JP2009237495A - 感光性組成物、感光性フィルム、永久パターン形成方法、及び永久パターン - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等の様々な特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を得ることができる感光性組成物、及び前記感光性組成物を利用した感光性フィルム、並びに、前記感光性組成物又は前記感光性フィルムを利用した永久パターン形成方法、及び永久パターンを提供すること。
【解決手段】バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、及び光重合開始剤を含んでなり、前記バインダーが、特定のフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる特定の化合物を含有することを特徴とする感光性組成物、及び前記感光性組成物を利用した感光性フィルム、並びに、前記感光性組成物又は前記感光性フィルムを利用した永久パターン形成方法、及び永久パターンである。
【選択図】なし
【解決手段】バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、及び光重合開始剤を含んでなり、前記バインダーが、特定のフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる特定の化合物を含有することを特徴とする感光性組成物、及び前記感光性組成物を利用した感光性フィルム、並びに、前記感光性組成物又は前記感光性フィルムを利用した永久パターン形成方法、及び永久パターンである。
【選択図】なし
Description
本発明は、リジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、BGA(ボールグリッド アレイ)、CSP(チップ サイズ パッケージ)、TCP(テープ キャリアー パッケージ)等のLSIパッケージなどの製造に使用されるソルダーレジストや、多層配線板の層間絶縁材料などに好適に用いられる感光性組成物に関する。
従来、ソルダーレジスト等の永久パターンを形成するに際して、支持体上に感光性組成物を塗布し、乾燥することにより感光層を形成させた感光性フィルムが用いられてきている。ソルダーレジスト等の永久パターンを形成する方法としては、例えば、永久パターンが形成される銅張積層板等の基体上に、感光性フィルムを積層させて積層体を形成し、該積層体における感光層に対して露光を行い、該露光後、感光層を現像してパターンを形成させ、その後硬化処理等を行うことにより永久パターンを形成する方法等が知られている。
ソルダーレジストは、プリント配線板製造等において使用されているが、近年はBGAやCSPといった新しいLSIパッケージにも使用されるようになってきた。ソルダーレジストはソルダリング工程で半田が不必要な部分に付着するのを防ぐ保護膜として、また、永久マスクとして必要とされる材料である。ソルダーレジストは、熱硬化型のものをスクリーン印刷法で印刷して形成できるが、近年、配線の高密度化に伴いスクリーン印刷法では解像度の点で限界があり、写真法でパターン形成するフォトソルダーレジストが盛んに用いられるようになっている。中でも炭酸ソーダ水溶液等の弱アルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型のものが、作業環境保全、地球環境保全の点から主流になってきている。
このようなソルダーレジストとして、例えば、特許文献1〜2に示されるもの等が知られている。しかしながら、アルカリ現像型のフォトソルダーレジストは、熱硬化型、溶剤現像型のものに比べて、耐薬品性、耐水性、耐熱性等が劣る。特にBGAやCSP等の半導体パッケージにおいては、特に耐湿熱性ともいうべき耐PCT性(耐プレッシャークッカーテスト性)が必要であるが、このような厳しい条件下においては数時間〜十数時間程度しか持たないのが現状である。
更に、実装方法が、挿入実装から表面実装に変わることにより、実装時にパッケージにかかる温度が高くなる傾向があり、具体的には、表面実装の場合、予めクリームはんだを必要部分に印刷し、全体を赤外線で加熱し、はんだをリフローして固定するので、パッケージ内外部の到達温度は220〜240℃と著しく高くなり、従来のアルカリ現像型のフォトソルダーレジストでは、熱衝撃で塗膜にクラックが発生したり、基板や封止材から剥離してしまうという、いわゆる耐リフロー性低下の問題があり、その改良が求められている。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等の様々な特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を得ることができる感光性組成物、及び前記感光性組成物を利用した感光性フィルム、並びに、前記感光性組成物又は前記感光性フィルムを利用した永久パターン形成方法、及び永久パターンを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、及び光重合開始剤を含む感光性組成物であって、前記バインダーとして、後述する一般式(1)で表されるような繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる特定の化合物を使用した感光性組成物を用いることによれば、耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等、様々な特性に優れた硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を得ることができるという知見である。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、及び光重合開始剤を含んでなり、
前記バインダーが、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物を含有することを特徴とする感光性組成物である。
<1> バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、及び光重合開始剤を含んでなり、
前記バインダーが、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物を含有することを特徴とする感光性組成物である。
<2> 熱架橋剤が、エポキシ化合物である前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 熱架橋剤が、β−アルキル変性されたエポキシ化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルムである。
<5> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物、又は、前記<4>に記載の感光性フィルムにより形成された感光層に対して露光し、現像することを含むことを特徴とする永久パターン形成方法である。
<6> 配線形成済みのプリント配線基板の最外層に、前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物を塗布し、乾燥して形成した感光層に対して、露光し、現像することを含む前記<5>に記載の永久パターン形成方法である。
<7> 配線形成済みのプリント配線基板の最外層に、前記<4>に記載の感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層して形成した感光層に対して、露光し、現像することを含む前記<5>に記載の永久パターン形成方法である。
<8> 前記<5>から<7>のいずれかに記載の永久パターン形成方法により形成されたことを特徴とする永久パターンである。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等の様々な特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を得ることができる感光性組成物、及び前記感光性組成物を利用した感光性フィルム、並びに、前記感光性組成物又は前記感光性フィルムを利用した永久パターン形成方法、及び永久パターンを提供することができる。
(感光性組成物)
本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、及び光重合開始剤を含み、更に必要に応じて、適宜その他の成分を含んでなる。
前記感光性組成物は、前記バインダーとして、後述するような特定の化合物を使用することに特徴を有する。前記バインダーとして、後述するような特定の化合物を使用することにより、前記感光性組成物は、耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等の様々な特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を形成することが可能となる。
本発明の感光性組成物は、バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、及び光重合開始剤を含み、更に必要に応じて、適宜その他の成分を含んでなる。
前記感光性組成物は、前記バインダーとして、後述するような特定の化合物を使用することに特徴を有する。前記バインダーとして、後述するような特定の化合物を使用することにより、前記感光性組成物は、耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等の様々な特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を形成することが可能となる。
<バインダー>
前記バインダーとしては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物を少なくとも使用する。
前記バインダーとしては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物を少なくとも使用する。
前記一般式(1)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、COOR(Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す)、又は水素であり、相互に異なっていても同一でもよく;R4、及びR5はそれぞれ、炭素数1〜9のアルキル基、又は水素であり、相互に異なっていても同一でもよく;R6は、芳香族テトラカルボン酸二無水物残基であり;Xは、−O−、−S−、−SO2−、−C(CH3)2−、−CH2−、−C(CH3)(C2H5)−、又は−CF3−であり;nは、1以上の整数である。
−一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物−
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物は、その入手方法に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(2)で表される化合物と、芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させて、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有する化合物を得た後、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有する化合物を脱水縮合反応させることにより、得ることができる。より詳細には、前記フェノール化合物は、例えば、特開2003−327646号公報に記載の方法を参照し、製造することができる。
