JP2010245078A - 光電変換装置、エックス線撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容量結合が低減された光電変換装置を提供する。
【解決手段】本発明の光電変換装置は、第1電極251と第2電極252との間に配置された光電変換層を有する光電変換素子25と、第1電極251と導通するソース領域243を有するTFT24と、TFT24のドレイン領域242と導通する第1配線222と、TFT24のゲート電極241と導通する第2配線212と、第2電極252と導通し、第1配線222と第2配線212とのうちの一方の配線222と略平行に延設された第3配線23とを備える。第2電極252が、透明導電材料からなり、光電変換層に対する光入射側に配置されている。第3配線23が、透明電極材料よりも導電性が高いメタル材料からなり、面方向における第3配線23と一方の配線222との間隔d1、d2が、面方向に垂直な厚み方向における第3配線23と一方の配線222との間の間隔よりも長い。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の光電変換装置は、第1電極251と第2電極252との間に配置された光電変換層を有する光電変換素子25と、第1電極251と導通するソース領域243を有するTFT24と、TFT24のドレイン領域242と導通する第1配線222と、TFT24のゲート電極241と導通する第2配線212と、第2電極252と導通し、第1配線222と第2配線212とのうちの一方の配線222と略平行に延設された第3配線23とを備える。第2電極252が、透明導電材料からなり、光電変換層に対する光入射側に配置されている。第3配線23が、透明電極材料よりも導電性が高いメタル材料からなり、面方向における第3配線23と一方の配線222との間隔d1、d2が、面方向に垂直な厚み方向における第3配線23と一方の配線222との間の間隔よりも長い。
【選択図】図3
Description
本発明は、光電変換装置、エックス線撮像装置に関する。
従来から、フォトダイオードに入射した光を検知してイメージを読取るイメージセンサー(光電変換装置)が提案されている。イメージセンサーは、例えば行列状に配置された複数の画素領域を含んでいる。複数の画素領域には、それぞれフォトダイオードと薄膜トランジスター(以下、TFTと略記する)とが設けられている。フォトダイオードの一方の電極は、TFTのソース領域と電気的に接続されている。フォトダイオードの他方の電極は、複数の画素領域で共通の共通電極になっている。行方向に並ぶ複数のTFTのドレイン領域は、一括してデータ線と電気的に接続されている。列方向に並ぶ複数のTFTのゲート電極は、一括して走査線と電気的に接続されている。
このようなイメージセンサーにおいて、フォトダイオードに光が入射するとフォトダイオードに電荷が発生する。走査線に電圧が印加されるとTFTがオンになり、フォトダイオードに発生した電荷(電気信号)がデータ線に読出される。複数の画素領域から電荷を順に読出すことにより、イメージを読取ることが可能になっている。
近年、イメージセンサーをエックス線撮像装置に適用する試みがなされている(例えば、特許文献1)。エックス線撮像装置の1つとして、エックス線を受けて蛍光等を発するシンチレーターをイメージセンサーに組み合わせたものがある。エックス線撮像装置は、例えば医療用機器への応用が考えられている。エックス線撮像装置は、エックス線フィルム等を用いた静止画撮像装置と比較して、透視画像をリアルタイムで得られるという長所がある。また、光電子増倍管とCCD素子を組み合わせた動画撮像装置等と比較して、高解像度な透視画像が得られるという長所もある。
以上のような光電変換装置やエックス線撮像装置には、高感度化や高解像度化が期待されている。高感度化等を図る上で有効な方法の1つに、データ線や走査線等の配線を通る電気信号が容量結合により劣化することを防止する方法が挙げられる。特許文献1には、共通電極をパターニング形成することにより、共通電極においてデータ線と重なる部分を小面積にする方法が開示されている。
特許文献1の技術によれば、共通電極とデータ線との容量結合を低減することができると考えられるが、さらに容量結合を低減する観点で改善すべき点がある。
