kg(70.3モル)、NMP9.00kg(91.0モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封した。240rpmで攪拌しながら、0.6℃/分の速度で270℃まで昇温し、この温度で140分保持した。水1.26kg(70モル)を15分かけて圧入しながら250℃まで1.3℃/分の速度で冷却した。その後220℃まで0.4℃/分の速度で冷却してから、室温近傍まで急冷し、スラリー(a)を得た。このスラリー(a)を20.0kgのNMPで希釈しスラリー(b)を得た。
80℃に加熱したスラリー(b)10kgをふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別し、メッシュオン成分としてスラリーを含んだ顆粒状PPS樹脂を、濾液成分としてスラリー(c)を約7.5kg得た。
得られたスラリー(c)1000gをロータリーエバポレーターに仕込み、窒素で置換してから、減圧下100〜150℃で1.5時間処理した後に、真空乾燥機で150℃、1時間処理して固形物を得た。
この固形物にイオン交換水1200g(スラリー(c)の1.2倍量)を加えた後、70℃で30分攪拌して再スラリー化した。このスラリーを目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過した。得られた白色ケークにイオン交換水1200gを加えて70℃で30分攪拌して再スラリー化し、同様に吸引濾過後、70℃で5時間真空乾燥してポリフェニレンスルフィド(以下、PPS)混合物1を11.0g得た。
このPPS混合物のGPC測定を行った結果、数平均分子量(Mn)は5200、重量平均分子量(Mw)は28900であり、クロマトグラムを解析した結果、分子量5000以下の成分の重量分率は39%、分子量2500以下の成分の重量分率は32%であった。
PPS混合物1を5g分取し、溶剤としてクロロホルム120gを用いて、浴温約80℃でソックスレー抽出法により3時間PPS混合物と溶剤を接触させ、抽出液を得た。得られた抽出液は室温で一部固形状成分を含むスラリー状であった。この抽出液スラリーからエバポレーターを用いてクロロホルムを留去した後、真空乾燥機70℃で3時間処理して固形物2.1g(PPS混合物1に対し、収率42%)を得た。
このようにして得られた固形物は、赤外分光分析(装置;島津社製FTIR−8100A)、高速液体クロマトグラフィー(装置;島津社製LC−10,カラム;C18,検出器;フォトダイオードアレイ)より成分分割した成分のマススペクトル分析(装置;日立製M−1200H)、更にMALDI−TOF−MSによる分子量情報より、この固形物は繰り返し単位数4〜12の環状PPSオリゴマーを主要成分とする混合物(以下、cPPS)であることがわかった。
(実施例1)
上記要領で準備した、cPPSをPPSの前駆体として用い、PPS以外の樹脂成分として上記要領で準備したPEIを用い、これらを表1に示す割合で反応容器のφ24mmガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、加熱撹拌により重合を開始した。加熱開始から30分で300℃に到達し、その後300℃を維持した状態で6時間加熱撹拌を行った。加熱終了後、速やかに反応物を水で急冷し、黒褐色の反応物を得た。得られた反応物を赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PPS由来のシグナルとPEI由来のシグナルが観察された。以上から、上記反応物はPPSとPEIのポリマーアロイであることがわかった。
前記反応物を、加熱プレス(350℃、50MPa)によってフィルム化し、ポリマーアロイの膜圧23μmのフィルムを得た。
次に、溶媒としてクロロホルムを用い、浴温100℃でソックスレー抽出法により前記ポリマーアロイのフィルムを10時間溶媒に接触させ、ポリマーアロイのフィルムからPEIを除去した。
得られた膜を60℃24時間真空乾燥後、その一部を電子顕微鏡観察用サンプルに供した。電子顕微鏡観察の結果、得られた膜は連続多孔構造を有しており、電子顕微鏡画像のフーリエ変換により規則的な周期構造を有していることがわかった。
重合後のPPS分子量、得られた膜の膜厚、空孔率、膜孔形状、膜孔の構造周期、(a)/(b)(ピーク半値幅(a)、ピーク極大波数(b))、引張強度を表1に示す。
(実施例2)
重合温度を380℃、重合時間(加熱開始から加熱終了までの時間)を1時間とした以外は実施例1と同様にしてcPPSの重合を行った。
得られた反応物を赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PPS由来のシグナルとPEI由来のシグナルが観察された。以上から、上記反応物はPPSとPEIのポリマーアロイであることがわかった。
前記反応物を、実施例1と同様にして膜厚21μmのフィルムとした後、ポリマーアロイのフィルムからPEIを除去した。
重合後のPPS分子量、得られた膜の膜厚、空孔率、膜孔形状、膜孔の構造周期、(a)/(b)(ピーク半値幅(a)、ピーク極大波数(b))、引張強度を表1に示す。
