JP2010250036A - 反射防止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】視感反射率が十分に低減された反射防止フィルムであって、反射色が淡色で、視認性に優れ、且つハードコート層の界面反射光の干渉縞による虹彩模様の発生が抑えられた反射防止フィルムを提供する。
【解決手段】基材フィルム12の表面に、易接着層13、易接着層13よりも屈折率の高い高屈折率層14、高屈折率層14よりも屈折率の高いハードコート層15、ハードコート層15よりも屈折率の低い低屈折率層16がこの順で設けられた構成を含む反射防止フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(電界発光)ディスプレイ等のディスプレイ、それらの前面保護板、デジタルサイネージ(電子看板)、ショーウインドウ、及び建築物、自動車、電車の窓ガラス等の反射防止に用いられる反射防止フィルムに関する。
従来から、プラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイ、それらの前面保護板、デジタルサイネージ、ショーウインドウ、及び建築物等の窓ガラス等には光の反射を防止して、高い光透過性を確保する反射防止フィルムが用いられている。このような反射防止フィルムとしては、基材フィルムの表面に高屈折率層と低屈折率層とを設け、これらの層の屈折率差を利用して反射防止機能が付与されたものが提供されている。例えば、図2(a)に示したような基材フィルムの表面上に、易接着層/ハードコート層/高屈折率層/高屈折率層より低い屈折率の低屈折率層をこの順で積層することで、視感反射率を低減した反射防止フィルム(特許文献1)や、図2(b)に示したような、基材フィルムの表面上に、易接着層/ハードコート層/ハードコート層より低い屈折率の低屈折率層をこの順で積層することで、視感反射率を低減した反射防止フィルム(特許文献2)等が挙げられる。
ここで、ハードコート層は耐擦傷性を維持するために、0.5〜数μmの層厚が必要であり、そのハードコート層の界面反射光の干渉縞により虹彩模様が生じるのを防止するため、易接着層の屈折率をハードコート層と同程度にする必要がある。
また、視感反射率をより低減するためには、隣接層間の屈折率の差を大きくする必要がある。即ち、特許文献1においては、
(i)高屈折率層中の高屈折率化材料を更に高屈折率を有する材料に変更するか、高屈折率化材料の充填率(配合量)を増加することで、高屈折率層の屈折率を更に高くする、
(ii)低屈折率層中の低屈折率化材料を更に低屈折率を有する材料に変更するか、低屈折率化材料の充填率(配合量)を増加することで、低屈折率層の屈折率を更に低くする、
(iii)(i)、(ii)の両方を行う、ことのいずれかを実施する必要がある。
また、特許文献2においては、
(i)低屈折率層の屈折率を更に低くする、
(ii)ハードコート層の屈折率を更に高くする、
(iii)(i)、(ii)の両方を行う、ことのいずれかを実施する必要がある。
特開平11−311701号公報 特開2008−070708号公報
しかしながら、特許文献1においては、上述のように高屈折率層の屈折率を高くしたり、低屈折率層の屈折率を低くしたりすると、反射色が強くなりディスプレイの視認性が低下し、更に層厚のバラつきによる反射色ムラが発生し易くなり、歩留りが低下することになる。反射色を抑えるため、高屈折率層及び/又は低屈折率層の層厚を薄くすることも考えられるが、視感反射率をより低くするためには、層厚が薄い層に高屈折率化材料や低屈折率化材料の充填率(配合量)を大幅に増加しなければならず、技術的に困難である。
また、特許文献2においては、低屈折率層は比較的層厚が薄いので、屈折率を大幅に低くすることは技術的に困難である。また、ハードコート層の屈折率を更に高くした場合、上述のようにハードコート層の界面における虹彩模様の発生を防止するため、その屈折率に合わせて、比較的層厚が薄い易接着層の屈折率を上げる必要が生じ、技術的に困難である。
従って、本発明の目的は、視感反射率が十分に低減された反射防止フィルムであって、反射色が淡色で、視認性に優れ、且つハードコート層の界面反射光の干渉縞による虹彩模様の発生が抑えられた反射防止フィルムを提供することにある。
上記目的は、基材フィルムの表面に、易接着層、易接着層よりも屈折率の高い高屈折率層、高屈折率層よりも屈折率の高いハードコート層、ハードコート層よりも屈折率の低い低屈折率層がこの順で設けられた構成を含む反射防止フィルムによって達成される。この構成においては、易接着層の上に高屈折率層が設けられ、その上に高屈折率層より屈折率が高いハードコート層が形成されているので、ハードコート層が易接着層の上に直接形成された場合より、ハードコート層と隣接する層との界面における屈折率差が低減されている。これにより、ハードコート層の界面反射光の干渉縞が生じ難くなり、虹彩模様の発生が抑制されている。また、比較的高い屈折率のハードコート層を形成することができるため、低屈折率層の屈折率を大幅に下げることなく、隣接層間の屈折率差を高くすることができ、視感反射率を十分に低減することができる。さらに、また、ハードコート層上には低屈折率層のみが形成されているので、反射色を淡色に抑えることができる。
本発明に係る反射防止フィルムの好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記易接着層の層厚が、5〜15nmである。
これにより、易接着層の光学的影響が極めて小さくなり、ハードコート層の界面における虹彩模様の発生を、更に抑制することができる。
(2)前記易接着層の屈折率が、1.45〜1.62である。
(3)前記高屈折率層の屈折率が、1.64〜1.80であり、前記ハードコート層の屈折率が、1.67〜1.90である。
