JP2010242623A - ウォータポンプ - Google Patents

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信吾 村上
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Abstract

【課題】コイルヨークをハウジングに対してスナップリングを用いて固定することにより、ウォータポンプ全体の大型化を抑制する。
【解決手段】電磁コイルに通電することによって軸方向に吸引力を発生するコイルヨーク28と、コイルヨークをハウジング12に固定するコイルブラケット33と、ハウジング本体12に形成されたリング溝35内に縮径方向の付勢力によって嵌着することによってコイルブラケットをハウジングに固定する第2スナップリング16と、駆動プーリーとポンプ軸とを断続する電磁クラッチ11と、を備えている。リング溝の一側面35aをテーパ状に形成すると共に、第2スナップリングをリング溝内に嵌着した際に、コイルブラケット内周部33bをハウジングの突出部12cの先端面12eと第2スナップリング他端面との間で挟持状態に固定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、エンジンを冷却するための冷却水をエンジン内部に供給するために用いられるウォータポンプに関する。
近時、自動車のエンジンにあっては、エンジン始動後にウォータジャケットへの冷却水の供給量を可及的に少なくして暖機を促進させることによってエンジン潤滑油の粘度を低下させて燃費を向上させると共に、排気触媒温度を速やかに立ち上げて排気エミッション性能を向上させるといった要求がある。
このような要求を満足させるために、以下の特許文献1に記載された電磁クラッチを用いてポンプ駆動力を断続させるウォータポンプが提供されている。
このウォータポンプは、クランク軸から駆動力が伝達される駆動プーリと、ハウジングの内部に回転自在に設けられて、前記駆動プーリからポンプ軸を介して回転力が伝達されるインペラと、前記駆動プーリからポンプ軸への駆動伝達を断続させる電磁クラッチと、から主として構成されている。
前記電磁クラッチは、コイルの外周側に配置されたヨークがコイルブラケットを介してボルトによって前記ハウジングに固定されている。
特開昭62−210287号公報(図1)
しかしながら、前記公報に記載された従来のウォータポンプにあっては、前記コイルブラケットを固定する複数のボルトが螺着する雌ねじ孔が前記ハウジングの内部軸方向に沿って比較的長く形成されている。このため、ハウジングの軸方向の長さが長くなってポンプ全体の大型化を招くおそれがある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関から回転力が伝達される駆動回転体と、
該駆動回転体から回転力が伝達されるポンプ軸と、該ポンプ軸に固定されて、回転軸方向へ延出する複数の羽根を有するインペラと、該インペラが内部に回転自在に収容され、該インペラの回転軸中心側から外周側に向かって設けられた吐出部に冷却媒体を吐出するポンプ室を有するハウジングと、コイルに通電することによって軸方向に吸引力を発生する電磁部と、該電磁部を前記ハウジングに固定するコイルブラケットと、該コイルブラケットを前記ハウジング側に押し付けた状態で該ハウジングに固定するスナップリングと、前記電磁部のコイルに通電あるいは通電を遮断することにより前記駆動回転体と前記ポンプ軸とを断続するクラッチ機構と、を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、コイルブラケットをハウジングに固定する手段を、従来のようなボルトではなく、前記コイルブラケットをハウジングに軸方向から押し付けた状態で該ハウジングに固定するようにしたことから、ポンプ全体の大型化を抑制することができる。
