JP2010239007A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ共振器部と光増幅器部とを備える半導体レーザ素子であって、光増幅器の動作状態の切り替えにより生じるレーザ共振器の発振波長のゆらぎを抑制する半導体レーザのゆらぎを抑制する波長安定性の高い半導体レーザ素子の提供。
【解決手段】光増幅器のレーザ共振器側の端部を取り囲む領域に、発熱体を形成させる。光増幅器が遮断状態にあるとき、発熱体を発熱させることにより、レーザ共振器の光増幅器側の端部の温度分布を、光増幅器が増幅状態にあるときに近づける。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ素子に関する。特に、波長可変レーザ光源装置に用いられる半導体レーザ素子であって、レーザ光源装置が発振するレーザ光の波長安定性の向上に関する。
波長多重の光通信ネットワークで用いられるレーザ光源装置には、発振波長を可変設定できる光源が望まれている。発振波長を可変とできる光源として、種々の構成が提案されており、実用に供されているものもある。そのような波長可変光源の一つとして、活性領域と、反射波長を制御することの出来る回折格子とを集積した半導体レーザ素子がある。
たとえば、このような半導体レーザ素子として、分布反射型(以下、DBR((Distributed Bragg Reflector)型、と記す)の回折格子を用いたDBRレーザが知られている。DBR型の回折格子領域は、レーザ共振器において、波長フィルタ兼反射ミラーとして機能している。そして、この回折格子領域に流す電流の電流量を制御することで、発振する光の波長を可変設定することが可能であり、DBRレーザは、波長可変レーザ光源装置に用いられている。非特許文献1に、波長可変レーザ素子としてその構成や波長可変メカニズムが記載されている。
また、活性領域の両側にDBR型の回折格子領域を形成して、レーザ光を出射するレーザ共振器を構成し、これら回折格子領域のバーニャ効果により、広い波長領域の発振が設定できるレーザ共振器が、特許文献1に記載されている。
DBRレーザは、前述の通り、これら回折格子領域を、波長フィルタを兼ねた反射ミラーとして用いており、回折格子領域に流す電流の電流量によって、ミラーとして反射する波長が変化させることにより、発振波長を可変とする。
このようなレーザ素子では、レーザ共振器からの光出力が所望の光出力に対して不足する場合がある。これは、レーザ共振器を広い波長領域で動作させることにより、反射ミラーの反射率が低くなってしまうからである。また、モードホップ現象を抑制するため、活性領域を短くせざるを得ないことも一因である。
レーザ共振器の光出力が小さい場合、レーザ発振器のレーザ光の出射側に光増幅領域を形成することにより、光出力を増幅させる。このようなレーザ素子が、特許文献2、特許文献3、及び、特許文献5に、記載されている。
また、波長多重で用いられるレーザ光源装置は、発振する波長の安定性に優れていることや、発振する波長領域が広いことが望まれる。それゆえ、波長を制御する回折格子領域に重ねて発熱手段を形成し、手段の制御により波長特性の改善を図ることがある。その一例が、特許文献4に記載されている。
特表2004−537863 特開2004−235600 特開2006−147777 特開平06−005980 米国特許6687278号
半導体レーザ p.314-318、応用物理学会編/伊賀健一編著、オーム社、平成6年10月25日発行
しかしながら、レーザ発振器の出射側に光増幅領域を備える波長可変レーザ光源装置で、動作立ち上げの期間、または、波長の変更動作を行っている過渡動作状態の期間に、発振波長が所望の波長からずれることがある。所望の波長からずれてしまっているこのような光が出力されないようにするため、これら期間においては、前記光増幅領域を遮断状態とし、その後、発振する光の波長が安定した状態となってから、再び、光増幅領域を増幅状態とする使用方法をとることがある。
すなわち、光増幅領域を遮断状態と増幅状態に切り替えることで、光増幅領域を光出力のスイッチとして動作させることにより、動作立ち上げ時、または、発振波長変更時に、所望の波長からずれた波長の光が出力されないレーザ光源装置とすることが可能となる。
ところで、この光増幅領域の遮断状態と増幅状態の切り替えは、光増幅領域に流す電流の電流量を制御することで実現される。この際、光増幅領域に電流を流すことにより、光増幅領域は発熱する。
