JP2010254190A - 車体骨格構造及び車両用ピラー構造 - Google Patents

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心 田角
Nobuhiro Fujita
展弘 藤田
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Abstract

【課題】補強部材のスポット溶接による接合部の強度を確保することができる車体骨格構造、及び車両用ピラー構造を得る。
【解決手段】車両用ピラー構造10は、車両上下方向に長手とされたセンタピラーアウタリインフォースメント20と、車両前後方向の両端に位置する前壁34、後壁36を折り返して形成された前側ヘミング部42、後側ヘミング部44を有するヒンジリインフォースメント30とを備えている。ヒンジリインフォースメント30は、前側ヘミング部42においてセンタピラーアウタリインフォースメント20の前壁26にスポット溶接にて接合されると共に、後側ヘミング部44においてセンタピラーアウタリインフォースメント20の後壁28にスポット溶接にて接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体骨格構造及び車両用ピラー構造に関する。
ピラーの閉断面内に設けられたピラーリインホースに、車幅方向内向きに開口する断面「コ」字状に形成されたインナ部材の前後の壁部をスポット溶接にて接合することで、センタピラーを補強する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、第1の板金における第2の板金との接合部に該第2の板金側に折り返されたヘミング加工部を形成し、該ヘミング加工部において第1の板金を第2の板金とスポット溶接やレーザ溶接にて接合する構造が知られている(例えば、特許文献2〜特許文献4参照)。
特開2002−347655号公報 特開平9−220673号公報 特開平8−197269号公報 実開昭63−162684号公報
ところで、スポット溶接部の強度はインナ部材の板厚と母材強度に依存するので、部材の接合強度が要求される特許文献1記載の技術では、例えばインナ部材に高強度材を使用して薄肉化することに制約が生じることが懸念される。
本発明は、補強部材のスポット溶接による接合部の強度を確保することができる車体骨格構造、及び車両用ピラー構造を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る車体骨格構造は、所定方向に長手とされた車体骨格本体と、前記車体骨格本体の長手方向に対する直交方向の両端を折り返して形成された一対の重ね合わせ部を有し、各重ね合わせ部において前記車体骨格本体にスポット溶接にて接合された補強部材と、を備えている。
請求項1記載の車体骨格構造では、補強部材の幅方向(車体骨格本体の長手方向に対する直交方向)の両端にそれぞれ折り返し構造の重ね合わせ部が形成されており、これら重ね合わせ部が車体骨格本体にスポット溶接にて接合されている。これにより、補強部材における車体骨格本体へのスポット溶接部位は、非接合部分に対し板厚が厚くなり、1枚板の部分を接合する構成と比較してスポット溶接の強度が向上される。
このように、請求項1記載の車体骨格構造では、補強部材のスポット溶接による接合部の強度を確保することができる。
請求項2記載の発明に係る車体骨格構造は、請求項1記載の車体骨格構造において、前記車体骨格本体は、互いに対向する一対の対向壁と、該一対の対向壁の車両外側端部を連結する外壁と有し、前記補強部材は、前記外壁と対向する補強壁と、該補強壁の幅方向両端から前記一対の対向壁に沿って延在されると共に少なくとも一部が前記重ね合わせ部とされた一対の接合壁とを有する。
請求項2記載の車体骨格構造では、車体骨格本体と補強部材とがそれぞれ断面「コ」字状の部分を有する。補強部材は、補強壁を外壁と対向(接触の場合を含む)させつつ、一対の接合壁にそれぞれ設けられた重ね合わせ部において、車体骨格本体の一対の対向壁にスポット溶接にて接合されている。
請求項3記載の発明に係る車体骨格構造は、請求項2記載の車体骨格構造において、前記一対の接合壁は、それぞれ前記補強壁から車体内側に向けて延在されると共に、該補強壁との角部に近接した部分に前記重ね合わせ部が形成されている。