特許文献1では、フォトダイオードの半導体層に光を入射させるために、通常と同様に共通電極がインジウム錫酸化物(ITO)等の透明導電材料で形成されている。一般に、透明導電材料は、アルミニウム等のメタル材料に比べて導電性が低い。特許文献1の技術によれば、共通電極をベタ状に形成する場合よりも容量結合を相対的に低減することができるが、容量結合の絶対値を十分に低減できるとは言えない。
特許文献1では、フォトダイオードの半導体層に光を入射させるために、通常と同様に共通電極がインジウム錫酸化物(ITO)等の透明導電材料で形成されている。一般に、透明導電材料は、アルミニウム等のメタル材料に比べて導電性が低い。特許文献1の技術によれば、共通電極をベタ状に形成する場合よりも容量結合を相対的に低減することができるが、容量結合の絶対値を十分に低減できるとは言えない。
本発明は、前記事情に鑑み成されたものであって、容量結合が低減された光電変換装置、エックス線撮像装置を提供することを目的の1つとする。
本発明の光電変換装置は、複数の画素領域に区画された光検出領域と、前記複数の画素領域の各々に配置され、第1電極と第2電極との間に配置された光電変換層を有する、光電変換素子と、前記第1電極と導通接続されたソース領域を有する電界効果トランジスターと、前記電界効果トランジスターのドレイン領域と導通接続された第1配線と、前記電界効果トランジスターのゲート電極と導通接続された第2配線と、前記第2電極と導通接続され、前記第1配線と第2配線とのうちの一方の配線と略平行に延設された第3配線と、を備え、前記第2電極が、透明導電材料からなり、前記光電変換層に対する光入射側に配置されており、前記第3配線が、前記透明電極材料よりも導電性が高いメタル材料からなり、前記光検出領域の面方向における、前記第3配線と前記一方の配線との間隔が、前記面方向に垂直な厚み方向における、前記第3配線と前記一方の配線との間の間隔よりも長いことを特徴とする。
このようにすれば、第3配線が透明導電材料よりも導電率が高いメタル材料からなっているので、第2電極を第3配線により実質的に低抵抗化することができる。したがって、第2電極と第1配線との間の容量結合や、第2電極と第2配線との間の容量結合が低減される。また、光検出領域の面方向における第3配線と一方の配線との間隔が、厚み方向における第3配線と一方の配線との間の間隔よりも長いので、第3配線と一方の配線との間の容量結合が格段に小さくなる。
以上のように、本発明によれば一方の配線の容量結合が格段に低減されるので、一方の配線を介して伝達される電気信号にノイズを生じることが格段に低減され、光電変換装置を良好に動作させることができる。
以上のように、本発明によれば一方の配線の容量結合が格段に低減されるので、一方の配線を介して伝達される電気信号にノイズを生じることが格段に低減され、光電変換装置を良好に動作させることができる。
また、前記第2電極が、前記第1配線と前記第2配線とのいずれとも前記厚み方向において重ならない位置に設けられていることが好ましい。
このようにすれば、第1配線と第2電極との間の容量結合と、第2配線と第2電極との間の容量結合とがいずれも低減され、第1、第2配線を介して伝達される電気信号にノイズを生じることが格段に低減される。
このようにすれば、第1配線と第2電極との間の容量結合と、第2配線と第2電極との間の容量結合とがいずれも低減され、第1、第2配線を介して伝達される電気信号にノイズを生じることが格段に低減される。
また、前記一方の配線は、前記第1配線と第2配線とのうちの他方の配線よりも、前記厚み方向において前記第3配線に近い位置に設けられているとよい。この場合には、前記他方の配線と前記第3配線とが互いに略直交する方向に延設されていることが好ましい。
前記のように本発明によれば、一方の配線と第3配線との間の容量結合を格段に低減することができる。前記の構成によれば、他方の配線が一方の配線よりも厚み方向において第3配線から離れているので、他方の配線は厚み方向における第3配線との電位差による影響を一方の配線よりも受けにくい。したがって、一方の配線と第3配線との容量結合と、他方の配線と第3配線との容量結合とがいずれも低減され、一方の配線、他方の配線を介して伝達される電気信号にノイズを生じることが格段に低減される。
また、他方の配線は、厚み方向における第3配線との電位差による影響が一方の配線に比べて小さいので、第3配線と直交する部分における容量結合も小さくなる。よって、他方の配線よりも第3配線に近い位置に配置される配線を第3配線と交差させる構成と比較して容量結合を低減することができる。