(4)前期高屈折率層の屈折率と、前記ハードコート層の屈折率との差が、0.02〜0.13である。
(5)前記基材フィルム、前記高屈折率層及び前記ハードコート層の屈折率が、
下記式(I):
Figure 2010250036
(但し、n1は基材フィルムの屈折率、n2は高屈折率層の屈折率、及びn3はハードコート層の屈折率である。)を満たす。これにより、基材フィルムからハードコート層の屈折率差をより界面反射が生じ難い範囲とすることができ、ハードコート層の界面反射の干渉縞による虹彩模様の発生をより抑制することができる。
(6)前記高屈折率層の層厚が、50〜170nmである。
(7)前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
(8)前記高屈折率層及び/又はハードコート層が、金属酸化物微粒子を含む。
(9)前記金属酸化物微粒子が、酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン及びスズドープ酸化インジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む。
本発明によれば、視感反射率が十分に低減され、反射色が淡色に抑えられ、更に、干渉縞による虹彩模様の発生が抑制された視認性に優れた反射防止フィルムを提供できる。また、本発明の反射防止フィルムは、反射色が淡色であるため、各層の層厚のバラつきによる反射色ムラの発生が抑えられ、歩留りを向上することができる。
本発明の反射防止フィルムの代表的な1例を示す概略断面図である。 (a)は本発明の課題を説明するため、従来技術の反射防止フィルムの1例を示す概略断面図であり、(b)は従来技術の別の例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の反射防止フィルムについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の反射防止フィルムの代表的な1例を示す概略断面図である。
図示の通り、反射防止フィルム20においては、矩形状の透明な基材フィルム12の表面全域に易接着層13が形成され、その上に易接着層13より屈折率が高い、高屈折率層14、高屈折率層14より屈折率が高いハードコート層15、ハードコート層15より屈折率が低い低屈折率層16がこの順に形成されている。これにより、低屈折率層16の屈折率を従来と同程度の屈折率であっても、ハードコート層15の屈折率を高くすることにより、ハードコート層15と低屈折率層16との隣接層間の屈折率差を大きくとることができ、視感反射率を十分に低減することができる。また、ハードコート層15の基材フィルム12側の界面には高屈折率層14が設けられているので、その界面における屈折率差が小さくなり、界面反射光の干渉縞による虹彩模様の発生を抑制することができる。さらに、本発明においては、ハードコート層15上に低屈折率層16のみが形成されているので、反射色を淡色に抑えることができる。これは反射色の強さは、ハードコート層上の層数や層厚に影響を受けるためと考えられる。なお、本発明において「視感反射率が十分に低減」とは、日立分光光度計U−4000を用いて測定した視感反射率(JIS−Z−8701において規定されている反射の刺激値Y)が0.6%以下であることが好ましく、「反射色が淡色」とは、L***表色系(JIS−Z−8729に準拠する)におけるa**を日立分光光度計U−4000で測定して下記式II:
Figure 2010250036
(但し、C*は彩度(反射色彩度)を示し、a*、b*はL***表色系に従う。)
により計算した反射色彩度(彩度;C*)が25以下であることが好ましい。
本発明において易接着層13の層厚は、特に制限はなく、一般に、5〜150nmである。光学的影響を小さくするため、易接着層13の層厚は薄い方が良く、5〜15nmが好ましい。このような層厚の易接着層13であれば、光学的影響は極めて小さくなり、ハードコート層の界面における虹彩模様の発生を更に抑制することができる。
易接着層13の屈折率は、特に制限はなく、基材フィルム12の屈折率や、高屈折率層14の屈折率に応じて設定することができる。高屈折率層14、及びハードコート層15の屈折率をより好ましい範囲に設定できるように、易接着層13の屈折率は1.45〜1.62の範囲が好ましい。即ち、高屈折率層14の屈折率は1.64〜1.80の範囲が好ましく、ハードコート層15の屈折率は1.67〜1.90の範囲が好ましい。更に、高屈折率層14の屈折率と、ハードコート層15の屈折率との差は、0.02〜0.13であることが好ましい。この範囲の屈折率の差であれば、ハードコート層15と高屈折率層14の界面反射光の干渉縞による虹彩模様の発生をより低減することができる。また、ハードコート層15が上記の範囲の屈折率であれば、低屈折率層16の屈折率が、例えば1.3〜1.5の範囲の従来と同様のものでも、ハードコート層15と低屈折率層16との隣接層間の屈折率差を十分に大きくすることができ、視感反射率をより低減することができる。
更に、易接着層13の層厚が上述のように5〜15nmである場合は、光学的影響が極めて小さくなるため、基材フィルム12の表面に直接高屈折率層14を形成した場合とほぼ同様な状態と言える。この際、基材フィルム12、高屈折率層14、及びハードコート層15の屈折率は下記式(I):
Figure 2010250036
(但し、n1は基材フィルムの屈折率、n2は高屈折率層の屈折率、及びn3はハードコート層の屈折率である。)
