以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機やスロットマシンなどの他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、本実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1内およびその周囲には、パチンコ機Pの遊技の状態に応じて点灯し或いは消灯する複数のランプ22が設けられており、また、遊技盤1内の下方には、打球が入賞することにより15個の賞球が払い出される4個の入賞口2が設けられている。この遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する特別図柄表示装置としての液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCDディスプレイ3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示(動的表示)が行われる。LCDディスプレイ3の下方には、特別図柄作動口(第1種始動口)4が設けられており、打球がこの特別図柄作動口4へ入賞することにより、5個の賞球の払い出しと、前記したLCDディスプレイ3の変動表示が開始される。
特別図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCDディスプレイ3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、打球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、打球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、打球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に打球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、この開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
大入賞口5の下方には、7セグメントLEDで構成された普通図柄表示装置6が設けられ、また、LCDディスプレイ3の両側には普通図柄作動ゲート7がそれぞれ設けられている。打球がこの普通図柄作動ゲート7を通過することにより、普通図柄表示装置6の変動表示が開始され、その変動表示が「7」で停止すると、前記した特別図柄作動口4が所定時間開放される。
図2は、かかるパチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機Pの主制御基板Cには、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM12と、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM13とが搭載されている。図5から図7に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。
RAM13は、賞球オーバーエラーフラグ13aと、賞球アンダーエラーフラグ13bと、空切れエラーフラグ13cと、下皿満タンエラーフラグ13dとを備えている。
賞球オーバーエラーフラグ13aは、賞球オーバーエラーの発生時にオンされるフラグである。賞球オーバーエラーは、払出制御基板Hによる賞球の払出個数が主制御基板Cにより指示された数を超えてなされた場合に発生するエラーである。一旦発生した賞球オーバーエラーは、パチンコ機Pの電源がオフされるまで解消されない。同様に、一旦オンされた賞球オーバーエラーフラグ13aも、パチンコ機Pの電源がオフされるまでオフされない。賞球オーバーエラーが発生すると、主制御基板Cの第2コネクタ17の31番ピン(図4参照)から賞球オーバーエラー信号が出力されると共に、賞球オーバーエラーの発生を示す賞球オーバーエラーコマンドが主制御基板Cから払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lへそれぞれ送信される。払出制御基板Hは賞球オーバーエラーコマンドを受信すると、賞球の払出残数を記憶する残賞球数カウンタHaの値を0クリアし、賞球の払出動作を停止する。また、ランプ制御基板Lは、各ランプ22を点滅等させて賞球オーバーエラーのエラー表示を行う。
賞球アンダーエラーフラグ13bは、賞球アンダーエラーの発生時にオンされるフラグである。賞球アンダーエラーは、払出制御基板Hによる賞球の払出個数が主制御基板Cにより指示された数に満たない場合に発生するエラーである。賞球アンダーエラーが発生すると、主制御基板Cの第2コネクタ17の32番ピン(図4参照)から賞球アンダーエラー信号が出力されると共に、賞球アンダーエラーの発生を示す賞球アンダーエラーコマンドが主制御基板Cから払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lへそれぞれ送信される。払出制御基板Hは賞球アンダーエラーコマンドを受信すると、その賞球アンダーエラーコマンドにより指示された未払い分の賞球数を、賞球の払出残数を記憶する残賞球数カウンタHaへ書き込み、未払い分の賞球の払い出しを行う。また、ランプ制御基板Lは、各ランプ22を点滅等させて賞球アンダーエラーのエラー表示を行う。
なお、賞球アンダーエラーコマンドを受信した払出制御基板Hによって未払い分の賞球の払い出しが行われると、賞球アンダーエラーは解消する。賞球アンダーエラーが解消すると、賞球アンダーエラーフラグ13bがオフされると共に、主制御基板Cの第2コネクタ17の32番ピン(図4参照)から出力されていた賞球アンダーエラー信号がオフされる。更に、賞球アンダーエラーの解消を示す賞球アンダーエラー解除コマンドが主制御基板Cから払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lへそれぞれ送信され、払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lは正常な状態に復帰する。
