JP2010247613A - シートベルトリトラクタ取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートベルトリトラクタの取付部の強度・剛性を確保するとともに車室空間を犠牲にせずに、シートベルトリトラクタの取付面を確保可能なシートベルトリトラクタ取付構造を提供する。
【解決手段】センタピラー10に備えるインナパネル14には、後部フロアパネルとの接合部の近傍にシートベルトリトラクタ12が取付けられるボルト挿通穴14fが開けられ、このシートベルトリトラクタ12、詳しくは、シートベルトリトラクタ12の下部ブラケット24には、インナパネル14に取付けるためのナット28が取付けられ、車室側からボルト17がインナパネル14のボルト挿通穴14f、下部ブラケット24に設けられたボルト挿通穴24aに順に通され、ボルト17の先端部がナット28にねじ結合される。
【選択図】図3

Description

本発明は、センタピラーにシートベルトリトラクタを取付けるシートベルトリトラクタ取付構造の改良に関するものである。
従来のシートベルトリトラクタ取付構造として、センタピラーのインサイドパネルにシートベルトを巻き取るリトラクタを取付けるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の図2を以下の図5で説明する。なお、符号は振り直した。図中の矢印(FRONT)は車両前方を表している(以下同じ。)。
図5に示されるように、センタピラー101は、アウトサイドパネル102と、インナサイドパネル103と、これらのアウトサイドパネル102及びインナサイドパネル103のそれぞれの間に配置された補強材104とからなる。
インナサイドパネル103は、サイドシル105に取付けられる下半部106と、この下半部106の上端部に取付けられる上半部107とからなり、下半部106の下部にナット111が取付けられ、上半部107の下部にナット112が取付けられ、シートベルト113を巻取るリトラクタ114に設けられたフランジ下部116及びフランジ上部117が、ナット111にねじ込まれるボルト121と、ナット112にねじ込まれるボルト122とでインサイドパネル103に締結される。
特許第3696554号公報
図6に示されるように、車室のフロアパネルが、車室前部に設けられた前部フロアパネル(不図示)と、この前部フロアパネルの後端部に前部フロアパネルよりも高くなるように結合された後部フロアパネル131とで構成され、後部フロアパネル131のインサイドパネル103への接合部、詳しくは、後部フロアパネル131のフランジ部132の近傍に、インサイドパネル103に取付けられるリトラクタ114下部の取付部であるフランジ下部116が設けられていると、インサイドパネル103と後部フロアパネル131のフランジ部132との接合部に塗布されたダストシーラーが、リトラクタ114のフランジ下部116、あるいはフランジ下部116とインサイドパネル103との間に付着して、リトラクタ114の取付面を確保することが出来なくなる場合がある。
そこで、例えば、インサイドパネル103とフランジ下部116との間に筒状のカラーを介在させ、このカラーにボルト121を通すようにしてリトラクタ114を取付け、インサイドパネル103に付着したダストシーラーの影響を回避する方法がある。
しかし、リトラクタ114がカラーの高さ分だけ車室側に突出することになり、このカラーの高さによってリトラクタ114の取付部にモーメントが発生してリトラクタ114の取付部に大きな負担が掛かる。また、リトラクタ114が車室に突出することで車室空間が狭められる。
本発明の目的は、シートベルトリトラクタの取付部の強度・剛性を確保するとともに車室空間を犠牲にせずに、シートベルトリトラクタの取付面を確保可能なシートベルトリトラクタ取付構造を提供することにある。
請求項1に係る発明は、車体の側部に設けられたセンタピラーの車室側にシートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタが取付けられるシートベルトリトラクタ取付構造において、車室の前側に設けられた前部フロアパネルの後端にセンタピラーの側方にて前部フロアパネルより高くなるように車室後側の後部フロアパネルが結合され、センタピラーに備えるインナパネルには、後部フロアパネルとの接合部の近傍にシートベルトリトラクタが取付けられる取付穴が開けられ、このシートベルトリトラクタには、インナパネルに取付けるためのナットが取付けられ、車室側からボルトがインナパネルの取付穴、シートベルトリトラクタに設けられたボルト挿通穴に順に通され、ナットにねじ結合されることを特徴とする。
