JP2010242778A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の減少を図って、組立性の向上及びコスト低減化を達成でき、また、ローラの抜けを防止でき、さらには低振動化を図ることができるトリポード型等速自在継手を提供する。
【解決手段】外側継手部材1に収容される内部部品Sをトリポード部材2とローラ3とで構成したトリポード型等速自在継手である。脚軸8の先端部にローラ脱落防止部25を設ける。脚軸8の継手軸方向端部とローラ3の内径面3aとの間に隙間10を設ける。ローラ3の内径面3aのローラ軸方向中央部を内径側へ突出する凸円弧状とする。脚軸8の外径面の内、少なくともローラ3の内径面3aに接触する部位を円筒面12とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械等の動力伝達装置に使用される等速自在継手に関し、特に摺動式のトリポード型等速自在継手に関するものである。
図15と図16に示すように、等速自在継手(トリポード型等速自在継手)は、外側継手部材51と、内側継手部材としてのトリポード部材52と、トルク伝達部材としてのローラ53を主要な構成要素としている。
外側継手部材51は一体に形成されたマウス部54とステム部55とからなる。マウス部54は、一端にて開口したカップ状で、内周の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝56が形成してある。各トラック溝56の円周方向で向き合った内側壁にローラ案内面57、57が形成される。
トリポード部材52はボス58と脚軸59とを備える。ボス58にはシャフト60とトルク伝達可能に結合するスプラインまたはセレーション孔61が形成してある。脚軸59はボス58の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。トリポード部材52の各脚軸59はローラ53を担持している。脚軸59とローラ53との間には、複数の針状ころ62が総ころ状態で配設されている。
そして、各脚軸59には、針状ころ62およびローラ53の抜けを規制する抜け止め機構65が付設されている(例えば、特許文献1)。この抜け止め機構65は、脚軸59の軸方向先端部に装着されるリテーナ(アウタワッシャ)66及びスナップリング67にて構成される。
すなわち、スナップリング67は、脚軸59の軸方向先端部に設けられる凹周方向溝68に嵌合され、リテーナ66の抜けを規制している。リテーナ66は、針状ころ62の外端面に対向するフランジ部66aと、フランジ部66aの外径側から針状ころ62に対して離れる方向に延びる立ち上がり部66bと、この立ち上がり部66bの外方端から外径側へ延びる抜け止め部66cとからなる。
このため、リテーナ66のフランジ部66aによって針状ころ62を規制し、リテーナ66の抜け止め部66cによって、ローラ53の抜けを規制している。また、脚軸59の軸方向基端部にはインナワッシャが配設されている。
このような従来のトリポード型等速自在継手では、トリポード部材52にころ62及びローラ53を抜け止め部品(リテーナ66及びスナップリング67)を介して組み付けて、一つの部品としてのトラニオンキット(内部部品)を構成する。このため、組立てる場合、トラニオンキット(内部部品)を形成した後、この内部部品を外側継手部材に挿入することになる。
特許3615987号
前記特許文献1に記載のものでは、外側継手部材に収容される内部部品としては、ローラ、針状ころ、インナワッシャ、アウタワッシャ、スナップリング、トリポード部材(トラニオン)等にて構成される。このため、内部部品の部品点数が多く、組立性に劣るとともに、コスト高となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みて、部品点数の減少を図って、組立性の向上及びコスト低減化を達成でき、また、ローラの抜けを防止でき、さらには低振動化を図ることができるトリポード型等速自在継手を提供する。