なお、本明細書中において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物を、単に「フェノール化合物」と称することがある。
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物は、その入手方法に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(2)で表される化合物と、芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させて、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有する化合物を得た後、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有する化合物を脱水縮合反応させることにより、得ることができる。より詳細には、前記フェノール化合物は、例えば、特開2003−327646号公報に記載の方法を参照し、製造することができる。
なお、本明細書中において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物を、単に「フェノール化合物」と称することがある。
前記一般式(2)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、COOR(Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す)、又は水素であり、相互に異なっていても同一でもよく;R4、及びR5はそれぞれ、炭素数1〜9のアルキル基、又は水素であり、相互に異なっていても同一でもよく;Xは、−O−、−S−、−SO2−、−C(CH3)2−、−CH2−、−C(CH3)(C2H5)−、又は−CF3−であり;nは、1以上の整数である。
前記一般式(3)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、COOR(Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す)、又は水素であり、相互に異なっていても同一でもよく;R4、及びR5はそれぞれ、炭素数1〜9のアルキル基、又は水素であり、相互に異なっていても同一でもよく;R6は、芳香族テトラカルボン酸二無水物残基であり;Xは、−O−、−S−、−SO2−、−C(CH3)2−、−CH2−、−C(CH3)(C2H5)−、又は−CF3−であり;nは、1以上の整数である。
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−p−テルフェニルテトラカルボン酸、2,2”,3,3”−p−テルフェニルテトラカルボン酸、2,3,3”,4”−p−テルフェニルテトラカルボン酸、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物などが挙げられる。これらの中でも、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物などが一般的であり、かつ、低熱膨張化の点から好ましい。
−一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物−
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物からエポキシ化合物を誘導する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記のようにして得られたフェノール化合物を原料として、エピクロルヒドリンやβ―アルキルエピクロルヒドリン等と反応させることにより、好適にエポキシ化合物を誘導することができる。
なお、本明細書中において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物を、単に「エポキシ化合物」と称することがある。
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物からエポキシ化合物を誘導する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記のようにして得られたフェノール化合物を原料として、エピクロルヒドリンやβ―アルキルエピクロルヒドリン等と反応させることにより、好適にエポキシ化合物を誘導することができる。
なお、本明細書中において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物を、単に「エポキシ化合物」と称することがある。
前記エポキシ化合物は、例えば、市販されているクレゾールノボラック型エポキシ樹脂やフェノールノボラック型エポキシ樹脂等と、同様の反応条件で合成することができる。
−一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物−
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記のようにして得られたエポキシ化合物と、不飽和モノカルボン酸との反応物に、飽和又は不飽和の多塩基酸無水物とを反応させることにより、好適に行うことができる。
なお、前記感光性基は、主に前記エポキシ化合物に感光性を付与する為、また、前記酸基は、主に前記エポキシ化合物にアルカリ現像性を付与する為に導入される。また、本明細書中において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物を、単に「化合物」と称することがある。
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記のようにして得られたエポキシ化合物と、不飽和モノカルボン酸との反応物に、飽和又は不飽和の多塩基酸無水物とを反応させることにより、好適に行うことができる。
なお、前記感光性基は、主に前記エポキシ化合物に感光性を付与する為、また、前記酸基は、主に前記エポキシ化合物にアルカリ現像性を付与する為に導入される。また、本明細書中において、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物を、単に「化合物」と称することがある。
前記不飽和モノカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、耐熱性の観点から、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等が好適に挙げられる。また、前記飽和又は不飽和の多塩基酸無水物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸、トリメリット酸等の無水物が好適に挙げられる。
以上のようにして、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物を得ることができ、前記化合物をバインダーとして使用することができる。
前記バインダーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、前記バインダーとしては、前記化合物(一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物)以外に、更にその他のバインダーを併用してもよい。前記その他のバインダーとしては、特に制限はなく、公知のバインダーの中から、目的に応じて適宜選択することができる。
前記バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、タック性に悪影響を与えることがあり、80質量%を超えると、感度が低下することがある。
前記バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、タック性に悪影響を与えることがあり、80質量%を超えると、感度が低下することがある。
<重合性化合物>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAテトラオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジアクリレート、これらに対応するメタアクリレート等の多官能性化合物、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等、β−ヒドロキシプロピル−β′−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、これに対応するメタアクリレート等の単官能性化合物などが挙げられる。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAテトラオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジアクリレート、これらに対応するメタアクリレート等の多官能性化合物、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等、β−ヒドロキシプロピル−β′−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、これに対応するメタアクリレート等の単官能性化合物などが挙げられる。
前記重合性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性化合物の含有量としては、感光性組成物中の全固形分量に対して、1〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、十分な硬化感度を得られないことがあり、40質量%を超えると、タック性に悪影響を与えることがある。
前記重合性化合物の含有量としては、感光性組成物中の全固形分量に対して、1〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、十分な硬化感度を得られないことがあり、40質量%を超えると、タック性に悪影響を与えることがある。
<熱架橋剤>
前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エポキシ化合物であることが好ましく、前記エポキシ化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール及びアルキルフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDCN−701、704、YDPN−638、602、ダウケミカル(株)製 DEN−431、439、チバ・ガイギ(株)製 EPN−1299、大日本インキ化学工業(株)製N−730、770、865、665、673、VH−4150、4240、日本化薬(株)製 EOCN−120、BREN等)、サリチルアルデヒド−フェノール或いはクレゾール型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 EPPN502H、FAE2500等)、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型又は脂環式のグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 エピコート828、1007、807、大日本インキ化学工業(株)製 エピクロン840、860、3050、ダウ・ケミカル(株)製 DER−330、337、361、ダイセル化学工業(株)製セロキサイド2021、三菱ガス化学(株)製 TETRAD−X、C、日本曹達(株)製 EPB−13、27、チバ・ガイギ(株)製 GY−260、255、XB−2615等)、ゴム変性エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製 エポキシ化ポリブタジエンPB3600、PB4700、エポキシ化ブタジエン−スチレンエポブレンドAT014等)、ポリジメチルシロキサンのエポキシ樹脂(信越シリコン(株)製 X22−163B、KF100T)、両末端カルボン酸のアクリロニトリル−ブタジエンゴムに上述のビスフェノールF、A型エポキシ樹脂の一部を反応させることにより得られるエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 YX4000)、特殊グリシジルエーテル系エポキシ樹脂(ダウケミカル(株)製 TACTIX742等)、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂(東都化成(株)製 ZX1257、YDC1312、新日鐵化学(株)製 ESLV−80XY、ESLV−90DR、ESLV−120TE、ESLV−80DE等)、グリシジルエステル系エポキシ樹脂(ナガセ化成工業(株)製 デコナールEX711等)、グリシジルアミン系エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 エピクロンHP−4032等)、ジシクロエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 エピクロンHP−7200等)、環式脂肪族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
