JP2010239039A - レーザ光の波長制御装置および波長制御方法 - Google Patents

レーザ光の波長制御装置および波長制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザダイオードの温度とレーザダイオードから出力されるレーザ光の波長との初期的な関係がくずれても、所定の波長のレーザ光を得ることができる、レーザ光の波長制御装置を提供する。
【解決手段】レーザ光の波長制御装置は、レーザダイオード14の温度を調整するペルチェ素子30を含む。さらに、フォトダイオード52aおよび52bが、レーザダイオード14から出力されたレーザ光を受光するように設けられる。フォトダイオード52aおよび52bの出力信号から検出されるレーザ光の波長の変動に基づいて、制御部が、ペルチェ素子30などの温度調整手段を制御する。ペルチェ素子30によってレーザダイオード14の温度が調整されて、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長がレーザ光の設定波長に向けて制御される。
【選択図】図1

Description

この発明は、レーザ光の波長制御装置および波長制御方法に関し、特にたとえば、レーザ光照射装置に用いられるレーザダイオードの波長の制御を行うためのレーザ光の波長制御装置および波長制御方法に関する。
たとえば、ICや太陽電池パネルの製造などにおいて、基板上に回路パターンを形成するために、レーザ光照射装置が用いられている。レーザ光照射装置は、レーザダイオードによって発生したレーザ光によって固体レーザ発振器内のレーザ媒体を励起し、固体レーザ発振器から所定のエネルギーを有するレーザ光を放射するものである。ここで、レーザダイオードで発生するレーザ光の波長が変動すると、固体レーザ発振器内のレーザ媒体が励起されにくくなるため、レーザダイオードで発生するレーザ光の波長を一定に保つ必要がある。
レーザダイオードで発生するレーザ光の波長は、レーザダイオードの温度によって変動するため、一定の波長のレーザ光を得るために、ペルチェ素子によってレーザダイオードの温度調整が行なわれている。ペルチェ素子によるレーザダイオードの温度調整は、レーザダイオードの温度を測定して、たとえばフィードバック制御などにより行われる(特許文献1参照)。
特開2005−57537号公報
しかしながら、長時間レーザダイオードを使用すると、レーザダイオードの経時劣化などにより、レーザダイオードに初期状態における電流を流しても、所定のエネルギーを有するレーザ光が得られなくなる。そこで、劣化したレーザダイオードについては、レーザダイオードに初期状態における電流以上の電流を流すことにより、所定のエネルギーを有するレーザ光を得るという方法が採られている。この場合、大きい電流を流すことにより、レーザダイオードにジュール熱が発生し、初期状態において想定されていたよりも、さらにレーザダイオードを冷却する必要がある。このようにレーザダイオードが劣化した場合、レーザダイオードの温度とレーザダイオードから出力されるレーザ光の波長との間の初期的な関係がくずれ、レーザダイオードを初期の設定温度に向けて制御しても、レーザダイオードから所定の波長を有するレーザ光を得ることができない場合がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、レーザダイオードの温度とレーザダイオードから出力されるレーザ光の波長との初期的な関係がくずれても、所定の波長のレーザ光を得ることができる、レーザ光の波長制御装置および波長制御方法を提供することである。
この発明にかかるレーザ光の波長制御装置は、レーザダイオードから出力されるレーザ光の波長を制御するためのレーザ光の波長制御装置であって、レーザダイオードの温度を調整するための温度調整手段と、レーザダイオードから出力されたレーザ光の波長を検出するための波長検出手段と、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長の変動に基づいて温度調整手段を制御するための制御部とを含み、温度調整手段によってレーザダイオードの温度を調整して、レーザ光の波長をレーザ光の設定波長に向けて制御する、レーザ光の波長制御装置である。
この発明にかかるレーザ光の波長制御装置では、たとえば、レーザダイオードの温度は、温度調整手段によって設定温度に向けて調整され、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長がレーザ光の設定波長より長い方に変動したときに、制御部によって設定温度が下げられ、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長がレーザ光の設定波長より短い方に変動したときに、制御部によって設定温度が上げられる。
また、この発明にかかるレーザ光の波長制御方法は、レーザダイオードから出力されるレーザ光の波長を制御するためのレーザ光の波長制御方法であって、レーザダイオードから出力されたレーザ光の波長を波長検出手段で検出する工程と、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長の変動に基づいて、レーザダイオードの温度を調整するための温度調整手段を制御部で制御する工程とを含み、温度調整手段によってレーザダイオードの温度を調整して、レーザ光の波長をレーザ光の設定波長に向けて制御する、レーザ光の波長制御方法である。
この発明にかかるレーザ光の波長制御方法では、たとえば、レーザダイオードの温度を、温度調整手段によって設定温度に向けて調整する工程を含み、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長がレーザ光の設定波長より長い方に変動したときに、制御部によって設定温度が下げられ、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長がレーザ光の設定波長より短い方に変動したときに、制御部によって設定温度が上げられる。
この発明によれば、レーザダイオードから出力されたレーザ光の波長が波長検出手段で検出される。さらに、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長の変動に基づいて、制御部で温度調整手段が制御される。そして、温度調整手段によってレーザダイオードの温度が調整され、レーザ光の波長がレーザ光の設定波長に向けて制御される。この場合、たとえば、レーザダイオードの温度が温度調整手段によって設定温度に向けて調整され、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長がレーザ光の設定波長より長い方に変動したときに、制御部によって設定温度が下げられ、波長検出手段で検出されたレーザ光の検出波長がレーザ光の設定波長より短い方に変動したときに、制御部によって設定温度が上げられる。
