JP2010248930A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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文浩 奥村
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Abstract

【課題】燃焼時における騒音の低減を図る。
【解決手段】本燃料噴射装置100は、高圧燃料を蓄えるコモンレール14と、開弁及び閉弁を行うためのニードルを備え、コモンレール14から供給される高圧燃料を筒内に噴射するピエゾインジェクタ18と、コモンレール14の目標レール圧を運転状態に基づいて算出する目標レール圧算出手段20と、コモンレール14の実レール圧を検出する実レール圧検出手段20と、コモンレール14の実レール圧が目標レール圧より大きい場合に、ニードルの開弁速度を低下させる制御を行うニードル制御手段20と、を有する。コモンレール14の圧力が高い場合に、ニードルの開弁速度を低下させることで、着火遅れ期間における燃料噴射量を低減することができる。その結果、燃焼時の騒音を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射装置に関する。
従来から、ポンプにより加圧された高圧燃料をコモンレールに蓄え、当該高圧燃料をインジェクタを用いて筒内に直接噴射する方式の燃料噴射装置が知られている。また、このような燃料噴射装置において、コモンレールに減圧弁を設け、レール圧を調節可能としたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−240494号公報
コモンレールには、内燃機関の運転状態に応じた目標レール圧が定められている。ここで、運転状態の変化により目標レール圧が急激に変化した場合(例えば、加速後にアクセルを離して低負荷の定常走行へ移行する場合等)、実際のレール圧(実レール圧)の変化が目標レール圧の変化に追いつかず、実レール圧が目標レール圧よりも高い状態となってしまう場合がある。このような状態で燃料の噴射が行われると、燃料が噴射されてから点火するまでの期間(着火遅れ期間)における燃料噴射量が増大し、燃焼時の騒音が大きくなってしまうという課題があった。
コモンレールに減圧弁が設けられている燃料噴射装置では、減圧弁を用いてコモンレールの圧力を低下させることにより、実レール圧を目標レール圧に早く近づけ、騒音の発生を抑制することができる。しかし、この場合は減圧弁を設けることにより部品点数が増加してしまうという課題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、比較的簡易な方法で燃焼時の騒音を低減することのできる燃料噴射装置を提供することを目的とする。
本年量噴射装置は、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、開弁及び閉弁を行うためのニードルを備え、前記コモンレールから供給される高圧燃料を筒内に噴射するインジェクタと、前記コモンレールの目標レール圧を運転状態に基づいて算出する目標レール圧算出手段と、前記コモンレールの実レール圧を検出する実レール圧検出手段と、前記コモンレールの実レール圧が目標レール圧より大きい場合に、前記ニードルの開弁速度を低下させる制御を行うニードル制御手段と、を有することを特徴とする。本構成によれば、実レール圧が目標レール圧よりも高い状態にある場合に、ニードルの開弁速度を低下させることにより、燃料噴射率の増大を抑制することができる。その結果、着火遅れ期間中における燃料噴射量の増大に起因する燃焼時の騒音を低減することができる。
上記構成において、前記インジェクタは、電流信号の印加により伸縮するピエゾ素子と、前記ピエゾ素子の伸縮を前記ニードルへと伝達することにより前記ニードルに閉弁及び閉弁を行わせる伝達手段とを備え、前記ニードル制御手段は、前記ピエゾ素子の伸縮速度を制御することにより、前記ニードルの開弁速度を低下させる構成とすることができる。本構成によれば、ピエゾ素子に電流信号を印加して伸縮速度を制御することにより、ニードルの開弁速度を容易に変更することができる。
上記構成において、着火遅れ期間における燃料の噴射量である着火遅れ期間噴射量を、運転状態に基づいて算出する着火遅れ期間噴射量算出手段を有し、前記ニードル制御手段は、前記着火遅れ期間における燃料噴射量が、前記コモンレールのレール圧が目標レール圧である場合の前記着火遅れ期間噴射量と等しくなるように、前記ニードルの開弁速度を制御する構成とすることができる。本構成によれば、着火遅れ期間中における燃料噴射量の増大に起因する燃焼時の騒音を低減することができる。
