JP2010237427A - 着色光硬化性組成物、それを用いて形成されたカラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
また、緑色の着色領域の透過率が高く、色ムラの少ない着色パターンを有するカラーフィルタ、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】C.I.ピグメントグリーン7と、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、及びアルミニウムフタロシアニンブルーから選択される少なくとも1種のフタロシアニンブルーと、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも1種のイソインドリン系顔料と、光重合性化合物と、を含有する着色光硬化性組成物である。さらに、光重合開始剤を含有することが好ましい。
【選択図】なし
Description
特許文献1では、感光性着色樹脂組成物中の、特定の有機溶媒成分(シクロヘキサノン)の含有量を5〜80質量%とすることで、カラーフィルタ製造において、着色光硬化性組成物層形成工程時の異物や塗布ムラによる不良を防止することを試みている。
また、特許文献2では、カラーフィルタについて、赤色、緑色、及び青色のフィルタセグメントのCIE表色系の色度図上の特定の面積と、色温度と、前記赤色、緑色、青色のフィルタセグメントの膜厚とを規定することで、青色LEDの表面に蛍光体を塗布した擬似白色LEDを光源とする場合の、白色の色再現性と明度の向上を図っている。
なお、前記現像マージンとは、光硬化性組成物の未硬化部を現像除去する際に、種々の現像条件に対して、光硬化性組成物の硬化部が現像に耐え得る許容範囲をいい、現像時間、現像温度、現像液の濃度の観点から判断される。例えば、現像時間の観点における現像マージンとは、光硬化性組成物を現像し始めてから、光硬化性組成物の硬化部が欠けたり、基板から剥がれる等の現像不良が始まるまでの時間をいう。
また、緑色の着色領域の透過率が高く、色ムラの少ない着色パターンを有するカラーフィルタ、及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、緑色の着色領域の透過率が高く、色ムラの少ない着色パターンを有するカラーフィルタ、及びその製造方法を提供することができる。
また、透過率が高く、現像マージンの長い着色パターンを有するカラーフィルタ、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の着色光硬化性組成物について詳細に説明する。
本発明の着色光硬化性組成物は、C.I.ピグメントグリーン7と、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、及びアルミニウムフタロシアニンブルーから選択される少なくとも1種のフタロシアニンブルーと、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも1種のイソインドリン系顔料と、光重合性化合物とを含有する。
本発明の着色光硬化性組成物に含まれる顔料の組み合わせを上記の特定の顔料の組み合わせとすることにより、着色光硬化性組成物で形成する緑色の着色領域の透過率(CIE表色のYxy系におけるY値)が高く、着色パターンを形成するときに現像マージンが長くなる。
すなわち、上記の特定の顔料を組み合わせることで、着色光硬化性組成物の透過率を高くすることができる。そのため、カラーフィルタ形成時においては、着色光硬化性組成物層の露光工程において、着色光硬化性組成物層中に光が行き渡り、重合性化合物の重合が充分に進行し、硬化性に優れたパターン状の着色光硬化性組成物層が形成されるものと考えられる。その結果、露光した着色光硬化性組成物層の現像開始から、着色光硬化性組成物層の欠け剥がれが生じるまでの時間である現像マージンが長く、現像性が良好となるものと考えられる。
「C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、及びアルミニウムフタロシアニンブルーから選択される少なくとも1種のフタロシアニンブルー」は『特定フタロシアニンブルー』と称することがあり、「C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも1種のイソインドリン系顔料」は『特定イソインドリン系顔料』と称することがある。
また、「C.I.ピグメントグリーン」を『PG』、「C.I.ピグメントブルー」を『PB』、「C.I.ピグメントイエロー」を『PY』と適宜略記する。
−C.I.ピグメントグリーン7−
本発明の着色光硬化性組成物は、有機顔料のC.I.ピグメントグリーン7を含有する。
PG7を添加することで、顔料の透過スペクトル曲線における長波長側の分光立ち上がり波長を調整することが可能となり、緑色の発色時における色純度を向上させることができる。
本発明の着色光硬化性組成物は、有機顔料の特定フタロシアニンブルーを含有する。
特定フタロシアニンブルーは、PB15:3、PB15:4、及びアルミニウムフタロシアニンブルーから選択される少なくとも1種のフタロシアニンブルーである。
特定フタロシアニンブルーを添加することで、さらに緑色の発色時における長波側の色純度を向上させることができる。
特定フタロシアニンブルーの中でも、PB15:3またはアルミニウムフタロシアニンブルーが好ましい。
本発明の着色光硬化性組成物は、有機顔料の特定イソインドリン系顔料を含有する。
特定イソインドリン系顔料は、PY185及びPY139から選択される少なくとも1種のイソインドリン系顔料である。
特定イソインドリン系顔料を添加することで、顔料の透過スペクトル曲線における短波長側の分光立ち上がり波長を調整することが可能となり、緑色の発色時における色純度を向上させることができる。
特定イソインドリン系顔料は、PY185を単独で用いることが好ましい。
特定顔料の粒径は、電子顕微鏡で撮像した一次粒子径の平均が10nm〜70nmであることが好ましく、10nm〜50nmであることがより好ましく、10nm〜40nmが更に好ましい。
PG7と、PB15:3と、PY185との組み合わせ、
PG7と、PB15:3と、PY185及びPY139の併用との組み合わせ、並びに
PG7と、アルミニウムフタロシアニンブルーと、PY185及びPY139の併用との組み合わせが好ましく、