請求項3記載の車体骨格構造では、補強部材は、補強壁と一対の接合壁とで、車体骨格本体の長手方向視で車内側に開口する断面「コ」字状を成しており、同様に車内側に開口する断面「コ」字状を成す車体骨格本体の一対の対向壁に、一対の接合壁の重ね合わせ部において接合されている。そして、この重ね合わせ部は、補強壁と接合壁との角部(稜線)に近接して配置されているので、該角部に近接した部分が車体骨格本体の対向壁に接合される。このため、上記の通り「コ」字状を成す補強部材の断面が開くことが抑制され、所要の補強効果が発揮されやすい。
請求項4記載の発明に係る車両用ピラー構造は、車両上下方向に延在され、車幅方向外側に位置する外壁と、該外壁における車両前後方向の前端部から車幅方向内向きに延在された前壁と、前記外壁における車両前後方向の後端部から車幅方向内向きに延在された後壁とを有するピラー部材と、前記ピラー部材の外壁に対向する補強壁と、該補強壁における車両前後方向の前端部から車幅方向内向きに延在された前壁と、前記補強壁における車両前後方向の後端部から車幅方向内向きに延在された後壁と、前記前壁及び後壁の車幅方向内端から折り返されて形成された前後一対の折り返し壁部とを有し、前記前壁と車両前後方向の前側に位置する前記折り返し壁部との重ね合わせ部分が前記ピラー部材の前壁にスポット溶接にて接合されると共に、前記後壁と車両前後方向の後側に位置する前記折り返し壁部との重ね合わせ部分が前記ピラー部材の後壁にスポット溶接にて接合された補強部材と、を備えている。
請求項4記載の車両用ピラー構造では、外壁と前壁と後壁とで形成され車幅方向内向きに開口する断面「コ」字状部分を有するピラー部材に対し、補強部材は、補強壁と前壁と後壁とで車幅方向内向きに開口する断面「コ」字状を成している。この補強部材は、前壁及び後壁にそれぞれ折り返し壁部を重ね合わせた部分において、ピラー部材の前壁、後壁にスポット溶接にて接合されている。これにより、補強部材における車体骨格本体へのスポット溶接部位は、非接合部分に対し板厚が厚くなり、1枚板の部分を接合する構成と比較してスポット溶接の強度が向上される。
このように、請求項4記載の車両用ピラー構造では、補強部材のスポット溶接による接合部の強度を確保することができる。特に、側面衝突などの際に曲げ荷重が入力されるピラー構造では、車幅方向に沿って延在する前壁、後壁のスポット溶接部には剥離方向及びせん断方向の荷重が作用するので、上記の構成が好適に適用される。
請求項5記載の発明に係る車両用ピラー構造は、請求項4記載の車体骨格構造において、前記補強部材は、前記前壁及び後壁が車幅方向の全長に亘って前記折り返し壁部と重ね合わされるか、又は、前記前壁及び後壁における前記折り返し壁部と重ね合わされた部分の車幅方向に沿った長さが該折り返し壁部と重ね合わされない部分の車幅方向に沿った長さに対し長く設定されている。
請求項5記載の車両用ピラー構造では、補強部材の前壁及び後壁は、車幅方向の全長に略亘って折り返し部が重ね合わされる(オーバラップされる)か、又は、車幅方向において折り返し部が重ね合わされた部分が非重ね合わせ部に対し長い。換言すれば、この補強部材は、ピラー部材の前壁及び後壁にスポット溶接される部分が補強壁に近接して配置されている。すなわち、補強部材は、補強壁と前壁、後壁との各角部(稜線)に近接した部分が車体骨格本体の対向壁に接合され、これにより上記の通り「コ」字状を成す補強部材の断面が開くことが抑制され、所要の補強効果が発揮されやすい。
以上説明したように本発明に係る車体骨格構造、及び車両用ピラー構造は、補強部材のスポット溶接による接合部の強度を確保することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両用ピラー構造を示す上部を切り欠いた斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用ピラー構造を示す平断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用ピラー構造を構成するヒンジリインフォースメントのスポット溶接部の強度向上効果を示す図であって、(A)は母材強度と引張せん断強さとの関係を示す線図、(B)は母材強度と十字引張強さとの関係を示す線図である。 高張力鋼板のスポット溶接部の強度を示す図であって、(A)は母材強度と引張せん断強さとの関係を示す線図、(B)は母材強度と十字引張強さとの関係を示す線図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用ピラー構造を示す平断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用ピラー構造を示す平断面図である。 (A)は、本発明の第3の実施形態に係る車両用ピラー構造を構成するヒンジリインフォースメントの前後の壁部を倒す方向のモーメント低減効果を説明するための模式図であり、(B)は、比較例においてヒンジリインフォースメントの前後の壁部を倒す方向のモーメントが大きいことを説明するための模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用ピラー構造を示す平断面図である。 比較例に係る車両用ピラー構造を示す上部を切り欠いた斜視図である。
