JP2010248601A - 鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.03〜0.12%、Si:0.005〜0.5%未満、Mn:2.0〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、sol.Al:0.001〜0.2%、N:0.0050%以下、Ti:0.025〜0.15%およびNb:0〜0.1%を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、C+(12/14)×N-(12/48)×Ti-(12/93)×Nbとして規定されるC*が0.010〜0.074である化学組成を有し、フェライトの体積率が0.45〜0.85、ヘ゛イナイトの体積率が0.10〜0.49、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率の合計が0.01〜0.05であり、さらに{C*/(1-Vf)}+{(Mn+Ni)/6}+Cr/5+Mo/2として規定されるC**が0.45〜0.84である鋼組織を有するとともに、引張強度が590MPa以上、全伸びが25%以上、穴拡げ率が80%以上である機械特性を有する鋼板である。
【選択図】なし
Description
これに対して、特許文献1ではフェライトを超微細組織にするとともに第2相を最適化する溶融亜鉛めっき冷延鋼板が開示されており、これによれば伸びフランジ性が向上するとされている。
本発明は、C:0.03%以上0.12%以下(本明細書においては特に断りがない限り化学組成に関する「%」は質量%を意味するものとする)、Si:0.005%以上0.5%未満、Mn:2.0%以上3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.005%以下、sol.Al:0.001%以上0.2%以下、N:0.0050%以下、Ti:0.025%以上0.15%以下およびNb:0%以上0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、式(1):C*=C+(12/14)×N−(12/48)×Ti−(12/93)×Nbで規定されるC*が0.010以上0.074以下である化学組成を有し、フェライトの体積率が0.45以上0.85以下、ベイナイトの体積率が0.10以上0.49以下、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率の合計が0.01以上0.05以下であり、さらに式(2):C**={C*/(1−Vf)}+{(Mn+Ni)/6}+Cr/5+Mo/2で規定されるC**が0.45以上0.84以下である鋼組織を有するとともに、引張強度が590MPa以上、全伸びが25%以上、穴拡げ率が80%以上である機械特性を有することを特徴とする鋼板である。
この本発明に係る鋼板では、化学組成が、Feの一部に代えて、Cr:1%以下、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択された1種または2種以上を含有してもよい。
これらの本発明に係る鋼板の表面にめっき層を備えていてもよい。
(A1)(Ac3点−30℃)以上(Ac3点+50℃)以下の温度域に保持する第1の保持工程;
(A2)1℃/秒以上10℃/秒以下の平均冷却速度で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
(A3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(A4)380℃以上500℃以下の温度域に80秒間以上1000秒間以下保持する第2の保持工程;および
(A5)室温まで冷却する第3の冷却工程。
別の観点からは、本発明は、Si:0.005%以上0.1%未満である上述した化学組成を有する鋼板に下記工程(B1)〜(B7)を順次的に有する熱処理および溶融亜鉛めっき処理を施すことを特徴とする鋼板の製造方法である。本明細書では第2の製造方法ともいう。
(B1)(Ac3点−30℃)以上(Ac3点+50℃)以下の温度域に保持する第1の保持工程;
(B2)1℃/秒以上10℃/秒以下の平均冷却速度で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
(B3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(B4)380℃以上550℃以下の温度域に40秒間以上500秒間以下保持する第2の保持工程;
(B5)溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき工程;
(B6)480℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上40秒間以下保持する合金化処理工程;および
(B7)室温まで冷却する第3の冷却工程。
(C1)(Ac3点−30℃)以上(Ac3点+50℃)以下の温度域に保持する第1の保持工程;