本発明の第1のトリポード型等速自在継手は、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラとを備えたトリポード型等速自在継手において、前記外側継手部材に収容される内部部品をトリポード部材とローラとで構成し、前記脚軸の先端部にローラ脱落防止部を設けたものである。
本発明の第1のトリポード型等速自在継手によれば、外側継手部材に収容される内部部品をトリポード部材とローラとで構成しているので、部品点数の減少を図ることができる。しかも、このように、部品点数の減少を図っても、ローラ脱落防止部にてローラの脱落が防止される。
前記ローラ脱落防止部は、例えば、前記脚軸の先端部に、塑性加工、切削加工、および研削加工のいずれかから選択される加工にて形成される外鍔部から構成される。
また、前記脚軸の継手軸方向端部とローラの内径面との間に隙間を設けることができ、さらには、前記脚軸の外径面の内、少なくともローラの内径面に接触する部位を円筒面とすることができる。
本発明の第2のトリポード型等速自在継手は、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラとを備えたトリポード型等速自在継手において、前記外側継手部材に収容される内部部品をトリポード部材とローラとで構成し、前記脚軸の継手軸方向端部とローラの内径面との間に隙間を設け、かつ、ローラの内径面のローラ軸方向中央部を内径側へ突出する凸円弧状とするとともに、前記脚軸の外径面の内、少なくともローラの内径面に接触する部位を円筒面としたものである。
本発明の第2のトリポード型等速自在継手によれば、外側継手部材に収容される内部部品をトリポード部材とローラとで構成しているので、部品点数の減少を図ることができる。しかも、前記脚軸の継手軸方向端部とローラの内径面との間に隙間を設けたことによって、この隙間に潤滑剤(グリース)を介在させることができ、脚軸の外径面とローラの内径面との間の潤滑剤(グリース)の介在性の向上を図ることができる。また、ローラの内径面のローラ軸方向中央部を内径側へ突出する凸円弧状とすることによって、脚軸外径面とローラの内径面との接触面積を小さくでき、脚軸中心廻りに対してローラが転動し易くなる。
前記ローラの脚軸に対する首振り揺動を可能とするのが好ましい。ここで、首振りとは、脚軸の軸線を含む平面内で、ローラが脚軸に対してローラの軸線が傾くことを意味する。
円筒面が、脚軸横断面における前記円筒面の曲率中心が脚軸の軸線上にある真円筒面であっても、脚軸横断面における前記円筒面の曲率中心が脚軸の軸線からずれ、かつ円筒面の曲率半径がローラの内径面の半径よりも小さい非真円筒面であってもよい。特に、非真円筒面であれば、負荷点を支点としてローラが揺動し易くなる。
また、ローラ軸線を含む平面上におけるローラ外径面の曲率中心がローラ軸線からずれ、かつ、ローラ軸線を含む平面上におけるローラ外径面の曲率半径をローラ軸線と直交する平面上におけるローラ外径面の曲率半径よりも小さく設定するのが好ましい。このように、ローラの外径面の曲率中心をずらせることによって、作動角をとった際に、ローラをトラック溝に安定した姿勢の嵌合状態を維持できる。すなわち、継手が作動角をとった状態で、回転する場合、ローラはローラ案内面上を転がり往復運動を行う。この際、ローラの外径面の曲率中心が脚軸の軸線からずれていることによって、トルク負荷時に偶力が働いて、トラック軸線方向のローラの傾きが修正されることになる。
外側継手部材に、ローラの軸方向外端面をガイドするガイド面を設けるのが好ましい。このようなガイド面を設けることによって、ローラをトラック溝に対して安定した姿勢を維持できる。
トリポード部材の脚軸の外径面のうち少なくともローラの内径面に接触する部位を、研削又は焼入鋼切削で仕上げることができる。また、トリポード部材の表面に硬化層が設けられ、この硬化層が、浸炭焼入れ焼き戻し、浸炭窒化焼入れ焼き戻し、及び高周波焼入れ焼き戻しのいずれかで形成することができる。特に、高周波焼入れ焼き戻しにおいては、少なくとも脚軸付根部及び脚軸外径面に硬化層が形成されているのが好ましい。
本発明の第1のトリポード型等速自在継手では、部品点数の減少を図ることができ、組立性の向上及び低コスト化を図ることができる。しかも、このように、部品点数の減少を図っても、ローラ脱落防止部にてローラの脱落が防止され、組立性の一層の向上を図ることができる。