レーザ共振器の回折格子領域が、光増幅領域に近接して配置されているので、光増幅領域で発生した熱は、この回折格子領域に伝わり、回折格子領域の温度が変化することとなる。回折格子領域は、前述の通り、波長フィルタの機能も有しているので、光増幅領域の温度変化により、回折格子領域の温度が変化し、波長フィルタが選択する波長が所望の波長とずれを生じ、その結果、レーザ発振器が発振する波長がゆらぎを生じることとなる。
この発振波長のゆらぎは、波長多重を行っている光通信ネットワークでは、他チャネルへの干渉の原因となってしまうため、問題となる。
本発明の目的は、光増幅領域の動作状態の切り替えにより生じるレーザ共振器の発振波長のゆらぎを抑制し、発振するレーザ光の波長安定性の高いレーザ光源装置を提供することとする。
(1)本発明に係る半導体レーザ素子は、レーザ光を出射するレーザ共振器部と、前記レーザ共振器部の出射側に位置する光増幅器部と、を備える半導体レーザ素子であって、前記レーザ共振器部の前記光増幅器側の端部は、入力される制御信号に応じた波長の光を通すフィルタとして機能する部分を含み、前記光増幅器部の前記レーザ共振器部側の端部を取り囲む領域の少なくとも一部に、少なくとも1つの発熱体が配置される、ことを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の半導体レーザ素子において、前記発熱体は、前記光増幅器部の前記レーザ共振器部側の端部の両脇に少なくとも1つずつ配置されていてもよい。
(3)上記(2)に記載の半導体レーザ素子において、前記両脇に少なくとも1つずつ配置される発熱体は、前記光増幅器部の延伸方向に対して対称的に配置されていてもよい。
(4)上記(2)に記載の半導体レーザ素子において、前記光増幅器部の上部には前記光増幅器部の延伸方向に沿って延びる電極が設けられ、前記電極は、前記レーザ共振器部側の端部に他よりも幅狭に形成されるとともに、前記レーザ共振器部と隣接する幅狭部を有し、前記発熱体は、前記幅狭部の両脇に配置されていてもよい。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の半導体レーザ素子において、前記光増幅器部の動作状態に応じて前記発熱体の発熱量を制御する制御部をさらに備えてもよい。
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかの記載の半導体レーザ素子において、前記レーザ共振器部の前記フィルタとして機能する部分は回折格子を含み、該回折格子に流れる電流量に応じて前記波長の長さが決定されてもよい。
すなわち、上記目的を達成するため、本発明では、光増幅領域のレーザ共振器側の端部を取り囲む領域に、発熱体を形成させる。光増幅領域が遮断状態にあるとき、すなわち、光増幅領域に電流が流れておらず光増幅領域が発熱していないとき、この発熱体を発熱させる。これにより、レーザ共振器の光増幅領域側の端部の温度分布を、光増幅領域が増幅状態にあるときに近づける。
本発明に係る波長可変レーザ光源装置は、動作立ち上げの期間、または、発振波長の変更動作する期間などにおける、レーザ共振器の光増幅領域側の端部の温度分布を、通常動作時における温度分布に近づけることで、発振するレーザ光の波長の所望の波長とのずれは微小となり、波長安定性の高いレーザ光を発振することが出来る。
本発明の実施形態の一例を表す半導体レーザ素子の構成を示す模式図である。 本発明の動作状態を説明する温度分布の計算機シミュレーションの結果を示す図である。 本発明の動作状態を説明する温度分布差分の計算機シミュレーションの結果を示す図である。 本発明の実施形態の一例を表す半導体レーザ素子の構成の部分拡大図である。 本発明の実施形態に係る発熱体の実施例を示す模式図である。 本発明の実施形態の一例を表す半導体レーザ素子の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳述する。図1は、本発明による実施形態の一例の構成を示す概略図である。
半導体レーザ素子10は、光を伝搬する光導波路11を備え、半導体レーザ素子10の図中右端から、矢印12の方向にレーザ光が出射される。誘導放出がなされる活性領域22の両側には、第一の波長フィルタ兼ミラー20と、第二の波長フィルタ兼ミラー23が、それぞれ形成されている。第二の波長フィルタ兼ミラー23は、回折格子に基いて構成される。第一の波長フィルタ兼ミラー20と、活性領域22の間には、位相調整領域21が形成される。以上により、レーザ共振器部が構成されている。
