JP2010248597A - 金属インジウムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属インジウム含有合金から、高度に精製された高純度の金属インジウムを高回収率で取得できる方法を提供する。
【解決手段】ITOターゲットのスクラップ等を還元処理して得られた金属インジウム含有合金を陽極とし、金属インジウムを陰極とし、臭化インジウムを含む溶融塩を電解質として、電流密度:1〜200A/dm、操作温度:90〜500℃で溶融塩電解し、陰極から精製された金属インジウムを得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属インジウム含有合金から金属インジウムを製造する方法に関するものである。
インジウムは、特定の鉱石中に高濃度で含まれることはなく、亜鉛鉱などに微量成分として含まれる希少金属である。近年、インジウムを主成分とするインジウム−スズ酸化物(ITO)は液晶表示装置の透明導電膜などに使用され、その需要は急激に伸びている。そのため、ITO製造工程内から発生したインジウムを含む端材や、ITOをターゲットとして使用した後のスクラップ(これらを総称して「ITOスクラップ」という)から金属インジウムを精製、回収することで、高価な金属インジウムをリサイクル利用する方法が種々提案されている。
そのうちの一つの方法として、金属インジウムを含む合金を陽極として用い、溶融塩電解質を媒体とした溶融塩電解により金属インジウムを回収する方法が知られている。
例えば、金属インジウム−スズを含む水銀(インジウム−スズアマルガム)を陽極とし、溶融塩電解質を媒体とした溶融塩電解にて、陰極に金属インジウムを回収する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、金属インジウムとスズの標準析出電位が近い為、通常の溶融塩電解では、金属インジウムにスズが混入するので、アマルガムを使用する事により、インジウムを選択的に酸化溶解させる方法がとられている。しかしながら、陽極に水銀を用い、温度160℃以上にて溶融塩電解精製するため、水銀が一部蒸気となって揮発するなど、環境面で更なる対応が要求される方法であると共に、陽極に析出した金属インジウム中には微量ながら水銀が含まれ、その水銀除去のため更なる高度な精製技術を組み合わせる必要があった。
又、インジウム含有合金を陽極とし、一塩化インジウムを含む溶融塩電解質を用いて電解精製し、陰極に金属インジウムを析出させる方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、塩化インジウムを含む溶融塩は安定性が悪く、槽電圧の上昇や陰極に析出した金属インジウムの品位がそれ程高くないため、劣化した溶融塩は一部を交換したり、全量交換したりする必要がある。その際、該溶融塩は吸湿性が著しいため、その交換には細心の注意が必要となるのみならず、溶融塩中の高価な一塩化インジウムをロスしがちになる等、運転操作に多くの課題があった。
特公昭46−2734号公報 WO2006−046800号公報
本発明は、前記従来法の種々の問題点を解決できる効果的、効率的な金属インジウムの製造方法、すなわち、金属インジウム含有合金から、高度に精製された高純度の金属インジウムを高回収率で製造できる方法を提供することにある。
本発明者らは、金属インジウム含有合金から金属インジウムを製造する技術について鋭意検討した結果、溶融塩電解精製に用いる電解質に臭化インジウムを含む溶融塩を選定することで、陰極に析出する金属インジウムの純度が高く、溶融塩の電解質が安定であり、効率良く金属インジウムを析出回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、金属インジウム含有合金から金属インジウムを製造する方法において、金属インジウム含有合金を陽極とし、臭化インジウムを含む溶融塩を電解質として溶融塩電解し、陰極から精製金属インジウムを得ることを特徴とする金属インジウムの製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、陽極には金属インジウム含有合金を用いることを必須とする。本発明における合金とは、金属インジウムと他の一種類以上の金属元素及び/又は非金属元素からなる金属様のものをいい、その結合状態などについては特に限定しない。金属インジウムの含有量についても特に限定しない。すなわち、金属インジウムが主成分であっても、微量含まれるものであっても好適に用いることができる。金属インジウムの精製度合い、インジウムの回収率、インジウムの生産性から、金属インジウム含有合金中の金属インジウム含有量は、好ましくは100wtppmから99.999wt%、より好ましくは1wt%から99.99wt%、更に好ましくは60wt%から99.9wt%である。