(C2)1℃/秒以上10℃/秒以下の平均冷却速度で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
((C4)380℃以上550℃以下の温度域に20秒間以上250秒間以下保持する第2の保持工程;
C3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(C5)溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき工程;
(C6)500℃以上600℃以下の温度域に10秒間以上40秒間以下保持する合金化処理工程;および
(C7)室温まで冷却する第3の冷却工程。
(化学組成)
[C:0.03%以上0.12%以下]
Cは、高い引張強度を得るために重要な元素である。C含有量が0.03%未満では590MPa以上の引張強度を得ることが困難である。したがって、C含有量は0.03%以上とする。好ましくは0.04%以上である。一方、C含有量が0.12%を超えると、マルテンサイトや残留オーステナイト、あるいはセメンタイトやパーライトが過剰に生成してしまい、伸びフランジ性が低下する。したがって、C含有量を0.12%以下とする。好ましくは0.09%以下、さらに好ましくは0.07%以下である。
Siは、鋼板を高強度化するのに有効な元素であり、また伸びの向上に寄与する残留オーステナイトを確保するのに有効な元素である。さらに、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、合金化反応を適度に抑制する作用も発揮する。このような観点から、Si含有量を0.005%以上とする。例えば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合にSi含有量が0.005%未満であるとめっき密着性が劣化する場合がある。
Mnは、焼入れ性を高める作用を有し、鋼板を高強度するのに非常に有効な元素である。Mn含有量が2.0%未満では、マルテンサイトまたは残留オーステナイトの体積率が不足することにより25%以上の全伸びが得られない場合がある。したがって、Mn含有量は2.0%以上とする。好ましくは2.1%以上である。一方、Mn含有量が3.0%を超えると、焼入れ性が高くなり過ぎてマルテンサイトの体積率が過大となり、これにより伸びフランジ性が著しく劣化する場合がある。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.7%以下である。
Pは、一般的には不純物として含有される元素であるが、固溶強化により鋼板の高強度化する作用を有するので積極的に含有させてもよい。しかしながら、P含有量が過剰になると靱性の劣化が著しくなる。したがって、P含有量は0.05%以下とする。P含有量の下限は特に規定する必要はないが、P含有量を0.001%未満とするには著しいコスト上昇を招き、経済的に不利となる。このため、P含有量の0.001%以上とすることが好ましい。
Sは、不純物として含有される元素であり、MnSを形成して伸びフランジ性を劣化させる。したがって、伸びフランジ性劣化が顕著でない範囲として、S含有量を0.005%以下とする。好ましくは0.003%以下、より好ましくは0.002%以下である。S含有量は低ければ低いほど好ましいのでS含有量の下限は特に規定する必要はない。しかしながらS含有量を0.0003%未満とすることは著しいコスト上昇を招き、経済的に不利となる。このため、S含有量は0.0003%以上とすることが好ましい。
Alは、溶鋼を脱酸して鋼を健全化する作用を有する。sol.Al含有量が0.001%未満では脱酸が十分でない。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。一方、sol.Al含有量が0.2%を超えるようにAlを添加しても、上記作用による効果は飽和していたずらにコストが嵩む。したがって、sol.Al含有量は0.2%以下とする。
Nは、不純物として含有される元素であり、その含有量が0.0050%を超えると鋼中に粗大な窒化物を形成して伸びフランジ性を著しく劣化させる。したがって、N含有量は0.0050%以下とする。N含有量は低ければ低いほど好ましいのでN含有量の下限は特に規定する必要はない。しかしながらN含有量を0.0005%未満とすることは著しいコスト上昇を招き、経済的に不利となる。このため、N含有量は0.0005%以上とすることが好ましい。
Tiは、CやNなどと結合あるいはさらに複合化して微細析出物を形成することにより、フェライト相を強化する作用を有し、本発明において重要な元素の一つである。Ti含有量が0.025%未満ではフェライトを強化する作用効果が十分に得られない。したがって、Ti含有量は0.025%以上とする。一方、0.15%を超えてTiを含有させても、上記作用による効果は飽和していたずらにコストが嵩む。したがって、Ti含有量は0.15%以下とする。
