JP2010243864A - 再撮影像用モアレ解消フィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】低域通過フィルム103と反射防止フィルム101とそれらを固定する固定板102とを有する再撮影像用モアレ解消フィルタ111を構成し、画像モニタ202に装着した。また、画像モニタ202の画面の大きさがN(Nは正の数)型画像モニタである場合には低域通過フィルタ103の特性が、入射した光を拡げる角度を(500/N)度、±30%の角度に設定した。
【選択図】図1
Description
図7(b)に示す画素ピッチは画像モニタの画素ピッチ712とテレビカメラの画素ピッチ722が異なっており、かつ、画素ピッチのズレが解消される画素ピッチの関係が整数倍でなく、ズレが生じているため、周期的なパターンが発生している様子を示している。
これらの問題に対して、従来においてはカメラのフォーカスを甘くする、あるいはモアレが発生しないズームサイズにする等、運用面で対応していた。
また、テレビカメラと画像モニタにおけるモアレについての詳細は後記する。
また、カメラのフォーカスを甘くする、もしくはズームサイズを制限する等の対応以外のモアレ改善方法がスタジオの現場で要望されている。
すなわち請求項1に記載の発明は、画像モニタの映像をテレビカメラで撮影する際の画像モニタの画面に装着してモアレを解消する再撮映像用モアレ解消フィルタであって、前記画像モニタから入射した映像の光を拡げ高周波成分を減少させて出射する低域通過フィルムと、前記低域通過フィルムを固定する支持体と、を有し、前記画像モニタの画面の大きさがN(Nは正の数)型画像モニタである場合には前記低域通過フィルムの特性が、入射した光を拡げる角度を(500/N)度、で求めた角度の±30%の範囲となる角度に設定した。
なお、N型画像モニタとはNインチ型画像モニタの意味であって、以下単にN型画像モニタと表現する。
かかる構成において、前記固定板を光が通過するとともに、前記固定板が前記低域通過フィルムまたは前記反射防止フィルムもしくは前記偏光フィルムを固定し、前記フィルムの形態を安定化する。以上の各構成から全体としてN型の画像モニタ用に適した特性の再撮影像用モアレ解消フィルタとして機能する。
また、再撮影像用モアレ解消フィルタの装着は容易で、画質劣化は殆どないという効果がある。
また、再撮影像用モアレ解消フィルタは光学的なフィルタのため、発光するモニタであるならば、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、液晶モニタ等において広く使用できるという効果がある。
また、PDP、液晶パネルに関係なく、またPCでもTV等の画像モニタの種類にも関係なく、様々な画面の大きさの画像モニタにも対応可能であるという効果がある。
また、カメラをズームイン、ズームアウト、パンしてもモアレの発生はなく、広く使用できるという効果がある。
(第1実施形態)
第1の実施形態を図1を参照して説明する。
図1に示すように、再撮影像用モアレ解消フィルタ111は、画像モニタ202から入射した映像の光を拡げ高周波成分を減少させて出射する低域通過フィルム103と、照明の反射を抑えるための反射防止フィルム101と、低域通過フィルム103と反射防止フィルム101を支持、固定する固定板(支持体)102から構成されている。
また、固定板102は、低域通過フィルム103と反射防止フィルム101との間に配置され、固定板102の画像モニタ202側となる一側面に低域通過フィルム103を支持し、テレビカメラ203側となる他側面に反射防止フィルム101を支持して、低域通過フィルム103および反射防止フィルム101を平坦に保持するものである。この固定板102は、低域通過フィルム103と反射防止フィルム101を固定し、形態を安定化できる板厚で、光を透過することができる素材で形成されている。また、固定板102は、例えば低域通過フィルム103および反射防止フィルム101とほぼ同じ大きさで、平板状の透明なアクリル板から形成されている。
再撮影像用モアレ解消フィルタ111を実際に使用する方法を図2に示す。
図2において、再撮影像用モアレ解消フィルタ111は画像モニタ202の画面の表面にフィルタ外枠210を介して取り付けられる。再撮影像用モアレ解消フィルタ111が画像モニタ202に取り付けられると、再撮影像用モアレ解消フィルタ111面と画像モニタ202面は密着した状態となるように構成されている。このとき、テレビカメラ203から「再撮」を行なってもモアレは発生しない。
前記したように異なる周期の縞模様、もしくはそれと同様の光学的な周波数成分が干渉し合うことがモアレ発生の原因となる。
以上においてはテレビカメラ側の画素ピッチと画像モニタ側の画素ピッチとの互いの関係から起こりうる現象を記してきたが、画像モニタ側で対処できる再撮影像用モアレ解消フィルタ111を用いた手法を次に説明する。
