JP2010248550A - スクラップの配合方法 - Google Patents

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雅史 松崎
Takamasa Imai
崇雅 今井
Teruo Haga
照夫 芳賀
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Abstract

【課題】目標鋼種に最適なスクラップを、見逃しやバラツキを生じることなく容易に選択して配合する。
【解決手段】目標鋼種の生産量から各成分元素毎の含有重量が算出される第1ステップと、目標鋼種の成分元素を含むスクラップが選択される第2ステップと、選択されたスクラップについて各成分元素毎の含有重量を実現するのに必要な投入量が算出される第3ステップと、算出された投入量のうちで最も小さな値がスクラップの暫定投入量として設定される第4ステップと、暫定投入量が最も大きな値を示すスクラップを確定スクラップとして選択する第5ステップと、確定スクラップの暫定投入量に応じた量を確定投入量として設定する第6ステップと、確定投入量だけ確定スクラップを投入したとした場合の各成分元素毎の含有重量が再度算出される第7ステップとを備え、以降、第3ステップ〜第7ステップを繰り返して順次確定スクラップとその確定投入量を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明はスクラップの配合方法に関し、特に目標鋼種を生産するのに適したスクラップを速やかに選択することができるスクラップの配合方法に関する。
スクラップヤードには通常多様なスクラップがストックされている。以下、本願明細書中における「スクラップ」とは、社内発生屑のことであり、製鋼部門における残湯や、鍛造・圧延・加工部門における加工屑(端材や切削屑など)などを意味する。このようなスクラップを製鋼に使用する場合、従来は、現場オペレータがストックされているスクラップを確認し、長年の経験に基づいて目標鋼種の成分元素を含むスクラップを適宜選択し組み合わせて配合を指示していた。
なお、引用文献1には、装入許容量に基づいて、安価スクラップ量から優先的に装入許容量内でスクラップ配合量を決め、次いでその総積込み時間が、転炉の吹錬スケジュールから決まるスクラップ積込み可能時間内になるように配合を調整する転炉スクラップ配合量決定方法が開示されている。
特開平8−157925
しかし、現場オペレータの経験のみに頼る配合作業は、ストックされている多種多様なスクラップのうちで目標鋼種を得るのに最適なものを往々にして見逃すことがあるとともに、経験の差によってスクラップの配合にバラツキが生じるという問題があった。
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、目標鋼種に最適なスクラップを、見逃しやバラツキを生じることなく容易に選択して配合することができるスクラップの配合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明では、目標鋼種の生産量から当該目標鋼種の各成分元素毎の含有重量が算出される第1ステップと、前記目標鋼種の成分元素を含むスクラップが選択される第2ステップと、選択された前記スクラップについて、前記目標鋼種の各成分元素毎の含有重量を実現するのに必要な投入量が算出される第3ステップと、算出された投入量のうちで最も小さな値が当該スクラップの暫定投入量として設定される第4ステップと、暫定投入量が最も大きな値を示すスクラップを確定スクラップとして選択する第5ステップと、前記確定スクラップの前記暫定投入量に応じた量を確定投入量として設定する第6ステップと、当該確定投入量だけ前記確定スクラップを投入したとした場合の前記目標鋼種の各成分元素毎の含有重量が再度算出される第7ステップとを備え、以降、第3ステップ〜第7ステップを繰り返して順次確定スクラップとその確定投入量を決定していくことを特徴とする。
本第1発明によれば、目標鋼種の成分元素を含むスクラップが自動選択されるとともに、各スクラップについて暫定投入量が自動設定される。そして、暫定投入量が最も大きな値を示すスクラップを確定スクラップとして選択し、確定スクラップの暫定投入量に応じた量を確定投入量として設定することを繰り返すことによって、目標鋼種に最適なスクラップを、見逃しやバラツキを生じることなく容易に選択して配合することができる。
本第2ステップでは、前記第5ステップにおける確定スクラップの選択を、前記暫定投入量が在庫量以下であるスクラップについて行う。本第2ステップによれば、実際の在庫量の中で最適なスクラップを選択配合することができる。
本第3ステップでは、前記暫定投入量が設定されるに際しての制約となった成分元素が表示され、前記第5ステップにおける確定スクラップの選択配合を、前記成分元素を参照して行う。本第3発明においては、確定スクラップの選択を、制約条件を確認しつつ適正に行うことができる。
以上のように、本発明のスクラップの配合方法によれば、目標鋼種に最適なスクラップを、見逃しやバラツキを生じることなく容易に選択することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る、スクラップの選択配合を行うコンピュータのモニタ画面を示す正面図である。 スクラップの選択配合の手順を説明したフローチャートである。
図1にはスクラップの選択配合を行うコンピュータのモニタ画面を示し、図2にはスクラップの選択配合の手順を説明したフローチャートを示す。図1は一般的鋼種であるSUS316Lを目標鋼種とする場合のモニタ画面であり、そのA領域には当該鋼種の「成分規格」が表示され、ここには目標鋼種の各成分元素の名称と、その含有割合(%)の「下限値」、「上限値」、「狙い値」が表示される。B領域には「設定値」として、「狙い値」が各成分元素の含有割合(%)で表示されるとともに「溶解装入量」(生産量、図1のC欄)に応じた各成分元素の含有重量(kg)が表示されている。
図1のD領域には、自社内にストックされている使用可能な屑(スクラップ)のコード(種類)とその「投入可能量」、「在庫量」(ストック量)等が表示されている。この表示は以下の手順によって行われる。
すなわち、図2に示すように、目標鋼種の生産量から当該目標鋼種の各成分元素毎の含有重量が算出される(ステップ101)。ステップ102では、自社内にストックされているスクラップのデータベースから、目標鋼種の成分元素を含むスクラップが選択される。続いてステップ103では、目標鋼種の各成分元素の含有重量を実現するのに必要なスクラップの投入量が算出される。ステップ104では、成分元素毎に算出された投入量のうちで最も小さな値が、当該スクラップの暫定投入量として設定される。そして、この時設定された暫定投入量が、当該スクラップの種類と共に図1のD領域に「投入可能量」として表示される。
本実施形態においては、ステップ102で選択されたスクラップは、それまでの鋼種生産での「使用回数」が多かった順に上方から下方へ順次並べてモニタ上に表示される(図1)。同時に各スクラップについて、投入可能量が制限された成分元素が何であるかが「計算ネック」と「<ネック」の欄に表示される。「計算ネック」には、目標鋼種を得るのに、含有上限値と下限値のある成分元素が表示され、「<ネック」の欄には目標鋼種を得るのに、含有上限値のみがある成分元素が表示される。「在庫量」(ストック量)の欄には毎日スクラップの棚卸を行った結果が反映されている。
そこで、現場オペレータは、「在庫量」(ストック量)を確認し、投入可能量が「在庫量」よりも小さいスクラップのうちで、「投入可能量」が最も大きいものを確定スクラップとして、当該確定スクラップの種類を「投入屑」の「屑コード」欄(図1のE領域)に入力するとともに(ステップ105)、「投入量」欄に実際の投入量を確定投入量として入力する(ステップ106)。この確定投入量を決定するに当たっては、「計算ネック」や「<ネック」の欄に記載された成分元素が、溶解過程の精錬等でコントロール可能なものか否か等も判断の基礎とされる。
この後、モニタ(図1)上の「計算実行」ボタン(図1の符号F)をクリックすると、確定スクラップを確定投入量だけ投入したとした場合に変化する、目標鋼種における各成分元素毎の含有重量が再計算される(ステップ107)。以降、ステップ103以下を繰り返し、投入屑欄(図1のE領域)に確定スクラップ(屑コード)と確定投入量(投入量)を順次入力していくことによって最適スクラップの配合が実現される。なお、フローチャート中、ステップ105,106は現場オペレータによって実行され、他のステップはコンピュータによって実行される。
以上のステップが行われることによって、自社内にストックされている多種多様なスクラップのうちから最適なスクラップを容易に配合することが可能になるとともに、現場オペレータの経験の差によるスクラップの配合のバラツキも最小限に抑えられる。

