JP2010238704A - プリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 導体回路の高密度化されたプリント配線板を提供するために、配線幅を小さくすることなく導体回路を高密度化し、かつ線間と層間での導体回路間の絶縁性および接続信頼性に優れたプリント配線板の製造に適した層間絶縁樹脂フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】 支持ベースフィルム(C)上に、ポリイミド前駆体(a)を含有する感光性樹脂層(A)が先ず積層され、1分子に2個以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂(b)を含む熱硬化性樹脂層(B)がさらにその上に積層されており、硬化後の該感光性樹脂層(A)の30℃と150℃との間の熱膨張係数が60ppm/℃以下、かつ硬化後の該熱硬化性樹脂層(B)の30℃と150℃との間の平均熱熱膨張係数が60ppm/℃以下であることを特徴とするプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)である。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板用の層間絶縁材料用樹脂フィルムに関する。
さらに詳しくは、プリント配線板の層間絶縁樹脂の高密度実装が可能な樹脂フィルムに関する。
近年、電子機器、通信機器等に用いられるプリント配線板には、機器類の小型化に伴い導体回路の高密度化の要求が強まっている。それに伴い多層プリント配線板の製造方法として、回路基板の導体層上に層間絶縁層を交互に積み上げていくビルドアップ方式の製造技術が注目されている。
一般的にビルドアップ方式の導体回路形成方法としては、例えば、層間樹脂表面に無電解メッキと電解メッキで導体回路を形成するアディティブ法、および層間絶縁樹脂表面に予め形成された導体層をエッチングすることにより導体回路を形成するサブトラクティブ法等が知られている。通常、導体回路の高密度化は、サブトラクティブ法では導体層のエッチング精度が悪いため困難であり、アディティブ法が適している。
このアディティブ法によるビルドアップ法は、例えば、層間絶縁樹脂層を形成した層間絶縁樹脂フィルムを内層回路基板に圧着転写することで、内層回路基板上に層間絶縁樹脂層を形成する。熱硬化した後に、さらに層間樹脂表面を過マンガン酸溶液などによる粗化処理(表面を凸凹にすることにより導体回路との物理的密着力を出す処理)したものを無電解メッキと電解メッキで導体回路を形成する。この操作を繰り返すことにより多層プリント配線板が製造される。
プリント配線板の小型化に伴う導体回路の高密度化の手法としては、導体回路幅の微細化、および縦方向の層間絶縁樹脂層の薄型化がある。
しかしながら、導体回路幅の微細化では、密着性を確保するための粗化処理により層間絶縁樹脂表面の凸凹が大きくなるため、形成される導体回路の間の幅の制限も大きくなり導体回路の微細化に限界があり、また導体回路間の線間が小さくなるために絶縁性が維持できなくなる問題がある(例えば特許文献1)。
一方、層間絶縁樹脂表面の凸凹を小さくした場合、ピール強度(絶縁樹脂層から導体層を基板表面に対して垂直に引きはがすのに要する単位幅あたりの導体層引きはがし強さ) が不足する問題がある。
また、導体回路の高密度化のもう1つの手法である層間絶縁樹脂層の薄型化では、層間の導体回路間が小さくなるために絶縁性が維持できないという問題がある。
これに対し、層間絶縁樹脂の絶縁性を上げることにより層間絶縁樹脂層を薄型化する方法等が提案されている。
しかし、薄型化により層間の導体回路間が小さくなるため、層間絶縁樹脂と導体回路の熱膨張係数の差の影響が大きくなり、クラックが入りやすくなるため、接続信頼性に問題がある。(例えば特許文献2)
また、導体回路厚みを小さくし絶縁性を確保した場合、導体回路の電気抵抗が大きくなる問題がある。
特開2007−254709号公報 特開平8−109273号公報
本発明は、導体回路の高密度化されたプリント配線板を提供するために、配線幅を小さくすることなく導体回路を高密度化し、かつ線間と層間での導体回路間の絶縁性および接続信頼性に優れたプリント配線板の製造に適した層間絶縁樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、支持ベースフィルム(C)上に、ポリイミド前駆体(a)を含有する感光性樹脂層(A)と、分子内に2個以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂(b)を含有する熱硬化性樹脂層(B)の順に積層されることを特徴とするプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)である。
本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)は、層間絶縁樹脂層として感光性樹脂層(A)と熱硬化性樹脂層(B)の2層の構成を取るため、露光・現像を行うことにより容易に層間絶縁樹脂層に段差を設けることができる。
従って、プリント配線板を作成する際に、導体回路を形成しない空間に段差をつけることで、層間絶縁樹脂層の中間部分にも導体回路を形成することができる。
従来のビルドアップ構造では、層間絶縁樹脂層の中間部分は利用できず、導体回路間に無駄な空間があったが、層間絶縁樹脂層に段差をつけることにより無駄のない導体回路形成が可能となる。
また、線間と層間の導体回路の距離が保つことができ、電気絶縁性、接続信頼性および導体回路の抵抗に優れることから、導体回路の高密度化に適したプリント配線板が提供される。
本発明によるプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)の感光性樹脂層(A)、熱硬化性樹脂層(B)および支持ベースフィルム(C)の位置関係を示す断面図の一例である。 従来技術によるプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)の熱硬化性樹脂層(B)、と支持ベースフィルム(C)の位置関係を示す断面図の一例である。 本発明によるプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)を用いた多層プリント配線板の導体回路形成後の感光性樹脂層(A)、熱硬化性樹脂層(B)、導体回路、内層回路基板およびソルダーレジストの位置関係を示す断面図の一例である。 従来技術によるプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)を用いた多層プリント配線板の導体回路形成後の熱硬化性樹脂層(B)、導体回路、内層回路基板、及びソルダーレジストの位置関係を示す断面図の一例である。
(A):感光性樹脂層
(B):熱硬化性樹脂層
(C):支持ベースフィルム
(F):プリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム
本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)は、支持ベースフィルム(C)上に、感光性樹脂層(A)が先ず積層され、その上に、熱硬化性樹脂層(B)が積層された2層構造からなる層間絶縁樹脂層を有する。そして、感光性樹脂層(A)はポリイミド前駆体(a)を含有し、一方、熱硬化性樹脂層(B)は分子内に2個以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂(b)を含有し、このエポキシ基は実質的には未反応で硬化しておらず、熱硬化性樹脂層(B)自体は力を加えると流動性を有し、成形が可能である。
