JP2010237704A - 多階調フォトマスクの製造方法及びパターン転写方法 - Google Patents

多階調フォトマスクの製造方法及びパターン転写方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2種類の半透光膜と遮光膜の任意の組み合わせが可能な多階調フォトマスクの製造方法を提供する。
【解決手段】フォトマスクブランクの遮光膜上に第1レジストパターンを形成する工程と、遮光膜をエッチングして第1のパターニングを行う工程と、第1レジストパターンを除去後、基板全面に第1半透光膜を形成し第2のレジストパターンを形成する工程と、少なくとも第1半透光膜をエッチングして第2のパターニングを行う工程と、第2レジストパターンを除去後、基板全面に第2半透光膜を形成し第3レジストパターンを形成する工程と、少なくとも第2半透光膜をエッチングして第3のパターニングを行う工程とを有する、多階調フォトマスクの製造方法で、第1レジストパターン形成は遮光部にレジストパターンを残存させ、遮光部のレジストパターンの寸法を、遮光部と隣接する透光部及び第1半透光部との境界において所定のマージン領域分広く形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置(Liquid CrystalDisplay:以下、LCDと称する)製造等に好適に用いられる多階調フォトマスクの製造方法及び多階調フォトマスク、並びに当該フォトマスクを用いたパターン転写方法に関するものである。
現在、LCDの分野において、薄膜トランジスタ液晶表示装置(Thin FilmTransistor Liquid Crystal Display:以下、TFT−LCDと呼ぶ)は、CRT(陰極線管)に比較して、薄型にしやすく消費電力が低いという利点から、現在商品化が急速に進んでいる。TFT−LCDは、マトリックス状に配列された各画素にTFTが配列された構造のTFT基板と、各画素に対応して、レッド、グリーン、及びブルーの画素パターンが配列されたカラーフィルターが液晶相の介在の下に重ね合わされた概略構造を有する。TFT−LCDでは、製造工程数が多く、TFT基板だけでも5〜6枚のフォトマスクを用いて製造されていた。このような状況の下、TFT基板の製造を4枚のフォトマスクを用いて行う方法が提案されている。
この方法は、遮光部と透光部の他に半透光部(グレートーン部)を有するグレートーンマスクと称されるフォトマスクを用いることにより、使用するマスク枚数を低減するというものである。ここで、半透光部とは、マスクを使用してパターンを被転写体に転写する際、透過する露光光の透過量を所定量低減させ、被転写体上のフォトレジスト膜の現像後の残膜量を制御する部分をいう。
ここで用いられるグレートーンマスクとしては、半透光部が、グレートーンマスクを使用するLCD用露光機の解像限界以下の微細パターンで形成されている構造のものが知られている。
また、半透光部に、露光光の一部のみを透過する半透過性の半透光膜によって形成する構造のものも従来知られている。何れの構造のものであっても、この半透光部での露光量を所定量少なくして露光することが出来、被転写体上に、レジスト残膜値の異なる2つの転写パターンを転写することができることから、1枚のグレートーンマスクを用いて従来のフォトマスク2枚分の工程が実施されることにより、TFT-LCDなどを製造する際に、必要なマスク枚数が削減される。
従来、レジストパターンの形成と金属化合物等の膜のエッチングとを所望回数繰り返すことにより得られる、光透過率が3段階以上の多段階に変化する多階調フォトマスクが下記特許文献1に開示されている。また、遮光部と透光部の他にそれぞれ異なる光透過率の第1半透光部と第2半透光部を有する4階調フォトマスクをリソグラフィ工程により少ない描画回数で製造できる4階調フォトマスクの製造方法が下記特許文献2に開示されている。
特開平9−146259号公報 特開2007−249198号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された多階調フォトマスクの製造方法の場合、金属化合物等の膜をエッチングするごとに、マスクのパターン形状を順次変えていくことが必要であるため、工程が非常に煩雑である上、得ようとする金属化合物の形状(グラデーション)にも制約があり、TFT製造工程に適用することは困難である。
また、上記特許文献2に開示された4階調フォトマスクの製造方法によれば、フォトリソグラフィ工程によって4階調のフォトマスクを製造することができるが、ここで使用する2種類の第1半透光膜及び第2半透光膜と遮光膜の材料の選択には多少の制約がある。すなわち、第1半透光膜と第2半透光膜は、互いのエッチング環境に対してエッチングされないような耐性を有する、つまりエッチング選択性を有することが必要であるか、又は、第1半透光膜と第2半透光膜のいずれかと、遮光膜の間にエッチング選択性があることが必要となる。
したがって、材料選択の幅が制約されるという不都合がある。また、上記特許文献2に開示された4階調フォトマスクの製造方法によれば、複数回の描画工程を実施する場合のアライメントずれによる影響を出来るだけ無くすためのマージンを設けられないという不都合がある。すなわち、複数回の描画工程の位置ずれに起因する弊害として、膜が除去されるべき領域の周縁に、膜が残存してしまう。例えば、半透光部と透光部の境界に遮光膜が残存したり、遮光部と透光部の境界の透光部側に半透光膜が残存するなどが生じ得る。
特に、アライメントずれに起因する深刻な問題は、不要なところに、Crなどの遮光膜の線が残り、これが、最終製品において回路の短絡を発生させることであり、これを予め阻止することが望まれる。
