JP2008249066A - トリポード型等速自在継手とその塑性変形部を形成する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トリポード部材の抜け止めを低コストに、少ない加工工数で実現できるトリポード型等速自在継手とその塑性変形部を形成する方法を提供すること。
【解決手段】 外側継手部材1のローラ案内面13aの開口端部に、傾斜部15aと隆起部15bとから成る塑性変形部15を形成する。この塑性変形部15は、外側継手部材1の開口端面11aと、ローラ案内面13aとの境界部分に特殊治具により形成する。特殊治具の上面に軸線方向の力を与えて、一対のローラ案内面13aの開口端部に塑性変形部15を形成する。塑性変形部15の隆起部15bがローラ3に干渉することにより、ローラ3及びトリポード部材2の抜け止めを行う。
【選択図】図1
【解決手段】 外側継手部材1のローラ案内面13aの開口端部に、傾斜部15aと隆起部15bとから成る塑性変形部15を形成する。この塑性変形部15は、外側継手部材1の開口端面11aと、ローラ案内面13aとの境界部分に特殊治具により形成する。特殊治具の上面に軸線方向の力を与えて、一対のローラ案内面13aの開口端部に塑性変形部15を形成する。塑性変形部15の隆起部15bがローラ3に干渉することにより、ローラ3及びトリポード部材2の抜け止めを行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や各種産業機械等の動力伝達装置に使用されるトリポード型等速自在継手とその塑性変形部を形成する方法に関し、詳しくは、外側継手部材の内側に配置されたトリポード部材の抜け止め構造に関する。
例えば、自動車のエンジンからの回転動力を車輪に伝達するドライブシャフトでは、その一端が摺動型等速自在継手を介してディファレンシャルに連結され、他端が固定型等速自在継手を介して車輪に連結される。ドライブシャフトの一端に使用する摺動型等速自在継手としては、例えばトリポード型等速自在継手が知られている。
トリポード型等速自在継手としては、図5及び6に示すようなものがある。図5は、トリポード型等速自在継手の軸線方向の縦断面図であり、図6は、外側継手部材を示す正面図である。
このトリポード型等速自在継手は、外側継手部材100の内側に、半径方向に突出した三本の脚軸21を有するトリポード部材2を配置している。各脚軸21の外周側にはローラ3が複数の針状ころ22を介して回転自在に取り付けられており、このローラ3を外側継手部材100の内周面に形成された三本のトラック溝113に収容している。この状態で、各トラック溝113のローラ案内面113aでローラ3を軸方向に案内することにより、駆動側および従動側の二軸間での軸方向変位が許容される。
ところで、例えばドライブシャフトを車体に組み付ける工程等においては、ドライブシャフトを傾けたり垂直にせざるを得ない場合がある。この際、トリポード型等速自在継手を上にすると、外側継手部材100の内周からトリポード部材2がその重みで脱落するおそれがあるので、従来、トリポード部材2の抜け止め対策として、外側継手部材100の内周面の開口近傍にサークリップ120を装着している(例えば、特許文献1参照)。
外側継手部材100は、トラック溝113が内側に形成される大径部111と、大径部111の間の小径部112とを有し、上記サークリップ120を装着するために、各小径部112の内周面に直線状の係合溝115を形成している。この係合溝115にサークリップ120を係合させ、サークリップ120をローラ3に干渉させることによって、トリポード部材2の抜けを防止している。上記サークリップ120は、係合溝115に対応した直線部分と、トラック溝113の一対のローラ案内面113a,113a間の円弧状面113bに対応した円弧部分とで構成されている。
実開平10−194号公報
しかしながら、上記従来のトリポード型等速自在継手は、外側継手部材101の内周面に形成する溝115や、この溝115に係合させるサークリップ120が異形形状であるため、これらの加工コストや加工工数が増大するという不都合がある。
