JP2010244844A - 電池パック - Google Patents

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Abstract


【課題】 高温状態に放置された場合にも二次電池の過剰な内圧上昇を抑制でき、高温状態が解消された際には再度使用でき、かつ、回路構成が簡単で、必要な部品点数が少ない電池パックを提供すること。
【解決手段】 二次電池1を電池ケース2内に収容してなり、電池ケース2と二次電池1との間に配置された二次電池1の内部の圧力を検出する感圧素子6と、二次電池1もしくは電池パック内の温度を検出する感熱素子5と、二次電池1を放電させる放電回路と、電池パック内の充放電経路を遮断する制御用FETとを備え、放電回路は放電回路を導通させる放電用FETを有し、二次電池1の内部の圧力が所定値以上であるときには充放電経路を遮断してかつ放電回路を導通させ、二次電池1もしくは電池パック内の温度が所定値以上である時には充放電経路を遮断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二次電池を備えた電池パックに関し、特に電池パックのケース内の異常状態を検出して二次電池への充電を停止し、併せて強制的に放電を行う機能を備えた電池パックに関する。
近年、携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器用の電源として非水電解液型二次電池を備えた電池パックが多く用いられている。非水電解液型二次電池を充電する際には、性能劣化の防止並びに安全性の面から、電池電圧が過剰に高くならないように制御される。しかし、非水電解液型二次電池、例えばリチウムイオン電池では、充電電圧を制御するだけでは不十分であり、充電後にリチウムイオン電池内の圧力が異常に上昇することがあるという問題が指摘されてきた。
その原因は、リチウムイオン電池を充電状態として高温雰囲気に放置すると、電解液が分解反応を起こし、それによってガスが発生するためである。このような圧力が異常に上昇する状態は、例えばリチウムイオン電池を電源とした可搬型電子機器を充電状態のまま夏の車中に放置することにより発生することがある。近年のリチウムイオン電池は、小型薄型化が進み、しかも二次電池の外装に耐圧が低いアルミニウムケースやアルミニウムラミネートフィルムを使用しているものがあることから、内圧上昇によって二次電池が膨らみ、最悪の場合には破裂や漏液に至るおそれもある。このような問題を解決するために、二次電池内の異常圧力を検出して保護動作を行う手段を有する電池パックが特許文献1、2、3に記載されている。
図4は、特許文献1に記載されている従来の電池パックの分解斜視図であり、図5は、電池パック内の電気回路を示すブロック図である。図4において、電池ケース22と蓋23との間の内部空間に二次電池1が収容され、二次電池1の外表面には感圧素子6が電池ケース22の内面との間に挟まれて固定されており、二次電池1が内圧上昇によって膨張すると感圧素子6が圧縮されて抵抗値が減少する。図5において、その抵抗値が所定値を下回ると制御IC11によって制御用FET12をOFFとして二次電池1が充電器から切り離されると共に放電用FET8をONとして放電抵抗7と放電用FET8からなる放電回路9によって放電が行われ、二次電池1の電池電圧は徐々に低下する。そして、電池電圧を電解液の分解電圧以下に低下させることで内圧の上昇を抑制することができる。
特開2001−243991号公報 特開2003−197268号公報 特開2006−352998号公報
しかし、リチウムイオン電池は比較的密閉性の高い外装となっているため、一度発生したガスは抜けることは殆ど無い。更に特許文献1の電池パックにおいては、電池電圧が分解電圧以下になった段階で再度二次電池1が充電器に接続される構成としているため、継続的に高温環境下に置かれたままの状態においては再充電によって電池電圧が分解電圧以上となることで再びガスが発生し、更に内圧上昇を招くという課題があった。
