JP2010242833A - 真空断熱材、断熱箱および真空断熱材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱性能の低下を抑制しつつ樹脂繊維の芯材の厚みを厚くすることができる樹脂繊維を芯材とした真空断熱材、断熱箱および真空断熱材の製造方法を提供する。
【解決手段】真空断熱材21の製造方法は、積層した樹脂繊維1を真空密封した真空断熱材21の製造方法において、樹脂繊維1を吐出部7から吐出する工程と、吐出部7から吐出された樹脂繊維1を積層するための繊維積層ステージ5の上面上に、樹脂繊維1で形成された複数のループ部11を有し、かつループ部11同士がループ部11の回転面に平行成分のある方向にずれたつるまき線部12を複数積層して樹脂繊維1を積層する工程とを備え、樹脂繊維1を積層する工程は、吐出部7と繊維積層ステージ5とを互いに相対的に往復運動させて、繊維積層ステージ5の上面上に樹脂繊維1を積層する工程を含んでいる。
【選択図】図1
【解決手段】真空断熱材21の製造方法は、積層した樹脂繊維1を真空密封した真空断熱材21の製造方法において、樹脂繊維1を吐出部7から吐出する工程と、吐出部7から吐出された樹脂繊維1を積層するための繊維積層ステージ5の上面上に、樹脂繊維1で形成された複数のループ部11を有し、かつループ部11同士がループ部11の回転面に平行成分のある方向にずれたつるまき線部12を複数積層して樹脂繊維1を積層する工程とを備え、樹脂繊維1を積層する工程は、吐出部7と繊維積層ステージ5とを互いに相対的に往復運動させて、繊維積層ステージ5の上面上に樹脂繊維1を積層する工程を含んでいる。
【選択図】図1
Description
本発明は、真空断熱材、断熱箱および真空断熱材の製造方法に関し、特に樹脂繊維を芯材とした真空断熱材と、その真空断熱材を用いた断熱箱と、その真空断熱材の製造方法とに関するものである。
従来、樹脂繊維を芯材とした真空断熱材が提案されている。この真空断熱材は、たとえば、冷蔵庫および保管庫ならびに給湯器などの冷熱機器に適用が進められている。この真空断熱材は、グラスウール断熱材や発泡ウレタン製断熱材と比較して断熱性能に優れている。
たとえば、特開2006−17151号公報(特許文献1)では、真空断熱材のコア材(芯材)がプラスチック繊維からなる不織布が一枚ずつ積層されて構成されている。このコア材(芯材)が袋状のプラスチックのフィルムで真空密封されている。これにより、真空断熱材が構成されている。
また、たとえば、特開2006−283817号公報(特許文献2)では、真空断熱材の芯材がポリエステル繊維を含有する繊維集合体からなっている。ポリエステル繊維を含有する繊維集合体の形態として、シート状またはわた状の形態が記載されている。芯材が内包材に挿入される。内包材が外包材に収容される。外包材が減圧排気されて、その後、外包材の開口部が封止されて真空断熱材が形成される。
上記の特開2006−17151号公報では、切断された不織布が複数枚積層される。不織布を複数枚積層するためにはシート状の形状を維持するように不織布を加工する必要がある。シート状の形状を維持するように不織布を加工する手法として、樹脂繊維同士が融着可能な温度で繊維を積層させてシート化する手法や、加熱ローラーによる融着やニードルパンチ加工により不織布をシート化する手法が用いられる。
しかし、これらの手法では、シート化された不織布の対向する方向(厚み方向)に樹脂繊維が配向することによって伝熱パスが生じるため、断熱性能が低下するという課題がある。
また、連続成形されたシート状の不織布を芯材の形状に切断し、複数枚積層する工程が必要である。そのため、生産性が悪いという課題がある。