を満たすことが好ましい。基材フィルム12からハードコート層15の屈折率をこのような範囲にすることで、各層の屈折率差を、より界面反射が生じ難い範囲に設定することができる。従って、ハードコート層15の界面反射光の干渉縞による虹彩模様の発生を更に抑制することができる。例えば、基材フィルム12がポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの場合は、屈折率n1が1.66であり、高屈折率層14の屈折率n2は、ハードコート層15の屈折率n3との関係で、√(1.66×n3)±0.02が好ましい。
本発明において、高屈折率層14の層厚は特に制限はないが、薄すぎると高屈折率化材料の充填率(配合量)が制限され、厚すぎると光学的影響が大きくなり、干渉縞が生じる場合もあるため、50〜170nmが好ましい。ハードコート層15の層厚は、耐擦傷性を維持できる程度の層厚があれば、特に制限はない。好ましくは0.3〜10μmであり、更に好ましくは0.5〜5μmである。
以下に、本発明の反射防止フィルムの各構成について詳細に述べる。
(基材フィルム)
本発明において、基材フィルムは、一般に、透明なプラスチックフィルムである。その材料としては、透明(「可視光に対して透明」を意味する。)であれば特に制限はない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート(PEN)等の ポリエステル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチレン−パ−クロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリスチレン、トリアセテート樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン等を挙げることができる。これらの中でも、加工時の負荷(熱、溶剤、折り曲げ等)に対する耐性が高く、透明性が特に高い等の点で、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が好ましい。特に、PETが、加工性に優れているので好ましい。基材フィルムの厚さは、用途によって異なり、特に制限はないが、一般に1μm〜10mmであり、1μm〜5mmが好ましく、特に6〜250μmが好ましい。
(易接着層)
本発明において、易接着層は、基材フィルムへの高屈折率層の密着性を良くするためのものであり、通常、共重合ポリエステル樹脂とポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂に、SiO2、ZrO2、TiO2、Al23等の金属酸化物微粒子、好ましくは平均粒径1〜100nm程度の金属酸化物微粒子を配合して、屈折率を調整したものが用いられる。なお、屈折率によっては、上記樹脂だけで形成することもできる。上述の通り、易接着層の好ましい屈折率の範囲は1.45〜1.62であり、好ましい層厚の範囲は5〜150nm、特に5〜15nmである。
(高屈折率層)
本発明において、高屈折率層は、バインダ樹脂(好ましくは紫外線硬化性樹脂(後述のハードコート層の説明において記載されたものを使用できる。))中に、高屈折率化材料を分散させて、屈折率を高くした硬化層である。高屈折率化材料としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、五酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(ZAO)、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物微粒子、フルオレン系化合物、ナフタレン系化合物、ビスフェノール系化合物等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することできる。高屈折率化の効果が高いため、金属酸化物微粒子が好ましい。上述の通り、高屈折率層の屈折率は1.64〜1.80とすることが好ましく、この範囲の屈折率とするために金属酸化物微粒子は、酸化スズ、酸化亜鉛、ITO、二酸化ジルコニウム、二酸化チタンの少なくとも1種を含むことが好ましく、特に、酸化スズ、酸化亜鉛、ITOを含むことが好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒径は、一般に10〜1000nmであり、10〜100nmが好ましい。上述の通り、高屈折率層14の好ましい層厚の範囲は50〜170nmである。
なお、反射防止フィルムは静電気の発生で、埃等が付着し易いことから、この静電気に起因する汚れを防止するため、帯電防止性が望まれる。帯電防止性は、表面抵抗値が5×1012Ω/□以下であることが好ましく、特に1×1010Ω/□が好ましい。この帯電防止性を得るため、この高屈折率層又は、後述するハードコート層中に、導電性材料を含むことが好ましい。屈折率の調整と兼ねることができるため、高屈折率層又はハードコート層の高屈折率化材料として、上述の酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、五酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、ATO、ITO、ZAO等の導電性金属酸化物微粒子が好ましい。また、高屈折率材料に、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリイソチオアナフテン、ポリピロール、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性高分子のドーピング物、カーボン粒子、カーボン繊維、カーボンナノチューブ等の導電性材料を混ぜても良い。
(ハードコート層)
