JP2010240645A - アンモニア燃焼用触媒、その製造方法およびこの触媒を用いたアンモニア燃焼方法 - Google Patents

アンモニア燃焼用触媒、その製造方法およびこの触媒を用いたアンモニア燃焼方法 Download PDF

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【課題】本発明は、高価な貴金属元素を使用することなく、安価な原料、簡便な製造設備や製造方法で製造可能であり、貴金属系触媒と同等のアンモニア燃焼活性を有する実用性に優れたアンモニア燃焼用触媒、その製造方法およびこの触媒を用いたアンモニア燃焼方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、触媒A成分としてマンガン−セリウム酸化物を含有し、触媒B成分として周期表8〜11族に属する非貴金属元素の中から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有するアンモニア燃焼用触媒であって、マンガン−セリウム酸化物がマンガンを二酸化マンガン換算で1〜60質量%含有していることを特徴とするものである。ここで、マンガン−セリウム酸化物は、粉末X線回折測定にて二酸化セリウムの蛍石型構造を有していると同定されるマンガン−セリウム均密混合酸化物の状態であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気中に存在するアンモニアや、産業排ガス等に含まれる高濃度のアンモニアを低温で燃焼させるための触媒、その製造方法およびこの触媒を用いたアンモニア燃焼方法に関するものである。
産業排ガスやコークス炉ガス等に含まれる高濃度のアンモニアの一部を燃焼し、窒素、水に変換するとともに燃焼熱を得て、得られた熱を利用し、残存アンモニアを水素に分解する反応に用いる技術がある(特許文献1)。アンモニアを水素と窒素に分解する反応は吸熱反応であり、吸熱反応を進行させるのに外部から反応熱を供給する必要があるからである。
上記技術において、ガス流れに対して、入口側にアンモニア燃焼用触媒を配置し、当該アンモニア燃焼用触媒の出口側にアンモニアを分解する機能を有するアンモニア分解触媒を配置することで、アンモニア燃焼用触媒による燃焼反応の燃焼熱で温度上昇した残存アンモニアを含有するアンモニア燃焼用触媒出口ガスを、アンモニアを水素と窒素に分解する機能を有するアンモニア分解触媒に直接供給することで産業排ガスやコークス炉ガス等に含まれる高濃度のアンモニアから水素を得ることができる。
また、アンモニアと酸素を含むガスを二重管型反応器の外側管に導き、アンモニア燃焼用触媒と接触させて燃焼反応を行うこともできる。この場合、内側管には吸熱反応である分解反応の原料、例えばアンモニアなどを流通させ、アンモニア分解触媒により分解させて水素を発生させるが、そのための反応熱は、二重管型反応器の外側管で発生したアンモニア燃焼熱を利用することができる(非特許文献1)。
上記技術において、アンモニア燃焼用触媒として、白金、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ニッケルをアルミナに担持したものを使用することが開示されている。しかし、実用的に使用するには、白金のような貴金属成分は資源的制約があり、高価であるため、コスト面で問題が大きい。一方、酸化マンガンや酸化コバルトのような遷移金属元素をアルミナに担持した触媒では、白金などの貴金属元素を触媒成分とした貴金属系触媒と比較してコスト面での問題は小さく実用的であるが、貴金属系触媒と比較してアンモニア燃焼活性が低いため、アンモニア燃焼を効率良く進行させるには、貴金属系触媒を使用する場合よりも高い反応温度が必要になるという問題点がある。
特開昭64−56301号公報
Jakob Engbaek, " Ammonia Cracker for Hydrogen Generation for PEM Application",3頁および6頁, [online], 2008年9月30日,<URL:http://www.Energy.iastate.edu/Renewable/ammonia/2008/Engbaek_2008.Pdf>
本発明は、高価な貴金属元素を使用することなく、貴金属系触媒と同等のアンモニア燃焼活性を有する実用性に優れたアンモニア燃焼用触媒、その製造方法およびこの触媒を用いたアンモニア燃焼方法を提案するものである。
上記課題を解決するための本発明のアンモニア燃焼用触媒は、触媒A成分としてマンガン−セリウム酸化物および触媒B成分として周期表8〜11族に属する非貴金属元素の中から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有するアンモニア燃焼用触媒であって、前記マンガン−セリウム酸化物がマンガンを二酸化マンガン換算で1〜60質量%含有していることを特徴とするものである。