上記の特開2006−283817号公報では、真空断熱材がポリエステル繊維の1層シートからなる場合、5mm程度以上の厚さのシートには製造が難しいという課題がある。また、芯材がわた状に形成された場合、真空断熱材の対向する方向(厚み方向)に樹脂繊維が配向することによって伝熱パスが生じるため、断熱性能が低下するという課題がある。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、断熱性能の低下を抑制しつつ樹脂繊維の芯材の厚みを厚くすることができる樹脂繊維を芯材とした真空断熱材、断熱箱および真空断熱材の製造方法を提供することである。
本発明の真空断熱材の製造方法は、積層した樹脂繊維を真空密封した真空断熱材の製造方法において、樹脂繊維を吐出部から吐出する工程と、吐出部から吐出された樹脂繊維を積層するための繊維積層ステージの上面上に、樹脂繊維で形成された複数のループ部を有し、かつループ部同士がループ部の回転面に平行成分のある方向にずれて構成されたつるまき線部を複数積層して樹脂繊維を積層する工程とを備え、樹脂繊維を積層する工程は、吐出部と繊維積層ステージとを互いに相対的に往復運動させて、繊維積層ステージの上面上に樹脂繊維を積層する工程を含んでいる。
本発明の真空断熱材は、樹脂繊維で形成された複数のループ部を有し、かつループ部同士がループ部の回転面に平行成分のある方向にずれて構成されたつるまき線部が複数積層されて構成されており、前記つるまき線部が前記方向に対して往復して積層されている。
本発明によれば、樹脂繊維で形成された複数のループ部を有し、かつループ部同士がループ部の回転面に平行成分のある方向にずれて構成されたつるまき線部が複数積層されている。吐出部と繊維積層ステージとを互いに相対的に往復運動させて、つるまき線部が複数積層されている。そのため、真空断熱材の対向する方向に樹脂繊維が配向することが抑制されるので真空断熱材の断熱性能の低下を抑制しつつ、樹脂繊維の芯材の厚みを厚くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
はじめに本発明の実施の形態1の真空断熱材の製造方法について説明する。
(実施の形態1)
はじめに本発明の実施の形態1の真空断熱材の製造方法について説明する。
図1を参照して、溶融紡糸法により樹脂繊維1が積層されて樹脂芯材2が形成される。溶融紡糸装置3は、溶融紡糸法により樹脂繊維1を吐出する。溶融紡糸装置3から吐出された樹脂繊維1は、繊維積層ステージ5の上面上に積層される。なお、図1では樹脂繊維1から樹脂芯材2が形成される様子を概念的に示すため、および樹脂芯材2の構成を見やすくするため樹脂繊維1の本数が、たとえば1×6穴に省略されている。また、図1では簡略化しているため樹脂繊維1が規則正しく示されているが、実際には樹脂繊維1は、規則的ではなく、樹脂繊維1の間隔も広くはない。また、樹脂繊維1で形成されたループ部同士が重なることがあり、径の異なるループ部が存在している。
溶融紡糸装置3は、押出機3Aと、押出ダイ3Bと、延伸ユニット3Cとを主に有している。押出機3Aは、樹脂4を溶融するように構成されている。押出ダイ3Bの底面には溶融状態の樹脂4を吐出するための細孔ノズルが複数形成されている。押出ダイ3Bの細孔ノズルの配列は、たとえば、5×100穴に配列されている。なお、この押出ダイ3Bの細孔ノズルの配列は、一例であり、押出ダイ3Bの細孔ノズルの配列は、上記に限定されない。
押出ダイ3Bは、複数の細孔ノズルから溶融状態の樹脂4を吐出して、樹脂4を線状にするように構成されている。延伸ユニット3Cは、図示しない冷却空気を導入する構成および高速空気流を流すエジェクタを有している。延伸ユニット3Cは、押出ダイ3Bから吐出された樹脂4を細化するように構成されている。繊維積層ステージ5に樹脂繊維1を吐出する部分が吐出部7であり、この溶融紡糸装置3では延伸ユニット3Cの最下部が吐出部7となる。なお、上記の溶融紡糸装置3の構成は、一例であり、溶融紡糸装置3の構成は、上記に限定されない。