上記構成において、燃料タンクから供給される燃料を高圧にして前記コモンレールに圧送する高圧ポンプと、前記コモンレールの実レール圧が目標レール圧より大きい場合に、前記高圧ポンプによる高圧燃料の圧送を停止するポンプ制御手段と、を有する構成とすることができる。本構成によれば、高圧ポンプの圧送を停止することにより、コモンレールの圧力を低下させ、燃料噴射量の増大を抑制することができる。
上記構成において、前記高圧ポンプの圧送停止期間は、前記高圧ポンプの圧送再開時における圧送遅れ量に基づいて算出される構成とすることができる。
本発明によれば、実レール圧が目標レール圧よりも高い状態にある場合に、ニードルの開弁速度を低下させることにより燃料噴射量を低下させ、燃焼時の騒音を低減することができる。
図1は、実施例1に係る燃料噴射装置の構成を示した図である。 図2は、図1に示したピエゾインジェクタの詳細な構成を示した図である。 図3は、実施例1に係る燃料噴射装置を搭載した内燃機関の運転状態を示すグラフである。 図4は、実施例1の比較例に係る燃料噴射装置における燃料噴射パターンを示したグラフである。 図5は、実施例1の燃料噴射装置の動作を示したフローチャートである。 図6は、実施例1に係る燃料噴射装置における燃料噴射パターンを示したグラフである。 図7(a)〜(d)は、実施例1に係る燃料噴射装置の動作を示したタイミングチャートである。 図8は、実施例2に係る燃料噴射装置における燃料噴射パターンを示したグラフである。 図9(a)〜(d)は、実施例2に係る燃料噴射装置の動作を示したタイミングチャートである。
以下、図面を用い本発明に係る実施例について説明する。
図1は、実施例1に係る燃料噴射装置100の構成を示した図である。燃料タンク10には、内燃機関で使用される燃料(例えば、軽油等)が蓄えられている。フィードポンプ11は、燃料タンク10から燃料を汲み上げ、高圧ポンプ12へと供給する。フィードポンプ11と高圧ポンプ12との間には、燃料の流量を制御するための調量弁13が設けられている。調量弁13は、ECU20(Engine Control Unit)により制御される。高圧ポンプ12は、フィードポンプ11から供給された燃料を加圧し、高圧状態にしてコモンレール14へと供給する。コモンレール14は、高圧ポンプ12から供給された高圧燃料を蓄え、高圧燃料通路16を介してピエゾインジェクタ18に高圧燃料を供給する。コモンレール14には、レール内の圧力(実レール圧)を測定するためのレール圧センサ15が設けられている。レール圧センサ15の出力信号はECU20へと入力されている。
ピエゾインジェクタ18は、ECU20からEDU21(Electronic Driving Unit)を介して出力される駆動信号に基づき、燃焼室22へ燃料噴射を行う。噴射に使用されなかった燃料は、ピエゾインジェクタ18に接続されたリターン通路19により、燃料タンク10へと戻される。なお、燃料噴射装置の形態によっては、コモンレール14にリターン通路19と接続された減圧弁が設けられているものもあるが、本実施例の燃料噴射装置100では、コモンレール14に減圧弁は設けられていない。
ECU20は、マイクロコンピュータやメモリ等を備えて構成され、各種の検出手段、算出手段、及び制御手段として機能する。例えば、ECU20にはレール圧センサ15からの信号が入力されており、コモンレール14の実際のレール圧(実レール圧)を検出する実レール圧検出手段として機能する。また、ECU20にはアクセル開度センサ24、エンジン回転数センサ26、及び速度センサ28からの信号が入力されており、アクセル開度、エンジン回転数、及び速度に基づき内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段として機能する。ECU20のその他の機能については後述する。
図2は、図1のピエゾインジェクタ18の断面模式図である。ピエゾインジェクタ18は、ピエゾ素子としてのピエゾスタック30、ピストン32、及びニードル34を備える。また、ピエゾインジェクタ18には、燃料通路として高圧燃料通路36、リターン通路38、及び油密室40が設けられている。ニードル34の先端部には燃料室42が、基端部には背圧室44が設けられ、それぞれ高圧燃料通路36から燃料が供給されている。また、ニードル34の中央部34aは他の部分より軸径が大きく、中央部34aを挟んだ先端側は油密室40と、基端側はリターン通路38とそれぞれ繋がっている。
