JP2010245176A - 太陽電池シートアレイの製造方法および太陽電池シートアレイ - Google Patents

太陽電池シートアレイの製造方法および太陽電池シートアレイ Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池シートアレイに占めるフレキシブル太陽電池セルの高い面積充填率と、単位太陽電池シートの高い製造歩留を実現する大規模な太陽電池シートアレイの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の太陽電池シートアレイの製造方法は、インターコネクタを備えたフレキシブル性を有する複数の太陽電池セルの各インターコネクタを溶接し、単位太陽電池ストリングスを作製する工程と、単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程と、複数の単位太陽電池ストリングスを溶接し、太陽電池ストリングスを作製する工程と、太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程と、をこの順で含むことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、フレキシブル性を有する太陽電池セルを用いた太陽電池シートアレイの製造方法に関し、特に軽量でかつ充填率の高い大面積の太陽電池シートアレイを歩留高く製造する製造方法を提供する。
近年、資源の有効利用および環境汚染の防止などの観点から、太陽光を電気エネルギに直接変換する太陽電池モジュールが注目されている。特には、大面積かつ軽量の太陽電池モジュールの必要性が高まっており、その開発が進められている。
例えば特許文献1には、シート状部材に取り付けられた太陽電池モジュールが開示されている。特許文献1に記載された太陽電池モジュールについて、図8および図9を参照して以下に説明する。図8は、シート状部材61およびシート状部材61に取り付けられた太陽電池モジュール60を示す平面図であり、図9は、図8に示す太陽電池モジュール60の断面図である。
図8に示すように、太陽電池モジュールは、単位太陽電池モジュール60を糸62によってシート状部材61に縫合して形成される。また、図9に示すように、太陽電池モジュール60は、単位太陽電池セル65が受光面保護フィルム63と裏面保護フィルム64との間の封止樹脂66中にラミネートされている。特許文献1では、上述のように複数組み合わせた単位太陽電池モジュール60をシート状部材61に縫合することによって、大面積化された太陽電池モジュールを形成する。
しかしながら、上記大面積化された太陽電池モジュールおいて、受光面保護フィルム63と裏面保護フィルム64とを合わせた体積が約66%を占めるのに対し、シート状部材61の体積の体積は約33%を占める。さらに、シート状部材61の材料には機械的強度の増した材料が使用されるため、シート状部材61の重量は、受光面保護フィルム63などの部材よりも重量がある。したがって、上記大面積化された太陽電池モジュールは、シート状部材61によって、その総重量が顕著に増加してしまう。
特開2006−339684号公報
一方、シート状部材を用いずに、可撓性を有する太陽電池モジュールを組み合わせてその大面積化を図った、太陽電池シートが開発されている。
例えば、図10に示す従来の太陽電池シートアレイについて、以下に説明する。図10は、太陽電池シートアレイを示す平面図であり、図11は、図10中のXI−XIにおける断面図である。
図10に示す太陽電池シートアレイは、複数の単位太陽電池シート110によって構成される。この単位太陽電池シート110について、図12に示す。図12は、単位太陽電池シートを示す平面図であり、図13は、図12中のXIII−XIIIにおける断面図である。図13に示されるように、単位太陽電池シート110では、各フレキシブル太陽電池セル104がインターコネクタ105により電気的に直列に接続され、その接続の終端には、電力を集めるバス部106が接続されている。
また、図10に示されるように、複数の単位太陽電池シート110同士が電気的に接続できるように、単位太陽電池シート110のバス部106は、可撓性樹脂フィルム101、裏面側保護部材102、およびシリコーン樹脂103から突出している。
図10に示す太陽電池シートアレイでは、隣接する単位太陽電池シート110のバス部106の突出部分同士を溶接することによって溶接部107を形成し、互いに電気的に接続されている。また、溶接部107を含む、隣接した単位太陽電池シート110同士の間は、図11に示されるように、接着剤108によって物理的に接続されており、接着剤108の上には保護フィルム109が形成されている。
