JP2010238455A - 透明導電性積層体及びそれを用いた透明タッチパネル - Google Patents

透明導電性積層体及びそれを用いた透明タッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間で発生するニュートンリングを防止できる透明導電性積層体を提供する。
【解決手段】透明有機高分子基板16の少なくとも一方の面上に、凹凸表面を有する硬化樹脂層15と透明導電層14とが順次積層された透明導電性積層体14、15、16であって、硬化樹脂層が、硬化樹脂成分、および硬化樹脂成分中に分散している少なくとも1種の平均一次粒子径100nm以下の金属酸化物超微粒子Aおよび金属フッ化物超微粒子Bを有し、硬化樹脂層におけるこれらの超微粒子AおよびBの含有量はそれぞれ、硬化樹脂成分100質量部あたり1質量部以上20質量部未満であり、かつこれらの超微粒子AおよびBの質量比(A/B)が、0.3よりも大きくかつ10未満であり、かつ硬化樹脂成分が、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の樹脂成分を含有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、透明タッチパネル及びそれに好適な透明導電性積層体に関する。さらに詳しくは本発明は、視認性に優れた透明タッチパネル及びそれに用いる透明導電性積層体に関する。
近年、マンマシンインターフェースの一つとして対話型入力方式を実現する透明タッチパネルが多く使用されるようになった。透明タッチパネルは位置検出方式によって、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などがある。このうち抵抗膜方式は、構造が単純で価格/性能比も良いため、近年急速な普及を見せている。
抵抗膜方式の透明タッチパネルは、対向する側に透明導電層を有する2枚のフィルム又はシートを一定間隔に保持して構成される電子部品であり、可動電極基板(視認側の電極基板)をペン又は指で押圧し、たわませ、固定電極基板(対向する側の電極基板)と接触、導通することによって検出回路が位置を検知し、所定の入力がなされるものである。この際、押圧部周辺にニュートンリングと呼ばれる干渉縞が現れることがある。また、押圧しない状態であっても可動電極基板の撓みにより可動電極基板と固定電極基板の間隔が狭くなった部分にニュートンリングが現れることがある。ニュートンリングの発生によりディスプレイの視認性が低下する。
このような抵抗膜方式の透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間に発生するニュートンリングを軽減するためには、適切な形状、大きさの凹凸をフィルム表面に形成する方法が有効である。具体的には、平均一次粒子径1〜4μmのフィラーを所定量含むコーティング層と透明導電層を、プラスチックフィルムの上に形成する方法や(特許文献1参照)、平均二次粒子径1.0〜3.0μmとなるシリカ粒子を含む突起塗工層(突起を有する塗工層)をプラスチックフィルム上に形成する方法が開示されている(特許文献2参照)。
上記のように平均一次粒子径又は二次粒子径が数ミクロン程度の粒子を含有するコーティング層と透明導電層をプラスチックフィルム上に形成した透明導電性積層体を用いた透明タッチパネルの場合、ニュートンリング発生は軽減される。しかし、近年の高精細ディスプレイ上に上記の透明タッチパネルを設置した場合、上記のコーティング層中の粒子周辺の樹脂がレンズ効果を果たすことによって、ディスプレイから来る光の色分離(チラツキ(sparkling))を起こし、ディスプレイの視認性を著しく劣化させる問題が発生していた。
また、上記以外のニュートンリングを軽減するためのコーティング層として、平均一次粒子径が0.5μm以上5μm以下の無機微粒子を含有する硬化樹脂に、平均一次粒子径100nm以下の無機超微粒子を添加することで、凹凸形状を制御しニュートンリング発生とチラツキ発生による視認性劣化を同時に軽減する方法が開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、この方法で形成されたアンチニュートンリング層は、タッチパネルに要求される摺動耐久性や端押し耐久性試験を行った場合、これら無機粒子によって形成されている突起部分から透明導電層が劣化・剥離し始め、最期にはタッチパネルとしての電気特性が劣化する問題がある。
また打点耐久試験を行った場合、可動電極基板の透明導電層形成面に含有される無機微粒子によって形成された突起が、固定電極基板上に形成されたドットスペーサーを破壊し、破片がタッチパネル内に飛散する。このように飛散したドットスペーサーの破片が可動電極基板と固定電極基板間の導通を妨げ、タッチパネルの電気特性を劣化させる問題がある。更にこれら飛散したドットスペーサーの破片は、可動電極基板と固定電極基板の透明導電層を着傷し、タッチパネルの電気特性を劣化させる問題もある。
さらにこのような無機微粒子を用いて形成されたアンチニュートンリング層を固定電極基板として用いた場合には、無機微粒子によって形成された突起が可動電極基板の透明導電層を着傷し、タッチパネルの電気特性が劣化する問題もある。また、数μm程度の微粒子を含む樹脂層を、グラビアコーター等を使用したウェットコーティングで形成する場合、塗工液中の微粒子が経時的に沈降するため、頻繁に塗工液交換が必要であり、生産性に問題があった。
膜表面に凹凸形状を形成するために1μm以上の無機微粒子を使用しない方法として、熱可塑性樹脂及び平均一次粒子径が0.001μm以上かつ1μm未満の無機微粒子を、活性化エネルギー線を照射することで重合可能な化合物又はそのオリゴマーと組み合わせている例があるが、このような手法で形成された層では、ヘーズが極端に高くなるため、ディスプレイの視認性を悪化させる問題がある(特許文献4参照)。
また、平均一次粒子径100nm以下の超微粒子を1.0μm未満の凝集体として又は凝集体を形成しない状態で硬化樹脂層中に分散させることにより、凹凸形状を形成する方法も開示されているが、このような手法で形成されたアンチニュートンリング層は凹凸が小さいため、押圧が強い場合には、ニュートンリングが確認されるものであった(特許文献5、6、7、8参照)。
特開平10−323931号公報 特開2002−373056号公報 特開2006−190512号公報 特開2002−275391号公報 特開2006−056136号公報 特開2005−209431号公報 特開2004−351744号公報 特開2004−195898号公報