EDU21は、ECU20及びピエゾスタック30の間に接続されており、ピエゾスタック30への電荷の付与及びピエゾスタック30からの電荷の除去を行う充放電手段として機能する。ピエゾスタック30は、蓄えられた電荷量が増加すると伸張し、減少すると収縮する。ピエゾスタック30の伸縮は、伝達手段として機能するピストン32及び油密室40内の燃料により、ニードルの中央部34aへと伝えられる。これにより、ニードル34はニードルボディ50の内壁面に沿って摺動し、開弁及び閉弁を行う。
図2をもとに、ピエゾインジェクタ18の動作について説明する。噴射停止状態においては、ニードル34を先端側に押下げるレール圧及びスプリング力が、ニードル34を基端側に押上げるレール圧より大きく、高圧燃料はニードル34の先端部(シート部)でシールされている。ECU20の指令により、EDU21からピエゾスタック30に電荷が付与されると、ピエゾ素子が膨張し、ピストン32が押下げられる。ピストン32が押下げられると、慣性により作動の遅れたチェックボール52がリターン通路38と油密室40との間の通路53を塞ぎ、油密室40は閉空間となる。
ピエゾスタック30が更に伸張すると、油密室40内の燃料は圧縮され、圧力の上昇した燃料がニードル34を先端側から基端側に持ち上げようとする。油密室40の圧力が一定以上になると、ニードル34の基端部に作用する押下げ力(背圧室44のレール圧+スプリング力)より、ニードルの中央部及び先端部に作用する押上げ力(燃料室42のレール圧+油密室40のレール圧)が大きくなり、噴射孔54が開く。噴射孔54が開いた後も、ピエゾスタック30が伸張を続ける間は油密室40の圧力が上昇するため、ニードル34のリフト量は増大する。
なお、油密室40の圧力が上昇する速度、及びニードル34のリフト速度(開弁速度)は、ピエゾスタック30に対し電荷を付与する速度により決定される。従って、本実施例の燃料噴射装置100では、ピエゾスタック30に対する電荷の付与速度を変更することにより、ニードル34の開弁速度を変更させることができる。
ノズルの閉弁は、ピエゾスタック30からの電荷の除去により行われる。電荷が除去されることでピエゾスタック30は収縮し、ピストン32が押上げられて油密室40の容積が増大する。これにより、油密室40の圧力が低下し、ニードル34を押上げる力も低下するため、ニードル34を押下げる力が相対的に大きくなり、ニードル34はニードルボディ50に押し付けられる。これにより、燃料の噴射が終了する。ここでも、ニードル34の上昇時と同様に、ピエゾスタック30からの電荷の除去速度を変更することにより、ニードル34の閉弁速度を変更することができる。
次に、本実施例の燃料噴射装置100が解決しようとする課題について詳細に説明する。
図3(a)〜(d)は、燃料噴射装置100が搭載された内燃機関の運転状態を示したグラフである。各グラフとも、横軸は共通で時間の経過を示している。図3(a)は、図1のアクセル開度センサ24により測定されるアクセル開度を示す。図3(b)は、図1の速度センサ28により測定される速度(例えば、燃料噴射装置100が搭載された車の速度)を示す。図3(c)は、内燃機関に要求される運転状態に対応したコモンレール14の目標レール圧を示す。図4(d)は、図1のレール圧センサ15により測定されるコモンレール14の実レール圧を示す。
コモンレール14の目標レール圧は、一定の基準(例えば、排気量基準や騒音基準)を満たすように、ECU20が検出した運転状態に基づいて決定される。この点で、ECU20は、運転状態に基づいて目標レール圧を算出する目標レール圧算出手段として機能する。なお、運転状態の検出は図3(a)に示すアクセル開度の値等に基づいて行われるため、アクセル開度のグラフ(図3(a))と目標レール圧のグラフ(図3(c))は対応関係にある。
図中のAで示した期間では、アクセル開度は比較的小さく、速度も一定に抑えられている。図中のBで示した期間では、アクセル開度が大きくなり、加速が行われている。このとき、目標レール圧は大幅に増加し、実レール圧も少し遅れて同様に増加している。
図中のCで示した期間では、アクセル開度が0になっており、加速の行われない低負荷走行状態にある。このとき、目標レール圧は図3(c)に示すように直ちに低下するが、実レール圧は図3(d)に示すように高圧状態を保ったままである。これは、コモンレール14に減圧弁が設けられておらず、実レール圧を短時間で低下させることが難しいためである。実レール圧は、ピエゾインジェクタ18からの燃料噴射に伴い、目標レール圧の変化に遅れて徐々に低下する。図中のDで示した期間では、期間Aと同じく低加速走行が行われており、目標レール圧と実レール圧とが一致している。