したがって、この高周波成分を適切に除去してやれば、通常の風景、光景の画像とほぼ同等になり、モアレは発生しない。この画素ピッチに相関のある高周波成分を取り除くために光学的な低域通過フィルムをとりつける。以上が本発明の実施形態に係る再撮影像用モアレ解消フィルタ111の基本的な役目である。
したがって、図1における低域通過フィルム103において、画像モニタ202からの光学的映像の入射した光を拡げ、モアレの発生条件を意図的に除去すればよい。あるいは低域通過フィルム103において、光の高周波成分を除去すればよい。
例えば、50型(インチ)〜40型(インチ)程度の画像モニタの場合には、再撮影像用モアレ解消フィルタ111を構成している低域通過フィルム103の入射した光を拡げる特性の角度が約10度付近(7度〜13度の範囲)において、モアレ(干渉縞)が出現しないことが、実験的に確認されている。
また、16型画像モニタの画面の形状として横343mm×縦193mm、また映像の横方向が1366画素で、縦方向が768ラインとする。このとき、水平方向は3.98画素/mm(0.251mm/画素)であり、垂直方向は3.98ライン/mm(0.251mm/ライン)である。
なお、前記50型画像モニタはPDP(Plasma Display Panel)の例であり、また、前記16型画像モニタは液晶パネルの例である。液晶パネルはPDPより高密度の画素の製作に向いているため、前記16型画像モニタの横方向の画素数は1366と、前記50型画像モニタの横方向の画素数の1280と異なり、かつ上回っているが、以下の説明において、本質的に重要なのは画素密度であるので、上記の例で説明を続ける。
また、前記50型画像モニタの垂直方向でのライン密度は1.24ライン/mmであり、前記16型画像モニタの垂直方向での3.98ライン/mmであるので、16型画像モニタの方が50型画像モニタに比較して、3.22倍も高い。
なお、垂直方向においてはライン(数)と表現しているが、垂直方向における映像画素を決める要因であるので、実質的に画素(数)と考えることにする。
このように考えると、前記16型画像モニタは前記50型画像モニタに比較して、画素密度は、水平方向で3.44倍、垂直方向で3.22倍高い。
したがって、画像モニタの画面の大きさによって画素ピッチが密集すると、それに比例して低域通過フィルム103の光を拡げる特性あるいは低域通過特性を変える必要があることを意味している。
また、前記したように50型の画像モニタに用いる再撮影像用モアレ解消フィルタ111a(111)の低域通過フィルム103a(103)のほぼ最適な光を拡げる特性の角度は約10度であるので、一般のN型(Nインチ)画像モニタ用の再撮影像用モアレ解消フィルタの光を拡げる特性の最適な角度は50インチモニタを基準としてNインチモニタにおいては画面の大きさに反比例するので、最適な角度の大きさθはほぼ
θ=10×(50/N)
=500/N
と表現される。なお単位は角度の[度]である。
なお、モアレを解消できる光の角度には範囲があることが、実験的にも分っており、500/Nで算出した角度に対して±30%の特性の範囲により解消されるものである。また最適な範囲としては、500/Nで算出した角度の±15%の範囲である。光の角度が(500/N)±30%を越えると再撮するときに映像が次第に不明確となってしまう。
第2の実施形態を図4を参照して説明する。
図4に示すように、再撮影像用モアレ解消フィルタ411は、画像モニタ202から入射した映像の光を拡げ高周波成分を減少させて出射する低域通過フィルム103と、照明の反射を抑えるための反射防止フィルム101と、乱反射を抑制するための反射防止フィルム404と、反射防止フィルム101と404および低域通過フィルム103を支持、固定する固定板(支持体)102と、から構成されている。
ここで、低域通過フィルム103と反射防止フィルム101と固定板102およびフィルタ外枠210は、それぞれ第1の実施形態における低域通過フィルム103と反射防止フィルム101と固定板102およびフィルム外枠210に対応しており同様の機能を有しているので、その説明は省略する。
第3の実施形態を図5を参照して説明する。
図5に示すように、再撮影像用モアレ解消フィルタ511は、画像モニタ202から入射した映像の光を拡げ高周波成分を減少させて出射する低域通過フィルム103と、照明の反射を抑えるための反射防止フィルム101と、乱反射を抑制するための偏光フィルム505と、反射防止フィルム101と偏光フィルム505と低域通過フィルム103を支持、固定する固定板(支持体)102と、から構成されている。
ここで、低域通過フィルム103と反射防止フィルム101と固定板102とおよびフィルム外枠210は、それぞれ第2の実施形態における低域通過フィルム103と反射防止フィルム101と固定板102とおよびフィルム外枠210に対応しており同様の機能を有している。
