JP6044366B2 - 高圧ポンプの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧ポンプの吸入口側を開閉するための電磁アクチュエータを備えた高圧ポンプの制御装置に関する発明である。
気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式エンジンは、吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート噴射式エンジンと比較して、噴射から燃焼までの時間が短く、噴射燃料を霧化させる時間を十分に稼ぐことができないため、噴射圧力を高圧にして噴射燃料を微粒化する必要がある。そのため、筒内噴射式エンジンでは、電動式の低圧ポンプで燃料タンクから汲み上げた燃料を、エンジンの動力で駆動される高圧ポンプに供給し、この高圧ポンプから吐出される高圧の燃料を燃料噴射弁へ圧送するようにしている。
このような高圧ポンプとしては、例えば、高圧ポンプの吸入口側を開閉する調量弁と、この調量弁を開閉移動させる電磁アクチュエータとを設け、この電磁アクチュエータの通電を制御して調量弁の閉弁期間を制御することで高圧ポンプの燃料吐出量を制御して燃圧(燃料圧力)を制御するようにしたものがある。
また、電磁弁で構成された燃料噴射弁の閉弁時に発生する騒音を低減する技術として、例えば、特許文献1(特開平4−153542号公報)に記載されているように、燃料噴射弁(電磁弁)の駆動コイルへの通電を停止して燃料噴射弁を閉弁する際に、駆動コイルへの通電停止後に駆動コイルに一時的に再通電することで、燃料噴射弁の閉弁速度を低下させるようにしたものがある。
特開平4−153542号公報
前述した高圧ポンプにおいては、電磁アクチュエータのソレノイドへの通電を停止して電磁アクチュエータの可動部を開側位置に移動させると共に調量弁を開弁させる開弁制御の際に、可動部や調量弁がストッパ部等に衝突して振動が発生し、この振動によって不快な騒音が発生する可能性がある。
ところで、図4に示すように、高圧ポンプの開弁制御の際には、ソレノイドへの通電を停止しても、まだポンプ室内の燃圧が高いときには、可動部が調量弁に突き当たってもポンプ室内の燃圧で調量弁が閉弁状態に維持されるため、可動部が調量弁に突き当たった状態で止まる。その後、ポンプ室内の燃圧が低下すると、可動部が開側位置に移動すると共に調量弁が開弁する。
このため、上記特許文献1の技術を利用して、図6に示すように、高圧ポンプの開弁制御の際に、通常の開弁制御と同じタイミングでソレノイドへの通電を停止した後に、ソレノイドに一時的に再通電するようにしても、可動部が調量弁に突き当たって止まっているときに再通電する可能性がある。このような場合、その後、ポンプ室内の燃圧が低下して可動部が開側位置に移動する際の移動速度を低下させることができず、開弁制御時に発生する騒音を低減することが困難である。
そこで、本出願人は、図5に示すように、高圧ポンプの開弁制御の際に、ポンプ室内の燃圧が低下して調量弁が開弁するまでソレノイドへの通電を継続して可動部を閉側位置に保持し、調量弁が開弁した後にソレノイドへの通電を一旦停止して、可動部が開側位置に到達する前にソレノイドに一時的に再通電することで、開弁制御時に発生する騒音を低減するシステムを研究しているが、その研究過程で次のような新たな課題が判明した。
上述した高圧ポンプの開弁制御の際に、可動部を閉側位置に保持する期間(つまりソレノイドへの通電を継続する期間)を長くし過ぎると、ソレノイドの発熱量が許容値を越えてソレノイドが過熱状態となる可能性がある。そこで、ソレノイドの過熱を防止するために、可動部を閉側位置に保持する期間を所定の上限ガード値で制限することが考えられる。しかし、この方法では、ソレノイドの発熱量が許容値以下で可動部を閉側位置に保持する期間を短くする必要が無いにも拘らず、可動部を閉側位置に保持する期間が上限ガード値で制限されてしまうことがある。このため、可動部を閉側位置に保持する期間を無駄に短くして、騒音低減効果を無駄に減少させてしまう可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高圧ポンプの開弁制御時の騒音低減効果を無駄に減少させることなくソレノイドの過熱を防止することができる高圧ポンプの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、燃料の吸入口(21)と吐出口(31)を有するポンプ室(17)と、該ポンプ室(17)内で往復運動するプランジャ(18)と、前記吸入口(21)側を開閉する調量弁(23)と、該調量弁(23)を開閉移動させる電磁アクチュエータ(27)とを備えた高圧ポンプの制御装置において、