本発明において、ハードコート層は、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を有するものをいい、アクリル樹脂層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコーン樹脂層等の合成樹脂を主成分とする樹脂組成物中に、高屈折率化材料を分散させて、屈折率を高くした硬化層である。高屈折率化材料としては、上述の高屈折率層の場合と同様な材料が使用できる。高屈折率化の効果が高いため、金属酸化物微粒子が好ましい。上述の通り、ハードコート層の屈折率は1.67〜1.90とすることが好ましく、この範囲の屈折率とするために、金属酸化物微粒子は、酸化スズ、酸化亜鉛、ITO、二酸化ジルコニウム、二酸化チタンの少なくとも1種を含むことが好ましく、特に、二酸化ジルコニウム、二酸化チタンを含むことが好ましい。また、上述の通り、反射防止フィルムの帯電防止性付与のため、導電性材料を使用して、屈折率を調整しても良い。
合成樹脂は、一般にフェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂、又は紫外線硬化性樹脂であり、短時間で硬化させることができ、生産性に優れる点から紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂を用いる場合は、紫外線硬化性樹脂組成物(紫外線硬化性樹脂、光重合開始剤等からなる)として使用する。
紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4′−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2′−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら化合物は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの紫外線硬化性樹脂を、熱重合開始剤とともに用いて熱硬化性樹脂として使用してもよい。
特に、耐擦傷性の高いハードコート層とするには、上記の紫外線硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)の内、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の硬質の多官能モノマーを主に使用することが好ましい。
紫外線硬化性樹脂の光重合開始剤として、紫外線硬化性樹脂の性質に適した任意の化合物を使用することができる。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸のごとき安息香酸系叉は第3級アミン系等の公知慣用の光重合促進を1種又は2種以上、任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみを1種又は2種以上、混合して使用することができる。特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)が好ましい。
光重合開始剤の量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
さらに、ハードコート層は、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤、着色剤等を少量含んでいても良い。特に、紫外線吸収剤(例、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はベンゾフェノン系紫外線吸収剤)を含むことが好ましく、これによりフィルタの黄変等の防止を効率的に行うことができる。その量は、樹脂組成物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
上述の通り、ハードコート層の好ましい層厚の範囲は0.3〜10μmであり、更に好ましくは0.5〜5μmである。これにより上記鉛筆硬度試験でH以上の硬度を得ることができる。
(低屈折率層)
本発明において、低屈折率層は、バインダ樹脂(好ましくは紫外線硬化性樹脂(上述のハードコート層の説明において記載されたものを使用できる。))中に、低屈折率化材料を分散させ、屈折率を低くした硬化層である。低屈折率化材料としては、シリカ(好ましくは中空シリカ(ポーラスシリカとも言う))、フッ素樹脂等の微粒子を使用することが好ましい。配合量は10〜40質量%が好ましく、更に10〜30質量%が好ましい。低屈折率層の屈折率は1.30〜1.50が好ましく、特に1.30〜1,45が好ましい。中空シリカとしては、平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜50nm、比重0.5〜1.0、好ましくは0.8〜0.9のものが好ましい。低屈性率層の層厚は一般に10〜500nmの範囲であり、50〜150nmの範囲であることが好ましい。
本発明において、各層を形成するには、例えば、上述のバインダ樹脂(合成樹脂)に、各層に必要な高屈折率化材料又は低屈折率化材料(屈折率調整材料)を配合し、得られた組成物の塗工液を前記基板フィルム表面に塗工し、乾燥した後、紫外線照射して硬化すればよい。この場合、各層を1層ずつ塗工し硬化させてもよく、全層を塗工した後、まとめて硬化させてもよい。連続加工の場合各層の塗工後に硬化をしないと、塗工面に傷が付く場合があるので、各層を1層ずつ塗工し硬化するのが好ましい。
塗工の具体的な方法としては、例えば、アクリル系モノマー等及び屈折率調整材料を含む紫外線硬化性樹脂組成物をトルエン、n−ヘキサン、メチルエチルケトン等の溶媒で溶液にした塗工液をグラビアコータ等によりコーティングし、その後乾燥し、次いで紫外線により硬化する方法を挙げることができる。このウェットコーティング法であれば、高速で均一に且つ安価に成膜できるという利点がある。このコーティング後に例えば紫外線を照射して硬化することにより密着性の向上、膜の硬度の上昇という効果が得られる。紫外線硬化は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等を挙げることができる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、予め積層体を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を照射してもよい。