金属インジウム含有合金中の金属インジウム以外の金属元素又は非金属元素の種類は特に限定しないが、例を挙げるとLi,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Se,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Sn,Sb,Te,Cs,Ba,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Tl,Pb,Biから選ばれた1種以上である。
これらの中で、溶融塩電解におけるインジウムとの分離精製が良好な金属元素又は非金属元素は、Li,Na,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Sn,Cs,Ba,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Tl,Pb,Biであり、特にSn,Cu,Fe,Niは、インジウムとの分離精製が容易であり好ましい。
又、金属インジウム含有合金としては、金属インジウムをハンダとして使用した後の使用済みインジウムハンダや、インジウム化合物を還元処理して得られた金属インジウム含有合金等も使用することができる。インジウム化合物とは、インジウムを含む化合物であれば特に限定しないが、具体的には酸化インジウム,水酸化インジウム,塩化インジウム,硫酸インジウム,硝酸インジウム等やITOスクラップを挙げることができる。
例えば、ITOスクラップから金属インジウム含有合金を得る方法としては、ITOスクラップを還元剤にて還元処理する方法、ITOスクラップを、塩酸、硫酸、硝酸等やこれらの混酸等の酸性水溶液に溶解して、塩化インジウム、硫酸インジウム又は硝酸インジウム等を得、次いでアルカリを添加することで水酸化インジウムを含む化合物とし、更に該水酸化インジウムを含む化合物を加熱処理して酸化インジウムに転化させた後に、還元剤と反応させることで金属インジウム含有合金を得る方法や、塩化インジウム、硫酸インジウム又は硝酸インジウムを含む水溶液とした後、インジウムよりも卑な金属、具体的には金属アルミニウムや金属亜鉛を添加することで、金属インジウム含有合金を置換析出させ、金属インジウム含有合金を得る方法等を挙げることができる。
本発明における溶融塩電解質には臭化インジウムを含むことを必須とする。臭化インジウムには、インジウムの価数が1価、2価、3価であるInBr、InBr、InBrがあり、いずれか1種以上を含むことを必須とする。より好ましくは、融点が低く、より低温での溶融塩電解が可能なInBrである。InBrを含む溶融塩電解質浴では、インジウムは1価で移動するため、3価であるInBrに比べ、同じ電気量でもInの生産速度を3倍にできることからも好ましい。
溶融塩としては、臭化インジウムを単独で用いてもよいが、臭化インジウムと他の塩との混合溶融塩として用いても良い。好ましくは、臭化インジウムと、臭化アルミニウム及び/又は臭化亜鉛との混合溶融塩であり、該混合溶融塩では溶融塩電解質の融点を低くでき、又、理由は定かではないが、溶融塩電解にて精製回収した金属インジウムの純度をより高くできるからである。
臭化インジウムを混合溶融塩の一成分として用いる場合、混合溶融塩中の臭化インジウムの含量は特に限定しないが、臭化インジウムは高価であるため、含量が少ないほど経済的となる。しかし、少なすぎると、溶融塩の導電性が悪くなり、槽電圧の上昇や、混合溶融塩を構成している臭化インジウム以外の塩に含まれる金属が陰極に析出し始める。したがって、混合溶融塩中の臭化インジウムの含量は、好ましくは10〜90wt%、より好ましくは20〜80wt%である。
