JP2010240789A - ナットランナ用ボルト供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造でありながらチャック部に挟持されたボルトがソケットに連れられて回転することがないナットランナ用ボルト供給装置を提供することを目的とする。
【解決手段】パーツフィーダ11により供給されたボルト1を挟持するチャック部12と、前記チャック部12を開閉可能に駆動させるアクチュエータ13と、を備えるナットランナ用ボルト供給装置10において、前記チャック部12は、固設されて無可動である固定チャック12aと、前記アクチュエータ13により可動される可動チャック12bと、で構成されて、前記可動チャック12bは、前記ボルト1を挟持した際に前記ボルト1のネジ部と嵌合されるネジ溝部122bを備えるものとした。
【選択図】図3

Description

本発明は、ナットランナ用ボルト供給装置の技術に関する。より詳細には、ナットランナ用ボルト供給装置のチャック部に挟持されたボルトの回転を防止する技術に関する。
ナットランナは、ナットランナ用ボルト供給装置のチャック部に挟持されたボルトをソケットに装着することによって、該ボルトを目標のボルト穴まで自動搬送するとともに、該ボルトの螺合を行なうものである。
ナットランナ用ボルト供給装置のチャック部に挟持されたボルトをナットランナのソケットに装着する際には、まず、ナットランナの位置ならびに姿勢を制御することによって、チャック部に挟持されたボルトの中心軸上にソケットを配置し、その後、該ソケットの内部にボルトの頭部を嵌挿するように押付移動が行なわれる。このとき、例えば代表的なボルトである六角ボルトを想定すると、外周形状が六角形に形成されたボルト頭部を、内周形状が六角形に形成されたソケットに嵌挿することとなるために、互いの位相が異なる場合では嵌挿することができなかった。
そのため、ソケットにボルト頭部を嵌挿する際に、ナットランナの押付移動に加えてソケットを回転させることによって、該ソケットとボルトとの互いの位相を合せることが必要とされてきた。
しかし、ソケットを回転させた際に、該ソケットの回転に連れられてボルトも回転する場合があり、このような場合には互いの位相を合せることができないために、ソケットにボルト頭部を嵌挿することが困難となる場合があった。このため、凹形部を有する回り止め部材をボルト頭部に嵌め込むことによってボルトの回転を抑制するものがあったが(特許文献1参照。)、このようなボルトの回り止め構造はナットランナ用ボルト供給装置を複雑なものとし、更に、回り止め部材の機構動作によって嵌挿に要する時間が長くなるという問題点が生じていた。
実開平5−29638号公報
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであり、簡素な構造でありながらチャック部に挟持されたボルトがソケットに連れられて回転することがないナットランナ用ボルト供給装置を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、パーツフィーダにより供給されたボルトを挟持するチャック部と、
前記チャック部を開閉可能に駆動させるアクチュエータと、を備えるナットランナ用ボルト供給装置において、
前記チャック部は、固設されて無可動である固定チャックと、前記アクチュエータにより可動される可動チャックと、で構成されて、
前記可動チャックは、前記ボルトを挟持した際に前記ボルトのネジ部と嵌合されるネジ溝部を備えるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、簡素な構造でありながらチャック部に挟持されたボルトがソケットに連れられて回転することがなくなり、容易にボルト頭部をソケットに嵌挿することが可能となる。
(A)本発明に係るナットランナ用ボルト供給装置の上面図。(B)同じく側面断面図。(C)同じく下面図。 ナットランナのソケットにボルト頭部を嵌挿するときのナットランナの動作を示す図。 (A)本発明に係るナットランナ用ボルト供給装置のチャック部の側面断面図。(B)同じく下面図。
まず、図1を用いて、本発明に係るナットランナ用ボルト供給装置10の構成について説明する。また、以下ではボルト頭部1aの外周形状が六角形である、いわゆる六角ボルト1を用いた場合について説明している。