そこで、マスク製造のパターニングに際し、予めパターンデータを加工して、マージン領域を設け、結果的にアライメントずれに起因する影響を最小にしておく方法が考えられる。但し、パターンのデータ加工したあと、結果としてアライメントずれが生じなかった場合には設計どおりのフォトマスクが得られるようにすることが肝要である。
本発明者の検討により、従来技術によるフォトマスクの製造方法に比べ、本発明の方法は、4階調のフォトマスクが製造できるにもかかわらず、上記目的に沿った、アライメントずれ対策を行いつつフォトマスク製造が行えることを見出された。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、使用する2種類の半透光膜と遮光膜の各膜種は任意の組み合わせが可能であり、またアライメントずれ対策用のマージンが設けられる多階調フォトマスクの製造方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、微細パターンが高精度に形成された多階調フォトマスクを提供することを第2の目的とする。さらに、上記多階調フォトマスクを用いたパターン転写方法を提供することを第3の目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)透明基板上に、遮光部、透光部、及びそれぞれ露光光透過率の異なる第1半透光部と第2半透光部からなるマスクパターンを有する多階調フォトマスクの製造方法であって、透明基板上に遮光膜を有するフォトマスクブランクを準備する工程と、前記フォトマスクブランクの前記遮光膜上に形成したレジスト膜を描画、現像して第1レジストパターンを形成する工程と、前記第1レジストパターンをマスクとして前記遮光膜をエッチングして第1のパターニングを行う工程と、前記第1レジストパターンを除去した後、パターニングされた前記遮光膜を有する基板面に第1半透光膜を形成する工程と、前記第1半透光膜上に形成したレジスト膜を描画、現像して第2レジストパターンを形成する工程と、前記第2レジストパターンをマスクとして少なくとも前記第1半透光膜をエッチングして第2のパターニングを行う工程と、前記第2レジストパターンを除去した後、パターニングされた前記遮光膜及び前記第1半透光膜を有する基板面に第2半透光膜を形成する工程と、前記第2半透光膜上に形成したレジスト膜を描画、現像して第3レジストパターンを形成する工程と、前記第3レジストパターンをマスクとして少なくとも前記第2半透光膜をエッチングして第3のパターニングを行う工程とを有することを特徴とする多階調フォトマスクの製造方法。
(構成2)前記第1半透光部は、透明基板上に第2半透光膜を有してなり、前記第2半透光部は、透明基板上に第1半透光膜と第2半透光膜を有してなることを特徴とする、構成1に記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成3)前記第1レジストパターン形成工程は、第2半透光部を除いた領域にレジストパターンを残存させ、かつ、前記第2半透光部と隣接する第1半透光部、及び前記第2半透光部と隣接する透光部のレジストパターンの寸法を、前記第2半透光部との境界において、得ようとする前記第1半透光部及び透光部の寸法より、所定のマージン領域分狭く形成することを特徴とする構成2に記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成4)前記第2レジストパターン形成工程では、前記第1半透光部を除いた領域にレジストパターンを残存させ、かつ、前記第1半透光部と隣接する透光部のレジストパターンの寸法を、前記第1半透光部との境界において、得ようとする前期透光部の寸法より、所定のマージン領域分狭く形成することを特徴とする構成3に記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成5)前記第1レジストパターン形成工程は、遮光部にレジストパターンを残存させ、かつ、前記遮光部のレジストパターンの寸法を、前記遮光部と隣接する透光部及び第1半透光部との境界において、所定のマージン領域分広く形成することを特徴とする構成2に記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成6)前記第2レジストパターン形成工程は、前記遮光部と第2半透光部にレジストパターンを残存させ、かつ、前記透光部と隣接する第2半透光部、及び透光部と隣接する遮光部のレジストパターンの寸法を、所定のマージン領域分広く形成することを特徴とする構成5に記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成7)前記第3レジストパターン形成工程は、得ようとするマスクパターンの寸法に基づき、マージン領域を設けずに決定した寸法に基づいて行うことを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成8)前記第1半透光膜及び前記第2半透光膜はいずれも同一のエッチャントによりエッチングが可能な材料からなることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成9)前記遮光膜、前記第1半透光膜及び前記第2半透光膜はいずれも同一のエッチャントによりエッチングが可能な材料からなることを特徴とする構成1乃至8のいずれかに記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成10)前記第1半透光膜及び前記第2半透光膜はいずれもクロムを主成分とした材料または金属シリサイドを主成分とした材料からなることを特徴とする構成1乃至9のいずれかに記載の多階調フォトマスクの製造方法。