期間Cにおいて、目標レール圧が実レール圧よりも高くなると、ピエゾインジェクタ18からの噴射圧力が増大するため、燃料の着火遅れ期間における燃料噴射量が増大する。その結果、燃焼時における燃焼室22内の圧力変化率が大きくなり、大きな燃焼騒音が発生する。
図4は、上記のような騒音が生じる燃料噴射パターンを示したグラフであり、時間経過に対する燃料噴射率の変化を示している。燃料噴射パターン(噴射期間及び噴射率)は、要求される運転状態に基づいて、ECU20により決定される。そして、所望の燃料噴射パターンを実現するためのニードル34の開弁速度が算出され、当該開弁速度により燃料の噴射が行われる。図中の点線は、コモンレール14のレール圧が目標レール圧にある場合の燃料噴射パターンを示す。図中の実線は、コモンレール14のレール圧が目標レール圧よりも高い場合(以下、高レール圧と称する)に、目標レール圧の場合と同じ開弁速度でニードル34の開弁を行った場合の燃料噴射パターンである。
燃料噴射開始直後における2つの噴射パターンを比較すると、高レール圧における噴射率の増加割合(噴射率勾配)は、目標レール圧における噴射率勾配より大きい。このため、着火遅れ期間における燃料噴射量の積算値(噴射パターンのグラフと点線Aで囲まれた部分の三角形の面積)は、目標レール圧の場合より高レール圧の場合の方が大きくなる。このことが、前述のように大きな騒音が発生する原因となっている。
図5は、燃料噴射装置100の動作を示したフローチャートである。最初に、ECU20が、アクセル開度センサ24、エンジン回転数センサ26、及び速度センサ28の出力に基づき、要求される運転状態を検出し(ステップS10)、当該運転状態に基づいて目標レール圧Ptを算出する(ステップS12)。次に、ECU20は、レール圧センサ15の出力に基づき、コモンレール14の実レール圧Pcを検出する(ステップS14)。
次に、ECU20は、実レール圧Pcから目標レール圧Ptを引いた値が、予め定められた第1の閾値P1より大きいか否かを判定する(ステップS16)。実レール圧Pcと目標レール圧Ptの乖離度が第1の閾値P1以下である場合は、ステップS18以下の噴射率抑制に関する制御は行わない。ステップS16において実レール圧Pcと目標レール圧Ptの乖離度が第1の閾値P1より大きい場合、ECU20は、ニードル34の開弁速度を低下させ(ステップS18)、噴射開始時における燃料噴射率の上昇を抑制する。ステップS18の詳細については後述する。
次に、ECU20は、高圧ポンプ12からコモンレール14への燃料の圧送を停止する(ステップS20)。これにより、コモンレール14におけるレール圧の低下が促進され、燃料噴射率の上昇が抑制される。高圧ポンプ12からの圧送の停止は、ECU20がフィードポンプ11と高圧ポンプ12との間に設けられた調量弁13を閉弁し、高圧ポンプ12への燃料供給を遮断することにより実現される。この点で、ECU20は、高圧ポンプ12による高圧燃料の圧送を停止するポンプ制御手段として機能する。
次に、ECU20は、実レール圧Pcから目標レール圧Ptを引いた値が、予め定められた第2の閾値P2より小さいか否かを判定する(ステップS22)。第2の閾値P2は、高圧ポンプ12の圧送再開を判定するための閾値であり、第1の閾値P1より小さい。ステップS22でNoと判定された場合は、再びステップS18〜S20における噴射率抑制制御を繰り返す。ステップS22でYesと判定された場合、ECU20は、調量弁13を開弁し、高圧ポンプ12の圧送を再開する(ステップS24)。これにより、実レール圧が目標レール圧と等しくなる前に高圧ポンプ12の圧送が再開されるため、燃料輸送再開時の輸送遅れにより実レール圧が必要以上に低下してしまうことが抑制される。
なお、第2の閾値P2は、高圧ポンプ12の輸送再開時における圧送遅れ量に基づいて、ECU20により算出される。すなわち、ECU20は、高圧ポンプ12の圧送再開時における燃料の圧送遅れ量に基づいて、第2の閾値P2により圧送停止期間を定めている。この点で、ECU20は、高圧ポンプ12の停止期間を算出する停止期間算出手段として機能する。
図6は、本実施例の燃料噴射装置100における燃料噴射パターンを示したグラフである。本実施例の燃料噴射パターンを実線で示し、図4に示した比較例の燃料噴射パターン及び目標レール圧における噴射パターンをそれぞれ点線で示す。
本実施例では、コモンレール14の実レール圧は、比較例と同じく目標レール圧よりも高い状態にある。しかし、図示するように、本実施例の燃料噴射パターンは、比較例の噴射パターンに比べて、噴射開始時にける噴射率勾配が小さくなっている。より詳細には、噴射開始時における噴射率勾配が、目標レール圧における燃料噴射パターンの噴射率勾配と等しくなっている。
