JP2010240767A - 研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性材への応力が解放され、弾性材の剥がれを防止でき、バッキング材への張力のばらつきや変動をなくし、ワークを均一に精度良く研磨することができる研磨装置を提供する。
【解決手段】図3において、弾性薄膜30が、シート状の弾性材42と、該弾性材42の下面側に貼設され、下面側にワーク24が保持されるシート状のバッキング材44との2層膜から成ると共に、弾性材42が中央部がくりぬかれたリング状に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワークの片面を精度良く研磨できる研磨装置に関する。
近年、半導体装置の高集積化が進むに伴い、その基板であるシリコンウェーハの平坦度や表面品質の向上が厳しく要求されている。また、そのウェーハ表面にデバイスを形成した際の堆積形成された層間絶縁膜や金属配線の研磨においても、一層高精度に平坦化する要求が高まっている。従って、ウェーハの研磨装置については、ウェーハ表面を一層高精度に鏡面研磨できるもの、または、表面を基準とする高精度な研磨が要求されている。
従来、ウェーハの研磨装置には、ウェーハ表面の全面が、そのウェーハ表面に接触する定盤の研磨面へ、均等な圧力で押圧できるように、ウェーハを保持する研磨ヘッドがエアバック機能を備えるものがある。その研磨ヘッド41aの一例を、図1に基づいて以下に説明する。
研磨ヘッド41aは、下方に向けて開放する凹部を備えるヘッド部材10と、ヘッド部材10の凹部内側に配された保持部材12と、外側部14aがヘッド部材10にリング部材16によって固定されると共に、内側部14bが保持部材12に押さえリング18によって固定され、保持部材12を上下方向及び水平方向への移動を微小範囲内で許容可能に吊持する弾性部材14と、ヘッド部材10の内部を保持部材12および弾性部材14によって画成して設けられる圧力室20と、弾性のある薄膜からなり、保持部材12の下面側に外周部30bで固定リング31によって固定され、下面でウェーハ24に当接してウェーハ24を定盤の研磨面へ押圧可能に設けられた弾性薄膜30と、保持部材12の下面および弾性薄膜30の上面によって画成される第1圧力室32とを備え、圧力室(押圧手段)20へは流体供給手段によって第1配管22から所定圧力の流体が供給され、第1圧力室32へは第1流体供給手段によって第2配管33、管継手34、連通路36から所定圧力の流体が供給されるように構成されている。
ウェーハ24は、弾性薄膜14の下面側に水の表面張力によって貼設されて研磨ヘッド41aに保持され、研磨ヘッド41aを介して、上面に研磨布60が貼設された定盤56の研磨布面に押圧され、定盤56と研磨ヘッド41aとが相対回転されることによってウェーハ24の下面側が研磨される。その際、ウェーハ24は、圧力室20と第1圧力室32とにより2段に加圧されることによって精度良く研磨される(図2)。
特開平9−29618
ところで、上記弾性薄膜30には、図2に示すように、ゴム材からなるシート状の弾性材42と、この弾性材42の下面側に接着剤を介して貼設される、発泡ポリウレタンを主材とするシート状のバッキング材44との2層からなる弾性薄膜30が用いられている。
発泡ポリウレタンを主材とするシート状のバッキング材44のみを用いると、バッキング材は、比較的硬い素材であるので、保持部材12への取り付け基部に亀裂が生じやすく、このようにウェーハ24が直接接触するバッキング材44に亀裂が生じるとウェーハ24が傷付くおそれがある。
この点、上記2層の弾性薄膜30を用いると、ゴム材等からなる柔らかい弾性材42が介在するので、応力が緩和され、バッキング材44に亀裂が発生するのを防止できる。
しかしながら、昨今、ウェーハ24は直径が12インチのものなど、大径化していることから、弾性薄膜30も大径化し、そのため、加わる応力によって、弾性を有し柔らかい弾性材42にしわが生じ易く、一部バッキング材44から剥がれるなどし、このため、バッキング材44に対する張力が不均一となって、ウェーハ24にも悪影響を及ぼし、ウェーハ24の均一な研磨が損なわれるという課題が発生した。