偏光フィルム505は第2の実施形態における反射防止フィルム404に置き換わったものである。ただし、機能として、偏光フィルム505は外部からの照明が低域通過フィルム103により乱反射するのを抑える役目をしていて、第2の実施形態における反射防止フィルム404とほぼ同様のものである。そのため説明は省略する。
なお、反射防止フィルム101は前記したように外部照明が入射して映像を擾乱するのを防止しているので、TVスタジオなどで外部照明が強く当たるような過酷な環境でない場合においては、構成要素として不要となる。
本発明は前記の各実施形態に限定されるものではない。
例えば、図1においては、再撮影像用モアレ解消フィルタ111をテレビカメラ203側から順に、反射防止フィルム101、固定板102、低域通過フィルム103の構成を示したが、テレビカメラ203側から順に、低域通過フィルム103、固定板102、反射防止フィルム101の構成でもよい。
また、固定板102では板と枠は別々に成形し、後で組み立てる例をとっていたが、固定板102は図1に示したフィルタ外枠210と一体成型されたものでもよい。
なお、画像モニタ202や再撮影像用モアレ解消フィルタ111の大きさ、形状により、留め具602に示すような小型の留め具で充分に機能を果たす場合もある。これらの止め具601、602で画像モニタ202に再撮影像用モアレ解消フィルタ111が取り付けられたとき、再撮影像用モアレ解消フィルタ111面と画像モニタ202面とが当接する状態となる。
また、一般家庭や業務用としても、大画面のモニタやハンディカメラが広く普及していくなかで、放送局以外においても「再撮」の機会が増大し、家庭用や業務用としてモニタに使用されていく可能性がある。
103 低域通過フィルム
102 固定板(支持体)
111、411、511 再撮映像用モアレ解消フィルタ
505 偏光フィルム
202 画像モニタ
203 テレビカメラ
210 フィルタ外枠
601、602 留め具
711、712 画像モニタの画素ピッチ
721、722 テレビカメラの画素ピッチ
Claims (4)
- 画像モニタの映像をテレビカメラで撮影する際の画像モニタの画面に装着してモアレを解消する再撮映像用モアレ解消フィルタであって、
前記画像モニタから入射した映像の光を拡げ高周波成分を減少させて出射する低域通過フィルムと、前記低域通過フィルムを固定する支持体と、を有し、
前記画像モニタの画面の大きさがN(Nは正の数)型画像モニタである場合には前記低域通過フィルムの特性が、入射した光を拡げる角度を(500/N)度、で求めた角度の±30%の範囲となる角度に設定した、ことを特徴とする再撮影像用モアレ解消フィルタ。 - 画像モニタの映像をテレビカメラで撮影する際の画像モニタの画面に装着してモアレを解消する再撮映像用モアレ解消フィルタであって、
前記画像モニタから入射した映像の光を拡げ高周波成分を減少させて出射する低域通過フィルムと、照明の反射を抑えるための反射防止フィルムと、前記低域通過フィルムと前記反射防止フィルムを固定する支持体と、を有し、
前記画像モニタの画面の大きさがN(Nは正の数)型画像モニタである場合には前記低域通過フィルムの特性が、入射した光を拡げる角度を(500/N)度、で求めた角度の±30%の範囲となる角度に設定した、ことを特徴とする再撮影像用モアレ解消フィルタ。 - 画像モニタの映像をテレビカメラで撮影する際の画像モニタの画面に装着してモアレを解消する再撮映像用モアレ解消フィルタであって、
前記画像モニタから入射した映像の光を拡げ高周波成分を減少させて出射する低域通過フィルムと、乱反射を抑制するための偏光フィルムと、前記低域通過フィルムと前記偏光フィルムを固定する支持体と、を有し、
前記画像モニタの画面の大きさがN(Nは正の数)型画像モニタである場合には前記低域通過フィルムの特性が、入射した光を拡げる角度を(500/N)度、で求めた角度の±30%の範囲となる角度に設定した、ことを特徴とする再撮影像用モアレ解消フィルタ。 - 画像モニタの映像をテレビカメラで撮影する際の画像モニタの画面に装着してモアレを解消する再撮映像用モアレ解消フィルタであって、
前記画像モニタから入射した映像の光を拡げ高周波成分を減少させて出射する低域通過フィルムと、照明の反射を抑えるための反射防止フィルムと、乱反射を抑制するための偏光フィルムと、前記低域通過フィルムと前記反射防止フィルムと前記偏光フィルムを固定する支持体と、を有し、
前記画像モニタの画面の大きさがN(Nは正の数)型画像モニタである場合には前記低域通過フィルムの特性が、入射した光を拡げる角度を(500/N)度、で求めた角度の±30%の範囲となる角度に設定した、ことを特徴とする再撮影像用モアレ解消フィルタ。
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