前記熱架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エポキシ化合物であることが好ましく、前記エポキシ化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール及びアルキルフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック類とエピクロルヒドリンを反応させて得られるノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製 YDCN−701、704、YDPN−638、602、ダウケミカル(株)製 DEN−431、439、チバ・ガイギ(株)製 EPN−1299、大日本インキ化学工業(株)製N−730、770、865、665、673、VH−4150、4240、日本化薬(株)製 EOCN−120、BREN等)、サリチルアルデヒド−フェノール或いはクレゾール型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製 EPPN502H、FAE2500等)、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型又は脂環式のグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 エピコート828、1007、807、大日本インキ化学工業(株)製 エピクロン840、860、3050、ダウ・ケミカル(株)製 DER−330、337、361、ダイセル化学工業(株)製セロキサイド2021、三菱ガス化学(株)製 TETRAD−X、C、日本曹達(株)製 EPB−13、27、チバ・ガイギ(株)製 GY−260、255、XB−2615等)、ゴム変性エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製 エポキシ化ポリブタジエンPB3600、PB4700、エポキシ化ブタジエン−スチレンエポブレンドAT014等)、ポリジメチルシロキサンのエポキシ樹脂(信越シリコン(株)製 X22−163B、KF100T)、両末端カルボン酸のアクリロニトリル−ブタジエンゴムに上述のビスフェノールF、A型エポキシ樹脂の一部を反応させることにより得られるエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 YX4000)、特殊グリシジルエーテル系エポキシ樹脂(ダウケミカル(株)製 TACTIX742等)、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂(東都化成(株)製 ZX1257、YDC1312、新日鐵化学(株)製 ESLV−80XY、ESLV−90DR、ESLV−120TE、ESLV−80DE等)、グリシジルエステル系エポキシ樹脂(ナガセ化成工業(株)製 デコナールEX711等)、グリシジルアミン系エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 エピクロンHP−4032等)、ジシクロエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 エピクロンHP−7200等)、環式脂肪族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
更に、前記熱架橋剤は、前記エポキシ化合物の中でも、β−アルキル変性されたエポキシ化合物であることが好ましい。前記β−アルキル変性されたエポキシ化合物としては、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールAのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ジヒドロキシナフタレンのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビナフトールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のナフトール化合物のβ−アルキルグリシジルエーテル;フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;などが挙げられる。
前記熱架橋剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性組成物の全固形分量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、硬化膜の膜強度の向上が認められないことがあり、50質量%を超えると、現像性の低下や露光感度の低下を生ずることがある。
前記熱架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性組成物の全固形分量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、硬化膜の膜強度の向上が認められないことがあり、50質量%を超えると、現像性の低下や露光感度の低下を生ずることがある。
<光重合開始剤>
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、オキシム化合物類等が挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、オキシム化合物類等が挙げられる。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、満足な硬化感度が得られないことがあり、20質量%超えると、硬化膜が脆くなることがある。
前記光重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、満足な硬化感度が得られないことがあり、20質量%超えると、硬化膜が脆くなることがある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機フィラー、エラストマー、着色剤、重合禁止剤、チキソ性付与剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機フィラー、エラストマー、着色剤、重合禁止剤、チキソ性付与剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、などが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、タルク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、雲母粉等の無機充填剤が挙げられる。これらの中でも、硫酸バリウム、タルク、シリカ、水酸化アルミニウムが好ましい。
前記無機フィラーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機フィラーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、5〜80質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることが更に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、耐リフロー性、耐PCT性、反り性が劣ることがあり、80質量%を超えると、塗工性、光硬化性等が劣ることがある。
前記無機フィラーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機フィラーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、5〜80質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることが更に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、耐リフロー性、耐PCT性、反り性が劣ることがあり、80質量%を超えると、塗工性、光硬化性等が劣ることがある。
前記エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、シリコーン系エラストマー等が挙げられる。前記感光性樹脂組成物が、エラストマーを含有することにより、耐リフロー性等を向上させることができる。
前記エラストマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エラストマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、5〜40質量%であることが好ましい。
前記エラストマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エラストマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、5〜40質量%であることが好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどが挙げられる。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどが挙げられる。
前記チキソ性付与剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベントン、モンモリロナイト、エアロジル、アミドワックスなどが挙げられる。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤が挙げられる。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、高分子系等のレベリング剤が挙げられる。
前記密着性付与剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン系、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、ジシアンジアミド、シランカップリング剤等の密着性付与剤が挙げられる。
前記着色剤、前記重合禁止剤、前記チキソ性付与剤、前記消泡剤、前記レベリング剤、前記密着性付与剤等の各種添加剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、それぞれ、0.001〜30質量%であることが好ましい。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどが挙げられる。