空切れエラーフラグ13cは、空切れエラーの発生時にオンされるフラグである。空切れエラーは、将来払い出される賞球及び貸し球を貯留する貯留タンク(図示せず)の球貯留量が所定量未満になった場合、即ち貯留タンクの球の排出口近傍に設けられた空切れスイッチ20gが球不足によりオンされた場合に発生するエラーである。空切れエラーが発生すると、主制御基板Cの第2コネクタ17の33番ピン(図4参照)から空切れ(球切れ)エラー信号が出力されると共に、空切れエラーの発生を示す空切れエラーコマンドが主制御基板Cから払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lへそれぞれ送信される。払出制御基板Hは空切れエラーコマンドを受信すると、賞球及び貸し球の払い出しを1の払出単位の終了後に停止する。また、ランプ制御基板Lは、各ランプ22を点滅等させて空切れエラーのエラー表示を行う。
なお、貯留タンクに球が補給され、空切れスイッチ20gがオフされると、空切れエラーは解消する。空切れエラーが解消すると、空切れエラーフラグ13cがオフされると共に、主制御基板Cの第2コネクタ17の33番ピン(図4参照)から出力されていた空切れエラー信号がオフされる。更に、空切れエラーの解消を示す空切れエラー解除コマンドが主制御基板Cから払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lへそれぞれ送信され、払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lは正常な状態に復帰する。即ち、払出制御基板Hは、停止していた賞球及び貸し球の払い出し動作があればこれを再開し、ランプ制御基板Lは、空切れエラーのランプ表示を通常の表示に復帰する。
下皿満タンエラーフラグ13dは、下皿満タンエラーの発生時にオンされるフラグである。下皿満タンエラーは、賞球または貸し球の払い出しにより遊技盤1の下方に設けられた下皿(図示せず)が満タンになった場合に発生するエラーである。即ち、賞球及び貸し球の払出流路(図示せず)の途中には下皿満タンスイッチ20hが設けられているが、払い出された賞球または貸し球で下皿が一杯となり、払出流路に停留する球の位置が下皿満タンスイッチ20hの検出ポイントにまで達して、下皿満タンスイッチ20hがオンされた場合に発生するエラーである。下皿満タンエラーが発生すると、主制御基板Cの第2コネクタ17の34番ピン(図4参照)から下皿満タンエラー信号が出力されると共に、下皿満タンエラーの発生を示す下皿満タンエラーコマンドが主制御基板Cから払出制御基板Hへ送信される。払出制御基板Hは下皿満タンエラーコマンドを受信すると、賞球及び貸し球の払い出しを1の払出単位の終了後に停止する。
なお、下皿に貯留される球が排出されて、下皿満タンスイッチ20hがオフされると、下皿満タンエラーは解消する。下皿満タンエラーが解消すると、下皿満タンエラーフラグ13dがオフされると共に、主制御基板Cの第2コネクタ17の34番ピン(図4参照)から出力されていた下皿満タンエラー信号がオフされる。更に、下皿満タンエラーの解消を示す下皿満タンエラー解除コマンドが主制御基板Cから払出制御基板Hへ送信される。これにより払出制御基板Hは、停止していた賞球及び貸し球の払い出し動作があればこれを再開し、正常な状態に復帰する。
図2に示すように、これらMPU11、ROM12、RAM13は、バスライン14を介して互いに接続されており、バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。この入出力ポート15には、第1コネクタ16及び第2コネクタ17が接続されている。第1コネクタ16及び第2コネクタ17は、主制御基板Cに試験機19を接続するためのものであり、いずれも主制御基板Cに直付けされている。第1および第2コネクタ16,17並びに試験機19については、図3及び図4を参照して後述する。
入出力ポート15は、また、表示用制御基板D、効果音制御基板S、ランプ制御基板Lおよび払出制御基板Hとそれぞれ接続されている。表示用制御基板Dは、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCDディスプレイ3の変動表示を制御するためのものである。効果音制御基板Sは、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、遊技の進行に合わせた効果音をスピーカ21から出力するためのものであり、ランプ制御基板Lは、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、各ランプ22の点灯及び消灯を制御するためのものである。払出制御基板Hは、賞球カウントスイッチ20aから出力される信号や主制御基板Cから送信される制御用コマンド、更には図示しないカード読取ユニットから送信される信号に基づいて、払出モータ23を駆動して賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
主制御基板Cは、入出力ポート15を介して、これら各制御基板D,S,L,Hへ各種の制御用コマンドを送信し、それらを制御する。これによりパチンコ機Pの遊技が進行する。主制御基板Cと各制御基板D,S,L,Hとは、入力および出力が固定的なバッファ18d,18s,18l,18hを介して、それぞれ接続されている。よって、主制御基板Cと各制御基板D,S,L,Hとの間における制御用コマンドの送受信は、主制御基板Cから各制御基板D,S,L,Hへの一方向にのみ行われ、各制御基板D,S,L,Hから主制御基板Cへ制御用コマンド等を送信することはできない。