図10に示す太陽電池シートアレイによれば、シート状部材を用いずに大規模な太陽電池シートアレイが形成されるため、その軽量化が実現される。
しかしながら、図10に示す太陽電池シートアレイにおいては、単位太陽電池シート110のバス部106が、シート同士が電気的に接続できるように、可撓性樹脂フィルム101、裏面側保護部材102、およびシリコーン樹脂103から突出しているので、太陽電池シート110間の隙間が多い。これは、フレキシブル太陽電池セル104は強度が弱く、強度を補強するために表側を可撓性樹脂フィルム101で、裏面側を裏面側保護部材102で完全に覆っているので、各単位太陽電池シートのバス部106を重ねることができないためである。このようにシート間の隙間が多いと、太陽電池シートアレイ110に占めるフレキシブル太陽電池セル104の面積充填率が低くなり、大面積の太陽電池シートアレイを実現しても、出力電力は大きくならない。
この隙間の割合を小さくするためには、単純に、単位太陽電池シート110の内に含まれるフレキシブル太陽電池セル104の数を多くすれば良い。しかしながら、単位太陽電池シート110の内に含まれるフレキシブル太陽電池セル104の数を多くすれば、単位太陽電池シートの歩留は低下するという問題がある。
したがって、図10に示すようにバス部によりシート同士を接続する太陽電池シートアレイでは、太陽電池シートアレイ110に占めるフレキシブル太陽電池セル104の面積充填率の向上と単位太陽電池シート110の歩留向上の両立を実現することが難しい。また、一般に、フレキシブル太陽電池は、表−裏接続が可能な従来の太陽電池と異なり、溶接箇所を特定しにくいセル裏面には溶接を行なうことができない。よって各太陽電池セルは表−表接続をする必要があり、公知の表−裏接続による太陽電池アレイ製造方法は使用することができない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽電池シートアレイに占めるフレキシブル太陽電池セルの高い面積充填率と、単位太陽電池シートの高い製造歩留を実現する大規模な太陽電池シートアレイの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の太陽電池シートアレイの製造方法は、インターコネクタを備えたフレキシブル性を有する複数の太陽電池セルの各インターコネクタを溶接し、単位太陽電池ストリングスを作製する工程と、単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程と、複数の単位太陽電池ストリングスを溶接し、太陽電池ストリングスを作製する工程と、太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程と、をこの順で含むことを特徴とする。
本発明の太陽電池シートアレイの製造方法には、上記単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程の前に、上記単位太陽電池ストリングスの両端にバスバーを溶接する工程を含む態様が含まれる。
上記バスバーは、メッシュ構造を有しないバスバーであることが好ましい。
本発明の太陽電池シートアレイの製造方法には、上記太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程の後に、上記インターコネクタおよび上記バスバーをシリコーン樹脂で被覆する工程を含む態様が含まれる。
また、本発明は、インターコネクタを備えたフレキシブル性を有する複数の太陽電池セルの各インターコネクタを溶接し、単位太陽電池ストリングスを作製する工程と、単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程と、複数の単位太陽電池ストリングスを溶接し、太陽電池ストリングスを作製する工程と、太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程と、をこの順で含む製造方法により製造されることを特徴とする太陽電池シートアレイに関する。
本発明に係る太陽電池シートアレイの製造方法によれば、フレキシブル性を有する複数の太陽電池セルの各インターコネクタを溶接し、単位太陽電池ストリングスを作製する工程と、単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程と、複数の単位太陽電池ストリングスを溶接し、太陽電池ストリングスを作製する工程と、太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程とを含み前記工程の順序で製造されるので、軽量でかつ充填率の高い大面積の太陽電池シートアレイを歩留高く製造することができる。
