JP2010251510A - プリント基板およびプリント基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】実装部品を実装した際に、実装部品の動作を安定化させるプリント基板およびプリント基板の製造方法を提供する。
【解決手段】プリント基板は、絶縁性の基板11と、BN層12と、導電性のパターン13とを備えている。BN層12は、絶縁性の基板11上に形成され、非晶質BN層22と、六方晶BN層21とが交互に積層されている。導電性のパターン13は、BN12層上に形成されている。hBN層21は、hBN層21の表面の法線と平行なc軸を有する配向性hBN層である。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント基板およびプリント基板の製造方法に関し、より特定的には配線用材料として用いられるプリント基板およびプリント基板の製造方法に関する。
フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)などのプリント基板は、その柔軟性を利用した用途が広がっている。このようなフレキシブルプリント基板は、たとえば特開平6−296073号公報(特許文献1)などに開示されている。この特許文献1のフレキシブルプリント基板は、樹脂で形成されたフレキシブルな基板と、基板上に形成された銅(Cu)導体のプリント回路と、プリント回路の一端部上面と他端部上面にレーザ反射率が75%以下の金属のメッキとを備えている。
特開平6−296073号公報
上記特許文献1のフレキシブルプリント基板のプリント回路上に電子部品を実装する技術がある。しかし、近年の実装技術の進歩により、フレキシブルプリント基板上に実装された電子部品の発熱量が著しく増大している。このため、上記特許文献1のフレキシブルプリント基板では、電子部品から生じた熱を逃がすことが難しい。したがって、電子部品を安定して動作させることができなかった。
また、発熱する電子部品に接触するように放熱シートを接着させてシート面内に熱を逃がす技術が考えられる。しかし、放熱シートの配置等には制約があり、放熱が十分ではない。このため、電子部品を安定して動作させることが十分でなかった。
それゆえ本発明の目的は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、実装部品を実装した際に、実装部品の動作を安定化させるプリント基板およびプリント基板の製造方法を提供することである。
本発明のプリント基板は、絶縁性の基板と、窒化硼素(BN)層と、導電性のパターンとを備えている。BN層は、絶縁性の基板上に形成され、非晶質(アモルファス)BN層と、六方晶(hexagonal)BN層(hBN層)とが交互に積層されている。導電性のパターンは、BN層上に形成されている。hBN層は、hBN層の表面の法線と平行なc軸を有する配向性hBN層である。
本発明のプリント基板によれば、絶縁性の基板と導電性のパターンとの間に、表面の法線と平行なc軸を有する配向性hBN層を含むBN層を備えている。BN層は絶縁性であるので、絶縁性の基板と導電性のパターンとの非通電を阻害しない。
またhBN層はab面内にB元素とN元素とからなる六員環が規則的に並んだ結晶構造であることから、この配向性hBN層においてab面方向の熱伝導率が高い。hBN層が表面の法線と平行なc軸を有しているので、hBN層の表面と平行な方向はab面方向である。このため、hBN層において表面と平行な方向の熱伝導率を高めることができる。本発明は、この熱伝導率の高い配向性hBN層を有するため、導電性のパターン上に実装部品を実装した際に、hBN層の表面と平行な方向に実装部品から生じた熱を逃がすことができる。したがって、実装部品を実装した際に、実装部品の動作を安定化させることができる。
上記プリント基板において好ましくは、BN層の厚さが、1μm以上5μm以下である。1μm以上の場合、放熱性をより向上することができる。5μm以下の場合、容易にプリント基板を実現できる。
上記プリント基板において好ましくは、非晶質BN層の一層の厚さが、1nm以上5nm以下である。1nm以上の場合、放熱性をより向上することができる。5nm以下の場合、容易にプリント基板を実現できる。
上記プリント基板において好ましくは、導電性のパターンが銅である。これにより、特性のよいプリント基板を実現できる。