図1は本発明によるプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)の断面図を示し、図2は従来技術によるプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)の断面図を示す。ここで、感光性樹脂層(A)、熱硬化性樹脂層(B)および支持ベースフィルム(C)である。
従来のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)(図2参照)は、層間絶縁樹脂層が熱硬化性樹脂(B)のみで形成されるのに対し、本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)(図1参照)は、層間絶縁樹脂層が感光性樹脂層(A)と熱硬化性樹脂(B)で形成される点で相違する。
ポリイミド前駆体(a)としては、公知のモノが使用でき、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリアミック酸(a1)、およびポリアミック酸(a1)を部分的にイミド化したポリマー(a2)が挙げられる。
ジアミン化合物としては、公知のモノが使用でき、芳香族ジアミンおよび脂環式ジアミン等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、1,4−フェニレンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン及び3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン等の炭素数6〜20の芳香族ジアミン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、1,2−エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシル、ジアミノシクロヘキサン及びイソホロンジアミン等の炭素数2〜14の脂肪族ジアミン等が挙げられる。
これらのジアミン化合物のうち、信頼性の観点から芳香族ジアミンが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物としては、公知のモノが使用でき、芳香族カルボン酸二無水物および脂環式カルボン酸二無水物等が挙げられる。
芳香族カルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、1.4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物及び1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物等の炭素数10〜14の芳香族カルボン酸二無水物等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸二無水物としては、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物及びブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物及びメチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物等の炭素数8〜11の脂肪族カルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物のうち、信頼性の観点から、芳香族カルボン酸二無水物が好ましい。
ポリアミック酸(a1)を部分的にイミド化してポリマー(a2)を得るには、公知の手法が使用でき、ポリアミック酸(a1)の溶液を加熱処理する方法、および脱水剤を用いる方法等が挙げられる。
感光性樹脂層(A)を構成する樹脂としては、ポリイミド前駆体(a)に感光性基を付与した感光性ポリイミドが挙げられる。
感光性ポリイミドとしては、例えば、(A1)ポリイミド前駆体(a)に3級アミンと(メタ)アクロイル基を有する化合物を混合して感光性ポリイミドとしたイオン結合型感光性ポリイミド(例えば、特開昭54−145794号公報を参照)、(A2)ポリイミド前駆体(a)のカルボキシル基にエステル結合を介してメタクロイル基を導入したエステル結合型感光性ポリイミド(例えば、特公昭55−030207号公報、特公昭55−041422号公報を参照)、(A3)メタクロイル基を有するイソシアネート化合物をポリイミド前駆体(a)のカルボキシル基部位に導入した感光性ポリイミド(例えば、特開昭59−160140号公報、特開平03−170547号公報、特開平03−186847号公報、特開昭61−118424号公報を参照)、(A4)ポリイミド前駆体(a)と(メタ)アクリル化合物とを混合した感光性ポリイミド(例えば、特開平11−52569号公報を参照)、(A5)ポリイミド前駆体(a)と光酸発生剤とを混合した感光性ポリイミド(例えば、特開平10−316751号公報を参照)、(A6)ポリイミド前駆体(a)と光塩基発生剤を混合した感光性ポリイミド(例えば、特開平6−295063号公報を参照)、(A7)ポリイミド前駆体(a)とジアゾナフトキノン誘導体とを混合した感光性ポリイミド、(A8)ベンゾフェノン骨格を有するポリイミド前駆体(a)からなる感光性ポリイミド、(A9)ポリイミド前駆体(a)とメチロール系架橋剤と光酸発生剤からなる感光性ポリイミド、および(A10)フェノール性の水酸基を含有するポリイミド前駆体(a)とジアゾナフトキノン誘導体とを混合した感光性ポリイミド(例えば、「ポリイミドの高機能化と応用技術」、サイエンス&テクノロジー社発行、115〜129頁を参照)等が挙げられる。
これらの感光性ポリイミドのうち、作業性の観点からアルカリ現像可能な(A4)、(A5)、(A6)、(A7)、(A9)および(A10)の感光性ポリイミドが好ましい。
さらに好ましいものとしては、電気絶縁性の観点から光酸発生剤を含まない(A4)、(A6)、(A7)、および(A10)の感光性ポリイミドが挙げられる。
ポリイミド前駆体(a)の分子量はポリイミドの強度に関連するのでGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィ)測定による数平均分子量(ポリスチレン換算値)は10,000〜1,000,000が好ましい。10,000未満ではポリイミドの強度が不充分で、1,000,000を超えるとワニス粘度が高くなり過ぎ、成形に支障が出て好ましくない。
感光性樹脂層(A)の硬化後のフィルムの30℃と150℃との間熱機械的分析(TMA)法による熱膨張係数は、0〜60ppm/℃であることが好ましく、さらに好ましくは3〜53ppm/℃、特に好ましくは6〜45ppm/℃である。0ppm以上で、60ppm/℃以下であれば、導体回路との熱膨張係数の差が小さくなるため接続信頼性に優れる。
熱膨張係数は、樹脂フィルムを硬化させた後に、TMAを使って、日本プリント回路工業会の試験法JPCA/IPC−6801の4.1で規定された方法に準拠して、30℃と150℃でのそれぞれの長さを測定して、下記の数式(1)から熱膨張係数X(ppm/℃)を算出する。
X=(L150−L30)×106/[(150−30)×L30] (1)
