JP2010242861A - 車載無段変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無段変速機を搭載した車両にあって、内燃機関の最大吸気量が減少した状態においても車両走行性能の低下を抑制することのできる車載無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】ECU31は、吸気量を調量するリフト量可変機構19の吸気バルブの最大リフト量が所定リフト量(異常時最大リフト量)以上とならない異常が生じたとき、その異常に起因する機関トルクの低下を抑制すべく、異常時最大リフト量が小さいときほど低い値に設定される上限回転速度にてCVT23の入力軸回転速度Ninが制限されるようにその変速比を制御するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】ECU31は、吸気量を調量するリフト量可変機構19の吸気バルブの最大リフト量が所定リフト量(異常時最大リフト量)以上とならない異常が生じたとき、その異常に起因する機関トルクの低下を抑制すべく、異常時最大リフト量が小さいときほど低い値に設定される上限回転速度にてCVT23の入力軸回転速度Ninが制限されるようにその変速比を制御するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、変速比を連続的に変更可能な車載無段変速機の制御装置に関する。
従来、車両に搭載される無段変速機では、例えば特許文献1に記載されるように、その変速比をアクセル開度と車速とに基づいて決定するようにしている。具体的には、図6に示すように、無段変速機の変速比は、アクセル開度が小さい場合には、例えば同図に示す変速線Aに沿って変化する一方、アクセル開度が大きい場合には、例えば同図に示す変速線Bに沿って変化する。なお、図6の縦軸は無段変速機の入力軸回転速度であり、機関回転速度とほぼ一致する。
また、同図に示すように、アクセル開度の大小に関わらず、車速がある程度上昇した後は、無段変速機の入力軸回転速度はあまり変化せず、その変速比が変化することで車速が更に上昇するようになる。すなわち、無段変速機を搭載する車両では、入力軸回転速度、換言すれば機関回転速度をほぼ一定に維持した状態で、変速比の変更を通じて車速を上昇させることができる。
ところで、こうした無段変速機を搭載した車両も含め、一般の車両では内燃機関の運転状態に基づいて吸気量を制御するようにしている。例えば、特許文献2に記載されるように、吸気バルブの最大リフト量を可変とするリフト量可変機構を備えた内燃機関にあっては、そのときの機関運転状態に応じた吸気量となるように最大リフト量が制御される。ここで、リフト量可変機構の異常により、その最大リフト量が所定リフト量以上にならなくなった場合には、吸気量の最大値(最大吸気量)が減少してしまうようになる。このように最大吸気量が減少した状態では、図7に一点鎖線で示すように、機関回転速度の上昇に伴って吸気量が不足気味となり、同図に実線で示す正常な状態と比べて機関トルクが低下するようになる。特に機関回転速度の高い領域では、こうした傾向が一層顕著なものとなる。この結果、運転者がアクセルペダルを踏み込んでも、車速が上昇しない又は失速する等、車両走行性能が低下する虞があり、この点においてなお改善の余地があった。
なお、このような問題は、リフト量可変機構により吸気量を調量するようにした内燃機関に限らず、例えばモータによりその開度を変更可能なスロットルバルブ等、その他の吸気調量機構を有する内燃機関において、同吸気調量機構の異常により、最大吸気量が減少した場合においても同様に発生し得る。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、無段変速機を搭載した車両にあって、内燃機関の最大吸気量が減少した状態においても車両走行性能の低下を抑制することのできる車載無段変速機の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、変速比を連続的に変更可能な車載無段変速機の制御装置において、内燃機関の吸気量を調量する吸気調量機構の調量開度が所定開度以上とならない異常が生じたとき、その異常に起因する機関トルクの低下を抑制すべく、前記所定開度が小さいときほど低い値に設定される上限回転速度にて前記車載無段変速機の入力軸回転速度が制限されるようにその変速比を制御することを要旨とする。
請求項1に記載の発明は、変速比を連続的に変更可能な車載無段変速機の制御装置において、内燃機関の吸気量を調量する吸気調量機構の調量開度が所定開度以上とならない異常が生じたとき、その異常に起因する機関トルクの低下を抑制すべく、前記所定開度が小さいときほど低い値に設定される上限回転速度にて前記車載無段変速機の入力軸回転速度が制限されるようにその変速比を制御することを要旨とする。