上記プリント基板において好ましくは、絶縁性の基板が樹脂シートである。これにより、特性のよいプリント基板を実現できる。
上記プリント基板において好ましくは、絶縁性の基板がポリイミドシートである。これにより、より特性のよいプリント基板を実現できる。
本発明のプリント基板の製法は、以下の工程を備えている。パターンとなる導電性の基板を準備する。導電性の基板上に、ガリウム(Ga)ガスの存在下で非晶質BN層と六方晶BN層とを交互に積層することにより、BN層を形成する。BN層と絶縁性の基板とを貼り合わせる。
本発明者らは、非晶質BN層がガリウムガスと接触することにより結晶化が進行してhBN層に転化していく中で、膜面の法線と平行なc軸を有するように配向が進行していくことを見出した。
このため、本発明のプリント基板の製造方法によれば、Gaガスの存在下で非晶質BN層を形成することで、非晶質BN層をhBN層に転化することができる。これにより、絶縁性の基板と、パターンとなる導電性の基板との間に、非晶質BN層とhBN層とを交互に積層したBN層を形成することができる。上述したように、BN層は絶縁性を実現でき、かつhBN層は高い放熱性を実現できる。したがって、パターン上に実装部品を実装した際に、hBN層の表面と平行な方向に実装部品から生じた熱を逃がすことができるプリント基板を製造することができる。よって、実装部品を実装した際に、実装部品の動作を安定化させることができるプリント基板を製造することができる。
上記プリント基板の製造方法において好ましくは、BN層を形成する工程では、物理蒸着法でBN層を形成する。これにより、BN層を容易に形成することができる。
上記プリント基板の製造方法において好ましくは、BN層を形成する工程では、400℃以上800℃以下の温度でBN層を形成する。これにより、Gaガスを容易に供給できるので、hBN層を容易に形成することができる。
上記プリント基板の製造方法において好ましくは、BN層を形成する工程では、プラズマ存在下でBN層を形成する。
これにより、Gaガスを生成するための温度を低下することができる。このため、BN層を形成する工程後に、導電性の基板とBN層とを冷却する温度範囲を狭くすることができる。このため、BN層と導電性の基板との熱膨張率の差による熱応力による剥離を抑制することができる。
本発明のプリント基板およびプリント基板の製造方法によれば、実装部品を実装した際に、実装部品の動作を安定化させることができる。
本発明の実施の形態におけるプリント基板を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるプリント基板を製造するための製造装置を概略的に示す模式図である。 本発明の実施の形態におけるプリント基板の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるパターンとなる導電性の基板を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるアモルファスBN層を形成した状態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるアモルファスBN層の結晶構造を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態におけるhBN層の結晶構造を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態におけるhBN層を形成した状態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるBN層を形成した状態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態における絶縁性の基板を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態における絶縁性の基板を貼り合せた状態を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるプリント基板の熱の流れを説明するための断面図である。 従来のフレキシブルプリント基板を概略的に示す断面図である。 本発明例1〜3のプリント基板の熱伝導率を測定するための試料を概略的に示す側面図である。 比較例1のフレキシブルプリント基板の熱伝導率を測定するための試料を概略的に示す側面図である。 実施例において熱伝導率を測定するための測定装置である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1を参照して、本実施の形態におけるプリント基板の一例であるフレキシブルプリント基板10を説明する。