本発明の一実施形態に係る車体骨格構造としての車両用ピラー構造10について、図1〜図4に基づいて説明する。なお、図中に適宜記す矢印FRは車両前後方向の前方向を、矢印UPは車両上下方向の上方向を、矢印INは車幅方向内側を、矢印OUTは車幅方向外側をそれぞれ示す。
図1には、車両用ピラー構造10を車両上下方向の中間部で切断した斜視図が示されており、図2には、車両用ピラー構造10の平断面図が示されている。この図に示される如く、この実施形態に係る車両用ピラー構造10は、車両のセンタピラー12に適用されている。センタピラー12は、車幅方向の外端で車両上下方向に延在する車体骨格であり、この実施形態では乗員乗降用の前側開口部14と後側開口部16との間に配置されている。換言すれば、センタピラー12は前側開口部14の車両後縁、後側開口部16の車両前縁を成している。
センタピラー12は、センタピラーインナパネル18と、センタピラーアウタリインフォースメント20とが接合されて閉断面Cが形成された骨格部とされている。具体的には、車幅方向外向きに開口する断面ハット形状を成すセンタピラーインナパネル18の前後のフランジ18Aと、車幅方向内向きに開口する断面ハット形状を成すセンタピラーアウタリインフォースメント20の前後のフランジ20Aとが互いに接合されることで、閉断面Cが形成されている。
また、センタピラー12は、センタピラーアウタリインフォースメント20を車幅方向外側から覆うセンタピラーアウタ22を有する。センタピラーアウタ22は、車幅方向内向きに開口する断面ハット形状を成しており、前後のフランジ22Aがセンタピラーアウタリインフォースメント20の前後のフランジ20Aに接合されている。図示は省略するが、センタピラーアウタ22は、ロッカアウタやルーフレールアウタ等が一体に形成された大型のプレス部品であるサイメンアウタ(サイドアウタパネル)の一部として形成されている。
この実施形態では、以上説明したセンタピラー12のうち、センタピラーアウタリインフォースメント20単体、又はセンタピラーアウタリインフォースメント20とセンタピラーインナパネル18とが接合された部材が、本発明における車体骨格本体、又はピラー部材に相当する。
センタピラーアウタリインフォースメント20について補足すると、センタピラーアウタリインフォースメント20は、車幅方向外端に位置する外壁24と、外壁24の車両前後端から車幅方向内向きに延設された一対の対向壁としての前壁26及び後壁28とを有する。前後のフランジ20Aは、前壁26、後壁28における外壁24とは反対側の端部が折り曲げられて形成されている。また、この実施形態における外壁24の幅方向(車両前後方向)中央部には、車幅方向内向きに突出された接合座部24Aが形成されている。
そして、車両用ピラー構造10では、センタピラー12の閉断面C内でセンタピラーアウタリインフォースメント20に接合された補強部材としてのヒンジリインフォースメント30を備える。ヒンジリインフォースメント30は、センタピラー12における後側開口部16を開閉する図示しないサイドドアのドアヒンジの取り付け部分を補強する構成とされている。また、ヒンジリインフォースメント30は、側面衝突に伴うセンタピラー12の曲げ荷重に対して該センタピラー12を補強する構成とされている。
このヒンジリインフォースメント30は、車幅方向内向きに開口する断面略「コ」字状を成している。具体的には、ヒンジリインフォースメント30は、車幅方向外端に位置する補強壁32と、補強壁32の車両前後端から車幅方向内向きに延設された一対の接合壁としての前壁34及び後壁36とを有する。この実施形態における補強壁32の幅方向(車両前後方向)中央部には、車幅方向外向きに突出された接合座部32Aが形成されている。