本発明の第2のトリポード型等速自在継手では、前記第1のトリポード型等速自在継手と同様、部品点数の減少を図ることができ、組立性の向上及び低コスト化を図ることができる。しかも、前記脚軸の継手軸方向端部とローラの内径面との間に隙間を設けたことによって、脚軸の外径面とローラの内径面との間の潤滑剤(グリース)の介在性の向上を図ることができ、長期にわたって滑らかなトルク伝達が可能となる。また、脚軸外径面とローラの内径面との接触面積を小さくでき、脚軸中心廻りに対してローラが転動し易くなって、一層滑らかなトルク伝達が可能となる。
ローラの脚軸に対する首振り揺動を可能とすることによって、継手が作動角をとって回転する際に、ローラが外側継手部材のトラック溝に対して安定して姿勢(水平姿勢)を維持でき、継手回転中に継手軸方向に発生する力(誘起スラスト)や、車両のアイドリング時にエンジンからドライブシャフトに伝達する継手軸方向に発生する振動(スライド抵抗)の低減を図ることができる。ここで、誘起スラストとは、等速自在継手が回転中にある角度でトルクが負荷されたときに、その継手内部の摩耗により発生するスラスト力をいう。また、スライド抵抗とは、外側継手部材とトリポード部材が互いに摺動する時に発生する軸方向摩擦力である。
脚軸の円筒面が非真円筒面である場合、負荷点を支点としてローラが揺動し易くなり、スライド抵抗の低減を図りやすくなる。
ローラ軸線を含む平面上におけるローラ外径面の曲率中心がローラ軸線からずれ、かつ、ローラ軸線を含む平面上におけるローラ外径面の曲率半径をローラ軸線と直交する平面上におけるローラ外径面の曲率半径よりも小さく設定した場合、トラック軸線方向のローラの傾きが修正されることになって、トラック溝に対するローラの姿勢が安定した状態で回転することができる。これによって、ローラの円滑な転動を促すことができ、継手の高寿命化及び車両の低振動化を達成できる。
外側継手部材に、ローラの軸方向外端面をガイドするガイド面を設けたことによって、トラック溝に対するローラの姿勢がより安定した状態で回転することができ、ローラの円滑な転動を安定して得ることができる。
トリポード部材の脚軸を研削又は焼入鋼切削で仕上げることができ、仕上げ加工の容易化を図ることができる。焼入鋼切削は、単に切削のことであり、切削は通常生材の状態で行うので、熱処理後(焼入れ後)の切削であることを明確にするために焼入鋼切削と称した。焼き入れ後に切削を行うため、素材の熱処理変形をこの切削過程で除去することができる。焼入れを行うと、引張残留応力が残り易く、そのままでは疲労強度が低下する。このため、表面を切削すれば、最表面部に圧縮残留応力を付与させることができ、これにより疲労強度が向上する。また、焼入鋼切削では、研削で必要な研削油剤を必要としないので、環境面で優れる利点がある。
トリポード部材の表面に硬化層を設けることによって、トリポード部材の耐久性の向上を図ることができる。特に、高周波焼入れ焼き戻しにおいては、少なくとも脚軸の外径面及び脚軸の付根部(継手回転駆動時に曲げ応力が働く部位)に硬化層を設けることによって、安定した耐久性を発揮することができる。
本発明のトリポード型等速自在継手の横断面図である。 前記トリポード型等速自在継手の脚軸とローラとの断面図である。 前記トリポード型等速自在継手の脚軸とローラとの関係を示す断面図である。 前記トリポード型等速自在継手の脚軸の変形例を示す断面図である。 前記トリポード型等速自在継手の脚軸の他の変形例を示す断面図である。 前記トリポード型等速自在継手の首振状態の縦断面図である。 前記トリポード型等速自在継手のローラの変形例を示す要部拡大断面図である。 前記図7のローラの斜視図である。 前記トリポード型等速自在継手の他の実施形態を示す横断面図である。 前記トリポード型等速自在継手の他の実施形態を示す横断面図である。 前記図10に示す脚軸を有するトリポード型等速自在継手において、ローラを圧縮変形させた状態の断面図である。 比較例を示す断面図である。 前記図12に示すトリポード型等速自在継手の要部断面図である。 前記図13のX−X線断面図である。 従来のトリポード型等速自在継手の横断面図である。 従来のトリポード型等速自在継手の縦断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1に本発明にかかるトリポード型等速自在継手を示し、このトリポード型等速自在継手は、外側継手部材1と、内側継手部材としてのトリポード部材2と、トルク伝達部材としてのローラ3とを備える。この場合、外側継手部材1に収容される内部部品Sをトリポード部材2とローラ3とで構成している。