このように、この発明では、レーザダイオードの温度とレーザダイオードから出力されるレーザ光の波長との初期的な関係がくずれても、レーザダイオードから出力されるレーザ光の波長がレーザ光の設定波長に向けて制御される。
この発明によれば、レーザダイオードの温度とレーザダイオードから出力されるレーザ光の波長との初期的な関係がくずれても、所定の波長のレーザ光を得ることができる、レーザ光の波長制御装置および波長制御方法が得られる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかるレーザ光照射装置の一例の要部を示す図解図である。 (A)は、図1に示すレーザ光照射装置に用いられる波長変動検出装置の第1のフォトダイオードの分光感度特性を示すグラフであり、(B)は、図1に示すレーザ光照射装置に用いられる波長変動検出装置の第2のフォトダイオードの分光感度特性を示すグラフである。 図1に示すレーザ光照射装置に用いられるペルチェ素子およびそれを駆動するためのペルチェ素子駆動装置の要部を示す回路図である。 (A)および(B)は、それぞれ、図3に示すペルチェ素子駆動装置の一部のFETを駆動するための回路を示す回路図である。 図1に示すレーザ光照射装置の回路構成を示すブロック図である。 (A)、(B)および(C)は、それぞれ、図1に示すレーザ光照射装置に用いられるペルチェ素子に印加される電圧波形の例を示すグラフである。 (A)および(B)は、それぞれ、ペルチェ素子に印加されることが好ましくない電圧波形の例を示すグラフである。 この発明にかかるレーザ光照射装置に用いられるペルチェ素子およびそれを駆動するためのペルチェ素子駆動装置の他の例の要部を示す回路図である。 この発明にかかるレーザ光照射装置の他の例の要部を示す図解図である。
図1に示すレーザ光照射装置10は、たとえば、熱伝導性がよい銅などの金属からなる板状のベース12を含む。ベース12の上面には、レーザ光出力手段としてのレーザダイオード14が設けられる。レーザダイオード14は、高出力のレーザ光を放射する固体レーザ発振器内のレーザ媒体を励起するレーザ光を、たとえばその側方に出力するためのものである。
レーザダイオード14の側方には、第1の光学システム16が設けられる。第1の光学システム16は、レーザダイオード14から出力されたレーザ光をスポット状に集光するためのものであって、コリメートレンズ16aおよび集光レンズ16bを含む。コリメートレンズ16aは、レーザダイオード14から出力されたレーザ光を平行にするためのものであって、レーザダイオード14から所定の間隔を隔てて配置される。また、集光レンズ16bは、コリメートレンズ16aで平行にされたレーザ光をスポット状に集光するためのものであって、コリメートレンズ16aから間隔を隔てて配置される。
第1の光学システム16の近傍には、光ファイバ18の一端が配置される。光ファイバ18は、第1の光学システム16で集光されたレーザ光を遠隔に伝達するためのものである。そのため、光ファイバ18の一端は、その一端に第1の光学システム16の集光レンズ16bでスポット状に集光されたレーザ光が入力されるように、第1の光学システム16の集光レンズ16bから所定の間隔を隔てて配置される。したがって、光ファイバ18の一端には、第1の光学システム16の集光レンズ16bでスポット状に集光されたレーザ光が入力される。また、光ファイバ18の一端に入力されたレーザ光は、光ファイバ18の他端から出力される。
光ファイバ18の他端の近傍には、第2の光学システム20が設けられる。第2の光学システム20は、光ファイバ18から出力されたレーザ光をスポット状に集光するためのものであって、コリメートレンズ20aおよび集光レンズ20bを含む。コリメートレンズ20aは、光ファイバ18の他端から出力されたレーザ光を平行にするためのものであって、光ファイバ18の他端から所定の間隔を隔てて配置される。また、集光レンズ20bは、コリメートレンズ20aで平行にされたレーザ光をスポット状に集光するためのものであって、コリメートレンズ20aから間隔を隔てて配置される。
第2の光学システム20の近傍には、固体レーザ発振器22が設けられる。固体レーザ発振器22は、その一端側の入力端に第2の光学システム20で集光されたレーザ光を入力することによって内部のレーザ媒体が励起され、レーザ光を光増幅して、その他端側の出力端からその高出力のレーザ光を出力するためのものである。そのため、固体レーザ発振器22は、その一端側の入力端が第2の光学システム20の集光レンズ20bから所定の間隔を隔てて配置される。
また、ベース12の下面には、レーザダイオード14に対応する位置に、温度調整手段の一部分を構成するペルチェ素子30が設けられる。ペルチェ素子30は、レーザダイオード14の温度を調整するためのものである。そのため、ペルチェ素子30において吸熱しまたは発熱する一方の面が、ベース12の下面に当接される。
さらに、ペルチェ素子30において下面すなわち逆に発熱しまたは吸熱する他方の面は、金属からなるヒートシンク32の上面に当接される。ヒートシンク32は、たとえばその下側にフィン32aを有する。ヒートシンク32は、ペルチェ素子30に発生する熱を放熱するためのものである。また、ヒートシンク32のフィン32aの近傍には、ファン34が設けられる。ファン34は、ヒートシンク32を冷却するためのものである。
さらに、レーザダイオード14の横には、ペルチェ素子駆動装置の温度検出手段としてたとえばサーミスタからなる温度センサ40が設けられる。温度センサ40は、レーザダイオード14の温度を検出するためのものである。
さらに、第2の光学システム20において、コリメートレンズ20aおよび集光レンズ20bの間には、スプリッタ50がたとえば45度斜めに設けられる。スプリッタ50は、コリメートレンズ20aからのレーザ光の大部分を集光レンズ20b側への方向に透過するとともに、コリメートレンズ20aからのレーザ光の一部分を集光レンズ20b側への方向とは別の方向にたとえば直角の方向に反射して分離するためのものである。