本発明は、弾性材への応力が解放され、弾性材の剥がれを防止でき、バッキング材への張力のばらつきや変動をなくし、ワークを均一に精度良く研磨することができる研磨装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係る研磨装置は、ワークを保持する研磨ヘッドと、表面に研磨面が形成された定盤と、前記研磨ヘッドと定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置であって、前記研磨ヘッドが、保持部材と、該保持部材を押圧する押圧手段と、弾性のある薄膜からなり、前記保持部材の下面側に外周部で固定され、下面でワークに当接して該ワークを前記定盤の研磨面へ押圧可能に設けられた弾性薄膜と、前記保持部材の下面および前記弾性薄膜の上面との間に形成され、第1流体供給手段によって所定圧力の流体が供給される第1圧力室とを備え、前記弾性薄膜が、シート状の弾性材と、該弾性材の下面側に貼設され、下面側にワークが保持されるシート状のバッキング材との2層膜から成ると共に、前記弾性材が中央部がくりぬかれたリング状に形成されていることを特徴とする。
また本発明に係る研磨装置は、ワークを保持する研磨ヘッドと、表面に研磨面が形成された定盤と、前記研磨ヘッドと定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置であって、前記研磨ヘッドが、保持部材と、該保持部材を押圧する押圧手段と、弾性のある薄膜からなり、前記保持部材の下面側に外周部で固定され、下面でワークに当接して該ワークを前記定盤の研磨面へ押圧可能に設けられた弾性薄膜と、前記保持部材の下面および前記弾性薄膜の上面との間に形成され、第1流体供給手段によって所定圧力の流体が供給される第1圧力室とを備え、前記弾性薄膜が、シート状の弾性材と、該弾性材の下面側に貼設され、下面側にワークが保持されるシート状のバッキング材との2層膜から成ると共に、前記弾性材の中央部が前記バッキング材の上面に貼設されずに、前記保持部材の下面側に固定されて、該弾性材の中央部下面と前記バッキング材の中央部上面との間に第2圧力室が形成され、該第2圧力室に第2流体供給手段によって所定圧力の流体が供給されることを特徴とする。
また本発明に係る研磨装置は、ワークを保持する研磨ヘッドと、表面に研磨面が形成された定盤と、前記研磨ヘッドと定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置であって、前記研磨ヘッドが、保持部材と、該保持部材を押圧する押圧手段と、弾性のある薄膜からなり、前記保持部材の下面側に外周部で固定され、下面でワークに当接して該ワークを前記定盤の研磨面へ押圧可能に設けられた弾性薄膜と、前記保持部材の下面および前記弾性薄膜の上面との間に形成され、第1流体供給手段によって所定圧力の流体が供給される第1圧力室とを備え、前記弾性薄膜が、シート状の弾性材と、該弾性材の下面側に貼設され、下面側にワークが保持されるシート状のバッキング材との2層膜から成ると共に、前記弾性材の中央部と外周部との間のリング状部が前記バッキング材の上面に貼設されずに、前記保持部材の下面側に固定されて、該弾性材のリング状部下面と前記バッキング材の対応するリング状部上面との間に第2圧力室が形成され、該第2圧力室に第2流体供給手段によって所定圧力の流体が供給され、前記弾性材の前記バッキング材の中央部に固定された部位の上面と前記保持部材下面との間に第3圧力室が形成され、該第3圧力室に第3流体供給手段によって所定圧力の流体が供給されることを特徴とする。
本発明によれば、弾性材に加わる応力が解放され、弾性材にしわが生じないようにすることができる。したがって、弾性材の部分的な剥離も防止できる。これにより、バッキング材への弾性材からの張力の変動を防止でき、ウェーハへの悪影響をなくすことができ、ウェーハの均一研磨が可能となる。また、弾性薄膜の寿命も延ばすことができる。すなわち、本発明では、弾性材の剥離を防止でき、弾性薄膜全体の初期状態を維持でき、したがって安定したウェーハの研磨が行える。