シートベルトリトラクタの取付部が、インナパネルの外側面側に配置されることで、インナパネルに設けられたシートベルトリトラクタ締結面が、インナパネルに設けられた後部パネル接合面に対してインナパネルの表裏の位置関係になり、後部パネル接合面に塗布されたダストシーラーがリトラクタ締結面に付着しない。従って、シートベルトリトラクタ締結面が確保され、従来のように、カラー等を用いてシートベルトリトラクタを取付けたりする必要がない。
請求項2に係る発明は、インナパネルとシートベルトリトラクタとの間に補強板が設けられることを特徴とする。
通常、インナパネルの板厚は、側面衝突に耐えるように決定される。インナパネルのシートベルトリトラクタ締結部の板厚が不足する場合、インナパネルとシートベルトリトラクタとの間に補強板を設ける。補強板を用いることでインナパネルの部分的な補強が可能になり、例えば、インナパネルの全体の板厚を厚くするのに比べて、コスト・重量が抑えられる。
請求項3に係る発明は、補強板に、ボルトが通される締結用穴と、シートベルトリトラクタの組付時に回り止めとなる回り止め用穴とが開けられていることを特徴とする。
例えば、シートベルトリトラクタに突起を設け、この突起を補強板の回り止め用穴に挿入することで、シートベルトリトラクタを締結する際の補強板に対するシートベルトリトラクタの回り止めとなる。
また、補強板の回り止め用穴は、インナパネルに補強板を取付ける際に、インナパネルに対して補強板を位置決めする位置決め用基準穴にもなる。
請求項1に係る発明では、車室の前側に設けられた前部フロアパネルの後端にセンタピラーの側方にて前部フロアパネルより高くなるように車室後側の後部フロアパネルが結合され、センタピラーに備えるインナパネルには、後部フロアパネルとの接合部の近傍にシートベルトリトラクタが取付けられる取付穴が開けられ、このシートベルトリトラクタには、インナパネルに取付けるためのナットが取付けられ、車室側からボルトがインナパネルの取付穴、シートベルトリトラクタに設けられたボルト挿通穴に順に通され、ナットにねじ結合されるので、シートベルトリトラクタ側にナットを配置し、インナパネルとシートベルトリトラクタとを従来とは内外逆に配置することで、シートベルトリトラクタ締結面にダストシーラーが付着することがなくなり、シートベルトリトラクタ締結面を確保することができる。従って、客室空間を犠牲にすることがなく、また、シートベルトリトラクタ締結部の強度・剛性を確保することができる。
請求項2に係る発明では、インナパネルとシートベルトリトラクタとの間に補強板が設けられるので、インナパネルのシートベルトリトラクタ締結部の板厚が不足する場合に、補強板を設けることでコスト・重量を抑えつつシートベルトリトラクタ締結部を補強することができる。
請求項3に係る発明では、補強板に、ボルトが通される締結用穴と、シートベルトリトラクタの組付時に回り止めとなる回り止め用穴とが開けられているので、回り止め用穴が、補強板に対するシートベルトリトラクタの回り止めになるとともに、インナパネルに補強板を取付ける際の位置決め用基準穴としても使用することができ、特別に位置決め用基準穴を設ける必要がない。
本発明にシートベルトリトラクタ取付構造の斜視図である。 図1の2−2線断面図である。 本発明に係るシートベルトリトラクタ取付構造の分解斜視図である。 本発明に係る補強板及びシートベルトリトラクタの下部ブラケットを示す分解斜視図である。 従来のシートベルトリトラクタ取付構造を示す分解斜視図である。 従来のシートベルトリトラクタ取付構造の斜視図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中の左、右、前、後は車両に乗車した運転者を基準にした向きを示している。また、図面は符号の向きに見るものとする。
本発明の実施例を説明する。
図1は車体の側部に設けられたセンタピラー10の下部に、シートベルト11を巻取るシートベルトリトラクタ12が取付けられた状態を示している。
センタピラー10は、構成部品として車室側にインナパネル14を備え、このインナパネル14に上記シートベルトリトラクタ12が取付けられている。なお、符号14aはシートベルトリトラクタ12を配置するためにインナパネル14に開けられた穴部である。