本発明にかかるウォータポンプの第1実施形態の要部拡大断面図である。 本発明に係る自動車用ウォータポンプの第1実施形態の縦断面図である。 図2のA矢視図である。 図2のB−B線からみた矢視図である。 図2のC−C線からみた要部拡大図である。 本実施形態の作用を示す要部断面図である。 本実施形態の異なる作用を示す要部断面図である。 第2の実施形態のウォータポンプの縦断面図である。 本実施形態の作用を示す要部断面図である。 本実施形態の異なる作用を示す要部断面図である。 第3の実施形態のウォータポンプの要部断面図である。
以下、本発明に係るウォータポンプの各実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
図1〜図7は本発明のウォータポンプの第1の実施形態を示し、このウォータポンプ1は、ラジエータとエンジンの間で冷却媒体である冷却水(エチレングリコール)を循環させるエンジンの冷却装置に適用され、ラジエータとエンジン内部のウォータジャケットなどを接続する配管中に介装されている。
前記ウォータポンプ1は、エンジンのシリンダブロック2の側部にボルト固定等により直接取り付けられたハウジング3と、該ハウジング3の後端側外周に第1ボールベアリング6によって回転自在に支持された駆動回転体である駆動プーリー5と、前記ハウジング3の内部に挿通配置され、第2ボールベアリング8によって回転自在に設けられたポンプ軸7と、該ポンプ軸7の先端部に固定されて、前記ポンプ室4内に回転自在に収容されたインペラ9と、前記ハウジング3とポンプ軸7との間に介装されて、後述するポンプ室4と前記第2ボールベアリング8との間をシールするメカニカルシール10と、前記駆動プーリー5から前記ポンプ軸7に伝達される回転力を断続(可変)するクラッチ機構である電磁クラッチ11と、から主として構成されている。
前記ハウジング3は、伝熱性に優れた金属材であるアルミニウム合金材で一体に形成され、シリンダブロック2側の一端側に配置された異形円環状のハウジング本体12と、該ハウジング本体12の後端側に一体に形成された円筒部13とから構成されている。
前記ハウジング本体12は、前端にシリンダブロック2の側部に有する平面部に当接する平坦な環状の取付面12aが形成されていると共に、該取付面12a側に形成された凹部12bと該凹部12bに対向する前記シリンダブロック2の内部に形成された凹部2aとの間にポンプ室4が形成されている。また、ハウジング本体12の外周には、シリンダブロック2に螺着固定される取付ボルトが挿通されるボルト孔を構成する図外のボス部が複数突設されている。
このハウジング本体12の内部には、ラジエータ側の吸入ポート14からポンプ室4に流入した冷却水をインペラ9の回転に伴ってシリンダブロック2内のウォータジャケット内に吐出する吐出部である図外の吐出ポートが形成されている。
また、ハウジング本体12は、図1及び図5に示すように、前記円筒部13側の後端部に円弧状の突出部12cを一体に有していると共に、該突出部12cの内部や該突出部12c下側の下端壁12d内に、前記メカニカルシール10からリークした蒸気などの水分を外部に排出する排出手段が設けられている。
前記突出部12cは、その外面がハウジング本体12側の大径部側から先端部側に向かって円弧面状に形成されていると共に、電磁クラッチ11側の軸方向の先端面12eが平坦状に形成されている。
前記排出手段は、メカニカルシール10と円筒部13との間のポンプ軸7外周側に形成された円筒状のドレン室40と、前記突出部12c内に配置され、前記ドレン室40の上端部側に傾斜状に形成された第1ドレン孔41と、前記突出部12c内にほぼ軸方向に沿って形成されて、一端が前記第1ドレン孔41に接続され、他端側の開口部42aが前記突出部12cの先端面12eから外部に臨むドレン通路42と、前記下端壁12dの内部に配置され、前記ドレン室40の下端部側に傾斜状に形成された第2ドレン孔43と、上端が前記第2ドレン孔43に接続され、下端側に形成された第2開口部がキャップ45によって閉塞された貯水室44と、から構成されている。
前記キャップ45は、図5に示すように扇状に形成されて、上端部のほぼ中央位置には、貯水室44に溜まった水を外部に排出する小径円状の排出孔45aが形成されている。
前記ドレン通路43は、図5に示すように突出部12cの外形に沿ってほぼ円弧状に形成されていると共に、円周方向のほぼ等間隔位置に2つの補強リブ46が設けられている。また、前記突出部12cの側部には、位置決め溝47が形成されている。
