JP2010251797A - キャパシタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャパシタにおいて内部抵抗にばらつきが生じるとの課題があった。本発明は、内部抵抗のばらつきが小さく、充放電特性に優れたキャパシタの提供を目的とする。
【解決手段】 本発明のキャパシタは、正極及び負極として作用する一対の電極と、常温溶融塩を含んだ電解液と、前記電極と前記電解液を収納する耐熱容器と、前記耐熱容器に溶接した蓋とからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、キャパシタおよびその製造方法に関するものである。
電気二重層キャパシタなどのキャパシタは、高エネルギー密度、軽量、小型といった特徴があり、携帯機器の時計機能のバックアップ電源や、半導体メモリのバックアップ電源等として用いられてきた。これらの携帯機器は、小型化、軽量化、高機能化する必要があり、更なるキャパシタの高密度実装が求められている。
また、キャパシタを回路基板に実装する際にリフローハンダ付け法が一般的に用いられるようになっている。リフローハンダ付け法は、回路基板のハンダ付けをする部分にハンダクリームを塗布後その上にキャパシタを載置して、回路基板ごと200〜260℃の高温の炉内を通過させることによりハンダ付けを行う方法である。リフローハンダ付けに耐えられるよう、キャパシタは高い耐熱性が求められている。
蓋と耐熱容器を溶接することにより封止するキャパシタが知られている(例えば、特許文献1参照)。有機溶媒と電解質からなる電解液と電極を耐熱容器に入れ、耐熱容器と蓋を溶接することにより封止している。
このキャパシタは、耐熱容器と蓋を抵抗溶接などにより接合するため気密性が高く耐熱性に優れている。
また、電解液として固体の電解質を有機溶媒に溶解させたものを用いていた。
特開2001‐216952号公報(第2項から第3項、第1図)
本発明の課題は、キャパシタの内部抵抗のばらつきである。
上記のキャパシタは耐熱容器と蓋を溶接して封止していたが、内部抵抗値のばらつきが大きく問題となっていた。
従来のキャパシタは溶接により封止を行っているため、電解液に溶接時の熱が伝播し有機溶媒が蒸発して、固体の電解質が析出する場合があった。電解液に伝播する熱量が一定であれば、析出する電解質量もほぼ一定となり内部抵抗が上昇する量も予測可能となるが、電解液に伝播する熱量は大きく変化し、電解液の濃度差が大きくなるため内部抵抗の上昇量にばらつきが生じる。
これは、蓋と容器の位置関係や、蓋の反り、溶接位置、溶接面への電解液の付着の有無などの要因によって大きく熱量が変化するためである。種々の要因によって影響を受けるため、電解液に伝播する熱を一定にすることは困難である。
また、電解液に対して電解質の溶解度が20重量%前後しかないため、溶接時の熱により電解質が容易に析出し内部抵抗値が増加していた。キャパシタの充放電容量を大きくしたり内部抵抗値を小さくするためには、電解液中に含まれる電解質は多い方が好ましいが、溶接熱による電解質の析出を回避するために、溶解させる電解質を少なくする必要があった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、内部抵抗のばらつきが小さく、充放電特性に優れたキャパシタの提供を目的とする。
本発明は上記の課題を解決するため、耐熱容器と蓋とを溶接により封止するキャパシタにおいて、電解質として常温溶融塩を用いることを特徴とするものである。
本発明のキャパシタは、正極及び負極として作用する一対の電極と、常温溶融塩を含んだ電解液と、前記電極と前記電解液を収納する耐熱容器と、前記耐熱容器に溶接した蓋とからなる。
また本発明のキャパシタの製造方法は、耐熱容器の底部に第一の電極を接合し、セパレーターを前記電極上に配する第一工程と、前記耐熱容器に常温溶融塩を含んだ電解液を注入する第二工程と、蓋に第二の電極を接合する第三工程と、前記耐熱容器と前記蓋を溶接し封止する第四工程からなる。
本発明を用いると、溶接により容器と蓋を封止するキャパシタにおいて内部抵抗のばらつきを小さくすることができる。
常温溶融塩と有機溶媒は任意の濃度で混合が可能であり、有機溶媒が揮発しても塩が析出することが無い。溶接時の熱により電解液の濃度差が大きくなっても、キャパシタの内部抵抗のばらつきが大きくなることがない。常温溶融塩の濃度変化に対するキャパシタの内部抵抗の変化率が小さいためである。
以上より本発明を用いると、内部抵抗のばらつきの小さく、充放電特性の優れたキャパシタの提供が可能となる。
本発明のキャパシタの断面図である。 本発明のキャパシタの断面図である。 本発明のキャパシタで用いる耐熱容器と蓋の断面図である。 本発明のキャパシタの耐熱容器と蓋を溶接する工程を示した図である。 キャパシタに用いる耐熱容器と蓋の斜視図である。 電解液濃度と内部抵抗値の関係を示すグラフである。
