JP3280755B2 - 不織布の製造方法およびその装置 - Google Patents

不織布の製造方法およびその装置

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JP3280755B2
JP3280755B2 JP14906293A JP14906293A JP3280755B2 JP 3280755 B2 JP3280755 B2 JP 3280755B2 JP 14906293 A JP14906293 A JP 14906293A JP 14906293 A JP14906293 A JP 14906293A JP 3280755 B2 JP3280755 B2 JP 3280755B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不織布の製造方法およ
びその装置に関し、複列の繊維束によりウェブを積層さ
せて不織布を製造する場合に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、いわゆるスパンボンド式の不織
布の製造においては、原材料から連続状繊維の繊維束を
形成する紡糸ノズルを備えたダイスや高速気流を噴出し
て繊維束を下方に牽引する気流噴出手段(エアサッカ
ー)等を、生産性向上のために複列に配置し、各繊維束
を堆積させて形成されるウェブを重ね合わせ、一枚のウ
ェブとする方法が行われている。ところが、このような
積層ウェブの形成方法では、ウェブの捲れや吹き飛びが
生じ、安定した積層ウェブの形成を行うことができない
という問題があった。つまり、積層ウェブの形成におい
ては、図6に示すように、通常上流および下流に複列に
配置された各エアサッカー92A,92B から気流とともに各
繊維束93A,93B を下方に噴出し、これらをコンベア等の
捕集手段94上でループを描かせながら上流および下流の
各位置A,Bで順次堆積させて各ウェブ91A,91B を層状
に重ね合わせ、一枚のウェブ91を形成する。この際、上
流側で形成されたウェブ91A は、ループ状に堆積されて
いるだけの未接着の状態であるため、図中矢印Cのよう
に下流側のエアサッカー92B からの気流を受けた場合に
は、吹き飛んでしまううえ、この気流はループ状に堆積
されたウェブ91A が逆立つ方向に作用するため、ウェブ
91A に捲れ95が発生するという問題があった。そして、
このようなウェブ91A の吹き飛びや捲れ95を押さえるた
めに、下流側のエアサッカー92B から噴出した気流を回
収するためのサクションブロアーの吸引能力を向上させ
ることが考えられるが、この場合には、必要以上の吸引
を行うため効率が悪く、コスト高になるうえ、省エネル
ギーの観点からも好ましくないという問題が生じる。
【0003】また、このような複列の各繊維束93A,93B
により積層ウェブ91を形成する場合には、各繊維束93A,
93B の距離が近すぎると、下方にスダレ状に降りている
状態の各繊維束93A,93B にも互いの気流の干渉により乱
れが生じるという問題があり、このことが製造設備の小
型化を妨げていた。
【0004】ところで、前述した捲れや吹き飛びの問題
に対しては、これを解消するために種々のウェブの重ね
合わせ方法が提案されている。例えば、図7には、特公
昭63-46185号公報に記載されたウェブの重ね合わせ方法
が示されている。この方法では、各エアサッカー82A,82
B から気流とともに噴出された各繊維束83A,83B を、隣
接して互いに逆回転する回転ドラム84A,84B 上で堆積さ
せて各ウェブ81A,81B を形成し、これらのウェブ81A,81
B を各回転ドラム84A,84B 間の接点で重ね合わせて一枚
のウェブ81を形成する。
【0005】また、図8には、特開昭60−151358号公報
に記載されたウェブの重ね合わせ方法が示されている。
この方法では、各エアサッカー72A,72B から気流ととも
に噴出された各繊維束73A,73B を、隣接して互いに逆方
向に内側に向かって移動するネットコンベア74A,74B 上
で堆積させて各ウェブ71A,71B を形成する。そして、こ
れらのウェブ71A,71B を各ネットコンベア74A,74B で内
側に向かって移動させ、各ネットコンベア74A,74B が接
する位置でこれらのウェブ71A,71B を重ね合わせて一枚
のウェブ71を形成した後、このウェブ71を各ネットコン