前記電磁アクチュエータ(27)のソレノイド(30)への通電を停止して該電磁アクチュエータ(27)の可動部(28)を閉側位置から開側位置に移動させると共に前記調量弁(23)を開弁させる開弁制御を実行する開弁制御手段(40)を備え、前記開弁制御手段は、前記開弁制御の際に、前記ソレノイドの発熱量を推定し、推定した前記発熱量が許容値以下の場合には、前記ポンプ室内の燃圧が低下して前記調量弁が開弁する後まで前記ソレノイドへの通電を継続して前記可動部を閉側位置に保持し、前記調量弁が開弁した後前記ソレノイドへの通電を一旦停止することで、前記可動部を閉側位置に保持する期間を延長し、前記可動部が開側位置に到達する前に前記ソレノイドに一時的に再通電し、推定した前記発熱量が許容値を超える場合には、前記ポンプ室内の燃圧が低下して前記調量弁が開弁する前まで前記ソレノイドへの通電を継続して前記可動部を閉側位置に保持すると共に、前記調量弁が開弁する前に前記ソレノイドへの通電を一旦停止することで、推定した前記発熱量に応じて前記可動部を前記閉側位置に保持する期間を変更し、前記可動部が開側位置に到達する前に前記ソレノイドに一時的に再通電するようにしたものである。
この構成では、開弁制御の際に、ソレノイドの推定発熱量が小さいときには、可動部を閉側位置に保持する期間を適度に長くして、騒音低減効果を確保することができる。一方、ソレノイドの推定発熱量が大きいときには、可動部を閉側位置に保持する期間(つまりソレノイドへの通電を継続する期間)を短くして、ソレノイドの過熱を防止することができる。これにより、可動部を閉側位置に保持する期間を短くしてソレノイドの過熱を防止する必要があるときだけ、可動部を閉側位置に保持する期間を短くするようにできるため、可動部を閉側位置に保持する期間を無駄に短くすることを防止して、騒音低減効果を無駄に減少させることを回避することができる。
図1は本発明の一実施例における筒内噴射式エンジンの燃料供給システムの概略構成を示す図である。 図2は高圧ポンプの燃料吸入時の状態を示す概略構成図である。 図3は高圧ポンプの燃料吐出時の状態を示す概略構成図である。 図4は通常の開弁制御を説明する図である。 図5は音低減用の開弁制御を説明する図である。 図6は比較例の開弁制御を説明する図である。 図7は燃圧ピーク値と調量弁開弁期間との関係を説明する図である。 図8は燃圧ピーク値と調量弁開弁期間との関係を示す図である。 図9は燃料温度と体積弾性率との関係を示す図である。 図10は燃料温度と調量弁開弁期間との関係を示す図である。 図11はカムプロフィールの影響を説明する図である。 図12はカムリフト量の降下速度と調量弁開弁期間との関係を示す図である。 図13は再通電時の電流値の設定方法を説明する図である。 図14はフライバック制御を説明する図である。 図15はソレノイドの推定発熱量が許容値以下の場合の音低減用の開弁制御を説明する図である。 図16はソレノイドの推定発熱量が許容値を越えた場合の過熱防止用の開弁制御を説明する図である。 図17は開弁制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図18は条件変更ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
図1に示すように、燃料を貯溜する燃料タンク11内には、燃料を汲み上げる低圧ポンプ12が設置されている。この低圧ポンプ12は、バッテリ(図示せず)を電源とする電動モータ(図示せず)によって駆動される。この低圧ポンプ12から吐出される燃料は、燃料配管13を通して高圧ポンプ14に供給される。燃料配管13には、プレッシャレギュレータ15が接続され、このプレッシャレギュレータ15によって低圧ポンプ12の吐出圧力(高圧ポンプ14への燃料供給圧力)が所定圧力に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分が燃料戻し配管16により燃料タンク11内に戻されるようになっている。
図2及び図3に示すように、高圧ポンプ14は、円筒状のポンプ室17内でプランジャ18を往復運動させて燃料を吸入/吐出するプランジャポンプであり、プランジャ18は、エンジンのカム軸19に嵌着されたカム20の回転運動によって駆動される。この高圧ポンプ14の吸入口21側には、燃料通路22を開閉する調量弁23と、この調量弁23を開閉移動させる電磁アクチュエータ27が設けられている。
電磁アクチュエータ27は、移動可能な可動部28と、この可動部28を開側位置(図2参照)へ付勢するスプリング29と、可動部28を閉側位置(図3参照)へ電磁駆動するソレノイド30(コイル)等で構成されている。調量弁23は、電磁アクチュエータ27の可動部28により開弁方向に押圧される押圧部24と、燃料通路22を開閉する弁体25と、この弁体25を閉弁方向に付勢するスプリング26等で構成されている。また、高圧ポンプ14の吐出口31側には、吐出した燃料の逆流を防止する逆止弁32が設けられている。
図2に示すように、電磁アクチュエータ27の非通電時(ソレノイド30への通電のオフ時)には、電磁アクチュエータ27のスプリング29の付勢力により可動部28が開側位置へ移動するため、可動部28により調量弁23の押圧部24が押圧されて弁体25が開弁方向に移動して開弁し、燃料通路22が開放される。
一方、図3に示すように、電磁アクチュエータ27の通電時(ソレノイド30への通電のオン時)には、電磁アクチュエータ27のソレノイド30の電磁吸引力により可動部28が閉側位置へ移動するため、調量弁23のスプリング26の付勢力により弁体25が閉弁方向に移動して閉弁し、燃料通路22が閉鎖される。