研磨ヘッドの断面図である。 従来の弾性薄膜の構造を示す説明図である。 本実施の形態における弾性薄膜の部分を示す説明図である。 本実施の形態の研磨ヘッドを用いてウェーハを研磨した場合の、ウェーハのテーパー度を測定したグラフである。 図4の研磨試験におけるΔSFQR値を示すグラフである。 弾性薄膜の部分の他の実施の形態を示す説明図である。 弾性薄膜の部分のさらに他の実施の形態を示す説明図である。 弾性薄膜の部分のまたさらに他の実施の形態を示す説明図である。
以下、本発明を、ウェーハの研磨装置に適用した場合の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
研磨装置の全体構造は図1の従来装置と大きな変動はないが、まず全体装置について、再度図1により詳細に説明する。
図1はウェーハの研磨装置の研磨ヘッド41aの構成を示す正面断面図であり、図3は図1の要部(弾性薄膜30の部位)を拡大した状態を示す正面断面図である。10はヘッド部材であり、ワークであるウェーハ24を保持する研磨ヘッド41aの外形部を構成する。このヘッド部材10は、下方へ開放する凹状に形成されている。本実施例では、ヘッド部材10は平板壁部10bと筒状側壁部10cによって構成されており、平板壁部10bと筒状側壁部10cの継ぎ合わせは、O−リング11によって気密されている。12は保持プレートであり、ウェーハ24を保持するための保持部材の一態様である。この保持プレート12は、ヘッド部材10の凹部内側に配されている。
14は弾性部材の一態様である板状の弾性部材であり、例えば硬質のゴム板材(本実施例では布入りニトリルゴム)によってドーナツ状に形成されている。外側部14aがヘッド部材10の内底面に固定されると共に内側部14bが保持プレート12に固定されている。これにより、板状の弾性部材14は、保持プレート12を上下方向及び水平方向への移動を微小範囲内で許容可能に吊持している。板状の弾性部材14の外側部14aは、ヘッド部材10の内底面10aへ、ボルト(図示せず)の締め付けでリング部材16によって挟さまれて固定される。また、板状の弾性部材14の内側部14bは、ボルト(図示せず)の締め付けで押さえリング18に挟まれて保持プレート12に固定されている。
20は圧力室(押圧手段)であり、ヘッド部材10の内部を保持プレート12および板状の弾性部材14によって画成して設けられている。この圧力室(押圧手段)20内へは、所定圧力の流体(エア)が流体供給手段(図示せず)によって供給される。22は第1配管であり、流体供給手段の圧力源と圧力室(押圧手段)20を連通している。前記流体供給手段には、圧力室(押圧手段)20へ供給される流体の圧力を調整する第1圧力調整装置(図示せず)が備えられている。26はリング状の弾性部材であり、例えばゴム等により成形されたO−リング状の部材からなる。このリング状の弾性部材26は、保持プレート12の外周面と筒状側壁部10cの内周面の双方に当接するように配設され、保持プレート12の水平方向の移動を微小範囲内で許容している。これにより、ウェーハ24が研磨される際に発生する水平方向(特に径方向)への作用力を吸収することができる。
30は弾性薄膜であり、弾性のある薄膜からなり、保持プレート12の下面側に、外周部30bが、ボルト(図示せず)の締め付けで固定リング31に挟まれることで固定されている。この弾性薄膜30は、その下面でワーク24に当接して、エアバック作用でワーク24を定盤56に貼設された研磨布60へ均等に押圧できるように設けられている(図3)。
この弾性薄膜30として、本実施の形態では、厚さ1mm程度のEPDM等のゴム材、あるいは樹脂シートからなるシート状の弾性材42と、吸着性に富む表面を有する発泡ポリウレタンを主材とするシート状のバッキング材44とを貼り合わせた2層の弾性薄膜を用いている。バッキング材44として、本実施の形態では、市販品のニッタ・ハース社製の発泡ポリウレタンシート材(R601)を用いた。
そして、本実施の形態における特徴は、弾性材42に、中央部がくりぬかれたリング状のものを用いている点にある。したがって、バッキング材44の中央部上面は第1圧力室32に露出し、当該部位はバッキング材44のみの1層となっている。