図1に示すように、ナットランナ用ボルト供給装置10は、主に複数の六角ボルト1を連続して吊下支持するパーツフィーダ11と、該パーツフィーダ11に隣接配置され、パーツフィーダ11により供給された六角ボルト1を挟持するチャック部12と、該チャック部12を開閉可能に駆動させるアクチュエータ13とで構成される。
パーツフィーダ11は、2本のレール11a・11bの間に六角ボルト1を連続して吊下支持し、該六角ボルト1をチャック部12へ導くものである。詳細には、パーツフィーダ11は、所定の間隔をあけて互いに平行に配置されたレール11a・11bを有し、該レール11a・11bの間に六角ボルト1のネジ部が位置するようにボルト頭部1aを支持するものである。そして、このように吊下支持された六角ボルト1を順次、チャック部12へ供給可能としている。
チャック部12は、固定チャック12aと可動チャック12bとで構成されて、パーツフィーダ11から供給された六角ボルト1を挟持するものである。詳細には、固定チャック12aは図示しないフレームに固設され、可動チャック12bは後述するアクチュエータ13によって開閉可能に設けられる。つまり、可動チャック12bは、アクチュエータ13により固定チャック12aに対して近接離間する方向へ移動可能とされる。これにより、固定チャック12aと可動チャック12bとで六角ボルト1を挟持することを可能としている。
なお、固定チャック12aと可動チャック12bは、六角ボルト1のネジ部を常に所定の位置で挟持するように構成されているために、六角ボルト1を挟持した際のボルト頭部1aは常に所定の位置に配置されることとなる。
アクチュエータ13は、エアシリンダやピストン等で構成されて、エアシリンダに摺動可能に内設されたピストンを圧縮空気によって可動させることで、チャック部12を開閉可能とするものである。なお、アクチュエータ13は、油圧を用いた油圧式アクチュエータや電動モータを用いた電動式アクチュエータであっても良く、これを限定するものではない。
次に、チャック部12に挟持された六角ボルト1をナットランナ20のソケット23に装着する際のナットランナ20の動作について説明する。
まず、図2を用いて、ナットランナ20の構成について説明する。
図2に示すように、ナットランナ20は、主に電動モータが内蔵される動力部21と、該動力部21の電動モータの回転駆動によって連動して回転されるソケット23とで構成される。また、ナットランナ20は図示しないアーム部材に取り付けられており、同じく図示しない制御装置に記憶されたプログラムに従って自在に位置ならびに姿勢を制御可能とされる。
動力部21は、例えばACサーボモータ等の電動モータが内蔵されており、該電動モータは前述した制御装置に記憶されたプログラムに従って回転駆動される。つまり、電動モータは、予め試験等から見出されて最適化されたプログラムに従って回転速度や回転トルク、回転方向が制御される。なお、電動モータはDCサーボモータ等であっても良く、これを限定するものではない。
ソケット23は、前述した動力部21の一端面から突設された駆動軸22に備えられて、動力部21に内蔵された電動モータによって連動回転される略円環形状の部材である。本実施形態では、その内周形状が六角形に形成された六角ソケットとされ、これにより、六角ボルト1のボルト頭部1aを内部に嵌挿可能としている。
このようなナットランナ20のソケット23に、六角ボルト1のボルト頭部1aを嵌挿するには、図2(A)に示すように、まず、ナットランナ20の位置ならびに姿勢の制御を行なうことで、チャック部12に挟持された六角ボルト1の中心軸上にソケット23を配置する。
そして、図2(B)に示すように、ソケット23の内部にボルト頭部1aを嵌挿するための押付移動が行なわれる。このとき、外周形状が六角形に形成されたボルト頭部1aと内周形状が六角形に形成されたソケット23との互いの回転方向の位相が異なる場合においては、ボルト頭部1aの六角形の角部とソケット23の端面とが当接するために嵌挿できない場合が存在する。
このため、図2(C)に示すように、ナットランナ20の押付移動に加えてソケット23を予め設定された回転速度で回転させることによって、ボルト頭部1aの嵌挿が行なわれる。つまり、ナットランナ20の押付移動を行なうとともにソケット23を比較的に低速で回転させることによって、該ソケット23と六角ボルト1との互いの位相を合せることができ、ソケット23にボルト頭部1aを嵌挿することが可能となる。
このようなナットランナ20の動作によって六角ボルト1とソケット23との位相が異なる場合であっても、図2(D)に示すように、ソケット23にボルト頭部1aを嵌挿することが可能とされる。