スプリッタ50の近傍には、第1のNDフィルタ52aおよび第2のNDフィルタ52bが間隔を隔てて設けられる。第1のNDフィルタ52aおよび第2のNDフィルタ52bは、それぞれ、スプリッタ50によって集光レンズ20b側への方向とは直角の方向に分離されたレーザ光を減光するためのものである。
第1のNDフィルタ52aの近傍には、光センサとして第1のフォトダイオード54aが、レーザダイオード14から出力されたレーザ光を受光するように設けられる。第1のフォトダイオード54aは、第1のNDフィルタ52aで減光されたレーザ光を受光し、その受光されたレーザ光のエネルギーおよび波長に応じた大きさの電流の信号を出力するためのものである。さらに、第2のNDフィルタ52bの近傍には、光センサとして第2のフォトダイオード54bが、レーザダイオード14から出力されたレーザ光を受光するように設けられる。第2のフォトダイオード54bは、第2のNDフィルタ52bで減光されたレーザ光を受光し、その受光されたレーザ光のエネルギーおよび波長に応じた大きさの電流の信号を出力するためのものである。
ここで、光センサとしての第1のフォトダイオード54aおよび第2のフォトダイオード54bにおけるそれぞれの分光感度特性について説明する。分光感度特性とは、受光されるレーザ光の波長(nm)に対する受光感度(A/W)の特性である。また、受光感度(A/W)とは、受光されるレーザ光のエネルギー(W)に対するフォトダイオードに流れる電流(A)の割合である。第1のフォトダイオード54aは、その分光感度特性を図2aに示すように、受光されるレーザ光の波長が変動し得る範囲を含む範囲たとえば800nm〜815nmにおいて、受光されるレーザ光の波長が長くなるに従って受光感度が比例的に増加する分光感度特性を有する。逆に、第2のフォトダイオード54bは、その分光感度特性を図2bに示すように、受光されるレーザ光の波長が変動し得る範囲を含む範囲たとえば800nm〜815nmにおいて、受光されるレーザ光の波長が長くなるに従って受光感度が比例的に低下する分光感度特性を有する。
そのため、受光されるレーザ光のエネルギーが変動しなければ、それらのフォトダイオード54aおよび54bの出力信号の差の変化から、レーザ光の波長が変動したか否かがわかる。
しかしながら、受光されるレーザ光のエネルギーが変動すれば、それらのフォトダイオード54aおよび54bの出力信号の差も変化する。そのため、それらのフォトダイオード54aおよび54bの出力信号の差の変化は、レーザ光の波長の変動によるものなのか、レーザ光のエネルギーの変動によるものなのかが不明となり、それらのフォトダイオード54aおよび54bの出力信号の差の変化からは、レーザ光の波長が変動したか否かがわからない。
そこで、受光されたレーザ光の波長が変動したか否かを検出できるようにするとともに、受光されたレーザ光のエネルギーの大きさも検出できるようにするために、第1のフォトダイオード54aの出力信号および第2のフォトダイオード54bの出力信号の差と和とをそれぞれ取得する。そして、その和と差との割合から、レーザ光の波長が長い方と短い方とのどちらの方に変動したのかを検出するとともに、レーザ光のエネルギーの大きさも検出するようにする。
そのため、第1のフォトダイオード54aの出力端および第2のフォトダイオード54bの出力端は、それらの出力信号の差を取得するために、その差を検出するための差検出手段としての差動回路56の正入力端および負入力端にそれぞれ接続される。さらに、第1のフォトダイオード54aの出力端および第2のフォトダイオード54bの出力端は、それらの出力信号の和を取得するために、その和を検出するための和検出手段としての加算回路58の2つの入力端にそれぞれ接続される。
また、差動回路56の出力端は、それらの出力信号の差に対して取得される信号のリニア性をよくするための補正回路60aの入力端に接続される。さらに、補正回路60aの出力端は、取得される信号の大きさを所定の範囲の大きさにするための増幅回路62aの入力端に接続される。
さらに、加算回路58の出力端は、それらの出力信号の和に対して取得される信号のリニア性をよくするための補正回路60bの入力端に接続される。さらに、補正回路60bの出力端は、取得される信号の大きさを所定の範囲の大きさにするための増幅回路62bの入力端に接続される。
さらに、図3、図4および図5などを参照して、このレーザ光照射装置10の回路構成について説明する。
レーザ光照射装置10は、レーザダイオード14を駆動するためのレーザダイオード駆動電源70を含む。このレーザダイオード駆動電源70は、レーザダイオード14に流す電流を調整するためのものであり、レーザダイオード14に電気的に接続される。そのため、レーザダイオード駆動電源70でレーザダイオード14に流す電流を調整することによって、レーザダイオード14から出力されるレーザ光のエネルギーの大きさを変えることができる。
さらに、レーザ光照射装置10は、ペルチェ素子30を駆動するためのペルチェ素子駆動装置を含む。ペルチェ素子駆動装置は、図3に示すように、直列に接続されるたとえば12Vずつの2つの直流電源80aおよび80bを含む。一方の直流電源80aの正極は、他方の直流電源80bの負極に接続されている。これらの直流電源80aおよび80bは、ペルチェ素子30に所定の電圧を印加するためのものである。
ペルチェ素子30は、図3に示すように、電圧切替え回路の一部分を構成するH型回路82に接続される。H型回路82は、2つの入力端子84aおよび84bを含む。一方の入力端子84aは、PチャンネルのFET86aのソースSおよびドレインDを介して、ペルチェ素子30の一方の電極に接続される。同様に、一方の入力端子84aは、別のPチャンネルのFET86bのソースSおよびドレインDを介して、ペルチェ素子30の他方の電極に接続される。また、他方の入力端子84bは、NチャンネルのFET86cのソースSおよびドレインDを介して、ペルチェ素子30の一方の電極に接続される。同様に、他方の入力端子84bは、別のNチャンネルのFET86dのソースSおよびドレインDを介して、ペルチェ素子30の他方の電極に接続される。
また、FET86aのゲートGは、図4(A)に示すように、抵抗88a1、88a2および別のNチャンネルのFET90aからなる直列回路において抵抗88a1および88a2の接続点に接続される。この直列回路は、抵抗88a1の一端がFET86aのソースSに接続され、抵抗88a1の他端が抵抗88a2の一端に接続され、抵抗88a2の他端がFET90aのドレインDおよびソースSを介して接地される。