また、インナパネル14の車室側に面する内面14bには、車室のフロアの後部を構成する後部フロアパネル15、詳しくは、後部フロアパネル15の側部に上方に延びるように形成された側部フランジ15aが取付けられている。
側部フランジ15aのインナパネル14への接合時には、側部フランジ15aとインナパネル14との間に、防水、防塵のためのダストシーラーが塗布される。
後部フロアパネル15は、車室のフロアの前部を構成する前部フロアパネル(不図示)の後端部にセンタピラー10の車幅方向内側で結合され、前部フロアパネルよりも高く配置されている。
シートベルトリトラクタ12の下部は、インナパネル14にボルト17で取付けられている。なお、符号14cはインナパネル14に開けられた位置決め用穴であり、後述するインナパネル14の内面に取付けられた補強板を位置決めするためのものである。
図2に示すように、センタピラー10は、インナパネル14と、このインナパネル14の車幅方向外側に設けられたアウタパネル21と、これらのインナパネル14及びアウタパネル21のそれぞれの間に設けられた補強用のレインフォースパネル22とからなる。
シートベルトリトラクタ12は、上部及び下部にインナパネル12に取付けるための上部ブラケット23及び下部ブラケット24が設けられ、上部ブラケット23は、インナパネル14の裏面14eに溶接にて取付けられたナット26とボルト27とでインナパネル14に締結され、下部ブラケット24は、車幅方向外側の外面24cにナット28が溶接にて取付けられ、このナット28とボルト17とでインナパネル14に締結されている。
下部ブラケット24が取付けられるインナブラケット14の裏面14eには、補強板31が溶接にて取付けられ、補強板31の車幅方向外側に下部ブラケット24が配置され、ボルト17は、インナパネル14、補強板31及び下部ブラケット24を順に貫通してナット28にねじ結合される。
図中の符号14fはボルト17を通すためにインナパネル14に開けられたボルト挿通穴、24aはボルト17を通すために下部ブラケット24に開けられたボルト挿通穴、31aはボルト17を通すために補強板31に開けられたボルト挿通穴、33はセンタピラー10の下端に結合されたサイドシルである。
図3及び図4に示されるように、シートベルトリトラクタ12の下部ブラケット24は、シートベルトリトラクタ12をインナパネル14に取付ける際にシートベルトリトラクタ12が回らないようにするために、下部縁部に爪状の突起24bが一体に形成されている。
補強板31は、ボルト挿通穴31aと、補強板31に対してシートベルトリトラクタ12の回り止めをするために下部ブラケット24の突起24bが挿入される回り止め用穴31bとが開けられている。
図中の符号35は後部フロアパネル15の前端と結合された前部フロアパネルである。
補強板31をインナパネル14に取付けるには、補強板31をインナパネル14の裏面に当て、インナパネル14のボルト挿通穴14fと補強板31のボルト挿通穴31aとに第1の位置決めピンを挿入するとともに、インナパネル14の位置決め用穴14cと補強板31の回り止め用穴31bとに第2の位置決めピンを挿入することでインナパネル14に対して補強板31を位置決めし、この状態で補強板31をインナパネル14に溶接する。
このように、インナパネル14に補強板31を取付けることで、シートベルトリトラクタ14の取付部(インナパネル14)を補強することができ、シートベルト11に作用する荷重に対する強度・剛性を確保することができる。
補強板31が取付けられたインナパネル14にシートベルトリトラクタ12を取付けるには、ボルト17を、インナパネル14のボルト挿通穴14f、補強板31のボルト挿通穴31a及び下部ブラケット24のボルト挿通穴24aに順に通して下部ブラケット24に取付けられたナット28(図2参照)にボルト17の先端部をねじ込むとともに、下部ブラケット24の突起24bを補強板31の回り止め用穴31bに挿入する。
上記したように、シートベルトリトラクタ12の回り止めのために補強板31に開けられた回り止め用穴31bは、インナパネル14に補強板31を取付ける際の位置決め用基準穴となる。