吸気調量機構の調量開度が所定開度以上とならない異常が生じると、最大吸気量が減少するため、機関回転速度の上昇に伴って機関トルクの低下が顕著になる。この点、請求項1に記載の発明によれば、所定開度が小さいときほど低い値に設定される上限回転速度にて無段変速機の入力軸回転速度を制限し、これにより機関回転速度を制限するようにしているため、吸気量の不足に起因する機関トルクの低下が顕著にならない回転領域で内燃機関を運転させることができる。この結果、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合に機関トルクが大幅に低下して車速が上昇しない又は失速するといった事態を回避することができ、車両走行性能の低下を抑制することができるようになる。
なお、例えばリフト量可変機構を通じて吸気バルブの最大リフト量を変更することにより吸気量を調量するようにした内燃機関ではその最大リフト量が「吸気調量機構の調量開度」に相当し、スロットルバルブの開度を変更することにより吸気量を調量するようにした内燃機関ではそのスロットル開度が上記「吸気調量機構の調量開度」に相当する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載無段変速機の制御装置において、前記調量開度を前記所定開度とした状況のもとで機関トルクを最大にすることのできる前記入力軸回転速度を前記上限回転速度として設定することを要旨とする。
上記構成によれば、吸気調量機構の異常により最大吸気量が減少した場合であっても、その減少した最大吸気量で機関トルクを最大にすることのできる回転領域で内燃機関を運転させることが可能になり、車両走行性能の低下を最小限に抑えることができる。
なお、請求項1又は請求項2に記載の発明における吸気調量機構としては、内燃機関の吸気通路に設けられるスロットルバルブの他、請求項3に記載されるように吸気バルブの最大リフト量を変更するリフト量可変機構を挙げることができる。
以下、本発明かかる無段変速機の制御装置を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、内燃機関1のクランクシャフト11はトルクコンバータ21に接続されるとともに、同トルクコンバータ21の出力軸は、遊星歯車機構22の入力軸に接続されている。この遊星歯車機構22によって、車両の前進及び後退が切り替えられる。
図1に示すように、内燃機関1のクランクシャフト11はトルクコンバータ21に接続されるとともに、同トルクコンバータ21の出力軸は、遊星歯車機構22の入力軸に接続されている。この遊星歯車機構22によって、車両の前進及び後退が切り替えられる。
また、遊星歯車機構22の出力軸は、無段変速機(以下、CVTという)23の入力軸25に接続されており、同CVT23の出力軸26は車両の駆動輪に接続されている。このCVT23は、入力軸25と一体回転する第1プーリ23aと、出力軸26と一体回転する第2プーリ23bと、第1プーリ23aの回転力を第2プーリ23bに伝達するベルト23cとを備えている。なお、第1プーリ23a及び第2プーリ23bのプーリ幅が連続的に変更されることにより、上記入力軸25の回転速度(以下、入力軸回転速度Nin)に対する出力軸26の回転速度(以下、出力軸回転速度Nout)の比(Nin/Nout)、すなわち変速比Rが連続的に変更される。なお、第1プーリ23a及び第2プーリ23bは、油圧制御回路27による油圧制御を通じてそれぞれのプーリ幅が制御される。なお、車両の発進時や低速走行時以外は、図示しないクラッチ機構によるロックアップが実行されてCVT23の入力軸25と内燃機関1のクランクシャフト11とが一体回転可能に連結されるため、入力軸回転速度Ninと機関回転速度NEとはほぼ一致するようになる。
次に、内燃機関1の構成について図2を参照して説明する。
内燃機関1の吸気通路2には、スロットルバルブ3及びスロットルモータ4が設けられている。燃焼室5には、吸気通路2を通じて空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁7から噴射された燃料が同燃焼室5に供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ8による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン9が往復移動し、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト11が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室5から排気通路12に送り出される。