そこで、本発明の課題は、トリポード部材の抜け止めを低コストに、少ない加工工数で実現できるトリポード型等速自在継手を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載のトリポード型等速自在継手は、端面に開口を有すると共に、内周面に軸線方向の3本のトラック溝を有し、各トラック溝の両側にそれぞれ軸線方向のローラ案内面が形成された外側継手部材と、この外側継手部材の内側に配置され、半径方向に突出した3本の脚軸を有するトリポード部材と、このトリポード部材の各脚軸に回転自在に装着された状態で上記トラック溝に挿入されたローラとを備えたトリポード型等速自在継手において、上記外側継手部材のローラ案内面の開口端部に、外開き状に傾斜した傾斜部と、この傾斜部の奥側に連続すると共に上記ローラ案内面上に隆起した隆起部とから成る塑性変形部を形成したことを特徴としている。
上記構成によれば、外側継手部材のローラ案内面のうち、外側継手部材の開口に連なる開口端部に形成した塑性変形部の隆起部がローラ案内面を転動するローラに干渉することにより、外側継手部材の内周面に係合溝を形成したりサークリップを装着することなく、少ない加工工数で容易にトリポード部材の抜け止めを行うことができる。また、サークリップが不要であるので、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
請求項2に記載のトリポード型等速自在継手は、上記ローラは円環形状を有して上記脚軸に外嵌しており、上記脚軸の外周面とローラの内周面との間に、針状ころを総ころ状態で配列していることを特徴とする。
上記実施形態によれば、上記トリポード部材の各脚軸とローラとの間に針状ころを総ころ状態に介在させることにより、ローラを脚軸回りに円滑に回転させて、外側継手部材とトリポード部材とが作動角をとって動作する際にローラ案内面に対する滑りを低減できる。その結果、低振動のトリポード型等速自在継手が得られる。このようなトリポード型等速自在継手において、外側継手部材のローラ案内面の開口端部に塑性変形部を形成することにより、容易にトリポード部材の抜け止めを行うことができ、また、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
請求項3に記載のトリポード型等速自在継手は、上記脚軸に外嵌して上記ローラを回転自在に支持する内側リングを備え、上記内側リングの内周面を円弧状凸断面に形成すると共に、上記脚軸の外周面を、縦断面においてはストレート形状とし、かつ、横断面においては、継手円周方向の径が継手軸方向の径より大きい非円形状としたことを特徴とする。
上記実施形態によれば、外側継手部材とトリポード部材とが作動角をとって動作する際、ローラ及び内側リングが脚軸に対して首振り摺動動作する。ここで、脚軸の外周面を、縦断面においてはストレート形状とし、かつ、横断面においては、継手円周方向の径が継手軸方向の径より大きい非円形状とすることにより、内側リングとの接触を点接触に近づけることができ、トラック溝内におけるローラ及び内側リングの姿勢を安定にできる。これにより、ローラとローラ案内面との間の滑りやスライド抵抗を低減し、軸線方向の誘起スラストを効果的に低減して、低振動のトリポード型等速自在継手が得られる。このようなトリポード型等速自在継手において、外側継手部材のローラ案内面の開口端部に塑性変形部を形成することにより、容易にトリポード部材の抜け止めを行うことができ、また、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
請求項4に記載のトリポード型等速自在継手は、上記脚軸に外嵌して上記ローラを回転自在に支持する内側リングを備え、上記脚軸の外周面の少なくとも一部を凸球面としたことを特徴とする。
上記実施形態によれば、外側継手部材とトリポード部材とが作動角をとって動作する際、ローラ及び内側リングが脚軸に対して首振り摺動動作をすることにより、トラック溝内におけるローラ及び内側リングの姿勢が安定して、ローラとローラ案内面との間の滑りやスライド抵抗が低減する。ここで、脚軸の外周面の少なくとも一部を凸球面としたことにより、内側リングとの接触面圧が低減されるので、脚軸の耐久性が向上する。したがって、低振動であり、かつ、高い耐久性を有するトリポード型等速自在継手が得られる。このようなトリポード型等速自在継手において、外側継手部材のローラ案内面の開口端部に塑性変形部を形成することにより、容易にトリポード部材の抜け止めを行うことができ、また、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
請求項5に記載のトリポード型等速自在継手は、請求項1に記載のトリポード型等速自在継手に上記塑性変形部を形成する方法であって、単一の治具を用いて、上記トラック溝両側のローラ案内面の開口端部に一対の塑性変形部を同時に形成することを特徴とする。