また、特許文献2においては、圧力検出手段と温度検出手段とを有し、異常温度および異常圧力を検出した状態が一定時間継続したとき、充電回路を遮断して二次電池を放電させる手段を備える電池パックが提案されているが、充電回路の遮断手段としてヒューズを用いているため、異常状態が解消されても電池パックを再利用できないという課題があった。
また、特許文献3においても、圧力検出手段と温度検出手段とを有し、異常温度および異常圧力を検出した状態が一定時間継続したとき、充電回路を遮断して二次電池を放電させる手段を備える電池パックが提案されており、この電池パックにおいては異常状態が解消された場合、電池パックの再利用が可能である。しかし、圧力検出結果と温度検出結果から必要な保護動作を判断するためのアンド論理回路やオア論理回路、さらには遅延回路等を設ける必要があり、部品点数が多く、回路構成が複雑になってしまうという課題があった。
リチウムイオン二次電池が充電状態において高温、例えば60℃以上の雰囲気に継続的に放置された際にも過剰な内圧上昇を抑制し、電池の損傷に至る事態を未然に防止でき、かつ回路構成が簡単で、部品点数が少なく、またヒューズ等で電流経路を遮断することがなく、高温状態が解消された際には再度使用でき、長期間使用できる電池パックが望まれる。
そこで、本発明の課題は、高温状態に放置された場合にも二次電池の過剰な内圧上昇を抑制でき、高温状態が解消された際には再度使用でき、かつ、回路構成が簡単で、必要な部品点数が少ない電池パックを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による電池パックは、二次電池をケース内に収容してなる電池パックにおいて、前記ケースと前記二次電池との間に配置され、前記二次電池の内部の圧力を検出する圧力検出手段と、前記二次電池もしくは前記電池パック内の温度を検出する温度検出手段と、前記二次電池を放電させる放電回路と、前記電池パック内の充放電経路を遮断する制御スイッチとを備え、前記放電回路は該放電回路を導通させる放電スイッチを有し、前記二次電池の内部の圧力が所定値以上であるときには前記充放電経路を遮断してかつ前記放電回路を導通させ、前記二次電池もしくは前記電池パック内の温度が所定値以上である時には前記充放電経路を遮断することを特徴とする。
ここで、前記温度検出手段は温度により抵抗値が変化する感熱素子であってもよく、この感熱素子は前記二次電池と前記ケースとの間に配置されてもよい。
また、前記二次電池に接続された保護回路基板を有し、前記感熱素子は該保護回路基板上に配置されてもよい。
また、前記感熱素子はPTCサーミスタまたはNTCサーミスタであってもよい。
また、前記感熱素子と直列に接続された分圧抵抗器を有し、前記制御スイッチは前記分圧抵抗器または前記感熱素子に誘起された電圧値に依存して動作するように構成されていてもよい。
本発明の電池パックは、二次電池内に所定値以上の圧力が発生して二次電池に膨れが生じた時には、ケース内に配置された圧力検出手段によりその圧力の異常を検出して制御スイッチにより充放電経路を遮断し、かつ、二次電池に蓄積された電気量を放電回路により強制的に放電させ、更には温度検出手段により二次電池もしくは電池パック内の温度を検出し、その温度が異常な状態にある場合は制御スイッチにより充放電経路を遮断することにより継続的に二次電池への充電を停止することで過剰な内圧上昇を抑制し、電池パックの損傷を排除することができる。また、ヒューズ等で電流経路を遮断することがないので高温状態が解消された際には再度使用できる。また、本発明の電池パックは、圧力の異常時には温度の状態には関係なく充放電経路を遮断して放電回路により強制的に放電させ、温度の異常時には圧力の状態には関係なく充放電経路を遮断するので、従来のようなアンド論理回路やオア論理回路が不要となり、必要な部品点数が少なく回路構成が簡単となる。さらに、温度検出手段として感熱素子を用いてその感熱素子と直列に分圧抵抗器を接続し、制御スイッチをその分圧抵抗器または感熱素子に誘起された電圧値に依存して動作するように構成することにより、さらに簡単な回路構成が得られる。