前記マンガン−セリウム酸化物は、粉末X線回折測定にて二酸化セリウムの蛍石型構造を有していると同定されるマンガン−セリウム均密混合酸化物であることが好ましい。また、触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物を30〜99.95質量%含有し、触媒B成分である周期表8〜11族に属する非貴金属元素の中から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を0.05〜20質量%含有することも好ましい。なお、前記触媒B成分は、銀および/または銅であることが好ましい。
アンモニア燃焼用触媒は触媒A成分と触媒B成分に加えて、さらに触媒C成分として、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、マグネシア、カルシア、酸化ランタン、およびチタン系複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の耐火性無機酸化物を含有することもできる。
また、本発明のアンモニア燃焼用触媒の製造方法は、酸化セリウムまたは酸化セリウムの前駆体と、マンガン化合物溶液を混合し、乾燥後に空気中で300〜900℃で焼成してマンガン−セリウム酸化物を得る工程を有することを特徴とする。この際、マンガン化合物1モルに対して0.1〜2モルの有機酸をマンガン化合物溶液に添加することが好ましい。
本発明のアンモニア燃焼方法は、上記アンモニア燃焼用触媒に、アンモニアに対する酸素のモル比が0.75未満であり且つ少なくともアンモニアと酸素を含む反応ガスを接触させてアンモニア燃焼反応を行い、アンモニア燃焼用触媒出口から当該燃焼反応により温度上昇した実質的に酸素を含まないアンモニア含有ガスを得ることを特徴とするものである。この燃焼方法において、上記反応ガスを空間速度10,000〜1000,000h-1の条件でアンモニア燃焼用触媒に供給して、100〜500℃に加熱することが好ましい。
本発明は、高価な貴金属元素を使用することなく、貴金属系触媒と同等のアンモニア燃焼活性を有する実用性に優れたアンモニア燃焼用触媒、その製造方法およびこの触媒を用いたアンモニア燃焼方法を提供することができる。
マンガン−セリウム酸化物のX線回折測定図である。
本発明のアンモニア燃焼用触媒は、触媒A成分としてマンガン−セリウム酸化物、触媒B成分として周期表8〜11族に属する非貴金属元素の中から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有しており、マンガン−セリウム酸化物がマンガンを二酸化マンガン換算で1〜60質量%含有していることを特徴とするものである。
ここで、マンガン−セリウム酸化物は、粉末X線回折測定にて二酸化セリウムの蛍石型構造を有していると同定されるマンガン−セリウム均密混合酸化物の状態であることが好ましい。
本発明の触媒A成分のマンガン−セリウム酸化物の好ましい形態であるマンガン−セリウム均密混合酸化物とは、粉末X線回折にて測定した際に、酸化マンガンに由来する回折ピークは見られず、蛍石型の二酸化セリウムの結晶ピークを主ピークとして有するものである。粉末試料の結晶構造は格子面間隔(d値)を測定することにより確認することが可能である。X線回折の測定条件は、CuKα線源、電圧45KV、電流40mA、走査範囲10〜90°、走査速度0.198°/minで実施することができる。本発明により得られたマンガン−セリウム均密混合酸化物のX線回折の測定結果では、主ピークのd値は3.07〜3.15の範囲にあり、JCPDS(Joint Committee for Powder Diffraction Standards)カードに記載された二酸化セリウムの蛍石型構造のd値である3.12とほぼ一致する。また、カードに記載されている二酸化セリウムのd値は相対強度が高い順に、3.12、1.91、1.63、2.71等であり、主ピーク以外もほぼ一致した位置(d値±0.05)に結晶ピークが検出され、マンガン−セリウム均密混合酸化物の結晶構造は二酸化セリウム蛍石型構造にほぼ一致していると考えられる。
触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物はマンガンを二酸化マンガン換算で1〜60質量%含有することが好ましい。より好ましくは2〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%である。このように高い含有率でマンガンを含有するにも関わらず、マンガン−セリウム均密混合酸化物では、酸化マンガンに由来する回折ピークが見られないことから、酸化マンガンはアモルファスな状態で酸化セリウム上に高分散されていると推定される。