同様に、FET86bのゲートGは、抵抗88b1、88b2および別のNチャンネルのFET90bからなる直列回路において抵抗88b1および88b2の接続点に接続される。この抵抗88b1の一端は、FET86bのソースSに接続され、抵抗88b1の他端は、抵抗88b2の一端に接続され、抵抗88b2の他端は、FET90bのドレインDおよびソースSを介して接地される。
さらに、一方の直流電源80aの正極は、図3に示すように、逆電流防止用のダイオード92aを介して、H型回路82の一方の入力端子84aに接続される。この場合、直流電源80aの正極は、ダイオード92aのアノードに接続され、ダイオード92aのカソードは、H型回路82の一方の入力端子84aに接続される。
また、他方の直流電源80bの正極は、電圧切替え用のFET94aのソースSおよびドレインDを介して、ダイオード92aのカソードにすなわちH型回路82の一方の入力端子84aに接続される。
さらに、一方の直流電源80aの負極は、H型回路82の他方の入力端子84bに接続されるとともに接地される。
また、FET94aのゲートGは、図4(B)に示すように、抵抗96a1、96a2および別のNチャンネルのFET98aからなる直列回路において抵抗96a1および96a2の接続点に接続される。この直列回路は、抵抗96a1の一端がFET94aのソースSに接続され、抵抗96a1の他端が抵抗96a2の一端に接続され、抵抗96a2の他端がFET98aのドレインDおよびソースSを介して接地される。
したがって、図3に示すFET94aがオフの場合には、一方の直流電源80aの電圧がダイオード92aを介してH型回路82の2つの入力端子84aおよび84b間に印加される。
また、図4(B)に示すFET98aのゲートGに所定の電圧を印加してFET98aをオンにすれば、FET94aのゲートGに所定の電圧が印加され、FET94aもオンになり、直列に接続された2つの直流電源80aおよび80bの合計電圧がFET94aを介してH型回路82の2つの入力端子84aおよび84b間に印加される。
また、図4(A)に示すFET90aのゲートGに所定の電圧を印加するとともに図3に示すFET86dのゲートGに所定の電圧を印加することによって、FET90a、FET86aおよびFET86dをオンにすれば、H型回路82の2つの入力端子84aおよび84bは、FET86aおよび86dを介して、ペルチェ素子30の一方の電極および他方の電極にそれぞれ接続される。この場合、H型回路82の2つの入力端子84aおよび84b間に印加されている電圧は、FET86aおよび86dを介して、ペルチェ素子30の一方の電極および他方の電極間に印加される。
一方、図4(A)に示すFET90bのゲートGに所定の電圧を印加するとともに図3に示すFET86cのゲートGに所定の電圧を印加することによって、FET90b、FET86bおよびFET86cをオンにすれば、H型回路82の2つの入力端子84aおよび84bは、FET86bおよび86cを介して、逆に、ペルチェ素子30の他方の電極および一方の電極にそれぞれ接続される。この場合、H型回路82の2つの入力端子84aおよび84b間に印加されている電圧は、FET86bおよび86cを介して、逆に、ペルチェ素子30の他方の電極および一方の電極間に印加される。
さらに、レーザ光照射装置10は、図5に示すように、このレーザ光照射装置の動作を制御する制御部として、CPU100、入出力インターフェース102および動作プログラムなどが書き込まれた記憶手段104を含む。
CPU100には、入出力インターフェース102を介して、温度センサ40、増幅回路62aおよび62bのそれぞれの出力端が接続され、さらに、ファン34、レーザダイオード駆動電源70、FET86c、86d、90a、90bおよび94aのそれぞれのゲートG、動作プログラムなどが書き込まれている記憶手段104、ディスプレイなどのモニタ106、キーボードなどの入力手段108、有線や無線の通信手段110が接続されている。なお、記憶手段104には、動作プログラムのほかに、フォトダイオードの受光感度特性などを示すデータ、レーザダイオードに対する設定温度、レーザ光の設定波長、各種の入出力信号、演算結果、それらのログなどが記憶されるように構成されている。
したがって、このレーザ光照射装置10では、制御部によって、温度センサ40、増幅回路62aおよび62bの出力などに基づいて、FET86c、86d、90a、90bおよび94aなどを制御することができる。
次に、このレーザ光照射装置10の動作について説明する。
まず、レーザダイオード14がレーザダイオード駆動電源70で駆動される。それによって、レーザダイオード14からレーザ光が出力される。出力されたレーザ光は、第1の光学システム16、光ファイバ18および第2の光学システム20を介して、固体レーザ発振器22に入力される。そして、固体レーザ発振器22から高出力のレーザ光が出力される。この場合、レーザダイオード14は設定温度であるたとえば25℃の温度で駆動され、さらに、レーザダイオード14から設定波長であるたとえば808nmの波長のレーザ光が出力されているとする。
ここで、レーザダイオード14に流れる電流などによりレーザダイオード14の温度が25℃より高くなった場合、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が808nmより長くなり、固体レーザ発振器22からは高出力のレーザ光が得られなくなってしまう場合がある。なお、この場合、このレーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長は、レーザダイオード14が高くなった温度1℃当たりに対してたとえば0.3nm長くなる。
そこで、この場合、このレーザ光照射装置10では、レーザダイオード14がペルチェ素子30で冷却されてその温度が設定温度の25℃に近づけられ、それによって、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が設定波長の808nmに近づけられ、固体レーザ発振器22から高出力のレーザ光が出力されるように制御される。
逆に、このレーザ光照射装置10では、レーザダイオード14の温度が25℃の設定温度よりも低くなった場合、レーザダイオード14がペルチェ素子30で加熱されてその温度が設定温度の25℃に近づけられ、それによって、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が設定波長の808nmに近づけられ、固体レーザ発振器22から高出力のレーザ光が出力されるように制御される。