電子顕微鏡観察の結果、得られた膜は連続多孔構造を有しており、電子顕微鏡画像のフーリエ変換により規則的な周期構造を有していることがわかった。
(実施例3)
cPPSとPEIの組成を表1に示す通り50:50とした以外は実施例1と同様にしてcPPSの重合を行った。
得られた反応物を赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PPS由来のシグナルとPEI由来のシグナルが観察された。以上から、上記反応物はPPSとPEIのポリマーアロイであることがわかった。
前記反応物を、実施例1と同様にして膜厚20μmのフィルムとした後、ポリマーアロイのフィルムからPEIを除去した。
重合後のPPS分子量、得られた膜の膜厚、空孔率、膜孔形状、膜孔の構造周期、(a)/(b)(ピーク半値幅(a)、ピーク極大波数(b))、引張強度を表1に示す。
電子顕微鏡観察の結果、得られた膜は連続多孔構造を有しており、電子顕微鏡画像のフーリエ変換により規則的な周期構造を有していることがわかった。
(実施例4)
PPS以外の樹脂成分としてPA612を用い、表1に示す割合でcPPSとPA612を仕込んだ以外は実施例1と同様にしてcPPSの重合を行った。得られた反応物を赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PPS由来のシグナルとPA612由来のシグナルが観察された。以上から、上記反応物はPPSとPA612のポリマーアロイであることがわかった。
前記反応物を加熱プレス(350℃、50MPa)によって膜厚23μmのフィルムとし、ポリマーアロイのフィルムを得た。
次に、溶媒としてPA612の良溶媒であるオルトクロロフェノールを用い、浴温180℃でソックスレー抽出法により前記ポリマーアロイのフィルムを溶媒に10時間接触させ、ポリマーアロイのフィルムからPA612を除去した。
重合後のPPS分子量、得られた膜の膜厚、空孔率、膜孔形状、膜孔の構造周期、(a)/(b)(ピーク半値幅(a)、ピーク極大波数(b))、引張強度を表1に示す。
電子顕微鏡観察の結果、得られた膜は連続多孔構造を有しており、電子顕微鏡画像のフーリエ変換により規則的な周期構造を有していることがわかった。
(実施例5)
cPPSをPPSの前駆体として用い、PPS以外の樹脂成分としてPEIを用い、これらを表1に示す割合で反応容器のφ24mmガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、250℃に加熱し、撹拌によりcPPSとPEIを相溶状態とした後、速やかに反応物を水で急冷した。得られた混合物を、加熱プレス(350℃、20MPa)によって膜厚20μmのフィルムとし、1時間加熱し続けることでcPPSの重合を行い、ポリマーアロイのフィルムを得た。得られた反応物を赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PPS由来のシグナルとPEI由来のシグナルが観察された。以上から、上記反応物はPPSとPEIのポリマーアロイであることがわかった。
次に、溶媒としてクロロホルムを用い、浴温100℃でソックスレー抽出法により前記ポリマーアロイのフィルムを10時間溶媒に接触させ、ポリマーアロイのフィルムからPEIを除去した。
得られた膜を60℃24時間真空乾燥後、その一部を電子顕微鏡観察用サンプルに供した。電子顕微鏡観察の結果、得られた膜は連続多孔構造を有しており、電子顕微鏡画像のフーリエ変換により規則的な周期構造を有していることがわかった。
重合後のPPS分子量、得られた膜の膜厚、空孔率、膜孔形状、膜孔の構造周期、(a)/(b)(ピーク半値幅(a)、ピーク極大波数(b))、引張強度を表1に示す。
(比較例1)
重合温度を420℃、重合時間を1時間とした以外は実施例1と同様にしてcPPSの重合を行った。
得られた反応物を赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PPS由来のシグナルとPEI由来のシグナルが観察された。以上から、上記反応物はPPSとPEIのポリマーアロイであることがわかった。
前記反応物を、実施例1と同様にして膜厚23μmのフィルムとした後、ポリマーアロイのフィルムからPEIを抽出した。
重合後のPPS分子量、得られた膜の膜厚、空孔率、膜孔形状、引張強度を表1に示す。
電子顕微鏡観察の結果、得られた膜は連続多孔構造を有しておらず、断面に空孔を観察することはできなかった。重合温度が高く、重合時の分子運動性が増加したため、ポリマーアロイの相構造が粗大化し、分散構造を形成したため、PEIはポリマーアロイの表面からしか抽出されておらず、空孔率は非常に低かった。
(比較例2)
重合温度を240℃とした以外は実施例1と同様にしてcPPSの重合を行った。
得られた反応物を赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PPS由来のシグナルとPEI由来のシグナルが観察された。以上から、上記反応物はPPSとPEIのポリマーアロイであることがわかった。
前記反応物を、実施例1と同様にして膜厚21μmのフィルムとした後、ポリマーアロイのフィルムからPEIを抽出した。