以上のように、本発明により、高温状態に放置された場合にも二次電池の過剰な内圧上昇を抑制でき、高温状態が解消された際には再度使用でき、かつ、回路構成が簡単で、必要な部品点数が少ない電池パックが得られる。
本発明による第一の実施の形態の電池パックを示す分解斜視図。 第一の実施の形態の電池パック内の電気回路を示すブロック図。 本発明による第二の実施の形態の電池パック内の電気回路を示すブロック図。 従来の電池パックの分解斜視図。 従来の電池パック内の電気回路を示すブロック図。
以下、本発明による電池パックの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明による電池パックの第一の実施の形態の全体構造を分解して示す斜視図であり、図2は、本実施の形態の電池パック内の電気回路を示すブロック図である。図1において、二次電池1は、周知の非水電解液型二次電池であるリチウムイオン電池からなる。また、二次電池1の外装においては、アルミニウム箔をラミネートした耐圧性及び密閉性に優れたものを使用している。
この二次電池1の端部からは正負一対のリード線(図示せず)が導出され、これが二次電池1の端部に設けた制御回路基板4に接続され、この制御回路基板4に設けた安全回路等を介して外部電極10に接続されている。
また、二次電池1の外表面には、圧力検出手段に相当する感圧素子6が固定されている。この感圧素子6は、二次電池1が電池ケース2内に収容された状態で電池ケース2の内面と二次電池1の外面との間に挟まれ、二次電池1が内圧上昇によって膨張すると電池ケース2の内面に押し付けられて圧縮力を受けその抵抗値が変化する。
更に、前記二次電池1の外表面には、圧力検出手段と並んで温度検出手段に相当する感熱素子5が固定されている。この感熱素子5は、二次電池1が電池ケース2内に収容された状態で電池ケース2の内面と二次電池1の外面との間に挟まれ、二次電池1の発熱等の高温環境に晒されることによって受熱する。
また、図2において、二次電池1の正極側のリードが外部電極10の一方に接続され、負極側のリード線が常時はオン状態にされている制御スイッチである制御用FET12を介して他方の外部電極10に接続されている。また、二次電池1のリード線間には放電抵抗7及び放電スイッチである放電用FET8を直列接続してなる放電回路9が設けられ、その放電用FET8は常時オフ状態にあるが、これがオンすることにより二次電池1を放電させることができる。そして、制御用FET12と放電用FET8を制御する制御IC11が設けられ、制御IC11にはリード線間の電圧が供給される。
また、制御IC11から感圧素子6に電圧が印加されている。この制御IC11の1つの出力端子と制御用FET12の制御入力端子との間には二次電池1や環境温度が所定値以上になると抵抗値が急激に増加する正の特性を持った感熱素子5が接続されている。この感熱素子5は、所定値未満の温度状態においては、およそ数〜数10ミリオームの抵抗値である。
さらに、この感熱素子5と直列に分圧抵抗13が接続され、分圧抵抗13の他端が外部電極10に接続されている。このように制御用FET12の制御入力端子は感熱素子5と分圧抵抗13の接続点に接続されているので、分圧抵抗13の両端の電圧値により制御用FET12が動作するように設定されている。制御IC11は、常時、すなわち感圧素子6と感熱素子5の抵抗値が正常な値の時は、放電用FET8をオフ、制御用FET12をオン状態とするような制御電圧を出力している。感圧素子6によって検出した圧力が所定値を上回る異常な値になると放電用FET8および制御用FET12を反転させる。そして二次電池1のリード線間の電圧が例えば4.1Vにまで低下すると、放電用FET8および制御用FET12を再び当初の状態に戻すように構成されている。
本実施の形態の電池パックの動作は次の通りである。電池パック単体、もしくは電池パックを搭載した電気・電子機器が充電器にセットされているとき、通常は制御IC11は制御用FET12に対してはハイレベルの電圧を出力してオンとし、放電用FET8はオフとされており、二次電池1は充電器に接続された状態にある。二次電池1が満充電に至ると、その電圧は4.2V程度に達するが、特に問題は生じない。ここで、万一、電池パック単体、もしくは電池パックを搭載した電気・電子機器が例えば夏の車中に放置される等の高温雰囲気に晒されると、二次電池1も異常な高温度となり、その結果、二次電池1内の電解液が分解反応を起こし、それによってガスが発生することがある。