以上のようにペルチェ素子30でレーザダイオード14の温度を調整する際、制御部によって、記憶手段104に記憶されている25℃の設定温度と温度センサ40で検出されているレーザダイオード14の温度(検出温度)との偏差をたとえばPID演算した結果などの演算結果に基づいて、ペルチェ素子駆動装置のFETが制御され、ペルチェ素子30に印加される電圧の波形が制御される。この場合、たとえば、演算結果であるペルチェ素子30に対する制御出力量としてのMV値が0%〜100%で表される。MV値が0%である場合には、レーザダイオード14をペルチェ素子30で最大に加熱(100%加熱)すべきことを示し、FET86b、86cおよび94aがオンにされる。また、MV値が50%である場合には、レーザダイオード14をペルチェ素子30で加熱も冷却もすべきでないこと(0%加熱または0%冷却すべきこと)を示し、FET86a、86b、86cおよび86dがオフにされる。さらに、MV値が100%である場合には、レーザダイオード14をペルチェ素子30で最大に冷却(100%冷却)すべきことを示し、FET86a、86dおよび94aがオンにされる。
ここで、まず、MV値が62.5%である場合を例にして、ペルチェ素子30に印加される電圧波形などについて説明する。MV値が50%である場合に0%冷却すべきであり、MV値が100%である場合に100%冷却すべきであるので、MV値が62.5%である場合には、100%冷却の4分の1だけ冷却(25%冷却)すべきである。そのため、ペルチェ素子30には、たとえば図6(A)のグラフで示す電圧波形の電圧が印加される。図6(A)のグラフにおいて、横軸は時間(ミリ秒)を示し、縦軸は直流電源80aおよび80bの合計電圧の百分率(%)を示すため、その電圧波形は、最大電圧が直流電源80aの電圧であって1kHzの周波数で50%のデューティー比を有するパルス状の電圧波形である。この電圧波形をペルチェ素子30に印加するためには、FET86aおよび86dが、0.5ミリ秒ごとにオフからオンにまたはオンかオフに同時に制御される。
また、MV値が75%である場合には、100%冷却の2分の1だけ冷却(50%冷却)すべきである。そのため、ペルチェ素子30には、たとえば図6(B)のグラフで示す電圧波形の電圧が印加される。図6(B)において、横軸および縦軸が図6(A)の横軸および縦軸と同じであるので、その電圧波形は、電圧が直流電源80aの電圧と常時同じ電圧である電圧波形である。この電圧波形をペルチェ素子30に印加するためには、FET86aおよび86dが、常時オンに制御される。
さらに、MV値が87.5%である場合には、100%冷却の4分の3だけ冷却(75%冷却)すべきである。そのため、ペルチェ素子30には、たとえば図6(C)のグラフで示す電圧波形の電圧が印加される。図6(C)においても、横軸および縦軸が図6(A)の横軸および縦軸と同じである。この電圧波形は、直流電源80aの電圧と直流電源80aおよび80bの合計電圧を0.5ミリ秒ごとに交互に繰り返した電圧波形である。この電圧波形をペルチェ素子30に印加するためには、FET86aおよび86dが常時オンに制御されるとともに、FET94aが0.5ミリ秒ごとにオフからオンにまたはオンからオフに制御される。
また、MV値が50%より大きく75%より小さい場合には、MV値が62.5%である場合と比べて、FET86aおよび86dのオフ時間およびオン時間が変えられ、電圧波形のデューティー比が変えられる。
さらに、MV値が75%より大きく100%より小さい場合には、MV値が87.5%である場合と比べて、FET94aのオフ時間およびオン時間が変えられ、直流電源80aの電圧が常時印加されるとともに、直流電源80bの電圧を印加する時間が変えられる。
以上はMV値が50%〜100%である場合すなわちレーザダイオード14を冷却すべき場合におけるペルチェ素子30に印加される電圧波形などについて説明したが、MV値が50%〜0%である場合すなわちレーザダイオード14を加熱すべき場合には、FET86aおよび86dの代わりにFET86bおよび86cが制御され、MV値が50%〜100%である場合と逆向きの電圧波形がペルチェ素子30に印加される。
また、MV値が50%をまたいで変化する場合には、すなわち、ペルチェ素子30にたとえば直流電源80aの電圧が一方向に印加されている状態から逆方向に印加されようとする場合には、ペルチェ素子30に電位差の大きい逆方向の電圧がいきなり印加されることを防止するために、ペルチェ素子30に逆方向の電圧が印加される直前に、たとえば1〜2秒間など微小時間、ペルチェ素子30に電圧が印加されないようにFET86a、86b、86cおよび86dがオフに制御される。また、そのため、MV値が50%付近において、ペルチェ素子30に印加される電圧の極性が頻繁に切替えられるといういわゆるハンチングが抑制される。
さらに、MV値が75%より大きい場合や25%より小さい場合には、ペルチェ素子30に直流電源80aおよび80bの合計電圧が印加されることがあるが、ペルチェ素子30に直流電源80aおよび80bの合計電圧がいきなり印加されることを防止するために、演算結果としてのMV値は、いきなり75%より大きくなったりいきなり25%より小さくなったりしないように演算される。
以上のように、このレーザ光照射装置10では、直流電源80aおよび80bのうちの1以上のものの電圧を選択的にペルチェ素子30に印加して、レーザダイオード14の温度がペルチェ素子30などで所定の温度に向けて制御されるので、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が所定の波長に向けて制御され、固体レーザ発振器22から高出力のレーザ光が出力される。
さらに、このレーザ光照射装置10では、通常、レーザダイオード14の温度が設定温度に向けて制御されているので、レーザダイオード14の温度は設定温度付近にある。その後、通常、レーザダイオード14の温度を大きく急激に制御する必要がなく、ペルチェ素子30には、一方の直流電源80aの電圧すなわち比較的低い電圧を印加するだけで足りる。なお、このレーザ光照射装置10では、ペルチェ素子30に直流電源80aおよび80bの合計電圧すなわち比較的高い電圧が印加されるのは、初期的にレーザダイオード14の温度が設定温度からかなり離れていてそのレーザダイオード14をオフからオンにしてそのレーザダイオード14に電流を流し始める場合などの特別な場合である。そのため、このレーザ光照射装置10では、ペルチェ素子30に可能な限り低い電圧が印加され、ペルチェ素子30を必要最小限の電流で駆動することができる。そのため、ペルチェ素子30は、大きな電圧印加によるヒートショックによって劣化されにくくなる。