本発明の目的は、透明タッチパネルを高精細ディスプレイ上に設置しても、チラツキによる視認性劣化を起こさず、且つ透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間で発生するニュートンリングを防止できる透明タッチパネル用透明導電性積層体を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記視認性を維持し、かつ生産性の良好な透明導電性積層体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記透明導電性積層体を用いた新規な透明タッチパネルを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために超微粒子を用いた粗面化技術を鋭意検討した結果、平均1次粒径100nm以下の金属酸化物超微粒子と、平均1次粒径100nm以下の金属フッ化物超微粒子とを、特定の比率で混合して使用することによって、金属酸化物超微粒子と金属フッ化物超微粒子とが硬化樹脂層中で弱い会合状態を形成して所望の凹凸形状が形成されること、及び硬化樹脂層を構成する硬化樹脂成分が、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の樹脂成分を含有すると、この凹凸形状の形成を更に制御でき、それによって所望のアンチニュートンリング性、像鮮明度、及び耐チラツキ性が得られることを見出し、下記の本発明に想到した。
〈1〉透明有機高分子基板の少なくとも一方の面上に、凹凸表面を有する硬化樹脂層と透明導電層とが順次積層されてなり、且つ以下(a)〜(e)を満たす、透明導電性積層体:
(a)上記硬化樹脂層が、硬化樹脂成分、並びに上記硬化樹脂成分中に分散している平均一次粒子径100nm以下の金属酸化物超微粒子A及び平均一次粒子径100nm以下の金属フッ化物超微粒子Bを有し、
(b)上記硬化樹脂層における金属酸化物超微粒子Aの含有量は、上記硬化樹脂成分100質量部あたり1質量部以上20質量部未満であり、
(c)上記硬化樹脂層における金属フッ化物超微粒子Bの含有量は、上記硬化樹脂成分100質量部あたり1質量部以上20質量部未満であり、
(d)上記硬化樹脂層における金属酸化物超微粒子Aの金属フッ化物超微粒子Bに対する質量比(A/B)が、0.3よりも大きくかつ10未満であり、かつ
(e)上記硬化樹脂成分が、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の樹脂成分を含有すること。
〈2〉下記の式(1)及び(2)を満たす、上記〈1〉項記載の透明導電性積層体:
70%≦α≦98% …(1)
0.50<β/α<1.05 …(2)
(α:2.0mmの光学くしを使った場合の、垂直入射光での透過像鮮明度、
β:2.0mmの光学くしを使った場合の、入射角60°の入射光での透過像鮮明度)。
〈3〉上記硬化樹脂層の膜厚が0.1μm以上7μm未満である、上記〈1〉又は〈2〉項記載の透明導電性積層体。
〈4〉上記硬化樹脂層の十点平均粗さ(Rz)が、50nm以上2000nm未満であり、かつ上記硬化樹脂層の算術平均粗さ(Ra)が、2nm以上200nm未満である、上記〈1〉〜〈3〉項のいずれか記載の透明導電性積層体。
〈5〉少なくとも片面に透明導電層が設けられた2枚の透明電極基板が、互いの透明導電層同士が向き合うように配置されて構成された透明タッチパネルにおいて、少なくとも一方の透明電極基板として上記〈1〉〜〈4〉項のいずれか記載の透明導電性積層体を有する、透明タッチパネル。
本発明によれば、高精細ディスプレイ上に設置しても、チラツキによる視認性劣化を起こさない透明タッチパネルであって、透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間で発生するニュートンリングを防止できる透明タッチパネルのための透明導電性積層体が提供される。この本発明の透明導電性積層体では、垂直方向だけでなく、斜め方向においても、大きい像鮮明度を有することができる。また、本発明によれば、このような本発明の透明導電性積層体を用いてなるディスプレイ及び光学電子部品が提供される。
より具体的には、本発明の透明導電性積層体は、光学電子部品として用いる場合、ニュートンリングを軽減しつつ、高精細ディスプレイに適応しても画素の色分離(チラツキ)を生じさせにくく、かつ広い角度で大きい像鮮明度を有するいという光学特性のバランスを可能とせしめ、従来の技術では実現できなかった視認性に優れた光学特性を有する全く新機能なタッチパネル用基板として応用することができる。
また、本発明の透明導電性積層体を使用した透明タッチパネルでは、可動電極基板と固定電極基板間に発生するニュートンリングを抑制しつつ、高精細表示体上での画素の色分離(チラツキ)を抑制し、かつ広い角度で大きい像鮮明度を有することができる。
さらに、本発明の透明導電性積層体では、生産時における塗工液の交換頻度を減らすことができる。
参考例1で形成した凹凸表面を有する硬化樹脂層付き高分子基板を、硬化樹脂で包埋後、ミクロトームで薄片試料とし、透過電子顕微鏡で撮影した断面写真である。 図1の超微粒子を含有した凹凸表面を有する硬化樹脂層をさらに拡大撮影した断面写真である。 本発明の透明導電性積層体を有する透明タッチパネルの例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
本発明の透明導電性積層体は、透明有機高分子基板の少なくとも一方の面上に、凹凸表面を有する硬化樹脂層と透明導電層とが順次積層された透明導電性積層体である。この本発明の透明導電性積層体の1つの態様は、図3に示すように、透明有機高分子基板(16)の少なくとも一方の面上に、凹凸表面を有する硬化樹脂層(15)と透明導電層(14)とが順次積層された透明導電性積層体である。この図3で示す本発明の透明導電性積層体の1つの態様では、本発明の透明導電性積層体(14、15、16)は、透明導電層(12)を有するガラス板のような他の基板(11)と、互いの透明導電層(12、14)同士が向き合うように配置され、その間にスペーサー(13)が配置されて、透明タッチパネル(20)を形成することができる。
〈透明有機高分子基板〉
本発明の透明導電性積層体で用いられる透明有機高分子基板は、任意の透明有機高分子基板、特に光学分野で使用されている耐熱性、透明性等に優れた透明有機高分子基板であってよい。
本発明の透明導電性積層体に用いる透明有機高分子基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなる基板があげられる。また、本発明の透明導電性積層体に用いる透明有機高分子基板としては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドに代表されるアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなる基板もあげられる。またさらに、本発明の透明導電性積層体に用いる透明有機高分子基板としては、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや上記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなる基板などもあげられる。