前壁34、後壁36には、それぞれ折り返し壁部38、40が形成されている。折り返し壁部38、40は、前壁34、後壁36における補強壁32とは反対側の端部が補強壁32側に折り返されることで形成されている。この実施形態では、折り返し壁部38、40は、ヒンジリインフォースメント30の開口内側に折り返されて形成されている。前壁34における折り返し壁部38が重ね合わされた(オーバラップされた)部分を重ね合わせ部としての前側ヘミング部42といい、後壁36における折り返し壁部40が重ね合わされた部分を重ね合わせ部としての後側ヘミング部44ということとする。
以上説明したヒンジリインフォースメント30は、補強壁32、前壁34、後壁36のそれぞれにおいて、センタピラーアウタリインフォースメント20の外壁24、前壁26、後壁28にスポット溶接にて接合されている。なお、主に図2に示す「×」印は、スポット溶接による接合点(打点)を示し、単独のものは2枚重ね合わせ部位の打点を、「○」にて囲まれたものは3枚重ね合わせ部位の打点をそれぞれ示す。
この図2に示される如く、補強壁32は、接合座部32Aにおいて、外壁24の接合座部24Aにスポット溶接にて接合されている。前壁34は、前側ヘミング部42において、すなわち折り返し壁部38との重ね合わせ状態で前壁26にスポット溶接にて接合されている。後壁36は、後側ヘミング部44において、すなわち折り返し壁部40との重ね合わせ状態で後壁28にスポット溶接にて接合されている。図2では、前側ヘミング部42と前壁26とのスポット溶接部(打点)、後側ヘミング部44と後壁28とのスポット溶接部を、それぞれ符号SWにて示している。
また、以上説明したヒンジリインフォースメント30は、高張力鋼板にて構成されている。この実施形態における高張力鋼板とは、例えば引張強さが350MPa以上の自動車用鋼板をいい、引張強さが590MPa以上の超高張力鋼板である場合を含む。また、この実施形態では、ヒンジリインフォースメント30は、比較的薄肉(例えば、1.0mm)の高張力鋼板にて構成されている。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車両用ピラー構造10では、例えば適用された自動車に対する側面衝突によってセンタピラー12に車幅方向内向きの衝突荷重が入力されると、該センタピラー12の曲げに伴って、センタピラーアウタリインフォースメント20とヒンジリインフォースメント30とのスポット溶接部SWには、せん断荷重、剥離荷重が作用する。
ここで、車両用ピラー構造10では、ヒンジリインフォースメント30におけるセンタピラーアウタリインフォースメント20との前後のスポット溶接部SWが前側ヘミング部42、後側ヘミング部44とされている。このため、車両用ピラー構造10では、センタピラーアウタリインフォースメント20とヒンジリインフォースメント30とのスポット溶接部SWの強度が高い。
この点を図9に示す比較例に係る車両用ピラー構造100との比較しつつ補足する。車両用ピラー構造100では、センタピラー102を構成するセンタピラーアウタリインフォースメント20に、高張力鋼板より成るヒンジリインフォースメント104が接合されている。ヒンジリインフォースメント104は、補強壁106と前壁108と後壁110とで車幅方向内向きに開口する断面略「コ」字状を成しており、前壁108、後壁110において前壁26、後壁28に2枚重ね合わせのスポット溶接にて接合されている。なお、図9では、センタピラーアウタ22の図示を省略している。
ところで、高張力鋼板のスポット溶接部の引張せん断強さは、図4(A)に示される如く接合される部材の板厚に依存する。また、高張力鋼板のスポット溶接部の十字引張強さ(剥離強度)は、図4(B)に示される如く接合される部材の板厚と母材強度に依存する。すなわち、ヒンジリインフォースメント104を薄肉化すると、スポット溶接部の引張せん断強さ、十字引張強さが低下する。特に、図4(B)に示される如く十字引張強さは、母材の引張強さが590MPaを超えることによっても低下することとなるので、引張強さが590MPa以上の高張力鋼板を用いて一層の薄肉化を図ると、十字引張強さがより低下することとなる。このため、車両用ピラー構造100においては、薄肉の高張力鋼板にてヒンジリインフォースメント104自体の要求強度を満たす一方、該ヒンジリインフォースメント104とセンタピラーアウタリインフォースメント20との接合強度が不足することがあり、接合強度すなわち所要の衝突性能を確保するためにはヒンジリインフォースメント104に対する要求性能に対し過剰な板厚を設定する必要が生じる。