前記チキソ性付与剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベントン、モンモリロナイト、エアロジル、アミドワックスなどが挙げられる。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤が挙げられる。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、高分子系等のレベリング剤が挙げられる。
前記密着性付与剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン系、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、ジシアンジアミド、シランカップリング剤等の密着性付与剤が挙げられる。
前記着色剤、前記重合禁止剤、前記チキソ性付与剤、前記消泡剤、前記レベリング剤、前記密着性付与剤等の各種添加剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性樹脂組成物の全固形分量に対して、それぞれ、0.001〜30質量%であることが好ましい。
<感光性組成物の調製>
前記感光性組成物は、例えば、前記各成分を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させることにより、前記感光性組成物溶液として調製することができる。前記感光性組成物溶液の具体的な調製方法としては、後述する通りであるが、前記感光性組成物は、この溶液状の形態に限定されるものではない。
前記感光性組成物は、例えば、前記各成分を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させることにより、前記感光性組成物溶液として調製することができる。前記感光性組成物溶液の具体的な調製方法としては、後述する通りであるが、前記感光性組成物は、この溶液状の形態に限定されるものではない。
(感光性フィルム)
本発明の感光性フィルムは、支持体上に、前記した本発明の感光性組成物からなる感光層が積層されてなる。好ましくは、前記感光層上に保護層が積層されてなり、更に必要に応じて、クッション層(熱可塑性樹脂層)、酸素遮断層(PC層)等のその他の層が積層されてなる。
本発明の感光性フィルムは、支持体上に、前記した本発明の感光性組成物からなる感光層が積層されてなる。好ましくは、前記感光層上に保護層が積層されてなり、更に必要に応じて、クッション層(熱可塑性樹脂層)、酸素遮断層(PC層)等のその他の層が積層されてなる。
前記感光性フィルムの形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に、前記感光層、前記保護層をこの順に有してなる形態、前記支持体上に、前記PC層、前記感光層、前記保護層をこの順に有してなる形態、前記支持体上に、前記クッション層、前記PC層、前記感光層、前記保護層をこの順に有してなる形態等が挙げられる。なお、前記感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
<感光層>
前記感光層の前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記支持体上に積層される。
前記感光層の前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記支持体上に積層される。
前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーは、100mJ/cm2以下であることが好ましく、70mJ/cm2以下であることがより好ましい。前記露光に用いる光の最小エネルギーが、100mJ/cm2を超えると、タクト時間が長くなるため好ましくない。
ここで、「該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギー」とは、いわゆる現像感度であり、例えば、前記感光層を露光したときの前記露光に用いた光のエネルギー量(露光量)と、前記露光に続く前記現像処理により生成した前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)から求めることができる。
前記硬化層の厚みは、前記露光量が増えるに従い増加していき、その後、前記露光前の前記感光層の厚みと略同一且つ略一定となる。前記現像感度は、前記硬化層の厚みが略一定となったときの最小露光量を読み取ることにより求められる値である。
ここで、前記硬化層の厚みと前記露光前の前記感光層の厚みとが±1μm以内であるとき、前記硬化層の厚みが露光及び現像により変化していないとみなす。
前記硬化層及び前記露光前の前記感光層の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、膜厚測定装置、表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400D(東京精密社製))等を用いて測定する方法が挙げられる。
前記硬化層の厚みは、前記露光量が増えるに従い増加していき、その後、前記露光前の前記感光層の厚みと略同一且つ略一定となる。前記現像感度は、前記硬化層の厚みが略一定となったときの最小露光量を読み取ることにより求められる値である。
ここで、前記硬化層の厚みと前記露光前の前記感光層の厚みとが±1μm以内であるとき、前記硬化層の厚みが露光及び現像により変化していないとみなす。
前記硬化層及び前記露光前の前記感光層の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、膜厚測定装置、表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400D(東京精密社製))等を用いて測定する方法が挙げられる。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましく、4〜30μmが更に好ましい。
前記感光層の形成方法としては、前記支持体の上に、前記した本発明の前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホラン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ナイフコート法等の各種の塗布方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
本発明において、前記感光層は、前記したような特定のバインダーと、重合性化合物と、熱架橋剤と、光重合開始剤とを含有してなる感光性組成物により形成され、更に必要に応じて、その他の成分を含有する感光性組成物により形成される。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、且つ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、且つ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、且つ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2μm〜150μmが好ましく、5μm〜100μmがより好ましく、8μm〜50μmが更に好ましい。前記支持体は、単層であってもよいし、多層構成を有していてもよい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さは、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの長さのものが挙げられる。
<保護層>
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護層を形成してもよい。
前記保護層としては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、等が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが更に好ましい。
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護層を形成してもよい。
前記保護層としては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、等が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが更に好ましい。
前記支持体と保護層との組合せ(支持体/保護層)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、支持体及び保護層の少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護層との静摩擦係数は、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状の感光性フィルムの長さは、特に制限はなく、例えば、10〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いることが好ましい。
前記保護層は、前記保護層と前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護層の表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護層の表面に塗布した後、30〜150℃で1〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。前記乾燥させる際の温度は、50〜120℃が更に好ましい。
<その他の層>
前記感光性フィルムにおけるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層(熱可塑性樹脂層)、酸素遮断層(PC層)、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有していてもよい。これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
前記感光性フィルムにおけるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層(熱可塑性樹脂層)、酸素遮断層(PC層)、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有していてもよい。これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
−クッション層(熱可塑性樹脂層)−
前記クッション層(熱可塑性樹脂層)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。
前記クッション層(熱可塑性樹脂層)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。
前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体などが挙げられる。
この場合の熱可塑性樹脂の軟化点(Vicat)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、80℃以下が好ましい。
前記軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂の他、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ性液に可溶なものが挙げられる。また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、該有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