但し、L30は30℃における長さ、L150は150℃における長さを表す。
[熱膨張係数の測定法]
測定サンプルは、フィルムを所定条件で光硬化および/または熱硬化した後に、ガラス転移温度+10℃に再加熱し、その後10℃/分で室温まで冷却したものを使用する。そのサンプルの大きさは、25℃において(長さ)20mm×(巾)5mm×(厚さ)0.040mmの大きさのものを使用し、その硬化後フィルムの長さと幅はノギスにて測定し、厚さは膜厚計にて測定した。セイコーインスツルメンツ社製のTMA/SS6100を使用して、測定サンプルに98mNの荷重をかけ、測定セル内を−30℃で30分間保持した後、測定セル温度を−30℃から230℃まで10℃/分で昇温する。L30とL150の値を上記(2)式に入れてXを算出する。
感光性樹脂層(A)の硬化後の30℃と150℃との間の熱膨張係数を0〜60ppm/℃の範囲内にするためには、ポリイミド前駆体(a)を感光性樹脂層(A)の組成物中の重量で50重量%以上にすることが好ましく、さらに好ましくは55重量%、特に好ましくは60重量%以上である。50重量%以上であれば、熱膨張係数を小さくすることができる。
さらに、熱膨張係数をより小さくするためには、感光性樹脂層(A)を構成する樹脂構造を液晶配向可能な芳香族構造とすることが好ましい。
このような液晶配向可能な芳香族構造の具体例としては、下記一般式(1)〜(4)で表されるビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、及びアントラキノン構造が挙げられる。
Figure 2010238704
このような樹脂構造を持つことにより、分子間の芳香環がπ−πスタッキングすることができ熱膨張係数をさらに低くすることができる。
熱硬化性樹脂層(B)としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と開環重合触媒とを含む熱硬化樹脂組成物、およびエポキシ樹脂とエポキシ硬化剤とを含む熱硬化樹脂組成物等が挙げられる。
分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、公知のものが使用でき、例えば、グリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルアミン型エポキシド及び脂環式エポキシド等が使用できる。
グリシジルエーテル型エポキシドとしては、二価フェノールのグリシジルエーテル、多価フェノールのグリシジルエーテル、二価アルコールのグリシジルエーテル及び多価アルコールのグリシジルエーテル等が挙げられる。
二価フェノールのグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びビスフェノールSジグリシジルエーテル、[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオールのジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオールのジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、ジヒドロキシアントラキノンのジグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価フェノールのグリシジルエーテルとしては、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル及びジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、フェノールノボラック型グリシジルエーテル、クレゾールノボラック型グリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン構造を導入したフェノールノボラック型グリシジルエーテル、ナフタレン構造を導入したフェノールノボラック型グリシジルエーテル、ビフェニル構造を導入したフェノールノボラック型グリシジルエーテル等が挙げられる。
二価アルコールのグリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール[重量平均分子量(以下、Mw):150〜4,000]ジグリシジルエーテル及びポリプロピレングリコール(Mw:180〜5,000)ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールのグリシジルエーテルとしては、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル及びポリ(重合度2〜5)グリセリンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシドとしては、グリシジル芳香族アミン、グリシジル脂環式アミン及びグリシジル複素環式アミン等が用いられる。
グリシジル芳香族アミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジエチルジフェニルメタン等が挙げられる。
グリシジル脂環式アミンとしては、ビス(N,N−ジグリシジルアミノシクロヘキシル)メタン(N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの水添化合物)及びN,N,N’,N’−テトラグリシジル ジメチルシクロヘキシレンジアミン(N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミンの水添化合物)等が挙げられる。
グリシジル複素環式アミンとしては、トリスグリシジルメラミン及びN−グリシジル−4−グリシジルオキシピロリドン等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル及び3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂のうち、コスト、耐熱性等の観点からグリシジルエーテル型エポキシド、グリシジルアミン型エポキシドが好ましく、より好ましくはグリシジルエーテル型エポキシドである。
これらのエポキシ樹脂としては、これらを単独で使用してもよいし、これらから選ばれる二種以上を混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂の1分子中のエポキシ基の個数は、数平均で少なくとも2個必要であり、好ましくは2〜100個である。より好ましくは3個以上、特に好ましくは4以上である。またより好ましくは80個以下、特に好ましくは60個以下である。エポキシ基の個数が2個以上であると耐熱衝撃性及び誘電特性等がさらに良好となる。
エポキシ樹脂のMwは、耐熱衝撃性等の観点から、200〜10,000が好ましく、より好ましくは300以上、特に好ましくは400以上であり、またより好ましくは9,000以下、特に好ましくは5,000以下である。
開環重合触媒としては、イミダゾール及び第3級アミン等の公知の触媒が使用できる。
イミダゾールとしては、公知のものが使用でき、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール及び1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
第3級アミンとしては、公知のものが使用でき、例えば、ベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(サンアプロ社商標:DBU)等が挙げられる。