図2に示すように、高圧ポンプ14の吸入行程(プランジャ18の下降時)において調量弁23の弁体25が開弁してポンプ室17内に燃料が吸入され、図3に示すように、高圧ポンプ14の吐出行程(プランジャ18の上昇時)において調量弁23の弁体25が閉弁してポンプ室17内の燃料が吐出されるように電磁アクチュエータ27(ソレノイド30)の通電を制御する。
その際、電磁アクチュエータ27(ソレノイド30)の通電開始時期を制御して調量弁23の閉弁期間を制御することで、高圧ポンプ14の燃料吐出量を制御して燃圧(燃料圧力)を制御する。例えば、燃圧を上昇させるときには、電磁アクチュエータ27の通電開始時期を進角させて調量弁23の閉弁開始時期を進角させることで、調量弁23の閉弁期間を長くして高圧ポンプ14の吐出流量を増加させる。逆に、燃圧を低下させるときには、電磁アクチュエータ27の通電開始時期を遅角させて調量弁23の閉弁開始時期を遅角させることで、調量弁23の閉弁期間を短くして高圧ポンプ14の吐出流量を減少させる。
図1に示すように、高圧ポンプ14から吐出された燃料は、高圧燃料配管33を通してデリバリパイプ34に送られ、このデリバリパイプ34からエンジンの各気筒に取り付けられた燃料噴射弁35に高圧の燃料が分配される。デリバリパイプ34(又は高圧燃料配管33)には、高圧燃料配管33やデリバリパイプ34等の高圧燃料通路内の燃圧を検出する燃圧センサ36が設けられている。
また、エンジンには、吸入空気量を検出するエアフローメータ37や、クランク軸(図示せず)の回転に同期して所定のクランク角毎にパルス信号を出力するクランク角センサ38が設けられている。このクランク角センサ38の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。更に、エンジンのシリンダブロックには、冷却水温(冷却水の温度)を検出する冷却水温センサ39が設けられている。
これら各種センサの出力は、電子制御ユニット(以下「ECU」と表記する)40に入力される。このECU40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御用のプログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度(吸入空気量)等を制御する。
また、ECU40は、図4に示すように、高圧ポンプ14の調量弁23を閉弁させる閉弁制御の際には、電磁アクチュエータ27のソレノイド30に通電して電磁アクチュエータ27の可動部28を開側位置から閉側位置に移動させることで調量弁23を閉弁させる。その後、高圧ポンプ14の調量弁23を開弁させる開弁制御の際には、電磁アクチュエータ27のソレノイド30への通電を停止して電磁アクチュエータ27の可動部28を閉側位置から開側位置に移動させて調量弁23を開弁させる。
しかし、高圧ポンプ14の開弁制御時には、可動部28や調量弁23がストッパ部41等に衝突して振動が発生し、この振動によって不快な騒音が発生する可能性があり、例えば、低速走行中や停車中は、開弁制御時に発生する騒音が運転者に聞こえ易くなる。
ところで、図4に示すように、高圧ポンプ14の開弁制御の際には、ソレノイド30への通電を停止しても、まだポンプ室17内の燃圧が高いときには、可動部28が調量弁23(押圧部24)に突き当たってもポンプ室17内の燃圧で調量弁23が閉弁状態に維持されるため、可動部28が調量弁23(押圧部24)に突き当たった状態で止まる。その後、ポンプ室17内の燃圧が低下すると、可動部28が開側位置に移動すると共に調量弁23が開弁する。
このため、従来技術を利用して、図6に示す比較例のように、高圧ポンプ14の開弁制御の際に、通常の開弁制御と同じタイミングでソレノイド30への通電を停止した後に、ソレノイド30に一時的に再通電するようにしても、可動部28が調量弁23(押圧部24)に突き当たって止まっているときに再通電する可能性がある。このような場合、その後、ポンプ室17内の燃圧が低下して可動部28が開側位置に移動する際の移動速度を低下させることができず、開弁制御時に発生する騒音を低減することが困難である。
そこで、本実施例では、ECU40により後述する図17及び図18の開弁制御用の各ルーチンを実行することで、開弁制御の際(つまり電磁アクチュエータ27のソレノイド30への通電を停止して可動部28を閉側位置から開側位置に移動させると共に調量弁23を開弁させる際)に、所定の音低減制御実行条件が成立したときには、開弁制御時に発生する騒音が運転者に聞こえ易い状態であると判断して、開弁制御時に発生する騒音を低減するために、後述するソレノイド30の推定発熱量が許容値以下であれば、図5に示すように、音低減用の開弁制御を実行する。この音低減用の開弁制御では、ポンプ室17内の燃圧が低下して調量弁23が開弁する後までソレノイド30への通電を継続して可動部28を閉側位置に保持し、調量弁23が開弁した後にソレノイドへ30の通電を一旦停止する。これにより、可動部28が調量弁23に突き当たって止まることなく開側位置へ向かって移動する。そして、可動部28が開側位置に到達する前にソレノイド30に一時的に再通電する。これにより、ソレノイド30の電磁吸引力を一時的に発生させて、この電磁吸引力により可動部28が開側位置に移動する際の移動速度を低下させることができる。これにより、可動部28が開側位置に到達する際に発生する振動を抑制することができ、開弁制御時に発生する騒音を低減することができる。