(構成11)透明基板上に、遮光部、透光部、及びそれぞれ露光光透過率の異なる第1半透光部と第2半透光部からなるマスクパターンを有し、前記遮光部は、前記透明基板上に形成された遮光膜上に少なくとも第1又は第2半透光膜が積層されて形成され、前記透光部は、露出した前記透明基板により形成され、前記第1半透光部は、透明基板上に第1半透光膜を有してなり、前記第2半透光部は、透明基板上に第1半透光膜と第2半透光膜を有してなることを特徴とする多階調フォトマスク。
(構成12)構成1乃至10のいずれかに記載の製造方法による多階調フォトマスク、あるいは、構成11に記載の多階調フォトマスクを用いて、被転写体に露光光を照射する露光工程を有し、被転写体上に多階調の転写パターンを形成することを特徴とするパターン転写方法。
本発明の多階調フォトマスクの製造方法によれば、遮光膜の他に第1半透光膜と第2半透光膜の組み合わせを用いてフォトリソグラフィ法によって簡便に製造でき、しかも使用する2種類の半透光膜と遮光膜の各膜種は任意の組み合わせが可能であり、またアライメントずれ対策用のマージンを設けることができ、微細パターンであっても高精度に形成された露光光透過率が多段階に異なる多階調のフォトマスクを製造することができる。
また、上述のように製造できることにより、微細パターンが高精度に形成された多階調のフォトマスクが得られる。
また、本発明に係る多階調フォトマスクを用いたパターン転写方法によれば、精度の高い多階調の転写パターンを被転写体に転写することができ、またその結果、例えばTFT基板の製造等においてマスク枚数の大幅な削減が可能になる。
本発明に係る多階調フォトマスクの第1の実施の形態と、当該多階調フォトマスクを用いたパターン転写方法を説明するための断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図であって、図2の続きである。 本発明の第2の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図であって、図4の続きである。 本発明の第3の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図であって、図6の続きである。 遮光部Aに挟まれた半透光部Bのパターン(同図(1))と、該半透光部Bの透過光の光強度分布(同図(2))を示し、同図(a)は半透光領域の幅が4μm、同図(b)は2μmの場合を示す。 チャネル幅と該チャネル幅に対応した幅の半透光部における露光光の透過率との関係を示す図である。
本発明のフォトマスクは、透明基板上に、遮光部、透光部、及びそれぞれ露光光透過率の異なる第1半透光部と第2半透光部からなるマスクパターンを有する多階調フォトマスクである。ここで、「それぞれ露光光透過率の異なる第1半透光部と第2半透光部」とは、露光光の代表波長(例えばg線)に対する光透過率が異なるように形成されていて、例えば、それぞれに形成された膜の膜構成、膜素材、又は膜厚が異なることを意味する。必ずしも、それぞれに所定のパターニングを施し、実際のマスクとした後に露光を行うときに透過率が異なるとの意味ではない。この点については後述する。
また、上記フォトマスクにおいて、遮光部は、前記透明基板上に形成された遮光膜上に少なくとも第1又は第2半透光膜が積層されて形成されてなる。遮光膜上に、第1及び第2半透光膜がともに積層されていてもよい。
なお、遮光膜は、遮光層と反射防止層を有することが好ましく、遮光膜、第1、第2半透光膜のうち、もっとも透明基板表面側に遮光膜が形成されている。好ましい態様としては、透明基板上に直接、遮光膜が形成されている。
また、前記透光部は、露出した前記透明基板により形成され、前記第1半透光部は、透明基板上に第1半透光膜を有してなり、前記第2半透光部は、透明基板上に第1半透光膜と第2半透光膜を有してなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る多階調フォトマスクの第1の実施の形態と、当該多階調フォトマスクを用いたパターン転写方法を説明するための断面図である。
図1に示す多階調フォトマスク10は、例えば液晶表示装置(LCD)の薄膜トランジスタ(TFT)やカラーフィルタ、またはプラズマディスプレイパネル(PDP)などを製造するための多階調フォトマスク(又はグレートーンマスク)として用いることができ、図1に示す被転写体20上に、膜厚が段階的または連続的に異なるレジストパターン23を形成する。なお、図1中において符号22A、22B、22Cは、被転写体20において基板21上に積層された膜を示す。
上記本実施の形態のフォトマスク10は、具体的には、当該フォトマスク10の使用時に露光光を遮光(透過率が略0%)させる遮光部11と、ガラス基板等の透明基板14の表面が露出して露光光を透過させる透光部12と、透光部12の露光光透過率を100%としたとき透過率を10〜80%程度、好ましくは、20〜70%程度の範囲内に低減させ、この範囲内において露光光透過率が2段階に異なる第1半透光部13Aと第2半透光部13Bを有して構成されている。上記半透光部は、透明基板14上に光半透過性の半透光膜が形成されて構成され、本実施の形態では、そのうちの第2半透光部13Bは、第1半透光膜16と第2半透光膜17の積層膜により形成され、第1半透光部13Aは上記第2半透光膜17により形成されている。また、上記遮光部11は、透明基板14上に、遮光層15a及び反射防止層15bの積層からなる遮光膜15、上記第1半透光膜16及び上記第2半透光膜17が順に設けられて形成されている。したがって、上記フォトマスク10は、露光光透過率が4段階に異なる4階調のフォトマスクとなっている。なお、図1に示す遮光部11、透光部12、及び半透光部13A、13Bのパターン形状はあくまでも一例である。