フレキシブル太陽電池セル20の受光面を示す平面図である。 図1中のII−IIにおける断面図である。 単位太陽電池ストリングスの受光面側を示す平面図である。 図3中のIV−IVにおける断面図である。 太陽電池ストリングス41の受光面側を示す平面図である。 太陽電池シートアレイ50の受光面側を示す平面図である。 図6中VII−VIIにおける断面図である。 従来の太陽電池モジュールの受光面側を示す平面図である。 図8に示す従来の太陽電池モジュールの断面図である。 従来の太陽電池シートアレイを示す平面図である。 図10中のXI−XIにおける断面図である。 従来の単位太陽電池シートを示す平面図である。 図12中のXIII−XIIIにおける断面図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、図面を用いて説明しているが、本願の図面において同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。
〔実施形態〕
本発明に係る第一の実施形態について図1から図7を参照して以下に説明する。
(フレキシブル太陽電池セル20)
まず、本実施形態において用いられるフレキシブル性を有する太陽電池セル(フレキシブル太陽電池セル20)の概略構成について、図1および図2を参照して以下に説明する。図1はフレキシブル太陽電池セル20の受光面を示す平面図であり、図2は、図1中のII−IIにおける断面図である。
図1に示すフレキシブル太陽電池セル20は、太陽光を受光する受光面、および上記受光面とは反対側の非受光面を有する。以下、本明細書において、フレキシブル太陽電池セル20における受光面の側を受光面側または表面とし、非受光面の側を非受光面側または裏面とする。
図1または図2に示すように、フレキシブル太陽電池セル20は、多層半導体層22、n型電極25、p型電極26、および裏面電極27を備える。多層半導体層22は、p型領域とn型領域とのpn接合を含む太陽電池層23と、p型電極26との電気的接続を得るためのコンタクト層24と、n型電極25との電気的接続を得るためのコンタクト層29とから構成されている。
また、n型電極25は、図1に示すような櫛形の電極であり、コンタクト層29上における受光面側に形成されている。p型電極26は、図1に示すような矩形の電極であり、コンタクト層24上における受光面側に形成されている。裏面電極27は、フレキシブル太陽電池セル20の前面に亘って形成された全面電極であり、コンタクト層24上における非受光面側に形成されている(図2)。
本実施形態において、図1に示すように、n型電極25のパッド部およびp型電極26は、1個のフレキシブル太陽電池セル20に対して3個ずつ形成されたものとしているが、本発明はこれに限定されない。また、裏面電極27、n型電極25、およびp型電極26の形状ついては、上述の記載に限定されず、フレキシブル太陽電池セル20の構成部材として機能する公知の構成のいずれとしてもよい。また、n型電極25およびp型電極26の構成は交換されてもよいとする。
なお、フレキシブル太陽電池セル20の受光面側には、n型電極25およびp型電極26上に、それぞれインターコネクタ31が形成される。また、フレキシブル太陽電池セル20の受光面表面には、反射防止膜が設けられてもよい。
(フレキシブル太陽電池セル20の製造方法)
ここでさらに、上記フレキシブル太陽電池セル20の製造方法を説明する。
フレキシブル太陽電池セル20の製造方法は、半導体基板にエピタキシャル層を形成する工程と、非受光面側に裏面電極27を形成する工程と、上記半導体基板を除去する工程と、受光面側にn型電極25およびp型電極26を形成する工程と、フレキシブル太陽電池セル20を切り出す工程とを含む。
以下、フレキシブル太陽電池セル20の製造方法について、工程毎に詳細に説明するが、本発明に用いるフレキシブル太陽電池セルは以下の製造方法に限定されない。
(1)半導体基板にエピタキシャル層を形成する工程
本工程における半導体基板には、シリコン(Si)およびゲルマニウム(Ge)などの元素半導体基板、またはガリウム砒素(GaAs)などの化合物半導体基板を用いることができ、好ましくは単結晶半導体基板を用いることができる。
上記半導体基板上に、コンタクト層24,29と、pn接合を有する太陽電池層23とを含む多層半導体層22をエピタキシャル成長させる。多層半導体層22は歪の小さいエピタキシャル層として成長されることが望ましい。多層半導体層22の膜厚については、太陽電池セルとして0.5μm以上であることが好ましく、また、フレキシブル太陽電池セル20の可撓性を確保するために30μm以下であることが好ましい。なお、多層半導体層22は、pn接合を含む多層膜からなる化合物半導体層であってもよい。