本発明の透明導電性積層体における用途では、これら透明有機高分子基板のうち、光学的に複屈折の少ないもの、あるいは複屈折をλ/4やλ/2に制御したもの、さらには複屈折をまったく制御していないものを、用途に応じて適宜選択することができる。ここで言うように用途に応じて適宜選択を行う場合としては、例えば液晶ディスプレイに使用する偏光板や位相差フィルム、インナー型のタッチパネルのように、直線偏光、楕円偏光、円偏光などの偏光によって機能を発現するディスプレイ部材として、本発明の透明導電性積層体を用いる場合をあげることができる。
透明高分子基板の膜厚は適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性などの点より10〜500μm程度であり、特に20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
〈硬化樹脂層〉
本発明の透明導電性積層体に用いられる凹凸形状を有する硬化樹脂層は、硬化樹脂成分、並びにこの硬化樹脂成分中に分散している少なくとも一種の平均1次粒子径100nm以下の金属酸化物超微粒子A及び平均1次粒子径100nm以下の金属フッ化物超微粒子Bを含有している。
〈硬化樹脂層−硬化樹脂成分〉
硬化性樹脂成分としては、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の樹脂成分を含有し、平均一次粒子径100nm以下の超微粒子の分散が可能であり、硬化樹脂層形成後に皮膜として十分な強度を持ち、かつ透明性のあるものを特に制限なく使用でき、例えば電離放射線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂等が挙げられる。
物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の樹脂成分については、例えば国際公開WO2005/073763号公報を参照することができる。
例えばこの国際公開WO2005/073763号公報に記載のように、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の樹脂成分は、透明有機高分子基板上に塗布されて硬化樹脂層を形成するときに、第1及び第2の樹脂成分の物性の差に基づいて、第1の樹脂成分と第2の樹脂成分とが相分離することにより、表面にランダムな凹凸を有する樹脂層を形成する。この第1及び第2の樹脂成分によって形成される凹凸を、下記で説明する金属酸化物超微粒子Aと金属フッ化物超微粒子Bとの組み合わせによる凹凸表面の形成と組み合わせることによって、凹凸表面のより高度な制御が可能になる。
なお、具体的な第1及び第2の樹脂成分は、それぞれ独立に、モノマー、オリゴマー及び樹脂からなる群から選択することができる。
第1及び第2の樹脂成分の物性の差に基づいて第1の樹脂成分と第2の樹脂成分とが相分離をもたらすためには、第1の樹脂及び第2の樹脂成分の特定の物性の値の差、例えばSP値(溶解性パラメーター(Solubility Parameter))、ガラス転移温度(Tg)、表面張力、及び/又は数平均分子量等の値の差が、一定の大きさを有するようにすることができる。ここで、第1及び第2の樹脂成分は、1:99〜99:1、好ましくは1:99〜50:50、より好ましくは1:99〜20:80の割合で用いることができる。
(第1及び第2成分−SP値)
第1の樹脂成分と第2の樹脂成分との相分離がSP値(溶解性パラメータ)の差によってもたらされる場合、第1の樹脂成分のSP値と第2の樹脂成分のSP値との差が、0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。このSP値の差の上限は特に限定されないが、一般には15以下である。第1の樹脂成分のSP値と第2の樹脂成分のSP値との差が0.5以上ある場合は、互いの樹脂の相溶性が低く、それによりコーティング組成物の塗布後に第1の樹脂成分と第2の樹脂成分との相分離がもたらされると考えられる。
なお、SP値は、数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。本発明に関して、SP値は、SUH、CLARKE、J.P.S.A−1、5、1671〜1681(1967)、及びこの文献を引用している上記の国際公開WO2005/073763号公報に記載の方法によって実測されるものである。
この場合の第1及び第2の樹脂成分の例として、第1の樹脂成分がオリゴマー又は樹脂であり、且つ第2の樹脂成分がモノマーである場合が挙げられる。第1の樹脂成分のオリゴマー又は樹脂は、不飽和二重結合含有アクリル共重合体であることがより好ましく、また第2の樹脂成分のモノマーは、多官能性不飽和二重結合含有モノマーであることがより好ましい。なお、本明細書でいう「オリゴマー」とは、繰り返し単位を有する重合体であって、この繰り返し単位の数が3〜10であるものをいう。
また、第1及び第2の樹脂成分の他の例として、第1及び第2の樹脂成分が、共にオリゴマー又は樹脂である場合が挙げられる。第1及び第2の樹脂成分は、(メタ)アクリル樹脂を骨格構造に含む樹脂であることが好ましい。この第1の樹脂成分は、不飽和二重結合含有アクリル共重合体であることがより好ましく、また第2の樹脂成分は、多官能性不飽和二重結合含有モノマーであることがより好ましい。
なお、本発明の硬化樹脂層のためのコーティング組成物は、さらに有機溶媒を含んでもよい。好ましい有機溶媒としては、例えばメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール等のアルコール系溶媒、アニソール等のエーテル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、また2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
(第1及び第2の樹脂成分−ガラス転移温度(Tg))
第1の樹脂成分と第2の樹脂成分との相分離がガラス転移温度(Tg)の差によってもたらされる場合、第1及び第2の樹脂成分のうちいずれか一方が、コーティング組成物塗布時の環境温度より低いTgを有し、他方がコーティング組成物塗布時の環境温度より高いTgを有することが好ましい。この場合は、環境温度より高いTgを有する樹脂は、その環境温度では分子運動が制御されたガラス状態であるため、塗布後にコーティング組成物中で凝集し、それにより第1の樹脂成分と第2の樹脂成分との相分離がもたらされると考えられる。
(第1及び第2の樹脂成分−表面張力)
第1の樹脂成分と第2の樹脂成分との相分離が、表面張力の差によってもたらされる場合、第1の樹脂成分の表面張力と第2の樹脂成分の表面張力との差が、1〜70dyn/cmであることが好ましく、この差が5〜30dyn/cmであることがさらに好ましい。表面張力の差がこの範囲である場合には、より高い表面張力を有する樹脂が凝集する傾向にあり、それによりコーティング組成物の塗布後に、第1の樹脂成分と第2の樹脂成分との相分離がもたらされると考えられる。