本発明に係るキャパシタの構造を図1に示す。図1は本発明のキャパシタの断面図である。
グリーンシートを積層して耐熱容器1を形成した。その際、グリーンシートにタングステンをプリントし焼結処理することにより、タングステン配線を有した耐熱容器1を得た。このタングステン配線を腐食防止やハンダ付けのためニッケルや金めっきなどで被覆して第一接続端子及び第二接続端子を形成した。第一接続端子は、耐熱容器1の内側底面上に形成され耐熱容器1の壁面を貫通し外側底面まで配設されており、集電体と接続端子の両方の役目を果たす。
耐熱容器1の内部底面上に形成された第一接続端子の上面に第一の電極2と、ガラス繊維製のセパレータ3と、第二の電極4を積層配置した。次に電解質として作用する電解液5を耐熱容器1に注入した。
耐熱容器1の側壁端部に接合材が設けてあり、接合材を介して蓋6と耐熱容器1が溶接
される。接合材が溶融して溶接部7となり耐熱容器1と蓋6を接合している。接合材を設けるのは、耐熱容器1と蓋6のどちらか一方、若しくは耐熱容器と蓋の両方でも良い。耐熱容器と蓋とを溶接するのに溶接方法は特に限定されないが、抵抗シーム溶接またはレーザーシーム溶接を用いると封止強度が増大し耐熱性が向上する。
従来のキャパシタで用いられる電解液は、固体である電解質を有機溶媒に溶解させたものであった。電解液に溶接時の熱が伝播して有機溶媒が蒸発して、固体の電解質が析出する場合があった。電解液に伝播する熱量は大きく変化し、電解液の濃度差が大きくなり内部抵抗の上昇量にばらつきが生じる原因となっていた。
常温溶融塩とは、融点が低く常温で融解して液体である塩である。常温溶融塩はイオンのみからなり、非常に高い導電性を持つ。また、300℃程度の高温に加熱されても蒸発したり、分解したりすることが無く、高温に対して非常に安定特性を有している。
常温溶融塩を含有した電解液は、溶接熱により有機溶媒が揮発して電解液の濃度に誤差が生じても、電解液の導電性がほとんど変化しないためキャパシタの内部抵抗値がほぼ一定に保たれる。
また、従来の電解液では、飽和溶解度以上の電解質を溶解させることができないので、電解液中に含まれるイオン量が限定されていた。しかし、常温溶融塩を用いると有機溶媒と任意の濃度で混合することができ多量のイオンを含んだ電解液を製造することができ、電解液の導電性を向上させることができる。
常温溶融塩は揮発性が非常に低いため、本発明のキャパシタは真空中で溶接することが可能である。このため、電子ビーム溶接をキャパシタの封止に用いることができる。電子ビーム溶接は、溶接部の形状及び溶け込み深さの精密な制御が可能であり好ましいが、これに限定されるものでない。
図2を用いて耐熱容器1が金属リング8を有する場合を説明する。
耐熱容器1の側壁端部に金属リング8を設けている。金属リング8は、鉄‐コバルト合金からなり、表面にニッケルメッキなどが施されており、ろう材を用いて金属リング8は耐熱容器1に接合されている。ろう材には、銀ろうなどが適している。金属リングの材質は、耐熱容器と熱膨張係数が等しいものが適している。
金属リング8と一致するように耐熱容器1上に鉄‐コバルト合金製の蓋6を載置し、不
活性雰囲気下で耐熱容器1と蓋6を抵抗溶接し封止した。金属リング8に施されたニッケ
ルメッキが溶融して溶接部7となり蓋6と耐熱容器1が接合された。
金属リング8と接する蓋6の部分にニッケルメッキを施して接合材としても良い。
本発明で用いる耐熱容器及び蓋を図3に示す。
第二接続端子は、耐熱容器1の外側面に形成されており金属リングを介して蓋6と接続した。第二の電極4は蓋6と接触しており、第二接続端子を介して外部回路と電気的に接続した。
第一接続端子、第二接続端子は耐熱容器1の外側底面部に設けても、耐熱容器1の側面に設けてもよく、ハンダとの濡れにより、基板とのハンダ付けが可能である。
イミダゾリウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリウムカチオン、ピロリニウムカチオン、ピロリジニウムカチオンがキャパシタに用いる常温溶融塩として適している。中でも、1‐エチル‐3
‐メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+)は電気伝導率が特に高くキャパシタの電解質に適している。