ベア74A,74B に挟んで下流のエンボスロール75に送って
熱圧着する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た図7の製造方法では、各繊維束83A,83B を各回転ドラ
ム84A,84B 上で堆積させて各ウェブ81A,81B を形成した
後、これらのウェブ81A,81B を各回転ドラム84A,84B の
回転により内側に向かって移動させて重ね合わせるの
で、図6に示したような捲れや吹き飛びの問題は解消さ
れるが、各回転ドラム84A,84B を用いるため設備が複雑
化して設備コストがかかるうえ、設備の小型化を図るこ
とが困難であるという問題があった。また、前述した図
8の製造方法の場合も同様であり、各繊維束73A,73B を
各ネットコンベア74A,74B 上で堆積させて各ウェブ71A,
71B を形成した後、これらのウェブ71A,71B を各ネット
コンベア74A,74B で内側に向かって移動させて重ね合わ
せるので、図6に示したような捲れや吹き飛びの問題は
解消されるが、前述したような設備の複雑化によるコス
ト増や設備の大型化という問題が生じる。
【0007】本発明の目的は、ウェブの捲れや吹き飛び
を生じることなく積層ウェブを安定して形成できるとと
もに、設備を小型化できかつ効率の良い不織布の製造方
法およびその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複列の繊維束
を捕集手段上の略一箇所に集めて堆積させて前記目的を
達成しようとするものである。具体的には、本発明の不
織布の製造方法は、複数の気流噴出手段から気流ととも
に噴出された複列の繊維束を捕集手段上の略一箇所に集
めて堆積させて積層ウェブを形成する不織布の製造方法
において、前記各繊維束を噴出する際に、前記各繊維束
の互いの間で前記気流噴出手段の近傍から前記捕集手段
上の略一箇所の近傍まで設けられた干渉防止手段により
前記各繊維束の互いの気流の干渉を防止することを特徴
とする。さらに、本発明の不織布の製造方法は、前記各
繊維束を前記捕集手段上の略一箇所に集める際に、前記
干渉防止手段により前記各繊維束の流れを案内誘導する
ことを特徴とする
【0009】そして、本発明の不織布の製造装置は、繊
維束を気流とともに噴出する複列の気流噴出手段と、前
記各繊維束を堆積させる捕集手段と、この捕集手段上の
略一箇所に前記各繊維束を集める集中化手段と、前記各
繊維束の互いの間に設けられて前記各繊維束の互いの気
流の干渉を防止する干渉防止手段とを有し、前記干渉防
止手段および前記集中化手段は、前記各気流噴出手段の
近傍から前記捕集手段上の略一箇所の近傍まで連続して
設けられた部材により構成されていることを特徴とす
る。また、本発明の不織布の製造装置は、前記干渉防止
手段および前記集中化手段は、同一部材であることを特
徴とする。さらに、本発明の不織布の製造装置は、各繊
維束が集まる前記捕集手段上の略一箇所の下側に前記捕
集手段を通過した気流を遮蔽するブラインドロールが設
けられていることを特徴とする。
【0010】
【作用】このような本発明においては、複列に配置され
た上方の各気流噴出手段から気流とともに繊維束を噴出
して下方にスダレ状に降ろし、これらの繊維束を捕集手
段上の略一箇所に集めて堆積させて積層ウェブを形成
し、この積層ウェブを下流の熱圧着用のエンボスロール
等の各装置に送る。この際、各繊維束は捕集手段上の略
一箇所に集められて堆積されるので、ウェブの捲れや吹
き飛びを生じることなく安定した積層ウェブの形成が行
われる。そして、ウェブの捲れや吹き飛びを生じること
がないため、サクションブロアーにより必要以上の吸引
を行うようなことはなくなり、さらに各気流噴出手段か
ら噴出された気流の回収は、各繊維束が集められる位置
における捕集手段の下側の一箇所で行うことが可能とな
るため、これらにより装置効率が向上され、コストの低
減となるうえ、省エネルギーの観点からも好ましい。
【0011】また、前記各繊維束の互いの間に干渉防止
手段を設けておけば、前記各繊維束の互いの気流の干渉
が防止されるため、下方にスダレ状に降りている状態の
各繊維束に乱れが生じることはない。このため、前述し
たように各繊維束を捕集手段上の略一箇所に集めるにあ
たって、各繊維束の乱れを生じることなくこれらの距離
を近づけることが可能となり、製造設備の小型化が図ら