また、主制御基板Cの入出力ポート15には、各種スイッチ20として、賞球カウントスイッチ20aと、4つの普通入賞口スイッチ20bと、第1種始動口スイッチ20cと、10カウントスイッチ20dと、Vカウントスイッチ20eと、2つの普通図柄表示装置始動用スイッチ20fと、空切れスイッチ20gと、下皿満タンスイッチ20hとがそれぞれ接続されており、主制御基板Cへ各種信号を出力している。なお、賞球カウントスイッチ20aは、主制御基板Cのみならず、払出制御基板Hにも接続されている。
賞球カウントスイッチ20aは、払出制御基板Hによって払い出される賞球数をカウントするためのスイッチであり、このスイッチ20aの出力は主制御基板Cおよび払出制御基板Hへ入力されている。この賞球カウントスイッチ20aの出力信号に基づいて、主制御基板Cにより、本来の賞球数を超えた賞球の払い出し(賞球オーバーエラーの発生)や、本来の賞球数に満たない賞球の払い出し(賞球アンダーエラーの発生)がチェックされる。
普通入賞口スイッチ20bは、各普通入賞口2へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、4つある各普通入賞口2の入口近傍にそれぞれ設けられている。また、第1種始動口用スイッチ20cは、特別図柄作動口(第1種始動口)4へ入賞した球を検出するためのスイッチであり、特別図柄作動口4の近傍に設けられている。10カウントスイッチ20dは、大入賞口5へ入賞した球のうち、Vゾーン5a以外を通過した球を検出するためのスイッチであり、Vカウントスイッチ20eは、大入賞口5へ入賞した球のうち、その大入賞口5内のVゾーン5aを通過した球を検出するためのスイッチである。普通入賞口スイッチ20b、10カウントスイッチ20d及びVカウントスイッチ20eのいずれかにより球が検出されると、15個の賞球が払い出される。また、第1種始動口用スイッチ20cにより球が検出されると、LCDディスプレイ3により図柄の変動表示が開始されると共に、5個の賞球が払い出される。
普通図柄表示装置作動用スイッチ20fは、各普通図柄作動ゲート7を通過した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、2つある各普通図柄作動ゲート7の入口近傍にそれぞれ設けられている。いずれかの普通図柄表示装置作動用スイッチ20fにより球が検出されると、7セグメントLEDで構成される普通図柄表示装置6が変動表示を開始する。
空切れスイッチ20gは、前述した通り、将来払い出される賞球及び貸し球を貯留する貯留タンクの球貯留量が所定量未満になった場合にオンされ、逆に、貯留タンクの球貯留量が所定量以上になった場合にオフされるスイッチである。この空切れスイッチ20gは、貯留タンクの球の排出口近傍に設けられている。空切れスイッチ20gのオンにより、空切れエラーが発生して、賞球及び貸し球の払い出しが1の払出単位の終了後に停止されると共に、各ランプ22によって空切れエラーのエラー表示が行われる。また、下皿満タンスイッチ20hは、前述した通り、賞球または貸し球の払い出しにより遊技盤1の下方に設けられた下皿が満タンになった場合にオンされるスイッチであり、賞球及び貸し球の払出流路の途中に設けられている。この下皿満タンスイッチ20hのオンにより、下皿満タンエラーが発生して、賞球及び貸し球の払い出しが1の払出単位の終了後に停止されると共に、各ランプ22によって下皿満タンエラーのエラー表示が行われる。
次に、図3及び図4を参照して、主制御基板Cに試験機19を接続するために、その主制御基板Cに設けられる第1コネクタ16および第2コネクタ17について説明する。まず、試験機19(図2参照)について説明する。試験機19は、パチンコ機Pの生産販売前に、或いは、生産販売後のパチンコホールにおいて、そのパチンコ機Pが設計値通りに動作するか否かを調べるための、即ち、パチンコ機Pの遊技状態を分析するためのものである。試験機19は、主制御基板Cに接続されて、打球の入賞確率や大当たりの発生確率などを試験する。
主制御基板Cは、遊技状態の分析試験のために、第1および第2コネクタ16,17を介して、この試験機19と接続される。図3は第1コネクタ16についての、また、図4は第2コネクタ17についての、各ピンから出力される信号の名称と、その信号の説明とをそれぞれ表形式で示した図である。図3及び図4に示すように、第1及び第2コネクタ16,17から出力される信号は、コネクタ毎に類別されている。
具体的には、第1コネクタ16の各出力端子からは、各スイッチ20a〜20fの出力信号に対応した信号が、主制御基板Cによって何ら加工されることなく、そのままの状態でそれぞれ出力される。即ち、第1コネクタ16のピン番号3の出力端子からは、球が賞球カウントスイッチ20aを通過することにより「賞球信号1」が1パルス出力され、ピン番号9〜12の出力端子からは、球が4つある普通賞口スイッチ20bのいずれかを通過することにより「普通入賞口1〜4入賞信号」が1パルス出力され、ピン番号19の出力端子からは、球が第1種始動口用スイッチ20cを通過することにより「普通電動役物入賞信号」が1パルス出力され、ピン番号20の出力端子からは、球が10カウントスイッチ20dを通過することにより「特別電動役物入賞信号1」が1パルス出力され、ピン番号21の出力端子からは、球がVカウントスイッチ20eを通過することにより「特別電動役物入賞信号2」が1パルス出力され、ピン番号32〜33の出力端子からは、球が2つある普通図柄表示装置作動用スイッチ20fのいずれかを通過することにより「普通図柄に係るゲート1〜2通過信号」が1パルス出力される。
これに対し、第2コネクタ17の各出力端子からは、主制御基板Cによる遊技の制御に基づいて変化する信号がそれぞれ出力される。例えば、第2コネクタ17のピン番号1の出力端子からは、大入賞口5の開放中に「特別電動役物開放信号」が出力され、ピン番号2の出力端子からは、大入賞口5の開閉動作中に「特別電動役物作動中信号」が出力される。また、ピン番号30の出力端子からは、何らかのエラー発生中に「遊技機エラー状態信号」が出力され、ピン番号31の出力端子からは、賞球オーバーエラーの発生中に「賞球オーバーエラー信号」が出力され、ピン番号32の出力端子からは、賞球アンダーエラーの発生中に「賞球アンダーエラー信号」が出力され、ピン番号33の出力端子からは、空切れエラーの発生中に「空切れエラー信号」が出力され、ピン番号34の出力端子からは、下皿満タンエラーの発生中に「下皿満タンエラー信号」が出力される。