これに対して車両用ピラー構造10では、上記の通りヒンジリインフォースメント30が前側ヘミング部42、後側ヘミング部44においてセンタピラーアウタリインフォースメント20の前壁26、後壁28にスポット溶接にて接合されるため、車両用ピラー構造100と比較してスポット溶接部SWの板厚が厚い(母材の厚みが同じであれば、厚みが2倍になる)。このため、図3(A)及び図3(B)に示される如く、スポット溶接部の板厚が1.0mmの比較例との比較で、スポット溶接部SWの板厚が2.0mmとなる車両用ピラー構造10では、スポット溶接部SWの引張せん断強さ、十字引張強さが何れも著しく向上する。
以上により、この実施形態に係る車両用ピラー構造10では、センタピラー12への側面衝突に対するスポット溶接部SWの所要の強度を確保することが実現される。これにより、センタピラー12において、ヒンジリインフォースメント30に、それ自体の側面衝突に対する補強性能を発揮させることができる。また、ヒンジリインフォースメント30は、高張力鋼板を用いることで、上記の補強性能を確保しつつ薄肉化されており、車体の軽量化に寄与する。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記した第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品、部分については、第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略する。
(第2の実施形態)
図5には、第2の実施形態に係る車両用ピラー構造50が模式的な平断面図にて示されている。この図に示される如く、車両用ピラー構造50は、開口内側に折り返された折り返し壁部38、40を有するヒンジリインフォースメント30に代えて、開口外側に折り返された折り返し壁部52、54を有する補強部材としてのヒンジリインフォースメント55を備える点で、第1の実施形態に係る車両用ピラー構造10とは異なる。
すなわち、車両用ピラー構造50を構成するヒンジリインフォースメント55では、前壁34における折り返し壁部52の重ね合わせ部が前側ヘミング部42とされると共に、後壁36における折り返し壁部54の重ね合わせ部が後側ヘミング部44とされている。なお、図5の例では、外壁24と補強壁32とが非接合されているが、外壁24と補強壁32とは車両用ピラー構造10と同様に接合されても良い。逆に車両用ピラー構造10における外壁24と補強壁32とを非接合としても良い。車両用ピラー構造50における他の構成は、車両用ピラー構造10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る車両用ピラー構造50によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用ピラー構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。すなわち、本発明の実施形態では、折り返し壁部の折り返し方向に依らず、スポット溶接による接合部の板厚増大によって、スポット溶接部SWの引張せん断強さ、十字引張強さが向上される。
(第3の実施形態)
図6には、第3の実施形態に係る車両用ピラー構造60が模式的な平断面図にて示されている。この図に示される如く、車両用ピラー構造60は、前壁34、後壁36における補強壁32側とは反対側の端部近傍に前側ヘミング部42、後側ヘミング部44が形成されたヒンジリインフォースメント30に代えて、補強壁32に近接して前側ヘミング部42、後側ヘミング部44が形成された補強部材としてのヒンジリインフォースメント62を備える点で、第1の実施形態に係る車両用ピラー構造10とは異なる。
具体的には、高張力鋼板より成るヒンジリインフォースメント62を構成する前壁64、後壁66は、車両用ピラー構造10における前壁34、36と比較して、車幅方向に沿った長さが短い。一方、折り返し壁部38、折り返し壁部40、すなわち前側ヘミング部42、後側ヘミング部44の車幅方向に沿った長さは、車両用ピラー構造10と同等とされている。
したがって、前壁64は、車幅方向の略全長に亘って折り返し壁部38が重ね合わされて前側ヘミング部42とされ、後壁66は、車幅方向の略全長に亘って折り返し壁部40が重ね合わされて後側ヘミング部44とされている。別言すれば、ヒンジリインフォースメント62では、前壁64における折り返し壁部38が重ね合わされていない(前側ヘミング部42以外の)部分は、前側ヘミング部42に対し車幅方向の長さが十分に短く、後壁66における折り返し壁部40が重ね合わされていない(後側ヘミング部44以外の)部分は、後側ヘミング部44に対し車幅方向の長さが十分に短い構成とされている。