ウェーハ24は、弾性薄膜30のバッキング材44の下面全体に亙って水等の液体の表面張力によって貼着される。
32は第1圧力室であり、保持プレート12の下面および弾性薄膜30の内側面(上面)によって画成される。この第1圧力室32内へは、所定圧力の流体が第1流体供給手段(図示せず)によって供給される。なお、この第1流体供給手段の圧力源は、第2配管33、管継手34、および連通路36を介して第1圧力室32に連通している。前記第1流体供給手段には第1圧力室32へ供給される流体の圧力を調整する第2圧力調整装置(図示せず)が備えられている。
28は凹部であり、ヘッド部材10に設けられている。この凹部28はヘッド部材10の周方向に所定の間隔をおいて複数が設けられている。38はピン状部材であり、保持プレート12に、凹部28に対応して所定の間隔をおいて複数が立設されている。ピン状部材38は、前記凹部28へ挿入されて係合する凸部の一態様である。このピン状部材38は、フランジ状の先端部38aを備えており、凹部28を形成する内底面28aと内径部28bとの間で移動が規制される。これにより、保持プレート12の上下方向の移動が規制されている。
また、ピン状部材の先端部38aは、凹部28に対して所定の微小範囲内で相対的に移動可能に遊嵌された状態で係合する係合部として作用する。従って、ヘッド部材10と保持プレート12との微小範囲の相対的移動を許容し、板状の弾性部材14に作用する複合力を緩和することができる。これにより、板状の弾性部材が損傷することを防止でき、結果的にエアーバック機能の低下を防止できる。なお、本実施の形態では、保持プレート12(保持部材)側にピン状部材38(係合部)が設けられ、ヘッド部材10側に凹部28(被係合部)が設けられているが、逆に、保持部材に被係合部を設け、ヘッド部材10側に係合部が設けられてもよい。
40はテンプレートであり、弾性薄膜30の下面(バッキング材44の下面)に装着され、ウェーハ24を囲うことが可能に形成されており、ウェーハの横滑りを防止する。このテンプレート40の厚さは、ウェーハ24の厚さと同等に設定されている(本実施の形態では、ウェーハ24の厚さよりも若干厚く設けられている)。なお、研磨剤(砥粒を含む液状の研磨剤)がテンプレート40内に好適に供給されるように、テンプレート40の下面に複数の溝を設けてもよい。このようにテンプレート40を設けることで、保持プレート12が、そのテンプレート40によって定盤56の研磨布60に受けられるため、ウェーハ24の外周のダレが発生することを防止できる。
なお、上記の研磨ヘッド41aの他に、ウェーハの研磨装置の基本的な構成としては、表面に研磨布60が形成された定盤56(図3)、ウェーハ表面を研磨布60に当接させるべく研磨ヘッド41aと定盤56とを接離動させる接離動手段、ウェーハ24が研磨布60に当接・押圧された状態でウェーハ24と定盤56とを回転および/または往復動によって相対的に運動させる駆動手段、スラリー等を含む液状の研磨剤の供給手段がある。
次に以上の構成からなるウェーハの研磨装置に関して、その作動状態について説明する。
先ず、研磨ヘッド41aを移動して、ウェーハ24を、バッキング材44の表面からなる弾性薄膜30の下面に、水の表面張力によって吸着させる。そして、研磨ヘッド41aを移動して、ウェーハ24を定盤56の研磨布60上に位置させる。次に、圧力室(押圧手段)20へ流体供給手段によって所定圧力の流体(エア)を供給することで、保持プレート12全体を研磨布60に追随させて押圧させる。押圧前に研磨布60が保持プレート12の面に対して傾いていても、流体圧の作用で研磨布60に好適に追随させて、保持プレート12の全面を均等に押圧できる。そして、第1圧力室32へ第1流体供給手段によって所定圧力の流体(エア)を供給することで、弾性薄膜30を介して、直接的に流体圧による等圧力を作用させ、ウェーハ24の全面を研磨布60へ均等に押圧できる。すなわち、圧力室(押圧手段)20の圧力で保持プレート12全体を研磨布60へ均等な圧力で押圧し、保持プレート12と定盤56表面の平行度を高い精度で確保し、加えて、第1圧力室32の圧力でウェーハ24をより直接的に押圧できるため、さらに高い精度でウェーハ24を研磨面60へ均等に押圧できる。従って、ウェーハ24全面を均一に研磨することができる。特に、表面を基準とする高精度な研磨に有効である。