着火遅れ期間中の燃料の噴射量(以下、着火遅れ期間噴射量)は、ECU20により運転状態に基づいて算出される。この点で、ECU20は、運転状態に基づいて着火遅れ期間噴射量を算出する着火遅れ期間噴射量算出手段として機能する。具体的には、噴射パターンのグラフと、着火遅れ期間の終了を示す点線Aとで囲まれる領域の面積が、着火遅れ期間噴射量に相当する。本実施例では、着火遅れ期間における燃料噴射量が、コモンレール14のレール圧が目標レール圧である場合の着火遅れ期間噴射量(斜線領域)と等しくなるように、ニードル34の開弁速度が制御されている。すなわち、本実施例では、着火遅れ期間中の燃料噴射量が、比較例に比べて少なくなっている。以上のことから、本実施例では、コモンレール14のレール圧が高い場合であっても、コモンレール14のレール圧が目標レール圧である場合と同じ程度に燃焼時の騒音を抑制することができる。
図7(a)〜(d)は、図6の噴射パターンを実現するための制御を示すグラフである。本実施例のグラフを実線で、比較例を点線で示す。前述のように、ECU20は、ECU21からピエゾスタック30への電荷の付与速度を変化させることにより、ニードル34の開弁速度及び閉弁速度を変化させることができる。この点、ECU20は、ニードルの開弁速度を低下させるニードル制御手段として機能する。図7(a)は、図6に示した噴射パターンと共通のものである。図7(b)は、図7(a)の噴射パターンに対応したニードル34のリフト量を示す。図7(c)及び(d)は、ECU20の指令によりピエゾスタック30に印加される電流パルスを示すもので、正方向のパルスが充電(ピエゾの伸張)を、負方向のパルスが放電(ピエゾの収縮)をそれぞれ示す。また、本実施例のグラフを実線で、比較例のグラフを点線で示す。
図7(a)に示すように、本実施例の噴射開始時における噴射率の増加割合は、比較例と比べて小さくなっている(噴射率勾配が小さい)。このような噴射率勾配を実現するために、図7(b)に示すニードル34のリフト量の増加割合(ニードル34の開弁速度)は、本実施例の方が比較例に比べて小さくなっている。そして、このようなニードル速度を実現するために、本実施例では電流パルスを印加する間隔T1が、比較例において電流パルスを印加する間隔T2より長くなっている(図7(c)、(d))。このように、本実施例では比較例に比べてピエゾスタック30の充電速度が遅いため、ピエゾスタック30の伸張速度が小さくなり、ニードル34の開弁速度が低下する。その結果、噴射開始時における燃料噴射率の噴射率勾配が低下し、着火遅れ期間における燃料噴射量も低下するため、燃焼時の騒音を低減することができる。
図6に示したように、ニードル34の開弁速度は、コモンレール14のレール圧が目標レール圧である場合の着火遅れ期間噴射量と等しくなるように制御されることが好ましい。これにより、運転状態の急激な変化により、目標レール圧の変化に実レール圧の変化が追いつかない場合でも、燃焼時の騒音を目標レール圧における燃料噴射時と同程度まで抑制することができる。
実施例2は、実施例1とは異なる噴射パターンで燃料の噴射を行う例である。燃料噴射装置の構成及び噴射パターン以外の動作については、実施例1(図1、図2、図5)と共通である。
図8は、実施例2の燃料噴射装置における燃料噴射パターンを示したグラフである。比較例及び目標レール圧における燃料噴射パターンを点線で、実施例2にける燃料噴射パターンを実線で示す。実施例2では、実施例1(図6)に比べて、燃料の着火遅れ期間が長くなっている。前述のように、着火遅れ期間の長さ及び着火遅れ期間中の燃料噴射量は、運転状態に基づき、着火遅れ期間噴射量算出手段としてのECU20により算出される。図示するように、目標レール圧における燃料噴射パターンでは、噴射開始後一定期間は噴射率が増加し続け、その後は噴射量が一定となる。着火遅れ期間中における燃料噴射量は、図中に示す斜線部の台形の面積に相当する。
本実施例の燃料噴射パターンも、実施例1と同様に目標レール圧における噴射パターンに沿ったものとなる。すなわち、燃料噴射開始直後は噴射率が増加し続け、所定の噴射率となったところで噴射率は一定となる。しかし、目標レール圧における噴射パターンでは、燃料の着火遅れ期間が経過した後も噴射率が一定であるのに対し、実施例2では、着火遅れ期間経過後は噴射率が上昇している。これは、着火遅れ期間が経過した後は、燃料噴射率が急激に上昇しても騒音に与える影響が少ないため、ニードル34の閉弁速度を低下させる制御を行わないためである。