半導体レーザ素子10において、レーザ共振器部の図中右側には、、光増幅器部となる光増幅領域24が配置される。なお、レーザ共振部及び光増幅器部は、実際には、光導波路11の一部を含んで、それぞれ形成される。しかし、図1には、理解を助けるために、これらレーザ共振部及び光増幅器部そのものではなく、これらに設けられる電極部分の形状を図示している。
図1において、光増幅領域24は、等しい幅をもち図中の横方向に沿って延伸し、図中左側の端部において、他の部分よりも幅狭くなった形状をしている。これは、実際には、光増幅領域24に設けられる電極の形状である。光増幅領域24に設けられる電極のうち、この幅が狭まった部分を幅狭部、それ以外の部分を幅広部と呼ぶこととする。光増幅領域24の電極の幅狭部の両側には、光導波路11を挟み込む位置に、一対の発熱体25が、上方からみて光導波路11に対して対称的に配置されている。
発振波長は、第一の波長フィルタ兼ミラー20と第二の波長フィルタ兼ミラー23の波長特性によって定まる。第一の波長フィルタ兼ミラー20、及び、第二の波長フィルタ兼ミラー23それぞれに、流す電流の電流量により、発振波長は制御される。そして、少なくとも、第二の波長フィルタ兼ミラーは、回折格子に基づく構成である。
本実施形態における半導体レーザ素子10は、たとえば、公知となっている前述のDBRレーザである。しかし、本発明に係るレーザ素子は、レーザ発振器部と光増幅器部を有し、レーザ発振器部において、光増幅器部側に、回折格子領域など温度によって特性を変化させるものが位置していればよい。フィルタの方式や構造は幾種類もあるが、それらの方式、構造は本発明の目的に関する主たる対象ではなく、これ以上の限定をする必要もないので、詳述しない。
レーザ共振器部から出射されたレーザ光は、光導波路11を伝搬して、光増幅領域24で所望の光出力に増幅され、外部へ出射される。光増幅領域24に流す電流の電流量を制御することで、光増幅領域24の状態を制御することが出来る。たとえば、光増幅領域24に電流を流さないようにすることで、半導体レーザ素子10からレーザ光が矢印12の方向へ出射しない状態、すなわち、遮断状態となる。動作立ち上げ時や発振波長の変更時に、光増幅領域24を遮断状態とすることで、レーザ共振器が発振する波長が安定しない状態で、半導体レーザ素子10が光出射することを防止する。
光増幅領域24に電流が流れ、レーザ共振器から発振された光を増幅する状態、すなわち、増幅状態にあるとき、流れる電流により熱が発生し、その熱は、隣接する第二の波長フィルタ兼ミラー23に伝搬する。これにより、第二の波長フィルタ兼ミラー23の領域は、光増幅領域24に近い側で温度が高く、活性領域22に近い側で温度が低くなるよう、温度分布が形成される。
光増幅領域24の動作状態の切り替えは、光増幅領域24に流す電流の電流量を制御することなされるが、電流量が変化することにより、光増幅領域24の発熱量が変化し、第二の波長フィルタ兼ミラー23の温度分布が変化する。第二の波長フィルタ兼ミラー23に設けられる回折格子の屈折率は、温度によって変化するため、第二の波長フィルタ兼ミラー23の波長特性は、光増幅領域24の動作状態によって変化することになる。
発熱体25は、光増幅領域24の図中左端にある幅狭部をはさんで位置しているので、
発熱体25が熱を発している場合に、その熱が伝搬することにより、第二の波長フィルタ兼ミラー23に形成される温度分布は、光増幅領域24が光増幅状態にあるときの温度分布と、類似となることが期待される。
したがって、光増幅領域24が遮断状態にあるとき、発熱体25を動作させ、発熱体25が熱量を発することで、第二の波長フィルタ兼ミラー23での温度分布を、光増幅領域24が増幅状態にあるときの動作状態の温度分布に近づけることができる。
すなわち、発熱体25が発する熱量を制御することによって、第二の波長フィルタ兼ミラー23の温度分布を、光増幅領域24の動作状態によらず、変化の小さい状態することが出来る。これにより、第二の波長フィルタ兼ミラー23の温度変化によって生じるレーザ共振器が発振する波長のゆらぎを低減することが出来る。
なお、ここでは、光増幅領域24の電極の形状が、図中左側で幅狭になっており、一対の発熱体25が、上方から見て、光導波路11をはさんで対称的に、幅狭部の両側に配置されている例を用いて、説明した。