前記円筒部13は、図2に示すように、内部に前記ハウジング本体12の内部からポンプ室4まで延設された貫通孔13aが形成されている。また、この貫通孔13aの内周面に第2ボールベアリング8の円筒状のアウターレース8aが圧入固定され、この第2ボールベアリング8を介して前記ポンプ軸7を回転自在に支持している。
また、円筒部13の外周には、前記第1ボールベアリング6を介して前記駆動プーリー5が回転自在に支持されていると共に、後端部外周には前記第1ボールベアリング6のインナーレース6bを介して軸方向の位置決めを行う第1スナップリング15が嵌着固定されている。また、同じく前端部外周には、ハウジング本体12側の外周に後述するコイルヨークの軸方向の位置決めを行う第2スナップリング16が嵌着固定されている。
前記駆動プーリー5は、図1に示すように、金属材によって断面ほぼコ字形状に形成され、外周側には、図外のクランクシャフトの先端部に固定された駆動プーリーと一緒に巻回された伝達ベルトによって回転力が伝達される波形歯状の従動プーリー部5aを一体に有していると共に、また、円環状の内周壁5bには、前記第1ボールベアリング6のアウターレース6aを軸方向に位置決めしつつ固定する円筒状溝5cが形成されている。
また、前記プーリー部5aと内周壁5bの軸方向の各後端部間には、前記電磁クラッチ10の一部を構成する円盤状の摩擦材21が一体に設けられ、該摩擦材21の後端面に摩擦面21aが形成されている。
さらに、前記プーリー部5aと内周壁5b及び摩擦材21に囲繞された内部には、前記ハウジング本体12側の前端部側に開口形成された円環状の収容溝5cが軸方向に沿って形成されている。
前記ポンプ軸7は、導電性材料である金属材によって一体に形成され、第2ボールベアリング8で支持される部位が大径になっているのに対してメカニカルシール11の近傍から先端部7aに渡って小径に形成されており、前記小径な先端部7aに前記インペラ9の中央に形成された円筒状の固定部9aが圧入によって固定されている。また、大径な後端部7bは、前記ハウジング3の円筒部13の後端縁から外方に所定量だけ突出している。
前記第2ボールベアリング8は、第1ボールベアリング6と同じくアウターレース8aが軸方向に延設されて円筒状に形成されていると共に、該アウターレース8aの内周面とポンプ軸7の外周面に形成された左右一対の対向する円環溝の間に、複数のボール8bが2連状に配置されている。また、前記第2ボールベアリング8の前端部と後端部には、ゴム製の円環状薄肉な一対のシール部材20,20が設けられている。
このように、前記第1、第2ボールベアリング6,8は、それぞれ2連状の複数のボール6c、8bを円筒状のインナー6b、アウターレース6a、8aによって一体的に保持するようにしたことから、製造コストの低減化と組付作業の容易化が図れる。
前記インペラ9は、図1に示すように、前記固定部9aの外周に回転軸方向(前端方向)へ延出した6枚の羽根部9bを一体に有しており、ポンプ軸7から伝達された回転力によって前記吸入ポート14から流入した冷却水をポンプ室4外周側の前記吐出ポートへ圧送するようになっている。
前記メカニカルシール10は、前記貫通孔13aのポンプ室4側の孔縁部に設けられており、ポンプ軸7の小径部7aの外周面に圧入固定された内側支持部材10aと、ハウジング3の円筒部13の貫通孔13a内端部に圧入固定された外側支持部材10bと、該両支持部材10a、10bの間に配置されて互いに軸方向から当接する横断面ほぼ矩形状の第1、第2シール部材10c、10dと、を備えている。
前記電磁クラッチ11は、図2及び図3に示すように、前記プーリー部5aと一体の円環状の摩擦材21と、前記ポンプ軸7の後端部7b外周面に圧入固定されたほぼ円筒状のハブ23と、該ハブ23の外周に一体に有する円盤状の結合部23aにリベット29によって固定された円盤状のプレート部材24と、基端部が前記プレート部材24に前記リベット29により共締め固定された付勢機構である3つの板ばね25と、該各板ばね25の先端部にリベット30によって結合されて、前記摩擦材21方向へ進退自在なクラッチ板26と、前記収容溝5cの内部に収容保持されて、内部に電磁コイル27を保持した電磁部であるコイルヨーク28と、から主として構成されている。