このように、第1コネクタ16及び第2コネクタ17から出力される信号はコネクタ毎に類別されているので、試験の際に、必ずしも常にすべてのコネクタ16,17を接続する必要がない。言い替えれば、必要なコネクタ16,17のみを接続して試験を行うことができるので、無駄なコネクタの接続を省略して試験の作業効率を向上することができるのである。なお、第1及び第2コネクタ16,17の信号線の配列は、必ずしも図3及び図4の例に限られるものではない。即ち、出力される信号がコネクタ毎に類別されたものであれば、その配列は種々に変更することができるのである。
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図5から図7のフローチャートを参照して説明する。図5は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて、4ms毎に実行されるリセット割込処理のフローチャートである。パチンコ機Pの主な制御は、このリセット割込処理によって実行される。
リセット割込処理では、まず、スタックポインタを設定し(S1)、RAM13の所定エリアに書き込まれているパターンのチェックを行う(S2)。チェックの結果、所定エリアに所定のパターンが書き込まれていれば、RAM13に異常はなく正常であるので(S2:正常)、処理をS3へ移行する。一方、S2のチェックの結果、所定エリアに所定のパターンが書き込まれていなければ、電源投入後最初に実行されたリセット割込処理であるか、或いは、RAM13に異常があるので(S2:異常)、この場合には処理をS23へ移行して、一旦、RAM13の内容をクリアした後、RAM13内へ初期値を書き込んで(S23)、次のリセット割込処理の発生を待機する。なお、このS23の処理でRAM13に書き込まれる初期値の中には、S2の処理でチェックされる所定のパターンが含まれている。
S3の処理ではタイマ割込の設定を行う(S3)。ここで設定されるタイマ割込としては、LCDディスプレイ3の変動表示を制御する制御用コマンドを表示用制御基板Dへ送信するためのストローブ信号を発生させるタイマ割込などがある。タイマ割込の設定後は、各割込を許可状態とする(S4)。割込の許可後は、特別図柄変動処理(S16)や、表示データ作成処理(S19)、ランプ・情報処理(S20)などにより、前回のリセット割込処理において更新された出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力処理を実行する(S5)。
更に、大当たりを決定するための乱数カウンタの値を「+1」更新する乱数更新処理(S6)を実行し、記憶タイマ減算処理を実行する(S7)。記憶タイマ減算処理は、大当たり判定の保留球が所定数以上あり、且つ、LCDディスプレイ3において図柄の変動表示中である場合に、図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。
スイッチ読込処理(S8)は、各スイッチの値を読み込んで、遊技領域へ打ち込まれた打球の普通入賞口2や大入賞口5(Vゾーン5aを含む)、特別図柄作動口4への入賞、普通図柄作動ゲート7の通過、更には賞球や貸し球の払い出し球を検出するための処理である。カウント異常監視処理(S9)は、S8のスイッチ読込処理によって読み込まれたスイッチデータに異常があるか否かを監視するための処理である。例えば、賞球の払い出しを指示したにも拘わらず、1球の賞球も払い出されない場合には、賞球の払出装置に何らかの異常が発生している。このようにカウント異常監視処理(S9)では、スイッチ読込処理(S8)によって読み込まれたスイッチデータに基づいて、上記のような異常の有無を監視している。
図柄カウンタ更新処理(S10)では、LCDディスプレイ3で行われる変動表示の結果、停止表示される図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われる。また、図柄チェック処理(S11)では、図柄カウンタ更新処理(S10)で更新されたカウンタの値に基づいて、特別図柄変動処理(S16)で使用される大当たり図柄や、はずれ図柄、更にはリーチ図柄などが決定される。
S3からS11までの処理において、エラーが発生していなければ(S12:正常)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」をオフして(S13)、遊技の制御に何らエラーが発生していないことを出力する。そして、普通図柄変動処理(S14)によって、7セグメントLEDで構成される普通図柄表示装置6の変動表示を行うと共に、その変動表示の結果、当たりが発生した場合には普通電動役物である特別図柄作動口4を所定時間開放する当たり処理を実行する。その後、状態フラグをチェックし(S15)、LCDディスプレイ3において図柄の変動開始または変動表示中であれば(S15:図柄変動中)、特別図柄変動処理(S16)によって、打球が特別図柄作動口4を通過するタイミングで読み取った乱数カウンタの値に基づいて、大当たりか否かの判定を行うと共に、LCDディスプレイ3において図柄の変動処理を実行する。一方、状態フラグをチェックした結果、大当たり中であれば(S15:大当り中)、大入賞口5を開放するなどの大当たり処理(S17)を実行する。
更に、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動中でも大当たり中でもなければ(S15:その他)、S16及びS17の処理をスキップして、S19の表示データ作成処理へ移行する。なお、S12の処理において、何らかのエラーが確認された場合には(S12:エラー)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」をオンして(S18)、遊技の制御に何らかのエラーが発生しいることを出力すると共に、S13〜S17の各処理をスキップして、S19の表示データ作成処理へ移行する。