上述のような4階調フォトマスク10を使用して、被転写体20へのパターン転写を行ったときに、遮光部11では露光光が実質的に透過せず、透光部12では露光光が透過し、第1及び第2半透光部13A、13Bでは各々の光透過率に応じて露光光が低減され、本実施の形態では第1半透光部13Aは第2半透光部13Bよりも光透過率が高い。そのため、被転写体20上に塗布したレジスト膜(ここではポジ型フォトレジスト膜)は、パターン転写後、現像を経たとき、上記遮光部11に対応する部分で膜厚が最も厚くなる。また、上記第1及び第2半透光部13A、13Bに対応する部分ではいずれも遮光部11に対応する部分の膜厚よりも薄くなるが、上記第2半透光部13Bに対応する部分の膜厚がその次に厚くなり、上記第1半透光部13Aに対応する部分の膜厚が最も薄くなる。また、透光部12に対応する部分では膜がない。その結果、膜厚が4段階に異なる(そのうちの1段階は膜がない)レジストパターン23を形成する。例えば、第1及び第2半透光部13A,13Bの透過率は、透光部を100%としたとき、それぞれ、60%、40%程度とすることができる。なお、ネガ型フォトレジストを用いた場合には、レジスト膜厚が上記と逆転することを考慮した設計を行う必要がある。
そして、図1に示すレジストパターン23の膜のない部分(上記透光部12に対応する部分)で、被転写体20における例えば膜22A〜22Cに第1エッチングを実施する。続いて、レジストパターン23の膜のうち膜厚が最も薄い部分(上記第1半透光部13Aに対応する部分)をアッシング等によって除去しこの部分で、被転写体20における例えば膜22B、22Cに第2エッチングを実施する。続いて、レジストパターン23のうち次に膜厚が薄い部分(上記第2半透光部13Bに対応する部分)をアッシング等によって除去しこの部分で、被転写体20における例えば膜22Cに第3エッチングを実施する。このようにして、1枚の4階調フォトマスク10を用いて、例えばTFT基板の製造における従来のフォトマスク3枚分の工程が実施されることになり、従来よりもマスク枚数を大幅に削減することが可能になる。
次に、上記4階調に係る多階調フォトマスクの製造方法について説明する。図2及び図3(図3は図2の続きである)は、本発明の第1の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図である。
使用するフォトマスクブランクは、図2(a)に示すように、ガラス基板等の透明基板14上に、遮光層15a及び反射防止層15bの積層からなる遮光膜15が形成されている。上記遮光層15aとしては、例えばクロム又はその化合物(例えばCrN,CrO,CrC等)が好ましく挙げられ、上記反射防止層15bとしては、クロム系化合物(例えばCrN,CrO,CrC等)などが挙げられる。
まず、上記フォトマスクブランク上にレジストを塗布してレジスト膜を形成し、1度目の描画を行う。描画には、本実施の形態では例えばレーザー光を用いる。上記レジストとしてはポジ型フォトレジストを使用する。そして、レジスト膜に対し、所定のデバイスパターンを描画し、描画後に現像を行うことにより、例えば製造されるフォトマスクの第2半透光部13Bを除く領域に第1レジストパターン30を形成する(図2(b)参照)。
次に、上記第1レジストパターン30をエッチングマスクとして遮光層15a及び反射防止層15bの積層からなる遮光膜15をエッチングして遮光膜パターンを形成する(図2(c)参照)。クロムを主成分とする遮光膜15を用いた場合、エッチング手段としては、ドライエッチングもしくはウェットエッチングのどちらでも可能であるが、たとえば大型サイズのフォトマスク製造に好適なウェットエッチングでは、エッチング液として例えば硝酸第二セリウムアンモニウムを用いる。
残存する第1レジストパターン30を除去した後(図2(d)参照)、パターニングされた遮光膜15を含む基板全面に、第1半透光膜16を成膜する(図2(e)参照)。
上記第1半透光膜16としては、例えば、クロム又はクロム系化合物、金属シリサイド化合物などが好ましく挙げられる。クロム系化合物には、酸化クロム(CrOx)、窒化クロム(CrNx)、炭化クロム(CrCx)、酸窒化クロム(CrOxN)、フッ化クロム(CrFx)や、これらに炭素や水素を含むものがある。また、金属シリサイド化合物としては特にモリブデンシリサイド化合物(MoSixのほか、MoSiの窒化物、酸化物、酸化窒化物、炭化物など)等が好ましく挙げられる。
本発明の製造方法においては、上記第1半透光膜16は、後述の第2半透光膜17及び上述の遮光膜15とのエッチング選択性、つまり互いのエッチング環境において耐性を有することはとくに要求されないため、本発明に使用する遮光膜と2種類の半透光膜の膜材料に関しては任意の組み合わせが可能であり、膜材料の選択の幅が大きいという優れた利点がある。したがって、上記第1半透光膜16と後述の第2半透光膜17は、異なる膜種を用いてもよいし、同じ膜種を用いることも出来、さらに同一の材料を用いることも可能である。また、遮光膜15と同様の膜種、例えばクロム又はクロム系化合物を用いることもできる。上記第1半透光膜16と第2半透光膜17に同一、又は主成分が同一であるような素材を用いた場合、膜の分光透過率特性が同一、又は類似となる利点がある。すなわち、このマスクを使用する際に用いる露光機は、i線〜g線の波長帯をもつ光源を用いるが、その分光特性は、露光機によって必ずしも一定ではない。更に、半透光膜にはその透過率に、波長依存性があることが多い。従って、照射される露光光の分光特性に応じて、透過率が変化する場合があり、膜素材が異なれば、この変化挙動も異なる。代表波長(例えばg線)で、第1、第2半透光部の透過率を予め規定して、パターンを転写しようとする被転写体上のレジスト残膜として所定値のものを期待しても、露光機の特性によって、得られるレジスト残膜値が異なってしまうのでは不都合である。結果として、所望のレジストパターンを得るための条件出しが困難になる。一方、上記のように本発明のフォトマスクにおいて、半透光膜1と半透光膜2の間にエッチング選択性が必要でなく、素材選択の自由があるということは、両者のi線〜g線における、透過率波長依存性をほぼ同一とすることができるため、マスクユーザによる加工条件の条件出しが容易であるというメリットがある。また、同一の材料を用いる場合、主に膜厚を変化させることにより光透過率を変えることが可能である。