内燃機関1の吸気通路2には、スロットルバルブ3及びスロットルモータ4が設けられている。燃焼室5には、吸気通路2を通じて空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁7から噴射された燃料が同燃焼室5に供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ8による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン9が往復移動し、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト11が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室5から排気通路12に送り出される。
この内燃機関1において、燃焼室5と吸気通路2とは吸気バルブ14の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室5と排気通路12とは排気バルブ15の開閉動作によって連通・遮断される。そして、これら吸気バルブ14及び排気バルブ15は、クランクシャフト11の回転が伝達される吸気カムシャフト16及び排気カムシャフト17の回転に伴い開閉駆動される。また、内燃機関1は、電動モータ18により駆動されて吸気バルブ14の最大リフト量VL及び作用角を連続的に変更するリフト量可変機構19を備えている。
こうした内燃機関1やCVT23等の各種制御は、電子制御装置(以下、ECUという)31によって行われる。ECU31は、内燃機関1及びCVT23の制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部からの信号を入力するための入力ポート及び外部に信号を出力するための出力ポート等を備えて構成されている。
図1及び図2に示すように、ECU31の入力ポートには、内燃機関1やCVT23に設けられた各種センサからの検出信号が入力される。各種センサとしては、アクセルペダル33の踏み込み量であるアクセル開度ACCPを検出するアクセルセンサ35、電動モータ18の駆動量の検出を通じて最大リフト量VLを検出するリフト量センサ37、及びスロットルバルブ3の開度であるスロットル開度TAを検出するスロットルポジションセンサ38が挙げられる。更に、各種センサとしては、CVT23の入力軸回転速度Ninを検出する回転速度センサ39、機関回転速度NEの算出等のためにクランクシャフト11の回転信号を出力するクランクポジションセンサ41、車両の車速SPDを検出する車速センサ42等が挙げられる。そして、ECU31は、上記各種センサの出力信号に基づいて内燃機関1及びCVT23の運転状態を検出し、その検出された運転状態に応じて各種制御を行う。
例えば、ECU31は、リフト量可変機構19の駆動による最大リフト量VLの可変制御を実行する。そして、この制御を通じて燃焼室5に吸入される空気量(吸気量)が調節される。具体的には、ECU31は、アクセル開度ACCPが大きくなるほど、上記最大リフト量VLを大きくし、吸気量を増大させる。このように本実施形態では、リフト量可変機構19が吸気量を調量する吸気調量機構に相当し、最大リフト量VLが吸気調量機構の調量開度に相当する。
また、ECU31は、アクセル開度ACCPと車速SPDとに基づいてCVT23の変速比Rの制御を実行する。具体的には、変速比Rは、アクセル開度ACCPが小さい場合には、例えば図6に示す変速線Aに沿って変化する一方、アクセル開度ACCPが大きい場合には、例えば同図に示す変速線Bに沿って変化する。また、同図に示すように、アクセル開度ACCPの大小に関わらず、車速SPDがある程度上昇した後は、CVT23の入力軸回転速度Ninはあまり変化せず、その変速比Rが変化することで車速SPDが更に上昇するようになる。
ところで上述したように、リフト量可変機構19の異常により、吸気バルブ14の最大リフト量VLが所定リフト量以上にならなくなると、吸気量の最大値(最大吸気量)が減少し、機関回転速度の上昇に伴って機関トルクが低下するようになる。この結果、運転者がアクセルペダル33を踏み込んでも車速SPDが上昇しない又は失速する等、車両走行性能が低下する虞がある。
そこで、本実施形態では、その異常に起因する機関トルクの低下を抑制すべく、異常時における吸気バルブ14のリフト可能な最大値(以下、「異常時最大リフト量VLr」という)に基づいて設定される上限回転速度Nlimにて入力軸回転速度Ninが制限されるようにその変速比Rを制御するようにしている。なお、リフト量可変機構19の異常の発生については、例えば最大リフト量VLの制御に際して、例えばリフト量センサ37により検出される実際の最大リフト量VLの値が、アクセル開度ACCP等に基づいて定められる目標リフト量よりも小さな値までしか上昇しない場合等に、リフト量可変機構19に異常が発生したと検出する。そして、このときの最大リフト量VLが異常時最大リフト量VLrとされる。