図9(a)〜(d)は、図8の噴射パターンを実現するための制御を示すグラフであり、実施例1(図7(a)〜(d))と同様のものである。図9(a)において噴射率が一定量まで大きくなるまでは、図9(b)に示すニードル34のリフト量が増加し続ける。この間、図9(c)に示すように、一定間隔T1(図9(d)に示す目標レール圧における電流パルスの印加間隔T2より広い間隔)で、正の電流パルスが印加される。ニードルリフト量が目標値に達すると、電流パルスの印加が停止され、ニードル34のリフトが停止する。これにより、それ以上の噴射率の上昇が抑制される。再び電流パルスの印加が開始されるまでの期間T3においては、電流パルスの印加が行われない。
着火遅れ期間が経過すると、電流パルスの印加が再開される。このときの電流パルスの印加間隔は、比較例(及び目標レール圧)における開弁時の電流パルスの印加間隔T2と等しい。これにより、ニードル34は噴射開始時より速い速度でリフトし、それに伴い噴射率も増加する。燃料噴射量の積算量が、目標レール圧における噴射パターンの燃料噴射量の合計と等しくなったところで、負の電流パルスが印加され、ニードル34が閉弁する。これにより、燃料の噴射が終了する。
実施例2でも、実施例1と同様に、着火遅れ期間における燃料噴射量が、コモンレール14が目標レール圧である場合の着火遅れ期間噴射量と等しくなるように、ECU20がニードル34の開弁速度を制御する。特に、噴射率が所定の値に達した後は、ニードル34のリフトを停止し、燃料噴射率を一定に保つ。このように、ニードル34の開弁速度を低下させる制御には、ニードル34のリフトを完全に停止することも含まれる。
また、着火遅れ期間を経過した後は、ECU20がニードル34のリフトを再開し(ニードル速度を低減させる制御も行わずに)、燃料噴射率をさらに増大させる。これにより、目標レール圧における噴射パターンよりも短い時間で、燃料の噴射が終了する。これにより、燃料と吸気の混合が促進され、燃費が向上することが期待される。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 燃料タンク
11 フィードポンプ
12 高圧ポンプ
13 調量弁
14 コモンレール
15 レール圧センサ
18 ピエゾインジェクタ
20 ECU
21 EDU
22 燃焼室
24 アクセル開度センサ
26 エンジン回転数センサ
28 速度センサ
30 ピエゾスタック
34 ニードル

Claims (5)

  1. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、
    開弁及び閉弁を行うためのニードルを備え、前記コモンレールから供給される高圧燃料を筒内に噴射するインジェクタと、
    前記コモンレールの目標レール圧を運転状態に基づいて算出する目標レール圧算出手段と、
    前記コモンレールの実レール圧を検出する実レール圧検出手段と、
    前記コモンレールの実レール圧が目標レール圧より大きい場合に、前記ニードルの開弁速度を低下させる制御を行うニードル制御手段と、
    を有することを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記インジェクタは、電流信号の印加により伸縮するピエゾ素子と、前記ピエゾ素子の伸縮を前記ニードルへと伝達することにより前記ニードルに閉弁及び閉弁を行わせる伝達手段とを備え、
    前記ニードル制御手段は、前記ピエゾ素子の伸縮速度を制御することにより、前記ニードルの開弁速度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 着火遅れ期間における燃料の噴射量である着火遅れ期間噴射量を、運転状態に基づいて算出する着火遅れ期間噴射量算出手段を有し、
    前記ニードル制御手段は、前記着火遅れ期間における燃料噴射量が、前記コモンレールのレール圧が目標レール圧である場合の前記着火遅れ期間噴射量と等しくなるように、前記ニードルの開弁速度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 燃料タンクから供給される燃料を高圧にして前記コモンレールに圧送する高圧ポンプと、
    前記コモンレールの実レール圧が目標レール圧より大きい場合に、前記高圧ポンプによる高圧燃料の圧送を停止するポンプ制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料噴射装置。
  5. 前記高圧ポンプの圧送停止期間は、前記高圧ポンプの圧送再開時における圧送遅れ量に基づいて算出されることを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射装置。

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