なお、この表面張力は、ビックケミー社製ダイノメーターを用いて輪環法で測定した静的表面張力を求めることによって測定することができる。
〈硬化樹脂層−超微粒子〉
(材料)
硬化樹脂に配合する平均一次粒子径100nm以下の金属酸化物超微粒子Aは、本質的には限定されるものではないが、Al、Bi、CeO、In、In・SnO、HfO、La、Sb、Sb・SnO、SiO、SnO、TiO、Y、ZnO及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも一種を好適に用いることができ、Al3、SiOを特に好適に用いることができる。また、金属酸化物超微粒子Aは、平均一次粒子径100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、又は50nm以下とすることができる。
硬化樹脂に配合する平均一次粒子径100nm以下の金属フッ化物超微粒子Bは、MgFが特に好適に用いられるが、これに限定されるものではない。また、金属フッ化物超微粒子Bは、平均一次粒子径100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、又は50nm以下とすることができる。
(分散状態)
本発明の用途において凹凸の形状を形成する硬化樹脂層には、高精細ディスプレイ上に設置した場合にも、良好な視認性を保持する事が求められるが、金属酸化物超微粒子A及び/又は金属フッ化物超微粒子Bが光学波長以上の明確な凝集体を形成する場合には、チラツキが大きくなり視認性が低下する。一方、金属酸化物超微粒子A及び金属フッ化物超微粒子Bが実質的に均質に分散する場合には、形成される凹凸の高さが低くなり、透明タッチパネルを構成する2枚の透明電極基板間で発生するニュートンリングを防止できず、実使用時の視認性が著しく低下する。
したがって、本発明の透明導電性積層体では、金属酸化物超微粒子A及び金属フッ化物超微粒子Bが、1μm以上の二次凝集体若しくは二次粒子を形成していないことが好ましく、特に光学波長以上の二次凝集体若しくは二次粒子、例えば600nm以上の二次凝集体若しくは二次粒子を形成していないことが好ましい。ただし、平均一次粒子径100nm以下の金属酸化物超微粒子A及び/又は金属フッ化物超微粒子Bが光学波長未満の二次凝集体を形成するような状態はあっても良い。
また、本発明の透明導電性積層体では、金属酸化物超微粒子A及び金属フッ化物超微粒子Bが弱い会合状態をとることにより、適切な形状の凹凸を表面に形成することができる。
(配合比)
硬化樹脂に上記超微粒子を分散させる配合比は、硬化樹脂成分100質量部に対し、金属酸化物超微粒子Aと金属フッ化物超微粒子Bがそれぞれ、1質量部以上20質量部未満であることが必要であり、好ましくは1質量部以上15質量部以下であり、更に好ましくは1質量部以上10質量部以下である。これは、金属酸化物超微粒子A及び/又は金属フッ化物超微粒子Bが少なすぎる場合には、本発明の用途に必要な表面に凹凸を有する樹脂層を形成することは難しく、他方でこの割合が大きすぎる場合には、硬化樹脂成分の割合が少なくなるために、硬化樹脂層形成後の皮膜として十分な強度を持つことが難しくなるためである。
また、硬化樹脂層の凹凸を充分に大きくするためには、金属酸化物超微粒子Aの金属フッ化物超微粒子Bに対する質量比(A/B(%))が、0.3よりも大きく且つ10.0以下ことが必要であり、好ましくはこの比が0.3よりも大きく且つ5.0以下である。
〈硬化樹脂層−膜厚〉
表面に凹凸を有する硬化樹脂層の膜厚は、0.1μm以上7μm未満、1μm以上7μm未満であることが好ましい。膜厚が小さすぎる場合には、特に紫外線硬化樹脂が酸素による影響で硬化不足となりやすいため好ましくない。また、膜厚が小さすぎる場合には、十分な硬度が得られない、基材からの発生物等を封止できない等の問題が生じる場合がある。反対に膜厚が大きすぎる場合には、紫外線硬化樹脂の硬化収縮が高分子基板を撓ませ、カールが発生するので好ましくない。
硬化樹脂層の表面の凹凸は、膜厚によっても影響を受けるので、膜厚を制御することは非常に重要である。特に本発明の場合、硬化樹脂成分に対し、加える金属酸化物超微粒子A及び金属フッ化物超微粒子Bを一定の量として膜厚だけを変化させた場合、膜厚を薄くするほど表面凹凸は微細化する傾向にあり、逆に膜厚を厚くするほど表面は粗面化する傾向がある。
これに関し、本発明の透明導電性積層体では、第1及び第2の樹脂成分によって形成される凹凸と、金属酸化物超微粒子Aと金属フッ化物超微粒子Bとの組み合わせによる凹凸を組み合わせることによって、比較的厚い膜厚、例えば2μm以上、3μm以上、又は4μm以上の膜厚においても、凹凸のピッチが細かく、それによって像鮮明度及び耐チラツキ性が良好な透明導電性積層体を得ることができる。
〈硬化樹脂層−他の成分〉
また、本発明における硬化樹脂層の表面の凹凸は使用する超微粒子のチクソ性にも依存する。それ故、チクソ性を発現、あるいは制御する目的で、硬化樹脂層を形成する際に、溶媒や分散剤を適宜選択して用いることができる。溶媒としては例えば、アルコール系、芳香族系、ケトン系、ラクテート系、セルソルブ系、グリコール系などの各種が使用できる。分散剤としては例えば、脂肪酸アミン系、スルホン酸アミド系、ε−カプロラクトン系、ハイドロステアリン酸系、ポリカルボン酸系、ポリエステルアミンなど各種が使用できる。これらの溶媒や分散剤は、それぞれ単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〈硬化樹脂層−表面の凹凸〉
(十点平均粗さ(Rz))
硬化樹脂層の表面の凹凸は、十点平均粗さ(Rz)が、50nm以上2000nm未満であることが望ましく、100nm以上1000nm未満であることがより望ましく、100nm以上800nm未満であることが特に望ましい。十点平均粗さ(Rz)が小さすぎる場合には、ガラスやフィルム基板を本発明の凹凸面に強く接触させた際に、ニュートンリングが生じる。一方で十点平均粗さ(Rz)が大きすぎる場合には、ヘーズが大きくなり、高精細の液晶ディスプレイに適応すると、画素の色分離が生じてチラツキを起こすなどの理由から特にディスプレイ用途の基板としては好ましくない。
なお、本発明に関して、十点平均粗さ(Rz)は、JIS B0601−1982準拠で定義されるものである。具体的には、十点平均粗さ(Rz)は、アナログ式表面粗さ測定器によって求めた値であり、基準長さの断面曲線(測定したままのデータ)において、最高の山頂から高い順に5番目までの山高さの平均と最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和として定義される値である。ここで、基準長さは0.25mmとする。
(平均算術粗さ(Ra))