PG7と、PB15:3と、PY185との組み合わせ、並びに
PG7と、PB15:3と、PY185及びPY139の併用との組み合わせがより好ましく、
PG7と、PB15:3と、PY185との組み合わせが最も好ましい。
本発明の着色光硬化性組成物中の顔料濃度(着色光硬化性組成物の全固形分質量に対する全顔料濃度)は、30質量%〜45質量%であることが好ましく、30質量%〜43質量%であることが特に好ましい。
上記他の顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。また、顔料は、無機顔料又は有機顔料を問わず、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、できるだけ粒子径が小さく微少な粒子サイズの顔料を使用することが好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、好ましくは平均粒子径0.01μm〜0.3μm、より好ましくは0.01μm〜0.15μmの顔料である。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。
C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,187,188,193,194,199,213,214、
例えば、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を1種単独で、又は、これと、ジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料と、の混合物を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン36、37と、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180、の混合物が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:200が好ましい。上記質量比が100:5未満では、400〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることができない場合がある。また、100:200を越えると主波長が長波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
本発明においては、必要に応じて、微細でかつ整粒化された顔料を用いることが好ましい。特に、本発明の着色光硬化性組成物を用いてカラーフィルタを形成するときに、微細化処理された処理顔料を用いることが好ましい。
本発明においては、有機顔料の微細化には、以下の方法を用いることがより好ましい。
また、少量用いることで顔料に吸着して、廃水中に流失しないならば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いてもよい。また、必要に応じて2種類以上の溶剤を混合して使用してもよい。
これら水溶性有機溶剤の使用量は、上記有機顔料に対して、50質量%〜300質量%の範囲が好ましく、より好ましくは100質量%〜200質量%の範囲である。
水溶性無機塩の使用量は、顔料の1倍質量〜50倍質量が好ましく、多い方が摩砕効果はあるが、生産性の点から、より好ましい量は1倍質量〜10倍質量である。
また、水溶性無機塩の溶解を防ぐため、摩砕される液状組成物中の水分が1質量%以下であることが好ましい。
上記のような摩砕後の混合物を、80℃の温水と混合することで、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類とを溶解させ、その後、ろ過、水洗し、オーブンで乾燥して、微細な有機顔料を得ることができる。
本発明の着色光硬化性組成物中の顔料を均一に存在させるため、着色光硬化性組成物の調製前に、通常、顔料の分散性を向上させるために顔料分散組成物(顔料分散液ともいう)を調製し、その形態で顔料を着色光硬化性組成物に配合することが好ましい。
顔料の顔料分散組成物中における含有量としては、顔料分散組成物の全固形分(質量)に対して、10質量%〜80質量%が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましい。顔料の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
このような顔料分散組成物を調製するには、顔料と、顔料分散剤(単に、分散剤と称することがある)と顔料誘導体とを適切な溶媒中に配合すればよい。本発明において、顔料分散組成物の調製には、顔料誘導体として以下に詳述する一般式(1)で表される化合物を、分散剤として後述する一般式(3)で表される高分子化合物を用いることが好ましい。
前記顔料分散組成物は、顔料誘導体として下記一般式(1)で表される化合物を含有し、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する。以下、一般式(1)で表される化合物を、特定顔料誘導体とも称する。
[合成例1]
−例示化合物5の合成−
(1)5−ニトロイソフタル酸ジメチル50部とN,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン130部とを、弱く減圧しながら80〜100℃で約4時間反応させた。原料の5−ニトロイソフタル酸ジメチル及びモノアミド化合物の消失を確認したのち、過剰のN,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミンを減圧除去し、92部の5−ニトロイソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミドを得た。
(2)得られた5−ニトロイソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミド92部を、還元鉄112部及び塩化アンモニウム12部とともにイソプロパノール200部、水35部中で還流、還元し、5−アミノ−イソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミド86部を得た。
(3)得られた5−アミノ−イソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミド18.3部をメタノール250部に加え、氷冷下、塩酸32部を加えた。混合液を更に−15℃まで冷却した。これにNaNO23.4部の水溶液(水35部)を滴下し、ジアゾ化した(ジアゾ液の調製)。