表示データ作成処理(S19)では、図柄の変動表示以外にLCDディスプレイ3に表示されるデモデータや、普通図柄表示装置(7セグメントLED)6の表示データなどが作成され、ランプ・情報処理(S20)では、保留球のランプデータをはじめ、各種のランプデータが作成される。効果音処理(S21)では、遊技の状況に応じた効果音データが作成される。なお、これらの表示データおよび効果音データは、前記したポート出力処理(S5)やタイマ割込処理によって表示用制御基板Dや効果音制御基板Sへ、それぞれ制御用コマンドとして出力される。
効果音処理(S21)の終了後は、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、S10と同一の処理である図柄カウンタ更新処理(S22)が繰り返し実行される。S1〜S21の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するので、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間は一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して図柄カウンタ更新処理(S22)を繰り返し実行することにより、停止図柄をランダムに変更することができるのである。
なお、第1及び第2コネクタ16,17の各出力端子から出力される各信号は、スイッチ読込処理(S8)や大当たり処理(S17)などのリセット割込処理の各処理の中で、それぞれの遊技の状態に応じて出力される。
図6は、図5におけるリセット割込処理のスイッチ読込処理(S8)内で実行される賞球オーバーアンダーエラーチェック処理を示したフローチャートである。この賞球オーバーアンダーエラーチェック処理は、賞球カウントスイッチ20aの入力信号に基づいて、賞球オーバーエラー又は賞球アンダーエラーの発生をチェックすると共に、該エラーの発生時に各エラーに対応した処理を実行するものである。
賞球オーバーアンダーエラーチェック処理では、まず、賞球オーバーエラーの発生をチェックする。賞球カウントスイッチ20aからの入力信号に基づいて、賞球の払出個数が指示した数を超えたか否かをチェックし(S31)、指示した数を超えていれば(S31:Yes)、賞球オーバーエラーの発生である。よって、かかる場合には、第2コネクタ17のピン番号31の出力端子から出力される「賞球オーバーエラー信号」をオンし(S32)、第2コネクタ17に接続された試験機19へ賞球オーバーエラーの発生を報せる。続いて、賞球オーバーエラーコマンドを払出制御基板H及びランプ制御基板Lへ送信し(S33,S34)、両制御基板H,Lへ賞球オーバーエラーの発生を報せ、更に、賞球オーバーエラーフラグ13aをオンして(S35)、賞球オーバーエラーの発生を記憶する。
なお、賞球オーバーエラーフラグ13aがオンされていると、前記したリセット割込処理のS12の処理においてエラーの発生中と判断され(S12:エラー)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」がオンされる(S18)。また、S33及びS34の各処理における賞球オーバーエラーコマンドは、前記したリセット割込処理のポート出力処理(S5)によって両制御基板H,Lへ送信される。払出制御基板Hは、賞球オーバーエラーコマンドを受信すると、賞球の払出残数を記憶する残賞球数カウンタHaの値を0クリアし、賞球の払い出しを停止する。また、ランプ制御基板Lは、各ランプ22を点滅等させて賞球オーバーエラーのエラー表示を行い、遊技者およびパチンコホールの店員に賞球オーバーエラーの発生を報せる。
一方、S31の処理において、賞球の払出個数が指示した数を超えていなければ(S31:No)、S32〜S35の各処理をスキップして、処理をS36へ移行し、賞球アンダーエラーの発生をチェックする。
賞球カウントスイッチ20aからの入力信号に基づいて、賞球の払出個数が指示した数に満たないか否かをチェックし(S36)、指示した数に満たなければ(S36:Yes)、賞球アンダーエラーの発生である。よって、かかる場合には、第2コネクタ17のピン番号32の出力端子から出力される「賞球アンダーエラー信号」をオンし(S37)、第2コネクタ17に接続された試験機19へ賞球アンダーエラーの発生を報せる。続いて、賞球アンダーエラーコマンドを払出制御基板H及びランプ制御基板Lへ送信し(S38,S39)、両制御基板H,Lへ賞球アンダーエラーの発生を報せ、更に、賞球アンダーエラーフラグ13bをオンして(S40)、賞球アンダーエラーの発生を記憶する。
なお、賞球アンダーエラーフラグ13bがオンされていると、賞球オーバーエラーフラグ13aの場合と同様に、前記したリセット割込処理のS12の処理においてエラーの発生中と判断され(S12:エラー)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」がオンされる(S18)。また、S38及びS39の各処理における賞球アンダーエラーコマンドは、前記したリセット割込処理のポート出力処理(S5)によって両制御基板H,Lへ送信される。払出制御基板Hは、賞球アンダーエラーコマンドを受信すると、その賞球アンダーエラーコマンドにより指示された未払い分の賞球数を、賞球の払出残数を記憶する残賞球数カウンタHaへ書き込み、未払い分の賞球の払い出しを行う。また、ランプ制御基板Lは、各ランプ22を点滅等させて賞球アンダーエラーのエラー表示を行い、遊技者およびパチンコホールの店員に賞球アンダーエラーの発生を報せる。
一方、S36の処理において、賞球の払出個数が指示した数を満たしていれば(S36:No)、賞球アンダーエラーの発生ではない。よって、かかる場合には、賞球アンダーエラーフラグ13bの状態をチェックし(S41)、賞球アンダーエラーフラグ13bがオンされていなければ(S41:No)、S42からS45の各処理をスキップして、この賞球オーバーアンダーエラーチェック処理を終了する。