フレキシブルプリント基板10は、絶縁性の基板11と、BN層12と、導電性のパターン13と、実装部品14と、ワイヤ15とを備えている。BN層12は、基板11上に形成され、hBN層21とアモルファス(非晶質)BN層22とが交互に積層されている。BN層12は、表面12aと、表面12aと反対側の裏面12bとを有している。パターン13は、BN層12の表面12a上に形成されている。実装部品14は、パターン13上に形成されている。ワイヤ15は、パターン13と実装部品14とを電気的に接続している。
基板11は、絶縁性であれば特に限定されず、たとえば樹脂シートを用いることができ、ポリイミドシートを用いることが好ましい。
BN層12は、絶縁性であり、交互に積層されたアモルファスBN層22とhBN層21とを有している。本実施の形態では、アモルファスBN層22とhBN層21とが2層ずつ交互に積層されているが、3層以上ずつ積層されていてもよい。
hBN層21は、各々のhBN層21の表面(本実施の形態ではBN層12の表面12a)の法線と平行なc軸を有する配向性である。hBN層21において、ab面(表面12aに平行な面)内にB原子とN原子とが交互に化合して共有結合的に形成された六員環が規則的に並んでいる。hBN層21は、六員環が二次元的に連結した平板状構造体と、平板状構造体がVanderWaals(ファンデルワールス)結合により積み重なった層状構造とを有している。このため、hBN層21の表面に平行な方向の熱伝導率が600W/mK以上700W/mK以下と高い。
BN層12は、全体で1μm以上5μm以下の厚みを有していることが好ましく、1.3μ以上4.5μm以下の厚みを有していることがより好ましい。1μm以上の場合、hBN層21の放熱効果をより高めることができる。1.3μm以上の場合、放熱効果をより一層高めることができる。一方、5μm以下の場合、BN層12を容易に形成することができる。4.5μm以下の場合、BN層12をより容易に形成することができる。
hBN層21の一層の厚さは、0.6nm以上3.4nm以下であることが好ましい。0.6nm以上の場合、放熱性を向上することができる。3.4nm以下の場合、hBN層への転化が容易になるため、時間を短縮することができるので、効率よくhBN層21を形成することができる。
アモルファスBN層22の一層の厚さは、1nm以上5nm以下が好ましく、1.5nm以上4.9nm以下がより好ましい1nm以上の場合、放熱性をより向上することができる。1.5nm以上の場合、放熱性をより向上することができる。一方、5nm以下の場合、容易にフレキシブルプリント基板10を実現できる。4.9nm以下の場合、より容易にフレキシブルプリント基板10を実現できる。
なお、BN層12は、図1に示すように基板11の全面を覆うように形成されていてもよく、パターン13下のみに形成されていてもよい。
パターン13は、導電性であり、たとえばCuなどの金属薄膜などを用いることができる。
実装部品14は、半導体などの電子部品などである。実装部品14は、特に限定されず、任意の部品を所望の部分に所望の数だけ配置される。ワイヤ15は導電性の部材である。実装部品14およびワイヤ15は省略されてもよい。
続いて、本実施の形態におけるフレキシブルプリント基板10の製造方法について説明する。
まず、図2を参照して、本実施の形態におけるフレキシブルプリント基板10の製造に使用可能な製造装置100の主要な構成について説明する。製造装置100は、図2に示すように、ターゲットから発生した原子が供給された基板が回転可能なスパッタリング装置である。
製造装置100は、真空チャンバ101と、坩堝102と、回転機構103と、スパッタガン104と、シャッタ105とを備えている。
坩堝102は、真空チャンバ101の内部に配置されている。この坩堝102の内部には、Gaが配置される。回転機構103は、基板16を載置し、かつ図2における矢印のように基板16を回転することが可能である。スパッタガン104は、イオンを発生し、そのイオンをBNターゲット111に衝突させることにより、基板16上にB原子およびN原子を供給する。シャッタ105は、BNターゲットを覆うことが可能である。