なお、従来においては、ソケット23をボルト頭部1aに当接した状態で回転させた際に(図2(C)参照。)、ソケット23とボルト頭部1aとの摩擦抵抗によって六角ボルト1も連れられて回転してしまうことがあったが、本発明に係るナットランナ用ボルト供給装置10では、チャック部12に挟持された六角ボルト1がソケット23に連れられて回転することを防止している。
図3は、本発明に係るナットランナ用ボルト供給装置10のチャック部12を示している。図3(A)は、チャック部12の側面断面図であり、図3(B)は、その下面図である。
チャック部12は、前述したように、固定チャック12aと可動チャック12bとで構成されて、固定チャック12aは図示しないフレームに固設され、可動チャック12bはアクチュエータ13によって開閉可能に設けられている。これにより、固定チャック12aと可動チャック12bとで六角ボルト1を挟持することを可能としている。
図3(B)に示すように、固定チャック12aの可動チャック12bに対向する壁面は、パーツフィーダ11から六角ボルト1が供給される方向(図中矢印参照。)に対して平行に設けられた壁面121aと、該壁面121aに対して所定の角度をなすように設けられて六角ボルト1を挟持した際に六角ボルト1のネジ部と当接する壁面122aと、該壁面122aに対して所定の角度をなすように設けられて六角ボルト1が供給される方向(図中矢印参照。)に対して平行となる壁面123aとで構成される。
一方、可動チャック12bの固定チャック12aに対向する壁面121bは、パーツフィーダ11から六角ボルト1が供給される方向(図中矢印参照。)に対して平行に設けられる。なお、該壁面121bと固定チャック12aの壁面121aとの間隔は、六角ボルト1のネジ部が通過可能な程度に設定されて、該壁面121bと固定チャック12aの壁面123aとの間隔は、壁面121bと壁面121aとの間隔よりも狭く、六角ボルト1のネジ部が通過できない程度に設定されている。
更に、可動チャック12bには壁面122aに対向する位置に雌ネジが穿設された溝部であるネジ溝部122bが設けられている。該ネジ溝部122bは、その断面が円弧形状に形成された溝の周壁面に雌ネジが穿設された形状となっており、該ネジ溝部122bに穿設された雌ネジのネジピッチと六角ボルト1のネジピッチとは等しく、且つ、穿設された雌ネジのネジ方向も六角ボルト1のネジ方向と等しいものとされる。
これにより、パーツフィーダ11から供給された六角ボルト1が固定チャック12aと可動チャック12bとで挟持される際には、六角ボルト1のネジ部が固定チャック12aの壁面122aと可動チャック12bのネジ溝部122bとに当接することとなり、ネジ溝部122bに穿設された雌ネジと六角ボルト1のネジ部が嵌合することとなる。
そして、ナットランナ20のソケット23にボルト頭部1aを嵌挿する際には、該ソケット23の回転方向を六角ボルト1の締付け時の回転方向とすることによって(図2(C)参照。)、六角ボルト1はネジ溝部122bと螺合され、六角ボルト1がソケット23に連れられて回転することが防止されることとなる。
このような構成により、簡素な構造でありながらナットランナ用ボルト供給装置10のチャック部12に挟持された六角ボルト1がソケット23に連れられて回転することがなくなり、六角ボルト1のボルト頭部1aを容易に嵌挿することができることによって嵌挿に要する時間を低減することが可能となる。
10 ナットランナ用ボルト供給装置
1 六角ボルト
1a ボルト頭部
11 パーツフィーダ
11a レール
11b レール
12 チャック部
12a 固定チャック
12b 可動チャック
122b ネジ溝部
13 アクチュエータ
20 ナットランナ
23 ソケット

Claims (1)

  1. パーツフィーダにより供給されたボルトを挟持するチャック部と、
    前記チャック部を開閉可能に駆動させるアクチュエータと、を備えるナットランナ用ボルト供給装置において、
    前記チャック部は、固設されて無可動である固定チャックと、前記アクチュエータにより可動される可動チャックと、で構成されて、
    前記可動チャックは、前記ボルトを挟持した際に前記ボルトのネジ部と嵌合されるネジ溝部を備えることを特徴とするナットランナ用ボルト供給装置。
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