れる。さらに、干渉防止手段を各気流噴出手段の近傍か
ら捕集手段上の略一箇所の近傍まで設けられた部材によ
り構成すれば、この干渉防止手段により各繊維束を捕集
手段上の略一箇所に集まるように容易に案内誘導するこ
とが可能となり、つまり干渉防止手段が集中化手段を兼
ねることになり、これらにより前記目的が達成される。
また、干渉防止手段が集中化手段を兼ねることとなり、
干渉防止手段と集中化手段とを同一部材とすることがで
きるので、別部材とする場合に比べ、部材点数の削減を
図ることができる。さらに、各繊維束が集まる捕集手段
上の略一箇所の下側に捕集手段を通過した気流を遮蔽す
るブラインドロールを設けたため各繊維束を縦方向によ
り広げて捕集手段上に着面させることができ、縦方向の
強度の大きな不織布を得ることができる上、ブラインド
ロールの直径や捕集手段からの距離を変更することで縦
方向の強度を自在に設定することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例に係る不織布製造装置10の
全体構成が示されている。不織布製造装置10は、いわゆ
るスパンボンド式の不織布製造装置であり、各ホッパー
11A,11B から供給された不織布の原料を押し出す二台の
押出機12A,12B と、これらの押出機12A,12B から押し出
された原料をそれぞれ下流に送るギアーポンプ13A,13B
と、連続状繊維の繊維束20A,20B を形成する紡糸ノズル
を備えたダイス14A,14B と、各繊維束20A,20B を冷却す
る冷却チャンバー15A,15B と、気体を噴出して各繊維束
20A,20B を下方に牽引する気流噴出手段であるエアサッ
カー16A,16B とを備えている。そして、これらの複列に
設けられた各装置の下流に、各エアサッカー16A,16B か
ら噴出した各繊維束20A,20B を下方に案内する案内板40
と、各繊維束20A,20B を堆積させてウェブ21A,21B を形
成する捕集手段であるサクションコンベア30と、各ウェ
ブ21A,21B が積層されて形成された積層ウェブ21を搬送
する搬送コンベア31と、積層ウェブ21を熱圧着するエン
ボスロール32とを備えている。
【0013】ダイス14A,14B は、その下面に縦横に配置
された多数の孔を有する紡糸ノズルを備えており、これ
らの孔より溶融原料を紡出し、連続状繊維の繊維束20を
形成する構成となっている。エアサッカー16A,16B は、
上方の紡糸ノズルにより形成された繊維束20A,20Bを矩
形のスリットで略横一列に配列し、高速気流を噴出して
各繊維束20A,20B を下方のサクションコンベア30に送る
ようになっている。
【0014】図2には、案内板40の詳細が示されてい
る。案内板40は、略V字断面を有しており、各エアサッ
カー16A,16B から気流とともに噴出された各繊維束20A,
20B を下方のサクションコンベア30の捕集面33上の略一
箇所(図中P点の近傍)に案内するように各エアサッカ
ー16A,16B の位置からサクションコンベア30の捕集面33
の近傍位置まで連続して設けられている。案内板40の上
部41A,41B は、略鉛直方向を向いており、各エアサッカ
ー16A,16B の設置方向と同じ方向である。案内板40の下
部42A,42B とサクションコンベア30の捕集面33とは、そ
れぞれ所定の傾斜角度αをなしており、これによって各
繊維束20A,20B は捕集面33に対して斜めに着面するよう
になっている。案内板40の上部41A,41B と下部42A,42B
との各境界部分43A,43B は、緩やかな曲率を持って折り
曲げられている。また、この案内板40は、各繊維束20A,
20B を捕集面33上の略一箇所に集める集中化手段として
機能する他に、各繊維束20A,20B の間にこれらを隔てる
ように設けられているので、各繊維束20A,20B を下方に
牽引する気流が互いに干渉することを防止する干渉防止
手段としての役割も果たしている。
【0015】サクションコンベア30は、メッシュを有す
る通気性の移動ベルトと、この移動ベルトを支持または
駆動する複数のロール等により構成され、この移動ベル
トの表面は、上方のエアサッカー16A,16B から降りてき
た各繊維束20A,20B を図中P点の近傍でループを描かせ
ながら堆積させて各ウェブ21A,21B を形成する捕集面33
となっている。サクションコンベア30の各繊維束20A,20