なお、製造装置100は、上記以外の様々な要素を含んでいてもよいが、説明の便宜上、これらの要素の図示および説明は省略する。
図3および図4に示すように、まず、パターンとなる導電性の基板16を準備する(ステップS1)。基板16は表面16aを有している。基板16として、たとえばCu基板などを準備する。準備した基板16は、図2に示す製造装置100の回転機構103に載置する。
次に、導電性の基板16上に、Gaガスの存在下でアモルファスBN層22とhBN層21とを交互に積層することにより、BN層12を形成する。このBN層12を形成する工程では、たとえば図2の製造装置100を用いて、以下の方法によりBN層12を形成する。
具体的には、坩堝102の内部にたとえば液体Gaを装填する。またBNターゲット111を配置する。BNターゲット111は、たとえばBNの焼結体からなる。真空チャンバ101の内部を真空に引く。真空度は、たとえば1Pa以上4Pa以下である。その後、真空チャンバ101の内部を400℃以上800℃以下に加熱する。加熱により、GaはGaガス(Ga蒸気)になり、真空チャンバ101内にGaガスが存在する。また、BNターゲット111に高周波プラズマを印加してもよい。
回転機構103により基板16を回転させながらスパッタすると、基板16の表面16aがスパッタ面の対向側にある時は、BNターゲット111から飛び出したB原子とN原子とが基板16の表面16aに到達する。このとき、Gaも存在するが、基板16の表面16aはエネルギーの高いB原子とN原子の到達が優先され、基板16の表面16aにGaが取り込まれることが抑制される。これにより、図5に示すように、基板16の表面16aに、表面17aを有するアモルファスのBN層17が形成される(ステップS3)。表面17aは、基板16と接している面と反対側の面である。
なお、Cu等の融点が低い基板16に対して、通常のPVD(Physical Vapor Deposition:物理蒸着)法等の気相法でBN層を形成すると、図6に示す結晶構造を有するアモルファスのBN層17になる。図6に示すように、アモルファスBN層17の結晶構造は、特定の方向に配向していない。
基板16の表面16aがスパッタ面の対向側から離れた時は、BN層17は形成されず、形成されたBN層17の表面17aにGa原子が付着する。Ga原子の触媒作用により、アモルファスBN層17中のB原子とN原子とは再配列し始め、図7に示すように、B原子とN原子との六員環が規則的に配列した配向性hBNに転化する。つまり、アモルファスBN層17の表面17aが配向したhBN層21に転化する。ターゲット111と対向した位置でアモルファスBN層17を形成してから1回転させる間に、Gaガスとの接触で配向したhBN層に転化する厚さは限定される。このため、図8に示すように、アモルファスBN層17から、転化したhBN層21と、hBN層21に転化されずに残ったアモルファスBN層22とを生成することになる(ステップS3)。
次に、アモルファスBN層17を形成するステップS2と、アモルファスBN17からhBN層21へ転化させるステップS3とを繰り返す(ステップS4)。ステップS4では、回転機構103により基板16を1回転を超えて回転させながらスパッタする。アモルファスBN層17を形成するステップS2後、この表面をhBN層21に転化するステップS3とを繰り返す(ステップS4)ことにより、図9に示すように、hBN層21とアモルファスBN層22とが交互に積層されたBN層12を形成することができる。
なお、図9では、基板16を2回転させ、hBN層21とアモルファスBN層22とがそれぞれ2層ずつ積層された状態を示しているが、特にこれに限定されない。基板16を3回転以上回転させて、hBN層21とアモルファスBN層22とがそれぞれ3層以上ずつ交互に積層された場合を本発明は含む。
このステップS2〜S4では、400℃以上800℃以下の温度でGaガスを供給することが好ましい。この温度範囲のGaガスにより、非晶質BN層17からhBN層21へ効率よく転化させることができる。
また、このステップS2〜S4では、プラズマ存在下でBN層12を形成することが好ましい。この場合、Gaガスを生成するための温度を低下することができる。このため、hBN層21を形成するステップS3後に、基板16とhBN層21とを冷却する温度範囲を狭くすることができる。したがって、hBN層21と基板16との熱膨張率の差による熱応力による剥離を抑制することができる。