重合後のPPS分子量、得られた膜の膜厚、空孔率、膜孔形状、膜孔の構造周期、(a)/(b)(ピーク半値幅(a)、ピーク極大波数(b))、引張強度を表1に示す。
得られた膜は連続多孔構造を有しており、電子顕微鏡画像のフーリエ変換により規則的な周期構造を有していることがわかった。しかし、PPSの分子量が低いため、膜は脆く、引張強度は非常に低かった。
(比較例3)
PPS(東レ製 「トレリナ A900」)と上記要領で準備したPEIを用い、これらを表1に示す割合で、溶融混練装置としてラボプラストミル(東洋精機製50C150型)を用いて、設定温度320℃、滞留時間3分間、スクリュー回転数100rpmで溶融混練し、ポリマーアロイを得た。
前記ポリマーアロイを実施例1と同様にして膜厚24μmのフィルムとした後、ポリマーアロイのフィルムからPEIを抽出した。
重合後のPPS分子量、得られた膜の膜厚、空孔率、膜孔形状、引張強度を表1に示す。
電子顕微鏡観察の結果、得られた膜は連続多孔構造を有しておらず、断面に空孔を観察することはできなかった。また、ポリマーアロイがスピノーダル分解由来の両相連続構造を形成しなかったため、PEIはポリマーアロイのフィルムの表面からしか抽出されておらず、空孔率は非常に低かった。
Figure 2010254943
本発明におけるポリアリーレンスルフィド系多孔質膜は、その膜孔サイズに応じて、精密濾過膜、精密濾過膜、気体分離膜として好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. ポリアリーレンスルフィドからなる多孔質膜であり、該多孔質膜の中心部に、規則的な連続多孔構造を有し、その構造周期が0.01μm以上10μm以下であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド系多孔質膜。
  2. 前記多孔質膜が有する規則的な連続多孔構造の電子顕微鏡画像を、フーリエ変換して得られたスペクトルが極大値を有し、そのスペクトルにおける半値幅を(a)、該ピークの極大波数を(b)とするとき、0<(a)/(b)≦1.5であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜。
  3. 前記ポリアリーレンスルフィドが、重量平均分子量1万以上20万以下のポリアリーレンスルフィドであることを特徴とする請求項1〜2いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜。
  4. 下記の工程を経て製造されることを特徴とするポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
    i ポリアリーレンスルフィドの前駆体を、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)と相溶させ、重合することによりスピノーダル分解を誘発して相分離を生じさせる工程
    ii スピノーダル分解を誘発して相分離せしめた後に製膜する工程
    iii 製膜した後に、樹脂成分(A)を除去する工程
  5. 下記工程を経て製造されることを特徴とするポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
    i ポリアリーレンスルフィドの前駆体を、ポリアリーレンスルフィド以外の樹脂成分(A)と相溶させた状態で製膜する工程
    ii 工程iで得た膜に含まれるポリアリーレンスルフィドの前駆体を重合し、スピノーダル分解を誘発して相分離せしめる工程
    iii スピノーダル分解を誘発して相分離せしめた後に樹脂成分(A)を除去する工程
  6. 前記ポリアリーレンスルフィドの前駆体が、環状オリゴアリーレンスルフィドであることを特徴とする請求項4〜5いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
  7. 前記ポリアリーレンスルフィドの前駆体を250℃以上400℃以下で重合することを特徴とする請求項4〜6いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
  8. 前記樹脂成分(A)を除去する工程において、樹脂成分(A)の良溶媒を用いて樹脂成分(A)を除去することを特徴とする請求項4〜7いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
  9. 前記樹脂成分(A)を除去する工程において、樹脂成分(A)を分解して除去することを特徴とする請求項4〜8いずれかに記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
  10. 前記樹脂成分(A)が、ポリエチレングリコール、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項4〜9いずれか記載のポリアリーレンスルフィド系多孔質膜の製造方法。
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