この音低減用の開弁制御では、ポンプ室17内の燃圧が所定値(調量弁23が開弁する燃圧)以下に低下して調量弁23が開弁するまでソレノイド30への通電を継続して可動部28を閉側位置に保持する必要がある。
ここで、カムリフト量L(プランジャ18のリフト量)とポンプ室17内の燃圧Pとの関係は、ポンプ室17の容積Vと、燃料の体積弾性率Eと、プランジャ18の面積Sとを用いて、下記(1)式で表すことができる。
L=P×V/(E×S) …(1)
上記(1)式より、ポンプ室17内の燃圧Pが高くなるほど、その燃圧Pを所定値以下に低下させるのに必要なカムリフト量Lの降下分が大きくなるため、燃圧Pが所定値以下に低下するまでの期間が長くなる。
このため、図7に示すように、ポンプ室17内の燃圧ピーク値が高くなるほど、燃圧が所定値(調量弁23が開弁する燃圧)以下に低下するまでの期間が長くなって、調量弁開弁期間(燃圧が低下し始めてから調量弁23が開弁するまでの期間)が長くなる。つまり、図8に示すように、ポンプ室17内の燃圧ピーク値が高くなるほど、調量弁開弁期間が長くなるという特性がある。
そこで、本実施例では、音低減用の開弁制御の際に、ポンプ室17内の燃圧ピーク値に応じて、可動部28を閉側位置に保持する期間を変更する。具体的には、ポンプ室17内の燃圧ピーク値が高くなるほど、通電延長期間(通常の開弁制御の通電停止タイミングに対してソレノイド30への通電を延長する期間)を長くして、可動部28を閉側位置に保持する期間を長くする。このようにすれば、ポンプ室17内の燃圧ピーク値に応じて、調量弁開弁期間が変化するのに対応して、可動部28を閉側位置に保持する期間を変更することができる。これにより、燃圧ピーク値の変化によって調量弁開弁期間が変化しても、調量弁23が開弁するまで確実に可動部28を閉側位置に保持するようにできる。
また、図9に示すように、燃料温度が高くなるほど、燃料の体積弾性率が小さくなる。更に、上記(1)式より、燃料の体積弾性率Eが小さくなるほど、燃圧Pを所定値以下に低下させるのに必要なカムリフト量Lの降下分が大きくなるため、燃圧Pが所定値以下に低下するまでの期間が長くなる(つまり調量弁開弁期間が長くなる)。このため、図10に示すように、燃料温度が高くなるほど、調量弁開弁期間が長くなるという特性がある。
そこで、本実施例では、音低減用の開弁制御の際に、燃料温度に応じて、可動部28を閉側位置に保持する期間を変更する。具体的には、燃料温度が高くなるほど、通電延長期間を長くして、可動部28を閉側位置に保持する期間を長くする。このようにすれば、燃料温度に応じて、調量弁開弁期間が変化するのに対応して、可動部28を閉側位置に保持する期間を変更することができる。これにより、燃料温度の変化によって調量弁開弁期間が変化しても、調量弁23が開弁するまで確実に可動部28を閉側位置に保持するようにできる。尚、燃料温度は温度センサで検出するようにしても良いが、燃料温度の代用情報として、冷却水温や油温等を用いるようにしても良い。或は、冷却水温や油温等に基づいて燃料温度を推定するようにしても良い。
また、図11に示すように、カムプロフィール(カム20の形状)の違いによって、カムリフト量の降下速度が異なってくる。更に、図12に示すように、カムリフト量の降下速度が速くなるほど、調量弁開弁期間が短くなる。つまり、カムプロフィールに応じて、調量弁開弁期間が変化する。
そこで、本実施例では、カムプロフィールに応じて、可動部28を閉側位置に保持する期間を変更する。具体的には、カムプロフィールの違いによってカムリフト量の降下速度が速くなるほど、通電延長期間を短くして、可動部28を閉側位置に保持する期間を短くする。このようにすれば、カムプロフィールに応じて、調量弁開弁期間が変化するのに対応して、可動部28を閉側位置に保持する期間を変更することができる。これにより、カムプロフィールの違いによって調量弁開弁期間が変化しても、調量弁23が開弁するまで確実に可動部28を閉側位置に保持するようにできる。
また、「通電延長期間」を「時間」で設定する場合、カム20の回転速度に応じて、調量弁開弁期間(時間)が変化するため、カム20の回転速度に応じて、通電延長期間(時間)を変更して、可動部28を閉側位置に保持する期間(時間)を変更する。このようにすれば、カム20の回転速度に応じて、調量弁開弁期間(時間)が変化するのに対応して、可動部28を閉側位置に保持する期間(時間)を変更することができる。これにより、カム20の回転速度の変化によって調量弁開弁期間(時間)が変化しても、調量弁23が開弁するまで確実に可動部28を閉側位置に保持するようにできる。
尚、「通電延長期間」を「カム角又はクランク角」で設定する場合には、カム20の回転速度の影響を受けないため、カム20の回転速度に応じた変更を行う必要がない。