前記軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂の他、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ性液に可溶なものが挙げられる。また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、該有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
また、前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記感光性フィルムの層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記支持体と前記クッション層との間の層間接着力が、最も小さいことが好ましい。このような層間接着力とすることにより、前記感光性フィルムから前記支持体のみを剥離し、前記クッション層を介して前記感光層を露光した後、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することができる。また、前記支持体を残したまま、前記感光層を露光した後、前記感光性フィルムから前記支持体のみを剥離し、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することもできる。
前記層間接着力の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂中に公知のポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤などを添加する方法が挙げられる。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等のアルコール類やエステル類;トルエンスルホンアミド等のアミド類、などが挙げられる。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記感光性フィルムの層間接着力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、各層の層間接着力の中で、前記感光層と前記クッション層との接着力が、最も小さいことが好ましい。このような層間接着力とすることにより、前記感光性フィルムから前記支持体及びクッション層を剥離し、前記感光層を露光した後、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することができる。また、前記支持体を残したまま、前記感光層を露光した後、前記感光性フィルムから前記支持体と前記クッション層を剥離し、アルカリ性の現像液を用いて該感光層を現像することもできる。
前記層間接着力の調整方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記熱可塑性樹脂中に各種のポリマー、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤などを添加する方法、以下に説明するエチレン共重合比を調整する方法などが挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体におけるエチレン共重合比は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、60〜90質量%が好ましく、60〜80質量%がより好ましく、65〜80質量%が特に好ましい。
前記エチレンの共重合比が、60質量%未満になると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が高くなり、該クッション層と該感光層との界面で剥離することが困難となることがあり、90質量%を超えると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が小さくなりすぎるため、該クッション層と該感光層との間で非常に剥離しやすく、前記クッション層を含む感光性フィルムの製造が困難となることがある。
前記エチレンの共重合比が、60質量%未満になると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が高くなり、該クッション層と該感光層との界面で剥離することが困難となることがあり、90質量%を超えると、前記クッション層と前記感光層との層間接着力が小さくなりすぎるため、該クッション層と該感光層との間で非常に剥離しやすく、前記クッション層を含む感光性フィルムの製造が困難となることがある。
前記クッション層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜50μmがより好ましく、15〜40μmが特に好ましい。
前記厚みが、5μm未満になると、基体の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細な永久パターンを形成できないことがあり、50μmを超えると、製造上の乾燥負荷増大等の不具合が生じることがある。
前記厚みが、5μm未満になると、基体の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細な永久パターンを形成できないことがあり、50μmを超えると、製造上の乾燥負荷増大等の不具合が生じることがある。
−酸素遮断層−
前記酸素遮断層は、通常ポリビニルアルコールを主成分として形成されることが好ましく、厚みが0.5〜5μm程度の被膜であることが好ましい。
前記酸素遮断層は、通常ポリビニルアルコールを主成分として形成されることが好ましく、厚みが0.5〜5μm程度の被膜であることが好ましい。
<感光性フィルムの製造方法>
前記感光性フィルムは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光性組成物に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、感光性フィルム用の感光性組成物溶液を調製する。前記溶剤としては、上述したものが挙げられる。
次に、前記支持体上に前記感光性組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、感光性フィルムを製造することができる。前記感光性組成物溶液の塗布方法としては、上述した方法が挙げられる。
前記感光性フィルムは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光性組成物に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、感光性フィルム用の感光性組成物溶液を調製する。前記溶剤としては、上述したものが挙げられる。
次に、前記支持体上に前記感光性組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、感光性フィルムを製造することができる。前記感光性組成物溶液の塗布方法としては、上述した方法が挙げられる。
前記感光性フィルムは、前記感光性組成物を用いるため、耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等の様々な特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を形成することができるものであり、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフ等のパターン形成用などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。また、リジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、BGA(ボールグリッド アレイ)、CSP(チップ サイズ パッケージ)、TCP(テープ キャリアー パッケージ)等のLSIパッケージなどの製造に使用されるソルダーレジストや、多層配線板の層間絶縁材料などに好適に用いることができる。
(感光性積層体)
本発明における感光性積層体は、基体上に、前記した本発明の感光性組成物から形成される感光層を少なくとも有し、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。なお、前記感光層の形成方法としては前記した通りである。
本発明における感光性積層体は、基体上に、前記した本発明の感光性組成物から形成される感光層を少なくとも有し、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。なお、前記感光層の形成方法としては前記した通りである。
<基体>
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
<感光性積層体の製造方法>
前記感光性積層体の製造方法として、第1の態様として、前記感光性組成物を前記基体の表面に塗布し乾燥する方法が挙げられ、第2の態様として、前記感光性フィルムにおける少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記感光性積層体の製造方法として、第1の態様として、前記感光性組成物を前記基体の表面に塗布し乾燥する方法が挙げられ、第2の態様として、前記感光性フィルムにおける少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記第1の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体上に、前記感光性組成物を塗布及び乾燥して感光層を形成する。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基体の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基体の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記塗布方法及び乾燥条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムに用いたものと同じ方法及び条件で行う。
前記第2の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体の表面に本発明の感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する。なお、前記感光性フィルムが前記保護層を有する場合には、該保護層を剥離し、前記基体に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製 VP−II、ニチゴーモートン(株)製 VP130)などが好適に挙げられる。
前記感光性積層体は、前記感光性組成物を用いるため、耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等の様々な特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を形成することができるものであり、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフ等のパターン形成用などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。また、リジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、BGA(ボールグリッド アレイ)、CSP(チップ サイズ パッケージ)、TCP(テープ キャリアー パッケージ)等のLSIパッケージなどの製造に使用されるソルダーレジストや、多層配線板の層間絶縁材料などに好適に用いることができる。