樹脂繊維1の材料として樹脂4が準備される。樹脂4が押出機3Aに供給されると、樹脂4が押出機3Aにより加熱される。これにより樹脂4が溶融状態にされる。この溶融状態の樹脂4が押出ダイ3Bへ一定量供給される。
押出ダイ3Bに供給された溶融状態の樹脂4が押出ダイ3Bの複数の細孔ノズルから線状に吐出される。
線状の樹脂4は、延伸ユニット3Cで固化および細化されて繊維状となる。延伸ユニット3Cが、たとえば冷却空気を用いることにより、溶融状態の樹脂4が固化される。また、高速空気流を流すエジェクタにより、溶融状態の樹脂4が延伸されて細化される。これにより、樹脂繊維1が形成される。樹脂繊維1は繊維積層ステージ5の方向(図1中矢印A方向)に吐出される。
なお、延伸ユニット3Cにより細化された樹脂繊維1の繊維径は、5〜20μmであることが望ましい。さらに、樹脂繊維1の繊維径は、10μm以下が望ましい。
また、樹脂4として、たとえばPET(ポリエチレンテレフタート)が用いられる。しかし、樹脂4は、PETに限定されず、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、アクリル、それらのリサイクル材など、溶融紡糸法により繊維化できる樹脂であれば適用され得る。
繊維積層ステージ5は、吐出部7から吐出された樹脂繊維1を積層するためものである。繊維積層ステージ5は、搬送方向(図1中矢印B方向)に樹脂繊維1を搬送可能に構成されている。繊維積層ステージ5は、たとえば繊維積層ステージ5を吐出部7と互いに相対的に往復運動させるためのコンベア8を有している。コンベア8は回転方向を切替可能に構成されている。さらに、このコンベア8はベルトコンベアであってもよい。
繊維積層ステージ5が吐出部7から吐出された樹脂繊維1を搬送方向に搬送することにより、樹脂繊維1が繊維積層ステージ5の上面上に積層される。繊維積層ステージ5が樹脂繊維1を搬送方向に往復して搬送することにより吐出部7と繊維積層ステージ5とが互いに相対的に往復運動される。このようにして、樹脂芯材2が形成される。
図2および図3を参照して、樹脂繊維1が積層されて樹脂芯材2が形成される様子を説明する。なお、図2および図3では、図1と同様に樹脂繊維1の本数が省略されているため、図示が省略されているが、つるまき線部12は複数積層されている。
樹脂繊維1が繊維積層ステージ5に向かって吐出され、吐出された樹脂繊維1が繊維積層ステージ5が搬送方向に搬送される。この際、樹脂繊維1が吐出される速度は、繊維積層ステージ5が搬送する速度よりも速い。そのため、繊維積層ステージ5の上面に接した樹脂繊維1は、搬送方向に直ちに延在されずに、樹脂繊維1が吐出される方向と交差する方向に回転面を有するループ状に形成される。
また、樹脂繊維1が吐出される速度は十分に速いので、この樹脂繊維1がループ状に形成されたループ部11が1つの樹脂繊維1に複数形成される。さらに、樹脂繊維1は複数吐出される。そのため、複数の樹脂繊維1のそれぞれに複数のループ部11が形成される。したがって、多数のループ部11が形成される。また、複数のループ部11は、ループ部11同士がループ部11の回転面に平行成分のある方向にずれて、つるまき線状に形成される。
ここで、回転面は、ループ部11において樹脂繊維1が交差して上下に重なる部分以外で構成される面である。たとえば、図3に示すようにループ部11が搬送方向に向かって前に位置する他のループ部11の上に重ならない場合には、平面視におけるループ部11の上面に沿う面が回転面である。また、たとえば、ループ部11が搬送方向に向かって前に位置する他のループ部11の上に重なる場合には、他のループ部11に重なって傾いているループ部11の上面に沿う面が回転面である。