前記摩擦材21は、後端面の径方向中央部に僅かに突出した所定幅の円環状の摩擦面21aが形成されており、また、この摩擦面21aの形成位置には、前記収容溝5cと連通して磁路を形成するための複数の透孔22が円周方向のほぼ等間隔位置に形成されている。なお、この摩擦材21は、駆動プーリー5とは別体の摩擦板によって構成することも可能である。
前記プレート部材24は、金属板材によって比較的大きなほぼ三角形状に形成されて、各頂点部位置に固定されたピン31がクラッチ板26に有する挿通孔26aに軸方向へ摺動可能に挿通しつつクラッチ板26の回転をプレート部材24及びハブ23に伝達するようになっている。
前記各板ばね25は、細長い板状状に形成されて基端部が前記結合部23aの円周方向の等間隔位置の前記リベット29を介して結合されている一方、先端部側が前記クラッチ板26の径方向ではなく傾斜状に配置されていると共に、各先端部がクラッチ板26の円周方向の等間隔位置に前記リベット30によって結合されている。そして、前記3つの板ばね25のばね力によってクラッチ板26を前記摩擦面21aから離間する方向へ付勢している。
前記コイルヨーク28は、横断面ほぼコ字形状に形成されて、摩擦材21側に開口部が形成されていると共に、インペラ9側の前端部にコイルブラケット33が固定されており、このコイルブラケット33を介して前記ハウジング3に対して第2スナップリング16により位置決め固定されている。
前記コイルブラケット33は、図1及び図2に示すように、金属プレス材によってほぼ円環板状に形成され、径方向のほぼ中央位置にクランク状に折曲された段差部33cを介して外周部33aがコイルヨーク28側に突出している一方、内周部33bが前記突出部12c側に突出形成されている。
前記外周部33aは、前端面が前記コイルヨーク28の前端面に溶接などによって結合されている一方、内周部33bは、ほぼ中央位置に前記円筒部13の外周に嵌挿される円形孔33dが形成されていると共に、段差部33c側の前端面が前記突出部12cの先端面12eに当接しつつ前記第2スナップリング16によって円筒部13に固定されている。
すなわち、図1に基づいて具体的に説明すると、前記円筒部13の前記突出部12c側の外周に段差小径状の嵌合溝34が形成されていると共に、該嵌合溝34の前記突出部12cの先端面12eの位置よりも軸方向へ所定長さLだけメカニカルシール10寄りの位置に段差面34aが形成されている。
また、前記嵌合溝34の前記先端面12eの位置よりも軸方向へ所定長さだけ第1ボールベアリング6寄りの位置に、前記第2スナップリング16が径方向から嵌着する円環状のリング溝35が形成されている。このリング溝35は、軸方向で対向する両側面35a、35bのうち、第1ボールベアリング6側の一側面35aが開口縁側から底面35c側に向かってテーパ状に形成されている一方、他側面35bは底面35c側に向かってほぼ垂直状に形成されている。
また、前記第2スナップリング16は、横断面ほぼ矩形状に形成されていると共に、前記一側面35aに当接する一端面16aの内周部側がテーパ状に形成されている一方、前記他側面35bに当接する他側面は径方向に沿って平坦状に形成されている。また、この第2スナップリング16は、縮径方向へばね力が作用するようになっている。
そして、前記コイルブラケット33を、円筒部13の先端側から嵌合溝35内に嵌合させてハウジング3に組み付け固定する際に、図1に示すように、コイルブラケット33の内周部33bの前端面を前記突出部12cの先端面12eに当接させた後、第2スナップリング16を自身の縮径方向のばね力によってリング溝35に嵌着させた状態では、該リング溝35の底面35cと前記第2スナップリング16の内周面との間に隙間Cが形成されるようになっている。なお、この時点では、前記リング溝35の他側面35bと第2スナップリング16の対向面との間にも微小な隙間C1が形成されるようになっている。