この開環重合触媒の添加量は、硬化性樹脂組成物の全重量に基づいて、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.3重量%以上、特に好ましくは0.5重量%以上であり、またより好ましくは7重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
エポキシ硬化剤としては、公知のものが使用でき、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、フェノール性水酸基およびアミノ基等の官能基を有するものが使用できる。
カルボキシル基を含有するエポキシ硬化剤としては、芳香族カルボン酸及び脂環式カルボン酸等が用いられる。
芳香族カルボン酸としては、公知のものが使用でき、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びトリメリット酸、芳香環を有するポリアミック酸(a1)、および芳香環を有するポリアミック酸(a1)を部分的にイミド化して得られたポリマー(a2)等が挙げられる。
脂環式カルボン酸としては、公知のものが使用でき、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸(フタル酸の芳香核水添化合物)及びシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸(イソフタル酸の芳香核水添化合物)、脂環式のポリアミック酸(a1)、および脂環式のポリアミック酸(a1)を部分的にイミド化して得られたポリマー(a2)等が挙げられる。
酸無水物基を含有するエポキシ硬化剤としては、公知のものが使用でき、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルシクロヘキサン−1、2−ジカルボン酸無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、およびベンゾフェノン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
アミノ基を含有するエポキシ硬化剤としては、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物及び脂環式アミン化合物等が用いられる。
芳香族アミン化合物としては、公知のものが使用でき、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、および4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
脂肪族アミン化合物としては、公知のものが使用でき、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、および1−アミノー3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
脂環式アミン化合物としては、公知のものが使用でき、シクロヘキシレン−1,3−ジアミン(1,3−フェニレンジアミンの芳香核水添化合物)、シクロヘキシレン−1,4−ジアミン(1,4−フェニレンジアミンの芳香核水添化合物)、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(4,4´−ジフェニルメタンジアミンの芳香核の水添化合物)等が挙げられる。
フェノール性水酸基を含有するエポキシ硬化剤としては、公知のものが使用でき、クレゾールノボラック樹脂(Mw:320〜32,000)、フェノールノボラック樹脂(Mw:360〜36,000)、ナフチルクレゾール、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、ジナフチルトリオール、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン及び4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾール、フェノール−ナフトールノボラック縮合体(特許3586327)、およびビフェニルノボラック縮合体(特許3712512)等が挙げられる。
これらの硬化剤のうち、信頼性の観点から、フェノール性水酸基、アミノ基を含有するエポキシ硬化剤が好ましい。さらに好ましくは、フェノール性水酸基を含有するエポキシ硬化剤が挙げられる。
これらの硬化剤は、これら単独で用いてもよく二種以上併用してもよい。
エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤との当量比(エポキシ基のモル数/(カルボキシル基のモル数+酸無水物基のモル数+アミノ基の活性水素原子のモル数+フェノール性水酸基のモル数))は、0.7〜1.3が好ましく、より好ましくは0.8以上、特に好ましくは0.9以上であり、またより好ましくは1.2以下、特に好ましくは1.1以下である。エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤との当量比が0.7以上、1.3以下であると硬化物のTgが高く、強度が低下しない。
エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の反応には硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としては、公知の硬化促進剤が使用でき、イミダゾール及び第3級アミン等が使用できる。
イミダゾールとしては、公知のものが使用でき、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール及び1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
第3級アミンとしては、公知のものが使用でき、例えば、ベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(サンアプロ社商標:DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(サンアプロ社商標:DBU)、DBU−フェノール塩、DBU−オクチル酸塩及びDBU−p−トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。
これら硬化促進剤の添加量は、熱硬化性樹脂組成物の全重量に基づいて、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.3重量%以上、特に好ましくは0.5重量%以上であり、またより好ましくは7重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
熱硬化性樹脂層(B)には、必要に応じ無機フィラー(D)を添加することができる。
無機フィラー(D)としては、無機酸化物と無機塩に分類される。
無機酸化物としては、公知のものが利用でき、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等が挙げられる。
無機塩としては、公知のものが利用でき、具体的には例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