各々のステップS3後において、アモルファスBN層22の一層の厚さが好ましくは1nm以上5nm以下、より好ましくは1.5nm以上4.9nm以下になるように形成する。
各々のステップS4後において、hBN層21の一層の厚さが0.6nm以上3.4nm以下になるように形成されることが好ましい。
このようなhBN層21およびアモルファスBN層22を形成するために、BNターゲット111から供給することにより形成されるアモルファスBN層17の一層当たりの厚さが1nmを超える厚みに形成することが好ましく、たとえば2.1nm以上8.3nm以下であることが好ましい。
また、ステップS4後のBN層12の厚さが、好ましくは1μm以上5μm以下、より好ましくは1.3μm以上4.5μm以下になるように形成することが好ましい。
なお、アモルファスBN層17を形成する方法はPVD法に限定されず、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着)法などを採用してもよい。
また、本実施の形態では、真空チャンバ101内を真空に保持して、低温でGaからGaガスの発生を活発にしているが、Gaガスの供給方法は特に限定されない。たとえば、高温に加熱する場合や、Gaガスを別途導入する場合などは、炉内を真空に保持しなくてもよい。
次に、図10に示すように、絶縁性の基板11を準備する。基板11は、絶縁性であれば特に限定されないが、たとえば樹脂シートなどを用いることができ、ポリイミドシートを用いることが好ましい。
次に、図3および図9に示すように、hBN層21と、絶縁性の基板11とを貼り合わせる(ステップS4)。本実施の形態では、hBN層21の裏面12bと基板11とが貼り合わされる。貼り合わせる方法は特に限定されず、接着剤を用いる等一般公知の方法を採用できる。
次に、基板16の一部を除去して、パターン13を形成する(ステップS5)。パターン13が所望の回路パターンになるように、エッチング等を行なう。ステップS3では、基板16のみをエッチングしてもよく、基板16とhBN層21とをエッチングしてもよい。
以上のステップS1〜S6を実施することにより、図1に示すフレキシブルプリント基板10を製造することができる。
なお、必要に応じて半田などの接着剤を用いて、パターン13上に実装部品14を実装する。また、必要に応じてパターン13と実装部品14とをワイヤ15を用いて接続する。
また、本実施の形態のフレキシブルプリント基板10は、絶縁性の基板11の一方の表面上のみにパターン13を有する片面板としているが、特にこれに限定されない。本発明のフレキシブルプリント基板10は、たとえば絶縁性の基板11の表面および裏面にパターン13を有する両面板であってもよい。また絶縁性の基板11と、BN層12と、パターン13とを積み重ねた多層板であってもよい。この場合、絶縁性の基板11とパターン13との間の少なくとも1層にBN層12が形成されていればよいが、絶縁性の基板11とパターン13との各々の間にBN層12が形成されると、放熱性を非常に向上することができるため好ましい。
なお、片面板とは、フレキシブルプリント基板の一方面のみにパターン(回路)があるものを意味する。両面板とは、フレキシブルプリント基板の両面にパターン(回路)があるものを意味する。多層板とは、ウエハース状に絶縁体とパターン(回路)とを積み重ねたものを意味する。
続いて、本実施の形態におけるフレキシブルプリント基板10の効果について説明する。
本実施の形態におけるフレキシブルプリント基板10において実装部品14から発熱した熱は、図12の矢印に示すように、パターン13およびBN層12の表面12aに平行な方向に沿って拡散する。BN層12を構成するhBN層21は、ab面内にBとNとからなる六員環が規則的に並んだ構造であることから、hBN層21においてab面内方向の熱伝導率が高い。hBN層21が表面(BN層の表面12a)の法線と平行なc軸を有しているので、hBN層21の表面と平行な方向がab方向となる。このため、hBN層21の表面に平行な方向の熱伝導率を高めることができる。しがたって、実装部品14から発熱した熱を素早く拡散することができる。つまり、本実施の形態におけるフレキシブルプリント基板10は放熱性が高い。よって、実装部品14をパターン13上に実装した際に、実装部品14の動作を安定化させることができる。