図4に示すように、この複数のループ部11がつるまき線状に形成されたつるまき線部12が複数積層される。なお、図4では、つるまき線部12の一部が図示されている。
吐出部7と繊維積層ステージ5とを互いに相対的に往復運動させることにより樹脂芯材2の厚みが厚く形成される。これにより、つるまき線部12は、ループ部11の回転面に平行成分のある方向に対して往復して積層されている。互いに相対的に往復運動させるときは、たとえば、コンベア8の回転方向を切替えることにより繊維積層ステージ5が搬送方向に前後に往復運動される。これにより、吐出部7と繊維積層ステージ5とが互いに相対的に往復運動される。繊維積層ステージ5が搬送方向に前後に往復運動することにより、所定の厚みまで樹脂芯材2を積層させることができる。樹脂芯材2の必要な厚みに合わせて繊維積層ステージ5の往復運動の回数が決定される。これにより、樹脂芯材2を所定の厚さまで厚く形成することができる。
繊維積層ステージ5の近傍には樹脂芯材2を巻き取るためのローラー6が配置されている。樹脂芯材2は、ローラー6が図1中矢印C方向に回転することにより巻き取られ得る。
また、樹脂芯材2の必要な長さに合わせて繊維積層ステージ5の往復運動の動作幅(間隔)が決定される。繊維積層ステージ5が往復運動することによって、樹脂繊維1が一定間隔で折り返されて積層される。これにより、所定の厚さの樹脂芯材2が所定の長さに形成され得る。
この樹脂芯材2は、上記と同様にローラー6が図1中矢印C方向に回転することにより巻き取られてもよい。また、この樹脂芯材2は、所定の長さに形成されているので、ローラー6で巻き取られずに樹脂芯材2として用いられてもよい。
なお、繊維積層ステージ5は、押出ダイ3Bの細孔ノズルの100穴が並ぶ方向に対して交差する方向に樹脂芯材2を搬送可能に配置されている。これにより、樹脂芯材2は、細孔ノズルの100穴が並んだ幅で形成される。
したがって、押出ダイ3Bの細孔ノズルの幅、繊維積層ステージ5の往復運動の動作幅および回数、繊維積層ステージ5の往復運動の動作速度および押出ダイ3Bの樹脂押出量を設定することによって、所定の厚さを有する形状および樹脂密度を持った樹脂繊維1の集合体を形成することが可能となる。この樹脂繊維1の集合体が樹脂芯材2となる。
図5を参照して、樹脂芯材2が樹脂フィルム22中に挿入される。樹脂フィルム22が真空密封される。真空密封時には、図示しない真空槽中で樹脂フィルム22の開口部が熱融着されて密封される。これにより、樹脂芯材2と樹脂フィルム22とが一体化されて、真空断熱材21が形成される。
樹脂フィルム22は、たとえば、金属ラミネートフィルムが使用される。金属ラミネートフィルムは、たとえば、アルミニウムなどの金属箔膜が樹脂性フィルムで覆われて構成されている。
また、樹脂フィルム22中の真空度の低下は、断熱性能の低下につながる。そのため、
真空度の低下を防止するために樹脂芯材2と共にガス吸着剤23が樹脂フィルム22に封入される。ガス吸着剤23が樹脂フィルム22中のガスを吸着することにより樹脂フィルム22中の真空度の低下が抑制される。
真空度の低下を防止するために樹脂芯材2と共にガス吸着剤23が樹脂フィルム22に封入される。ガス吸着剤23が樹脂フィルム22中のガスを吸着することにより樹脂フィルム22中の真空度の低下が抑制される。
なお、吐出部7と繊維積層ステージ5との互いに相対的な往復運動は、溶融紡糸装置3により吐出された樹脂繊維1に対して繊維積層ステージ5が相対的な往復動作をすることである。したがって、繊維積層ステージ5が位置を移動する機構を有するものに限定されない。たとえば、溶融紡糸装置3が位置を移動する機構を有していてもよい。
(変形例1)