B が堆積される位置(図中P点の近傍)の下側には、サ
クションボックス34が設けられている。このサクション
ボックス34は、各エアサッカー16A,16B から噴出された
各繊維束20A,20B の牽引用の高速気流を回収するもので
あり、サクションボックス34に接続されたサクションブ
ロアー35から気体を吸引して外部に排出するようになっ
ている。
【0016】エンボスロール32は、搬送コンベア31によ
り送られてきた積層ウェブ21を熱圧着する装置であり、
上下に二つのロールを備え、片方のロールには多数の突
起を備えたエンボス面が形成され、他方のロールには滑
らかなスムース面が形成されており、これらのロール間
に積層ウェブ21を挟み込んで製品である不織布を形成す
るように構成されている。
【0017】このような本実施例においては、以下のよ
うに不織布を製造する。先ず、各押出機12A,12B からギ
アーポンプ13A,13B を介してダイス14A,14B に不織布の
原料を供給し、紡糸ノズルで連続状繊維の繊維束20A,20
B を形成し、これらの繊維束20A,20B を各冷却チャンバ
ー15A,15B で冷却した後、各エアサッカー16A,16B のス
リットを通して高速気流とともに下方のサクションコン
ベア30に送る。
【0018】この際、各エアサッカー16A,16B から噴出
される各気流を、図2に示すように、案内板40によりサ
クションコンベア30の捕集面33上の略一箇所(図中P点
の近傍)に案内する。そして、この案内板40により案内
される気流に従わせ、サクションコンベア30の上流側
(図中左側)に位置するエアサッカー16A から噴出され
た繊維束20A を、捕集面33上の図2中P点左側にループ
状に堆積させて下層のウェブ21A を形成し、一方、サク
ションコンベア30の下流側(図中右側)に位置するエア
サッカー16B から噴出された繊維束20B を、図2中P点
右側でウェブ21Aの上側にループ状に堆積させて上層の
ウェブ21B を形成し、これらのウェブ21A,21B を重ね合
わせて一枚の積層ウェブ21を形成する。
【0019】このようにして捕集面33上の略一箇所(図
中P点の近傍)で重ね合わせて形成された積層ウェブ21
をサクションコンベア30により下流の搬送コンベア31に
送る。一方、各繊維束20A,20B を牽引する高速気流を、
サクションコンベア30の移動ベルトのメッシュを通して
サクションボックス34で回収し、サクションブロアー35
から外部に排出する。
【0020】その後、積層ウェブ21を搬送コンベア31で
エンボスロール32に送り、エンボスロール32でこれを熱
圧着して不織布を形成し、エンボスロール32の下流に設
けられた図示されない巻取り機でこの不織布を巻き取っ
て製品とする。
【0021】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、各繊維束20A,20B はサクション
コンベア30の捕集面33上の略一箇所(図中P点の近傍)
に集められて堆積されるので、下層のウェブ21A の捲れ
や吹き飛びを生じることなく安定して積層ウェブ21を形
成することができる。そして、下層のウェブ21A の捲れ
や吹き飛びがないため、サクションブロアー35により必
要以上の吸引を行うようなことはなくなり、さらに各エ
アサッカー16A,16B から噴出された気流の回収は、各繊
維束20A,20B が集められる位置(図中P点の近傍)にお
けるサクションコンベア30の下側の一箇所で行うことが
できるため、これらにより不織布製造装置10の装置効率
を向上でき、コストを低減できるうえ、省エネルギーの
観点からも好ましいものとすることができる。
【0022】また、各繊維束20A,20B の互いの間に干渉
防止手段として機能する案内板40が設けられているの
で、各繊維束20A,20B の互いの気流の干渉を防止するこ
とができ、下方にスダレ状に降りている状態の各繊維束
20A,20B の乱れを未然に防止することができる。このた
め、各繊維束20A,20B をサクションコンベア30の捕集面
33上の略一箇所に集めるにあたって、各繊維束20A,20B
の乱れを生じることなくこれらの距離を近づけることが
できるので、不織布製造装置10を小型化することができ
る。
【0023】さらに、案内板40は各エアサッカー16A,16
B の位置からサクションコンベア30の捕集面33の近傍位
置まで連続して設けられているので、前述したような気