溶融塩電解に用いる電解槽形状は、陽極室と陰極室が接しておらず、直接電気が流れない構造であれば特に制限はない。即ち、陽極室と陰極室が隔離された構造であれば、例えば,成書「溶融塩技術は21世紀のキーテクノロジー 溶融塩の応用(アイピーシー出版編)」で紹介されている、通常用いられている溶融塩電解槽を適用できる。陽極、陰極が固体であるか液体であるか、運転操作が連続式か回分式か、等の運転操作方法によっても、適正な電解槽形状は異なり、適宜選定すれば良い。
具体的には、陽極室の金属インジウム含有合金が溶融しており、陰極室の金属インジウムも溶融している場合、陰極室と陽極室を隔壁にて仕切り、両極の上部を溶融塩電解質浴で塩橋させた構造、或いは電解槽形状が円筒型であって、陽極が溶融塩電解質浴の中央部の絶縁性の容器に入れられ、陽極を囲むように陰極が配置された電解槽などを挙げることができる。
このような溶融塩電解法では、電流密度を高くできることが特徴であり、電流密度は1〜200A/dmが好ましい。1A/dm未満で運転すると、単位電極面積当たりの生産速度が低下することがある。生産性の面からは電流密度は高いほど良いが、200A/dmを超える電流密度では陰極に金属インジウムが析出する際、不純物を取り込み、高純度のインジウムが得にくくなることがある。電流密度としては、より好ましくは2〜150A/dm、更には、3〜100A/dmである。
又、溶融塩電解の操作温度は、溶融塩電解質浴の融点以上であれば特に限定されない。装置材質の腐食、溶融塩電解の運転操作面から90〜500℃が好ましく、100〜450℃が更に好ましい。
更に、溶融塩電解に要する時間は、十分な回収率および不純物の混入を回避するために、合金中に含まれるインジウムを電解する理論電気量の50%から100%を電解できる時間行えば十分である。
以上述べた適正な運転条件にて電解することで、陰極に高純度な金属インジウムを析出することができるが、該金属インジウムが目標とする純度にまで達成していない場合は、同様の操作で溶融塩電解を更に1回以上実施して目標とする純度に達するまで精製しても良い。あるいは、不純物の種類によっては、従来から知られている金属インジウムの精製方法を組み合わせて実施しても良い。具体的には、アルカリ金属水酸化物を用いたアルカリ溶鋳法や塩化アンモニウム等の塩素化剤を用いた塩化法等を採用でき、これらの精製技術を適宜組み合わせることで、より効果的、効率的に金属インジウムを製造することができる。
本発明の方法によれば、金属インジウム含有合金から、工程数が少なく経済的に、しかも高回収率で高純度な金属インジウムを製造することができる。
実施例・比較例で用いた電解槽を模式的に表した図である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
実施例1
金属インジウム含有合金の原料として、30cm×10cm×1cmで、その組成が酸化インジウム:90.9wt%、酸化スズ:9.1wt%のITOターゲットスクラップを準備した。このスクラップをクラッシャーで平均粒径180μmにまで粉砕した粉砕粉:79.1gと還元剤としてグラファイト(ロンザ社製、商品名「KS−75」)7.1gを混合後、混合物をアルミナボート上に乗せ、管状炉内に仕込んだ。管状炉内は窒素ガスにて置換後、温度を1100℃まで2時間で昇温し、1100℃で2時間保持した。反応終了後、管状炉を冷却しアルミナボート上の試料を取り出し、還元処理物の重量を測定したところ64.9gであった。
該処理物をX線回折装置にて分析したところ、スクラップ中にあった酸化インジウムの回折ピークは消失し、代わりに金属インジウムの強いピークが認められたため、粉砕したITOターゲットスクラップ中の酸化インジウムがほぼ100%還元されたことを確認した。又、酸化スズもほぼ全量金属スズに転化しており、還元生成物はインジウム−スズ合金であることを確認できた。
次に、該合金から金属インジウムを精製回収するため、溶融塩電解を実施した。電解槽はパイレックス(登録商標)ガラス製の2本の試験管を連通させた、図1に示すようなH型電解槽を用いた。試験管、連通管はいずれも内径2cm、試験管の高さは13cmとした。陽極には還元生成物であるインジウム−スズ合金(粗In合金)61.5gを、陰極には別途準備した純度99.99wt%の金属インジウム30.0gを仕込んだ。また、仕込みの溶融塩重量は98.6gであり、その組成は、一臭化インジウム41.9wt%、臭化アルミニウム58.1wt%とした。