この場合、二次電池1は密閉状態にあるので内部圧力が高まり、二次電池1は膨張傾向を呈する。すると、二次電池1と電池ケース2との間に挟まれている感圧素子6が圧縮され、その圧力値が上昇するため、その抵抗値の変化が制御IC11に検出されて制御IC11は制御用FET12に対しては出力電圧をローレベルとしてオフとし、かつ、放電用FET8をオンとする。この結果、二次電池1が充電器から切り離されると共に、放電抵抗7及び放電用FET8を直列に接続してなる放電回路9によって放電が行われ、電池電圧は徐々に低下する。そして、電池電圧が電解液の分解電圧(ここで例えば4.1Vとする)以下に低下すると、制御IC11は放電用FET8をオフさせ、制御用FET12に対してはそれをオンさせるようにハイレベルの電圧(この実施形態では例えば4Vとする)を出力する。すると、制御用FET12の制御入力端子には、分圧抵抗13と感熱素子5の抵抗値の比で決まる電圧値が入力される。ここで、例えば、分圧抵抗13の抵抗値を10キロオーム、感熱素子5が常温にあり、その抵抗値を50ミリオームとすると、その比により下記の式で計算される電圧値Vinが入力される。
Vin=(制御IC出力電圧×分圧抵抗値)÷(感熱素子抵抗値+分圧抵抗値)
=(4V×10kΩ)÷(50mΩ+10kΩ)
=3.999[V]
ここで、上記のVinの値は制御用FET12が導通し得るための電圧値(ここでは2.5Vとする)以上であるため、制御用FET12はオンされるように動作する。
しかし、前述のように電池パックが夏の車中に放置される等で所定値(例えば60℃)以上の高温雰囲気に継続的に晒されている場合においては、感熱素子5の抵抗値が大きく増加し、例えばその抵抗値を1メガオームとすると、制御用FET12の制御入力端子の入力電圧は前記と同様に、
Vin=(制御IC出力電圧×分圧抵抗値)÷(感熱素子抵抗値+分圧抵抗値)
=(4V×10kΩ)÷(1MΩ+10kΩ)
=0.0396[V]
と計算され、制御用FET12が導通し得るための入力電圧値以下となるため、高温環境下にある状態から解消し、感熱素子5の抵抗値が下がらない限り、制御用FET12はオフとなり充放電経路は遮断され続ける。
この結果、電池電圧が電解液の分解電圧以下である状態を継続し、かつ高温環境下に晒され続けた場合においても、充電器に接続がなされないため、電解液の分解電圧には至らない。
よって、それ以上の電解液の分解が抑制され、内圧上昇が抑えられるので、電池パックが異常に膨張したり、甚だしくは損傷に至ったりすることを未然に防止することができる。
次に、本発明による電池パックの第二の実施の形態について説明する。本実施の形態の電池パックの構造は、図1に示す第一の実施の形態と同様であるが、用いる感熱素子と電池パック内の電気回路が異なっている。
図3は、本実施の形態の電池パック内の電気回路を示すブロック図である。図3において、二次電池1の正極側のリードが外部電極10の一方に接続され、負極側のリード線が常時はオン状態にされている制御スイッチである制御用FET12を介して他方の外部電極10に接続されている。また、二次電池1のリード線間には放電抵抗7及び放電スイッチである放電用FET8を直列接続してなる放電回路9が設けられ、その放電用FET8は常時オフ状態にあるが、これがオンすることにより二次電池1を放電させることができる。そして、制御用FET12と放電用FET8を制御する制御IC11が設けられ、制御IC11にはリード線間の電圧が供給される。