また、本実施例では、音低減用の開弁制御の際に、可動部28が開側位置に到達する前にソレノイド30に一時的に再通電するようにしているが、図13(b)に示すように、再通電するときの電流値が大き過ぎると、ソレノイド30の電磁吸引力が大きくなり過ぎて、可動部28が閉側位置方向へ逆戻りしてしまう可能性がある。
そこで、本実施例では、図13(a)に示すように、再通電するときの電流値を、可動部28の閉側位置方向への逆戻りが発生しない範囲内で設定する。このようにすれば、可動部28が開側位置に到達する前にソレノイド30に一時的に再通電したときに、可動部28が閉側位置方向へ逆戻りすることを防止することができる。
また、本実施例では、音低減用の開弁制御の際に、調量弁23が開弁した後にソレノイド30への通電を一旦停止するようにしているが、図14(b)に示すように、後述するフライバック制御を実行しない場合には、ソレノイド30への通電を一旦停止したときに、逆起電力によりソレノイド30に流れる電流がゆっくりと低下する。このため、ソレノイド30への通電停止後もソレノイド30の電磁吸引力が発生し、その影響を受けて可動部28が開側位置に移動する際の挙動がばらついて、再通電するタイミングを設定するのが困難になる。
そこで、本実施例では、図14(a)に示すように、ソレノイド30への通電を一旦停止したときに逆起電力によりソレノイド30に流れる電流をフライバック回路(図示せず)により取り去るフライバック制御を実行する。このようにすれば、ソレノイド30への通電停止後にソレノイド30の電磁吸引力がほとんど発生せず、可動部28が開側位置に移動する際の挙動が安定するため、再通電するタイミングを容易に設定することができる。
上述した高圧ポンプ14の開弁制御の際に、可動部28を閉側位置に保持する期間(つまりソレノイド30への通電を継続する期間)を長くし過ぎると、ソレノイド30の発熱量が許容値を越えてソレノイド30が過熱状態となる可能性がある。そこで、ソレノイド30の過熱を防止するために、可動部28を閉側位置に保持する期間を所定の上限ガード値で制限することが考えられる。しかし、この方法では、ソレノイド30の発熱量が許容値以下で可動部28を閉側位置に保持する期間を短くする必要が無いにも拘らず、可動部28を閉側位置に保持する期間が上限ガード値で制限されてしまうことがある。このため、可動部28を閉側位置に保持する期間を無駄に短くして、騒音低減効果を無駄に減少させてしまう可能性がある。
そこで、本実施例では、高圧ポンプ14の開弁制御の際に、ソレノイド30の発熱量を推定(算出)し、そのソレノイド30の推定発熱量に応じて可動部28を閉側位置に保持する期間を変更する。これにより、ソレノイド30の推定発熱量が小さいときには、可動部28を閉側位置に保持する期間を適度に長くして、騒音低減効果を確保する。一方、ソレノイド30の推定発熱量が大きいときには、可動部28を閉側位置に保持する期間(つまりソレノイド30への通電を継続する期間)を短くして、ソレノイド30の過熱を防止する。
具体的には、ソレノイド30の推定発熱量が許容値以下の場合には、図15に示すように、前述した音低減用の開弁制御を実行する。この音低減用の開弁制御では、ポンプ室17内の燃圧が低下して調量弁23が開弁する後までソレノイド30への通電を継続して可動部28を閉側位置に保持し、調量弁23が開弁した後にソレノイド30への通電を一旦停止することで、可動部28を閉側位置に保持する期間を適度に長くして、可動部28が開側位置に到達する前にソレノイド30に一時的に再通電する。
一方、ソレノイド30の推定発熱量が許容値を越える場合には、図16に示すように、過熱防止用の開弁制御を実行する。この過熱防止用の開弁制御では、ポンプ室17内の燃圧が低下して調量弁23が開弁する前までソレノイド30への通電を継続して可動部28を閉側位置に保持し、調量弁23が開弁する前にソレノイド30への通電を一旦停止することで、可動部28を閉側位置に保持する期間を短くして、ソレノイド30の過熱を防止する。この場合、通常の開弁制御(図4参照)と同じように、可動部28が調量弁23(押圧部24)に突き当たった状態で止まり、その後、ポンプ室17内の燃圧が低下すると、可動部28が開側位置に移動すると共に調量弁23が開弁するが、過熱防止用の開弁制御では、可動部28が開側位置に到達する前にソレノイド30に一時的に再通電する。これにより、可動部28が開側位置に到達する際に発生する振動を抑制することができ、開弁制御時に発生する騒音を低減することができる。
本実施例では、過熱防止用の開弁制御の際に、通常の開弁制御(図4参照)の通電停止タイミングに対してソレノイド30への通電を延長する期間である通電延長期間(図5参照)を0にして、通常の開弁制御の通電停止タイミングと同じタイミング(例えばカムリフト量が最大となるカムTOP又はそれよりも進角側のタイミング)でソレノイド30への通電を一旦停止することで、可動部28を閉側位置に保持する期間を短くする。
また、前述したように、図8に示すように、ポンプ室17内の燃圧ピーク値が高くなるほど、調量弁開弁期間(燃圧が低下し始めてから調量弁23が開弁するまでの期間)が長くなるという特性がある。