本発明の反射防止フィルムは、例えば、PDPの前面パネル等に貼り付けて使用するために、基材フィルムの、上述の層が形成された面の他面上に粘着剤層を形成しても良い。この場合は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、ブチルアクリレート等から形成されたアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン)及びSBS(スチレン/ブタジエン/スチレン)等の熱可塑性エラストマー(TPE)を主成分とするTPE系粘着剤及び接着剤等を用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。
[反射防止フィルムの作製]
(実施例1)
(1)高屈折率層の形成
下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(東亜合成社製));100質量部
スズドープ酸化インジウム(ITO)(平均粒径30nm);500質量部
光重合開始剤(イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製));10質量部
溶剤(メチルエチルケトン(MEK)、イソプロピルアルコール(IPA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)等量混合物);10000質量部
を混合して得た塗工液を、表面に易接着層(ポリエステルポリウレタン;層厚10nm、屈折率1.55)を有する、厚さ100μmの長尺状PETフィルム(屈折率1.66)の易接着層上にバーコーターを用いて塗布し、乾燥後、紫外線照射により硬化させた。これにより、易接着層上に、層厚110nmの高屈折率層(屈折率1.68)を形成した。
(2)ハードコート層の形成
下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化ジルコニウム(平均粒径30nm);300質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)600質量部
を混合して得た塗工液を、上記高屈折率層上にバーコーターを用いて塗布し、乾燥後、紫外線照射により硬化させた。これにより、高屈折率層上に層厚1.5μmのハードコート層(屈折率1.72)を形成した。
(3)低屈折率層の形成
下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
ポーラスシリカ;150質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);30質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を、上記ハードコート層上にバーコーターを用いて塗布し、乾燥後、紫外線照射により硬化させた。これにより、ハードコート層上に層厚100nmの低屈折率層(屈折率1.40)を形成した。以上により、実施例1の反射防止フィルムを作製した。
(実施例2)
高屈折率層の形成について、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化ジルコニウム(平均粒径30nm);220質量部
カーボン繊維;8質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を用いて行った以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例2の反射防止フィルムを得た。
(実施例3)
高屈折率層の形成について、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化ジルコニウム(平均粒径30nm);220質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を用いて行った以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例3の反射防止フィルムを得た。
(実施例4)
高屈折率層の形成について、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化チタン(平均粒径30nm);90質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を用いて行った以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例4の反射防止フィルムを得た。
(実施例5)
高屈折率層の形成について、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
酸化スズ(平均粒径30nm);280質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を用いて行った以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例5の反射防止フィルムを得た。
(実施例6)
高屈折率層の形成について、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