(永久パターン形成方法/永久パターン)
本発明の永久パターン形成方法は、前記した本発明の感光性組成物、又は前記した本発明の感光性フィルムにより形成される感光層に対して露光、現像する工程を含み、更に適宜選択した硬化処理工程、エッチング工程、メッキ工程などのその他の工程を含む。なお、前記感光層の形成方法としては前記した通りである。
本発明の永久パターン形成方法は、前記した本発明の感光性組成物、又は前記した本発明の感光性フィルムにより形成される感光層に対して露光、現像する工程を含み、更に適宜選択した硬化処理工程、エッチング工程、メッキ工程などのその他の工程を含む。なお、前記感光層の形成方法としては前記した通りである。
<露光工程>
前記露光工程は、前記した本発明の感光性組成物、又は前記した本発明の感光性フィルムにより形成される感光層に対し、露光を行う工程である。
前記露光の対象としては、前記感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述のように、基体上に感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層して形成した感光性積層体における感光層に対して行われることが好ましい。前記感光性フィルム、及び基体の材料については上述の通りである。
前記露光工程は、前記した本発明の感光性組成物、又は前記した本発明の感光性フィルムにより形成される感光層に対し、露光を行う工程である。
前記露光の対象としては、前記感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述のように、基体上に感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層して形成した感光性積層体における感光層に対して行われることが好ましい。前記感光性フィルム、及び基体の材料については上述の通りである。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記アナログ露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、(超)高圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプなどで露光を行なう方法が挙げられる。
前記デジタル露光としては、前記フォトマスクを用いずに行なうのであれば特に制限はないが、例えば、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して行なうことが好ましい。
前記デジタル露光で用いる光源としては、紫外から近赤外線を発する光源であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、レーザ等の公知光源が用いられる。これらの中でも、(超)高圧水銀灯、レーザが好ましく、レーザがより好ましい。
前記(超)高圧水銀灯とは、石英ガラスチューブなどに水銀を封入した放電灯であり水銀の蒸気圧を高く設定して発光効率を高めたものである。輝線スペクトルのうち、NDフィルターなどを用いて1波長のみの輝線スペクトルを用いても良く、複数の輝線スペクトルを有する光線を用いてもよい。
ここで、前記光源から発される紫外から近赤外線の波長としては、例えば、300〜1,500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330〜650nmが更に好ましい。
<現像工程>
前記現像工程は、前記露光工程により前記感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、永久パターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像工程は、前記露光工程により前記感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、永久パターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ性の水溶液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHは、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25〜40℃が好ましい。
前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
<硬化処理工程>
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成された永久パターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成された永久パターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成するパターン形成材料中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機、キセノンランプ使用の露光機、レーザ露光機などが好適に挙げられる。露光量は、通常10〜2,000mJ/cm2である。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機、キセノンランプ使用の露光機、レーザ露光機などが好適に挙げられる。露光量は、通常10〜2,000mJ/cm2である。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記パターン形成材料中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記パターン形成材料中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
なお、前記基材が多層配線基板などのプリント配線板である場合には、該プリント配線板上に本発明の永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像工程により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜或いは絶縁膜(層間絶縁膜)としての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
即ち、前記現像工程により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜或いは絶縁膜(層間絶縁膜)としての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
前記永久パターン形成方法においては、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成するのが好ましい。前記永久パターン形成方法により形成される永久パターンが、前記保護膜、前記層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンであると、配線を外部からの衝撃や曲げから保護することができ、特に、前記層間絶縁膜である場合には、例えば、多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの半導体や部品の高密度実装に有用である。
前記永久パターン形成方法は、前記感光性組成物から形成される感光層に対して行われるため、耐熱性、耐湿熱性、密着性、低吸水性、機械特性、電気特性等の様々な特性に優れた高性能な硬化膜(ソルダーレジストパターン、永久パターン)を形成することができる点で、有利である。前記永久パターン形成方法は、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、等の各種パターン形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフ等のパターン形成などに好適であり、特に、プリント基板の永久パターン形成に好適である。また、リジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、BGA(ボールグリッド アレイ)、CSP(チップ サイズ パッケージ)、TCP(テープ キャリアー パッケージ)等のLSIパッケージなどの製造に使用されるソルダーレジストや、多層配線板の層間絶縁材料などの製造にも好適である。
以下、本発明を実施例により説明する。なお、実施例中の軟化点とはJIS K2425(環球法)による値を、水酸基当量、エポキシ当量はg/eqを示す。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1:バインダー1の合成)
−下記構造式(1)で表されるクレゾールノボラック樹脂の合成−
−下記構造式(1)で表されるクレゾールノボラック樹脂の合成−
温度計、コンデンサー、撹拌機、及び滴下ロートを備えた2L4つロフラスコに、o−クレゾール:81gと、50%ホルマリン水溶液:99gを仕込んだ。その後、30質量%NaOH水溶液100gを、30℃以下、2時間の条件で滴下した。ついで、昇温し、60℃、4時間の条件で反応させた後、30℃以下まで冷却した。そして、10質量%酢酸水溶液450gを滴下して中和し、生成物を析出させ、濾過、水洗(1回につき200gの水を使用し、4回操作を行った。)し、50℃以下(約40℃)で減圧乾燥し、生成物(クレゾールノボラック樹脂)を得た。
−下記構造式(2)で表される変性クレゾールノボラック樹脂(アミノ基含有フェノール誘導体)の合成−
温度計、コンデンサー、撹拌機を備えた500ml4つ口フラスコに、前記で得られた生成物(クレゾールノボラック樹脂):100g、アニリン:180g、シュウ酸:2.8gを仕込み、180℃、4時間の条件で反応させた後、−720mmHg/180℃、30分の条件で未反応物を除去した。そして、生成物を取り出したところ、得られた生成物(アミノ基含有フェノール誘導体)の収量は250g、性状は褐色、固体であった。軟化点は113℃であった。
−下記構造式(3)で表されるポリイミドワニス(フェノール化合物)の合成−
前記で得られたアミノ基含有フェノール誘導体を用いて、以下の様にしてポリイミドワニス(ポリイミド樹脂の溶液)を合成した。前記で得られたアミノ基含有フェノール誘導体:6.180g、NMP溶媒32.57gを仕込み、室温で30分攪拌して溶解した。ついで、30℃以下の温度条件でピロメリット酸二無水物:2.180gを添加し1時間攪拌した。その後窒素雰囲気下、1時間かけて180℃まで昇温し、3時間かけて脱水縮合反応(脱水環化)させ、ポリイミドワニス(本発明における「フェノール化合物」に相当)を得た。また、生成物の質量平均分子量は28000であった。
−下記構造式(4)で表されるエポキシ樹脂(エポキシ化合物)の合成−
温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌器を取り付けたフラスコに、前記で得られたポリイミドワニス41重量部、エピクロルヒドリン12重量部を仕込み、80℃に加熱して系内を均一相にした後、30℃に冷却し、フレーク状水酸化ナトリウム(純分99%)0.78重量部を添加し、その後、40℃で1時間、50℃で1時間、60℃で1時間、70℃で1時間反応させた。ついで温水で水洗を繰り返し、系内を中性に戻した後、油層からロータリーエバポレーターを使用し、加熱減圧下で過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物に20重量部のメチルイソブチルケトンを添加し、溶解した。
更に、このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し、30重量%の水酸化ナトリウム水溶液20重量部を添加し、1時間反応させた後、水洗を繰り返し行い、系内を中性とした。ついで油層から加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去し、室温で美黄色、固体のエポキシ樹脂(本発明における「エポキシ化合物」に相当)を得た。