上記実施形態によれば、外側継手部材の3つのトラック溝について、上記治具を用いた3つの工程により、少ない加工工数で塑性変形部を形成することができる。
請求項6に記載のトリポード型等速自在継手は、請求項5に記載の方法であって、
上記治具は、上記トラック溝の対向する一対のローラ案内面の開口端部に係止可能な逆台形状を有し、かつ、上記ローラ案内面の開口端部に係止する側面が、軸線直角方向の断面において上記ローラ案内面の輪郭と略同一の輪郭を有し、軸線方向の力を受けて、上記ローラ案内面の開口端部に塑性変形部を形成することを特徴とする。
上記治具は、上記トラック溝の対向する一対のローラ案内面の開口端部に係止可能な逆台形状を有し、かつ、上記ローラ案内面の開口端部に係止する側面が、軸線直角方向の断面において上記ローラ案内面の輪郭と略同一の輪郭を有し、軸線方向の力を受けて、上記ローラ案内面の開口端部に塑性変形部を形成することを特徴とする。
上記実施形態によれば、上記治具を上記一対のローラ案内面の開口端部に係止させた状態で、この治具に軸線方向の力を作用させることにより、ローラ案内面の対向方向に突出した塑性変形部を形成することができる。
請求項7に記載のトリポード型等速自在継手は、上記治具は、HRc65以上の表面硬さを有することを特徴とする方法。
上記実施形態によれば、ロックウェル硬さ(Cスケール試験:以下同じ)でHRc65以上の表面硬さを有する治具を用いることことにより、上記ローラ案内面の開口端部に確実に塑性変形部をさせて変形部を形成することができる。ここで、通常は、ローラ案内面を熱処理によって硬化するが、変形部の形成部分にも硬化処理がなされていると、延性不足によって塑性変形部を発生させる際に母材割れを起こすおそれがある。したがって、外側継手部材の開口部近傍を除いて熱処理を行うことにより、開口部近傍に、硬化したローラ案内面よりも硬度が低くかつ延性に富む未硬化部を形成するのが好ましい。この未硬化部に塑性変形部を形成することにより、塑性変形に伴う母材割れを回避することができる。なお、必要に応じて、治具側面(ローラ案内面に当たる部位)の表面粗さを粗くするとよい。表面粗さを粗くする方法としては、例えばローレット加工がある。
本発明によれば、外側継手部材のローラ案内面の開口端部に塑性変形部を形成することにより、少ない加工工数で容易にトリポード部材の抜け止めを行うことができ、また、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態のトリポード型等速自在継手を示す正面図であり、図2は、図1のX−X線に沿う縦断面図である。図1は、外側継手部材のみを図示している。
このトリポード型等速自在継手は、自動車のディファレンシャルに連結され、ドライブシャフトに回転力を伝達するものである。この等速自在継手は、図2に示すように、カップ部11とステム部12とを有する外側継手部材1と、この外側継手部材1のカップ部11内に収容され、半径方向に突出した3本の脚軸21を有するトリポード部材2を備える。トリポード部材2の脚軸21の外周面には、複数の針状ころ22が総ころ状態で配列されており、この針状ころ22を介して、円環状のローラ3が回転可能に外嵌している。トリポード部材2の3つのローラ3は、外側継手部材1のカップ部11の内周面に形成された3つのトラック溝13に各々挿入されている。トラック溝13の両側には、外側継手部材1の周方向に対向する一対のローラ案内面13a,13aが形成されている。
外側継手部材1のローラ案内面13aの開口端部には、ローラ3と干渉可能な塑性変形部15が設けられている。この塑性変形部15は、外側継手部材1の開口端面11aと、ローラ案内面13aとの境界部分を治具により塑性変形により形成したものである。塑性変形部15は、詳しくは図4(b)に示すように、外開き状に傾斜した傾斜部15aと、この傾斜部15aの奥側に連続すると共にローラ案内面上に隆起した隆起部15bとから成る。隆起部15bは断面円弧状に膨らんだ形で一対のローラ案内面13aが互いに向き合う方向に夫々突出している。
図3及び4は、塑性変形部15の加工工程を説明する図である。詳しくは、図3(a)は、外側継手部材1に治具を設置した様子を示す断面図である。図3(b)は、治具を設置した様子を示す正面図である。図4(a)は、塑性変形部15を形成した後の様子を示す断面図であり、図1のY−Y線に沿う断面図である。図4(b)は、図4(b)の丸印Aで囲んだ部分を拡大して示した断面図である。