Claims (3)

  1. 目標鋼種の生産量から当該目標鋼種の各成分元素毎の含有重量が算出される第1ステップと、前記目標鋼種の成分元素を含むスクラップが選択される第2ステップと、選択された前記スクラップについて、前記目標鋼種の各成分元素毎の含有重量を実現するのに必要な投入量が算出される第3ステップと、算出された投入量のうちで最も小さな値が当該スクラップの暫定投入量として設定される第4ステップと、暫定投入量が最も大きな値を示すスクラップを確定スクラップとして選択する第5ステップと、前記確定スクラップの前記暫定投入量に応じた量を確定投入量として設定する第6ステップと、当該確定投入量だけ前記確定スクラップを投入したとした場合の前記目標鋼種の各成分元素毎の含有重量が再度算出される第7ステップとを備え、以降、第3ステップ〜第7ステップを繰り返して順次確定スクラップとその確定投入量を決定していくことを特徴とするスクラップの配合方法。
  2. 前記第5ステップにおける確定スクラップの選択を、前記暫定投入量が在庫量以下であるスクラップについて行う請求項1に記載のスクラップの配合方法。
  3. 前記暫定投入量が設定されるに際しての制約となった成分元素が表示され、前記第5ステップにおける確定スクラップの選択を、前記成分元素を参照して行う請求項1又は2に記載のスクラップの配合方法。
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