更に、このメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し、30重量%の水酸化ナトリウム水溶液20重量部を添加し、1時間反応させた後、水洗を繰り返し行い、系内を中性とした。ついで油層から加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去し、室温で美黄色、固体のエポキシ樹脂(本発明における「エポキシ化合物」に相当)を得た。
−エポキシアクリレート樹脂(バインダー)の合成−
温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌器を取り付けたフラスコに、前記で得られたエポキシ樹脂50部をカルビトールアセテート6.3部に加熱溶解したものに、撹拌下にアクリル酸7.4部、ハイドロキノン0.01部、及びベンジルジメチルアミン0.01部を加え、110〜115℃で11時間、常法により反応させた。この反応液を冷却した後、カルビトールアセテート3部、テトラヒドロ無水フタル酸7.6部を加え、100℃に昇温すると共に約3時間撹拌下に反応させ、エポキシアクリレート樹脂(本発明における「化合物」に相当)を得、これをバインダー1として使用した。
温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌器を取り付けたフラスコに、前記で得られたエポキシ樹脂50部をカルビトールアセテート6.3部に加熱溶解したものに、撹拌下にアクリル酸7.4部、ハイドロキノン0.01部、及びベンジルジメチルアミン0.01部を加え、110〜115℃で11時間、常法により反応させた。この反応液を冷却した後、カルビトールアセテート3部、テトラヒドロ無水フタル酸7.6部を加え、100℃に昇温すると共に約3時間撹拌下に反応させ、エポキシアクリレート樹脂(本発明における「化合物」に相当)を得、これをバインダー1として使用した。
(合成例2:バインダー2の合成)
クレゾールノボラック樹脂の合成原料として、o−クレゾールに変えて、p−ヒドロキシ安息香酸プロピルに変えた以外は、合成例1と同様の手法にてエポキシアクリレート樹脂を得、これをバインダー2として使用した。
クレゾールノボラック樹脂の合成原料として、o−クレゾールに変えて、p−ヒドロキシ安息香酸プロピルに変えた以外は、合成例1と同様の手法にてエポキシアクリレート樹脂を得、これをバインダー2として使用した。
(合成例3:バインダー3の合成)
クレゾールノボラック樹脂の合成原料として、o−クレゾールに変えて、p−t−ブチルフェノールに変えた以外は、合成例1と同様の手法にてエポキシアクリレート樹脂を得、これをバインダー3として使用した。
クレゾールノボラック樹脂の合成原料として、o−クレゾールに変えて、p−t−ブチルフェノールに変えた以外は、合成例1と同様の手法にてエポキシアクリレート樹脂を得、これをバインダー3として使用した。
(実施例1)
−感光性組成物溶液の調製−
各成分を下記の量で配合して、感光性組成物溶液を調製した。
〔感光性組成物溶液の各成分量〕
・バインダー1(合成例1):45.5質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物):8.4質量部
・下記式I−1で表される光重合開始剤:0.35質量部
・下記式S−1で表される増感剤:0.37質量部
・エポトートYDF−170(熱架橋剤;東都化成社製、ビスフェノールF系エポキシ樹脂):4.6質量部
・ジシアンジアミド:0.80質量部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−176,大日本インキ化学工業(株)製、30質量%2−ブタノン溶液):0.12質量部
・シリカ((株)アドマテックス社製、アドマファインSO−C2):7.1質量部
・着色顔料:0.17質量部
・メチルエチルケトン:33.3質量部
−感光性組成物溶液の調製−
各成分を下記の量で配合して、感光性組成物溶液を調製した。
〔感光性組成物溶液の各成分量〕
・バインダー1(合成例1):45.5質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物):8.4質量部
・下記式I−1で表される光重合開始剤:0.35質量部
・下記式S−1で表される増感剤:0.37質量部
・エポトートYDF−170(熱架橋剤;東都化成社製、ビスフェノールF系エポキシ樹脂):4.6質量部
・ジシアンジアミド:0.80質量部
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−176,大日本インキ化学工業(株)製、30質量%2−ブタノン溶液):0.12質量部
・シリカ((株)アドマテックス社製、アドマファインSO−C2):7.1質量部
・着色顔料:0.17質量部
・メチルエチルケトン:33.3質量部
−感光性フィルムの製造−
得られた感光性組成物溶液を、支持体としての厚み16μm、幅300mm、長さ200mのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ社製、16FB50)上に、バーコーターで塗布し、80℃熱風循環式乾燥機中で乾燥して、厚み30μmの感光層を形成した。次いで、該感光層の上に、保護フィルムとして、膜厚20μm、幅310mm、長さ210mのポリプロピレンフィルム(王子製紙社製、E−200)をラミネーションにより積層し、感光性フィルムを製造した。
得られた感光性組成物溶液を、支持体としての厚み16μm、幅300mm、長さ200mのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ社製、16FB50)上に、バーコーターで塗布し、80℃熱風循環式乾燥機中で乾燥して、厚み30μmの感光層を形成した。次いで、該感光層の上に、保護フィルムとして、膜厚20μm、幅310mm、長さ210mのポリプロピレンフィルム(王子製紙社製、E−200)をラミネーションにより積層し、感光性フィルムを製造した。
−感光性積層体の調製−
次に、基材として、プリント基板としての配線形成済みの銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施したものを調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)社製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
次に、基材として、プリント基板としての配線形成済みの銅張積層板(スルーホールなし、銅厚み12μm)の表面に化学研磨処理を施したものを調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)社製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
−永久パターン形成−
前記感光性積層体を高圧水銀灯で230mJ/cm2の条件で露光し、次いで、150℃×1hの条件で加熱硬化させ、ソルダーレジストパターン(永久パターン)を形成した。
前記感光性積層体を高圧水銀灯で230mJ/cm2の条件で露光し、次いで、150℃×1hの条件で加熱硬化させ、ソルダーレジストパターン(永久パターン)を形成した。
[評価]
前記感光性積層体について、現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。また、前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、ガラス転移温度、熱膨張率、誘電率、誘電正接、破断点強度、弾性率、破断点伸度の評価を行い、更にサーマルサイクルテストを行った。結果を表1に示す。
前記感光性積層体について、現像性、感度、解像度、及び密着性の評価を行った。また、前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、ガラス転移温度、熱膨張率、誘電率、誘電正接、破断点強度、弾性率、破断点伸度の評価を行い、更にサーマルサイクルテストを行った。結果を表1に示す。
<現像性の評価>
前記感光性積層体調製直後、前記感光性積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を最短現像時間として測定し、現像性を評価した。この最短現像時間が短い程、現像性に優れる。
前記感光性積層体調製直後、前記感光性積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を最短現像時間として測定し、現像性を評価した。この最短現像時間が短い程、現像性に優れる。
<感度の評価>
前記調製した感光性積層体における感光性フィルムの感光層に対し、前記支持体側から、光照射手段としての405nmのレーザ光源を有する特開2006−30966号公報に記載のパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して2重露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得た。該感度曲線から、硬化領域の厚みが露光前の感光層と同じ30μmとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
前記調製した感光性積層体における感光性フィルムの感光層に対し、前記支持体側から、光照射手段としての405nmのレーザ光源を有する特開2006−30966号公報に記載のパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して2重露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得た。該感度曲線から、硬化領域の厚みが露光前の感光層と同じ30μmとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
<解像度の評価>
前記感光性積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた感光性積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10〜100μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行った。
この際の露光量は、前記感度の評価における前記感光性フィルムの感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。
銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。
この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常が無く、かつスペース形成可能な最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
前記感光性積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた感光性積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10〜100μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行った。
この際の露光量は、前記感度の評価における前記感光性フィルムの感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。
銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。