マンガン−セリウム酸化物におけるマンガンの二酸化マンガン換算の含有率が1質量%未満である場合は、アンモニア酸化速度が不十分となり効率的なアンモニア燃焼反応が行えなくなる。60質量%を超える場合は、酸化マンガン粒子が粗大化しやすくなり耐熱性やアンモニア燃焼活性の低下を招くので好ましくない。
一般に酸化マンガンの結晶構造としてはMnO、MnO2、Mn23、Mn34などの形態があり、特にMnO2は活性二酸化マンガンと呼ばれ強い酸化力を有していることが知られている。しかしながら、MnO2は熱処理により相変化しやすいため、高温条件下で使用されるアンモニア燃焼触媒として使用することは困難であった。後述する製造方法により得られるマンガン−セリウム酸化物、特にマンガン−セリウム均密混合酸化物は900℃の高温で熱処理しても、X線回折測定において、ほぼ二酸化セリウムの蛍石型の結晶ピークのみが検出されており、熱的安定性に関しても大幅な改善効果が得られることが判った。また、酸化マンガンは反応性が高く、被処理ガスであるアンモニア含有ガス中に硫黄化合物が存在すると硫化マンガンや硫酸マンガンに変質して性能低下を招きやすいことが判っているが、本発明のマンガン−セリウム酸化物、特にマンガン−セリウム均密混合酸化物は、酸化マンガンが安定化されており耐硫黄被毒性に対しても改善効果が得られる。
マンガン−セリウム酸化物は、固相混合法、固液混合法、液相共沈法、アルコキシドを用いたゾルゲル法等により製造することができる。マンガン−セリウム酸化物の好ましい形態であるマンガン−セリウム均密混合酸化物の調製法としては、特に安価な原料を用い、簡便な製造装置を用いて高活性な均密混合酸化物を製造することができる固液混合法が好ましい製造方法として挙げられる。固液混合法とは、マンガンまたはセリウムのどちらかを、使用する溶媒に不溶な固体原料として用いて、もう一方の金属塩を水などの溶媒に溶解した溶液として混合して調製する方法である。セリウム源を固体原料としてマンガン源を溶液で使用することが好ましい。具体的には、結晶性の低い酸化セリウム、炭酸セリウム、水酸化セリウム等の酸化セリウムの前駆体に硝酸マンガン等のマンガン化合物溶液を含浸し、乾燥、焼成する方法が挙げられる。空気中で300〜900℃で焼成することで、20〜100m2/gの比表面積を有したマンガン−セリウム均密混合酸化物を調製することができる。
本発明のアンモニア燃焼用触媒は、触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物を30〜99.95質量%、触媒B成分である周期表8〜11族に属する非貴金属元素の中から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を0.05〜20質量%含有することが好ましい。
触媒B成分としては、周期表8〜11族に属する非貴金属元素である、8族の鉄、9族のコバルト、10族のニッケル、および11族の銅、銀が使用可能である。触媒B成分として銀および/または銅を用いることが好ましく、これらの元素を使用することでより低温域でのアンモニア燃焼が可能となる。なお、周期表8〜11族に属する貴金属元素とは、白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウムおよび金である。
触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物が30質量%未満である場合はアンモニアの酸化速度が遅くなり高い処理効率が得られ難い。好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。また、触媒B成分である周期表8〜11族の非貴金属元素が0.05質量%より少ない場合は低温でのアンモニア酸化性能が不十分となり、20質量%を超えても性能向上効果はほとんど得られず分散性が低下して粒子成長する可能性があるので好ましくない。触媒B成分は各元素の金属または金属の酸化物として含有されることが好ましい。
本発明のアンモニア燃焼用触媒は前述の触媒A成分および触媒B成分に加えて、さらに触媒C成分として、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、マグネシア、カルシア、酸化ランタンおよびチタン系複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の耐火性無機酸化物を含有することができる。耐火性無機酸化物は0〜69.95質量%含有することが好ましい。耐火性無機酸化物を添加することにより触媒A成分および触媒B成分の分散性向上による活性向上や触媒の機械的強度の向上が得られる。耐火性無機酸化物が69.95質量%を超える場合は触媒A成分および触媒B成分の含有量が少なくなり、十分な触媒活性が得られなくなるので好ましくない。