上記第1半透光膜16は、透明基板14(透光部)の露光光の透過量に対し10〜80%程度、好ましくは20〜70%程度の透過量を有するものが好ましい。
次に、再び全面に上記と同じレジスト膜を形成し、2度目の描画を行う。すなわち、このレジスト膜に対し、所定のパターンを描画し、描画後に現像を行うことにより、例えば製造されるフォトマスクの遮光部11と第2半透光部13Bに対応する領域に第2レジストパターン31を形成する(図2(f)参照)。
次に、上記第2レジストパターン31をエッチングマスクとして、露出した第1半透光部13A及び透光部12領域上の第1半透光膜16及びその下の遮光膜15をエッチングする(図3(g)参照)。ここで、第1半透光膜16と遮光膜15とが同一エッチャントに対してエッチング可能な材料からなる場合には、同じエッチング条件で一度に行うことができる。
残存する第2レジストパターン31を除去した後(図3(h)参照)、パターニングされた遮光膜15及び第1半透光膜16を含む基板全面に、第2半透光膜17を成膜する(図3(i)参照)。上記第2半透光膜17としては、例えばクロム又はクロム系化合物、あるいはモリブデンシリサイド等の金属シリサイド化合物などが好ましく挙げられる。前述したように、上記第2半透光膜17は、前記第1半透光膜16と同じ膜種の材料を用いてもよい。また、上記第2半透光膜17についても、透明基板24(透光部)の露光光の透過量に対し10〜80%程度、好ましくは20〜70%程度の透過量を有することが望ましい。
なお、TFT製造用のフォトマスクとしては、第1半透光部、及び第2半透光部の露光光透過率を、透光部に対して、20〜60%程度にすることが好ましい。第1、第2半透光膜の透過率は、これらを考慮して決定することができる。
次に、上記第2半透光膜17上の全面に再度前記と同じレジスト膜を形成し、3度目の描画を行う。すなわち、このレジスト膜に対し、所定のパターンを描画し、描画後、現像を行うことにより、例えば製造されるフォトマスクの透光部12を除く領域に第3レジストパターン32を形成する(図3(j)参照)。
次いで、上記第3レジストパターン32をエッチングマスクとして、露出した透光部12領域上の第2半透光膜17をエッチングする(図3(k)参照)。第2半透光膜17のエッチング手段としては、ドライエッチングもしくはウェットエッチングのどちらでも可能である。
そして、残存する第3レジストパターン32を除去する。
こうして、透明基板14上に、遮光層15a及び反射防止層15bからなる遮光膜15と、第1半透光膜16と第2半透光膜17との積層によりなる遮光部11、透明基板14が露出する透光部12、及び、第2半透光膜17によりなる第1半透光部13Aと、第1半透光膜16と第2半透光膜17の積層によりなる第2半透光部13Bを有するマスクパターンが形成された、露光光透過率が4段階に異なる4階調に係る多階調フォトマスク10が出来上がる(図3(l)参照)。
以上説明した本実施の形態による多階調フォトマスクの製造方法によれば、遮光膜の他に第1半透光膜と第2半透光膜の組み合わせを用いてフォトリソグラフィ法によって簡便に製造でき、しかも使用する2種類の半透光膜と遮光膜の各膜種は任意の組み合わせが可能であり、効率的で、かつ欠陥発生の確率の低い工程によって、作製することができる点で、量産上のメリットが大きい。
また、上述のように製造できることにより、微細パターンが高精度に形成された多階調のフォトマスクが得られる。
また、前述の図1に示すような本実施の形態に係る多階調フォトマスクを用いたパターン転写を実施すると、被転写体には精度の高い多階調の転写パターンを転写することができる。またその結果、例えばTFT基板の製造等においてマスク枚数の大幅な削減が可能になる。なお、図1には、図3(l)のフォトマスク10の一部分のパターンを代表例として示している。
[第2の実施の形態]
次に、図4及び図5(図5は図4の続きである)は、本発明の第2の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図である。本実施の形態は、アライメントずれ対策用のマージンを設ける場合を示す。
ここでアライメントずれとは、複数回の描画工程の相互の位置を完全に一致させることはほぼ不可能であるために生じる、描画パターン同士の位置ずれである。アライメントずれとして最も深刻であるのは、半透光部と透光部の相互の境界などに、遮光膜が残存してしまうことである。このようなパターニングがなされたフォトマスクを使用すると、転写パターンに不要な線が生じ、回路の短絡などの動作不良が生じる懸念がある。そこで、本発明ではこのような可能性を抑止するためパターンのデータ加工を行うことができる。
使用するフォトマスクブランクは、図4(a)に示すように、第1の実施の形態と同様、ガラス基板等の透明基板14上に、遮光層15a及び反射防止層15bの積層からなる遮光膜15が形成されている。
まず、上記フォトマスクブランク上にレジストを塗布してレジスト膜を形成し、レジスト膜に対し所定のデバイスパターンを描画し、描画後に現像を行うことにより、第1レジストパターン33を形成する(図4(b)参照)。
なお、ここでは、上記第1レジストパターン33は、製造されるフォトマスクの第2半透光部13Bを除く領域に形成するとともに、第2半透光部と隣接する第1半透光部、及び第2半透光領域と隣接する透光部のレジストパターンの寸法を、第2半透光部との境界において、描画時のアライメントずれを考慮した所定幅のマージン33aとして、得ようとする前記第1半透光部及び透光部の寸法より、透光部側又は第1半透光部側に削る(所定の領域幅よりも幅狭に形成する)ようにマスクパターンデータを加工する。遮光部の境界部分はデータ加工しない。