ついで、該電解槽の陽極と陰極に白金導線を挿入し、電解槽ごと電気マッフル炉に入れ、電解槽の温度を230℃として溶融塩電解を実施した。溶融塩電解は、定電流装置(菊水電子工業(株)製、商品名「PMC18−5」)を用い、電流値0.94A、電流密度30A/dmに設定して8時間通電した。
その結果、陽極室に仕込んだインジウム−スズ合金からは金属インジウム31.8gが溶解し、陰極室から金属インジウム61.6gが得られた。陰極室の仕込量は30.0gなので、電析量は31.6gになる。
陰極の金属インジウムの一部を取り出し、塩酸にて溶解後、ICP分析装置にて不純物含量を求め、仕込金属インジウムの量と純度から補正した電析金属インジウム中のスズ含量は31wtppmと低く、又、アルミニウムについては定量下限の1wtppm以下で効果的に精製された。
この回収された金属インジウムを原料として酸化インジウムを製造し、この酸化インジウムと酸化スズとからITOターゲットを製造し、ITOターゲットとしてのスパッタリング性能を評価した。その結果、ノジュールの発生が殆ど認められず、ITOターゲットの製造原料として再利用可能であった。
実施例2
実施例1で用いたものと同等のITOターゲットスクラップ81.7gを実施例1と同様な方法で還元処理し、インジウムースズ合金67.1gを得た。
次に、該合金から金属インジウムを精製回収するため、溶融塩電解を実施した。実施例1と同様の装置、方法にて溶融塩電解を実施した。すなわち、陽極室に還元生成物であるインジウム−スズ合金61.8gを仕込み、陰極室には別途準備した純度99.99wt%の金属インジウム30.8gを仕込んだ。また、仕込みの溶融塩重量は97.5gであり、その組成は、一臭化インジウム42.1wt%、臭化アルミニウム57.9wt%とした。
ついで、該電解槽の陽極と陰極に白金導線を挿入し、電解槽ごと電気マッフル炉に入れ、電解槽の温度を230℃として溶融塩電解を実施した。溶融塩電解は、定電流装置(菊水電子工業(株)製、商品名「PMC18−5」)を用い、電流値0.94A、電流密度30A/dmに設定して14時間通電した。
その結果、陽極室に仕込んだインジウム−スズ合金のうち56.2gが溶解し、陰極室からスズを含む金属インジウム86.7gが得られた。陰極室の仕込量は30.8gなので、電析量は55.9gになる。陰極の金属インジウムの一部を取り出し、塩酸にて溶解後、ICP分析装置にて不純物含量を求め、仕込金属インジウムの量と純度から補正した電析金属インジウム中のスズ含量は380wtppm、アルミニウム含量は1wtppm以下と良好であった。また、陽極室に仕込んだインジウム重量56.4gに対し、陰極室に電析させたインジウム重量55.9gで、回収率99.1%と良好であった。
比較例1
実施例1で用いたものと同等のITOターゲットスクラップ82.3gを実施例1と同様な方法で還元処理し、インジウムースズ合金67.6gを得た。
次に、該合金から金属インジウムを精製回収するため、溶融塩電解を実施した。溶融塩に一塩化インジウムを用いた以外は、実施例2と同様の装置、方法にて溶融塩電解を実施した。すなわち、陽極室に還元生成物であるインジウム−スズ合金62.3gを仕込み、陰極室には別途準備した純度99.99wt%の金属インジウム30.5gを仕込んだ。また、仕込みの溶融塩重量は85.3gであり、その組成は、一塩化インジウム100wt%とした。
ついで、該電解槽の陽極と陰極に白金導線を挿入し、電解槽ごと電気マッフル炉に入れ、電解槽の温度を260℃として溶融塩電解を実施した。溶融塩電解は、定電流装置(菊水電子工業(株)製、商品名「PMC18−5」)を用い、電流値0.94A、電流密度30A/dmに設定して14時間通電した。
その結果、陽極室に仕込んだインジウム−スズ合金のうち54.0gが溶解し、陰極室からスズを含む金属インジウム84.3gが得られた。陰極室の仕込量は30.5gなので、電析量は53.8gになる。陰極の金属インジウムの一部を取り出し、塩酸にて溶解後、ICP分析装置にて不純物含量を求め、仕込金属インジウムの量と純度から補正した電析金属インジウム中のスズ含量は9400wtppmと高かった。また、陽極室に仕込んだインジウム重量56.9gに対し、陰極室に電析させたインジウム重量53.5gで、回収率94.0%となり、実施例2の99.1%に比べ低かった。