また、上限回転速度Nlimは、異常時最大リフト量VLrが小さいときほど低い値に設定される。より具体的には、最大リフト量VLを異常時最大リフト量VLrとした状況のもとで機関トルクを最大にすることのできる入力軸回転速度Ninが上限回転速度Nlimとして設定される。なお、ECU31のROMには、図3に示すように、異常時最大リフト量VLrと上限回転速度Nlimの関係を示すマップが記憶されており、同マップを参照することで上限回転速度Nlimが算出される。
そして、ECU31は、入力軸回転速度Ninが上限回転速度Nlimに一致させるようにCVT23の変速比Rを制御する。ここで、リフト量可変機構19の異常時における具体的な変速比制御について、図4に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。なお、同図のフローチャートに示される一連の処理は、リフト量可変機構19の異常が検出された場合に、ECU31によって所定周期毎に繰り返し実行される。
先ず、本処理が開始されるとまず、上記各センサ類の検出信号を通じて各種状態量(アクセル開度ACCP、車速SPD等)が読み込まれ(ステップS1)、次に図6に示す変速線図を参照してアクセル開度ACCP及び車速SPDに応じた目標変速比Rpが算出される(ステップ2)。続いて、CVT23の変速比Rを目標変速比Rpとした場合の推定入力軸回転速度Nineが算出され(ステップS3)、同推定入力軸回転速度Nineが上限回転速度Nlimよりも大きいか否かが判定される(ステップS4)。
ここで、例えばアクセル開度ACCPが小さく、推定入力軸回転速度Nineが上限回転速度Nlim以下の場合には(ステップS4:NO)、CVT23の変速比Rが目標変速比Rpとなるように第1プーリ23a及び第2プーリ23bの各プーリ幅が変更される(ステップS5)。
一方、例えばアクセル開度ACCPが大きく、推定入力軸回転速度Nineが上限回転速度Nlimよりも高い場合には(ステップS4:YES)、現在の車速SPDに応じて、入力軸回転速度Ninを上限回転速度Nlimに一致させることのできる異常時目標変速比Rpaを算出する(ステップS6)。そして、CVT23の変速比Rがこの異常時目標変速比Rpaとなるように第1プーリ23a及び第2プーリ23bの各プーリ幅が変更される(ステップS7)。
次に、上述した変速比制御が実行された場合における、アクセル開度ACCP、最大リフト量VL、入力軸回転速度Nin、及び車速SPDの各推移の一例について図5を参照して説明する。
先ず、正常時においては、図5(a)に示すようにアクセル開度ACCPが増大すると、これに伴って同図(b)に実線で示すように吸気バルブ14の最大リフト量VLも増大し、最大リフト量VLがリフト量可変機構19の機構上の限界量VLmaxになる。このとき、変速比Rは上述したようにアクセル開度ACCP及び車速SPDに基づいて変更され、同図(c)に実線で示すように入力軸回転速度Ninが上昇するとともに、同図(d)に実線で示すようにアクセル開度ACCPの増大、換言すれば運転者の加速要求に応じて車速SPDが増大するようになる。
一方、吸気バルブ14の最大リフト量VLが異常時最大リフト量VLr以上とならない異常が生じたときでも、同図(b)に一点鎖線で示すように最大リフト量VLが異常時最大リフト量VLrとなるまでは(時刻t1)、アクセル開度ACCPの増大に応じて最大リフト量VLも増大する。この時刻t1までは、リフト量可変機構19に異常が発生していない正常時と同様に、最大リフト量VLが増大することで内燃機関1の吸気量が確保されるため、同図(d)に実線で示すように、アクセル開度ACCPの増大に応じて車速SPDが上昇する。
そして、同図(c)に一点鎖線で示すように時刻t1を過ぎて入力軸回転速度Ninが上限回転速度Nlimになると(時刻t2)、それ以降は上述したようにして入力軸回転速度Nin、換言すれば機関回転速度NEがそれ以上上昇しないように変速比Rが制御される。このため、吸気バルブ14の最大リフト量VLが異常時最大リフト量VLr以上にならず、最大吸気量が減少した状態でも、機関トルクを減少させずに一定の状態に維持できる。このため、入力軸回転速度Ninが上限回転速度Nlim以上になって機関トルクが低下し、同図(e)に二点鎖線で示すように、車速SPDが上昇しない又は失速することを回避し、同図に一点鎖線で示すように車速SPDを除々に上昇させることができる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態では、吸気バルブ14の最大リフト量VLが異常時最大リフト量VLr以上とならない異常が生じたとき、異常時最大リフト量VLrが小さいときほど低い値に設定される上限回転速度NlimにてCVT23の入力軸回転速度Nin、換言すれば機関回転速度NEが制限されるように無段変速機23の変速比Rを制御するようにした。従って、吸気量の不足に起因する機関トルクの低下が顕著にならない回転領域で内燃機関1を運転させることができるようになる。この結果、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合に機関トルクが大幅に低下して車速が上昇しない又は失速するといった事態を回避することができ、車両走行性能の低下を抑制することができるようになる。