塑性変形部15の加工工程に先立ち、外側継手部材1のローラ案内面13aを焼入れ等の熱処理によってHRc55以上まで硬化させ、ローラ3の転動に耐え得る十分な転動疲労強度をローラ案内面14に付与する。ここで、ローラ案内面13aのうち、外側継手部材10の開口部近傍は熱処理を施さず、硬化していない未硬化部を形成する。この未硬化部44の表面硬度は、塑性変形部15を形成する際の割れ発生を防止するため、HRc40以下とする。なお、ローラ案内面13aのうち、未硬化部とした開口部近傍は、通常の使用状態ではローラ3が転動することはないので、熱処理を省略しても特に問題は生じない。未硬化部は未焼入れとして生材を残す他、表面硬度がHRc40を超えない範囲で適当な熱処理を施して調質することもできる。
変形部15の加工工程においては、先ず、トリポード部材2及びローラ3を外側継手部材1内に収容した後、図3(a)に示すように、外側継手部材1のトラック溝13の対向するローラ案内面13a,13aの開口端部に、治具17を設置する。この治具17は、HRc65以上の表面硬さを有し、HRc40以下の未硬化部に対して十分に大きい硬さが与えられている。なお、必要に応じて、治具17側面(ローラ案内面に当たる部位)の表面粗さを粗くするとよい。表面粗さを粗くする方法としては、例えばローレット加工がある。この治具17は、図3(a)に示すように、トリポード部材2の脚軸21の軸線方向視において、両側面17a,17a間の幅が外側継手部材1のカップ部11の底に向かうにつれて狭まる逆台形状を有する。また、図3(b)に示すように、治具17の側面17aは、外側継手部材1の軸線直角方向の断面において、ローラ案内面13aの輪郭と略同一の輪郭を有する。これにより、治具17の側面17aが、ローラ案内面13aの開口端部に隙間無く係止する。このように一対のローラ案内面13a,13aの開口端部に両側面17a,17aが係止した治具17の上面17bに、矢印Fで示す軸力を与える。これにより、図4(a)に示すように、ローラ案内面13a,13aの開口端部に塑性変形部15が形成される。塑性変形部15の傾斜部15aは、治具17の側面17aに対応して形成される。塑性変形部15の隆起部15bは、図4(b)に拡大して示すように、ローラ案内面13aから他のローラ案内面13aに向かって突出するように形成される。この変形部15に、ローラ案内面13aに沿って転動するローラ3が干渉することにより、ローラ3が開口端部から脱落することを防止して、トリポード部材2の抜け止めを行うことができる。
このように、本実施形態のトリポード型等速自在継手は、外側継手部材1のローラ案内面13aの開口端部に塑性変形部15を形成することにより、外側継手部材の内周面に係合溝を形成したりサークリップを装着することなく、少ない加工工数で容易にトリポード部材の抜け止めを行うことができる。また、サークリップが不要であるので、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。更に、外側継手部材の開口近傍に係合溝を形成してサークリップを装着する領域が不要となるので、トリポード部材2の摺動距離を従来と同一とする一方、外側継手部材1の軸線方向寸法を縮小することができる。また、外側継手部材1の軸線方向寸法を従来と同一としつつ、トリポード部材2の摺動距離を従来よりも延長することができる。
以上、図1及び2に例示するトリポード型等速自在継手に本発明を適用した場合を説明したが、本発明はこれに限らず、種々の形式のトリポード型等速自在継手に適用することができる。
例えば、本発明は、脚軸21に対するローラ3の首振り揺動を自在とした機構を採用したトリポード型等速自在継手に適用することも可能である。この種のトリポード型等速自在継手としては、以下のものが知られているが、本発明は下記の(1)〜(6)の何れの機構を有するトリポード型等速自在継手にも適用し得るものである。
(1)脚軸に、環状の外側ローラ及び内側ローラを外嵌し、外側ローラの外周面を凸球状(曲率中心が脚軸の軸線上にある「真球面」、曲率中心が脚軸の軸線から外径側にオフセットされている、いわゆる「トーラス面」の双方を含む)、内周面を円筒状、内側ローラの外周面を凸球状とする。これにより、外側ローラの円筒状の内周面と内側ローラの凸球状の外周面との間の滑りによって、外側ローラの首振り揺動を自在としたもの(特公平3−1529号等)。