そして、本実施の形態では、弾性材42にリング状のものを用いることによって、弾性材42をバッキング材44の裏面全面に亙って接着するようにはしていない。
このようにすることで、弾性があって柔らかい弾性材42自体の面積を減じることができ、また、弾性材42に加わる応力が解放され、弾性材42にしわが生じないようにすることができる。したがって、弾性材42の部分的な剥離も防止できる。これにより、バッキング材44への弾性材42からの張力の変動を防止でき、ウェーハ24への悪影響をなくすことができ、ウェーハ24の均一研磨が可能となる。また、弾性薄膜30の寿命も延ばすことができる。すなわち、本実施の形態では、弾性材42の剥離を防止でき、弾性薄膜30全体の初期状態を維持でき、したがって安定したウェーハ24の研磨が行えるのである。
図4は上記実施の形態の研磨ヘッドを用いてウェーハを研磨した場合の、ウェーハのテーパー度を測定したグラフである。
テーパー度は次のように計算した。
テーパー度(%)=[(ウェーハの厚さのばらつきの最大値)−(ウェーハ研磨面(表面)内の凹凸(高さの差)の最大値)]/研磨量(平均研磨厚さ)×100
ウェーハの直径は300mm。
図4の横軸は、弾性材42の中央部のくりぬき部の直径である。
図4に示す例では、直径約300mmの弾性材42の中央部を100〜200mmくりぬいたリング状の弾性材42とした場合に、テーパー度が小さく、均一研磨が行えることを示している。
図5は、図4の研磨試験におけるΔSFQR値を示すグラフである。なお、各研磨ウェーハにおいて、チップサイズ(20×20mm)部分を抽出して計測した結果を示す。図5からも、直径約300mmの弾性材42の中央部を100〜200mmくりぬいたリング状の弾性材42とした場合に、研磨サンプルの平坦度が高いことがわかる。
なお、第1圧力調整装置によって圧力室(押圧手段)20へ供給される流体の圧力を調整すること、および第2圧力調整装置によって第1圧力室32へ供給される流体の圧力を調整することで、研磨条件を容易に変更できる。従って、ウェーハ24の研磨条件に応じて、圧力室(押圧手段)20および第1圧力室32に作用する各圧力値、およびその圧力値のバランスを容易に調整でき、研磨装置の汎用性を向上できる。
なお、このウェーハの研磨装置によれば、前記ウェーハ以外の被研磨部材であるワーク(例えばガラス薄板材、水晶等の硬脆性材料の表面)も鏡面状に研磨することもできる。
以上に説明してきた実施例では、圧縮空気によって保持プレート12を介してウェーハ24を研磨面に押圧する場合を説明したが、他の流体圧例えば水圧または油圧を利用することもできる。
図6は、弾性薄膜30の構成についての、他の実施の形態の説明図である。
本実施の形態でも、弾性薄膜30として、シート状の弾性材42と、弾性材42の下面側に貼設され、下面側にワークが保持されるシート状のバッキング材44との2層膜で構成している点は上記実施の形態と同じである。そして本実施の形態では、弾性材42の中央部がバッキング材44の上面に貼設されずに、保持部材12の下面側に固定されて、弾性材42の中央部下面とバッキング材44の中央部上面との間に第2圧力室46が形成され、この第2圧力室46に流路48から第2流体供給手段(図示せず)によって所定圧力の流体が供給される。なお、32は上記実施の形態と同じ第1圧力室である。
本実施の形態では、第1圧力室32および第2圧力室46を加圧することによって、バッキング材44をその中央部と周辺部とをそれぞれ個別に加圧しうるので、ウェーハ24へのさらにきめ細かな圧力調整を行うことができ、さらに一層精度よくウェーハ24の研磨が行える。また、弾性材42が、バッキング材44の全面に亙って接着されていないので、上記実施の形態における場合と同様に、弾性材42に加わる応力が解放され、弾性材42にしわが生じないようにすることができる。したがって、弾性材42の部分的な剥離も防止できる。これにより、バッキング材44への弾性材42からの張力の変動を防止でき、ウェーハ24への悪影響をなくすことができ、ウェーハ24の均一研磨が可能となる。また、弾性薄膜30の寿命も延ばすことができる。すなわち、本実施の形態では、弾性材42の剥離を防止でき、弾性薄膜30全体の初期状態を維持でき、したがって安定したウェーハ24の研磨が行えるのである。
