JP2010242443A - コンクリート剥落防止構造およびその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンクリート剥落防止構造Rは、上下方向に延びる鋼棒ストッパー2に対して水平方向の公差をもって嵌合する受入孔4を有するコンクリート構造物をなす調整桁1に用いられ、受入孔4の縁端4aに面取り部6を設け、その縁端コンクリートへの応力集中を抑制する構成となっている。これにより、地震時に鋼棒ストッパー2と受入孔4との間に水平方向の相対変位が生じ、鋼棒ストッパー2と受入孔4とが衝突する場合において、受入孔4の縁端コンクリートの剥離や剥落を防止するようにした。
【選択図】図1
Description
鋼棒ストッパーは、高架橋桁受けとなる桁座に上方に向けて突出するようにして埋め込まれており、この鋼棒ストッパーの突出部が例えば2mm程度の所定の隙間をもって調整桁に形成されている受入孔に嵌合された状態となっている。この鋼棒ストッパーと受入孔との隙間が、上述した高架橋における水平方向の施工誤差を調整するための隙間となっている。
そのため、地震時に鋼棒ストッパーと受入孔との間に水平方向の相対変位が生じ、鋼棒ストッパーと受入孔とが当接することで、受入孔の縁端のコンクリートの一部が剥離、剥落するといった問題があり、その点で改良の余地があった。
図1乃至図4に示すように、本実施の形態によるコンクリート剥落防止構造Rは、鉄道等の高架橋において、製作誤差を吸収するための支承部をなす桁移動調整桁(以下、単に調整桁1という)に適用されている。この調整桁1は、本発明のコンクリート構造物に相当し、図示しない上部桁どうしの間に配置されており、鋼棒ストッパー2を介して桁受け部をなす桁座3によって支持されている。そして、調整桁1の下面1aと桁座33の上端3aとの間には、所定の隙間が設けられている。
図1に示すように、地震時において、桁座3に固定されている鋼棒ストッパー2と調整桁1側の受入孔4との間で相対変位が生じ、その変位量が大きい場合には、鋼棒ストッパー2が受入孔4に衝突することになる。このとき、受入孔4の縁端4aには、角部を有しない面取り部6が形成されているので、衝突時の衝撃が縁端4aに位置する縁端コンクリートへの応力集中を低減することができ、面取り部6が設けられていない場合に比べて縁端コンクリートの破損を抑えることができる。
先ず、図1に示すように、予め桁座3を製作しておくが、具体的には、桁座3の上端3aの略中央位置に調整桁1の下面1a側に向けて突出するようにして鋼棒ストッパー2を埋設した状態でコンクリートを打設することにより製作する。
ここで、面取り用型枠7は、受入孔4の縁端4aの周方向に沿うリング形状(平面視で円形)をなし、その外周部には面取り部6に対応するテーパー面7aが形成されている。つまり、面取り用型枠7の中心軸線方向で一端(図5で上端)の外径寸法が他端(図5で下端)の外径寸法が前記内径寸法よりも大径となり、面取り用型枠7の上端が受入孔4の内径寸法に一致する形状となっている。
続いて、図5(b)に示すように、型枠8内にコンクリートCを打設する。そして、図5(c)に示すように、所定の養生時間が経過したら、図5(b)に示す型枠8および面取り用型枠7を取り外して完了となる。このとき、サヤ管5は打設したコンクリートCと一体化して受入孔4を形成することになる。
例えば、本実施の形態では、面取り部6の施工に用いる面取り用型枠7をコンクリートCの打設後に取り除いているが、これに限定されることはない。例えば、面取り用型枠7は、コンクリートより弾性係数の小さな弾性材料(例えば、ゴム等)から形成し、コンクリート打設後に残置されてコンクリート構造物(調整桁1)と一体的に設けられていてもよい。つまり、面取り用型枠7が弾性部材からなり、面取り部6から受ける応力に対して弾性変形が作用することから、面取り部6の作用、効果を低減するものではなく、受入孔4の縁端4aに位置するコンクリート表面への応力集中を抑制することができる。したがって、面取り部6を作成した面取り用型枠7を面取り部6の形成後においても取り除く必要がないので、脱型作業の施工の手間を低減することができる。
2 鋼棒ストッパー
3 桁座
4 受入孔
4a 縁端
5 サヤ管(鋼管材)
6 面取り部
7 面取り用型枠
7a テーパー面
8 型枠
t 隙間
C コンクリート
R コンクリート剥落防止構造
Claims (5)
- 上下方向に延びる鋼棒ストッパーに対して水平方向の公差をもって嵌合する受入孔を有するコンクリート構造物に用いられるコンクリート剥落防止構造であって、
前記受入孔の縁端に面取り部が設けられていることを特徴とするコンクリート剥落防止構造。 - 前記面取り部は、コンクリートよりも弾性係数の小さな弾性部材から形成された面取り型枠を用いて形成され、
該面取り用型枠は、コンクリート打設後に残置されて前記コンクリート構造物と一体的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート剥落防止構造。 - 前記受入孔の内周面には、有底筒状の鋼管材が埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート剥落防止構造。
- 上下方向に延びる鋼棒ストッパーに対して水平方向の公差をもって嵌合する受入孔を有するコンクリート構造物を構築するためのコンクリート剥落防止構造の施工方法であって、
前記コンクリート構造物の前記受入孔の施工時において、
前記受入孔の縁端に面取り用型枠を設置した後、コンクリートを打設してコンクリート構造物を構築するようにしたことを特徴とするコンクリート剥落防止構造の施工方法。 - 前記面取り用型枠は、コンクリートよりも弾性係数の小さな弾性部材から形成されていることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート剥落防止構造の施工方法。
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