別に5−0アセトアセチルアミノ−ベンズイミダゾロン9.3部、メタノール400部、水800部、及びNa2CO319部からなるカップリング成分溶液を調製し、10℃以下に冷却した。これに上記で得られたジアゾ液を滴下し、ジアゾカップリングさせた。K2CO3を加えて系を塩基性にし、析出した黄色生成物を濾取した。これをクロロホルムとアセトニトリルとにより再結晶して、前記に示した例示化合物5を19部得た。得られた化合物の最大吸収波長は、λmax380nm(CHCl3中)であった。
−例示化合物7の合成−
(1)合成例1の(2)で得た5−ニトロイソフタル酸ビス−3−ジエチルアミノプロピルアミド18.5部、及びトリエチルアミン5.1部をDMF60部に溶かし、氷冷した。これに4−ニトロベンゾイルクロライド9.3部のアセトン60部溶液を加えアミド化した。反応後、水800部を加えて結晶を濾取し、酢酸エチルにより再結晶して、4−ニトロベンゾイル−4−[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルカルバモイル)]フェニルアミド14部を得た。
(2)得られた化合物を、合成例1の(2)と同様に還元してアニリン誘導体13.2部を得た。
これにNaNO21.8部の水溶液(水20部)を滴下し、ジアゾ化した(ジアゾ液の調製)。別に5−アセトアセチルアミノベンズイミダゾロン5.9部、メタノール260部、水530部、及びNaCO310.8部からなるカップリング成分溶液を調製し、10℃以下に冷却した。これに上記で得られたジアゾ液を、10℃を超えないように滴下し、反応させた。K2CO3を加えて系を塩基性にし、析出した黄色生成物を濾取し、DMFとアセトニトリルとにより再結晶して、前記に示した例示化合物7を19部得た。得られた化合物の最大吸収波長は、λmax391nm(CHCl3中)であった。
−例示化合物22の合成−
(1)合成例2の(3)と同様にしてアニリン誘導体22.9部を用いてメタノール180部、塩酸31部、NaNO23.1部、及び水30部からなるジアゾ液を調製した。
(2)バルビツール酸5.6部、メタノール600部、水1100部、及びNa2CO319部からなるカップリング成分液を調製した。
これに(1)で得られたジアゾ液を滴下し、反応させた。反応後、K2CO3を加えて系を塩基性にし、析出した結晶を濾取し、DMFとアセトニトリルとにより再結晶して、前記に示した例示化合物22を16.3部得た。得られた化合物の最大吸収波長は、λmax378nm(CHCl3中)であった。
次に、前記特定顔料誘導体による顔料の分散について説明する。特定顔料誘導体を用いた場合、特定顔料誘導体が、顔料粒子の表面に吸着する。このとき、顔料粒子の表面には、特定顔料誘導体における窒素原子が吸着する。顔料粒子は、前記一般式(1)で表される化合物で覆われた状態になる。個々の顔料粒子の表面に前記一般式(1)で表される化合物が吸着しているので、顔料粒子同士は、互いに吸着し凝集することがなく、微細化した状態のまま、前記一般式(1)で表される化合物により均一に分散され、流動し易い状態になる。
また、前記特定顔料誘導体と、他の顔料誘導体とを併用する場合には、分散性向上の観点から、特定顔料誘導体の割合を、全顔料誘導体の質量に対して1質量%〜99質量%とすることが好ましい。
前記顔料分散剤は、下記一般式(3)で表される高分子化合物(特定分散剤とも称する)である。下記一般式(3)で表される高分子化合物は、ポリマーの末端に、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を複数有するので、固体表面に対する吸着性に優れていたり、ミセル形成能に優れていたり、界面活性性を有していたり、様々な特徴を有する。例えば顔料分散剤として好適に用いることができる。
なお、以下、この顔料に対する吸着能を有する部位(上記構造及び官能基)を、適宜、「吸着部位」と総称して、説明する。
また、本発明において、「吸着部位を少なくとも1種含む1価の有機基」は、前述の吸着部位と、1から200個までの炭素原子、0個から20個までの窒素原子、0個から100個までの酸素原子、1個から400個までの水素原子、および0個から40個までの硫黄原子から成り立つ有機連結基と、が結合してなる1価の有機基である。なお、吸着部位自体が1価の有機基を構成しうる場合には、吸着部位そのものがA1 で表される一価の有機基であってもよい。
まず、前記A1 を構成する吸着部位について以下に説明する。
式(a2)中、R13 およびR14 は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
特に、アミノ基(−NH2 )、置換イミノ基(−NHR8、−NR9R10、ここで、R8、R9、およびR10は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、前記式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11およびR12 は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、前記式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13およびR14は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。
この有機連結基の具体的な例として、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。
中でも、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、および炭素数4以上の炭化水素基から選択される部位が好ましい。
(a+1)価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
2価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記R1で表される(m+n)価の有機連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
また、前記一般式(3)中、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