S41の処理において、賞球アンダーエラーフラグ13bがオンされていれば(S41:Yes)、一旦発生した賞球アンダーエラーがその後解消したということである。よって、かかる場合には、以降のS42からS45の各処理により、賞球アンダーエラーの解消処理を実行する。まず、第2コネクタ17のピン番号32の出力端子から出力される「賞球アンダーエラー信号」をオフし(S42)、第2コネクタ17に接続された試験機19へ賞球アンダーエラーの解消を報せる。続いて、賞球アンダーエラー解除コマンドを払出制御基板H及びランプ制御基板Lへ送信し(S43,S44)、両制御基板H,Lへ賞球アンダーエラーの解消を報せ、更に、賞球アンダーエラーフラグ13bをオフして(S45)、この賞球オーバーアンダーエラーチェック処理を終了する。
なお、賞球アンダーエラーフラグ13bがオフされた場合、他のエラーフラグがオンされていなければ、前記したリセット割込処理のS12の処理においてエラーの発生なしと判断され(S12:正常)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」がオフされる(S13)。また、S43及びS44の各処理における賞球アンダーエラー解除コマンドは、前記したリセット割込処理のポート出力処理(S5)によって両制御基板H,Lへ送信される。賞球アンダーエラー解除コマンドを受信すると、払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lはそれぞれ正常な状態に復帰する。これにより、遊技者およびパチンコホールの店員に賞球アンダーエラーの解消が報される。
図7は、図5におけるリセット割込処理のスイッチ読込処理(S8)内で実行される空切れ下皿満タンエラーチェック処理を示したフローチャートである。この空切れ下皿満タンエラーチェック処理は、空切れスイッチ20gおよび下皿満タンスイッチ20hの各入力信号に基づいて、空切れエラー又は下皿満タンエラーの発生をチェックすると共に、該エラーの発生時に各エラーに対応した処理を実行するものである。
空切れ下皿満タンエラーチェック処理では、まず、空切れエラーの発生をチェックする。空切れスイッチ20gがオンされているか否かをチェックし(S51)、オンされていれば(S51:Yes)、空切れエラーの発生である。よって、かかる場合には、第2コネクタ17のピン番号33の出力端子から出力される「空切れエラー信号」をオンし(S52)、第2コネクタ17に接続された試験機19へ空切れエラーの発生を報せる。続いて、空切れエラーコマンドを払出制御基板H及びランプ制御基板Lへ送信し(S53,S54)、両制御基板H,Lへ空切れエラーの発生を報せ、更に、空切れエラーフラグ13cをオンして(S55)、空切れエラーの発生を記憶する。
なお、空切れエラーフラグ13cがオンされていると、前記したリセット割込処理のS12の処理においてエラーの発生中と判断され(S12:エラー)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」がオンされる(S18)。また、S53及びS54の各処理における空切れエラーコマンドは、前記したリセット割込処理のポート出力処理(S5)によって両制御基板H,Lへ送信される。払出制御基板Hは、空切れエラーコマンドを受信すると、賞球及び貸し球の払い出しを1の払出単位の終了後に停止する。また、ランプ制御基板Lは、各ランプ22を点滅等させて空切れエラーのエラー表示を行い、遊技者およびパチンコホールの店員に空切れエラーの発生を報せる。
一方、S51の処理において、空切れスイッチ20gがオフされていれば(S51:No)、空切れエラーは発生していない。よって、かかる場合には、空切れエラーフラグ13cの状態をチェックし(S56)、空切れエラーフラグ13cがオンされていなければ(S56:No)、S57からS60の各処理をスキップして、この空切れ下皿満タンエラーチェック処理を終了する。
S56の処理において、空切れエラーフラグ13cがオンされていれば(S56:Yes)、空切れエラーが一旦発生した後で解消したということである。よって、かかる場合には、以降のS57からS60の各処理により、空切れエラーの解消処理を実行する。まず、第2コネクタ17のピン番号33の出力端子から出力される「空切れエラー信号」をオフし(S57)、第2コネクタ17に接続された試験機19へ空切れエラーの解消を報せる。続いて、空切れエラー解除コマンドを払出制御基板H及びランプ制御基板Lへ送信し(S58,S59)、両制御基板H,Lへ空切れエラーの解消を報せ、更に、空切れエラーフラグ13cをオフして(S60)、この空切れ下皿満タンエラーチェック処理を終了する。
なお、空切れエラーフラグ13cがオフされた場合、他のエラーフラグがオンされていなければ、前記したリセット割込処理のS12の処理においてエラーの発生なしと判断され(S12:正常)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」がオフされる(S13)。また、S58及びS59の各処理における空切れエラー解除コマンドは、前記したリセット割込処理のポート出力処理(S5)によって両制御基板H,Lへ送信される。空切れエラー解除コマンドを受信すると、払出制御基板Hおよびランプ制御基板Lはそれぞれ正常な状態に復帰する。即ち、払出制御基板Hは、停止していた賞球及び貸し球の払い出し動作があればこれを再開し、ランプ制御基板Lは、空切れエラーのランプ表示を通常の表示に復帰する。これにより、遊技者およびパチンコホールの店員に空切れエラーの解消が報される。