上記の図1〜図3に示したように、車体の側部に設けられたセンタピラー10の車室側にシートベルト11を巻き取るシートベルトリトラクタ12が取付けられるシートベルトリトラクタ取付構造において、車室の前側に設けられた前部フロアパネル35の後端にセンタピラー10の側方にて前部フロアパネル35より高くなるように車室後側の後部フロアパネル15が結合され、センタピラー10に備えるインナパネル14には、後部フロアパネル15との接合部、詳しくは、側部フランジ15aの近傍にシートベルトリトラクタ12が取付けられる取付穴としてのボルト挿通穴14fが開けられ、このシートベルトリトラクタ12、詳しくは、シートベルトリトラクタ12の下部ブラケット24には、インナパネル14に取付けるためのナット28が取付けられ、車室側からボルト17がインナパネル14のボルト挿通穴14f、下部ブラケット24に設けられたボルト挿通穴24aに順に通され、ボルト17の先端部がナット28にねじ結合されるので、シートベルトリトラクタ12側にナット28を配置し、インナパネル14と下部ブラケット24とを従来とは内外逆に配置することで、シートベルトリトラクタ締結面である裏面14eにダストシーラーが付着することがなくなり、シートベルトリトラクタ締結面を確保することができる。
従って、ボルト17が車室側に突出する量を小さくすることができるため、客室空間を犠牲にすることがなく、また、インナパネル14のシートベルトリトラクタ締結部の強度・剛性を確保することができる。
また、インナパネル14とシートベルトリトラクタ12(詳しくは、下部ブラケット24)との間に補強板31が設けられるので、インナパネル14のシートベルトリトラクタ締結部の板厚が不足する場合に、補強板31を設けることで、小さな補強板31で必要な部分だけを補強することができ、コスト・重量を抑えつつシートベルトリトラクタ締結部を補強することができる。
上記図3、図4に示したように、補強板31に、ボルト17が通される締結用穴としてのボルト挿通穴31aと、シートベルトリトラクタ12の組付時に回り止めとなる回り止め用穴31bとが開けられているので、回り止め用穴31bが、補強板31に対するシートベルトリトラクタ12の回り止めになるとともに、インナパネル14に補強板31を取付ける際の位置決め用基準穴としても使用することができ、補強板31に特別に位置決め用基準穴を設ける必要がない。
尚、本実施例では、図3に示したように、下部ブラケット24に突起24bを設けたが、これに限らず、インナパネル24の内面14e(図2参照)に車幅方向外側に突出する突起を設け、この突起で補強板31の位置決めとシートベルトリトラクタ12の回り止めとを行ってもよい。
本発明のシートベルトリトラクタ取付構造は、自動車に好適である。
10…センタピラー、11…シートベルト、12…シートベルトリトラクタ、14…インナパネル、14f…取付穴(ボルト挿通穴)、15…後部フロアパネル、17…ボルト、24a…ボルト挿通穴、28…ナット、31…補強板、31a…締結用穴(ボルト挿通穴)、31b…回り止め用穴、35…前部フロアパネル。

Claims (3)

  1. 車体の側部に設けられたセンタピラーの車室側にシートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタが取付けられるシートベルトリトラクタ取付構造において、
    前記車室の前側に設けられた前部フロアパネルの後端にセンタピラーの側方にて前記前部フロアパネルより高くなるように車室後側の後部フロアパネルが結合され、前記センタピラーに備えるインナパネルは、前記後部フロアパネルとの接合部の近傍に前記シートベルトリトラクタが取付けられる取付穴が開けられ、このシートベルトリトラクタは、前記インナパネルに取付けるためのナットが取付けられ、車室側からボルトがインナパネルの前記取付穴、シートベルトリトラクタに設けられたボルト挿通穴に順に通され、前記ナットにねじ結合されることを特徴とするシートベルトリトラクタ取付構造。
  2. 前記インナパネルと前記シートベルトリトラクタとの間に補強板が設けられることを特徴とする請求項1記載のシートベルトリトラクタ取付構造。
  3. 前記補強板は、前記ボルトが通される締結用穴と、前記シートベルトリトラクタの組付時に回り止めとなる回り止め用穴とが開けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシートベルトリトラクタ取付構造。
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