したがって、第2スナップリング16は、リング溝35内に嵌着させて縮径方向へのばね力が作用すると、テーパ状一端面16aがテーパ状一側面35aに摺接しながら内方へ移動してコイルブラケット33の内周部33bを段差面34a方向へ隙間C1を介して押し出す。これによって、コイルブラケット33は、内周部33bと段差面34aとの間の所定の距離長さL内を移動して内周部33bの段差部33c付近が突出部12cの先端面12eに圧接する一方、内周部33bの内周縁側の後端面に第2スナップリング16の他端面が圧接する。つまり、前記内周部33bのほぼ全体が前記第2スナップリング16と突出部12cとによって互いに対向する反対側の力で強く挟持された状態で保持される。
また、前記コイルブラケット33の内周部33bの前端面が突出部12cの先端面12eに当接した際に、該内周部33bの前端面で前記ドレン通路42の開口端42aを封止するようになっている。
さらに、前記コイルブラケット33の少なくとも内周部33bの前端面全体には、防錆剤が塗布されている。
前記コイルヨーク28の前記開口端と反対側の後端部には、図4に示すように電磁コイル27のプラス、マイナス端子に接続された2本のハーネス36、37が2つの導線引き出し部である通孔を介して引き出されている。一方のハーネス36は、前記通孔からハウジング3と駆動プーリー5との間を通って図外のバッテリー電源に接続され、他方のハーネス37はハウジング本体3にアース接続されている。また、前記両ハーネス36、37の各通孔から引き出された部位は、前記貯水室44から円周方向のほぼ90°上方位置に形成されていることから、貯水室44から例えばリークした水がハーネス36,37の引き出し部に付着することがないので、短絡などの問題が発生しない。
なお、図4中、38は前記突出部12cの位置決め溝47に軸方向から係入して回転方向の位置決めを行う位置決めピンである。
前記電磁コイル27は、一般的な構造であって、ボビンの外周にコイル線が巻回されてなり、この電磁コイル27には、図外のコントロールユニットの制御信号によって電流がオンーオフ的に出力されるようになっている。
前記コントロールユニットは、エンジン水温を検出する図外の水温検出センサからの検出信号に基づいて、例えば、冷間始動時のように冷却水の水温が所定温度以下では前記電磁コイル27に通電せず、所定以上になると通電するように制御されている。
以下、本実施形態におけるウォータポンプの作用について説明する。まず、冷間始動時などで、エンジン内の冷却水の温度が所定以下である場合は、これを検出したコントロールユニットから前記電磁コイル27への通電が遮断される。
このため、前記各板ばね25は、図6に示すように、自由状態を維持して外方へ変形した状態となっている。したがって、前記各リベット30を介してクラッチ板26を後退移動させ、これによって該クラッチ板26と摩擦面21aが所定の隙間αをもって離間する。このため、前記駆動プーリー5とハブ23との接続が遮断されて、駆動プーリー5の回転力がポンプ軸7に伝達されない。
この結果、冷却水のエンジン内部への供給がなくなって暖機が促進され、エンジンオイルの粘度を低下させて、燃費の向上を図ると共に、排気触媒温度を高めて排気エミッション性能を向上させるといった要求を満足させることができる。
一方、エンジン内の冷却水の温度が所定以上に上昇して暖機が完了すると、これを検出したコントロールユニットによって前記電磁コイル27に通電される。
これにより、前記コイルヨーク28と駆動プーリー5に励磁されてクラッチ板26が吸引されると、図7に示すように、前記各板ばね25のばね力に抗して摩擦材21方向へ移動してクラッチ板26の前面が摩擦面21aに圧接して摩擦材21とクラッチ板26が接続される。これにより、駆動プーリー5の回転力がクラッチ板26,プレート部材24、ハブ23を介してポンプ軸7に伝達されてインペラ9を回転駆動する。したがって、エンジン内部に冷却水が供給されて、該エンジンが効果的に冷却される。
そして、本実施形態では、前述したように、コイルブラケット33をハウジングに固定する手段を、従来のようなボルトではなく、前記コイルブラケット33を第2スナップリング16のばね力によってハウジング本体12の突出部12cに軸方向から押し付け、つまり第2スナップリング16と突出部12cとの間で挟持した状態で保持することによってハウジング本体12に固定するようにしたことから、ウォータポンプ1全体の大型化を抑制することができる。