S61の処理では、下皿満タンエラーの発生をチェックする。下皿満タンスイッチ20hがオンされているか否かをチェックし(S61)、オンされていれば(S61:Yes)、下皿満タンエラーの発生である。よって、かかる場合には、第2コネクタ17のピン番号34の出力端子から出力される「下皿満タンエラー信号」をオンし(S62)、第2コネクタ17に接続された試験機19へ下皿満タンエラーの発生を報せる。続いて、下皿満タンエラーコマンドを払出制御基板Hへ送信し(S63)、払出制御基板Hへ下皿満タンエラーの発生を報せ、更に、下皿満タンエラーフラグ13dをオンして(S64)、下皿満タンエラーの発生を記憶する。
なお、下皿満タンエラーフラグ13dがオンされていると、前記したリセット割込処理のS12の処理においてエラーの発生中と判断され(S12:エラー)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」がオンされる(S18)。また、S63の処理における下皿満タンエラーコマンドは、前記したリセット割込処理のポート出力処理(S5)によって払出制御基板Hへ送信される。払出制御基板Hは、下皿満タンエラーコマンドを受信すると、賞球及び貸し球の払い出しを1の払出単位の終了後に停止する。
一方、S61の処理において、下皿満タンスイッチ20hがオフされていれば(S61:No)、下皿満タンエラーは発生していない。よって、かかる場合には、下皿満タンエラーフラグ13dの状態をチェックし(S65)、下皿満タンエラーフラグ13dがオンされていなければ(S65:No)、S66からS68の各処理をスキップして、この空切れ下皿満タンエラーチェック処理を終了する。
S65の処理において、下皿満タンエラーフラグ13dがオンされていれば(S65:Yes)、下皿満タンエラーが一旦発生した後で解消したということである。よって、かかる場合には、以降のS66からS68の各処理により、下皿満タンエラーの解消処理を実行する。まず、第2コネクタ17のピン番号34の出力端子から出力される「下皿満タンエラー信号」をオフし(S66)、第2コネクタ17に接続された試験機19へ下皿満タンエラーの解消を報せる。続いて、下皿満タンエラー解除コマンドを払出制御基板Hへ送信し(S67)、払出制御基板Hへ下皿満タンエラーの解消を報せ、更に下皿満タンエラーフラグ13dをオフして(S68)、この空切れ下皿満タンエラーチェック処理を終了する。
なお、下皿満タンエラーフラグ13dがオフされた場合、他のエラーフラグがオンされていなければ、前記したリセット割込処理のS12の処理においてエラーの発生なしと判断され(S12:正常)、第2コネクタ17のピン番号30の出力端子から出力される「遊技機エラー状態信号」がオフされる(S13)。また、S67の各処理における下皿満タンエラー解除コマンドは、前記したリセット割込処理のポート出力処理(S5)によって払出制御基板Hへ送信される。払出制御基板Hは、下皿満タンエラー解除コマンドを受信すると、停止していた賞球及び貸し球の払い出し動作があればこれを再開し、正常な状態に復帰する。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機Pによれば、パチンコ機Pの遊技の進行と並行して、主制御基板Cの第1及び第2コネクタ16,17の各出力端子から遊技の状態を示す信号が、パチンコ機Pの状態を示す信号(例えばエラー信号など)と共に出力されるので、その出力端子に、例えば試験機19などを接続することにより、パチンコ機Pの状態を分析するための試験を効率よく行うことができる。また、かかる場合には、パチンコ機Pに予め取り付けられている既存のスイッチの付け替え作業が不要になるので、パチンコ機Pが設置されたパチンコホールにおいても該試験を行うことができる。
更に、試験機19に代えて、小型のメモリスティックなどに対してデータの書き込みが可能な記憶装置を、第1及び第2コネクタ16,17に接続することにより、実際に遊技した遊技状態(遊技情報)をそのメモリスティックに記憶させることができる。かかる構成によれば、遊技者は、そのメモリスティックを持ち帰り、自己の遊技データを分析して、自己の遊技レベルを向上することができるのである。また、メモリスティックなどに記憶する遊技情報は、第1及び第2コネクタ16,17の各出力端子から出力される信号(遊技情報)をそのまま記憶するだけでなく、その遊技情報を利用者が理解しやすい形式に変換した上で、記憶させるようにしても良いのである。例えば、各出力端子から出力される信号に基づいて、大当たりの発生確率や、普通入賞口2あるいは特別図柄作動口4への入賞確率などを計算し、その計算結果をメモリスティックなどの記憶媒体に記憶するようにしても良い。
なお、上記実施例において、請求項1記載の「遊技の状態を示す信号」としては、図3及び図4に示す第1及び第2コネクタ16,17の各端子から出力される各信号が該当する。また、「遊技機の状態を示す信号」としては、図4に示す第2コネクタ17の各端子から出力される各エラー信号などが該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の変形例を示す。 請求項1記載の遊技機において、前記主制御基板の出力端子から出力される遊技の状態を示す信号には、前記遊技機のエラー状態を示す信号が含まれていることを特徴とする遊技機1。
請求項1記載の遊技機または遊技機1において、前記主制御基板の出力端子から出力される遊技の状態を示す信号には、予め定められた一連の遊技の流れの中で発生する信号が含まれていることを特徴とする遊技機2。例えば、特別図柄の大当たり確定により出力される特別図柄大当たり信号や、特別図柄の大当たり確率が高確率になっている間に出力される特別図柄高確率状態信号が例示される。