また、制御IC11から感圧素子6に電圧が印加されている。この制御IC11の1つの出力端子と制御用FET12の制御入力端子との間には分圧抵抗16が接続されている。この分圧抵抗16と直列に二次電池1や環境温度によって抵抗値が直線的に変動する負の特性を持った感熱素子15が接続され、感熱素子15の他端が外部電極10に接続されている。なお、この感熱素子15は20℃の温度状態においては10キロオームの抵抗値であって、例えば、0℃においては、27キロオーム、60℃においては3キロオームといったように、ある負の係数を持った特性を備えたものとする。
このように制御用FET12の制御入力端子は感熱素子15と分圧抵抗16の接続点に接続されているので、感熱素子15の両端の電圧値により制御用FET12が動作するように設定されている。制御IC11は、常時、すなわち感圧素子6と感熱素子15の抵抗値が正常な値の時は、放電用FET8をオフ、制御用FET12をオン状態とするような制御電圧を出力している。感圧素子6によって検出した圧力が所定値を上回る異常な値になると放電用FET8および制御用FET12を反転させる。そして二次電池1のリード線間の電圧が例えば4.1Vにまで低下すると、放電用FET8および制御用FET12を再び当初の状態に戻すように構成されている。なお、感熱素子15の設置場所は第一の実施の形態と同様である。
本実施の形態の電池パックの動作は次の通りである。電池パック単体、もしくは電池パックを搭載した電気・電子機器が充電器にセットされているとき、制御用FET12はオン、放電用FET8はオフされており、二次電池1は充電器に接続された状態にある。ここで、万一、電池パック単体、もしくは電池パックを搭載した電気・電子機器が例えば夏の車中に放置される等の高温雰囲気に晒されると、二次電池1も異常な高温度となり、その結果、二次電池1内の電解液が分解反応を起こし、それによってガスが発生することがあることは前述した通りである。
この場合、二次電池1は密閉状態にあるので内部圧力が高まり、二次電池1は膨張傾向を呈する。すると、二次電池1と電池ケース2との間に挟まれている感圧素子6が圧縮され、その圧力値が上昇するため、これが制御IC11に検出されて制御IC11は制御用FET12をオフとし、かつ、放電用FET8をオンとする。この結果、二次電池1が充電器から切り離されると共に、放電回路9によって放電が行われ、電池電圧は徐々に低下する。そして、電池電圧が電解液の分解電圧(例えば4.1V)以下に低下すると、制御IC11は放電用FET8をオフさせ、制御用FET12をオンさせるようにハイレベルの電圧(例えば4V)を出力する。制御用FET12の制御入力端子には、感熱素子15と分圧抵抗16の抵抗値の比で決まる電圧値が入力される。ここで、例えば、分圧抵抗16の抵抗値を3キロオーム、感熱素子15が常温にあり、その抵抗値を10キロオームとすると、その比により下記の式で計算される電圧値Vinが入力される。
Vin=(制御IC出力電圧×感熱素子抵抗値)÷(感熱素子抵抗値+分圧抵抗値)
=(4V×10kΩ)÷(3kΩ+10kΩ)
=3.077[V]
この入力電圧は制御用FET12が導通し得るための電圧値(2.5V)以上であるため、制御用FET12はオンされるように動作する。
しかし、夏の車中に放置される等で例えば60℃以上の高温雰囲気に継続的に晒されている場合においては、感熱素子15の抵抗値が低下し、例えばその値を2キロオームとすると、制御用FET12の制御入力端子の入力電圧は前記と同様に、
Vin=(制御IC出力電圧×感熱素子抵抗値)÷(感熱素子抵抗値+分圧抵抗値)
=(4V×2kΩ)÷(2kΩ+3kΩ)
=1.6[V]
となり、制御用FET12が導通し得るための電圧値(2.5V)以下であるため、高温環境下にある状態から解消し、感熱素子15の抵抗値が上がらない限り、制御用FET12はオフとなり充放電経路は遮断され続ける。
この結果、電池電圧が電解液の分解電圧以下である状態を継続し、かつ所定値以上の高温環境下に晒され続けた場合においても、充電器に接続がなされないため、電解液の分解電圧には至らない。よって、それ以上の電解液の分解が抑制され、内圧上昇が抑えられるから、電池パックが異常に膨張したり、甚だしくは損傷に至ったりすることを未然に防止することができる。