そこで、本実施例では、過熱防止用の開弁制御の際に、ポンプ室17内の燃圧ピーク値に応じて、ソレノイド30に一時的に再通電するタイミングを変更する。具体的には、ポンプ室17内の燃圧ピーク値が高くなるほど、ソレノイド30に一時的に再通電するタイミングを遅くする。このようにすれば、ポンプ室17内の燃圧ピーク値に応じて、調量弁開弁期間が変化するのに対応して、ソレノイド30に一時的に再通電するタイミングを変更することができる。これにより、燃圧ピーク値の変化によって調量弁開弁期間が変化しても、調量弁23が開弁すると共に可動部28が開側位置に到達する前に確実にソレノイド30に再通電することができる。
以上説明した本実施例の高圧ポンプ14の開弁制御は、ECU40によって図17及び図18の開弁制御用の各ルーチンに従って実行される。以下、これらの各ルーチンの処理内容を説明する。
[開弁制御ルーチン]
図17に示す開弁制御ルーチンは、ECU40の電源オン期間中(イグニッションスイッチのオン期間中)に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう開弁制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、所定の音低減制御実行条件が成立しているか否かを、例えば、次の(1) 〜(5) の条件を全て満たすか否かによって判定する。
(1) バッテリ電圧が安定状態(バッテリ電圧>所定値)であること
(2) 低速走行中又は停車中(車速≦所定値)であること
(3) アクセルオフ(アクセル開度=0)であること
(4) エンジン回転速度が安定状態(|目標回転速度−エンジン回転速度|≦所定値)であること
(5) 燃圧が安定状態(|目標燃圧−燃圧|≦所定値)であること
ここで、上記(2) と(3) の条件は、開弁制御時に発生する騒音が運転者に聞こえ易い状態であるか否かを判断するための条件である。
上記(1) 〜(5) の条件を全て満たせば、音低減制御実行条件が成立するが、上記(1) 〜(5) の条件のうちのいずれか1つでも満たさない条件があれば、音低減制御実行条件が不成立となる。
このステップ101で、音低減制御実行条件が不成立と判定された場合には、ステップ102に進み、通常の開弁制御(図4参照)を実行する。この通常の開弁制御では、ポンプ室17内の燃圧が高くなったときに電磁アクチュエータ27のソレノイド30への通電を停止する。この場合、ポンプ室17内の燃圧で調量弁23が閉弁状態に維持されるため、可動部28が調量弁23(押圧部24)に突き当たった状態で止まるが、その後、ポンプ室17内の燃圧が低下すると、可動部28が開側位置に移動すると共に調量弁23が開弁する。
一方、上記ステップ101で、音低減制御実行条件が成立していると判定された場合には、開弁制御時に発生する騒音が運転者に聞こえ易い状態であると判断して、音低減用の開弁制御(又は過熱防止用の開弁制御)を次のようにして実行する。まず、ステップ103で、通常の開弁制御の通電停止タイミングに対してソレノイド30への通電を延長する期間である「通電延長期間(図5参照)」を「カム角又はクランク角」で設定する。このステップ103で設定される通電延長期間は、音低減用の開弁制御のための通電延長期間(つまり調量弁23が開弁する後までソレノイド30への通電を継続するための通電延長期間)である。
この場合、まず、ポンプ室17内の燃圧ピーク値に応じた通電延長期間をマップ又は数式等により算出する。これにより、ポンプ室17内の燃圧ピーク値が高くなるほど、通電延長期間を長くして、可動部28を閉側位置に保持する期間を長くする。通電延長期間のマップ又は数式等は、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ECU40のROMに記憶されている。
また、燃料温度に応じた補正値をマップ又は数式等により算出し、この補正値を用いて通電延長期間を補正する。これにより、燃料温度が高くなるほど、通電延長期間を長くして、可動部28を閉側位置に保持する期間を長くする。更に、カムプロフィールに応じた補正値をマップ又は数式等により算出し、この補正値を用いて通電延長期間を補正するようにしても良い。これにより、カムプロフィールの違いによってカムリフト量の降下速度が速くなるほど、通電延長期間を短くして、可動部28を閉側位置に保持する期間を短くする。通電延長期間の補正値のマップ又は数式等は、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ECU40のROMに記憶されている。
尚、「通電延長期間」を「時間」で設定する場合には、カム20の回転速度に応じて、調量弁開弁期間(時間)が変化するため、カム20の回転速度に応じて、通電延長期間(時間)を変更して、可動部28を閉側位置に保持する期間(時間)を変更する。