図7は弾性薄膜30の構造のまたさらに他の実施の形態を示す説明図である。
本実施の形態でも、弾性薄膜30として、シート状の弾性材42と、弾性材42の下面側に貼設され、下面側にワークが保持されるシート状のバッキング材44との2層膜で構成している点は上記実施の形態と同じである。
そして本実施の形態では、弾性材42の中央部と外周部との間のリング状部がバッキング材44の上面に貼設されずに、保持部材12の下面側に固定されて、この弾性材42のリング状部下面とバッキング材44の対応するリング状部上面との間に第2圧力室50が形成され、この第2圧力室50に流路52を通じて第2流体供給手段(図示せず)によって所定圧力の流体が供給されるようになっている。また、弾性材42のバッキング材44の中央部に固定された部位の上面と保持部材12下面との間に第3圧力室54が形成され、この第3圧力室54に流路58を通じて第3流体供給手段(図示せず)によって所定圧力の流体が供給されるようになっている。なお、32は上記実施の形態と同じ第1圧力室である。
本実施の形態では、第1圧力室32、第2圧力室50および第3圧力室54を加圧することによって、バッキング材44をその中央部から周辺部に向けて3ゾーンに亙ってそれぞれ個別に加圧しうるので、ウェーハ24へのさらにきめ細かな圧力調整を行うことができ、さらに一層精度よくウェーハ24の研磨が行える。また、上記実施の形態と同様に、弾性材42が、バッキング材44の全面に亙って接着されていないので、弾性材42に加わる応力が解放され、応力弾性材42にしわが生じないようにすることができる。したがって、弾性材42の部分的な剥離も防止できる。これにより、バッキング材44への弾性材42からの張力の変動を防止でき、ウェーハ24への悪影響をなくすことができ、ウェーハ24の均一研磨が可能となる。また、弾性薄膜30の寿命も延ばすことができる。すなわち、本実施の形態では、弾性材42の剥離を防止でき、弾性薄膜30全体の初期状態を維持でき、したがって安定したウェーハ24の研磨が行える。
図8は、図7に示す実施の形態のものにおいて、弾性材42の中央部分(第3圧力室54に相当する部分)を他の部分と分離して用いた実施の形態を示す。この分離した部位の弾性材は他の部位の弾性材と同材質のものであっても異材質のものであってもよい。このように、弾性材42を周辺部分と中央部分とで分離することによって、応力をさらに開放できるので、弾性材42からバッキング材44へ及ぼされる張力の変動をさらに回避でき、良好な研磨を行える。なお、図6に示す実施の形態においても、第2圧力室46の部位の弾性材を他の部位の弾性材と分離して用いても同様の効果を奏する。
なお、上記の各実施の形態では、圧力室(押圧手段)20に流体を供給して保持プレート12を押圧するようにしたが、ヘッド部材10に設けた各種のアクチュエータ(押圧手段:例えばシリンダ装置:図示せず)によって保持プレート12を直接押圧するような研磨ヘッドであってもよい。あるいは、ヘッド部材10、圧力室20、板状の弾性部材14を有さない単純な研磨ヘッドであって、各種のアクチュエータ(押圧手段:例えばシリンダ装置:図示せず)によって保持プレート12を直接押圧するような、弾性薄膜30による1段加圧の研磨ヘッドであってもよい。
本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内でさらに多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
10 ヘッド部材
12 保持プレート(保持部材)
14 板状の弾性部材
14a 外側部
14b 内側部
20 圧力室(押圧手段)
24 ウェーハ
30 弾性薄膜
32 第1圧力室
36 連通路
40 テンプレート
41a 研磨ヘッド
42 弾性材
44 バッキング材