これは、電極が幅狭部を有することで、図中上下方向について、一対の発熱体25を、電極の形状が一定幅のときよりも、より光導波路11の近くに配置することが出来るからである。これにより、より少ない発熱量で、所望の温度分布に近づけることが出来る。さらに、一対の発熱体25を光導波路11に対して対称的に配置することで、第二の波長フィルタ兼ミラー23の温度分布が、光導波路11近傍において、図中上下方向の位置に対して、変化することが抑制されている。
しかし、本発明の本質は、光増幅領域24が遮断状態にあるときに、発熱体25が発熱することにより、第二の波長フィルタ兼ミラー23の温度分布を、光増幅領域24が増幅状態にあるときの温度分布に近づけることにある。それゆえ、光増幅領域24の電極の形状に、幅狭部などの形状は必ずしも必要ではない。電極の形状は、一定幅で光導波路11の方向に延伸していてもいいし、それ以外の形状であってもよい。
また、一対の発熱体25が光導波路11に対して対称的に配置されている必要は必ずしもない。たとえ、対称的とならずに配置されていたとしても、発熱体25が発熱することにより、光増幅領域24が遮断状態にあるときの第二の波長フィルタ兼ミラー23の温度分布が、光増幅領域24が増幅状態にあるときの温度分布に近づいていればよい。
同様に、一対の発熱体25が配置される必要も必ずしもない。複数対の発熱体25であってもいいし、1個を含む奇数個の発熱体25であっても、光増幅領域24のレーザ共振器側の当該端部を取り囲む領域に配置されていればよい。さらに、発熱体25は、当該端部を取り囲む領域であれば、光増幅領域24の当該端部の両脇、すなわち、当該端部の図中上若しくは下に、配置されていてもいいし、光増幅領域24と第二の波長フィルタ兼ミラー23の間であってもよい。
なお、本発明において、発熱体25が、光増幅領域24の当該端部を取り囲む領域に配置されていることを特徴としており、特許文献4など従来報告されている発熱体を備えるレーザ素子は、レーザ共振器の回折格子領域に併設されており、その点が明らかに異なる。
以下、この発熱体25の効果について、計算機シミュレーションによって解析した結果に基づいて記載する。
図2は、図1で示した構成の半導体レーザ素子10の温度分布を計算機シミュレーションで求めた結果のグラフである。グラフの横軸は位置で、第二の波長フィルタ兼ミラー23と光増幅領域24とを含む範囲を図示している。計算機シミュレーションの結果は、各領域の図1の上下方向の中心となる光導波路11近傍の温度分布について求めている。図1中の横方向の位置を分かりやすくするため、図1中の横方向について、第二の波長フィルタ兼ミラー23、及び、光増幅領域24それぞれの範囲について、R1及びR2として、図1及び図2、また、後述する図3に、図示している。また、図2の縦軸は温度を表している。
図2には、光増幅領域24が増幅状態にあり、発熱体25が発熱していない状態における温度分布が、点線で示されている。また、光増幅領域24が遮断状態にあり、発熱体25が発熱している状態における温度分布が、実線で示されている。
図2に点線で示されている光増幅領域24動作による温度分布は、光増幅領域24で0.1Wの熱が発生しているとした場合の計算機シミュレーションの結果であり、第二の波長フィルタ兼ミラー23の図中の右端で、すなわち、R1の右端は、約0.6℃の温度上昇が生じている。この温度変化によるフィルタが選択する光の波長のずれは、数10pmの大きさであり、この波長のずれの温度特性係数を代表値として10pm/℃とすると、60pmの波長のずれが生じることになる。
図2に実線で示されている発熱体25による温度分布は、発熱体25の位置に依存する。それゆえ、発熱体25が様々な位置にある場合について、計算機シミュレーションの結果が、図2に示されている。
図2において、実線Aは、発熱体25が、第二の波長フィルタ兼ミラー23と光増幅領域24の間に位置する場合であり、それ以外の実線Bから実線Eは、図1に示すように、発熱体25が、光増幅領域24の幅狭部の両側を挟むようにそれぞれ位置する場合である。
発熱体25による温度分布において、望ましい温度分布は、光増幅領域24動作による温度分布との差が出来る限り小さい温度分布である。図3は、その観点で作成したグラフで、図2に示したグラフのデータをもとに、図2で点線で示されている光増幅領域24動作による温度分布から、図2で複数の実線で示されている発熱体25による温度分布を引いた温度を示している。図3における複数の実線は、図2で実線で示した実線Aから実線Eと、それぞれ対応している。