次に本実施の形態の変形例1を説明する。上記の繊維積層ステージ5では、コンベア8を有する繊維積層ステージ5が示された。しかし、図6に示すように、繊維積層ステージ5が可動式のパレット24を有していてもよい。この可動式のパレット24がレール25に沿って搬送方向に往復して移動することによって、上記のコンベア8を有する繊維積層ステージ5と同様に、吐出部7と本変形例1の繊維積層ステージ5とが互いに相対的に往復運動される。
次に本実施の形態の変形例1を説明する。上記の繊維積層ステージ5では、コンベア8を有する繊維積層ステージ5が示された。しかし、図6に示すように、繊維積層ステージ5が可動式のパレット24を有していてもよい。この可動式のパレット24がレール25に沿って搬送方向に往復して移動することによって、上記のコンベア8を有する繊維積層ステージ5と同様に、吐出部7と本変形例1の繊維積層ステージ5とが互いに相対的に往復運動される。
(変形例2)
次に本実施の形態の変形例2を説明する。積層方法についても、上記のように単純に繊維積層ステージ5の上面上に樹脂繊維1が積層される方法に限定されない。繊維積層ステージ5は吸引穴26を有していてもよい。吸引穴26は繊維積層ステージ5の上面に形成されている。吸引穴26は複数形成されていてもよい。
次に本実施の形態の変形例2を説明する。積層方法についても、上記のように単純に繊維積層ステージ5の上面上に樹脂繊維1が積層される方法に限定されない。繊維積層ステージ5は吸引穴26を有していてもよい。吸引穴26は繊維積層ステージ5の上面に形成されている。吸引穴26は複数形成されていてもよい。
吸引穴26を通じて繊維積層ステージ5下部から図示しない吸引装置により空気が吸引される。これにより、樹脂芯材2を構成する樹脂繊維1が散らばることが抑制されるため樹脂芯材2を容易に形成することができる。
図7を参照して、繊維積層ステージ5にコンベア8が用いられる場合は、コンベア8の上面に吸引穴26が設けられていてもよい。また、繊維積層ステージ5に変形例1の可動式のパレット24が用いられる場合は、可動式のパレット24の上面に吸引穴26が設けられていてもよい。
(変形例3)
次に本実施の形態の変形例3を説明する。図8を参照して、繊維積層ステージ5は、シート27を有していてもよい。シート27は、繊維積層ステージ5の上面側に配置されている。シート27は、積層が完了した樹脂繊維1の集合体を樹脂芯材2として、樹脂フィルム22で真空密封する際の取り扱いの補助具として使用される。シート27の上に樹脂繊維1が積層されるため樹脂芯材2の取り扱いが容易になる。
次に本実施の形態の変形例3を説明する。図8を参照して、繊維積層ステージ5は、シート27を有していてもよい。シート27は、繊維積層ステージ5の上面側に配置されている。シート27は、積層が完了した樹脂繊維1の集合体を樹脂芯材2として、樹脂フィルム22で真空密封する際の取り扱いの補助具として使用される。シート27の上に樹脂繊維1が積層されるため樹脂芯材2の取り扱いが容易になる。
シート27には孔が形成されていてもよい。シート27は、多孔状に形成されていてもよい。シート27は、たとえば樹脂製の網などからなっていてもよい。シート27に孔が形成されていることにより、孔を通じて空気が通気するので繊維積層ステージ5の吸引穴26からの空気の吸引が妨げられない。これらにより、樹脂芯材2の形状が崩れることを防止することができる。
次に本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の作用効果について比較例1および2と対比して説明する。
本実施の形態の作用効果について比較例1および2と対比して説明する。