(2)外側ローラの外周面を凸球状(真球面、トーラス面の双方を含む)、内周面を内側ローラと線接触する形状、内側ローラの外周面を凸球状とし、外側ローラの内周面と内側ローラの凸球状の外周面との間の滑りによって、外側ローラの首振り揺動を自在とし、かつ、誘起スラストやスライド抵抗を一層低減するため、外側ローラの内周面を内側ローラの外周面との接触位置で脚軸先端側に向いた負荷分力を発生させる形状としたもの(特開平9−14280号等)。
(3)ローラ案内面を平坦面、外側ローラの外周面を円筒状、内周面を凹球状、内側ローラの外周面を凸球状とし、外側ローラの凹球状内周面と内側ローラの凸球状外周面との間の滑りによって、外側ローラの首振り揺動を自在としたもの(特願平8−4073号、特願平8−138335号等)。
(4)上記(3)の構成に加え、ローラ案内面と脚軸の軸線とを作動角が0°の状態で互いに非平行としたもの(特開平11−13779号)。
(5)脚軸の外周面を凸球状に形成すると共に、ローラを複数のニードルローラを介して支持リングに組み付けてローラアッセンブリを構成し、支持リングの円筒状の内周面を脚軸21の凸球状の外周面に外嵌したもの(特公平7−117108号、特許2623216号等)。
(6)ローラ案内面に案内されるローラと、脚軸の外周面に外嵌されてローラを回転自在に支持する支持リングとを有し、支持リングの内周面は円弧状凸断面であり、脚軸の外周面は縦断面においてはストレート形状で、横断面においては継手の軸線と直交する方向で支持リングの内周面と接触し、かつ継手の軸線方向で支持リングの内周面との間にすきまを形成するようになっているもの(特願平11−59040号)。
1 外側継手部材
2 トリポード部材
3 ローラ
11 外側継手部材のカップ部
13 トラック溝
13a ローラ案内面
15 塑性変形部
15a 傾斜部
15b 隆起部
21 トリポード部材の脚軸
2 トリポード部材
3 ローラ
11 外側継手部材のカップ部
13 トラック溝
13a ローラ案内面
15 塑性変形部
15a 傾斜部
15b 隆起部
21 トリポード部材の脚軸
Claims (7)
- 端面に開口を有すると共に、内周面に軸線方向の3本のトラック溝を有し、各トラック溝の両側にそれぞれ軸線方向のローラ案内面が形成された外側継手部材と、この外側継手部材の内側に配置され、半径方向に突出した3本の脚軸を有するトリポード部材と、このトリポード部材の各脚軸に回転自在に装着された状態で上記トラック溝に挿入されたローラとを備えたトリポード型等速自在継手において、
上記外側継手部材のローラ案内面の開口端部に、外開き状に傾斜した傾斜部と、この傾斜部の奥側に連続すると共に上記ローラ案内面上に隆起した隆起部とから成る塑性変形部を形成したことを特徴とするトリポード型等速自在継手。 - 上記ローラは円環形状を有して上記脚軸に外嵌しており、
上記脚軸の外周面とローラの内周面との間に、針状ころを総ころ状態で配列していることを特徴とする請求項1記載のトリポード型等速自在継手。 - 上記脚軸に外嵌して上記ローラを回転自在に支持する内側リングを備え、
上記内側リングの内周面を円弧状凸断面に形成すると共に、上記脚軸の外周面を、縦断面においてはストレート形状とし、かつ、横断面においては、継手円周方向の径が継手軸方向の径より大きい非円形状としたことを特徴とする請求項1記載のトリポード型等速自在継手。 - 上記脚軸に外嵌して上記ローラを回転自在に支持する内側リングを備え、
上記脚軸の外周面の少なくとも一部を凸球面としたことを特徴とする請求項1記載のトリポード型等速自在継手。 - 請求項1に記載のトリポード型等速自在継手に上記塑性変形部を形成する方法であって、単一の治具を用いて、上記トラック溝両側のローラ案内面の開口端部に一対の塑性変形部を同時に形成することを特徴とする方法。
- 請求項5に記載の方法であって、
上記治具は、上記トラック溝の対向する一対のローラ案内面の開口端部に係止可能な逆台形状を有し、かつ、上記ローラ案内面の開口端部に係止する側面が、軸線直角方向の断面において上記ローラ案内面の輪郭と略同一の輪郭を有し、軸線方向の力を受けて、上記ローラ案内面の開口端部に塑性変形部を形成することを特徴とする方法。 - 請求項6に記載の方法であって、
上記治具は、HRc65以上の表面硬さを有することを特徴とする方法。
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