酸化亜鉛(平均粒径30nm);280質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を用いて行った以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例6の反射防止フィルムを得た。
(実施例7)
高屈折率層の形成については、実施例3と同様の配合の塗工液を用いて行い、
ハードコート層の形成については、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
酸化スズ(平均粒径30nm);370質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)600質量部
を混合して得た塗工液を用いて行った以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例7の反射防止フィルムを得た。
(実施例8)
高屈折率層の形成については、実施例3と同様の配合の塗工液を用いて行い、
ハードコート層の形成については、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
酸化亜鉛(平均粒径30nm);370質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)600質量部
を混合して得た塗工液を用いて行った以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例8の反射防止フィルムを得た。
(実施例9)
高屈折率層の形成については、下記配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化チタン(平均粒径30nm);110質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を用いて行い、層厚90nmの高屈折率層(屈折率1.73)を形成し、ハードコート層の形成については、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化チタン(平均粒径30nm);170質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)600質量部
を混合して得た塗工液を用いて行い、層厚1.5μmのハードコート層(屈折率1.80)を形成した以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例9の反射防止フィルムを得た。
(実施例10)
高屈折率層の形成については、下記配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化チタン(平均粒径30nm);150質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を用いて行い、層厚80nmの高屈折率層(屈折率1.77)を形成し、ハードコート層の形成については、下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化チタン(平均粒径30nm);260質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)600質量部
を混合して得た塗工液を用いて行い、層厚1.5μmのハードコート層(屈折率1.90)を形成した以外は、実施例1と同様に各層を形成し、実施例10の反射防止フィルムを得た。
(比較例1)
(1)ハードコート層の形成
下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
五酸化アンチモン(平均粒径30nm);50質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、エタノール、シクロヘキサノン等量混合物)600質量部
を混合して得た塗工液を、表面に易接着層(ポリエステルポリウレタン;層厚85nm、屈折率1.59)を有する、厚さ100μmの長尺状PETフィルム(屈折率1.66)の易接着層上にバーコーターを用いて塗布し、乾燥後、紫外線照射により硬化させた。これにより、易接着層上に、層厚1.5μmのハードコート層(屈折率1.53)を形成した。
(2)高屈折率層の形成
下記の配合:
電離放射線硬化型樹脂(DPHA);100質量部
二酸化ジルコニウム(平均粒径30nm);250質量部
光重合開始剤(イルガキュア184);10質量部
溶剤(MEK、IPA、PMA等量混合物)10000質量部
を混合して得た塗工液を、上記ハードコート層上にバーコーターを用いて塗布し、乾燥後、紫外線照射により硬化させた。これにより、ハードコート層上に層厚85nmの高屈折率層(屈折率1.70)を形成した。
(3)低屈折率層の形成
実施例1と同様の配合の塗工液を、上記高屈折率層上にバーコーターを用いて塗布し、乾燥後、紫外線照射により硬化させた。これにより、高屈折率層上に層厚100nmの低屈折率層(屈折率1.40)を形成した。以上により、比較例1の反射防止フィルムを作製した。
(比較例2)
高屈折率層の層厚を125nm、低屈折率層の層厚を80nmとした以外は比較例1と同様に各層を形成し、比較例2の反射防止フィルムを作製した。
[評価方法]
(1) 視感反射率
日立分光光度計U−4000を用いて、JIS−Z−8701において規定されている反射の刺激値Yを測定した。視感反射率が0.6%以下である場合を合格とした。
(2) 反射色彩度(彩度;C*
日立分光光度計U−4000を用いて、L***表色系(JIS−Z−8729に準拠する)におけるa**を測定し、上記式(II)により計算して求めた。反射色彩度(彩度;C*)が25以下である場合を合格とした。
(3) 虹彩模様