次に、上記第1レジストパターン33をエッチングマスクとして遮光層15a及び反射防止層15bの積層からなる遮光膜15をエッチングして遮光膜パターンを形成する(図4(c)参照)。
残存する第1レジストパターン33を除去した後(図4(d)参照)、基板全面に、第1半透光膜16を成膜する(図4(e)参照)。なお、上記第1半透光膜16及び後述の第2半透光膜17の膜材料に関しては、前述の第1の実施の形態で挙げたものと同様のものを使用する。
次に、再び全面に上記と同じレジスト膜を形成し、2度目の描画を行い、描画後に現像を行うことにより、第2レジストパターン34を形成する(図4(f)参照)。
なお、上記第2レジストパターン34は、製造されるフォトマスクの第1半透光部13Aを除く領域に形成するとともに、第1半透光部と隣接する透光部のレジストパターンの寸法を、第1半透光部との境界において、得ようとする前記透光部の寸法より、描画時のアライメントずれを考慮した所定幅のマージン34aとして削る(所定の領域幅よりも幅狭に形成する)ようにする。
次に、上記第2レジストパターン34をエッチングマスクとして、露出した第1半透光膜16及びその下の遮光膜15をエッチングする(図5(g)参照)。
残存する第2レジストパターン34を除去した後(図5(h)参照)、基板全面に、第2半透光膜17を成膜する(図5(i)参照)。
次に、上記第2半透光膜17上の全面に再度前記と同じレジスト膜を形成し、3度目の描画を行い、描画後、現像を行うことにより、第3レジストパターン35を形成する(図5(j)参照)。
なお、上記第3レジストパターン35は、製造されるフォトマスクの透光部12を除く領域に形成し、特に前記のようなマージンは設けない。
次いで、上記第3レジストパターン35をエッチングマスクとして、露出した透光部12領域上の第2半透光膜17、第1半透光膜16及び遮光膜15をすべてエッチングする(図5(k)参照)。
そして、最後に残存する第3レジストパターン35を除去する。
こうして、透明基板14上に、遮光層15a及び反射防止層15bからなる遮光膜15と、第1半透光膜16と第2半透光膜17との積層によりなる遮光部11、透明基板14が露出する透光部12、及び、第2半透光膜17によりなる第1半透光部13Aと、第1半透光膜16と第2半透光膜17の積層によりなる第2半透光部13Bを有するマスクパターンが形成された、露光光透過率が4段階に異なる4階調に係る多階調フォトマスク10が出来上がる(図5(l)参照)。
以上説明した本実施の形態による多階調フォトマスクの製造方法によれば、遮光膜の他に第1半透光膜と第2半透光膜の組み合わせを用いてフォトリソグラフィ法によって簡便に製造でき、しかも使用する2種類の半透光膜と遮光膜の各膜種は任意の組み合わせが可能であるとともに、複数回実施する描画時におけるアライメントずれを考慮したマージンを設けることが可能であり、その結果、アライメントずれの影響を抑えることができ、微細パターンが高精度に形成された多階調のフォトマスクが得られる。
[第3の実施の形態]
次に、図6及び図7(図7は図6の続きである)は、本発明の第3の実施の形態に係る多階調フォトマスクの製造方法を工程順に示す断面図である。本実施の形態においても、アライメントずれ対策用のマージンを設ける場合を示す。
使用するフォトマスクブランクは、図6(a)に示すように、第1の実施の形態と同様、ガラス基板等の透明基板14上に、遮光層15a及び反射防止層15bの積層からなる遮光膜15が形成されている。
まず、上記フォトマスクブランク上にレジストを塗布してレジスト膜を形成し、レジスト膜に対し所定のデバイスパターンを描画し、描画後に現像を行うことにより、第1レジストパターン36を形成する(図6(b)参照)。
なお、上記第1レジストパターン36は、製造されるフォトマスクの遮光部11に対応する領域に形成するとともに、遮光部11のレジストパターンの寸法を、前記遮光部11と隣接する透光部12及び第1半透光部13Aとの境界において、透光部12又は第1半透光部13A側に描画時のアライメントずれを考慮した所定幅のマージン36aとして残す(所定の領域幅よりも幅広に形成する)ようにする。
次に、上記第1レジストパターン36をエッチングマスクとして遮光層15a及び反射防止層15bの積層からなる遮光膜15をエッチングして遮光膜パターンを形成する(図6(c)参照)。
残存する第1レジストパターン36を除去した後(図6(d)参照)、基板全面に、第1半透光膜16を成膜する(図6(e)参照)。なお、上記第1半透光膜16及び後述の第2半透光膜17の膜材料に関しては、前述の第1の実施の形態で挙げたものと同様のものを使用する。
次に、再び全面に上記と同じレジスト膜を形成し、2度目の描画を行い、描画後に現像を行うことにより、第2レジストパターン37を形成する(図6(f)参照)。
なお、上記第2レジストパターン37は、製造されるフォトマスクの遮光部11と第2半透光部13Bに対応する領域に形成するとともに、透光部12と隣接する遮光部11及び透光部12と隣接する第2半透光部13Bのレジストパターンの寸法を、描画時のアライメントずれを考慮した所定幅のマージン37aとして残す(所定の領域幅よりも幅広に形成する)ようにする。
次に、上記第2レジストパターン37をエッチングマスクとして、露出した第1半透光膜16及びその下の遮光膜15をエッチングする(図7(g)参照)。
残存する第2レジストパターン37を除去した後(図7(h)参照)、基板全面に、第2半透光膜17を成膜する(図7(i)参照)。
次に、上記第2半透光膜17上の全面に再度前記と同じレジスト膜を形成し、3度目の描画を行い、描画後、現像を行うことにより、第3レジストパターン38を形成する(図7(j)参照)。