また、多層半導体層22は、分子線エピタキシー(MBE)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法、または気相成長(VPE)法などによって形成してもよい。
(2)非受光面側に裏面電極27を形成する工程
多層半導体層22上に、蒸着法など通常の電極形成法により、裏面電極27を形成する。裏面電極27が多層半導体層22の支持体として機能するためには、裏面電極27の膜厚は1μm以上であることが望ましい。さらに、多層半導体層22と裏面電極27との熱線膨張係数の差異によって大陽電池セル21が湾曲することを防止するために、裏面電極27の膜厚は8μm以下であることが望ましい。裏面電極27の材料には、銀(Ag)などの導電材料を用いることができる。また、支持体としての強度を確保するために裏面電極27上にポリイミドを塗布し、その後イミド化して形成しても良い。
(3)半導体基板を除去する工程
通常のエッチング法によって、上記(1)および(2)の工程後、上記半導体基板の全部、または多層半導体層22の一部までを含めた上記半導体基板の全部を、エッチング除去してコンタクト層29を露出させる。なお、エッチング法以外に、エピタキシャルリフトオフ法などを用いて上記半導体基板を多層半導体層22から分離除去してもよい。
また、本工程において、n型電極25およびp型電極26を形成するためのメサを形成する。メサの形成には、通常のフォトリソグラフィ法によって、必要な部分のみにマスクを形成する。さらにエッチング法によって太陽電池層23の不要部をエッチング除去して、コンタクト層24を露出する。
上記エッチング法には、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いることができるが、エッチングの進行が特定の層上で実質的に停止する選択エッチング法を用いることが好ましい。
(4)n型電極25およびp型電極26を形成する工程
太陽電池層23上における受光面側に、フォトリソグラフィ法、蒸着法、リフトオフ法、またはシンター法など、通常の電極形成法を用いて、n型電極25およびp型電極26を形成する。n型電極25およびp型電極26の材料には、銀(Ag)などの導電材料を用いることができる。なお、n型電極25を形成する工程およびp型電極26を形成する工程は、どちらを先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。
(5)フレキシブル太陽電池セル20を切り出す工程
形成された基板状の太陽電池セルから、必要な部分のみをフレキシブル太陽電池セル20として切り出す。その際、ダイシング法またはスクライブ法によってフレキシブル太陽電池セル20の外周部に切れ目を入れ、エキスパンド法またはブレイク法によってフレキシブル太陽電池セル20を切り出してもよい。
以上の工程によってフレキシブル太陽電池セル20は製造される。なお、製造されたフレキシブル太陽電池セル20に対し、インターコネクタ31を形成する工程は以下の通りである。
(6)インターコネクタを接続する工程
n型電極25およびp型電極26上に、スポット溶接法によってインターコネクタ31を接続する。インターコネクタ31の材料には、銀(Ag)などの導電材料を用いることができる。インターコネクタ31の形状については、フレキシブル太陽電池セル20の外周部よりも外側に引き出されることが可能な形状であればよい。
(単位太陽電池ストリングス40)
本実施形態に用いる単位太陽電池ストリングスについて、図3および図4を参照して以下に説明する。図3は、単位太陽電池ストリングスの受光面側を示す平面図であり、図4は、図3中のIV−IVにおける断面図である。
図3または図4に示すように、単位太陽電池ストリングス40は、フレキシブル太陽電池セル20と、インターコネクタ31と、バスバーであるバス部32と、保護フィルムである可撓性樹脂33および可撓性樹脂フィルム34とを備えている。
図3に示すように、単位太陽電池ストリングス40では、5個のフレキシブル太陽電池セル20がインターコネクタ31を介して電気的に直列に接続されている。このように電気的に直列に接続された複数の太陽電池セル21を、太陽電池ストリング30と称する。
太陽電池ストリング30の両端には、図3および図4に示すように、インターコネクタ31を介してバス部32がそれぞれ電気的に接続されている。バス部32(バスバー)は、太陽電池ストリング30の終端として電力を集める部位である。なお、各太陽電池ストリング30におけるフレキシブル太陽電池セルの数は、例示的なものであって、上記開示に限定されるものではない。