本発明のエックス線撮像装置は、前記の本発明の光電変換装置と、入射したエックス線を該エックス線よりも長波長の光に変換して該光を前記光電変換装置に向けて射出する光変換部と、を備えていることを特徴とする。
本発明の光電変換装置によれば高解像度な画像が得られるので、本発明のエックス線撮像装置は高解像度な透視画像が得られる。また、透視画像の解像度をある程度以上に確保しつつエックス線の照射量を減らすことができ、被写体に対するエックス線の負荷を減らすことができる。
本発明の光電変換装置によれば高解像度な画像が得られるので、本発明のエックス線撮像装置は高解像度な透視画像が得られる。また、透視画像の解像度をある程度以上に確保しつつエックス線の照射量を減らすことができ、被写体に対するエックス線の負荷を減らすことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。説明に用いる図面において、特徴的な部分を分かりやすく示すために、図面中の構造の寸法や縮尺を実際の構造に対して異ならせている場合がある。また、実施形態において同様の構成要素については、同じ符号を付して図示し、その詳細な説明を省略する場合がある。
図1は、本実施形態に係るエックス線撮像装置1の概略構成を示す斜視図である。図1に示すようにエックス線撮像装置1は、光電変換装置2とシンチレーター(光変換部)3を含んでいる。光電変換装置2は、本発明の光電変換装置を適用したものである。
光電変換装置2は、略矩形状の光検出領域A1を有している。光検出領域A1は、略矩形状の複数の画素領域A2に区画されている。複数の画素領域A2は、行列状に配置されている。複数の画素領域A2域の各々に、後述する光電変換素子が配置されている。光検出領域A1の一辺に沿う周辺部(額縁)には、複数の第1外部接続端子211が設けられている。第1外部接続端子211は、走査線駆動回路21と接続される。光検出領域A1の他辺に沿う周辺部には、複数の第2外部接続端子221が設けられている。第2外部接続端子221は、データ線駆動回路22と接続される。エックス線撮像装置1は、概略すると以下のように動作する。
例えば、エックス線撮像装置1は医療用機器であり、撮像対象物9は人である。エックス線L1の射出源8から射出されたエックス線L1は、撮像対象物9に入射する。撮像対象物9に入射したエックス線L1の一部は、撮像対象物9で散乱・吸収される。これにより、撮像対象物9を透過したエックス線L2の強度分布は、撮像対象物9の内部組成や内部構造を反映した分布になる。撮像対象物9を透過したエックス線L2は、シンチレーター3に入射する。シンチレーター3は、ヨウ化セシウム(CsI)等からなる膜により構成されており、実際には光電変換装置2の光検出領域A1側に当接して配置されている。シンチレーター3は、入射したエックス線L2をエックス線L2よりも長波長の蛍光L3に変換して射出する。射出された蛍光L3の強度分布は、シンチレーター3に入射するエックス線L2の強度分布を反映した分布になる。
シンチレーター3から射出された蛍光L3は、光電変換装置2の複数の画素領域A2に空間的に分かれて入射する。画素領域A2に入射した光は、この画素領域A2に配置された光電変換素子に電荷を発生させる。この電荷は、読出回路により画素領域A2ごとに読出され、撮像対象物9の透視画像を示すデータになる。
図2は、光電変換装置2の読出回路の構成を示す模式図であり、図3は、画素領域A2の平面構成を拡大して示す平面図である。図3では、図を見やすくするために光電変換装置2のいくつかの構成要素の図示を省いている。
図2に示すように、読出回路は、互いに平行して延在する複数の走査線(第2配線、他方の配線)212を含んでいる、複数の走査線212は、走査線212ごとに第1外部接続端子211と導通接続されている。走査線212と略直交する方向に沿って、複数のデータ線(第1配線、一方の配線)222が延設されている。複数のデータ線222は、データ線222ごとに第2外部接続端子221と導通接続されている。データ222と略平行な方向に沿って、複数のバイアス線(第3配線)23が延設されている。複数のバイアス線23は、図示略のグランドラインに一括して接続されている。
走査線駆動回路21、データ線駆動回路22は、それぞれシフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチ等を含んでいる。走査線駆動回路21、データ線駆動回路22は、ICチップ(図示略)内等に形成されている。ICチップは、第1外部接続端子211、第2外部接続端子221を外部接続端子として実装される。