以上述べたように、上記の実施の形態では二次電池1の内圧が上昇すると、これを感圧素子6が検知して電池電圧を電解液の分解電圧以下まで放電させ、それを維持すると同時に所定の環境温度を超えている際には充電器に再接続しないことから、電池パックが異常に膨張したり、損傷したりすることを確実に防止することができるという効果を奏する。すなわち、高温状態に放置された場合にも二次電池の過剰な内圧上昇を抑制でき、高温状態が解消された際には再度使用でき、また、従来の電池パックに比べて必要な部品点数が少なく回路構成が簡単となる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、圧力検出手段や温度検出手段は上記の実施の形態の感圧素子、感熱素子に限定されるものではなく、また回路構成も変更が可能である。また、次のような実施の形態も可能である。
前記の実施の形態では、電池ケースと二次電池との間に圧力検出手段と温度検出手段を配置する構成を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、温度検出手段を保護回路基板上に配置する構造の電池パックにも本発明を適用することができる。
また、前記の実施の形態では、単一の二次電池を電池ケース内に保護回路等と共に収容した電池パックの構成例を示したが、これに限られるものではく、例えば、複数の二次電池を直列もしくは並列接続した構造の電池パックや、複数の二次電池を直列接続して構成した電池ブロックを並列接続して構成した電池パック、もしくは複数の二次電池を並列接続して構成した電池ブロックを直列接続して構成した構造の電池パックにも本発明を適用することができる。
また、前記の実施の形態では、前記電池ケース2と二次電池1との間に圧力検出手段と温度検出手段を配置する構成を例示したが、これに限られるものではない。例えば、それらの検出手段を複数の二次電池間に配置することができる。
また、本発明は可搬型電子機器に備えられる電池パックに限られるものではなく、例えば、サーバーや家庭用蓄電器等の据え置き型の機器に用いられる電池パックにも適用することができる。
1 二次電池
2,22 電池ケース
3,23 蓋
4,24 制御回路基板
5,15 感熱素子
6 感圧素子
7 放電抵抗
8 放電用FET
9 放電回路
10 外部電極
11 制御IC
12 制御用FET
13,16 分圧抵抗

Claims (6)

  1. 二次電池をケース内に収容してなる電池パックにおいて、前記ケースと前記二次電池との間に配置され、前記二次電池の内部の圧力を検出する圧力検出手段と、前記二次電池もしくは前記電池パック内の温度を検出する温度検出手段と、前記二次電池を放電させる放電回路と、前記電池パック内の充放電経路を遮断する制御スイッチとを備え、前記放電回路は該放電回路を導通させる放電スイッチを有し、前記二次電池の内部の圧力が所定値以上であるときには前記充放電経路を遮断してかつ前記放電回路を導通させ、前記二次電池もしくは前記電池パック内の温度が所定値以上である時には前記充放電経路を遮断することを特徴とする電池パック。
  2. 前記温度検出手段は温度により抵抗値が変化する感熱素子であることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記感熱素子は前記二次電池と前記ケースとの間に配置されることを特徴とする請求項2に記載の電池パック。
  4. 前記二次電池に接続された保護回路基板を有し、前記感熱素子は該保護回路基板上に配置されることを特徴とする請求項2に記載の電池パック。
  5. 前記感熱素子はPTCサーミスタまたはNTCサーミスタであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の電池パック。
  6. 前記感熱素子と直列に接続された分圧抵抗器を有し、前記制御スイッチは前記分圧抵抗器または前記感熱素子に誘起された電圧値に依存して動作するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
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