実施例3
使用済みインジウムハンダは、主成分のインジウムが99.11wt%、不純物であるスズ5580wtppm、銅3320wtppmを含んでおり、該使用済みインジウムハンダから金属インジウムを精製回収するため、溶融塩電解精製を実施した。
溶融塩電解精製は、実施例1と同様のパイレックス(登録商標)ガラス製H型電解槽を用いた。陽極室には該合金61.8gを、陰極室には別途準備した純度99.999wt%の金属インジウム30.8gを仕込んだ。仕込みの溶融塩重量は95.2gであり、その組成は一臭化インジウム41.2wt%、臭化亜鉛58.8wt%とした。該電解槽の陽極と陰極に白金導線を挿入し、電解槽ごと電気マッフル炉に入れ、電解槽の温度を290℃として溶融塩電解を実施した。
溶融塩電解は、実施例1にて用いた定電流装置を用い、電流値0.94A、電流密度30A/dmに設定して14時間通電した。その結果、陽極室に仕込んだ合金からは56.3gが溶解し、陰極からは87.0gが得られた。陰極室の仕込量は30.8gなので、電析量は56.2gになる。陰極の金属インジウムの一部を取り出し、塩酸にて溶解後、ICP分析装置にて不純物含量を求め、仕込金属インジウムの量と純度から補正した電析金属インジウム中のスズ含量が58wtppm、亜鉛含量が5wtppm、銅含量が1wtppm以下と少なく良好であった。また、陽極室に仕込んだインジウム重量61.3gに対し、陰極室に電析させたインジウム重量56.2gで、回収率91.8%と良好であった。
実施例4
実施例3で用いたと同等の使用済みインジウムハンダから金属インジウムを精製回収するため、溶融塩電解精製を実施した。
溶融塩電解精製は、実施例1と同様のパイレックス(登録商標)ガラス製H型電解槽を用いた。陽極室には該合金61.9gを、陰極室には別途準備した純度99.999wt%の金属インジウム30.5gを仕込んだ。仕込みの溶融塩重量は83.2gであり、その組成は一臭化インジウム100wt%とした。該電解槽の陽極と陰極に白金導線を挿入し、電解槽ごと電気マッフル炉に入れ、電解槽の温度を270℃として溶融塩電解を実施した。
溶融塩電解は、実施例1にて用いた定電流装置を用い、電流値0.94A、電流密度30A/dmに設定して14時間通電した。その結果、陽極室に仕込んだ合金からは56.4gが溶解し、陰極からは86.8gが得られた。陰極室の仕込量は30.5gなので、電析量は56.3gになる。陰極の金属インジウムの一部を取り出し、塩酸にて溶解後、ICP分析装置にて不純物含量を求め、仕込金属インジウムの量と純度から補正した電析金属インジウム中のスズ含量が62wtppm、銅含量が1wtppm以下と少なく良好であった。また、陽極室に仕込んだインジウム重量61.4gに対し、陰極室に電析させたインジウム重量56.3gで、回収率91.8%と良好であった。
本発明は、金属インジウム含有合金から金属インジウムを精製回収する方法に関する。

Claims (6)

  1. 金属インジウム含有合金から金属インジウムを製造する方法において、金属インジウム含有合金を陽極とし、金属インジウムを陰極とし、臭化インジウムを含む溶融塩を電解質として溶融塩電解し、陰極から金属インジウムを得ることを特徴とする金属インジウムの製造方法。
  2. 金属インジウム含有合金が、インジウム化合物を還元処理して得られる合金である請求項1記載の金属インジウムの製造方法。
  3. インジウム化合物がインジウム−スズ酸化物(ITO)スクラップである請求項3記載の金属インジウムの製造方法。
  4. 溶融塩が臭化インジウムと、臭化アルミニウム及び/又は臭化亜鉛とからなる混合溶融塩である請求項1〜3のいずれかに記載の金属インジウムの製造方法。
  5. 臭化インジウムが一臭化インジウムである請求項1〜4のいずれかに記載の金属インジウムの製造方法。
  6. 溶融塩電解の操作温度が90〜500℃である請求項1〜5のいずれかに記載の金属インジウムの製造方法。
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