図3の結果より、第二の波長フィルタ兼ミラー23の領域であるR1において、この温度差の最大と最小の差、すなわち温度誤差範囲が小さい条件を求めることが出来る。
図4は、図1の部分拡大図であり、第二の波長フィルタ兼ミラー23と、光増幅領域24と、発熱体25との位置関係が示されている。
図2及び図3において、実線Cとして示されている発熱体25の位置は、光増幅領域24と第二の波長フィルタ兼ミラー23の領域との間隔L1が0.05mmの場合、発熱体25と第二の波長フィルタ兼ミラー23の右端からの距離L2を0.11mmとした場合である。この場合において、温度誤差範囲が最小となり、その大きさは0.03℃となっている。図3には、温度誤差範囲が最小となっている実線Cの温度誤差範囲が示されている。
この温度誤差による波長のゆらぎは、約3pmである。図4に示されている間隔L1をさらに大きくすると、温度誤差範囲はさらに小さくすることもできる。L1を0.09mmとし、L2を0.19mmとして、計算機によるシミュレーションを行ったところ、図2及び図3に示されているL1を0.05mmとしてシミュレーションした場合よりも、温度誤差範囲が概ね1/3に低下している。
なお、L1をさらに大きくすると、さらに温度誤差範囲を小さくすることも出来、その温度誤差による波長のずれを2pm以下とすることも出来るが、実際の半導体レーザ素子10の寸法を鑑みると、現実的ではない。L1を大きくすることで、光増幅領域24の発熱による第二の波長フィルタ兼ミラー23の温度変動を、波長変化が無視できるほど小さくすることは可能であるが、波長変動量がたとえば2pm以下とするには、L1を約1.2mm以上とする必要があり、チップサイズの増大を招きコストの面で不利となるからである。したがって、実用的な発熱体25の位置は、ここに記載した数値といえる。
図5には、発熱体25の電気的な接続と構成の実施例が示されている。半導体レーザ素子10に形成された光導波路11の上方に、光増幅領域24の電極パターン41と第二の波長フィルタ兼ミラー23の電極パターン45が形成されている。
これら電極は、それぞれ、ボンディングワイヤによって、外部回路と電気的に接続されている。光増幅領域24の電極パターン41は、ボンディングワイヤ42によって外部回路(図示せず)と電気的接続がなされる。また、発熱体25a,25bは、光導波路11をはさんで両側に配置されてあり、ボンディングワイヤとの接続のために電極パターン43a,43bとそれぞれ接続し、さらに光導波路11を横断するように形成された電極パターン43cで、二つの発熱体25a,25bは電気的に接続されている。さらに、電極パターン43a,43bは、ボンディングワイヤ44a,44bで、それぞれ、外部回路(図示せず)と接続されている。
電極パターン43a,43b,43c及び発熱体25a,25bは、半導体レーザ素子10の表面に位置している酸化シリコン等で形成された絶縁層(図示せず)の上に形成されている。外部回路により、ボンディングワイヤ44aからボンディングワイヤ44bへ電流を流すことで、発熱体25a,25bは発熱する。
電極パターンは、通常、表面が金であり、金製のボンディングワイヤとは圧着によって電気的な接続がなされる。発熱体25は、例えば、タングステン、タンタル、白金等の金属薄膜で構成されるが、半導体レーザ素子10を構成する半導体中に抵抗性の領域を形成し、その領域を発熱体としても良い。
図6は、図1に示した半導体レーザ素子10と、それを制御する制御回路を含めて示した図である。図1で記載した符号は、そのまま図6にも適用される。図6に示す制御回路は、半導体レーザ素子10全体の制御を行う制御回路ブロック30と、制御回路ブロック30にそれぞれ接続されている以下の制御回路ブロックとによって、構成されている。
制御回路ブロック31は、制御回路ブロック30からの信号により、第一及び第二の波長フィルタ兼ミラー20,23に対して、波長フィルタとして通す光の波長が、所望の発振波長になるよう制御信号を出力する。第二の波長フィルタ兼ミラー23が、前述のDBR型などの回折格子に基づいて構成されている場合、波長フィルタとして通す光の波長は、この回折格子に流す電流の電流量によって決定される。それゆえ、ここでいう制御信号には、所望の発振波長に対応した電流量の情報が含まれている。