なお、上記第3レジストパターン38は、製造されるフォトマスクの透光部12を除く領域に形成し、特に前記のようなマージンは設けない。
次いで、上記第3レジストパターン38をエッチングマスクとして、露出した透光部12領域上の第2半透光膜17、第1半透光膜16及び遮光膜15をすべてエッチングする(図7(k)参照)。
そして、最後に残存する第3レジストパターン38を除去する。
こうして、透明基板14上に、遮光層15a及び反射防止層15bからなる遮光膜15と、第1半透光膜16と第2半透光膜17との積層によりなる遮光部11、透明基板14が露出する透光部12、及び、第2半透光膜17によりなる第1半透光部13Aと、第1半透光膜16と第2半透光膜17の積層によりなる第2半透光部13Bを有するマスクパターンが形成された、露光光透過率が4段階に異なる4階調に係る多階調フォトマスク10が出来上がる(図7(l)参照)。
以上説明した本実施の形態による多階調フォトマスクの製造方法においても、遮光膜の他に第1半透光膜と第2半透光膜の組み合わせを用いてフォトリソグラフィ法によって簡便に製造でき、しかも使用する2種類の半透光膜と遮光膜の各膜種は任意の組み合わせが可能であるとともに、複数回実施する描画時におけるアライメントずれを考慮したマージンを設けることが可能であり、その結果、アライメントずれによる転写不良の影響を抑えることができる。本発明におけるマージン設定は、アライメントずれが生じなかったときには、設計どおりの転写パターンが形成できる利点があり、微細パターンが高精度に形成された多階調のフォトマスクが得られる。
なお、本発明による多階調のフォトマスクは、以下に述べるように、純粋に4階調フォトマスクとして使用する場合に限定されず、例えば3階調のフォトマスクとしても使用可能である利点がある。
一般に、本発明の属する多階調フォトマスク(遮光部、透光部のほかに半透光部を有する3階調以上のフォトマスク)においては、被転写体上に所望の残膜値をもつレジストパターンを得るために、半透光部の露光光透過率を選択し、決定する。この透過率としては、透光部(すなわち透明基板が露出している部分)の透過率を100%としたときの、半透過膜の透過率を用いて規定する。これは、一定以上の広い領域のパターンについて、その透過率を特定する場合には問題がないが、ある程度以下の寸法のパターンに対しては、厳密にいうと、実際のパターン転写に寄与する露光光量を正確に反映していないこととなる。これは露光光の回折が原因であるため、この傾向は微小なパターンになるほど、露光光波長が長いほど顕著になる。しかし、多階調マスクの半透光部に設定する透過率を決定するにあたり、パターンの寸法や、分光特性の異なる光源に対する透過率の変化については正確に考慮されていないのが現状である。
具体的には、半透光部に、非常に狭い幅を含むパターン形状と、相対的に広い領域のパターン形状とが存在すると、半透光部には、被転写体上のレジスト膜に、常に一定の残膜値を与えるものであるべきところ、パターン形状に起因して異なる残膜値のレジストパターンが形成されてしまい、所望の許容範囲を超えた残膜値のばらつきを生じると、電子デバイス製造上の不安定要素となるという問題がある。
例えば、薄膜トランジスタ用の多階調フォトマスクとしては、チャネル部に相当する領域を半透光部とし、これを挟む形で隣接するソース及びドレインに相当する領域を遮光部で構成したものが多用される。このフォトマスクは、通常i線〜g線の波長帯の露光光を用いて露光されるが、チャネル部の寸法(幅)が小さくなるにしたがい、隣接する遮光部との境界が、実際の露光条件下においてぼかされ、チャネル部の露光光透過率は半透過膜の透過率よりも低くなる。図8は、遮光部Aに挟まれた半透光部Bのパターン(同図(1))と、該半透光部Bの透過光の光強度分布(同図(2))を示したもので、同図(a)は一例として半透光領域の幅が4μm、同図(b)は2μmの場合をそれぞれ示している。すなわち、図8(a),(b)に示すように、遮光部Aに挟まれた半透光部Bの透過光の光強度分布は、その半透光部Bの線幅が小さくなると、全体に下がり、ピークが低くなる。つまり、幅が狭い領域を有するパターンについては、実際に露光に寄与する透過率が相対的に低い一方、相対的に線幅が広い領域を有するパターンについては、実際の露光に寄与する透過率が相対的に高い。例えば、図9に示すように、チャネル幅が5μm以下では、該チャネル幅に対応した幅の半透光部における、実際の露光に寄与する光の透過率が低下する。
そこで、一定の寸法をもつ半透光部の透過率を、その膜固有の透過率と区別し、実際の露光光の透過量を、透光部の透過量との比において、実効透過率として把握する必要が生じる。
一方で、膜固有の透過率とは、透明基板上の該膜を形成した、十分に広い領域において、該膜の組成や膜厚によって決定されるものである。十分に広い領域とは、該領域の広さの変化によって、実効透過率が実質的に変化しないような領域をいう。なお、図9においては、半透光部Bの透過光の光強度分布のピーク値によって、該領域の透過率を代表させている。この部分の透過率は、この多階調マスクを使用して露光したときの、被転写体上のレジスト残膜値と相関をもつ。
そこで、半透光部のパターン形状に応じて、その部分の膜透過膜を変えることにより、パターン形状に拘わらず、半透光部のレジスト膜の残膜値をほぼ同一にできることとなる。
例えば、本発明の方法によれば、マスク構成として、4つの階調を有する多階調フォトマスクを得ることができる。すなわち、透光部、遮光部のほかに、2つの異なる膜透過率を有する半透光部を得ることができるのである。この2種類の半透光部によって、被転写体上に、それぞれ異なるレジスト残膜値をもつレジストパターンを形成してもよい。しかしながら、他方、この2種類の半透光部によって、被転写体上に、パターンの寸法が異なる(従って、同一の膜透過率を有する半透光部を使用すると、形成されるレジスト残膜値が異なってしまう)にもかかわらず、実質的に一定のレジスト残膜値を有するレジストパターンを形成してもよい。換言すれば、膜構成として2種類の膜透過率を有し、ほぼ同一の実効透過率を有する半透光部を形成しても良い。この場合、本発明に係るフォトマスクを3階調のフォトマスクとして用いることができる。