次にアンモニア燃焼用触媒の製造方法について記載する。前述のように触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物、特に好ましい形態であるマンガン−セリウム均密混合酸化物の調製法としては、液相共沈法やゾルゲル法によっても製造することができるが、以下に示す簡便な固液混合法で製造することが好ましい。
本発明のアンモニア燃焼用触媒の具体的な製造方法は、酸化セリウム、または酸化セリウムの前駆体と、マンガン化合物溶液を十分に混合し、乾燥後に空気中で300〜900℃で焼成して触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物を調製する工程を有していることを特徴とする。セリウム源としては、結晶性の低い酸化セリウム、炭酸セリウム、水酸化セリウム等の酸化セリウムの前駆体が使用可能であり、特に多孔質で高比表面積なマンガン−セリウム均密混合酸化物を得ることができる炭酸セリウムをセリウム源として用いることが好ましい。マンガン源としては、硝酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン等の水などの溶媒に溶解可能なマンガン化合物の溶液を使用することができ、特に硝酸マンガン水溶液を使用することが好ましい。水などの溶媒の添加量は固液の均質な混合が可能な範囲とし、混合装置や乾燥装置の仕様に合わせて適宜変更できる。乾燥は水などの溶媒を除去するものであり、80〜200℃の範囲で1〜24時間実施し、その後、空気中で300〜900℃、好ましくは、500〜700℃で焼成することでマンガン−セリウム均密混合酸化物を調製することができる。
また、上記マンガン化合物溶液に酢酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸を添加することにより、さらに高活性で微細構造を有したマンガン−セリウム均密混合酸化物を得ることができる。有機酸の添加量としてはマンガン化合物1モルに対して0.1〜2モルを添加することが好ましい。より好ましくは0.3〜1.5モル、さらに好ましくは0.5〜1モルである。有機酸の添加量が0.1モルより少ない場合は添加効果が得られず、2モルを超える場合は焼成時に還元雰囲気となり均密混合酸化物の性状に悪影響を与える可能性があるため好ましくない。
本発明のアンモニア燃焼用触媒の製造方法において触媒B成分の添加方法は特に限定されるものではなく、例えば(1)〜(3)の方法が例示される。(1)触媒A成分の粉体に、触媒B成分の金属元素の硝酸塩、硫酸塩などの水溶液を噴霧や浸漬し、乾燥焼成して担持してから、これら触媒組成物を成形して乾燥焼成して製造する。(2)触媒A成分の粉末と触媒B成分の金属塩溶液とを混練して成形してから乾燥焼成して製造する。(3)触媒A成分を含有する触媒組成物を成形して乾燥焼成後に触媒B成分の金属塩溶液に含浸し、乾燥、焼成する。前記触媒の焼成温度としては300〜900℃、好ましくは400〜600℃にて空気中で焼成することができる。
触媒C成分であるアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、マグネシア、カルシア、酸化ランタンおよびチタン系複合酸化物などの耐火性無機酸化物は前記(1)〜(3)の製造方法のいずれの工程において添加しても良い。
アンモニア燃焼用触媒は顆粒状、ペレット状、ハニカム状等の形状とすることができる。必要により成形助剤として澱粉等の有機バインダー、シリカゾルやアルミナゾル等の無機バインダーやガラス繊維等のセラミック繊維を添加することができる。成形助剤は触媒組成物の15質量%以下、好ましくは10質量%以下で添加することが好ましい。さらに、ハニカム等のモノリス、リング状、球状、馬蹄状等の形状に成型された構造体表面に上記触媒成分を被覆した状態で使用することもできる。
本発明に用いるアンモニアと酸素を含むガスは、双方の成分が含まれれば何れであってもよい。アンモニアと酸素のみで構成されるときは、アンモニア1モルに対して酸素が0.05〜1モル、好ましくは0.1〜0.75モル未満である。また他の成分を含むガスであってもよく、例えば窒素、希ガス、二酸化炭素など本発明に係る反応に不活性なもの(以下、「不活性ガス」と称する)であれば何れでもよい。不活性ガスの量はアンモニア1モルに対して0.1〜10モル、好ましくは0.5〜5モルである。
反応温度は、100〜500℃が好ましい。より好ましくは150〜400℃である。なお、反応温度とは、アンモニア燃焼用触媒に供給した反応ガスの燃焼反応が起こる際の温度である。