Nbは、任意元素であり、Tiと同様にCなどと結合あるいはさらに複合化して微細析出物を形成することにより、フェライト相を強化する作用を有する元素である。0.1%を超えてNbを含有させても、上記作用による効果は飽和していたずらにコストが嵩む。したがって、Nb含有量は0%以上0.1%以下とする。
これらの元素は、任意元素であり、鋼板の強度を高める作用を有するので含有させてもよい。各元素の含有量が上記範囲を超えると高強度化の効果が飽和してコストが嵩む。このため各元素の含有量を上記範囲とする。高強度化の効果をより確実に得るには、Crは0.1%以上、Moは0.02%以上、Vは0.005%以上、Cuは0.1%以上、Niは0.1%以上、Bは0.0002%以上含有させることが好ましい。
これらの元素は、任意元素であり、硫化物の形態を制御することにより、伸びフランジ性を向上させる作用を有する。合計含有量が0.005%を超えると上記作用による効果が飽和する。このため合計含有量を0.005%以下とする。上記作用による効果をより確実に得るには合計含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
C含有量+(12/14)×N含有量−(12/48)×Ti含有量−(12/93)×Nb含有量として規定されるC*が0.010未満では、熱処理の冷却過程で生成するベイナイト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの量が不足し、強度が不足するか、あるいは強度があっても伸びが劣るものとなる。一方、C*が0.074を超えると、ベイナイトやマルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率が過大となり、伸びの劣化や伸びフランジ性の劣化が顕著になる場合がある。したがって、C*は0.010以上0.074以下とする。
[鋼組織]
本発明の鋼組織は、フェライトの体積率Vfが0.45以上0.85以下、ベイナイトの体積率が0.10以上0.49以下、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率の合計が0.01以上0.05以下であり、さらに、{C*/(1−Vf)}+{(Mn含有量+Ni含有量)/6}+Cr含有量/5+Mo含有量/2として規定されるC**が0.45以上0.84以下であるものとすることが重要である。
本発明に係る鋼板の機械特性は、引張強度が590MPa以上、全伸びが25%以上、穴拡げ率が80%以上である。
[めっき層]
上述した鋼板の表面には、耐食性の向上等を目的としてめっき層を備えさせてもよい。めっきは、電気めっきであってもよく溶融めっきであってもよい。電気めっきとしては、電気亜鉛めっき、電気Zn−Ni合金めっき等が例示される。また、溶融めっきとしては、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融Zn−Al合金めっき、溶融Zn−Al−Mg合金めっき、溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき等が例示される。
上記鋼板の製造条件としては、所定の化学組成を有する鋼板に後述する熱処理、あるいはさらに溶融亜鉛めっき処理を施すことが好適である。ここで、熱処理に供する鋼板の製造履歴は特に規定する必要はなく、常法により製造すればよいが、より一層良好な特性を具備させるには、以下のように製造することが好ましい。
また、熱間圧延の仕上温度は(Ar3点+80℃)以上950℃以下とすることが好ましい。本発明においては多量のTi、あるいはさらにNbを含有するために、(Ar3点+80℃)未満の温度で熱間圧延を完了すると、非常に微細で異方性の大きい組織になりやすく、これに熱処理を施して得られる鋼板、あるいは冷間圧延の後に熱処理を施して得られる鋼板は異方性が大きくなり、プレス成形等の加工時にイヤリングの発生や特定方向の伸び不足によって割れが発生する恐れがあるからである。また、950℃を超える仕上温度では、スケール疵が発生する恐れがあるからである。
熱間圧延後は、必要に応じて平坦矯正のためのスキンパス圧延を施したのちにスケール除去のための酸洗を施し、あるいはさらに冷間圧延を施して、熱処理に供する。冷間圧延を施す場合は、設備への負担や操業性の観点から、冷間圧延の圧下率を30%以上70%以下とすることが好ましい。
[第1の製造方法]
第1の製造方法は、熱延鋼板、冷延鋼板、電気めっき鋼板、溶融めっき鋼板を製造する場合において好適な製造条件であり、上記化学組成を有する鋼板に下記工程(A1)〜(A5)を順次的に有する熱処理を施すことである。
(A2)下記式(3)を満足する平均冷却速度CR(℃/秒)で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
(A3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(A4)380℃以上500℃以下の温度域に80秒間以上1000秒間以下保持する第2の保持工程;および
(A5)室温まで冷却する第3の冷却工程。
0.10≦logCR−C*≦1.00 ・・・・・・・(3)