しかも、第2スナップリング16と突出部12cとの間に強く挟持した状態で保持することから、コイルブラケット33を強固に保持することが可能になる。
また、コイルブラケット33の内周部33bは、ドレン通路42の開口端42aを封止しつつ突出部12cの先端面12eに密着状態に圧接していることから、電磁コイル27からコイルヨーク28に伝達されたコイル熱は、コイルブラケット33を介して突出部12cに伝達されて、ドレン通路42の内周面に付着した水滴などを加熱して蒸発させる。したがって、前記ポンプ室4からメカニカルシール10をリークしてドレン室40に流入した蒸気や水滴を効果的に消失させることが可能になる。
特に、前記コイルブラケット33の内周部33bと突出部12cとは、第2スナップリング16のばね力によって強固に圧接することから、コイルブラケット33から突出部12cへのコイル熱の伝達性が向上する。
また、前記ドレン室40で水滴となってドレン孔43から貯水室44に滴下した水は、該貯水室44に一時的に貯留されるが、車体の振動などによってキャップ45の排出孔45aから排出されると共に、前記突出部12cから下端壁12dに伝達されたコイル熱によって蒸発作用が活発化され、前記排出孔45aから効果的に排出することができる。
前記コイルブラケット33の内周部33bの前端面には、防錆剤が塗布されているので、前記ドレン通路42の開口端42a側で蒸気などの水分と接触しても発錆が十分に抑制できるので、腐食による耐久性の低下を抑制することが可能になる。
また、電磁コイル27は、コイルヨーク28の開口端から内部に収容された状態で配置されているため、その収容作業が容易になると共に、全体の軸方向の長さを短尺化できる。
さらに、各板ばね25を、クラッチ板26の円周方向の等間隔位置の3つの箇所に配置したことから、クラッチ板26をバランス良く進退移動させることが可能になり、この結果、電磁クラッチ11の断続作動精度の向上が図れる。
〔第2の実施形態〕
図8〜図10は第2の実施形態を示し、基本構造は第1の実施形態と同様であるが、前記駆動プーリー5の収容溝5cの内底部側に円環状の永久磁石51を設けて、電磁コイル27への非通電時に、前記永久磁石51の磁力によってクラッチ板26を摩擦面21a側に吸引するように構成したものである。なお、第1の実施形態と共通の構成箇所には同一の符番を付して具体的な説明を省略する。
すなわち、前記内周壁5bの収容溝5cの内底部側に、円環状の電極板52がかしめ(圧入でもよい)によって内周壁5bと一体に設けられている一方、前記永久磁石51は、円環状に形成されて前記電極板52のクラッチ板26側の一側面に形成された円環状の嵌合溝52aに嵌合固定されている。
また、前記永久磁石51は、その磁束が前記電磁コイル27への通電によってコイルヨーク28で形成される磁束と反対の流れに設定されて、電磁コイル27への通電による磁束によって永久磁石51の磁束(磁力)が打ち消されるように設定されている。
したがって、電磁コイル27への非通電時には、図9に示すように、永久磁石51の磁力によって前記クラッチ板26が吸引されて摩擦面21a側に圧接するようになっているが、電磁コイル27への通電時には、永久磁石51によるクラッチ板26に対する吸引力が作用しないようになっている。
また、前記各付勢機構は、第1の実施形態と同様の3つの板ばね25によって構成され、自由状態時には外方へ撓み変形することにより、図10に示すように、リベット30を介してクラッチ板26を後退移動、つまり摩擦材21から所定隙間αだけ離間させる方向へ付勢している。したがって、電磁コイル27への通電時には、前記永久磁石51の吸引力が消失することから、各板ばね25のばね力によってクラッチ板26が摩擦材21から離間して接続を遮断するようになっている。
他のコイルブラケット33の第2スナップリング16などによる固定構造は、第1実施形態と同一である。