(単位太陽電池ストリングス40の製造方法)
次に、単位太陽電池ストリングス40の製造方法について、図3を用いて以下に説明する。
まず、図3に示すように、5個のフレキシブル太陽電池セル20を準備し、上記(6)の工程に沿って、スポット溶接法によってインターコネクタ31を各フレキシブル太陽電池セル20に溶接する。さらにこのインターコネクタ31を介して各フレキシブル太陽電池セル20同士を電気的に直列に接続することによって、太陽電池ストリング30を形成する。
その後、太陽電池ストリング30の両端には、同様にスポット溶接法によって、インターコネクタ31を介してバス部32を接続する。バス部32の材料には、金属材料を用いればよい。また、バス部32(バスバー)は、メッシュ構造を有しないものとすることが好ましい。本発明において、メッシュ構造を有しないとは、バス部32内に内包され(内在し)、バス部を構成する金属材料の存在しない部分で、かつその周囲がバス部を構成する金属材料により囲まれる部位を有しないことを意味する。
次に可撓性樹脂フィルム34に可撓性樹脂33を塗布し、これをバス部32に接続した太陽電池ストリング30に対してラミネートする。その後、可撓性樹脂33を加熱などにより硬化させて、単位太陽電池ストリングス40を形成する。上記可撓性樹脂33および上記可撓性樹脂フィルム34が保護フィルムとして機能する。
上記可撓性樹脂フィルム34としては、ポリエチレンフィルムまたはフッ素樹脂フィルムを用いることが好ましく、さらに、それらのフィルム裏面がコロナ放電処理または化学薬品処理などにより易接着化処理されていることが好ましい。フィルムの具体例としては、帝人デュポンフィルム社製のテオネックスQ65FAフィルムなどが挙げられる。このような可撓性樹脂フィルムは、可撓性樹脂33の構成によっては省略することもできる。
また、上記可撓性樹脂33としては、透明であり、かつ接着性の高い可撓性を有する樹脂を用いることが好ましい。このような可撓性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、およびフッ素樹脂などが挙げられる。具体的には、ダウ・コーニング社製のDC93−500(商品名)などが挙げられる。
以上の工程によって、可撓性を有する単位太陽電池ストリングス40が形成される。
(太陽電池ストリングス41)
本実施形態に係る太陽電池ストリングス41について、図5を参照して以下に説明する。図5は、太陽電池ストリングス41の受光面側を示す平面図である。図5に示す太陽電池ストリングス41では、バス部が接続された単位太陽電池ストリングス40が3個配置されている。
一般的に人工衛星ではバス電圧は50Vあるいは100Vのものが使用される。例えばバス電圧50Vを実現しようとすれば、フレキシブル太陽電池セル20の最適動作電圧(Vmp)値は約2.1Vであるので人工衛星の寿命までの劣化量を加味し、約30枚直列接続されたフレキシブル太陽電池セル20が必要となる。
なお、本発明において、単位太陽電池ストリングス40における太陽電池セル20の数、および太陽電池ストリングス41における単位太陽電池ストリングス40の数は、上記記載に限定されず、任意に設定可能である。
図5における単位太陽電池ストリングス40における受光面側には、図4に示すように、保護フィルムである可撓性樹脂33および可撓性樹脂フィルム34が積層されている。
(太陽電池ストリングス41の製造方法)
次に、太陽電池ストリングス41の製造方法について、図5を用いて以下に説明する。
まず、図5に示すように、12個の単位太陽電池ストリングス40を準備し、スポット溶接法によって各単位太陽電池ストリングス40のバス部32同士を溶接し、15直列太陽電池ストリングスを4本作製する。
その後、15直列太陽電池ストリングスの両端には、同様にスポット溶接法によって、バス部32を介してバス部32b、バス部32cを接続する。バス部32b、32cの材料には、金属材料を用いればよい。n電極側には切り込みのないバス部32bをp電極側には切り込みのあるバス部32cを接続し、n型、p型の導電型を簡易的に区別できるようにした。以上の工程によって、15直列の太陽電池ストリングス41が形成される。
(太陽電池シートアレイ50)
本実施形態に係る太陽電池シートアレイについて、図6および図7を参照して以下に説明する。図6は、太陽電池シートアレイ50の受光面側を示す平面図であり、図7は、図6中VII−VIIにおける断面図である。