なお、BN層12全体が配向したhBN層21であることは理想的であるが、前記したように、アモルファスBN層17からのhBN層21への転化速度に限界がある。このため、本実施の形態のように、交互に積層した構造になることが避けられないが、アモルファスBN層が残存した場合でも、本実施の形態のBN層12は配向したhBN層21を含むため高い放熱性能は発現する。
一方、従来のフレキシブルプリント基板50は、図13に示すように、BN層12を備えていない。つまり、フレキシブルプリント基板50は、基板11と、基板11上に形成されたパターン13と、パターン13上に形成された実装部品14と、パターン13と実装部品14とを電気的に接続するワイヤ15とを備えている。実装部品14から発熱した熱は基板11を通る。基板11がポリイミドの場合、ポリイミドの熱伝導率は0.2W/mK程度である。このため、放熱の経路は、熱伝導率が低いポリイミドを通るので、フレキシブルプリント基板50の放熱性が非常に低い。
ここで、本実施の形態では、プリント基板としてフレキシブルプリント基板10を例に挙げて説明したが、本発明のプリント基板は、フレキシブルプリント基板に限定されず、リジッド基板などを含む。
本実施例では、非晶質BN層とhBN層とが交互に積層されたBN層を形成することの効果について調べた。
(本発明例1〜3)
本発明例1〜3は、基本的には実施の形態にしたがって図1に示すフレキシブルプリント基板10を製造した。具体的には以下の方法により本発明例1〜3のフレキシブルプリント基板10を製造した。
<導電性基板>
まず、パターン13を構成する導電性の基板16として、100mm×100mmで、厚さが25μmのCu箔を準備した(ステップS1)。
<BN層の形成>
次に、図2の製造装置100を用いて、導電性の基板16上に、BN層12を形成した(ステップS2〜S4)。このステップS2〜S4について、以下に説明する。
BNの焼結体からなるターゲットを真空チャンバ101内に設置した。基板16を回転機構103のついた面に設置した。別途、100gのGaを装填した坩堝102を設置した。
真空チャンバ101全体を真空に引いた後、真空チャンバ101内全体を400℃〜800℃程度に加熱した。真空度は1Paとした。基板16を下記の表1の回転速度でそれぞれ回転させながらスパッタした。これにより、hBN層21とアモルファスBN層22とが交互に積層されたBN層12を形成した。
次に、BN層12と、絶縁性の基板11とを接着剤を介して貼り合わせた(ステップS4)。絶縁性の基板11として、ポリイミドフィルムを用いた。
以上のステップS1〜S5により、本発明例1〜3のフレキシブルプリント基板を製造した。
(比較例1)
比較例1のフレキシブルプリント基板は、基本的には本発明例と同様に製造したが、BN層12を形成しなかった点において異なっていた。つまり、比較例1のフレキシブルプリント基板は、ポリイミドフィルムと、ポリイミドフィルム上に形成されたCu箔とからなっていた。
(測定方法)
本発明例1〜3および比較例1のフレキシブルプリント基板について、透過電子顕微鏡を用いて観察した。
また、本発明例1〜3、比較例1のフレキシブルプリント基板の断面を形成して、透過電子顕微鏡観察により、hBN層21の1層当たりの厚み、アモルファスBN層22の1層当たりの厚み、およびBN層12全体の厚みを決定した。また、BN層12中のhBN層21の含有率を求めた。その結果を下記の表1に示す。
Figure 2010251510
また、シート抵抗測定により、熱抵抗を測定した。
また、熱抵抗を以下の方法により測定した。
図14および図15に示すように、本発明例1〜3および比較例1の導電性の基板の一部を化学エッチング処理して、3mmの直径を有する突起部(パターン13)を形成した。なお、比較例1の外形は本発明例1〜3と同様とした。これにより、熱抵抗測定用の試料S(図16参照)を作製した。
測定装置200は、図16に示すように、断熱材202、203と、角柱204と、Cuホルダ205と、熱電対孔206と、熱電対207と、AlNヒータ208とを備えている。上部のCuホルダ205は直径が3mmのCuよりなる円柱形状で、10mm四方のテフロン(登録商標)製の角柱204の中に埋め込まれていた。
図16に示すように、Cuホルダ205で試料Sをそれぞれ挟み、3kg/cm2の圧力で試料Sを押さえつけた。その後、上部Cuホルダ205をAlNヒータ208で加熱した。上部Cuホルダ205には熱電対孔206が5点開いており、中心部の温度を測定しその温度勾配から試料Sの上面の温度T0(図14および図15参照)を外挿して決定した。