これらの中で、電気特性(湿熱信頼性・誘電特性)、耐熱性及び耐薬品性の観点から、無機酸化物が好ましく、より好ましいものとしては、酸化ケイ素及び酸化チタンが挙げられる。特に好ましいものとして酸化ケイ素が挙げられる。
これらの無機フィラー(D)のレーザー回折式粒度分布計による体積平均粒径は、0.01〜50μmが好ましく、より好ましくは0.02μm以上、特に好ましくは0.03μm以上であり、またより好ましくは30μm以下、特に好ましくは10μm以下である。
無機フィラー(D)の体積平均粒径(μm)が0.01μm以上であると熱硬化性樹脂層の樹脂強度が大きく、50μm以下であるとレベリング性に優れる。
無機フィラー(D)の熱硬化性樹脂層(B)の組成物中の重量は、5〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは8〜47重量%、特に好ましくは11〜44重量%である。
5重量%以上であれば熱膨張係数が低くでき、50重量%以下であれば熱硬化性樹脂層の樹脂強度が大きい。
熱硬化性樹脂層(B)の硬化後のフィルムの30℃と150℃との間のTMA法による熱膨張係数も(A)と同じ方法で測定する。この熱膨張係数は、0〜60ppm/℃であることが好ましく、さらに好ましくは3〜53ppm/℃、特に好ましくは6〜45ppm/℃である。0ppm以上で、60ppm/℃以下であれば、導体回路との熱膨張係数の差が小さくなるため接続信頼性に優れる。
熱硬化性樹脂層(B)の硬化後の30と150℃の間との熱膨張係数を0〜60ppm/℃の数値範囲にするためには、無機フィラー(D)を熱硬化性樹脂層(B)の組成物中の重量で5重量%以上にすることが好ましく、さらに好ましくは8重量%以上、特に好ましくは11重量%である。5重量%以上であれば、熱膨張係数を低くすることができる。
さらに、熱膨張係数を小さくするためには、熱硬化性樹脂層(B)を構成する樹脂構造を液晶配向可能な芳香族構造にすることが好ましい。
このような液晶配向可能な芳香族構造の具体例としては、下記一般式(1)〜(8)で表されるビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、アントラキノン構造、フタルイミド構造、フェニルベンゾエート構造、α−メチルスチルベン構造、およびN−ベンジリデンアニリン構造が挙げられる。
Figure 2010238704
Figure 2010238704
このような樹脂構造を持つことにより、分子間で芳香環がπ−πスタッキングすることができ熱膨張係数を低くすることができる。
本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)の作成方法としては、
(i)感光性樹脂層(A)を構成する樹脂組成物を所定の有機溶剤に溶解または分散した感光性樹脂ワニスを支持ベースフィルム(C)に塗布、感光性樹脂層(A)のイミド化反応が進行しにくい温度条件下で有機溶剤のみを乾燥させ感光性樹脂層(A)を形成した後に、
(ii)感光性樹脂層(A)の上に、熱硬化性樹脂層(B)を構成する樹脂組成物を所定の有機溶剤に溶解及び/又は分散した熱硬化性樹脂ワニスを塗布、熱硬化性樹脂層(B)の硬化反応が進行しにくい温度条件下で有機溶剤のみを乾燥させ熱硬化性樹脂層(B)を形成することにより、
層間絶縁樹脂層が、感光性樹脂層(A)と熱硬化性樹脂層(B)からなる2層構造のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)を得ることができる。
樹脂ワニスの塗布はカーテンコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷等公知の方法を用いて行うことができる。
乾燥条件は、使用する有機溶剤、及び感光性樹脂層(A)と熱硬化性樹脂層(B)の反応性により異なるが、好ましくは50〜200℃で2〜30分の範囲で実施され、乾燥後の樹脂層の複素粘度や残留溶剤量(重量%)等で適宜決定する。
支持ベースフィルム(C)としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。ベースフィルムの厚みは10〜150μmが好ましい。ベースフィルムの横幅は、装置に入るものであれば、特に指定はないが30〜300cmが好ましい。
なお、支持ベースフィルム(C)にはマット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
またロールの両端あるいは片側に樹脂のない支持ベース部分を5mm以上もうけてあれば、ラミネート部の樹脂付着防止、支持ベースフィルム(C)の剥離が容易になる等の利点がある。
有機溶剤としては、感光性樹脂層(A)および熱硬化性樹脂層(B)の組成物を溶解及び/又は分散させることができ、樹脂ワニスをフィルム製造装置に適用できる物性(粘度等)に調整できるものであれば特に限定なく、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、エタノール、シクロヘキサノン、メタノール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン及びキシレン等の公知の溶媒が使用できる。
これらの溶媒のうち、樹脂の溶解性および揮発性の観点から、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトンおよびキシレンが好ましく、単独又は2種類以上組み合わせで使用することもできる。
塗布、乾燥後の熱硬化性樹脂層(B)の厚みはラミネートされる内層回路基板の導体厚以上で、内層回路パターンの残銅率、板厚、スルーホール径、表面ビアホール径、穴数設定により異なるが、内層回路の導体厚+(1〜50)μmの範囲が好ましい。
塗布、乾燥後の感光性樹脂層(A)の厚みはメッキする導体回路の厚み設定により異なるが2〜50μmの範囲が好ましい。
このようにして得られる感光性樹脂層(A)、熱硬化性樹脂層(B)及び支持ベースフィルム(C)からなる本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)は、そのまま又は熱硬化性樹脂層(B)の最表面に保護フィルムをさらに積層し、ロール上に巻き取って貯蔵される。保護フィルムとしては、支持ベースフィルム(C)と同じくポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、さらには離型紙等が挙げられる。保護フィルムの厚みとしては5〜100μmが好ましい。
なお保護フィルムにはマット処理、エンボス加工の他、離型処理を施してあってもよい。
本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)は、あらかじめ導体回路が形成された内層回路基板上にラミネートした後、支持ベースフィルム(C)のみを剥離して層間絶縁樹脂層を内層回路基板上に形成する。ついで、感光性樹脂層(A)に紫外線照射と現像する工程を行った後に、物性を向上させるために感光性樹脂層(A)及び熱硬化性樹脂層(B)を同時に熱硬化させ、必要に応じて該樹脂組成物表面を粗化する。次いで導体回路を無電解メッキ及び電解メッキにより形成してプリント配線板を製造することができる。
内層回路基板としては、ガラスエポキシや金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が使用することができ、回路表面はあらかじめ粗化処理されてあってもよい。
プリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)を内層回路基板に加熱条件下で加圧ラミネートする際には、支持ベースフィルム(C)側から加圧、加熱しながらラミネートする。生産の安定性の観点からラミネートは減圧条件下で行うことが好ましい。
加圧ラミネートはバッチ式であってもロール式での連続式で行ってもよく、両面同時に行うことが好ましい。
ラミネート温度は通常50〜180℃であって、好ましくは60〜170℃、さらに好ましくは70〜150℃である。50℃未満では内層回路基板に転写しにくく、180℃より高いとプリント配線板の生産性が低下する問題がある。
ラミネートの圧力は通常0.1〜20MPaであって、好ましくは0.2MPa〜15MPaである。0.1MPa未満では内層回路基板に転写しにくく、20MPaより高いと層間絶縁樹脂層の厚さが調整できない。減圧条件は通常10kPa以下で、好ましくは2.5kPa以下である。
支持ベースフィルム(C)を剥がす際は、室温まで冷却した後に、内層回路基板の端部から剥離することが好ましい。
紫外線照射する方法としては、層間絶縁樹脂層の内部に配線を形成するために膜厚を薄くしたい部分のパターンを有するフォトマスクを介して活性光線により、感光性樹脂層(A)の露光を行う方法が挙げられる。紫外線照射に用いる活性光線としては、本発明の感光性樹脂層(A)を反応させることができれば特に制限はない。必要に応じて、露光後に反応を進行させるための感光性樹脂層(A)の加熱処理を行ってもよい。
活性光線としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハロゲンランプ、電子線照射装置、X線照射装置、レーザー(アルゴンレーザー、色素レーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等)等がある。これらのうち、好ましくは高圧水銀灯及び超高圧水銀灯である。
現像する方法としては、現像液を用いて膜厚を薄くしたい部分のパターン形状に溶解除去する方法が挙げられる。現像液としては、感光性樹脂層(A)の紫外線照射部と非紫外線照射部で、一方が溶解し、もう一方が溶解しないようにさせることができれば特に制限はない。現像液としてはアルカリ水溶液、酸性水溶液、及び有機溶剤等がある。作業性の面からアルカリ水溶液が好ましい。
現像方法としては、現像液を用いたディップ方式、シャワー方式、及びスプレー方式があるが、スプレー方式の方が好ましい。現像液の温度は、好ましくは25〜40℃で使用される。現像時間は、溶解除去する感光性樹脂層(A)の溶解性に応じて適宜決定される。
紫外線照射と現像する工程の後に行う感光性樹脂層(A)と熱硬化性樹脂層(B)の物性を向上させるための熱硬化の条件は130〜300℃で10〜300分の範囲で選択される。
導体回路の密着性を上げるための樹脂組成物表面の粗化法としては、乾式及び湿式での粗化法がある。乾式での粗化方法としては、バフ、サンドブラスト等の機械的研磨やプラズマエッチング等が挙げられる。一方、湿式での粗化法としては過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等の酸化剤などの化学薬品処理が挙げられる。
導体回路を形成する方法としては、粗化した面に、公知の方法で無電解メッキ層形成後に、その上にメッキレジスト層を形成し、導体回路パターン形状に紫外線照射と現像を行う。ついで電解メッキを行った後に、メッキレジストを剥離し、電解メッキされていない無電解メッキ層をエッチングすることにより導体回路を形成する製造方法等が挙げられる。
このように導体回路が形成された後、好ましくは130〜300℃で10〜300分の範囲で行われる熱処理(アニール処理)をすることにより、導体回路の密着性をさらに向上させることもできる。
本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)は、内層回路基板へのラミネートから導体回路の形成に至る工程を複数回繰り返し(ビルドアップし)、ビルドアップ層を多段に積層し、最外層にソルダーレジスト層を形成することで多層プリント配線板を製造することができる。
図3は本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)を用いて作成した多層プリント配線板で、図4は従来のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)を用いて作成した多層プリント配線板で、感光性樹脂層(A)、熱硬化性樹脂層(B)、導体回路、内層回路基板、およびソルダーレジストの位置関係を示す断面図の一例である。
従来のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)を用いて作成した多層プリント配線板(図4参照)は、層間絶縁樹脂層の中間部分は利用できず、導体回路間に無駄な空間があったのに対し、本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)を用いて作成した多層プリント配線板(図3参照)は、層間絶縁樹脂層に段差をつけることにより無駄のない導体回路形成が可能となる。また、線間及び層間の導体回路の距離が保つことができ、電気絶縁性、接続信頼性および導体回路の抵抗に優れることから、導体回路の高密度化に適したプリント配線板が提供される。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<製造例1>
<感光性樹脂ワニス(aw−1)の合成>
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに、無水ピロメリット酸二無水物218部、N−メチルピロリドン2000部を入れ、均一に溶解し、これに4,4’−ジアミノフェニルエーテル182部を徐々に加えながら、60〜70℃で12時間反応させ、ポリイミド前駆体を得た。
ついで室温まで冷却した後に、三口フラスコを遮光し、ポジ剤であるジアゾナフトキノン誘導体(東洋合成社製、NT−200)171部、N−メチルピロリドン1000部を加えて溶解攪拌を行い、不揮発分16%の感光性樹脂ワニス(aw−1)を得た。
この不揮発分の感光性樹脂組成中のポリイミド前駆体は70%である。
<製造例2>
<感光性樹脂ワニス(aw−2)の合成>
4,4’−ジアミノフェニルエーテル182部の代わりに4,4’−ジアミノビフェニル167部を、ジアゾナフトキノン誘導体171部の代わりに100部を使用した以外は製造例1と同様にして感光性樹脂ワニス(aw−2)を得た。
この不揮発分の感光性樹脂組成中のポリイミド前駆体は80%である。
<製造例3>
<熱硬化性樹脂ワニス(bw−1)の合成>
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに、ビフェニル型エポキシ樹脂(JER(株)製、YX−4000、エポキシ当量=180)180部、フェノール樹脂樹脂(群栄化学(株)製、PSM−4326、水酸基当量=105)105部、フェノキシ型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、エピコートE1256、エポキシ当量7800)40部を、メチルエチルケトン200部に40℃で攪拌溶解した。
ついでシリカ粉末(アドマテックス社製、アドマファインSO−C3)140部を加えて攪拌分散させ、室温に冷却した後に、第3級アミン系硬化触媒(サンアプロ(株)製、SA−102)2部を加え攪拌溶解を行い、不揮発分70%の熱硬化性樹脂ワニス(bw−1)を得た。
<製造例4>