この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常が無く、かつスペース形成可能な最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<密着性の評価>
前記感光性積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた感光性積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/5でライン幅10〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を、解像度の評価と同じ露光量で行った。
解像度の評価と同様にして未硬化領域を溶解除去した後、得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンが銅箔から剥離していないこと、硬化樹脂パターン周辺部から現像液が進入していないことを確認できる最小のライン幅を測定し、これを密着性の評価結果とした。
前記感光性積層体を室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた感光性積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/5でライン幅10〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を、解像度の評価と同じ露光量で行った。
解像度の評価と同様にして未硬化領域を溶解除去した後、得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンが銅箔から剥離していないこと、硬化樹脂パターン周辺部から現像液が進入していないことを確認できる最小のライン幅を測定し、これを密着性の評価結果とした。
<ガラス転移温度、熱膨張率>
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、セイコーインスツルーメント(株)社製TMA/SS6100を用いて、昇温速度5℃/minの条件で、室温から150℃の温度範囲で、ガラス転移温度、熱膨張率を測定した。なお、耐熱性の観点から、ガラス転移温度は高いことが望ましく、熱膨張率の値は低いことが望ましい。
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、セイコーインスツルーメント(株)社製TMA/SS6100を用いて、昇温速度5℃/minの条件で、室温から150℃の温度範囲で、ガラス転移温度、熱膨張率を測定した。なお、耐熱性の観点から、ガラス転移温度は高いことが望ましく、熱膨張率の値は低いことが望ましい。
<誘電率、誘電正接>
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、アジレントテクノロジー(株)社製、インピーダンスアナライザー4291Aを用いて、容量法により、1GHzでの誘電率、誘電正接の値を測定した。なお、電気特性の観点から、誘電率、誘電正接の値は低いことが望ましい。
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、アジレントテクノロジー(株)社製、インピーダンスアナライザー4291Aを用いて、容量法により、1GHzでの誘電率、誘電正接の値を測定した。なお、電気特性の観点から、誘電率、誘電正接の値は低いことが望ましい。
<破断点強度、弾性率、破断点伸度>
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、(株)オリエンテック社製テンシロンRTM−50を用いて、JIS K 7113に準じて、破断点強度、弾性率、破断点伸度の測定を行った。なお、機械特性の観点から、破断点強度、破断点伸度の値は高いことが望ましい。なお、弾性率の値については高低の良し悪しは一概には言えず、目的に応じた値であることが望ましい。
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、(株)オリエンテック社製テンシロンRTM−50を用いて、JIS K 7113に準じて、破断点強度、弾性率、破断点伸度の測定を行った。なお、機械特性の観点から、破断点強度、破断点伸度の値は高いことが望ましい。なお、弾性率の値については高低の良し悪しは一概には言えず、目的に応じた値であることが望ましい。
<サーマルサイクルテスト>
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、27個の格子状パターン(2mm角)のうち、−55℃(30分)/125℃(30分)の熱処理を500サイクル繰り返し、27個の格子状パターンのうち、何個のパターンにクラックが入るかを測定した。なお、耐熱性の観点から、クラックの入るパターンの個数は少ないことが望ましい。(表1中には、「クラックの入ったパターンの個数/27」として結果を示した。)
前記ソルダーレジストパターン(永久パターン)について、27個の格子状パターン(2mm角)のうち、−55℃(30分)/125℃(30分)の熱処理を500サイクル繰り返し、27個の格子状パターンのうち、何個のパターンにクラックが入るかを測定した。なお、耐熱性の観点から、クラックの入るパターンの個数は少ないことが望ましい。(表1中には、「クラックの入ったパターンの個数/27」として結果を示した。)
(実施例2)
バインダー1(合成例1)をバインダー2(合成例2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物溶液、感光性フィルム、及び感光性積層体を調製・製造し、永久パターンを形成して、各評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー1(合成例1)をバインダー2(合成例2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物溶液、感光性フィルム、及び感光性積層体を調製・製造し、永久パターンを形成して、各評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
バインダー1(合成例1)をバインダー3(合成例3)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物溶液、感光性フィルム、及び感光性積層体を調製・製造し、永久パターンを形成して、各評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー1(合成例1)をバインダー3(合成例3)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物溶液、感光性フィルム、及び感光性積層体を調製・製造し、永久パターンを形成して、各評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
バインダー1(合成例1)をPR−300(昭和高分子(株)製、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物溶液、感光性フィルム、及び感光性積層体を調製・製造し、永久パターンを形成して、各評価を行った。結果を表1に示す。
バインダー1(合成例1)をPR−300(昭和高分子(株)製、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート)に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物溶液、感光性フィルム、及び感光性積層体を調製・製造し、永久パターンを形成して、各評価を行った。結果を表1に示す。
表1の結果から、前記一般式(1)で表されるような繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる特定のバインダーを含んでなる実施例1〜3の感光性組成物は、現像性、感度、解像度、及び密着性に優れた感光性積層体を提供できるとともに、耐熱性(ガラス転移温度、熱膨張率、サーマルサイクルテスト)、電気特性(誘電率、誘電正接)、及び機械特性(破断点強度、弾性率、破断点伸度)に優れたソルダーレジストパターン(永久パターン)を形成できることがわかった。
一方で、前記特定のバインダーを含まず、従来のバインダーを含む比較例1では、感光性積層体の現像性、感度、解像度、及び密着性には比較的優れているものの、得られたソルダーレジストパターン(永久パターン)の、耐熱性(ガラス転移温度、熱膨張率、サーマルサイクルテスト)、電気特性(誘電率、誘電正接)、及び機械特性(破断点強度、弾性率、破断点伸度)に乏しいことがわかる。
一方で、前記特定のバインダーを含まず、従来のバインダーを含む比較例1では、感光性積層体の現像性、感度、解像度、及び密着性には比較的優れているものの、得られたソルダーレジストパターン(永久パターン)の、耐熱性(ガラス転移温度、熱膨張率、サーマルサイクルテスト)、電気特性(誘電率、誘電正接)、及び機械特性(破断点強度、弾性率、破断点伸度)に乏しいことがわかる。
Claims (8)
- バインダー、重合性化合物、熱架橋剤、及び光重合開始剤を含んでなり、
前記バインダーが、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するフェノール化合物から誘導されるエポキシ化合物に、感光性基及び酸基を導入して得られる化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
- 熱架橋剤が、エポキシ化合物である請求項1に記載の感光性組成物。
- 熱架橋剤が、β−アルキル変性されたエポキシ化合物である請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルム。
- 請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物、又は、請求項4に記載の感光性フィルムにより形成された感光層に対して露光し、現像することを含むことを特徴とする永久パターン形成方法。
- 配線形成済みのプリント配線基板の最外層に、請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物を塗布し、乾燥して形成した感光層に対して、露光し、現像することを含む請求項5に記載の永久パターン形成方法。
- 配線形成済みのプリント配線基板の最外層に、請求項4に記載の感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層して形成した感光層に対して、露光し、現像することを含む請求項5に記載の永久パターン形成方法。
- 請求項5から7のいずれかに記載の永久パターン形成方法により形成されたことを特徴とする永久パターン。
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JP2008086782A JP2009237495A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 感光性組成物、感光性フィルム、永久パターン形成方法、及び永久パターン |
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JP2013534326A (ja) * | 2010-08-03 | 2013-09-02 | 東進セミケム株式会社 | ネガティブ感光性樹脂組成物 |
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2008
- 2008-03-28 JP JP2008086782A patent/JP2009237495A/ja active Pending
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