すなわち、ペルチェ素子30でたとえば50%冷却するためにペルチェ素子30に図7(A)に示す電圧波形の電圧を印加すれば、ペルチェ素子30に直流電源80aおよび80bの合計電圧(24V)が印加されることになる。それにより、ペルチェ素子30には、大きな電流が流れることになるが、ペルチェ素子30には抵抗があるため、大きな電流により大きなジュール熱が発生する。大きなジュール熱が発生すると、ペルチェ素子を構成する半導体部分とのその周辺部分との間の熱膨張係数の差により、半導体部分と電極との接合面におけるマイクロクラック等の発生、すなわちヒートショックが起こる可能性がある。このように、ペルチェ素子30が大きな電圧印加によるヒートショックによって劣化されてしまう場合がある。
それに対して、このレーザ光照射装置10では、ペルチェ素子30でたとえば50%冷却するためにペルチェ素子30に図6(B)に示す電圧波形の電圧を印加するので、ペルチェ素子30には、直流電源80aおよび80bの合計電圧(24V)が印加されず、直流電源80aの電圧(12V)が印加される。そのため、ペルチェ素子30が大きな電圧印加によるヒートショックによって劣化されにくくなる。
また、特別な場合において、ペルチェ素子30でたとえば75%冷却するためにペルチェ素子30に図7(B)に示す電圧波形の電圧を印加すれば、ペルチェ素子30に直流電源80aおよび80bの合計電圧(24V)が、比較的長い時間印加されることになり、ペルチェ素子30が大きな電圧印加によるヒートショックによって劣化されてしまう場合がある。
それに対して、このレーザ光照射装置10では、ペルチェ素子30でたとえば75%冷却するためにペルチェ素子30に図6(C)に示す電圧波形の電圧を印加するので、ペルチェ素子30には、直流電源80aおよび80bの合計電圧(24V)が比較的短い時間しか印加されない。そのため、ペルチェ素子30が大きな電圧印加によるヒートショックによって劣化されにくくなる。すなわち、このレーザ光照射装置10では、直流電源80aの電圧(12V)による温度制御では温度制御が不足することとなった場合に、直流電源80aおよび80bの合計電圧(24)がペルチェ素子30に印加される。
また、このレーザ光照射装置10では、ペルチェ素子30に、たとえば直流電源80aの電圧が一方向から逆方向にいきなり印加されず、しかも、直列に接続される直流電源80aおよび80bの合計電圧もいきなり印加されないので、この点においてもペルチェ素子30が劣化されにくくなる。
さらに、このレーザ光照射装置10では、通常、直流電源80aの電圧すなわち比較的低い電圧しかペルチェ素子30に印加されないので、ペルチェ素子30に発生するジュール熱は小さく、ペルチェ素子30の熱移動があまり阻害されないため、ペルチェ素子30を効率よく駆動することができる。
また、このレーザ光照射装置10では、レーザダイオード14などを長時間使用すると、レーザダイオード14の劣化などにより、レーザダイオード14に同じ電流を流してもレーザダイオード14から出力されるレーザ光のエネルギーが所定の大きさより小さくなり、固体レーザ発振器22から高出力のレーザ光が得られなくなってしまう場合がある。
この場合、このレーザ光照射装置10では、固体レーザ発振器22から高出力のレーザ光を得るために、制御部によって、レーザダイオード14から出力されるレーザ光のエネルギーの大きさに基づいて、レーザダイオード駆動電源70によりレーザダイオード14に流す電流の大きさが制御される。すなわち、レーザダイオード14から出力されるレーザ光のエネルギーの大きさが記憶手段104に記憶されている所定の大きさより小さければ、そのレーザ光のエネルギーの大きさを所定の大きさに向けて大きくするために、レーザダイオード14に流す電流が大きくなるように制御される。このレーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長およびエネルギーの大きさは、第1のフォトダイオード54aの出力信号および第2のフォトダイオード54bの出力信号の差と和との割合すなわち増幅回路62aおよび62bの出力信号の割合に基づいて、演算手段としても働く制御部によって検出することができる。
つまり、図2(A)および図2(B)からわかるように、2つのフォトダイオード54aおよび54bの分光感度は、それぞれ、受光波長に対して異なる特性を有しているため、フォトダイオード54aおよび54bの出力信号の差と和の割合は、受光波長に対応して所定の値を有する。したがって、増幅回路62aおよび62bの出力の割合は、同じ受光波長であれば、レーザダイオード14の出力の大きさにかかわらず一定である。そのため、増幅回路62aおよび62bの出力の比をとれば、受光波長を知ることができる。受光波長がわかれば、図2(A)および図2(B)の特性から、増幅回路62aおよび62bの出力のいずれかにより、レーザダイオード14の出力の大きさ、すなわちレーザ光のエネルギーの大きさを知ることができる。
そして、このようにレーザダイオード14に流す電流が大きくなるように制御されれば、レーザダイオード14から出力されるレーザ光のエネルギーは所定の大きさに向けて大きくなる。
しかしながら、このように劣化したレーザダイオード14に流す電流が大きくなるように制御されると、レーザダイオード14の温度(たとえば25℃)とレーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長(たとえば808nm)との初期的な関係が変わってしまい、レーザダイオード14の温度を今までの設定温度(25℃)に向けて制御しても、レーザダイオード14から所定の波長(808nm)のレーザ光が出力されず、そのため、固体レーザ発振器22から高出力のレーザ光が得られない場合がある。
そこで、このレーザ光照射装置10では、レーザダイオード14から所定の波長のレーザ光を出力するために、制御部によって、記憶手段104に記憶されているたとえば808nmの設定波長に対するレーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長の変動を検出し、その変動に基づいて、レーザダイオード14に対する設定温度が新たな設定温度に変更され、ペルチェ素子30などによりレーザダイオード14の温度がその新たな設定温度に向けて制御され、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が所定の波長(設定波長)に向けて制御される。