この場合、実質的に同一の実効透過率を有する半透光部は、マスク面内で、実際の露光条件下での実効透過率のばらつきが所定値以下(例えば2%以下)であることが好ましい。換言すれば、被転写体上に形成されるレジストパターンの残膜値をほぼ一定にするためには、従来の多階調マスクでは必ずしも十分でなく、本発明による、マスク構成として4階調以上の階調数をもつものを使用することによって、上記した、レジスト残膜値の制御が可能となる。
また、実質的に同一の実効透過率を有する半透光部を得ようとするとき、該半透光部1と半透光部2に用いる各々の半透光膜の固有の透過率の透過率差を1〜10%の範囲内とすることが好ましい。ここでいう膜固有の透過率とは、露光機の解像度に対して十分に広い領域の半透光部を形成したときの光透過率である。
本発明は、このような優れた効果をもたらす多階調フォトマスクを、前述したように効率的で、かつ欠陥発生の確率の低い工程によって、作製することができる点で、量産上のメリットが大きい。
10 多階調フォトマスク
11 遮光部
12 透光部
13A 第1半透光部
13B 第2半透光部
14 透明基板
15 遮光膜
16 第1半透光膜
17 第2半透光膜
30〜38 第1〜第3レジストパターン
20 被転写体
23 レジストパターン

Claims (8)

  1. 透明基板上に、遮光部、透光部、及びそれぞれ露光光透過率の異なる第1半透光部と第2半透光部からなるマスクパターンを有する多階調フォトマスクの製造方法であり、
    前記第1半透光部は、透明基板上に第2半透光膜を有してなり、前記第2半透光部は、透明基板上に第1半透光膜と第2半透光膜を有してなる多階調フォトマスクであって、
    透明基板上に遮光膜を有するフォトマスクブランクを準備する工程と、
    前記フォトマスクブランクの前記遮光膜上に形成したレジスト膜を描画、現像して第1レジストパターンを形成する工程と、
    前記第1レジストパターンをマスクとして前記遮光膜をエッチングして第1のパターニングを行う工程と、
    前記第1レジストパターンを除去した後、パターニングされた前記遮光膜を有する基板面に第1半透光膜を形成する工程と、
    前記第1半透光膜上に形成したレジスト膜を描画、現像して第2レジストパターンを形成する工程と、
    前記第2レジストパターンをマスクとして少なくとも前記第1半透光膜をエッチングして第2のパターニングを行う工程と、
    前記第2レジストパターンを除去した後、パターニングされた前記遮光膜及び前記第1半透光膜を有する基板面に第2半透光膜を形成する工程と、
    前記第2半透光膜上に形成したレジスト膜を描画、現像して第3レジストパターンを形成する工程と、
    前記第3レジストパターンをマスクとして少なくとも前記第2半透光膜をエッチングして第3のパターニングを行う工程と、
    を有し、
    前記第1レジストパターン形成工程は、遮光部にレジストパターンを残存させ、かつ、前記遮光部のレジストパターンの寸法を、前記遮光部と隣接する透光部及び第1半透光部との境界において、所定のマージン領域分広く形成することを特徴とする多階調フォトマスクの製造方法。
  2. 前記第2レジストパターン形成工程は、前記遮光部と第2半透光部にレジストパターンを残存させ、かつ、前記透光部と隣接する第2半透光部、及び透光部と隣接する遮光部のレジストパターンの寸法を、所定のマージン領域分広く形成することを特徴とする請求項1に記載の多階調フォトマスクの製造方法。
  3. 前記第3レジストパターン形成工程は、得ようとするマスクパターンの寸法に基づき、マージン領域を設けずに決定した寸法に基づいて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の多階調フォトマスクの製造方法。
  4. 前記第3レジストパターンをマスクとして第3のパターニングを行う際、前記透光部領域上の、前記第2半透光膜、前記第1半透光膜及び前記遮光膜をエッチングする工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多階調フォトマスクの製造方法。
  5. 前記第1半透光膜及び前記第2半透光膜はいずれも同一のエッチャントによりエッチングが可能な材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多階調フォトマスクの製造方法。
  6. 前記遮光膜、前記第1半透光膜及び前記第2半透光膜はいずれも同一のエッチャントによりエッチングが可能な材料からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の多階調フォトマスクの製造方法。
  7. 前記第1半透光膜及び前記第2半透光膜はいずれもクロムを主成分とした材料または金属シリサイドを主成分とした材料からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の多階調フォトマスクの製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法による多階調フォトマスクを用いて、被転写体に露光光を照射する露光工程を有し、被転写体上に多階調の転写パターンを形成することを特徴とするパターン転写方法。
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