イミダゾリウムカチオンには、ジアルキルイミダゾリウムカチオンとトリアルキルイミダゾリウムカチオンが含まれる。具体的には、1,3‐ジメチルイミダゾリウムカチオン(DMI+)、1‐エチル‐3‐メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+)、1‐メチル‐3‐エチルイミダゾリウムカチオン(MEI+)、1‐メチル‐3‐ブチルイミダゾリウムカチオン(MBI+)、1‐ブチル‐3‐メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+)、1,2,3‐トリメチルイミダゾリウムカチオン(TMI+)、1,2‐ジメチル‐3‐エチルイミダゾリウムカチオン(DMEI+)、1,2‐ジメチル‐3‐プロピルイミダゾリウムカチオン(DMPI+)、1‐ブチル‐2,3‐ジメチルイミダゾリウムカチオン(BDMI+)などを用いることができるが、これらに限定されない。
ピリジニウムカチオンとしては、N‐エチルピリジニウムカチオン(EP+)、N‐n‐ブチルピリジニウムカチオン、N‐s‐ブチルピリジニウムカチオン、N‐n‐プロピルピリジニウムカチオン、1‐エチル‐2‐メチルピリジニウムカチオン、1‐n‐ヘキシル‐2‐メチルピリジニウムカチオン、1‐n‐ブチル‐4‐メチルピリジニウムカチオン、1‐n‐ブチル‐2,4‐ジメチルピリジニウムカチオンなどを用いることができるが、これらに限定されない。
ピラゾリウムカチオンとしては、1,2‐ジメチルピラゾリウムカチオン、1‐エチル‐2‐メチルピラゾリウムカチオン、1‐プロピル-2-メチルピラゾリウムカチオン、1‐ブチル‐2‐メチルピラゾリウムカチオンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ピロリウムカチオンとしては、1,1‐ジメチルピロリウムカチオン、1‐エチル‐1‐メチルピロリウムカチオン、1‐メチル‐1‐プロピルピロリウムカチオン、1‐ブチル‐1‐メチルピロリウムカチオンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ピロリニウムカチオンとしては、1,2‐ジメチルピロリニウムカチオン、1‐エチル‐2‐メチルピロリニウムカチオン、1‐プロピル‐2‐メチルピロリニウムカチオン、1‐ブチル‐2‐メチルピロリニウムカチオンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ピロリジニウムカチオンとしては、1,1‐ジメチルピロリジニウムカチオン、1‐エチル‐1‐メチルピロリジニウムカチオン、1‐メチル‐1‐プロピルピロリジニウムカチオン、1‐ブチル‐1‐メチルピロリジニウムカチオンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
アニオンとしては、AlCl−、AlCl−、HF−、NO−、NO−、BF−、PF−、AsF−、SbF−、NbF−、TaF−、CHCO−、CFCO−、CCO−、CHSO−、CFSO−、CSO−、N(CFSO−、N(CSO−、C(CFSO−、N(CN)−が用いられる。
(実施例1)
図1と同様の形状の耐熱容器を用いて電気二重層キャパシタを作製した。耐熱容器1はアルミナ製で、サイズは5×5×1mmの大きさである。耐熱容器1の側壁端部にニッケルメッキ層が形成されており、ニッケルメッキ層を介して蓋6と耐熱容器1が溶接される
。凹状のへこみは深さが0.6mm、大きさは3×4mmとした。第一接続端子と第二接続端子の配線はタングステン上部に金めっきを施したものとした。蓋は、厚さ0.15mmの鉄‐コバルト合金の板を用いた。
第一の電極2と第二の電極4は2×3mm、厚さ0.15mmの大きさであり、フッ素
樹脂をバインダーとして用いて活性炭を圧縮成型し電極とした。第一の電極2は導電性接着剤により凹状の耐熱容器1の底部に接着した。第二の電極4は導電性接着剤により蓋6に接着した。次に、セパレータ3を第一の電極2上にのせ、電解液を加えた。電解液は、常温溶融塩であるEMIBFとプロピレンカーボネート(以下PCとする)を混合して作製した。電解液に対して20重量%となるようにEMIBFを加えた。第二の電極4を接着した蓋6を耐熱容器1に載置し、窒素雰囲気中で蓋6と耐熱容器1をスポット溶接し仮止めしたあと、蓋6の対向する二辺に対向するローラー型の電極を押し付け、電流を流すことで、抵抗溶接の原理でシーム溶接した。図4にキャパシタをシーム溶接する図を示す。また、図5にキャパシタの耐熱容器と蓋の斜視図を示す。
(実施例2)
EMIBFが電解液に対して40重量%となるように混合した電解液を用いて実施例2を作製した。
他の条件は、実施例1と同一である。
(実施例3)
EMIBFが電解液に対して60重量%となるように混合した電解液を用いて実施例3を作製した。
他の条件は、実施例1と同一である。
(実施例4)
EMIBFが電解液に対して80重量%となるように混合した電解液を用いて実施例4を作製した。
他の条件は、実施例1と同一である。
(実施例5)
EMIBFが電解液に対して90重量%となるように混合した電解液を用いて実施例5を作製した。