流の干渉防止手段として機能する他に、各繊維束20A,20
B を案内誘導する集中化手段としての機能を有し、サク
ションコンベア30の捕集面33上の略一箇所(図中P点の
近傍)に各繊維束20A,20B を容易に集めることができ
る。そして、単なる平板を折り曲げただけの簡易な構造
の案内板40を設けるだけで、堆積位置の集中によってウ
ェブ21A の捲れや吹き飛びを解消できるとともに、気流
の干渉も防止でき、安定した積層ウェブ21の形成を実現
できるので、図7に示した二つの回転ドラム84A,84B や
図8に示した二つのネットコンベア74A,74B等を使用し
た従来の複雑な構造の装置に比べ、装置を小型化するこ
とができ、設備コストを低減できる。
【0024】また、案内板40の下部42A,42B とサクショ
ンコンベア30の捕集面33とは、それぞれ所定の傾斜角度
αをなしているので、各繊維束20A,20B を捕集面33に対
して斜めに着面させることができるため、各繊維束20A,
20B を縦方向(サクションコンベア30の移動方向)に広
げて堆積させることができ、縦方向の強度の大きな不織
布を得ることができる。さらに、この傾斜角度αを変更
することで、捕集面33への着面の際の各繊維束20A,20B
の縦方向の広がりを自在に調整することができ、不織布
の縦方向の強度、言い換えれば縦/横方向の強度比を任
意に設定することができる。
【0025】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、押出機12A,12B 、ギアーポンプ
13A,13B 、ダイス14A,14B 、冷却チャンバー15A,15B 、
エアサッカー16A,16B 、サクションコンベア30、搬送コ
ンベア31、エンボスロール32等の構成は前記実施例の構
成に限定されるものではなく任意であり、要するに複列
のスパンボンド式の不織布製造装置を構成できればよ
い。
【0026】また、案内板40の形状は、前記実施例の図
2の形状に限定されるものではなく、要するに、各エア
サッカー16A,16B から気流とともに噴出された各繊維束
20A,20B を下方のサクションコンベア30の捕集面33上の
略一箇所(図中P点の近傍)に案内誘導する集中化手段
としての機能を有し、かつ各繊維束20A,20B の間に設け
られて気流の干渉を防止する干渉防止手段としての役割
を果たすことができる形状であればよい。例えば、前記
実施例のように板を折り曲げて略V字断面を形成する場
合には、図3(A)〜(F)に示す案内板51〜56のよう
に、各エアサッカー16A,16B 間の距離を変化させたり、
上部と下部との境界位置を変化させたり、上部と下部と
の境界を無くして全体的に緩やかな曲面としたりしても
よい。そして、干渉防止手段および集中化手段は、この
ような板を折り曲げて形成した略V字断面の部材ではな
く、中実の略逆三角形断面の部材により構成してもよ
い。また、案内板40の下部42A,42B とサクションコンベ
ア30の捕集面33とがなす傾斜角度αも任意であり、必要
な縦方向の強度に応じた角度とすればよい。さらに、案
内板40の材質は、所定の形状を維持することができるも
のであれば任意である。そして、前記実施例の案内板40
は、一部材を折り曲げて形成されているが、多部材によ
り構成してもよく、例えば、上部41A および下部42A
と、上部41B および下部42B とを別部材により構成し、
これらの部材を向かい合わせて配置してもよい。
【0027】また、前記実施例では、干渉防止手段およ
び集中化手段として機能する案内板40が設けられている
が、図4に示すように、気流の干渉を防止する機能のみ
を有する、つまり各繊維束20A,20B を案内誘導する機能
を有しない干渉防止手段57を各繊維束20A,20B の間に設
けてもよい。この場合には、各エアサッカー16A,16Bを
図4に示すように傾けて各繊維束20A,20B をサクション
コンベア30の捕集面33上の略一箇所(図中P点の近傍)
に案内するようにしてもよく、あるいは各エアサッカー
16A,16B は鉛直方向のままとし、各エアサッカー16A,16
B の近傍に板等を設けて得られるコアンダ効果などによ
り各繊維束20A,20B を傾けて捕集面33上の略一箇所に案
内するようにしてもよく、要するに干渉防止手段57とは
別構成の集中化手段を設けておけばよい。
【0028】そして、前記実施例の案内板40は、各繊維