たとえば、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が設定波長より長い方に変動すれば、レーザダイオード14に対する設定温度が下げられて、レーザダイオード14の温度もその下げられた新たな設定温度に向けて下がるように制御され、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が所定の波長(設定波長)に向けて短くなるように制御される。
逆に、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が設定波長より短い方に変動すれば、レーザダイオード14に対する設定温度が上げられて、レーザダイオード14の温度もその上げられた新たな設定温度に向けて上がるように制御され、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が所定の波長(設定波長)に向けて長くなるように制御される。
したがって、このレーザ光照射装置10では、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が所定の波長から変動しても、制御部などによって、レーザダイオード14から出力されるレーザ光の波長が所定の波長に向けて制御され、そのため、固体レーザ発振器22から高出力のレーザ光が得られる。
また、このレーザ光照射装置10では、モニタ106において、レーザダイオード14の検出温度、検出されたレーザ光のエネルギーの大きさや波長の変動の状況、それらの制御状況などが表示されるように構成されてもよい。
また、このレーザ光照射装置10では、入力手段108によって各種の設定値などを変更したり、その他の情報を入力したりすることができるように構成されてもよい。さらに、通信手段110によって、外部からの制御信号を受信したり、外部に制御状況を示す信号を送信したりすることができるように構成されてもよい。
図8は、この発明にかかるレーザ光照射装置に用いられるペルチェ素子およびそれを駆動するためのペルチェ素子駆動装置の他の例の要部を示す回路図である。図8に示すペルチェ素子駆動装置では、図1に示すレーザ光照射装置10に用いられる図3に示すペルチェ素子駆動装置と比べて、さらに、別の直流電源80c、逆電流防止用の別のダイオード92bおよび電圧切替え用の別のPチャンネルのFET94bを有する。また、直流電源80bとして6Vの直流電源が用いられ、別の直流電源80cとしては別の6Vの直流電源が用いられる。
直流電源80cの負極は、直流電源80bの正極に接続される。また、直流電源80cの正極は、PチャンネルのFET94bのソースおよびドレインを介して、H型回路82の一方の入力端子84aに接続される。このFET94bにも、FET94aに接続される図4(B)に示す抵抗96a1、96a2およびFET98aからなる直列回路と同様の直列回路(図示せず)が同様に接続されている。そのため、この直列回路(図示せず)のFETをオンに制御することによって、FET94bをオンに制御することができ、直流電源80a、80bおよび80cの合計電圧をH型回路82の2つの入力端子84aおよび84b間に印加することができる。
また、ダイオード92aのカソードとFET94aのドレインとの接続点は、ダイオード92bのアノードおよびカソードを介して、H型回路82の一方の入力端子84aに接続される。
図8に示すペルチェ素子駆動装置では、1つの直流電源80aの電圧(12V)、2つの直流電源80aおよび80bの合計電圧(18V)、または、3つの直流電源80a、80bおよび80cの合計電圧(24V)を、ペルチェ素子30に一方向にまたは逆方向に印加することができる。
そのため、図8に示すペルチェ素子駆動装置では、図3に示すペルチェ素子駆動装置と比べて、より多くの種類の電圧をペルチェ素子30に印加することができるようになり、ペルチェ素子30に印加される電圧を細かく制御することができ、そのため、ペルチェ素子30に高電圧が印加される機会を減らすことができ、ヒートショックによるペルチェ素子30の劣化を防止することができる。
図9は、この発明にかかるレーザ光照射装置の他の例の要部を示す図解図である。図9に示すレーザ光照射装置10では、図1に示すレーザ光照射装置10と比べて、第2の光学システム20のコリメートレンズ20aの後方においてスプリッタ50の代わりにレーザ光の透過率の小さいミラー51がたとえば45度斜めに配置されている。そのため、第2の光学システム20の集光レンズ20bは、ミラー51で反射されたレーザ光を集光するために、ミラー51の側方に配置される。なお、固体レーザ発振器22は、その入力端に集光レンズ20bで集光されたレーザ光が入力されるように、集光レンズ20から所定の間隔を隔てて配置される。
また、NDフィルタ52aおよび52bとフォトダイオード54aおよび54bとは、ミラー51を透過したレーザ光を透過して受光するために、ミラー51の後方に配置される。
図1に示すレーザ光照射装置10では、スプリッタ50を透過したレーザ光で固体レーザ発振器22内のレーザ媒体を励起し、スプリッタ50で反射されたレーザ光からレーザ光のエネルギーの大きさおよび波長の変動を検出するようにしているが、図9に示すレーザ光照射装置10のように、ミラー51で反射されたレーザ光で固体レーザ発振器22内のレーザ媒体を励起し、ミラー51を透過したレーザ光からレーザ光のエネルギーの大きさおよび波長の変動を検出するようにしてもよい。
上述の各レーザ光照射装置10では、直列に接続される2個または3個の直流電源がペルチェ素子駆動装置に用いられているが、2個または3個の直流電源に限らす、直列に接続される4個以上の直流電源が用いられてもよい。また、それらの直流電源の電圧も、任意に変更されてもよい。たとえば、3個の直流電源を用いる場合には、8Vずつの3個の直流電源が用いられてもよく、4個の直流電源が用いられる場合には、6Vずつの4個の直流電源が用いられてもよい。
また、ペルチェ素子30としては、たとえば、1つの素子からなるものに限らず、複数の素子が並列に接続されたものや直列に接続されたものが用いられてもよい。そして、用いられるペルチェ素子に応じて、直列に接続される直流電源のそれぞれの電圧が任意に変更されてもよい。
さらに、上述の各レーザ光照射装置10では、レーザ光を出力するレーザ光出力手段としてのレーザダイオード14の温度がペルチェ素子30、温度センサ40、制御部などの手段によって制御されているが、レーザ光を出力するレーザ光出力手段としての固体レーザ発振器22の温度が固体レーザ発振器22の温度を調整するための他のペルチェ素子、固体レーザ発振器22の温度を検出するための他の温度センサ、制御部などの手段によって、レーザダイオード14の温度を制御する方法と同様の方法で制御されてもよい。