他の条件は、実施例1と同一である。
(実施例6)
EMIBFが電解液に対して100重量%となるように混合した電解液を用いて実施例6を作製した。
他の条件は、実施例1と同一である。
(実施例7〜12)
N‐エチルピリジニウムカチオン(EP+)からなる常温溶融塩EPBFとプロピレンカーボネート(以下PCとする)を混合して作製した。電解液に対して20〜100重量%となるようにEPBFとPCを混合して実施例7〜12をそれぞれ作製した。
(比較例1)
PCに電解質(CNBFを溶解させたものを電解液として用いた。(CNBFが電解液に対して10重量%になるように混合した電解液を用いて比較例1を作製した。それ以外の条件は実施例1と同様にして比較例を作製した。
(比較例2)
(CNBFが電解液に対して20重量%になるように混合した電解液を用いて比較例2を作製した。それ以外の条件は実施例1と同様にして比較例を作製した。
比較例と実施例は、それぞれ30個サンプルを作り、内部抵抗や充放電容量を測定した。実施例と比較例の製造条件、放電容量の平均値、内部抵抗の平均値を表1に示す。
Figure 2010251797
また、実施例と比較例の内部抵抗値を縦軸、電解液に含まれる電化質の濃度を横軸にプロットしたグラフを図6に示す。
常温溶融塩であるEMIBF、若しくはEPBFを用いたキャパシタでは、幅広い濃度域で
内部抵抗値が低く、電解液濃度が変化しても内部抵抗値にばらつきを生じることがない。任意の濃度で常温溶融塩と有機溶媒を混合することができ、電解液中に多くのイオンを含有させることが可能であり、内部抵抗の低下に有効である。特に、電解液に対する常温溶融塩の含有量が10重量%以上であることが好ましい。常温溶融塩の含有量が10重量%より少ないと電解液に含まれるイオン量が少なくなり、内部抵抗の上昇や、充放電容量の減少を生じ好ましくないためである。
さらに、電解液に対する常温溶融塩の含有量が10重量%〜90重量%の範囲では、内部抵抗値の変化が小さく好ましい。常温溶融塩の含有量が90重量%を超えると電解液の粘性が高くなるため、電解液に対する常温溶融塩の含有量が10重量%〜90重量%の範囲であると特に好ましい。
一方のPCに電解質(CNBFを溶解させた従来の電解液では、電解液の濃度変化に対してキャパシタの内部抵抗値が大きく変化しており、電解液に伝播する熱量が変化すると内部抵抗のばらつきも大きくなることがわかった。かしめ封止などによる従来のキャパシタでは、熱により有機溶媒が揮発し電解液濃度が変化することが無かったため、内部抵抗のばらつきは問題とならなかった。しかし、溶接により容器と蓋の封止を行うキャパシタにおいては、濃度変化により内部抵抗値が大きく変化する電解液は適していない。
また、キャパシタの内部抵抗を低くし、かつ充放電容量を大きくするためには電解液中に含まれる電解質は多い方が好ましい。しかし、従来の固体の電解質の有機溶媒に対する飽和溶解度は、20重量%前後であり、多くの電解質を溶解させることができない。飽和溶解度に近い濃度の電解液では、溶接熱による電解質の析出を生じやすい。電解質の析出を防ぐために、予め電解液の濃度を薄めに設定する必要があり、充放電容量や内部抵抗値の改善の妨げとなっていた。
実施例13
実施例13を以下に説明する。エポキシ樹脂を耐熱容器として用いたキャパシタである。
耐熱容器に用いる樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、エポキシ樹脂が適している。耐熱容器に樹脂を用いることにより安価に耐熱容器を作ることができる。
電極と電解液は実施例1と同じものを用いた。接続端子及び金属リング8とエポキシ樹
脂がインサート成型されて耐熱容器1を形成する。第一接続端子、第二接続端子として金属板を用いている。第二接続端子と金属リング8は電気的に接続されている。金属板とエ
ポキシ樹脂をインサート成型し、第一接続端子と第二接続端子と金属リング8が耐熱容器
1の内部に埋め込まれる。
第一の電極2と第二の電極4は2×3mm、厚さ0.15mmのの大きさであり、フッ素樹脂をバインダーとして用いて活性炭を圧縮成型し作製した。第一の電極2は導電性接着剤により凹状の耐熱容器1の底部に接着した。第二の電極4は導電性接着剤により蓋6に接着した。次に、セパレータ3を第一の電極2上にのせ、常温溶融塩としてEMIBFを加えた。第二の電極4を接着した蓋6を載置し、加圧したアルゴン雰囲気中で、蓋6と耐熱容器1をスポット溶接し仮止めしたあと、蓋6の対向する二辺に対向するローラー型の電極を押し付け、電流を流すことで、抵抗溶接の原理でシーム溶接した。基板上の接続端子の位置にクリームハンダを塗り、作製した電気二重層キャパシタについて、リフローハンダ付けを行った。加熱は、第一加熱が160℃で2分間、連続して第二加熱200℃以上1分間(最高到達温度260℃)の条件で行ったが漏液等は起こらなかった。また、内部抵抗も低く優れた特性を有している。