請求項1記載の遊技機または遊技機1若しくは2において、前記主制御基板の出力端子から出力される遊技の状態を示す信号には、外的要因あるいはトラブルによって発生する信号が含まれていることを特徴とする遊技機3。例えば、外的要因あるいはトラブルによって発生する信号としては、下皿が球で一杯になった場合に出力される下皿満タンエラー信号や、貯留タンクに貯留される球が所定量に満たない場合に出力される空切れエラー信号が例示される。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から3のいずれかにおいて、前記主制御基板の出力端子から出力される遊技の状態を示す信号には、前記動作装置による所定の動作を停止させる原因が発生した場合に出力される信号が含まれていることを特徴とする遊技機4。例えば、賞球の払出が賞球数を越えて行われて、賞球オーバーエラーが発生した場合に出力される賞球オーバーエラー信号が例示される。賞球オーバーエラーの発生時には、動作装置としての払出制御基板による賞球の払出動作が停止される。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から4のいずれかにおいて、前記主制御基板の出力端子から出力される遊技の状態を示す信号には、前記動作装置に一連の遊技の流れとは関係のない所定の動作を実行させる原因が発生した場合に出力される信号が含まれていることを特徴とする遊技機5。例えば、賞球の払出が賞球数に満たなくて、賞球アンダーエラーが発生した場合に出力される賞球アンダーエラー信号が例示される。賞球アンダーエラーの発生時には、一連の遊技の流れには関係なく、ランプ制御基板によりエラー表示が行われる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から5のいずれかにおいて、各種の信号を出力する信号出力装置を備えており、前記主制御基板は、その信号出力装置から出力される信号に基づいて遊技の制御を行うものであり、前記出力端子からは、前記信号出力装置からの出力信号がそのままの状態で出力されることを特徴とする遊技機6。遊技の制御の基になる信号出力装置から出力信号が、出力端子からそのまま状態で出力されるので、その出力端子に接続された試験機などの他の装置によって、遊技機の状態を一層正確に分析することができる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から6のいずれかにおいて、前記主制御基板の出力端子から出力される遊技の状態を示す信号には、入賞口(又は始動口)への打球の入賞信号と、その入賞信号を入力した前記主制御基板によって指示された賞球の払い出しを検出する賞球信号と、前記賞球の払い出しを停止させるため前記主制御基板から前記払出制御基板へ出力されるエラー信号とが含まれていることを特徴とする遊技機7。打球が入賞しても賞球の払い出しが行われない場合に、その原因を、出力端子に接続された他の装置に報せることができる。なお、この場合におけるエラー信号としては、賞球オーバーエラー信号や、空切れエラー信号、下皿満タンエラー信号などが例示される。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から7のいずれかにおいて、前記主制御基板の出力端子から出力される遊技の状態を示す信号には、大入賞口(特別電動役物または普通電動役物)が開放中であることを示す開放中信号と、前記大入賞口への打球の入賞を検出する大入賞信号と、前記打球が発射できない場合に出力されるエラー信号とが含まれていることを特徴とする遊技機8。大入賞口が開放中であるにも拘わらず打球の入賞が検出されな場合に、その原因を、出力端子に接続された他の装置に報せることができる。なお、この場合における大入賞信号としては、大入賞口内に設けられた10カウントスイッチやVカウントスイッチによる打球の検出信号が例示され、エラー信号としては、その信号が出力された場合には打球の発射を停止させる下皿満タンエラー信号などが例示される。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から8のいずれかにおいて、前記主制御基板の出力端子には、前記他の装置として遊技機の状態を試験するための試験機が接続されることを特徴とする遊技機9。この試験機により、遊技機の製品出荷前のテスト或いは遊技機が設置されたホールにおいて、その遊技機の状態を容易に試験することができる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から9のいずれかにおいて、前記主制御基板の出力端子には、その出力端子から出力される信号を持ち運び(携帯)可能な記憶媒体に記憶させることができる記憶装置が前記他の装置として接続されることを特徴とする遊技機10。この記憶装置として、例えばメモりスティックなどの小型の記憶媒体に遊技情報を記憶可能な記憶装置を用いることにより、遊技者は、該メモりスティックなどを携帯して、自己の遊技データを持ち帰り、これを分析して、自己の遊技レベルを向上することができる。なお、かかる記憶装置は、単に、出力端子から出力される信号(遊技情報)をそのまま記憶するだけでなく、該遊技情報の利用者が、その遊技情報を理解しやすい形式に変換した上で、記憶媒体に記憶させるようにしても良いのである。例えば、出力端子から出力される信号に基づいて、大当たりの発生確率や、普通入賞口あるいは特別図柄作動口への入賞確率などを計算し、その計算結果を記憶するようにしても良い。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から10のいずれかにおいて、前記主制御基板には、前記出力端子の信号を前記他の装置へ出力するための複数のコネクタが設けられており、その複数のコネクタから出力される各信号は、コネクタ毎に類別されていることを特徴とする遊技機11。出力される信号がコネクタ毎に類別されているので、試験などの際に、必ずしもすべてのコネクタを接続する必要がない。即ち、必要なコネクタのみを接続して試験や記憶媒体への記憶を行うことができるので、その作業効率を向上することができる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機12。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機13。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機14。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。