(1)本実施形態では、吸気バルブ14の最大リフト量VLが異常時最大リフト量VLr以上とならない異常が生じたとき、異常時最大リフト量VLrが小さいときほど低い値に設定される上限回転速度NlimにてCVT23の入力軸回転速度Nin、換言すれば機関回転速度NEが制限されるように無段変速機23の変速比Rを制御するようにした。従って、吸気量の不足に起因する機関トルクの低下が顕著にならない回転領域で内燃機関1を運転させることができるようになる。この結果、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合に機関トルクが大幅に低下して車速が上昇しない又は失速するといった事態を回避することができ、車両走行性能の低下を抑制することができるようになる。
(2)最大リフト量VLを異常時最大リフト量VLrとした状況のもとで機関トルクを最大にすることのできる入力軸回転速度Ninを上限回転速度Nlimとして設定するようにした。そのため、リフト量可変機構19の異常により最大吸気量が減少した場合であっても、その減少した最大吸気量で機関トルクを最大とすることのできる回転領域で内燃機関1を運転させることが可能になり、車両走行性能の低下を最小限にすることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、最大リフト量VLを異常時最大リフト量VLrとした状況のもとで機関トルクを最大にすることのできる入力軸回転速度Ninを上限回転速度Nlimとして設定するようにしたが、これに限らず、最大リフト量VLを異常時最大リフト量VLrとした状況のもとで機関トルクの著しい低下が生じない範囲の値に上限回転速度Nlimを設定することもできる。この場合であっても、上記(1)に記載した作用効果を奏することはできる。
・上記実施形態では、最大リフト量VLを異常時最大リフト量VLrとした状況のもとで機関トルクを最大にすることのできる入力軸回転速度Ninを上限回転速度Nlimとして設定するようにしたが、これに限らず、最大リフト量VLを異常時最大リフト量VLrとした状況のもとで機関トルクの著しい低下が生じない範囲の値に上限回転速度Nlimを設定することもできる。この場合であっても、上記(1)に記載した作用効果を奏することはできる。
・上記実施形態では、内燃機関1の吸気量を調量する吸気調量機構として、リフト量可変機構19を採用したが、これに限らず、吸気通路2に設けたスロットルバルブ3及びスロットルモータ4を吸気調量機構とし、これにより吸気量を調量するようにしてもよい。なお、この場合には、スロットル開度TAが吸気調量機構の調量開度に相当する。
・上記実施形態では、本発明をベルト式の無段変速機23に適用したが、これに限らず、トロイダル式の無段変速機に適用してもよい。
1…内燃機関、2…吸気通路、3…スロットルバルブ、4…スロットルモータ、5…燃焼室、7…燃料噴射弁、8…点火プラグ、9…ピストン、11…クランクシャフト、12…排気通路、14…吸気バルブ、15…排気バルブ、16…吸気カムシャフト、17…排気カムシャフト、18…電動モータ、19…リフト量可変機構、21…トルクコンバータ、22…遊星歯車機構、23…CVT(無段変速機)、23a…第1プーリ、23b…第2プーリ、23c…ベルト、25…入力軸、26…出力軸、27…油圧制御回路、31…ECU(電子制御装置)、33…アクセルペダル、35…アクセルセンサ、37…リフト量センサ、38…スロットルポジションセンサ、39…回転速度センサ、41…クランクポジションセンサ、42…車速センサ。
Claims (3)
- 変速比を連続的に変更可能な車載無段変速機の制御装置において、
内燃機関の吸気量を調量する吸気調量機構の調量開度が所定開度以上とならない異常が生じたとき、その異常に起因する機関トルクの低下を抑制すべく、前記所定開度が小さいときほど低い値に設定される上限回転速度にて前記車載無段変速機の入力軸回転速度が制限されるようにその変速比を制御する
ことを特徴とする車載無段変速機の制御装置。 - 請求項1に記載の車載無段変速機の制御装置において、
前記調量開度を前記所定開度とした状況のもとで機関トルクを最大にすることのできる前記入力軸回転速度を前記上限回転速度として設定する
ことを特徴とする車載無段変速機の制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車載無段変速機の制御装置において、
前記吸気調量機構は、前記内燃機関の吸気バルブについてその最大リフト量を変更することにより吸気量を調量するリフト量可変機構である
ことを特徴とする車載無段変速機の制御装置。
Priority Applications (1)
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