また、硬化樹脂層の表面の凹凸は平均算術粗さ(Ra)は、2nm以上200nm未満であることが望ましく、10nm以上150nm未満であることがより望ましく、20nm以上100nm未満であることが特に望ましい。平均算術粗さ(Ra)が大きすぎると、ヘーズが大きくなり、高精細の液晶ディスプレイに適応すると、画素の色分離が生じてチラツキを起こすなどの理由から特にディスプレイ用途の基板としては好ましくない。一方、平均算術粗さ(Ra)が小さすぎる場合には、ガラスやフィルム基板を本発明の凹凸面に強く接触させた際に、ニュートンリングが生じる。
なお、本発明に関して、平均算術粗さ(中心線平均粗さ)(Ra)は、JIS B0601−1994準拠で定義されるものである。具体的には、算術平均粗さ(Ra)は、粗さ曲線からその中心線の方向に基準長さLの部分を抜き取り、その抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表した時、下記の式によって表されるものである:
〈硬化樹脂層−ヘーズ〉
本発明の凹凸表面を有する硬化樹脂層は、溶媒、分散剤、金属酸化物超微粒子A及び/又は金属フッ化物超微粒子Bの添加量、第1及び第2の樹脂成分の添加量、硬化樹脂層の膜厚などのパラメーターをかえることによって、Rz、Ra、さらにはヘーズを自由に制御することができる。
視認性の観点から本発明の導電性積層体のヘーズは、1%以上10%未満であることが望ましく、1%以上8%未満がより望ましく、1%以上7%未満が特に望ましく、1%以上6%未満が更に特に望ましい。
なお、本発明に関して、ヘーズは、JIS K7136準拠で定義されるものである。具体的には、ヘーズは、全光線透過率τに対する拡散透過率τの比として定義される値であり、より具体的には下記の式から求めることができる:
ヘーズ(%)=[(τ/τ)−τ(τ/τ)]×100
τ: 入射光の光束
τ: 試験片を透過した全光束
τ: 装置で拡散した光束
τ: 装置及び試験片で拡散した光束
〈硬化樹脂層−像鮮明度〉
硬化樹脂層は特に、本発明の導電性積層体が像鮮明度に関する下記の式(1)及び(2)を満たすようにできる:
70%≦α≦98%、好ましくは75%≦α≦95%、より好ましくは77%≦α≦95%、更により好ましくは80%≦α≦93%
…(1)
0.50<β/α<1.05、好ましくは0.80<β/α<1.05、より好ましくは0.85<β/α<1.05、更により好ましくは0.90<β/α<1.05
…(2)
(α:2.0mmの光学くしを使った場合の、垂直入射光での透過像鮮明度、
β:2.0mmの光学くしを使った場合の、入射角60°の入射光での透過像鮮明度)。
これらの透過像鮮明度は、JIS K7105(1999年版)に準拠して、2.0mmの光学くしを用いたときの透過の像鮮明度(%)として測定できる。
式(1)の関係が満たされることは、ディスプレイ上に透明導電性フィルムを置いたときに、垂直方向から見た透過像の歪みが小さいことを意味する。また、式(1)と並んで式(2)の関係が満たされることは、ディスプレイ上に透明導電性フィルムを置いたときに、垂直方向及び斜め方向から見た透過像の歪みが小さいことを意味する。
〈硬化樹脂層−形成方法〉
本発明の凹凸表面を有する硬化樹脂層の形成方法としては、特に湿式法による形成が好適であり、例えばドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコータ−、スプレー法、浸漬法等、公知のあらゆる方法を用いることができる。
〈透明導電層〉
本発明において、透明導電層は、特に制限は無いが、例えば結晶質の金属層あるいは結晶質の金属化合物層を挙げることができる。透明導電層を構成する成分としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の層が挙げられる。これらのうち酸化インジウムを主成分とした結晶質の層であることが好ましく、特に結晶質のITO(Indium Tin Oxide)からなる層が好ましく用いられる。
また、透明導電層が結晶質の場合、結晶粒径は、特に上限を設ける必要はないが3000nm以下であることが好ましい。結晶粒径が3000nmを超えると筆記耐久性が悪くなるため好ましくない。ここで結晶粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)下で観察される多角形状又は長円状の各領域における対角線又は直径の中で最大のものと定義される。
透明導電層が結晶質の膜でない場合には、タッチパネルに要求される摺動耐久性や環境信頼性が低下することがある。
透明導電層は、公知の手法にて形成することが可能であり、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法等の物理的形成法(Physical Vapor Deposition(以下では「PVD」とする))等を用いることができるが、大面積に対して均一な膜厚の金属化合物層を形成するという工業生産性に着目すると、DCマグネトロンスパッタリング法が望ましい。なお、上記物理的形成法(PVD)のほかに、化学気相堆積法(Chemical Vapor Deposition(以下では「CVD」とする))、ゾルゲル法などの化学的形成法を用いることもできるが、膜厚制御の観点からはやはりスパッタリング法が望ましい。
透明導電層の膜厚は、透明性と導電性の点から5〜50nmであることが好ましい。更に好ましくは5〜30nmである。透明導電層の膜厚が5nm未満では抵抗値の経時安定性に劣る傾向が有り、また50nmを超えると表面抵抗値が低下するためタッチパネルとして好ましくない。
本発明の透明導電性積層体をタッチパネルに用いる場合、タッチパネルの消費電力の低減と回路処理上の必要等から、膜厚10〜30nmにおいて透明導電層の表面抵抗値が100〜2000Ω/□(Ω/sq)、より好ましくは140〜1000Ω/□(Ω/sq)の範囲を示す透明導電層を用いることが好ましい。
〈金属化合物層〉
本発明の透明導電性積層体は、凹凸表面を有する硬化樹脂層と透明導電層の間に、膜厚が0.5nm以上5.0nm未満の金属化合物層を更に有していてもよい。
透明有機高分子基板、凹凸表面を有する硬化樹脂層、膜厚が制御された金属化合物層、透明導電層を順次積層することにより各層間の密着性が大幅に改善される。さらに、硬化樹脂層中の金属酸化物超微粒子A及び/又は金属フッ化物超微粒子Bの金属と上記の金属化合物層の金属を同一にすることで、凹凸表面を有する硬化樹脂層と透明導電層の層間の密着性が更に改善される。
このような金属化合物層を有する透明導電性積層体を用いた透明タッチパネルでは、金属化合物層がない場合と比較して、透明タッチパネルに要求される筆記耐久性が向上する。金属化合物層の膜厚が5.0nm以上では、金属化合物層が連続体としての機械物性を示し始めることにより、透明タッチパネルに要求される端押し耐久性の向上は望めない。一方、0.5nm未満の膜厚では膜厚の制御が困難なことに加え、凹凸表面を有する硬化樹脂層と透明導電層との密着性を十分発現させることが困難になり、透明タッチパネルに要求される筆記耐久性の向上は不十分となることがある。