アンモニア燃焼用触媒に供給する反応ガスの空間速度は、10,000〜1,000,000h-1、好ましくは、15,000〜750,000h-1である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(触媒調製)
(触媒1)
固液混合法により触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物と触媒B成分である銀を含有する触媒1を以下の方法で調製した。粉末状の炭酸セリウム、硝酸マンガンおよび硝酸銀を触媒1におけるマンガン、セリウムおよび銀の含有量が、MnO2、CeO2およびAg2O換算でそれぞれ45質量%、45質量%および10質量%となるように計量した。硝酸マンガン水溶液と硝酸銀水溶液を粉末状の炭酸セリウムに加え、十分に混合した。次いで、当該混合物を150℃で一晩乾燥し、500℃で5時間焼成後粉砕して触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物と触媒B成分である銀を含有する触媒1を得た。得られた触媒1をCuKα線源、電圧45KV、電流40mA、走査範囲10〜90°、走査速度0.198°/minでX線回折測定を行った結果(図1に示す)、二酸化セリウムの蛍石型結晶構造を示す位置に主ピークが検出されマンガン由来の結晶ピークは観察されず、上記マンガン−セリウム酸化物が、マンガン−セリウム均密混合酸化物の状態となっていることが確認された。また、銀に由来する結晶ピークについても検出されなかった。BET法で測定した比表面積は55m2/gであった。
(触媒2)
触媒1の調製例における硝酸銀を硝酸銅に変更し、マンガン、セリウムおよび銅の含有量が、MnO2、CeO2およびCuO換算でそれぞれ45質量%、45質量%および10質量%となるようにした以外は、触媒1と同様にして触媒2を調製した。得られた触媒2をCuKα線源、電圧45KV、電流40mA、走査範囲10〜90°、走査速度0.198°/minでX線回折測定を行った結果、二酸化セリウムの蛍石型結晶構造を示す位置に主ピークが検出されマンガン由来の結晶ピークは観察されず、上記マンガン−セリウム酸化物が、マンガン−セリウム均密混合酸化物の状態となっていることが確認された。また、銅に由来する結晶ピークについても検出されなかった。BET法で測定した比表面積は65m2/gであった。
(触媒3)
炭酸セリウム粉末を空気雰囲気下、500℃で2時間焼成して二酸化セリウム粉末を調製した。次いで、酸化セリウム、硝酸マンガンおよび硝酸銀をマンガン、セリウムおよび銀の含有量が、MnO2、CeO2およびAg2O換算でそれぞれ45質量%、45質量%および10質量%となるように計量し、硝酸マンガン水溶液と硝酸銀水溶液を酸化セリウム粉末に加え、十分に混合した。次いで、当該混合物を150℃で一晩乾燥し、500℃で5時間焼成後、粉砕して触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物と触媒B成分である銀を含有する触媒3を得た。得られた触媒3をCuKα線源、電圧45KV、電流40mA、走査範囲10〜90°、走査速度0.198°/minでX線回折測定を行った結果(図1に示す)、二酸化セリウムの蛍石型結晶構造を示す主ピークに加え、二酸化マンガンに帰属される結晶ピークが検出された。一方、銀に由来する結晶ピークについては検出されなかった。BET法で測定した比表面積は41m2/gであった。
(触媒4)
触媒1の調製例において硝酸銀を用いず、マンガンおよびセリウムの含有量が、MnO2、CeO2換算でそれぞれ50質量%および50質量%となるように変更した以外は、触媒1と同様にして触媒4を調製した。得られた触媒4をCuKα線源、電圧45KV、電流40mA、走査範囲10〜90°、走査速度0.198°/minでX線回折測定を行った結果、二酸化セリウムの蛍石型結晶構造を示す位置に主ピークが検出されマンガン由来の結晶ピークは観察されず、上記マンガン−セリウム酸化物が、マンガン−セリウム均密混合酸化物の状態となっていることが確認された。BET法で測定した比表面積は54m2/gであった。
(触媒5)
触媒1の調製例において硝酸マンガンを用いず、銀およびセリウムの含有量が、Ag2O、CeO2換算でそれぞれ10質量%および90質量%となるように変更した以外は、触媒1と同様にして触媒5を調製した。得られた触媒5をCuKα線源、電圧45KV、電流40mA、走査範囲10〜90°、走査速度0.198°/minでX線回折測定を行った結果、二酸化セリウムの蛍石型結晶構造を示す位置に主ピークが検出され銀由来の結晶ピークは観察されなかった。BET法で測定した比表面積は23m2/gであった。
(触媒6)