走査線212とデータ線222とにより区画される領域の各々が画素領域A2になっている。画素領域A2は、例えば50〜100μm角の概略矩形状の領域である。図3に示すように、複数の画素領域A2の各々に、フォトダイオード(光電変換素子)25が配置されている。画素領域A2において走査線212がデータ線222と交差する領域付近には、電界効果トランジスターとしてTFT24が配置されている。
TFT24のゲート電極241は、走査線212と一体に形成されている。走査線212において、画素領域A2に張り出して形成された部分がゲート電極241になっている。TFT24のドレイン領域242は、データ線222において画素領域A2に張り出して形成された部分と導通接続されている。TFT24のソース領域243は、導電部281と導通接続されている。フォトダイオード25の第1電極251は、コンタクトホールH1内に埋め込まれており、コンタクトホールH1内で導電部281と導通接続されている。フォトダイオード25の第2電極252は、バイアス線23と導通接続されている。
本実施形態では、画素領域A2の面方向において、バイアス線23が2つのデータ線222のほぼ中央に配置されている。詳しくは、バイアス線23の幅方向の一端と、1つの画素領域A2に接続されたデータ線222の幅方向の端との間隔d1は、このバイアス線の幅方向の他端と、隣の画素領域A2に接続されたデータ線222の端との間隔d2と略一致している。目安として数値例を挙げると、バイアス線23の線幅は例えば3〜5μm程度であり、間隔d1、d2は、例えば20〜40μm程度である。
本実施形態の第2電極252は、画素領域A2ごとに独立して設けられている。バイアス線23の延在方向に並ぶ複数のフォトダイオード25の第2電極252は、このバイアス線23に一括して導電接続されている。走査線212やデータ線222は、画素領域A2の間に設けられており、第2電極252は、走査線212やデータ線222と平面的に重なり合わないようになっている。これにより、第2電極252と走査線212との間の容量、第2電極252とデータ線222との間の容量が低減される。
フォトダイオード25に蛍光L3が入射すると、フォトダイオード25の光電変換層に電荷が生じる。走査線駆動回路21から走査線212に走査信号が供給されると、この走査線212に接続された複数のTFT24がオンになる。TFT24がオンになると、フォトダイオード25に生じた電荷がTFT24のチャネル領域を通ってデータ線222に流れ、この電流が電気信号としてデータ線駆動回路22に読出される。このように、1つの走査線212に接続された複数のTFT24から電気信号が並行して読出される。
1つの走査線212に対応するTFT24から電気信号が読出された後に、複数のデータ線222は放電されて所定の電位に保持される。複数のデータ線222が所定の電位になった後に、次の走査線212に走査線駆動回路21から走査信号が供給される。同様にして複数のフォトダイオード25に発生した電荷の各々に対応した電気信号が順に読出される。前記のように、走査線212やデータ線222と第2電極252との間の容量が低減されているので、走査線212やデータ線222を通る電気信号に容量に起因するノイズを生じることが低減される。
図4は、図3におけるB−B’線に沿う断面図である。図4に示すように、光電変換装置2は、例えばガラス等からなる基板20を基体として形成されている。基板20は、走査線212に対して配線下地層になっている。基板20上には、TFT24が設けられている。TFT24は、ゲート電極241、ドレイン領域242、ソース領域243、ゲート絶縁膜244、半導体層245を含んでいる。
ゲート電極241は、適宜選択される配線材料、例えばアルミニウム、モリブデン、チタン、銀、タンタル、クロム、タングステン等の単体や合金からなる。本実施形態のゲート電極241は、アルミニウム・モリブデンからなる。ゲート絶縁膜244は、ゲート電極241を覆って、基板20上のほぼ全面に設けられている。ゲート絶縁膜244は、シリコン窒化物やシリコン酸化物等の絶縁材料からなる。ゲート絶縁膜244は、走査線212に対して中間層になっており、データ線222に対して配線下地層になっている。本実施形態のゲート絶縁膜244は、シリコン窒化物等からなり、厚みが200〜500nm程度のものである。