なお、溶融めっき鋼板を製造する場合には、工程(A4)において溶融めっき処理を施すことが好ましい。
[第2の製造方法]
第2の製造方法は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合において好適な製造条件であり、Si:0.005%以上0.1%未満である上記化学組成を有する鋼板に下記工程(B1)〜(B7)を順次的に有する熱処理および溶融亜鉛めっき処理を施すことである。
(B2)下記式(3)を満足する平均冷却速度CR(℃/秒)で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
(B3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(B4)380℃以上550℃以下の温度域に40秒間以上500秒間以下保持する第2の保持工程;
(B5)溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき工程;
(B6)480℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上40秒間以下保持する合金化処理工程;および
(B7)室温まで冷却する第3の冷却工程。
0.10≦logCR−C*≦1.00 ・・・・・・・(3)
[第3の製造方法]
第3の製造方法は、第2の製造方法と同様に合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合において好適な製造条件であるが、第2の製造方法によりも鋼板の伸びフランジ性を一層向上させる製造条件である。すなわち、Si:0.1%以上0.5%未満である上記化学組成を有する鋼板に下記工程(C1)〜(C7)を順次的に有する熱処理および溶融亜鉛めっき処理を施すことである。
(C2)下記式(3)を満足する平均冷却速度CR(℃/秒)で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
(C3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(C4)380℃以上550℃以下の温度域に20秒間以上250秒間以下保持する第2の保持工程;
(C5)溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき工程;
(C6)500℃以上600℃以下の温度域に10秒間以上40秒間以下保持する合金化処理工程;および
(C7)室温まで冷却する第3の冷却工程。
0.10≦logCR−C*≦1.00 ・・・・・・・(3)
第2の製造方法および第3の製造方法においては、Si含有量と溶融亜鉛めっき浴に浸漬する前の保持条件と合金化処理条件との組合せが極めて重要であり、これらを適切に組合せることにより、上記第1の製造方法を適用して得られる鋼板に比して伸びフランジ性に優れる鋼板を得ることを可能にするとともに、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に必要とされる良好なめっき品質の確保をも可能にするのである。
表1、表2、表4および表5に示す試験番号1〜26の鋼板を試作した。すなわち、所定の化学組成に溶製した溶鋼を連続鋳造によりスラブとし、このスラブを1270℃に加熱した後、仕上温度910℃で熱間圧延を行って板厚2.6mmとし、その後冷却して巻き取った。酸洗ののち、一部はさらに1.6mmまで冷間圧延し、連続焼鈍または連続溶融亜鉛めっきを施した。
また、日本鉄鋼連盟規格の「JFS T 1001穴拡げ試験方法」に従い、穴拡げ率を測定した。
試験番号1〜6、12〜17および26は本発明で規定する条件を全て満足する本発明例であり、試験番号7〜11、18〜25は本発明で規定する条件を満足しない比較例である。
試験番号23の鋼板は、本発明における第1の冷却工程における冷却速度をCR(℃/秒)としたときのlogCR−C*の値が本発明の上限を上回るとともに第2の保持工程における保持時間が本発明の下限を下回るため、フェライトの体積率が本発明の範囲の下限を下回り、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの合計体積率が本発明の上限を上下回るとともにC**が本発明の下限を下回り、伸びおよび伸びフランジ性が不芳であった。
Claims (8)
- 質量%で、C:0.03%以上0.12%以下、Si:0.005%以上0.5%未満、Mn:2.0%以上3.0%以下、P:0.05%以下、S:0.005%以下、sol.Al:0.001%以上0.2%以下、N:0.0050%以下、Ti:0.025%以上0.15%以下およびNb:0%以上0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、下記式(1)で規定されるC*が0.010以上0.074以下である化学組成を有し、