束20A,20B を案内するように両方のエアサッカー16A,16
B の近傍から設けられていたが、各繊維束20A,20B のう
ちの一方のみを案内する構成であってもよく、例えば、
上部41A および下部42A をなくして上部41B および下部
42B のみの構成として繊維束20B のみを案内し、他方の
繊維束20A は、コアンダ効果等を利用した他の集中化手
段で案内してもよく、あるいは鉛直方向にそのまま降ろ
して繊維束20B と集中させるようにしてもよい。この場
合には、上部41B および下部42B のみからなる部材は、
干渉防止手段としても機能する。また、案内板を各繊維
束20A,20B の間ではなく、各繊維束20A,20B の外側に設
けて集中化手段を構成してもよく、この場合には別部材
で構成される干渉防止手段を設けておくことが好まし
い。
【0029】さらに、図5に示すように、各繊維束20A,
20B が集まるサクションコンベア30の捕集面33上の略一
箇所(図中P点の近傍)の下側に、サクションコンベア
30を通過した気流を遮蔽するブラインドロール60等を設
けてもよく、そうすることで各繊維束20A,20B を縦方向
(サクションコンベア30の移動方向)により広げて捕集
面33上に着面させることができ、縦方向の強度の大きな
不織布を得ることができるうえ、このブラインドロール
60の直径Dやサクションコンベア30からの距離を変更す
ることで、縦方向の強度の自在設定、言い換えれば縦/
横方向の強度比の自在設定を行うことができる。
【0030】また、不織布の原料は、スパンボンド式の
製造方法に適用できる材料であれば任意であり、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアミド(ナイロン)等の熱可塑性樹脂などを適用する
ことができる。
【0031】なお、本発明の効果を確かめるために以下
のような比較実験を行った。原料には、ポリプロピレン
(出光ポリプロY6005G)を用い、前述した不織布製造装
置10で各種の条件を設定しながら不織布を製造した。実
施例の実験例として、各エアサッカー16A,16B 間の距離
および案内板40の断面形状を変化させて実験例1〜6を
用意した。実験例1では、各エアサッカー16A,16B 間の
距離を1000mmとし、上部が短く、下部が長い図3(A)
に示した案内板51とした。実験例2では、各エアサッカ
ー16A,16B 間の距離を 500mmとし、上部が短く、下部が
長い図3(B)に示した案内板52とした。実験例3で
は、各エアサッカー16A,16B 間の距離を 500mmとし、上
部が長く、下部が短い図3(C)に示した案内板53とし
た。実験例4では、各エアサッカー16A,16B 間の距離を
300mmとし、上部が短く、下部が長い図3(D)に示し
た案内板54とした。実験例5では、各エアサッカー16A,
16B 間の距離を 300mmとし、上部が長く、下部が短い図
3(E)に示した案内板55とした。実験例6では、各エ
アサッカー16A,16B 間の距離を 300mmとし、上部と下部
との境界のない全体的に緩やかな曲面で構成された図3
(F)に示した案内板56とした。
【0032】一方、比較例として、案内板を設けずに各
繊維束20A,20B をそのまま鉛直に降ろした場合につい
て、各エアサッカー16A,16B 間の距離および各エアサッ
カー16A,16B の吐出圧力を変化させて比較例1〜4を用
意した。比較例1では、各エアサッカー16A,16B 間の距
離を1500mm、圧力を 3.0kg/cm2とした。比較例2では、
各エアサッカー16A,16B 間の距離を1000mm、圧力を 3.0
kg/cm2とした。比較例3では、各エアサッカー16A,16B
間の距離を1000mm、圧力を 2.0kg/cm2とした。比較例4
では、各エアサッカー16A,16B 間の距離を 500mm、圧力
を 2.0kg/cm2とした。そして、これらの各実験例1〜6
および各比較例1〜4について、気流の干渉の有無、お
よびウェブの状態(捲れや吹き飛びの有無)を確認し、
各条件での成形性を調べた。
【0033】
【表1】
【0034】表1には、比較実験の結果が示されてい
る。この結果によれば、各実験例1〜6では、全て気流
の干渉はなく各案内板51〜56の干渉防止手段としての機
能が発揮されるとともに、安定したウェブの重ね合わせ
が行われていることがわかる。特に、各エアサッカー16