この後、ステップ104に進み、ソレノイド30への通電を一旦停止してから再通電するまでの時間である「通電停止時間(図5参照)」を所定時間T1 (例えば0.5ms)に設定し、ソレノイド30への再通電を継続する時間である「再通電時間(図5参照)」を所定時間T2 (例えば1ms)に設定すると共に、ソレノイド30に再通電するときの電流値である「再通電電流値(図5参照)」を所定電流値(例えば3A)に設定する。これらの所定時間T1 、所定時間T2 、所定電流値は、予め試験データや設計データ等に基づいて設定され、ECU40のROMに記憶されている。このステップ104で設定される通電停止時間は、音低減用の開弁制御のための通電停止時間である。
この後、ステップ105に進み、後述する図18の条件変更ルーチンを実行することで、ソレノイド30の発熱量を推定(算出)し、そのソレノイド30の推定発熱量に基づいて通電延長期間や通電停止時間を変更する。
この後、ステップ106に進み、通電延長期間が終了するまでソレノイド30への通電を継続することで、ポンプ室17内の燃圧が低下して調量弁23が開弁する前か後までソレノイド30への通電を継続して可動部28を閉側位置に保持する。
この後、ステップ107に進み、上記ステップ103で設定した通電延長期間(又は上記ステップ105で変更した通電延長期間)が終了した時点で、ソレノイドへ30の通電を一旦停止すると共に、ソレノイド30に流れる電流をフライバック回路により取り去るフライバック制御を実行する。
この後、ステップ108に進み、上記ステップ104で設定した通電停止時間(又は上記ステップ105で変更した通電停止時間)が経過した時点で、上記ステップ104で設定した再通電時間と再通電電流値でソレノイド30に再通電することで、可動部28が開側位置に到達する前にソレノイド30に一時的に再通電する。これにより、ソレノイド30の電磁吸引力を一時的に発生させて、この電磁吸引力により可動部28が開側位置に移動する際の移動速度を低下させる。
[条件変更ルーチン]
図18に示す条件変更ルーチンは、前記図17の開弁制御ルーチンのステップ105で実行されるサブルーチンである。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、ソレノイド30の発熱量の挙動を模擬した発熱量モデルを用いて、ソレノイド30の通電期間と、ソレノイド30の通電電流値(例えばピーク電流値や平均電流値等)と、高圧ポンプ14の温度に関する情報(例えば冷却水温や油温等)と、高圧ポンプ14の駆動速度に関する情報(例えばエンジン回転速度やポンプ回転速度等)に基づいてソレノイド30の推定発熱量を算出する。これにより、ソレノイド30の推定発熱量を精度良く算出することができる。ソレノイド30の発熱量モデルは、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ECU40のROMに記憶されている。
この後、ステップ202に進み、ソレノイド30の推定発熱量が許容値を越えているか否かを判定する。このステップ202で、ソレノイド30の推定発熱量が許容値以下であると判定された場合には、可動部28を閉側位置に保持する期間(つまりソレノイド30への通電を継続する期間)を短くする必要がないと判断して、ステップ203に進み、通電延長期間を図17のステップ103で設定された通電延長期間(音低減用の開弁制御のための通電延長期間)に保持すると共に、通電停止時間を図17のステップ104で設定された通電停止時間(音低減用の開弁制御のための通電停止時間)に保持する。これにより、図17のステップ106〜108では音低減用の開弁制御が実行される。
一方、上記ステップ202で、ソレノイド30の推定発熱量が許容値を越えていると判定された場合には、可動部28を閉側位置に保持する期間(つまりソレノイド30への通電を継続する期間)を短くする必要があると判断して、ステップ204に進み、通電延長期間を過熱防止用の開弁制御のための通電延長期間に変更すると共に、通電停止時間を過熱防止用の開弁制御のための通電停止時間に変更する。これにより、図17のステップ106〜108では過熱防止用の開弁制御が実行される。
具体的には、通電延長期間を所定値(例えば0)に設定すると共に、ポンプ室17内の燃圧ピーク値に応じた通電停止時間をマップ又は数式等により算出する。これにより、ポンプ室17内の燃圧ピーク値が高くなるほど、通電停止時間を長くして、ソレノイド30に一時的に再通電するタイミングを遅くする。過熱防止用の開弁制御のための通電停止時間のマップ又は数式等は、予め試験データや設計データ等に基づいて作成され、ECU40のROMに記憶されている。
以上説明した本実施例では、高圧ポンプ14の開弁制御の際に、所定の音低減制御実行条件が成立したときには、ソレノイド30の発熱量を推定(算出)し、そのソレノイド30の推定発熱量が許容値以下の場合には、音低減用の開弁制御を実行する。この音低減用の開弁制御では、ポンプ室17内の燃圧が低下して調量弁23が開弁する後までソレノイド30への通電を継続して可動部28を閉側位置に保持し、調量弁23が開弁した後にソレノイドへ30の通電を一旦停止することで、可動部28を閉側位置に保持する期間を適度に長くして、可動部28が開側位置に到達する前にソレノイド30に一時的に再通電する。これにより、可動部28が開側位置に到達する際に発生する振動を抑制することができ、開弁制御時に発生する騒音を低減することができる。