フェライトの体積率が0.45以上0.85以下、ベイナイトの体積率が0.10以上0.49以下、マルテンサイトおよび残留オーステナイトの体積率の合計が0.01以上0.05以下であり、さらに下記式(2)で規定されるC**が0.45以上0.84以下である鋼組織を有するとともに、
引張強度が590MPa以上、全伸びが25%以上、穴拡げ率が80%以上である機械特性を有することを特徴とする鋼板。
C*=C+(12/14)×N−(12/48)×Ti−(12/93)×Nb
・・・・・・・(1)
C**={C*/(1−Vf)}+{(Mn+Ni)/6}+Cr/5+Mo/2
・・・・・・・(2)
ここで、式中のC、N、Ti、Nb、Mn、Ni、CrおよびMoは各元素の含有量(質量%)を、Vfはフェライトの体積率を、それぞれ表す。 - 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1%以下、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択された1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の鋼板。
- 前記化学組成が、Feの一部に代えて、CaおよびMgの1種または2種を合計で0.005質量%以下含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼板。
- 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の鋼板の表面にめっき層を備えることを特徴とする鋼板。
- 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の化学組成を有する鋼板に下記工程(A1)〜(A5)を順次的に有する熱処理を施すことを特徴とする鋼板の製造方法:
(A1)(Ac3点−30℃)以上(Ac3点+50℃)以下の温度域に保持する第1の保持工程;
(A2)下記式(3)を満足する平均冷却速度CR(℃/秒)で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
(A3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(A4)380℃以上500℃以下の温度域に80秒間以上1000秒間以下保持する第2の保持工程;および
(A5)室温まで冷却する第3の冷却工程。
0.10≦logCR−C*≦1.00 ・・・・・・・(3) - 上記工程(A4)において、前記鋼板に溶融めっき処理を施すことを特徴とする請求項5に記載の鋼板の製造方法。
- Si:0.005質量%以上0.1質量%未満である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の化学組成を有する鋼板に下記工程(B1)〜(B7)を順次的に有する熱処理および溶融亜鉛めっき処理を施すことを特徴とする鋼板の製造方法:
(B1)(Ac3点−30℃)以上(Ac3点+50℃)以下の温度域に保持する第1の保持工程;
(B2)下記式(3)を満足する平均冷却速度CR(℃/秒)で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
(B3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(B4)380℃以上550℃以下の温度域に40秒間以上500秒間以下保持する第2の保持工程;
(B5)溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき工程;
(B6)480℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上40秒間以下保持する合金化処理工程;および
(B7)室温まで冷却する第3の冷却工程。
0.10≦logCR−C*≦1.00 ・・・・・・・(3) - Si:0.1質量%以上0.5質量%未満である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化学組成を有する鋼板に下記工程(C1)〜(C7)を順次的に有する熱処理および溶融亜鉛めっき処理を施すことを特徴とする鋼板の製造方法:
(C1)(Ac3点−30℃)以上(Ac3点+50℃)以下の温度域に保持する第1の保持工程;
(C2)下記式(3)を満足する平均冷却速度CR(℃/秒)で650℃まで冷却する第1の冷却工程;
(C3)5℃/秒以上の平均冷却速度で550℃まで冷却する第2の冷却工程;
(C4)380℃以上550℃以下の温度域に20秒間以上250秒間以下保持する第2の保持工程;
(C5)溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき工程;
(C6)500℃以上600℃以下の温度域に10秒間以上40秒間以下保持する合金化処理工程;および
(C7)室温まで冷却する第3の冷却工程。
0.10≦logCR−C*≦1.00 ・・・・・・・(3)
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