太陽電池シートアレイ50は、図6または図7に示されるように、15直列太陽電池ストリングス41を4本と可撓性樹脂35、および可撓性樹脂フィルム36を備えている。
図6に示すように、太陽電池シートアレイ50では、5個のフレキシブル太陽電池セル20がインターコネクタ31を介して電気的に直列に接続された単位太陽電池ストリングス40が3本電気的に直列に接続された太陽電池ストリングス41からなっている。また図6の図面上もっとも左側の太陽電池ストリングス41は図6に示す上側がn電極、下側がp電極になるように配置され、その右隣の太陽電池ストリングス41は反対に上側がp電極、下側がn電極になるように配置され、さらにその右隣の太陽電池ストリングス41は上側がn電極、下側がp電極になるように配置され、その右隣の(図6のもっとも右側に示された)太陽電池ストリングス41は上側がp電極、下側がn電極になるように配置されている。また各単位太陽電池ストリングス40間およびバス部32上は強度確保のため、図7の断面図に示されるように、可撓性樹脂37aで補強されている。
(太陽電池シートアレイ50の製造方法)
本発明の太陽電池シートアレイの製造方法は、インターコネクタを備えたフレキシブル性を有する複数の太陽電池セル20の各インターコネクタ31を溶接し、単位太陽電池ストリングス40を作製する工程と、単位太陽電池ストリングス40の表面に保護フィルムを貼り付ける工程と、複数の単位太陽電池ストリングス40を溶接し、太陽電池ストリングス41を作製する工程と、太陽電池ストリングス41の裏面に裏面フィルムを貼りつける工程と、をこの順で含む。
太陽電池ストリングス41を製造するまで工程は、上述の工程に従って製造される。このような太陽電池ストリングス41の裏面に裏面フィルムを貼り付ける工程について、以下に説明する。
4本の太陽電池ストリングス41を上記図6のように配列させる。配列させた太陽電池ストリング41は、バス部に接続されている。配列後、図7に示すように裏面フィルである可撓性樹脂37aを形成し、その上に可撓性樹脂フィルム36に可撓性樹脂を塗布したフィルムを、バス部32に接続した太陽電池ストリングス41に対してラミネートする。さらに可撓性樹脂を硬化させて、裏面フィルムである、可撓性樹脂37aと可撓性樹脂フィルム36とを接着する。
その後、受光面側の各単位太陽電池ストリングス40間のインターコネクタ上およびバス部32上に可撓性樹脂37bを塗布して硬化させる(図7においてバス部上の可撓性樹脂は図示していない)。これによって、太陽電池シートアレイ50が形成される。この太陽電池シートアレイ50には配線が設けられ、太陽電池として機能する。図6に示すように配線39をハンダ付けし、30枚直列接続されたフレキシブル太陽電池セル20を使って、50Vバスラインを2本作製することができた。
上記可撓性樹脂フィルム36には、ポリエチレンフィルムまたはフッ素樹脂フィルムを用いることが好ましく、さらに、それらのフィルム裏面がコロナ放電処理または化学薬品処理などにより易接着化処理されていることが好ましい。フィルムの具体例としては、帝人デュポンフィルム社製のテオネックスQ65FAフィルムなどが挙げられる。このような可撓性樹脂フィルムは、可撓性樹脂33の構成によっては省略することもできる。
また、可撓性樹脂35、可撓性樹脂37a,37bとしては、透明であり、かつ接着性の高い可撓性樹脂を用いることが好ましい。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、およびフッ素樹脂などが挙げられる。このような可撓性樹脂としては、ダウ・コーニング社製のDC93−500(商品名)などが挙げられる。
以上の工程によって、可撓性を有する太陽電池シートアレイ50が形成される。
本発明の太陽電池シートアレイの製造方法はインターコネクタを備えたフレキシブル性を有する複数の太陽電池セルの各インターコネクタを溶接し、単位太陽電池ストリングスを作製する工程と、単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程と、複数の単位太陽電池ストリングスを溶接し、太陽電池ストリングスを作製する工程と、太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程と、をこの順で含むことにより、単位太陽電池ストリングスの表面(受光面側)にのみ保護フィルムである可撓性樹脂フィルムが取り付けられている状態において、複数の単位太陽電池ストリングスをインターコネクタを介して溶接することができるので、単位太陽電池ストリングス間に大きな隙間を作ることなく太陽電池ストリングスを作製することができる。