外側継手部材1は一体に形成されたマウス部1aとステム軸(図示省略)とからなる。マウス部1aは一端にて開口したカップ状で、その内周面に、軸方向に延びる3本のトラック溝5が形成される。各トラック溝5の円周方向で向き合った内側壁にローラ案内面6、6が形成される。なお、ボス7の内径面には雌スプライン9が形成してある。
トリポード部材2はボス7と脚軸8とを備える。脚軸8はボス7の円周方向三等分位置から半径方向に突出している。また、脚軸8は、その断面形状(図1のY−Y線断面における形状)が図2に示すように、長円形状とされる。すなわち、脚軸8の外径面に180°反対方向に配置される切欠部11,11を形成している。これによって、脚軸8の軸方向端部とローラ3の内径面3aとの間に隙間10,10が設けられる。ここで、長円形とは、所定間隔をもって平行に延びる一対の直線部と、各直線部の長手方向一端部を連結する円弧部と、各直線部の長手方向他端部を連結する円弧部とから構成されるものである。これに対して、後述する楕円とは、2定点(焦点という)からの距離の和が一定である点の集合のことを指す。
脚軸8の外径面のうち、切欠部11、11以外においては円筒面12,12とされる。この円筒面12、12は、脚軸の軸線L1上の点O1を中心とした円弧面とされる。すなわち、点O1がローラ3の中心点Oと一致している。
また、ローラ3は、その内径面3aの軸方向中央部15を内径側へ突出する凸円弧状としている。すなわち、継手横断面形状(脚軸横断面形状)において、ローラ3の軸方向中央部15は、脚軸8の軸線L1と直交し、かつ脚軸8の軸線L1上の軸方向中央点O1を通る線L2上であって、ローラ3の外径面よりも外径側の点を中心とした曲率半径Raの円弧面とされる。
継手横断面形状において、ローラ3の外径面3bは前記中心点O1を中心とした円弧面とされる。この場合、トラック溝5のローラ案内面6、6も、中心点O1を中心とした円弧面とされるが、ローラ3の外径面3bの曲率半径R1がトラック溝5のローラ案内面6、6の曲率半径R2よりも小さく設置されている。
ところで、脚軸8の外径面の円筒面12、12として図3に示すように、真円としても、図4に示すように、非真円であってもよい。図4の場合、円筒面12、12の曲率中心を前記O1から、線L2上においてずれている。すなわち、円筒面12、12の曲率半径Rが、ローラ3の内径面3aの曲率半径rよりも小さく設定される。このため、本発明における真円とは、脚軸横断面における円筒面12の曲率中心O1が脚軸8の軸線L1上にあるものであり、非真円とは、脚軸横断面における円筒面12の曲率中心O1が脚軸8の軸線L1からずれ、かつ円筒面12の曲率半径Rがローラ3の内径面3aの半径rよりも小さいものである。
図3と図4において、15、16をローラ案内面6としている。このため、ローラ案内面6におけるローラ3の外径面3bとの負荷点17を支点とした揺動を考えた場合、図3と図4とを比べれば、図4に示すように、外径面の円筒面12,12を非真円としたものが、真円としたものよりも、図4の矢印方向のローラ3の揺動が容易となる。なお、図3においては、ローラ3の中心Oと、円筒面12,12の中心O1とがずれている。
また、図5は、脚軸8の切欠部11を小さくして、外径面の円筒面12、12を大きくして、その楕円形状に近づけたものであり、円筒面12を楕円面としている。このようなものであっても、ローラ3の揺動が容易となる。