よって、この第2実施形態によれば、冷間始動後などのエンジンの冷却水温度が所定以下の場合には、コントロールユニットから電磁コイル27に通電されて、永久磁石51の磁力を打ち消すことから、クラッチ板26は、図10に示すように、各板ばね25の付勢力によって摩擦面21aから離間して駆動プーリー5の回転力をハブ23に伝達しない。これによって暖機促進が図れる。
一方、暖機完了後の冷却水温度が所定以上になった場合には、電磁コイル27への通電が遮断されて永久磁石51の磁力が回復することから、図9に示すように、この永久磁石51の磁力によってクラッチ板26が吸引されて摩擦面21aに圧接する。これにより、駆動プーリー5の回転力がポンプ軸7に伝達されて、インペラ9の回転駆動に伴って冷却水をエンジン内部に速やかに供給することができ、エンジンの効果的な冷却が行われる。
この実施形態では、電磁コイル27への通電は、冷却水温度が所定以下の一時的な場合のみであることから、電力消費量を大幅に低減できると共に、電磁コイル27などの耐久性の向上が図れる。
また、コイルブラケット33を第2スナップリング16と突出部12cとの間に挟持状態に強固に保持するなどの構成から導かれる作用効果は、前述した第1の実施形態のものと同様である。
〔第3実施形態〕
図11は第3実施形態を示し、ハウジング本体12の突出部12cの断面形状を変更したもので、突出部12cの内部にドレン通路やドレン孔を設けずに、該突出部12c全体をほぼ円筒状に形成したものである。
すなわち、突出部12cは、全体が肉厚な円筒状に形成されて、先端面12eの面積が大きく設定されていると共に、該先端面12eの内周側にコイルブラケット33の内周部33bの内周縁側に凹溝12gが形成されている。他の構成は第1実施形態と同様である。
したがって、コイルブラケット33を円筒部13に一端側から係入して取り付ける際に、該コイルブラケット33を突出部12cの先端面12eに当接させる。このとき、内周部33bの他側面と凹溝12gとの間に所定長さL分の隙間が形成される。
この状態で、リング溝35に第2スナップリング16を自身の縮径方向のばね力を利用して嵌着するとテーパ状の各一側面35aに一端面16aが摺接しつつコイルブラケット33の内周部33bを凹溝12g方向に移動させる。
これによって、該内周部33bが前記突出部12cの先端面12eと第2スナップリング16の他端面との間に強く挟持された状態で保持される。
よって、この実施形態も前述した第1実施形態と同様な作用効果が得られると共に、第1実施形態のような円筒部13の外周に段差面などを形成する必要がないことから、製造作業性が向上する。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、付勢機構としては、板ばね25以外にゴム弾性体やコイルスプリング、皿ばねなどのばね部材によって構成することも可能である。
さらには、前記各実施形態では、嵌合溝35の一側面35aをテーパ状に形成したが、反対側の他側面35bをテーパ状に形成して、一側面35aを垂直面に形成することも可能である。この場合、第2スナップリング16の他端面側もテーパ状に形成する。
1…ウォータポンプ
2…シリンダブロック
3…ハウジング
4…ポンプ室
5…駆動プーリー(駆動回転体)
6…第1ボールベアリング
7…ポンプ軸
8…第2ボールベアリング
9…インペラ
10…メカニカルシール
11…電磁クラッチ
12…ハウジング本体
12c…突出部
12e…先端面
13…円筒部
14…吸入ポート
16…第2スナップリング
16a…テーパ状一端面
21…摩擦材
21a…摩擦面
23…ハブ
25…板ばね
26…クラッチ板
27…電磁コイル
28…コイルヨーク(電磁部)
33…コイルブラケット
33…内周部
34…嵌合溝
35…リング溝
35a…テーパ状一側面
35b…他側面
40…ドレン室(排出手段)
41・43…ドレン孔(排出手段)
42…ドレン通路(排出手段)
44…排水室(排出手段)
51…永久磁石

Claims (6)

  1. 内燃機関から回転力が伝達される駆動回転体と、
    該駆動回転体から回転力が伝達されるポンプ軸と、
    該ポンプ軸に固定されて、回転軸方向へ延出する複数の羽根を有するインペラと、