平滑なディスプレイ面に反射防止フィルムを設置し、3波長蛍光管による照明により生じた虹彩模様の程度を目視にて評価した。評価は、目立った虹彩模様がほとんど見えない場合を○とし、目立った虹彩模様が見える場合を×とした。
(4) 表面抵抗率
反射防止フィルムを25℃、50%RHで6時間、調湿し、(株)アドバンテスト製エレクトロメーターR8340Aを用い、その抵抗(JIS−K−6911に準拠する)を測定した。5×1012Ω/□以下であることが好ましい。
(評価結果)
表1に評価結果を示す。実施例1〜6の反射防止フィルムにおいては、ハードコート層の高屈折率化材料として二酸化ジルコニウムを使用し、高屈折率層の高屈折率化材料に、種々の金属酸化物等の材料を使用して同様な屈折率に調整した。また、実施例7、8では、高屈折率層の高屈折率化材料として二酸化ジルコニウムを使用し、ハードコート層の高屈折率化材料に、異なる金属酸化物を使用して同様な屈折率に調整した。更に、実施例9、10では、高屈折率層及びハードコート層の高屈折率化材料として二酸化チタンを使用し、異なる屈折率に調整した。高屈折率層の屈折率とハードコート層の屈折率との差は、0.02〜0.13とした。また、基材フィルム、高屈折率層、ハードコート層の屈折率は上記式(I)を満たす範囲に設定した。その結果、すべての実施例において、視感反射率、反射色彩度及び虹彩模様について合格であった。なお、表面抵抗率は、高屈折率層又はハードコート層に導電性金属酸化物微粒子を使用した実施例1、2、5〜8において、好ましいレベルであった。
一方、比較例1及び2は、易接着層の上にハードコート層/高屈折率層/低屈折率層の順で積層した反射防止フィルムである。比較例1では視感反射率は合格であったが、反射色彩度が高くなり、不合格であった。また、比較例2では、各層の層厚を調整して、反射色彩度は低くなり、合格となったが、視感反射率が高くなり、不合格であった。
従って、本発明の反射防止フィルムの構成は、視感反射率を十分に低減し、反射色を淡色とし、且つ虹彩模様の発生を抑えるために効果的な構成であることが示された。
Figure 2010250036
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、PDP等のディスプレイ、それらの前面保護板、デジタルサイネージ、ショーウインドウ及び建築物等の窓ガラス等に視認性に優れた反射防止フィルムを、低コストで提供することができる。
12 基材フィルム
13 易接着層
14 高屈折率層
15 ハードコート層
16 低屈折率層
20 反射防止フィルム

Claims (10)

  1. 基材フィルムの表面に、易接着層、易接着層よりも屈折率の高い高屈折率層、高屈折率層よりも屈折率の高いハードコート層、ハードコート層よりも屈折率の低い低屈折率層がこの順で設けられた構成を含む反射防止フィルム。
  2. 前記易接着層の層厚が、5〜15nmである請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記易接着層の屈折率が、1.45〜1.62である請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 前記高屈折率層の屈折率が、1.64〜1.80であり、
    前記ハードコート層の屈折率が、1.67〜1.90である請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  5. 前期高屈折率層の屈折率と、前記ハードコート層の屈折率との差が、0.02〜0.13である請求項1〜4のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  6. 前記基材フィルム、前記高屈折率層及び前記ハードコート層の屈折率が、
    下記式(I):
    Figure 2010250036
    (但し、n1は基材フィルムの屈折率、n2は高屈折率層の屈折率、及びn3はハードコート層の屈折率である。)
    を満たす、請求項2〜5のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  7. 前記高屈折率層の層厚が、50〜170nmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  8. 前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1〜7のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  9. 前記高屈折率層及び/又はハードコート層が、金属酸化物微粒子を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  10. 前記金属酸化物微粒子が、酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン及びスズドープ酸化インジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項9に記載の反射防止フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016523385A (ja) * 2013-07-05 2016-08-08 エシロル アンテルナショナル(コンパーニュ ジェネラル ドプテーク) 可視領域において非常に低い反射を有する反射防止被覆を含む光学物品
JP2016536682A (ja) * 2013-10-18 2016-11-24 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated タッチパネル用の積層体及び積層体形成方法

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