前記トリポード部材2としては、表面に硬化層を設けるのが好ましい。この硬化層は、浸炭焼入れ焼き戻し、浸炭窒化焼入れ焼き戻し、及び高周波焼入れ焼き戻しのいずれかで形成することができる。特に、高周波焼入れ焼き戻しにおいては、少なくとも脚軸付根部及び脚軸外径面に硬化層が形成されているのが好ましい。このように、硬化層を設ければ、トリポード部材の耐久性の向上を図ることができる。特に、脚軸8の外径面及び脚軸8の付根部(ボス部7と脚軸8とのコーナ部であって、継手回転駆動時に曲げ応力が働く部位)に、高周波焼入れにて硬化層を設けることによって、安定した耐久性を発揮することができる。ここで、高周波焼入れとは、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。また、浸炭焼入れとは、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れを行う方法である。
また、脚軸8の少なくともローラ3の内径面と接触する部位を、研削又は焼入鋼切削で仕上げるようにするのが好ましい。焼入鋼切削は、単に切削のことであり、切削は通常生材の状態で行うので、熱処理後(焼入れ後)の切削であることを明確にするために焼入鋼切削と称した。焼き入れ後に切削を行うため、素材の熱処理変形をこの切削過程で除去することができる。焼入れを行うと、引張残留応力が残り易く、そのままでは疲労強度が低下する。このため、表面を切削すれば、最表面部に圧縮残留応力を付与させることができ、これにより疲労強度が向上する。また、焼入鋼切削では、研削で必要な研削油剤を必要としないので、環境面で優れる利点がある。
本発明において、脚軸8の軸方向端部とローラ3の内径面3aとの間に隙間10,10が設けられるので、図6に示すような首振りが容易となる。ここで、首振りとは、脚軸8の軸線L1を含む平面内で脚軸8の軸線に対してローラ3の軸線が傾くことをいう。図6の図例では、θだけ傾いている。これによって、継手が作動角を取って回転駆動する際に、ローラ3が外側継手部材1のトラック溝5に対して水平に転動することが機能上可能となる。特に、脚軸8の外径面の円筒面を非真円形状とするとともに、ローラ3の内径面3aの軸方向中央部15を内径側へ突出する凸円弧状とすることによって、脚軸8の外径面とローラ3の内径面3aとの接触面積が小さく、脚軸中心廻りに対してローラ3が転動し易くなるとともに、首振りが容易となる。
また、図7に示すように、ローラ3の外径面3bの曲率中心O5を、ローラ軸線上からずらすようにしてもよい。すなわち、線L2上において曲率中心O5をローラ外径側にずらせている。このように、ローラ3の外径面3bの曲率中心O5をずらせることによって、作動角をとった際に、ローラ3をトラック溝5に安定した姿勢の嵌合状態を維持できる。すなわち、継手が作動角をとった状態で、回転する場合、ローラ3はローラ案内面6上を転がり往復運動を行う。この際、ローラ3の外径面3bの曲率中心が脚軸8の軸線からローラ案内面側にずれていることによって、トルク負荷時に偶力が働いて、トラック軸線方向のローラ3の傾きが修正されることになる。
本発明では、外側継手部材1に収容される内部部品Sをトリポード部材2とローラ3とで構成しているので、部品点数の減少を図ることができる。これによって、組立性の向上及び低コスト化を図ることができる。
ところで、図12から図14に比較例で示すように、外側継手部材1Aに収納される内部部品SAとしてトリポード部材2Aとローラ3Aとで構成したとしても、脚軸8Aの軸方向端部とローラ3Aの内径面3Aaとの間に隙間を設けない場合、円滑なローラ3Aの転動が阻害される。
すなわち、脚軸8Aの外径面全体が円筒面となり、この脚軸8Aの外径面とローラ3の内径面とが僅か隙間をもって、ローラ3が脚軸8Aに装着される。このため、脚軸8Aの外径面とローラ3の内径面との接触面積が大となり、しかも、脚軸8Aの外径面とローラ3の内径面とは僅かな隙間であるので、潤滑剤(グリース)の介在性が悪い。このため、円滑なローラ3Aの転動が阻害される。これに対して、脚軸8の継手軸方向端部とローラ3の内径面3aとの間に隙間10を設けたものであれば、脚軸8の外径面とローラ3の内径面3aとの間の潤滑剤(グリース)の介在性の向上を図ることができ、長期にわたって滑らかなトルク伝達が可能となる。また、脚軸外径面とローラ3の内径面3aとの接触面積を小さくでき、脚軸中心廻りに対してローラ3が転動し易くなって、一層滑らかなトルク伝達が可能となる。