このため、車両用ピラー構造60では、ヒンジリインフォースメント62とセンタピラーアウタリインフォースメント20とのスポット溶接部SWが、ヒンジリインフォースメント62における補強壁32と前壁64、後壁66との稜線(角部)Rに近接して配置されている。なお、図6の例では、ヒンジリインフォースメント62の補強壁32には接合座部32Aが形成されていない例が示されているが、補強壁32が接合座部32Aを有する構成としても良い。逆に車両用ピラー構造10における補強壁32が接合座部32Aを有しない構成としても良い。車両用ピラー構造60における他の構成は、車両用ピラー構造10の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係る車両用ピラー構造60によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用ピラー構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、車両用ピラー構造60では、スポット溶接部SWがヒンジリインフォースメント62の稜線Rに近接して配置されているので、スポット溶接部SWに作用する剥離荷重によって前壁64、後壁66がヒンジリインフォースメント62の開口を広げる方向に倒れ変形し難い。
例えば、図7(B)に示される比較例に係る車両用ピラー構造100では、スポット溶接部SWcに剥離荷重Fが入力された場合、稜線Rからスポット溶接部までの距離Lcが長いために前壁108、後壁110に作用する倒れ方向のモーメントMcが相対的に大きい。これに対して、車両用ピラー構造60では、図7(A)に示される如く稜線Rからスポット溶接部SWまでの距離Lが短いので、前壁64、後壁66に作用する倒れ方向のモーメントMが低減され、前壁64、後壁66の倒れ変形が抑制される。これにより、車両用ピラー構造60では、ヒンジリインフォースメント62による補強効果が適正に発揮されやすく、例えば車両用ピラー構造10と比較してもセンタピラー12の側面衝突に対する補強効果が高い。
(第4の実施形態)
図8には、第4の実施形態に係る車両用ピラー構造70が模式的な平断面図にて示されている。この図に示される如く、車両用ピラー構造70は、センタピラーインナパネル18とセンタピラーアウタリインフォースメント20とで閉断面構造を成すセンタピラー12に代えて、センタピラーアウタリインフォースメント74を主要骨格構造とする開断面構造のセンタピラー72を備える点で、第3の実施形態に係る車両用ピラー構造60とは異なる。
センタピラーアウタリインフォースメント74は、外壁24と前壁26と後壁28とを有すると共にセンタピラーアウタ22のフランジ22Aに接合された前後のフランジ74Aを有し、センタピラーアウタリインフォースメント20と同様の形状を成している。このセンタピラーアウタリインフォースメント74は、高張力鋼板の比較的厚板にて構成されることでセンタピラー72としての所要の強度を確保している。
そして、車両用ピラー構造70では、センタピラーアウタリインフォースメント74の外壁24、前壁26、後壁28にヒンジリインフォースメント62の補強壁32、前側ヘミング部42(前壁64)、後側ヘミング部44(後壁66)がスポット溶接にて接合されている。車両用ピラー構造70における他の構成は、車両用ピラー構造60(車両用ピラー構造10)の対応する構成と同じである。
したがって、第4の実施形態に係る車両用ピラー構造70によっても、基本的に第3の実施形態に係る車両用ピラー構造60(車両用ピラー構造10)と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
特に、側面衝突に伴って前壁26、後壁28が互いに離間する方向に倒れやすい断面形状(断面が開きやすい開断面構造)のセンタピラー72に適用された車両用ピラー構造70では、ヒンジリインフォースメント62の前壁64、後壁66の倒れ変形が抑制されることで、センタピラーアウタリインフォースメント74の断面が開く方向の変形が抑制される。すなわち、ヒンジリインフォースメント62を備えた車両用ピラー構造70は、開断面構造のセンタピラー72に好適に適用される。