46 第2圧力室
50 第2圧力室
54 第3圧力室
56 定盤
60 研磨布

Claims (6)

  1. ワークを保持する研磨ヘッドと、表面に研磨面が形成された定盤と、前記研磨ヘッドと定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置であって、
    前記研磨ヘッドが、
    保持部材と、
    該保持部材を押圧する押圧手段と、
    弾性のある薄膜からなり、前記保持部材の下面側に外周部で固定され、下面でワークに当接して該ワークを前記定盤の研磨面へ押圧可能に設けられた弾性薄膜と、
    前記保持部材の下面および前記弾性薄膜の上面との間に形成され、第1流体供給手段によって所定圧力の流体が供給される第1圧力室とを備え、
    前記弾性薄膜が、シート状の弾性材と、該弾性材の下面側に貼設され、下面側にワークが保持されるシート状のバッキング材との2層膜から成ると共に、前記弾性材が中央部がくりぬかれたリング状に形成されていることを特徴とする研磨装置。
  2. ワークを保持する研磨ヘッドと、表面に研磨面が形成された定盤と、前記研磨ヘッドと定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置であって、
    前記研磨ヘッドが、
    保持部材と、
    該保持部材を押圧する押圧手段と、
    弾性のある薄膜からなり、前記保持部材の下面側に外周部で固定され、下面でワークに当接して該ワークを前記定盤の研磨面へ押圧可能に設けられた弾性薄膜と、
    前記保持部材の下面および前記弾性薄膜の上面との間に形成され、第1流体供給手段によって所定圧力の流体が供給される第1圧力室とを備え、
    前記弾性薄膜が、シート状の弾性材と、該弾性材の下面側に貼設され、下面側にワークが保持されるシート状のバッキング材との2層膜から成ると共に、前記弾性材の中央部が前記バッキング材の上面に貼設されずに、前記保持部材の下面側に固定されて、該弾性材の中央部下面と前記バッキング材の中央部上面との間に第2圧力室が形成され、該第2圧力室に第2流体供給手段によって所定圧力の流体が供給されることを特徴とする研磨装置。
  3. 前記第2圧力室の部位の弾性材が他の弾性材の部位と分離していることを特徴とする請求項2記載の研磨装置。
  4. ワークを保持する研磨ヘッドと、表面に研磨面が形成された定盤と、前記研磨ヘッドと定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置であって、
    前記研磨ヘッドが、
    保持部材と、
    該保持部材を押圧する押圧手段と、
    弾性のある薄膜からなり、前記保持部材の下面側に外周部で固定され、下面でワークに当接して該ワークを前記定盤の研磨面へ押圧可能に設けられた弾性薄膜と、
    前記保持部材の下面および前記弾性薄膜の上面との間に形成され、第1流体供給手段によって所定圧力の流体が供給される第1圧力室とを備え、
    前記弾性薄膜が、シート状の弾性材と、該弾性材の下面側に貼設され、下面側にワークが保持されるシート状のバッキング材との2層膜から成ると共に、前記弾性材の中央部と外周部との間のリング状部が前記バッキング材の上面に貼設されずに、前記保持部材の下面側に固定されて、該弾性材のリング状部下面と前記バッキング材の対応するリング状部上面との間に第2圧力室が形成され、該第2圧力室に第2流体供給手段によって所定圧力の流体が供給され、前記弾性材の前記バッキング材の中央部に固定された部位の上面と前記保持部材下面との間に第3圧力室が形成され、該第3圧力室に第3流体供給手段によって所定圧力の流体が供給されることを特徴とする研磨装置。
  5. 前記第3圧力室の部位の弾性材が他の弾性材の部位と分離していることを特徴とする請求項4記載の研磨装置。
  6. 前記シート状のバッキング材が発泡ポリウレタンを主材とするバッキング材であることを特徴とする請求項1〜5いずれかのうちの1項に記載の研磨装置。
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