ローラ3の脚軸8に対する首振り揺動を可能とすることによって、継手が作動角をとって回転する際に、ローラ3が外側継手部材1のトラック溝5に対して安定して姿勢(水平姿勢)を維持でき、継手回転中に継手軸方向に発生する力(誘起スラスト)や、車両のアイドリング時にエンジンからドライブシャフトに伝達する継手軸方向に発生する振動(スライド抵抗)の低減を図ることができる。ここで、誘起スラストとは、等速自在継手が回転中にある角度でトルクが負荷されたときに、その継手内部の摩耗により発生するスラスト力をいう。また、スライド抵抗とは、外側継手部材とトリポード部材が互いに摺動する時に発生する軸方向摩擦力である。
脚軸8の円筒面12が非真円筒面である場合、負荷点17を支点としてローラが揺動し易くなり、スライド抵抗の低減を図りやすくなる。
ローラ軸線Lを含む平面上におけるローラ外径面の曲率中心O5がローラ軸線Lからずれ、かつ、ローラ軸線Lを含む平面上におけるローラ外径面3bの曲率半径Rbをローラ軸線Lと直交する平面上におけるローラ外径面3bの曲率半径R1よりも小さく設定した場合、このように、ローラ3の外径面3bの曲率中心をずらせることによって、作動角をとった際に、ローラ3をトラック溝5に安定した姿勢の嵌合状態を維持できる。すなわち、継手が作動角をとった状態で、回転する場合、ローラ3はローラ案内面上を転がり往復運動を行う。この際、ローラ3の外径面3bの曲率中心が脚軸の軸線からずれていることによって、トルク負荷時に偶力が働いて、トラック軸線方向のローラ3の傾きが修正されることになる(図8)。このため、トラック溝5に対するローラ3の姿勢が安定した状態で回転することができることになって、ローラ3の円滑な転動を促すことができ、継手の高寿命化及び車両の低振動化を達成できる。
次に図9は他の実施形態を示し、この場合、外側継手部材1に、ローラ3の軸方向外端面3cをガイドするガイド面20を設けている。すなわち、トラック溝5に鍔状段部21を設け、この鍔状段部21のローラ対向面をもってガイド面20としている。
このようなガイド面20を設けることによって、ローラ3をトラック溝5に対して安定した姿勢を維持できる。これによって、ローラ3の円滑な転動を安定して得ることができる。
次に図10は別の実施形態を示し、この場合、脚軸8の先端部にローラ脱落防止部25を設けている。前記ローラ脱落防止部25は脚軸8の円筒面12,12の先端部に外鍔部26から構成される。この外鍔部26は、脚軸8の外径面を塑性加工、切削加工、および研削加工のいずれかから選択される加工にて形成される。
塑性加工にて外鍔部26を形成する場合は、塑性変形により脚軸の先端部をかしめればよい。また、研削加工では、脚軸8の外径面に未研削面を残すようにすればよい。さらには、脚軸8にローラを取り付けた後、塑性加工により先端部を加締る、又は叩いてもよい。
外鍔部26の外接円の円径af1を、ローラ3の内径Ds1よりも大きく設定する。この場合、円筒面12、12の外径(半径)をローラ3の内径Ds1と略同一としている。このため、ローラ脱落防止部25にてローラ3の脱落が防止され、組立性の一層の向上を図ることができる。
このようには脚軸8の先端部に外鍔部26を設けた場合、ローラ3を装着する際には、外鍔部26を越える必要がある。このため、図11に示すように、脚軸8の切欠部11,11に対応する部位に、外径側からの圧縮力P、Pを作用させて、ローラ3を扁平状とする。これによって、外鍔部26の外形よりローラ3の内形が大きくなって、装着が可能となる。また、ローラ3が外鍔部26を越えた場合、前記圧縮力P、Pの付与を解除することによって、ローラ3が元の円環形状に戻って、外鍔部26にて受けられることになる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、図10に示すトリポード型等速自在継手においても、ローラ3の内径面3aの軸方向中央部15を内径側へ突出する凸円弧状としてもよい。また、ローラ3の外径面3bの曲率中心が脚軸の軸線からローラ案内面側にずれてもよい。
図10に示すように、脚軸8の先端部に外鍔部26を設けた場合、前記実施形態では、ローラ3を図11に示すように変形させて装着していたが、変形させることなく、ローラ3を脚軸軸線方向に沿って強制的に圧入させるいわゆるかち込み等によってもよい。
1 外側継手部材
2 トリポード部材
3 ローラ