図9を参照して、比較例1の真空断熱材21は、わた状の樹脂芯材2を有している。比較例1の樹脂芯材2では、樹脂繊維1が不規則に絡み合ってわた状に形成されている。不規則に絡み合った樹脂繊維1の多くが樹脂芯材2の対向する方向(厚さ方向)に配向している。この樹脂芯材2の対向する方向に配向した樹脂繊維1により伝熱パス28が形成されている。この伝熱パス28によって、真空断熱材21の一方表面22aと他方表面22bとの間で直接的に熱が伝わる。図19に示すように一方表面22aの温度が他方表面22bの温度より高い場合、伝熱パス28によって図9中矢印のように一方表面22aの熱が他方表面22bに伝熱される。そのため、真空断熱材21の断熱性能が低下する。
次に、図10を参照して、比較例2の真空断熱材21は、シート状の樹脂芯材2を有している。比較例2の樹脂芯材2では、樹脂繊維1をシート状に形成するためにニードルパンチ加工がされている。ニードルパンチ加工により樹脂芯材2の対向する方向(厚さ方向)に樹脂繊維1の一部が配向している。この樹脂芯材2の対向する方向に配向した樹脂繊維1により伝熱パス28が形成されている。比較例1と同様に、一方表面22aの温度が他方表面22bの温度より高い場合、伝熱パス28によって図10中矢印のように一方表面22aの熱が他方表面22bに伝熱される。そのため、真空断熱材21の断熱性能が低下する。なお、比較例2では比較例1に比べて樹脂芯材2の対向する方向に配向した樹脂繊維1の数が少ない。そのため比較例2では、比較例1に比べて伝熱パス28の数が少ないため比較例1に比べて断熱性能が低下しない。
図11を参照して、これらに対して本実施の形態によれば、本実施の形態の真空断熱材21では、樹脂繊維1が樹脂芯材2の対向する方向(厚さ方向)に交差する方向に配向されている。したがって、樹脂芯材2の対向する方向に樹脂繊維1が配向することが抑制される。よって、樹脂芯材2の対向する方向に配向された樹脂繊維1によって伝熱パスが形成されることが抑制される。伝熱パスが形成されることが抑制されるため真空断熱材21の断熱性能の低下を抑制することができる。
本実施の形態によれば、樹脂繊維1で形成された複数のループ部11を有し、かつループ部11同士がループ部11の回転面に平行成分のある方向にずれて構成されたつるまき線部12が複数積層されている。吐出部と繊維積層ステージとを互いに相対的に往復運動させて、つるまき線部が複数積層されている。つまり、複数のループ部11が互いに重なり合って積層されることで真空断熱材21の樹脂芯材2の形状が保持される。そして、繊維積層ステージ5が搬送方向に前後の往復運動をすることにより、所定の厚みまで樹脂芯材2を積層することができる。したがって、断熱性能の低下を抑制しつつ樹脂繊維1の芯材2の厚みを厚くすることができる。
従来、樹脂芯材2を厚くする場合には複数枚の不織布が重ねられている。複数枚の不織布を重ねるためには、まず不織布を巻き取る必要がある。次に巻き取った不織布を所定の長さに裁断する必要がある。さらに裁断した不織布を積層する必要がある。また樹脂繊維を不織布として取り扱うためには、ニードルパンチ加工などの形状保持のための加工が必要である。
これに対し、本実施の形態によれば、一つの樹脂繊維1の集合体で樹脂芯材2を形成することができるので、複数枚の不織布を重ねるための工程が不要となり、簡易な方法で樹脂芯材2の厚さを厚くすることができる。したがって、生産性を向上することができる。
(実施の形態2)
はじめに本発明の実施の形態2の断熱箱の構成について説明する。
はじめに本発明の実施の形態2の断熱箱の構成について説明する。
図12を参照して、本実施の形態の断熱箱31は、真空断熱材21と、内箱32と、外箱33と、発泡ウレタン断熱材34とを主に有している。
断熱箱31では、実施の形態1における真空断熱材21が内箱32と外箱33との間に配置されている。内箱32と外箱33との間の空間における真空断熱材21以外の空間には発泡ウレタン断熱材34が配置されている。