市販のアルミナ粉末(比表面積299m2/g)にジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を含浸し、十分に乾燥させてから空気中にて500℃で2時間焼成してアルミナ上に白金が5質量%担持された触媒6を得た。
(触媒7)
触媒3の調製例において作製した酸化セリウム粉末(比表面積74m2/g)に硝酸パラジウム水溶液を含浸し、十分に乾燥させてから空気中にて500℃で2時間焼成して酸化セリウム上にパラジウムが5質量%担持された触媒7を得た。
(アンモニア燃焼試験)
上記触媒調製例で作製した触媒1〜7を用いて、以下の手順でアンモニアの燃焼試験を実施した。
触媒0.8mLを内径10mmのSUS製反応管に充填した。当該SUS製反応管を電気炉内に配置し、純度99.9体積%以上のアンモニアと空気組成ガスをそれぞれ140mL/min、100mL/minで供給しながら、電気炉温度を上昇させてアンモニア燃焼反応開始温度を測定した(空間速度18,000h‐1)。アンモニア燃焼反応開始温度は、触媒層中央付近に挿入した熱電対により触媒層温度を測定し、アンモニア燃焼反応の開始により触媒層温度が急激に上昇した時点での電気炉温度をアンモニア燃焼反応開始温度とした。
アンモニア燃焼試験結果を表1に示した。
(熱曝露試験)
触媒1および触媒5について、空気雰囲気下、900℃で2時間熱処理し、熱処理後の触媒について上記と同様のアンモニア燃焼試験を行い、アンモニア燃焼反応開始温度を評価した。熱曝露後の触媒1および触媒5のアンモニア燃焼反応開始温度測定結果を表1に示す。
Figure 2010240645
本発明は、空気中に存在するアンモニアを低温で燃焼分解し、水と窒素にするとともに熱を得ることができる。また、産業排ガス等に含まれる高濃度のアンモニアの一部を燃焼し、窒素、水に変換するとともに燃焼熱を得ることができる。

Claims (9)

  1. 触媒A成分としてマンガン−セリウム酸化物および触媒B成分として周期表8〜11族に属する非貴金属元素の中から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を含有するアンモニア燃焼用触媒であって、前記マンガン−セリウム酸化物がマンガンを二酸化マンガン換算で1〜60質量%含有していることを特徴とするアンモニア燃焼用触媒。
  2. 前記マンガン−セリウム酸化物が、粉末X線回折測定にて二酸化セリウムの蛍石型構造を有していると同定されるマンガン−セリウム均密混合酸化物である請求項1記載のアンモニア燃焼用触媒。
  3. 触媒A成分であるマンガン−セリウム酸化物を30〜99.95質量%含有し、触媒B成分である周期表8〜11族に属する非貴金属元素の中から選ばれる少なくとも一種以上の金属元素を0.05〜20質量%含有する請求項1または2記載のアンモニア燃焼用触媒。
  4. 触媒B成分が、銀および/または銅である請求項1〜3のいずれか記載のアンモニア燃焼用触媒。
  5. 更に触媒C成分としてアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、マグネシア、カルシア、酸化ランタンおよびチタン系複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の耐火性無機酸化物を含有する請求項1〜4のいずれか記載のアンモニア燃焼用触媒。
  6. 酸化セリウムまたは酸化セリウムの前駆体と、マンガン化合物溶液を混合し、乾燥後に空気中で300〜900℃で焼成してマンガン−セリウム酸化物を得る工程を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のアンモニア燃焼用触媒の製造方法。
  7. 前記マンガン−セリウム酸化物を得る工程において、マンガン化合物1モルに対して0.1〜2モルの有機酸をマンガン化合物溶液に添加する請求項6記載のアンモニア燃焼用触媒の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか記載のアンモニア燃焼用触媒に、アンモニアに対する酸素のモル比が0.75未満であり且つ少なくともアンモニアと酸素を含む反応ガスを接触させてアンモニア燃焼反応を行い、アンモニア燃焼用触媒出口から当該燃焼反応により温度上昇した実質的に酸素を含まないアンモニア含有ガスを得るアンモニア燃焼方法。
  9. 前記反応ガスを空間速度10,000〜1,000,000h-1の条件でアンモニア燃焼用触媒に供給して、100〜500℃に加熱する請求項8記載のアンモニア燃焼方法。
JP2010059899A 2009-03-17 2010-03-16 アンモニア燃焼用触媒、その製造方法およびこの触媒を用いたアンモニア燃焼方法 Withdrawn JP2010240645A (ja)

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