半導体層245は、例えばポリシリコンやアモルファスシリコン等からなる。ドレイン領域242、ソース領域243は、半導体層245上において、互いに離れた位置に設けられている。ドレイン領域242、ソース領域243は、例えば不純物が高濃度に注入されたアモルファスシリコンからなる。半導体層245においてドレイン領域242、ソース領域243間の領域が、チャネル領域として機能する。
ドレイン領域242に接触して、データ線222が設けられている。ソース領域243と接触して、ソース領域243上からゲート絶縁膜244上に連続して導電部281が設けられている。データ線222、導電部281は、例えばアルミニウム・モリブデン等の配線材料からなる。データ線222、導電部281、ゲート絶縁膜244等を覆って、TFT24を保護する第1パッシベーション膜291が設けられている。第1パッシベーション膜291は、基板20のほぼ全面にわたって設けられている。第1パッシベーション膜291は、走査線212、データ線222に対して中間層になっている。第1パッシベーション膜291は、例えばシリコン窒化物からなり、厚みが200nm〜500nm程度のものである。
第1パッシベーション膜291には、導電部281に通じるコンタクトホールH1が設けられている。コンタクトホールH1内と第1パッシベーション膜291上とに連続して、第1電極251が設けられている。第1電極251は、コンタクトホールH1内で導電部281と接触している。第1パッシベーション膜291上に引き出された第1電極251上に、p型の半導体層253、i型の半導体層254、n型の半導体層255が、第1電極251側からこの順に配置されている。半導体層253〜255により、光電変換層が構成されている。光電変換層上には、第2電極252が形成されている。第2電極252は、光の入射側になっており、例えばインジウム錫酸化物(ITO)等の透明導電材料からなっている。
第2電極252の中央部を除いたフォトダイオード25を覆って第2パッシベーション膜292が設けられている。ここでは、第2パッシベーション膜292が基板20上のほぼ全面に設けられている。第2パッシベーション膜292は、走査線212、データ線222に対して中間層になっている。第2パッシベーション膜292は、例えばシリコン窒化物からなり、厚みが200〜500nm程度のものである。
フォトダイオード25の中央部を除いた基板20上のほぼ全面を覆って、平坦化膜293が設けられている。平坦化膜293は、バイアス線23に対して配線下地層になっており、走査線212、データ線222に対して中間層になっている。平坦化膜293は、例えばポリイミド樹脂やアクリル樹脂等の樹脂材料からなり、厚みが1〜5μm程度のものである。
平坦化膜293の間に露出した第2電極252の中央部に接触して、バイアス線23が形成されている。バイアス線23は、画素領域A2の第2電極252上から平坦化膜293上を経て別の画素領域A2上に延設されている。バイアス線23は、平坦化膜293上にて走査線212と立体的に交差している。バイアス線23は、第2電極252よりも導電性が高い配線材料、例えばアルミニウム・モリブデン等のメタル材料からなる。
第2電極252上におけるバイアス線23は、データ線222と厚み方向において間隔d3だけ離れている。目安として数値例を挙げると、間隔d3は、例えば1〜3μm程度である。バイアス線23とデータ線222との面方向における間隔d1、d2は、いずれも間隔d3よりも長くなっている。特に、間隔d1、d2を間隔d3の5倍以上にすれば、バイアス線23とデータ線222との間の結合容量が、データ線222を介して伝達される電気信号にノイズをほとんど生じない程度まで低減される。
平坦化膜293と、平坦化膜293の間に露出したフォトダイオード25と、バイアス線23とを覆って、第3パッシベーション膜294が設けられている。第3パッシベーション膜294が基板20上のほぼ全面に設けられている。第3パッシベーション膜294は、素子層の表層になっている。第3パッシベーション膜294は、例えばシリコン窒化物からなり、厚みが200〜500nm程度のものである。
以上のような構成の光電変換装置2において、バイアス線23は第2電極252よりも導電率が高いメタル材料からなっている。したがって、第2電極252がバイアス線によって低抵抗化され、第2電極252と走査線212との間の容量結合や、第2電極252とデータ線222との間の容量結合が低減される。