<熱硬化性樹脂ワニス(bw−2)の合成>
ビフェニル型エポキシ樹脂180部の代わりにナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学(株)社製、HP−4032D、エポキシ当量=140)140部を使用、シリカ140部の代わりに230部使用した以外は製造例3と同様にして熱硬化性樹脂ワニス(bw−2)を得た。
<比較製造例1>
<感光性樹脂ワニス(aw’−1)の合成>
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた三口フラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−680、エポキシ当量=217)217部を、カルビトールアセテート196.5部に加熱溶解した。
重合禁止剤としてハイドロキノン0.2部、触媒としてトリフェニルホスフィン1.0部を加え、アクリル酸72.0部(1.0当量)を徐々に加えながら、85〜105℃で16時間反応させた。更に、テトラヒドロ無水フタル酸76.0部(0.5当量)を加え、80〜90℃で8時間付加反応を行なった。
室温まで冷却した後に、シリカ粉末100部、6官能アクリルモノマー(三洋化成工業(株)製、ネオマーDA−600)36部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907)9部を加え溶解攪拌を行い、不揮発分71%の感光性樹脂ワニス(aw’−1)を得た。
この不揮発分の感光性樹脂組成中のポリイミド前駆体は0%である。
<比較製造例2>
<感光性樹脂ワニス(aw’−2)の合成>
4,4’−ジアミノフェニルエーテル182部の代わりに1,4−ジアミノブタン88部を、ジアゾナフトキノン171部の代わりに131部を使用した以外は製造例1と同様にして感光性樹脂ワニス(aw’−2)を得た。
この不揮発分の感光性樹脂組成中のポリイミド前駆体は70%である。
<比較製造例3>
<熱硬化性樹脂ワニス(bw’−1)の合成>
ビフェニル型エポキシ樹脂180部の代わりにビスA型エポキシ樹脂(JER(株)製、EP−828、エポキシ当量=186)186部を、フェノール樹脂樹脂105部の代わりに芳香族アミン化合物(日本化薬(株)社製、カヤハードAA、アミン当量126)100部、シリカ粉末175部の代わりに100部を使用した以外は製造例3と同様にして熱硬化性樹脂ワニス(bw’−1)を得た。
<実施例1>
製造例1で得られた感光性樹脂ワニス(aw−1)を厚さ50μmのPETフィルム(東レ(株)社製、ルミラーS10)に、乾燥後の膜厚が20μmになるようにロールコーターで全面塗布した後、90℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去し、感光性樹脂層(A−1)を形成した。
次いで、乾燥した樹脂の上に製造例2で得られた熱硬化性樹脂ワニス(bw−1)を乾燥後の膜厚が20μmとなるようにロールコーターにて全面塗布した後、90℃で4分間乾燥することにより溶剤を除去し、熱硬化性樹脂層(B−1)を形成し、感光性樹脂層と熱硬化性樹脂層の2層からなる本発明のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F−1)を得た。
得られたプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F−1)を、真空ラミネーターにより温度100℃、圧力0.15MPa、60秒プレスで気圧0.2kPaで10cm角のガラスエポキシ基板に圧着転写し、PETフィルムを剥離することで層間絶縁樹脂層を形成した。
ついで投影型露光装置で50μm間隔のストライプ状のパターンに露光し、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を15秒間スプレーで吹き付けて現像後、水洗し、順風乾燥機(PH−210、エスペック株式会社製)内で、180℃で60分間硬化させた。以上のプロセスで層間絶縁樹脂層にストライプ状のパターンを形成した。
基板全面に過マンガン酸カリウム溶液で温度80℃、時間10分で粗化処理し、ついで無電解銅メッキを行った後に、厚みが20μmのドライフィルムレジスト(旭化成(株)製、SUNFORT SPG−102)をロール温度105℃、圧力0.3MPa、ラミネート速度1.5m/分でラミネートした。
投影型露光装置で層間絶縁樹脂層のストライプ状のパターン上段及び下段の中心を通るように線幅30μmの導体回路パターンを露光し、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を30秒間スプレーで吹き付けて現像後、電解銅メッキにより厚さ13μmの導体層を形成した。
ついで50℃の3%水酸化ナトリウム溶液をスプレーで吹き付けてドライフィルムレジストを剥離した後に、40℃の硫酸−過酸化水素水溶液(硫酸1mol/l、過酸化水素1mol/l)をスプレーし非導体回路部の無電解銅メッキを溶解し、導体回路の密着性を安定させるために180℃で60分アニール処理を行い、プリント配線板(z−1)を得た。
さらに、このプリント配線板(z−1)に、ソルダーレジスト(日立化成(株)社製、SR−7200)を乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布、乾燥、全面露光後、順風乾燥機内で、180℃で60分硬化させることで、層間絶縁樹脂層が1層からなる多層プリント配線板(Z−1)を得た。
<実施例2>
感光性樹脂ワニス(aw−1)の代わりに感光性樹脂ワニス(aw−2)、熱硬化性ワニス(bw−1)の代わりに熱硬化性ワニス(bw−2)を使用した以外は製造例1と同様にしてプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F−2)及び多層プリント配線板(Z−2)を得た。
<比較例1>
感光性樹脂ワニス(aw−1)の代わりに感光性樹脂ワニス(aw’−1)を使用した以外は製造例1と同様にしてプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F’−1)及び多層プリント配線板(Z’−1)を得た。
<比較例2>
熱硬化性樹脂ワニス(bw−1)の代わりに熱硬化性樹脂ワニス(bw’−1)を使用した以外は実施例1と同様にしてプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F’−2)及び多層プリント配線板(Z’−2)を得た。
<比較例3>
感光性樹脂ワニス(aw−2)の代わりに感光性樹脂ワニス(aw’−2)を使用した以外は製造例2と同様にしてプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F’−3)及び多層プリント配線板(Z’−3)を得た。
<比較例4>
感光性樹脂ワニス(aw−1)を使用しない、熱硬化性樹脂ワニス(bw−1)の乾燥後の熱硬化性樹脂層の厚さがを実施例1の20μmの代わりに40μmで行った以外は実施例1と同様にしてプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F’−4)を得た。
ついで循風乾燥機内で、180℃で60分間硬化させた後に、基板全面に過マンガン酸カリウム溶液で温度80℃、時間10分で粗化処理し、ついで無電解銅メッキを行った後に、厚みが20μmのドライフィルムレジスト(旭化成(株)製、SUNFORT SPG−102)をロール温度105℃、圧力0.3MPa、ラミネート速度1.5m/分でラミネートした。