金属化合物層を構成する成分としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等の金属酸化物の層が挙げられる。
これらの金属化合物層は、公知の手法にて形成することが可能であり、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法等の物理的形成法(PVD)等を用いることができるが、大面積に対して均一な膜厚の金属化合物層を形成するという工業生産性に着目すると、DCマグネトロンスパッタリング法が望ましい。なお、上記物理的形成法(PVD)のほかに、化学気相堆積法(CVD)、ゾルゲル法などの化学的形成法を用いることもできるが、膜厚制御の観点からはやはりスパッタリング法が望ましい。
スパッタリングに用いるターゲットは金属ターゲットを用いることが望ましく、反応性スパッタリング法を用いることが広く採用されている。これは、金属化合物層として用いる元素の酸化物が絶縁体であることが多く、金属化合物ターゲットの場合DCマグネトロンスパッタリング法が適応できないことが多いからである。また、近年では、2つのカソードを同時に放電させ、ターゲットへの絶縁体の形成を抑制するような電源が開発されており、擬似的なRFマグネトロンスパッタリング法を適応できるようになってきている。
〈光学干渉層及びハードコート層〉
本発明の透明導電性積層体には、用途に応じて光学干渉により反射率を制御する光学干渉層及びハードコート層を単独、あるいは複数を必要に応じて適切な順に、組み合わせて用いることができる。透明導電層、光学干渉層、及びハードコート層の積層順は、用途に応じて発現を期待される機能を果たしていれば特に限定するものではない。これらの積層順を例えばタッチパネル用基板として用いる場合、透明導電層をA、光学干渉層をB、凹凸表面を有する硬化樹脂層をC、透明有機高分子基板をD、ハードコートをEとすると、例えばA/B/C/D/E、A/B/C/D/C、A/B/B/C/D/E、A/B/B/C/D/C、A/C/D/E/B、A/C/D/C/B、A/C/D/E/B/B、A/C/D/C/B/B、B/A/C/D/E、B/A/C/D/C、などとすることができる。
光学干渉層は、高屈折率層と低屈折率層を適宜組み合わせることにより反射光を防止あるいは抑制する層を指す。光学干渉層は少なくとも一層の高屈折率層と少なくとも一層の低屈折率層より構成される。高屈折率層と低屈折率層の組み合わせ単位を二つ以上とすることも出来る。光学干渉層が一層の高屈折率層と一層の低屈折率層から構成される場合、光学干渉層の膜厚は30nm〜150nmが好ましく、更に好ましくは50nm〜150nmである。光学干渉層は、湿式法、乾式法のいずれの方法でも形成することができる。例えば湿式法ではドクターナイフ、バーコーター、グラビアロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スピンコータ−等、スプレー法、浸漬法等、乾式法ではスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法あるいは印刷法、CVD法などを適応することが出来る。
ハードコート層としては、熱硬化樹脂や活性エネルギー線硬化樹脂などが適応できる。なかでも、活性エネルギー線に紫外線を用いた、紫外線硬化型樹脂は生産性や経済性に優れており好適である。
ハードコート層のための紫外線硬化型樹脂としては、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリイソプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート及びビスフェノールAジメタクリレートの如きジアクリレート類;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールモノヒドロキシトリアクリレート及びトリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレートの如きトリアクリレート類;ペンタエリトリトールテトラアクリレート及びジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレートの如きテトラアクリレート類;並びにジペンタエリトリトール(モノヒドロキシ)ペンタアクリレートの如きペンタアクリレート類を挙げることができる。ハードコート層のための紫外線硬化型樹脂としては、この他にも、5官能以上の多官能アクリレートも用いることができる。これらの多官能アクリレートは1種単独、又は2種以上混合して同時に用いてもよい。さらにこれらのアクリレート類には、光開始剤、光増感剤、レベリング剤、金属酸化物やアクリル成分などから成る微粒子や超微粒子などの第三成分を1種又は2種以上を添加して用いることができる。
〈用途〉
本発明の透明導電性積層体は、少なくとも片面に透明導電層が設けられた2枚の透明電極基板が互いの透明導電層同士が向き合うように配置されて構成された透明タッチパネルにおいて、可動及び/又は固定電極基板用の透明電極基板として使用できる。
以下では実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、実施例中における各種の測定は、下記のとおり行った。
〈Ra(算術平均粗さ)〉
Sloan社製触針段差計DEKTAK3を用いて測定した。測定はJIS B0601−1994年版に準拠して行った。
〈Rz(十点平均粗さ)〉
(株)小坂研究所製SurfcorderSE−3400を用いて測定した。測定はJIS B0601−1982年版に準拠して行った。
〈厚さ〉
Anritsu Electric社製の触針式膜厚計アルファステックを使用し測定を行った。
〈ヘーズ〉
日本電色(株)製ヘーズメーター(MDH2000)を用いて測定した。
〈全光線透過率〉
日本電色(株)製ヘーズメーター(MDH2000)を用いてJIS K7316−1に準じて測定した。
〈アンチニュートンリング性〉
実施例および比較例のサンプル各2枚をそれぞれ可動電極基板と固定電極基板とし、3波長蛍光灯の下で、タッチパネルの表面(垂直方向0度)に対して斜め60度の方向から、基板同士を接触させた領域でのニュートンリングの有無を目視で観察した。ニュートンリングが観測できないものを良好(○)、かすかに観測できるものをやや良好(△)、明確に観測できるものを不良(×)とした。
〈耐チラツキ性−183dpi及び333dpi(実施例及び比較例)〉
実施例及び比較例では、約183dpi(対角2.7インチ、WQVGA(240×432ドット))の液晶ディスプレイ上にタッチパネルを設置しチラツキの有無を目視で確認した。チラツキが確認できないものを良好(○)、かすかに確認できるものをやや良好(△)、明確に確認できるものを不良(×)とした。更に約333dpi(対角2.8インチ、WVGA(480×800ドット))の液晶ディスプレイ上にタッチパネルを設置してもチラツキが確認できないものを最良(◎)とした。