また、単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程の前に、単位太陽電池ストリングスの両端にバス部(バスバー)を溶接する工程を含むことで、ストレスリリーフ部を持たないバス部のみを取り扱うことなり、単位太陽電池ストリングスの同士の溶接作業を歩留高く行なうことができる。
また、バスバー部にメッシュ構造を有さない材料を適用する場合は、太陽電池の表面(受光面側)への保護フィルム貼り付け時にメッシュ構造部分にシリコーン樹脂等のフィルムを構成する樹脂が入り込むなどの溶接作業を阻害することがなく、より単位太陽電池ストリングスの同士の溶接作業が歩留高く行なうことができる。
本発明においては、上記の工程順において、単位太陽電池ストリングスの溶接部の裏面に裏面フィルムが貼り付けられるので、単位太陽電池ストリングスの溶接部の強度を補強することができる。
さらに、インターコネクタおよびバスバーを表面より可撓性樹脂で被覆することにより、単位太陽電池ストリングスの溶接部の強度を更に補強することができる。
上記本発明の太陽電池シートアレイの製造方法によれば、特に軽量でかつ充填率の高い大面積の太陽電池シートアレイを歩留高く製造することができる。具体的には、単位太陽電池ストリングス同士の間隔が従来よりも狭いので、シートにおける単位太陽電池ストリングスの充填率を高めることができ、また、本発明の方法により得られた太陽電池シートアレイは、隣接する太陽電池シート同士の接続部分の接触面積を従来よりも大きくすることができるので、太陽電池としての動作性能が改善されたものとなる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の太陽電池シートアレイの製造方法により製造される太陽電池シートアレイは、大規模な太陽電池シートの構成単位として好適に利用することができ、例えば宇宙用(人工衛星搭載用)太陽電池などに用いることができる。
20,104 フレキシブル太陽電池セル、22 多層半導体層、23 太陽電池層、24,29 コンタクト層、25 n型電極、26 p型電極、27 裏面電極、30 太陽電池ストリング、31,105 インターコネクタ、32,32b,32c,106 バス部、33,35,37a,37b 可撓性樹脂、34,101 可撓性樹脂フィルム、40 単位太陽電池ストリングス、41 太陽電池ストリングス、50 太陽電池シートアレイ、60 太陽電池モジュール、61 シート状部材、63 受光面保護フィルム、64 裏面保護フィルム、65 太陽電池セル、66 封止樹脂、102 裏面側保護部材、103 シリコーン樹脂、107 溶接部、108 接着剤、109 保護フィルム、110 単位太陽電池シート。

Claims (5)

  1. 複数のフレキシブル太陽電池セルの各インターコネクタを溶接し、単位太陽電池ストリングスを作製する工程と、
    前記単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程と、
    複数の前記単位太陽電池ストリングスを溶接し、太陽電池ストリングスを作製する工程と、
    前記太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程とをこの順で含むことを特徴とする太陽電池シートアレイの製造方法。
  2. 前記単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程の前に、
    前記単位太陽電池ストリングスの終端にバスバーを溶接する工程を含む、請求項1に記載の太陽電池シートアレイの製造方法。
  3. 前記バスバーは、メッシュ構造を有しないバスバーである、請求項2に記載の太陽電池シートアレイの製造方法。
  4. 前記太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程の後に、
    前記インターコネクタおよび前記バスバーを可撓性樹脂で被覆する工程を含む、請求項2または3に記載の太陽電池シートアレイの製造方法。
  5. 複数のフレキシブル太陽電池セルの各インターコネクタを溶接し、単位太陽電池ストリングスを作製する工程と、
    前記単位太陽電池ストリングスの表面に保護フィルムを貼り付ける工程と、
    複数の前記単位太陽電池ストリングスを溶接し、太陽電池ストリングスを作製する工程と、
    前記太陽電池ストリングスの裏面に裏面フィルムを貼りつける工程とをこの順で含む製造方法により製造されることを特徴とする太陽電池シートアレイ。
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