一方、ソレノイド30の推定発熱量が許容値を越える場合には、過熱防止用の開弁制御を実行する。この過熱防止用の開弁制御では、ポンプ室17内の燃圧が低下して調量弁23が開弁する前までソレノイド30への通電を継続して可動部28を閉側位置に保持し、調量弁23が開弁する前にソレノイド30への通電を一旦停止することで、可動部28を閉側位置に保持する期間を短くして、ソレノイド30の過熱を防止する。この場合、可動部28が調量弁23(押圧部24)に突き当たった状態で止まり、その後、ポンプ室17内の燃圧が低下すると、可動部28が開側位置に移動すると共に調量弁23が開弁するが、可動部28が開側位置に到達する前にソレノイド30に一時的に再通電する。これにより、可動部28が開側位置に到達する際に発生する振動を抑制することができ、開弁制御時に発生する騒音を低減することができる。
このように、ソレノイド30の推定発熱量に応じて可動部28を閉側位置に保持する期間を変更することで、ソレノイド30の推定発熱量が小さいときには、可動部28を閉側位置に保持する期間を適度に長くして、騒音低減効果を確保することができ、一方、ソレノイド30の推定発熱量が大きいときには、可動部28を閉側位置に保持する期間(つまりソレノイド30への通電を継続する期間)を短くして、ソレノイド30の過熱を防止することができる。これにより、可動部28を閉側位置に保持する期間を短くしてソレノイド30の過熱を防止する必要があるときだけ、可動部28を閉側位置に保持する期間を短くするようにできるため、可動部28を閉側位置に保持する期間を無駄に短くすることを防止して、騒音低減効果を無駄に減少させることを回避することができる。
尚、上記実施例では、ソレノイド30の推定発熱量が許容値を越えるか否かによって可動部28を閉側位置に保持する期間を切り換えるようにしたが、これに限定されず、例えば、ソレノイド30の推定発熱量に応じて可動部28を閉側位置に保持する期間を複数段階又は連続的に変化させるようにしても良い。
その他、本発明は、高圧ポンプの構成や燃料供給システムの構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
14…高圧ポンプ、17…ポンプ室、18…プランジャ、21…吸入口、23…調量弁、27…電磁アクチュエータ、28…可動部、30…ソレノイド、31…吐出口、40…ECU(開弁制御手段)

Claims (4)

  1. 燃料の吸入口(21)と吐出口(31)を有するポンプ室(17)と、該ポンプ室(17)内で往復運動するプランジャ(18)と、前記吸入口(21)側を開閉する調量弁(23)と、該調量弁(23)を開閉移動させる電磁アクチュエータ(27)とを備えた高圧ポンプの制御装置において、
    前記電磁アクチュエータ(27)のソレノイド(30)への通電を停止して該電磁アクチュエータ(27)の可動部(28)を閉側位置から開側位置に移動させると共に前記調量弁(23)を開弁させる開弁制御を実行する開弁制御手段(40)を備え、
    前記開弁制御手段は、前記開弁制御の際に、前記ソレノイドの発熱量を推定し、
    推定した前記発熱量が許容値以下の場合には、前記ポンプ室内の燃圧が低下して前記調量弁が開弁する後まで前記ソレノイドへの通電を継続して前記可動部を閉側位置に保持し、前記調量弁が開弁した後前記ソレノイドへの通電を一旦停止することで、前記可動部を閉側位置に保持する期間を延長し、前記可動部が開側位置に到達する前に前記ソレノイドに一時的に再通電し、
    推定した前記発熱量が許容値を超える場合には、前記ポンプ室内の燃圧が低下して前記調量弁が開弁する前まで前記ソレノイドへの通電を継続して前記可動部を閉側位置に保持すると共に、前記調量弁が開弁する前に前記ソレノイドへの通電を一旦停止することで、推定した前記発熱量に応じて前記可動部を前記閉側位置に保持する期間を変更し、前記可動部が開側位置に到達する前に前記ソレノイドに一時的に再通電する、高圧ポンプの制御装置。
  2. 前記開弁制御手段(40)は、推定した前記発熱量が許容値以下の場合、前記可動部(28)を前記閉側位置に保持する期間を燃料圧力に応じて変更することを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプの制御装置。
  3. 前記開弁制御手段(40)は、推定した前記発熱量が許容値を超える場合、前記ソレノイド(30)に一時的に再通電するタイミングを燃料圧力に応じて変更することを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプの制御装置。
  4. 前記開弁制御手段(40)は、前記ソレノイド(30)の推定発熱量を、前記ソレノイド(30)の通電期間、前記ソレノイド(30)の通電電流値、前記高圧ポンプ(14)の温度に関する情報、前記高圧ポンプ(14)の駆動速度に関する情報のうちの少なくとも一つに基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の高圧ポンプの制御装置。
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