〈耐チラツキ性−123dpi(参考例及び参考比較例)〉
参考例及び参考比較例では、約123dpi(対角10.4インチ、XGA(1024×768ドット))の液晶ディスプレイ上にタッチパネルを設置しチラツキの有無を目視で確認した。チラツキが確認できないものを良好(○)、かすかに確認できるものをやや良好(△)、明確に確認できるものを不良(×)とした。
[実施例1]
(硬化樹脂層の形成)
厚さ100μmのカーボネート(PC)フィルム(帝人化成(株)製C110)(透明基板A、ヘーズ値0.11%)の片面に、下記塗工液R1を用いてバーコート法によりコーティングし、30℃で1分間乾燥した後、紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ5.0μmの硬化樹脂層を形成した。
塗工液R1の組成
第1の樹脂成分: 4.5重量部の飽和二重結合含有アクリル共重合体(Sp値:10.0、Tg:92℃)
第2の樹脂成分: 100重量部のペンタエリスリトールトリアクリレート(Sp値:12.7)
金属酸化物超微粒子分散液: 60質量部(固形分換算6質量部、シーアイ化成株式会社製SiO超微粒子10質量%イソプロピルアルコール分散液、超微粒子の一次平均粒子径は30nm品)
金属フッ化物超微粒子分散液: 20質量部(固形分換算4質量部、シーアイ化成株式会社製MgF超微粒子20質量%イソプロピルアルコール分散液、超微粒子の一次平均粒子径は50nm)
光重合開始剤:7重量部のイルガキュア184(チバスペシャリティーケミカル社製)
溶媒: 固形分が30重量%となる量のイソブチルアルコール
なお、第1の樹脂成分としての不飽和二重結合含有アクリル共重合体(Sp値:10.0、Tg:92℃)は以下の通りに調整を行った。
イソボロニルメタクリレート171.6g、メチルメタクリレート2.6g、メチルアクリル酸9.2gからなる混合物を混合した。この混合液を、攪拌羽根、窒素導入管、冷却管及び滴下漏斗を備えた1000ml反応容器中の、窒素雰囲気下で110℃に加温したプロピレングリコールモノメチルエーテル330.0gに、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1.8gを含むプロピレングリコールモノメチルエーテル80.0g溶液と同時に3時間かけて等速で滴下し、その後、110℃で30分間反応させた。
その後、ターシャルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル17.0gの溶液を滴下して、テトラブチルアンモニウムブロマイド1.4gとハイドロキノン0.1gを含む5.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を加え、空気バブリングしながら、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル22.4gとプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0gの溶液を2時間かけて滴下し、その後5時間かけて更に反応させて、第1の成分としての不飽和二重結合含有アクリル共重合体を得た。
得られた不飽和二重結合含有アクリル共重合体は、数平均分子量5,500、重量平均分子量18,000、Sp値:10.0、Tg:92℃、表面張力:31dyn/cmであった。
次いで硬化樹脂層を形成した面上に、酸化インジウムと酸化錫の質量比が95:5の組成で充填密度が98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いて、スパッタリング法により非晶質の透明導電層(ITO層)を形成した。ITO層の厚さは約20nm、表面抵抗値は約370Ω/□(Ω/sq)であった。
引き続いて130℃90分の熱処理を行い、透明導電層(ITO層)を結晶化させることにより透明導電性積層体を作製した。ITO層が結晶化した後の透明導電層の表面抵抗値は約450Ω/□(Ω/sq)であった。なお、TEMにより観察された透明導電層の結晶粒径は50nm〜200nmの範囲であった。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。
[実施例2及び3]
硬化樹脂層の膜厚をそれぞれ3.0μm及び1.5μmとした以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。
[比較例1]
塗工液R1の調製において、金属酸化物超微粒子分散液及び金属フッ化物超微粒子分散液の両方を加えなかった以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。
[比較例2]
塗工液R1の調製において、金属酸化物超微粒子分散液を加えず、且つ硬化樹脂層の膜厚を3.0μmとした以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。
[比較例3〜5]
塗工液R1の調製において、第2の樹脂成分を加えず且つ硬化樹脂層の膜厚をそれぞれ5μm、3μm及び1.5μmとした以外は実施例1と同様にして、透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表1に示す。
[参考例1]
透明有機高分子基板にポリカーボネートフィルム(帝人化成株式会社製、C110−100)を用い、その一方の面に下記組成の塗布液Rをワイヤーバーで塗布し、40℃で1分間加熱乾燥した後、紫外線ランプで120mW/cm、400mJ/cmの紫外線を照射し、膜厚約0.7μmの凹凸表面を有する硬化樹脂層を形成させた。
塗布液R2の組成
4官能アクリレート: 100質量部「アロニックス」M−405(東亞合成株式会社製)
金属酸化物超微粒子分散液: 60質量部(固形分換算6質量部、シーアイ化成株式会社製SiO超微粒子10質量%イソプロピルアルコール分散液、超微粒子の一次平均粒子径は30nm品)
金属フッ化物超微粒子分散液: 20質量部(固形分換算4質量部、シーアイ化成株式会社製MgF超微粒子20質量%イソプロピルアルコール分散液、超微粒子の一次平均粒子径は50nm)
光反応開始剤: 5質量部「イルガキュア」184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
希釈液: 適宜の量(イソブチルアルコール)
次いで硬化樹脂層を形成した面上に、酸化インジウムと酸化錫の質量比が95:5の組成で充填密度が98%の酸化インジウム−酸化錫ターゲットを用いて、スパッタリング法により非晶質の透明導電層(ITO層)を形成した。ITO層の厚さは約20nm、表面抵抗値は約370Ω/□(Ω/sq)であった。
引き続いて130℃90分の熱処理を行い、透明導電層(ITO層)を結晶化させることにより透明導電性積層体を作製した。ITO層が結晶化した後の透明導電層の表面抵抗値は約450Ω/□(Ω/sq)であった。なお、TEMにより観察された透明導電層の結晶粒径は50nm〜200nmの範囲であった。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