A,16B 間の距離が小さい実験例4〜6の場合にも、気流
の干渉を生じることなくウェブの形成が行われている。
ところが、比較例1,3では、気流の干渉はないが、重
ね合わせ時にウェブの捲れが発生しており、比較例2,
4では、気流の干渉が発生して噴出された各繊維束20A,
20B が乱れ、これに伴ってウェブが舞い上がり吹き飛ん
でしまうことがわかり、これらにより本発明の効果が顕
著に示されている。
【0035】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、複
列の繊維束を捕集手段上の略一箇所に集めて堆積させる
ので、ウェブの捲れや吹き飛びを生じることなく積層ウ
ェブを安定して形成できるとともに、複列の繊維束の間
に気流の干渉防止手段を設けておくことで、設備を小型
化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図。
【図2】前記実施例の要部を示す拡大図。
【図3】本発明の変形例を示す構成図。
【図4】本発明の別の変形例を示す構成図。
【図5】本発明のさらに別の変形例を示す構成図。
【図6】従来例を示す構成図。
【図7】別の従来例を示す構成図。
【図8】さらに別の従来例を示す構成図。
【符号の説明】
10 不織布製造装置 12A,12B 押出機 14A,14B ダイス 16A,16B エアサッカー 20A,20B 繊維束 21A,21B ウェブ 21 積層ウェブ 30 捕集手段であるサクションコンベア 33 捕集面 40, 51〜56 干渉防止手段および集中化手段である案内
板 57 干渉防止手段 P 捕集面上における各繊維束の集中化点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 忠博 千葉県山武郡九十九里町作田417−1 ユニ化工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−182464(JP,A) 特開 平1−68555(JP,A) 特開 平4−245966(JP,A) 特開 昭63−182463(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の気流噴出手段から気流とともに噴
    出された複列の繊維束を捕集手段上の略一箇所に集めて
    堆積させて積層ウェブを形成する不織布の製造方法にお
    いて、前記各繊維束を噴出する際に、前記各繊維束の互
    いの間で前記気流噴出手段の近傍から前記捕集手段上の
    略一箇所の近傍まで設けられた干渉防止手段により前記
    各繊維束の互いの気流の干渉を防止することを特徴とす
    る不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した不織布の製造方法に
    おいて、前記各繊維束を前記捕集手段上の略一箇所に集
    める際に、前記干渉防止手段により前記各繊維束の流れ
    を案内誘導することを特徴とする不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 繊維束を気流とともに噴出する複列の気
    流噴出手段と、前記各繊維束を堆積させる捕集手段と、
    この捕集手段上の略一箇所に前記各繊維束を集める集中
    化手段と、前記各繊維束の互いの間に設けられて前記各
    繊維束の互いの気流の干渉を防止する干渉防止手段とを
    有し、前記干渉防止手段は、前記各気流噴出手段の近傍
    から前記捕集手段上の略一箇所の近傍まで設けられた部
    材により構成されていることを特徴とする不織布の製造
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した不織布の製造装置に
    おいて、前記干渉防止手段および前記集中化手段は、同
    一部材であることを特徴とする不織布の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載した不織布の製
    造装置において、各繊維束が集まる前記捕集手段上の略
    一箇所の下側に前記捕集手段を通過した気流を遮蔽する
    ブラインドロールが設けられていることを特徴とする不
    織布の製造装置
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