なお、耐熱容器の材質は、セラミック、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱材料を用いるとキャパシタの耐熱性が向上するため好ましいが、これらに限定されない。耐熱容器に樹脂を用いる場合は金属端子などをインサート成形する。
常温溶融塩の粘性を低下させるためにに加える有機溶媒として、アセトニトリル、ジエチルエーテル、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボーネート、1,2‐ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、γ‐ブチロラクトン(γBL)などを用いることができる。特にプロピレンカーボネートを用いると内部抵抗が減少し好ましいが、これに限定されない。
蓋は、集電体を兼ねるため、鉄‐コバルト合金、鉄‐ニッケル合金、ニッケル、銅、ステンレス、アルミニウム等の金属を用いることができる。
セパレータは、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち絶縁性の膜が用いられる。リフローハンダ付けにおいては、ガラス繊維が最も安定して用いることができるが、熱変形温度が230℃以上のポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミドなどの樹脂を用いることもできる。セパレータの孔径、厚みは特に限定されるものではなく、使用機器の電流値とキャパシタ内部抵抗に基づき決定する設計的事項である。また、セラミックの多孔質体を用いることもできる。
1 耐熱容器
2 第一の電極
3 セパレータ
4 第二の電極
5 電解液
6 蓋
7 溶接部
8 金属リング

Claims (12)

  1. 正極及び負極として作用する一対の電極と、電解液と、前記電極と前記電解液とを収納する耐熱容器と、前記耐熱容器を溶接により封止する蓋とを有するキャパシタであって、
    前記電解液は、常温溶融塩を含むものであり、
    前記溶接は、レーザーシーム溶接であることを特徴とするキャパシタ。
  2. 前記常温溶融塩のカチオンがイミダゾリウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリウムカチオン、ピロリニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ。
  3. 前記常温溶融塩のカチオンが1‐エチル‐3‐メチルイミダゾリウムカチオンであることを特徴とする請求項2に記載のキャパシタ。
  4. 前記耐熱容器がセラミック、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンのいずれかからなり、かつ前記蓋と接する面に金属リングを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のキャパシタ。
  5. 前記常温溶融塩を前記電解液に対して10重量%以上含む請求項1から4に記載のキャパシタ。
  6. 前記電解液は、前記常温溶融塩を溶媒に溶解させる場合には、有機溶媒を用いることを特徴とする請求項5に記載のキャパシタ。
  7. 前記有機溶媒が、プロピレンカーボネートである請求項6に記載のキャパシタ。
  8. 前記キャパシタの内部抵抗値が、110Ω以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のキャパシタ。
  9. 前記蓋の接合面と、前記耐熱容器の側壁端部または前記耐熱容器の側壁端部に設けられた金属リング上にはニッケルメッキが施されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のキャパシタ。
  10. 耐熱容器に、第一の電極と、セパレータと、第二の電極と、常温溶融塩を含む電解液とを収納する第一工程と、
    蓋と前記耐熱容器とをレーザーシーム溶接によって封止する第二工程からなるキャパシタの製造方法。
  11. 前記第二工程は、電解液が蒸発する状態で溶接することを特徴とする請求項10に記載のキャパシタの製造方法。
  12. 前記第一工程における前記電解液には、前記電解液に対して10重量%以上の常温溶融塩が混合され、
    前記第二工程で封止した前記キャパシタの内部抵抗値が、110Ω以下であることを特徴とする請求項10または11に記載のキャパシタの製造方法。
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