なお、超微粒子の分散状体について確認するために、参考例1でのようにして作成した凹凸表面を有する硬化樹脂層付き高分子基板を、エポキシ樹脂で包埋し、完全にエポキシ樹脂が硬化した後でミクロトームを用いて薄片試料を作製した。この試料を透過型電子顕微鏡で観察し、超微粒子が1μm以上の2次凝集粒子を形成しておらずかつ粗密の差により凹凸表面を形成していることを確認した(添付の図1及び図2)。
[参考例2〜4]
金属酸化物超微粒子分散液、及び金属フッ化物超微粒子分散液の量を変更した以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
[参考例5]
硬化樹脂層の膜厚を5μmとした以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。なお、この参考例5は、上記の比較例3に対応している。
[参考例6]
参考例1のポリカーボネートフィルムの代わりに厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製OFW)を用いた以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
[参考比較例1]
金属酸化物超微粒子分散液、及び金属フッ化物超微粒子分散液の量を変更した以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
[参考比較例2]
金属酸化物超微粒子分散液の量を変更し、金属フッ化物超微粒子分散液を使用せず、且つ硬化樹脂層の膜厚を3.0μmにした以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
[参考比較例3]
金属酸化物超微粒子分散液を使用せず、且つ硬化樹脂層の膜厚を3.0μmにした以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
[参考比較例4]
参考例1の金属フッ化物超微粒子成分の代わりに酸化亜鉛ナノ微粒子40質量部(固形分換算4質量部、シーアイ化成株式会社製ZnO超微粒子10質量%イソプロピルアルコール分散液、超微粒子の一次平均粒子径は30nm品)を用いた以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
[参考比較例5]
参考例1の金属フッ化物超微粒子成分の代わりに酸化チタンナノ微粒子27質量部(固形分換算4質量部、シーアイ化成株式会社製TiO超微粒子15質量%イソプロピルアルコール分散液、超微粒子の一次平均粒子径は30nm品)を用いた以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
[参考比較例6]
参考例1の金属酸化物超微粒子成分を、一次平均粒子径が3.0μmのシリカ粒子に変更し、金属フッ化物超微粒子成分を使用せず、膜厚を2μmに変更した以外は参考例1と同様にして透明導電性積層体を得た。作製した透明導電性積層体の特性を表2に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜3の透明導電性積層体を使用したタッチパネルは、金属酸化物超微粒子分散液及び金属フッ化物超微粒子分散液の両方を加えなかった比較例1、金属酸化物超微粒子分散液を加えなかった比較例2、及び第2の樹脂成分を加えなかった比較例3〜5の透明導電性積層体を使用したタッチパネルとは異なる特性を有していた。また、表1から明らかなように、実施例1〜3の透明導電性積層体を使用したタッチパネルは、アンチニュートンリング性、耐チラツキ性、60°/0°像鮮明度比、及び像鮮明度について優れたものであった。
表2から明らかなように、参考例の透明導電性積層体を使用したタッチパネルは、金属酸化物超微粒子と金属フッ化物超微粒子とが硬化樹脂層中で弱い会合状態を形成して所望の凹凸形状が形成されることによって、アンチニュートンリング性、耐チラツキ性、及び像鮮明度について優れたものであった。これに対して、参考比較例1〜3の透明導電性積層体を使用したタッチパネルは、良好な耐チラツキ性を有していたが、アンチニュートンリング性に関して劣っていた。また、参考比較例4〜6の透明導電性積層体を使用したタッチパネルは、良好なアンチニュートンリング性を有していたが、耐チラツキ性に関して劣っていた。
1 包埋樹脂
2 超微粒子を含有した凹凸表面を有する硬化樹脂層
3 透明有機高分子基板
11 基板(ガラス板)
12、14 透明導電層
13 スペーサー
15 凹凸表面を有する硬化樹脂層
16 透明有機高分子基板
20 透明タッチパネル

Claims (5)

  1. 透明有機高分子基板の少なくとも一方の面上に、凹凸表面を有する硬化樹脂層と透明導電層とが順次積層されてなり、且つ以下(a)〜(e)を満たす、透明導電性積層体:
    (a)前記硬化樹脂層が、硬化樹脂成分、並びに前記硬化樹脂成分中に分散している平均一次粒子径100nm以下の金属酸化物超微粒子A及び平均一次粒子径100nm以下の金属フッ化物超微粒子Bを有し、
    (b)前記硬化樹脂層における金属酸化物超微粒子Aの含有量は、前記硬化樹脂成分100質量部あたり1質量部以上20質量部未満であり、
    (c)前記硬化樹脂層における金属フッ化物超微粒子Bの含有量は、前記硬化樹脂成分100質量部あたり1質量部以上20質量部未満であり、
    (d)前記硬化樹脂層における金属酸化物超微粒子Aの金属フッ化物超微粒子Bに対する質量比(A/B)が、0.3よりも大きくかつ10未満であり、かつ
    (e)前記硬化樹脂成分が、物性の差に基づいて相分離する少なくとも2種の樹脂成分を含有すること。
  2. 下記の式(1)及び(2)を満たす、請求項1記載の透明導電性積層体:
    70%≦α≦98% …(1)
    0.50<β/α<1.05 …(2)
    (α:2.0mmの光学くしを使った場合の、垂直入射光での透過像鮮明度、
    β:2.0mmの光学くしを使った場合の、入射角60°の入射光での透過像鮮明度)。
  3. 前記硬化樹脂層の膜厚が0.1μm以上7μm未満である、請求項1又は2記載の透明導電性積層体。
  4. 前記硬化樹脂層の十点平均粗さ(Rz)が、50nm以上2000nm未満であり、かつ前記硬化樹脂層の算術平均粗さ(Ra)が、2nm以上200nm未満である、請求項1〜3のいずれか記載の透明導電性積層体。
  5. 少なくとも片面に透明導電層が設けられた2枚の透明電極基板が、互いの透明導電層同士が向き合うように配置されて構成された透明タッチパネルにおいて、少なくとも一方の透明電極基板として請求項1〜4のいずれか記載の透明導電性積層体を有する、透明タッチパネル。
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