    該インペラが内部に回転自在に収容され、該インペラの回転軸中心側から外周側に向かって設けられた吐出部に冷却媒体を吐出するポンプ室を有するハウジングと、
    コイルに通電することによって軸方向に吸引力を発生する電磁部と、
    該電磁部を前記ハウジングに固定するコイルブラケットと、
    該コイルブラケットを前記ハウジング側に押し付けた状態で該ハウジングに固定するスナップリングと、
    前記電磁部のコイルに通電あるいは通電を遮断することにより前記駆動回転体と前記ポンプ軸とを断続するクラッチ機構と、
    を備えたことを特徴とするウォータポンプ。
  2. 内燃機関から回転力が伝達される駆動回転体と、
    該駆動回転体から回転力が伝達されるポンプ軸と、
    該ポンプ軸に固定されて、回転軸方向へ延出する複数の羽根を有するインペラと、
    該インペラが内部に回転自在に収容され、該インペラの回転軸中心側から外周側に向かって設けられた吐出部に冷却媒体を吐出するポンプ室を有するハウジングと、
    コイルに通電することによって軸方向に吸引力を発生する電磁部と、
    該電磁部を前記ハウジングに固定するコイルブラケットと、
    前記ハウジングに形成されたリング溝内に縮径方向の付勢力によって嵌着することによって前記コイルブラケットを前記ハウジングに固定するスナップリングと、
    前記電磁部のコイルに通電あるいは通電を遮断することにより前記駆動回転体と前記ポンプ軸とを断続するクラッチ機構と、を備え、
    前記リング溝の前記ポンプ軸の軸方向で対向する両側面のうち、前記コイルブラケット側の一側面あるいはコイルブラケットと反対側の他側面の少なくとも一方の側面がテーパ状に形成されていると共に、前記スナップリングをリング溝内に嵌着した際に、該リング溝の底面とスナップリングの内周面との間に隙間が形成されていることを特徴とするウォータポンプ。
  3. 内燃機関から回転力が伝達される駆動回転体と、
    該駆動回転体から回転力が伝達されるポンプ軸と、
    該ポンプ軸に固定されて、回転軸方向へ延出する複数の羽根を有するインペラと、
    該インペラが内部に回転自在に収容され、該インペラの回転軸中心側から外周側に向かって設けられた吐出部に冷却媒体を吐出するポンプ室を有する金属製のハウジングと、
    前記駆動回転体に固定された状態で前記ポンプ室をシールするメカニカルシールと、
    コイルに通電することによって軸方向に吸引力を発生する電磁部と、
    所定の部位が前記ハウジングに押し付けられた状態で前記電磁部をハウジングに固定する金属製のコイルブラケットと、
    前記電磁部のコイルに通電あるいは通電を遮断することにより前記駆動回転体と前記ポンプ軸とを断続するクラッチ機構と、
    前記ハウジングの内部に形成され、前記ポンプ室からメカニカルシールを通過した水分を外部に排出する排出手段と、を備え、
    前記ハウジングの前記排出手段を構成する部位を前記コイルブラケット方向へ突出形成し、該突出部の先端に前記コイルブラケットの所定部位を当接させたことを特徴とするウォータポンプ。
  4. 請求項3に記載のウォータポンプにおいて、
    前記コイルブラケットは、前記突出部に当接しつつ前記排出手段の外部に臨む開口端を封止したことを特徴とするウォータポンプ。
  5. 請求項4に記載のウォータポンプにおいて、
    前記ハウジングの前記突出部よりも内周側の部位に、前記コイルブラケットの内周部が嵌合する段差小径状の嵌合溝が形成されていると共に、該嵌合溝の軸方向の段差面が前記突出部の先端面の位置より後退した位置に形成されて、前記コイルブラケットの所定部位が前記突出部に当接した状態で前記段差面と該段差面に対向する前記コイルブラケットの内周部対向面との間に隙間が形成されていることを特徴とするウォータポンプ。
  6. 請求項4に記載のウォータポンプにおいて、
    前記排出手段の外部と連通するドレン孔の開口端を、前記コイルの導線引き出し部に対して周方向の異なる位置に形成したことを特徴とするウォータポンプ。
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