なお、図12に示す構成では内箱32に真空断熱材21が密着しているが、断熱箱31の構成は図12に示す構成に限定されない。たとえば、外箱33に真空断熱材21が密着していてもよい。また、スペーサなどを用いて内箱32と外箱33との間に真空断熱材21が配置されていてもよい。
また、図12に示す構成では、内箱32と外箱33との間の空間における真空断熱材21以外の空間には発泡ウレタン断熱材34が配置されているが、断熱箱31の構成は図12に示す構成に限定されない。たとえば、発泡ウレタン以外の断熱材が配置されていてもよい。また、内箱32と外箱33との間の全ての空間に真空断熱材21が配置されていてもよい。
以上により、本実施の形態によれば、断熱箱31が実施の形態1の真空断熱材21を備えているので、実施の形態1と同様の作用効果を有する。
本実施の形態によれば、真空断熱材21が断熱性能の低下を抑制することができるので、断熱箱31は優れた断熱性を実現することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、樹脂繊維を芯材とした真空断熱材と、その真空断熱材を用いた断熱箱と、その真空断熱材の製造方法とに特に有利に適用され得る。
1 樹脂繊維、2 樹脂芯材、3 溶融紡糸装置、3A 押出機、3B 押出ダイ、3C 延伸ユニット、4 樹脂、5 繊維積層ステージ、6 ローラー、7 吐出部、8 コンベア、11 ループ部、12 つるまき線部、21 真空断熱材、22 樹脂フィルム、23 ガス吸着剤、24 パレット、25 レール、26 吸引穴、27 シート、28 伝熱パス、31 断熱箱。
Claims (7)
- 積層した樹脂繊維を真空密封した真空断熱材の製造方法において、
前記樹脂繊維を吐出部から吐出する工程と、
前記吐出部から吐出された前記樹脂繊維を積層するための繊維積層ステージの上面上に、前記樹脂繊維で形成された複数のループ部を有し、かつ前記ループ部同士が前記ループ部の回転面に平行成分のある方向にずれて構成されたつるまき線部を複数積層して前記樹脂繊維を積層する工程とを備え、
前記樹脂繊維を積層する工程は、前記吐出部と前記繊維積層ステージとを互いに相対的に往復運動させて、前記繊維積層ステージの上面上に前記樹脂繊維を積層する工程を含む、真空断熱材の製造方法。 - 前記繊維積層ステージは、吸引穴を有し、
前記樹脂繊維を積層する工程は、前記繊維積層ステージの上面に形成された前記吸引穴を通じて空気を吸引しながら、前記繊維積層ステージの上面上に前記樹脂繊維を積層する工程を含む、請求項1に記載の真空断熱材の製造方法。 - 前記繊維積層ステージは、前記吐出部に対して前記繊維積層ステージを往復運動させるためのコンベアを有している、請求項1または2に記載の真空断熱材の製造方法。
- 前記繊維積層ステージは、前記吐出部に対して前記繊維積層ステージを往復運動させるための可動式のパレットを有している、請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
- 前記繊維積層ステージは、シートを有し、
前記樹脂繊維を積層する工程は、前記繊維積層ステージの上面側に配置された前記シート上に前記樹脂繊維を積層する工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。 - 樹脂繊維で形成された複数のループ部を有し、かつ前記ループ部同士が前記ループ部の回転面に平行成分のある方向にずれて構成されたつるまき線部が複数積層されて構成されており、前記つるまき線部が前記方向に対して往復して積層されている、真空断熱材。
- 請求項6に記載の真空断熱材を備えた、断熱箱。
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