なお、上記した各実施形態では、本発明に係る車体骨格構造がセンタピラー12、72に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、車体の各種骨格部に本発明を適用することができる。特に、本発明は、衝突等に伴い曲げを受ける骨格部に好適に適用され、該曲げに伴ってせん断荷重及び剥離荷重が作用するスポット溶接部を有する骨格部により好適に適用される。
また、上記した各実施形態では、ヒンジリインフォースメント30、62が高張力鋼板より成る例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ヒンジリインフォースメント30、62が自動車用の普通鋼板(一般鋼板)等より成る構成としても良い。
さらに、上記した各実施形態では、折り返し壁部38、40、54、56が1回折り返されて形成された2枚重ね合わせ部である前側ヘミング部42、後側ヘミング部44を有する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、2回折り返しによって3枚重ね合わせ部を形成し、該3枚重ね合わせ部において相手方にスポット溶接される構成としても良い。
またさらに、上記した各実施形態では、互いに対向する前壁34、後壁36又は前壁64、後壁66に前側ヘミング部42、後側ヘミング部44が形成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、断面ハット形状を成す補強部材のフランジ部を折り返し構造のヘミング部として構成しても良い。
10 車両用ピラー構造(車体骨格構造)
18 センタピラーインナパネル(車体骨格本体、ピラー部材)
20 センタピラーアウタリインフォースメント(車体骨格本体、ピラー部材)
24 外壁
26 前壁(対向壁)
28 後壁(対向壁)
30 ヒンジリインフォースメント(補強部材)
32 補強壁
34 前壁(接合壁)
36 後壁(接合壁)
38・40 折り返し壁部
42 前側ヘミング部(重ね合わせ部)
44 後側ヘミング部(重ね合わせ部)
50・60・70 車両用ピラー構造
52・54 折り返し壁部
55・62 ヒンジリインフォースメント(補強部材)
64 前壁(接合壁)
66 後壁(接合壁)
74 センタピラーアウタリインフォースメント(車体骨格本体、ピラー部材)

Claims (5)

  1. 所定方向に長手とされた車体骨格本体と、
    前記車体骨格本体の長手方向に対する直交方向の両端を折り返して形成された一対の重ね合わせ部を有し、各重ね合わせ部において前記車体骨格本体にスポット溶接にて接合された補強部材と、
    を備えた車体骨格構造。
  2. 前記車体骨格本体は、互いに対向する一対の対向壁と、該一対の対向壁の車両外側端部を連結する外壁と有し、
    前記補強部材は、前記外壁と対向する補強壁と、該補強壁の幅方向両端から前記一対の対向壁に沿って延在されると共に少なくとも一部が前記重ね合わせ部とされた一対の接合壁とを有する請求項1記載の車体骨格構造。
  3. 前記一対の接合壁は、それぞれ前記補強壁から車体内側に向けて延在されると共に、該補強壁との角部に近接した部分に前記重ね合わせ部が形成されている請求項2記載の車体骨格構造。
  4. 車両上下方向に延在され、車幅方向外側に位置する外壁と、該外壁における車両前後方向の前端部から車幅方向内向きに延在された前壁と、前記外壁における車両前後方向の後端部から車幅方向内向きに延在された後壁とを有するピラー部材と、
    前記ピラー部材の外壁に対向する補強壁と、該補強壁における車両前後方向の前端部から車幅方向内向きに延在された前壁と、前記補強壁における車両前後方向の後端部から車幅方向内向きに延在された後壁と、前記前壁及び後壁の車幅方向内端から折り返されて形成された前後一対の折り返し壁部とを有し、前記前壁と車両前後方向の前側に位置する前記折り返し壁部との重ね合わせ部分が前記ピラー部材の前壁にスポット溶接にて接合されると共に、前記後壁と車両前後方向の後側に位置する前記折り返し壁部との重ね合わせ部分が前記ピラー部材の後壁にスポット溶接にて接合された補強部材と、
    を備えた車両用ピラー構造。
  5. 前記補強部材は、前記前壁及び後壁が車幅方向の全長に亘って前記折り返し壁部と重ね合わされるか、又は、前記前壁及び後壁における前記折り返し壁部と重ね合わされた部分の車幅方向に沿った長さが該折り返し壁部と重ね合わされない部分の車幅方向に沿った長さに対し長く設定されている請求項4記載の車両用ピラー構造。
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