一方、試料Sの裏面は、下部Cuホルダ205の上面と接している。試料Sの下面には、試料Sの中心部から対角線方向に向かって6.3mmの位置に貫通穴を設け、熱電対207を貼り付けて、それぞれの試料Sのパターン13の下に位置する層の上面の温度T1、T2(図14および図15参照)を直接測定した。
このようにAlNヒータ208の熱は試料Sの上面の中心近傍のみに伝達されるようにした。試験条件は、測定時間を10分間とし、14Wの発熱量であった。
なお、熱抵抗は下記の式から算出した。
熱抵抗(℃/W)=(試料上面温度T0−試料下面の中心部の温度T1)/印加電力
温度差ΔT=T1−T2
その結果を下記の表2に示す。
Figure 2010251510
(測定結果)
透過電子顕微鏡を用いて観察した結果、本発明例1〜3では、表面の法線と平行なc軸を有する配向性のhBN層と、アモルファスBN層とが交互に積層したBN層が生成していることがわかった。このとき、フレキシブルプリント基板の表面に特に色むら、表面荒れ等はなく、極めて滑らかな鏡面状態であった。
また、シート抵抗測定により、本発明例1〜3のBN層は全て絶縁性を有することがわかった。
さらに、hBN層と、アモルファスBN層とが交互に積層したBN層を有する本発明例1〜3は、比較例1に比べて、ΔT、すなわちT1とT2の温度差が小さく、面方向に極めて高い放熱性能を持つことが分かった。
以上より、本実施例によれば、非晶質BN層とhBN層とが交互に積層されたBN層を形成することにより、放熱特性を向上できることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 フレキシブルプリント基板、11,16 基板、12 BN層、12a,16a,17a 表面、12b 裏面、13 パターン、14 実装部品、15 ワイヤ、17 アモルファスBN層、21 hBN層、22 アモルファスBN層、100 製造装置、101 真空チャンバ、102 坩堝、103 回転機構、104 スパッタガン、105 シャッタ、111 BNターゲット、200 測定装置、202 断熱材、204 角柱、205 ホルダ、206 熱電対孔、207 熱電対、208 ヒータ。

Claims (10)

  1. 絶縁性の基板と、
    前記絶縁性の基板上に形成され、非晶質窒化硼素層と六方晶窒化硼素層とが交互に積層された窒化硼素層と、
    前記窒化硼素層上に形成された導電性のパターンとを備え、
    前記六方晶窒化硼素層は、前記六方晶窒化硼素層の表面の法線と平行なc軸を有する配向性六方晶窒化硼素層である、プリント基板。
  2. 前記窒化硼素層の厚さが、1μm以上5μm以下である、請求項1に記載のプリント基板。
  3. 前記非晶質窒化硼素層の一層の厚さが、1nm以上5nm以下である、請求項1または2に記載のプリント基板。
  4. 前記導電性のパターンが銅である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント基板。
  5. 前記絶縁性の基板が樹脂シートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント基板。
  6. 前記絶縁性の基板がポリイミドシートである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプリント基板。
  7. パターンとなる導電性の基板を準備する工程と、
    前記導電性の基板上に、ガリウムガスの存在下で非晶質窒化硼素層と六方晶窒化硼素層とを交互に積層することにより、窒化硼素層を形成する工程と、
    前記窒化硼素層と絶縁性の基板とを貼り合わせる工程とを備える、プリント基板の製造方法。
  8. 前記窒化硼素層を形成する工程では、物理蒸着法で前記窒化硼素層を形成する、請求項7に記載のプリント基板の製造方法。
  9. 前記窒化硼素層を形成する工程では、400℃以上800℃以下の温度で前記窒化硼素層を形成する、請求項7または8に記載のプリント基板の製造方法。
  10. 前記窒化硼素層を形成する工程では、プラズマ存在下で前記窒化硼素層を形成する、請求項7〜9のいずれか1項に記載のプリント基板の製造方法。
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