同様に、制御回路ブロック33,34は、活性領域22及び位相調整領域21にそれぞれ、制御信号を出力する。さらに、制御回路ブロック34は、制御回路ブロック30からの信号により、光増幅領域24の所望の動作状態になるよう、光増幅領域24に流す電流の電流量を制御する信号を出力する。
制御回路ブロック34は、制御回路ブロック35とも接続されており、制御回路ブロック35に対して、光増幅領域24の動作状態に応じて、発熱体25の発熱量を制御する信号を出力する。制御回路ブロック35は、その信号により、発熱体25に対して、例えば、発熱体に流れる電流の電流量など発熱量を制御する信号を出力する。すなわち、制御回路ブロック34,35は、光増幅領域24の動作状態に応じて発熱体25の発熱量を制御する制御部と構成している。
発熱体25は、光増幅領域24が遮断状態の場合、発熱する動作状態となるので、発熱体25への制御信号は、光増幅領域24への制御信号とは、いわば逆位相の信号をとなる。制御回路ブロック35は、光増幅領域24への制御信号を検出し、逆位相の信号を生成して発熱体25へ出力する。
半導体レーザ素子10の制御としては、このほかに温度を一定に制御する回路、光出力を検知する回路等があるが、レーザ光源装置には一般的に用いられる回路であってよく知られており、ここには記載しない。同様に、前述の制御回路ブロック各々は、一般的に用いられる回路であってよいので、詳細は説明しない。
以上、本発明に係る実施形態の半導体レーザ素子について説明したが、本発明はこの説明に限定されるものでないことは言うまでもない。
本発明によれば、光増幅領域の動作状態が変化しても、波長の変化の小さいレーザ共振器を構成することができ、発振波長の安定したレーザ光源装置を提供できる。
10 半導体レーザ素子、11 光導波路、20 第一の波長フィルタ兼ミラー、21 位相調整領域、22 活性領域、23 第二の波長フィルタ兼ミラー、 24 光増幅領域、 30,31,32,33,34 制御回路ブロック、41 電極パターン、42 ボンディングワイヤ、43a,43b,43c 電極パターン、44a,44b ボンディングワイヤ、45 電極パターン。

Claims (6)

  1. レーザ光を出射するレーザ共振器部と、
    前記レーザ共振器部の出射側に位置する光増幅器部と、
    を備える半導体レーザ素子であって、
    前記レーザ共振器部の前記光増幅器側の端部は、入力される制御信号に応じた波長の光を通すフィルタとして機能する部分を含み、
    前記光増幅器部の前記レーザ共振器部側の端部を取り囲む領域の少なくとも一部に、少なくとも1つの発熱体が配置される、
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザ素子において、
    前記発熱体は、前記光増幅器部の前記レーザ共振器部側の端部の両脇に少なくとも1つずつ配置される、
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 請求項2に記載の半導体レーザ素子において、
    前記両脇に少なくとも1つずつ配置される発熱体は、前記光増幅器部の延伸方向に対して対称的に配置される、
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  4. 請求項2に記載の半導体レーザ素子において、
    前記光増幅器部の上部には前記光増幅器部の延伸方向に沿って延びる電極が設けられ、
    前記電極は、前記レーザ共振器部側の端部に他よりも幅狭に形成されるとともに、前記レーザ共振器部と隣接する幅狭部を有し、
    前記発熱体は、前記幅狭部の両脇に配置される、
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体レーザ素子において、
    前記光増幅器部の動作状態に応じて前記発熱体の発熱量を制御する制御部をさらに備える、
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかの記載の半導体レーザ素子において、
    前記レーザ共振器部の前記フィルタとして機能する部分は回折格子を含み、
    該回折格子に流れる電流量に応じて前記波長の長さが決定される、
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
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