投影型露光装置で層間絶縁樹脂層の線幅30μm、線間20μmの導体回路パターンを露光し、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を30秒間スプレーで吹き付けて現像後、電解銅メッキにより厚さ13μmの導体層を形成した。
ついで50℃の3%水酸化ナトリウム溶液をスプレーで吹き付けてドライフィルムレジストを剥離した後に、40℃の硫酸−過酸化水素水溶液をスプレーし非導体回路部の無電解銅メッキを溶解し、導体回路の密着性を安定させるために180℃で60分アニール処理を行いプリント配線板(z’−4)を得た。
さらに、このプリント配線板(z’−4)に、ソルダーレジスト(日立化成(株)社製、SR−7200)を乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布、乾燥、全面露光後、順風乾燥機内で、180℃で60分硬化させることで、層間絶縁樹脂層が1層からなる多層プリント配線板(Z’−4)を得た。
<比較例5>
熱硬化性樹脂ワニス(bw−1)の乾燥後の熱硬化性樹脂層の厚さが40μmの代わりに20μm、線間20μmの導体回路パターンの代わりに線間70μmで行った以外は比較実施例4と同様にしてプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F’−5)、およびプリント配線板(z’−5)を得た。
さらに、このプリント配線板(z’−5)に、別のもう1枚のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F’−5)を圧着、硬化、無電解メッキを行い、下層の導体回路パターンが形成されていない部分の中心部に線幅30μmの導体回路を形成し、プリント配線板(zz’−5)を得た。
さらに、このプリント配線板(zz’−5)に、ソルダーレジストを乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布、乾燥、全面露光後、循風乾燥機内で、180℃で60分硬化させることで、層間絶縁樹脂層が2層からなる実施例1と同様の導体回路パターンの多層プリント配線板(Z’−5)を得た。
<熱膨張係数の測定>
感光性樹脂(A−1)、(A−2)と(A’−1)、(A’−2)、および熱硬化性樹脂(B−1)、(B−2)と(B’−1)のそれぞれの180℃で2時間の硬化後のテストピースで、前述したJPCA/IPC−1680「ビルトアップ配線板」に従って、熱膨張係数を測定した。
その結果を表1に示す。
<性能評価>
得られた実施例1、2の多層プリント配線板(Z−1)、(Z−2)、および比較例1〜5の(Z’−1)〜(Z’−5)の線間の電気絶縁性と接続信頼性について以下の方法で評価した。
その評価結果を表1に示した。
Figure 2010238704
<電気絶縁性(電気抵抗値)>
多層プリント配線板(Z−1)、(Z−2)と(Z’−1)〜(Z’−5)を、
電気絶縁性の性能評価として、150℃での条件下で隣接する導体回路間の電気抵抗値を測定した。
<接続信頼性>
多層プリント配線板(Z−1)、(Z−2)と(Z’−1)〜(Z’−5)を、気層式熱衝撃試験機(グラフテック社製、GTS051−A)で−50℃、10分と100℃、10分間の条件を1000サイクル試験実施後、プリント配線板中の導体回路と層間絶縁樹脂層の間の剥れを顕微鏡の倍率200倍の条件より観察し、以下の基準により評価した。
○:配線の剥れが全くない
×:一部、配線の剥れがある
表1から明らかなように、実施例1と2は、本発明の層間絶縁樹脂フィルムを用いたプリント配線板を用いると、導体回路が高密度配線であるにもかかわらず、導体回路の線間の電気絶縁性が優れ、接続信頼性も優れていることが分かる。
一方、比較例1は、感光性樹脂層(A)にポリイミド前駆体(a)を含まない場合、熱膨張係数が大きくなり、接続信頼性に問題があることが分かる。
また、感光性樹脂層(A)および熱硬化性樹脂層(B)のいずれかの熱膨張係数が大きい比較例2と3は、接続信頼性に問題があることが分かる。
また、従来技術である熱硬化性樹脂層が1層からなる比較例4は、配線密度(導体回路の本数)が同じになるようにした場合、線間の電気絶縁性が低くなり、また接続信頼性に問題がある。
熱硬化性樹脂層1層のみで実施例1と同様の配線構造にしようとした場合、比較例5のようにビルドアップの工程数を増やさないと形成できず、非効率であることが分かる。
本発明のプリント配線板は、本発明のプリント配線板を用いると、導体回路の導体回路幅を小さくすることなく導体回路を高密度化できるにもかわらず電気絶縁性、および接続信頼性が優れることから、導体回路の高密度化に適したプリント配線板が提供される。
本発明のプリント配線板は、パソコン、カメラ一体型VTR、デジタルビデオカメラ、携帯電話、カーナビ及びデジタルカメラ等の電気製品に使用できる。

Claims (7)

  1. 支持ベースフィルム(C)上に、ポリイミド前駆体(a)を含有する感光性樹脂層(A)が先ず積層され、分子内に2個以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂(b)を含有する熱硬化性樹脂層(B)がさらにその上に積層されており、硬化後の該感光性樹脂層(A)の30℃と150℃との間の熱膨張係数が60ppm/℃以下、かつ硬化後の該熱硬化性樹脂層(B)の30℃と150℃との間の熱膨張係数が60ppm/℃以下であることを特徴とするプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)。
  2. 該熱硬化性樹脂層(B)が、カルボキシル基、酸無水物基、フェノール性水酸基およびアミノ基からなる群より選ばれる1種以上の官能基を有するエポキシ硬化剤を含有する請求項1記載のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)。
  3. 該熱硬化性樹脂層(B)が無機フィラー(D)を含有し、熱硬化性樹脂層(B)中の無機フィラー(D)の含有量が5〜50重量%である請求項1または2記載のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)。
  4. 該感光性樹脂層(A)が、光照射によりアルカリ水溶液への溶解性が変化する請求項1〜3いずれか記載のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)。
  5. 硬化後の該熱硬化性樹脂層(B)の30℃と150℃との間の熱膨張係数が45ppm/℃以下である請求項1〜4いずれか記載のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム
  6. 硬化後の該感光性樹脂層(A)の30℃と150℃との間の熱膨張係数が45ppm/℃以下である請求項1〜5いずれか記載のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)。
  7. 該熱硬化性樹脂層(B)が下記化学式(1)〜(8)で表される化学構造のいずれか1つの構成単位を含有する請求項1〜6いずれか記載のプリント配線板用層間絶縁樹脂フィルム(F)。
    Figure 2010238704
    Figure 2010238704
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