3a 内径面
3b 外径面
5 トラック溝
6 ローラ案内面
7 ボス
8 脚軸
10 隙間
11 切欠部
12 円筒面
20 ガイド面
25 ローラ脱落防止部
26 外鍔部

Claims (14)

  1. 内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラとを備えたトリポード型等速自在継手において、
    前記外側継手部材に収容される内部部品をトリポード部材とローラとで構成し、前記脚軸の先端部にローラ脱落防止部を設けたことを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. 前記ローラ脱落防止部は、前記脚軸の先端部に、塑性加工、切削加工、および研削加工のいずれかから選択される加工にて形成される外鍔部から構成されたことを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
  3. 前記脚軸の継手軸方向端部とローラの内径面との間に隙間を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトリポード型等速自在継手。
  4. 前記脚軸の外径面の内、少なくともローラの内径面に接触する部位を円筒面としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  5. 内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されたローラとを備えたトリポード型等速自在継手において、
    前記外側継手部材に収容される内部部品をトリポード部材とローラとで構成し、前記脚軸の継手軸方向端部とローラの内径面との間に隙間を設け、かつ、ローラの内径面のローラ軸方向中央部を内径側へ突出する凸円弧状とするとともに、前記脚軸の外径面の内、少なくともローラの内径面に接触する部位を円筒面としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のトリポード型等速自在継手。
  6. 前記ローラの脚軸に対する首振り揺動を可能としたことを特徴とする請求項5に記載のトリポード型等速自在継手。
  7. 脚軸横断面における前記円筒面の曲率中心が脚軸の軸線上にある真円筒面であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  8. 脚軸横断面における前記円筒面の曲率中心が脚軸の軸線からずれ、かつ円筒面の曲率半径がローラの内径面の半径よりも小さい非真円筒面であることを特徴とする請求項7に記載のトリポード型等速自在継手。
  9. 前記非真円筒面が楕円面形状であることを特徴とする請求項8に記載のトリポード型等速自在継手。
  10. ローラ軸線を含む平面上におけるローラ外径面の曲率中心がローラ軸線からずれ、かつ、ローラ軸線を含む平面上におけるローラ外径面の曲率半径をローラ軸線と直交する平面上におけるローラ外径面の曲率半径よりも小さく設定したことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  11. 外側継手部材に、ローラの軸方向外端面をガイドするガイド面を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  12. トリポード部材の脚軸の外径面のうち少なくともローラの内径面に接触する部位を、研削又は焼入鋼切削で仕上げていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  13. トリポード部材の表面に硬化層が設けられ、この硬化層が、浸炭焼入れ焼き戻し、浸炭窒化焼入れ焼き戻し、及び高周波焼入れ焼き戻しのいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  14. 前記硬化層は、少なくとも脚軸付根部及び脚軸外径面に高周波焼入れ焼き戻しにて形成されていることを特徴とする請求項13に記載のトリポード型等速自在継手。
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