さらに、上述の各レーザ光照射装置10では、レーザ光の波長が長くなった場合にレーザダイオード14の温度が下がるように制御し、レーザ光の波長が短くなった場合にレーザダイオード14の温度が上がるように制御しているが、レーザ光の波長を所定の波長に向けて制御するためには、レーザ光などの光を出力する光出力手段の特性によっては、レーザ光の波長が長くなった場合に光出力手段の温度が上がるように制御し、レーザ光の波長が短くなった場合に光出力手段の温度が下がるように制御してもよい。
また、上述の各レーザ光照射装置10では、用いられるレーザ光波長変動検出装置において、第2の光学システム20において分岐されたレーザ光からレーザ光のエネルギーの大きさおよび波長の変動を検出するようにしているが、レーザダイオード14の後方から固体レーザ発振器22の前方の間において、たとえば第1の光学システム16など他の部分で分岐されたレーザ光からレーザ光のエネルギーの大きさや波長の変動を検出するようにしてもよい。
さらに、上述の各レーザ光照射装置10では、レーザ光の波長が長くなれば、用いられるレーザ光波長変動検出装置において、一方のフォトダイオード54aの受光感度が増加するのに対して、他方のフォトダイオード54bの受光感度が低下するが、受光感度の増加する割合や低下する割合が異なれば、光センサとしての両方のフォトダイオード54aおよび54bの受光感度がともに増加しても低下してもよい。このように2つのフォトダイオード54aおよび54bの受光感度特性が異なれば、それらの出力信号の差と和との割合から、レーザ光の波長の変動を検出することができ、さらに、レーザ光のエネルギーの大きさも検出することができる。また、光センサとしては、フォトダイオードの代わりに、フォトトランジスタやCCDなどが用いられてもよい。
また、上述の各レーザ光照射装置10では、波長検出手段として2つのフォトダイオードなどを用いたレーザ光波長変動検出装置でレーザ光の波長の変動を検出するように構成されているが、波長検出手段として他のレーザ光波長検出装置でレーザ光の波長を検出するように構成されてもよい。たとえば、上述の各レーザ光照射装置10では、2つの光センサとして分光感度特性が互いに異なる2つのフォトダイオード54aおよび54bが用いられているが、この発明では、分光感度特性が互いに異なる2つ以上の光センサを有する3つ以上の光センサが用いられてもよく、この場合、分光感度特性が互いに異なる2つの光センサの出力信号の差と和とに基づいて、または、分光感度特性が互いに異なる3つ以上の光センサの出力信号のうちの任意の2つの出力信号の差と和とに基づいて、レーザ光の波長の変動を検出するようにしてもよい。
この発明にかかるレーザ光の波長制御装置は、たとえば金属、合成樹脂、ガラスなどの各種材料の表面や内面を加工する加工機やバイオ測定器などの固体レーザ励起に用いられる高出力のレーザダイオードから出力されるレーザ光の波長を制御する用途に適用できる。
10 レーザ光照射装置
12 ベース
14 レーザダイオード
16 第1の光学システム
16a コリメートレンズ
16b 集光レンズ
18 光ファイバ
20 第2の光学システム
20a コリメートレンズ
20b 集光レンズ
22 固体レーザ発振器
30 ペルチェ素子
32 ヒートシンク
32a フィン
34 ファン
40 温度センサ
50 スプリッタ
51 ミラー
52a、52b NDフィルタ
54a、54b フォトダイオード
56 差動回路
58 加算回路
60a、60b 補正回路
62a、62b 増幅回路
70 レーザダイオード駆動電源
80a、80b、80c 直流電源
82 H型回路
84a、84b 入力端子
86a、86b、86c、86d FET
88a1、88a2、88b1、88b2 抵抗
90a、90a FET
92a、92b ダイオード
94a、94b FET
96a1、96a2 抵抗
98a FET
100 CPU
102 入出力インターフェース
104 記憶手段
106 モニタ
108 入力手段
110 通信手段

Claims (4)

  1. レーザダイオードから出力されるレーザ光の波長を制御するためのレーザ光の波長制御装置であって、
    前記レーザダイオードの温度を調整するための温度調整手段、
    前記レーザダイオードから出力されたレーザ光の波長を検出するための波長検出手段、および
    前記波長検出手段で検出された前記レーザ光の検出波長の変動に基づいて前記温度調整手段を制御するための制御部を含み、
    前記温度調整手段によって前記レーザダイオードの温度を調整して、前記レーザ光の波長を前記レーザ光の設定波長に向けて制御する、レーザ光の波長制御装置。
  2. 前記レーザダイオードの温度は、前記温度調整手段によって設定温度に向けて調整され、
    前記波長検出手段で検出された前記レーザ光の検出波長が前記レーザ光の設定波長より長い方に変動したときに、前記制御部によって前記設定温度が下げられ、
    前記波長検出手段で検出された前記レーザ光の検出波長が前記レーザ光の設定波長より短い方に変動したときに、前記制御部によって前記設定温度が上げられる、請求項1に記載のレーザ光の波長制御装置。
  3. レーザダイオードから出力されるレーザ光の波長を制御するためのレーザ光の波長制御方法であって、
    前記レーザダイオードから出力されたレーザ光の波長を波長検出手段で検出する工程、および
    前記波長検出手段で検出された前記レーザ光の検出波長の変動に基づいて、前記レーザダイオードの温度を調整するための温度調整手段を制御部で制御する工程を含み、
    前記温度調整手段によって前記レーザダイオードの温度を調整して、前記レーザ光の波長を前記レーザ光の設定波長に向けて制御する、レーザ光の波長制御方法。
  4. 前記レーザダイオードの温度を、前記温度調整手段によって設定温度に向けて調整する工程を含み、
    前記波長検出手段で検出された前記レーザ光の検出波長が前記レーザ光の設定波長より長い方に変動したときに、前記制御部によって前記設定温度が下げられ、
    前記波長検出手段で検出された前記レーザ光の検出波長が前記レーザ光の設定波長より短い方に変動したときに、前記制御部によって前記設定温度が上げられる、請求項3に記載のレーザ光の波長制御方法。
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