第2電極252が画素領域A2ごとに独立しており画素領域A2の間に設けられていない。すなわち、第2電極252と走査線212が重なり合わないので、第2電極252と走査線212との間の容量結合が低減される。第2電極252とデータ線222が重なり合わないので、第2電極252とデータ線222との間の容量結合が低減される。
複数の第2電極252は、バイアス線23に一括して導通接続されており、実質的に共通電極として機能するので、駆動系が複雑になることが回避される。バイアス線23が第2電極252よりも導電率が高い形成材料からなっているので、第2電極がベタ状に形成されてデータ線と平面的に重なる構成よりも、容量結合が低減される。
光検出領域A1の面方向、すなわち画素領域A2の面方向におけるバイアス線23とデータ線との間隔d1、d2が、厚み方向におけるバイアス線23とデータ線222との間の間隔d3よりも長いので、バイアス線23とデータ線222との間の容量結合が格段に低減される。
以上のように光電変換装置2にあっては、データ線222の容量結合が格段に低減されるので、データ線222を介して読出されるデータにノイズ等を生じることが格段に低減される。したがって、フォトダイオード25に発生した電荷量を正確に読出すことができ、高解像度の画像を得ることができる。また、走査線212の結合容量も低減されるので、TFT24に誤作動を生じることが防止され、フォトダイオード25に発生した電荷を正確なタイミングで読出すことができる。
なお、本発明の技術範囲は前記実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。例えば前記実施形態では、データ線222を一方の配線としており、データ線222がバイアス線23と略平行になっているが、走査線212を一方の配線としてもよい。この場合には、走査線212と平行でデータ線222と直交する方向にバイアス線23を延設すればよい。また、フォトダイオード25に生じた電荷を保持する保持容量や、電流を増幅する増幅用TFT等を設けてもよい。
1・・・エックス線撮像装置、2・・・光電変換装置、3・・・シンチレーター、23・・・バイアス線(第3配線)、24・・・TFT(電界効果トランジスター)、25・・・フォトダイオード(光電変換素子)、212・・・走査線(第2配線、他方の配線)、222・・・データ線(第1配線、一方の配線)、241・・・ゲート電極、242・・・ドレイン領域、243・・・ソース領域、251・・・第1電極、252・・・第2電極、A1・・・光検出領域、A2・・・画素領域
Claims (5)
- 複数の画素領域に区画された光検出領域と、
前記複数の画素領域の各々に配置され、第1電極と第2電極との間に配置された光電変換層を有する、光電変換素子と、
前記第1電極と導通接続されたソース領域を有する電界効果トランジスターと、
前記電界効果トランジスターのドレイン領域と導通接続された第1配線と、
前記電界効果トランジスターのゲート電極と導通接続された第2配線と、
前記第2電極と導通接続され、前記第1配線と第2配線とのうちの一方の配線と略平行に延設された第3配線と、を備え、
前記第2電極が、透明導電材料からなり、前記光電変換層に対する光入射側に配置されており、
前記第3配線が、前記透明電極材料よりも導電性が高いメタル材料からなり、
前記光検出領域の面方向における、前記第3配線と前記一方の配線との間隔が、前記面方向に垂直な厚み方向における、前記第3配線と前記一方の配線との間の間隔よりも長いことを特徴とする光電変換装置。 - 前記第2電極が、前記第1配線と前記第2配線とのいずれとも前記厚み方向において重ならない位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記一方の配線は、前記第1配線と第2配線とのうちの他方の配線よりも、前記厚み方向において前記第3配線に近い位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換装置。
- 前記他方の配線と前記第3配線とが互いに略直交する方向に延設されていることを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光電変換装置と、
入射したエックス線を該エックス線よりも長波長の光に変換して該光を前記光電変換装置に向けて射出する光変換部と、を備えていることを特徴とするエックス線撮像装置。
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