ポリマーの中でも、高分子骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、およびこれらの変性物、または共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、およびこれらの変性物または共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
更には、前記ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が低いと、例えば、顔料分散剤として使用した場合、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。
以下、これらのビニルモノマーの好ましい例について説明する。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、およびマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、およびフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、およびイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
なお、A2は、前記一般式(3)における前記A1と同義であり、好ましい態様も同様である。
R4、R5で表される2価の有機連結基としては、前記一般式(3)のR2で表される2価の有機連結基として挙げられたものと同一のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
前記R3で表される(m+n)価の有機連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
前記R3で表される(m+n)価の有機連結基として、具体的には、前記一般式(1)のR1で表される(m+n)価の有機連結基として挙げられたものと同一のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
また、前記一般式(3−2)中、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
R3:前記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、または(17)
R4:単結合あるいは、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される「1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、および0個から5個までの硫黄原子」から成り立つ2価の有機連結基(置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、等が挙げられる。)
なお、下記基中、R25は水素原子またはメチル基を表し、lは1または2を表す。
m:1〜3
n:3〜6
前記特定分散剤(一般式(3)で表される高分子化合物(一般式(3−2)で表されるものを含む))は、特に制限されないが、下記方法などにより合成することができる。
「メルカプト基と反応可能な官能基」が炭素−炭素二重結合であり、付加反応がラジカル付加反応であることが特に好ましい。なお、炭素−炭素二重結合としては、メルカプト基との反応性の点で、1置換もしくは2置換のビニル基がより好ましい。
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
また、アルカリ現像処理が必要な着色光硬化性組成物に適用する場合、特定分散剤は、1種以上の酸性基を有するビニルモノマーと、1種以上の酸性基を有さないビニルモノマーと、を共重合させることがより好ましい。
例えば、これらのビニルモノマー、および前記連鎖移動剤を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して、約50℃〜220℃で、溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。
前記ケトン系溶媒としては、分子内にケト基(>C=O)を有する溶媒であれば特に制限されないが、中でも、アセチルアセトン、アセトフェノン、アセトン、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジ−n−プロピルケトン、ホロン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−へプチルケトンなどが好ましい。
前記ケトン系溶媒の含有量は、顔料分散組成物の経時での結晶析出を抑制し、着色光硬化性組成物の透過性を向上する観点から、本発明の着色光硬化性組成物の全質量に対して、15質量%〜50質量%であることが好ましく、15質量%〜40質量%であることがより好ましい。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
また、前記特定分散剤と、他の顔料分散剤とを併用する場合には、分散性向上の観点から、特定分散剤の割合を、全顔料分散剤の質量に対して1質量%〜99質量%とすることが好ましい。
顔料分散組成物は、前記顔料誘導体、分散剤の他、必要に応じて適宜選択したその他の成分を更に含んでいてもよい。前記その他の成分としては、既述の公知の分散剤が挙げられる。
また、更に、下記一般式(4)又は(5)で表されるアミン化合物を含有していてもよい。
着色光硬化性組成物中の顔料分散組成物の含有量は、着色光硬化性組成物中の顔料濃度が10質量%〜60質量%となる範囲であり、顔料濃度が15質量%〜50質量%の範囲となる量であることがより好ましい。
本発明の着色光硬化性組成物は、前記特定顔料に加え、少なくとも1種の光重合性化合物を含有する。
本発明に用いることができる光重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合を一つ以上有する重合性モノマー又はオリゴマーが挙げられ、中でも、エチレン性不飽和二重結合を一つ以上有し、且つ、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましい。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
光重合性化合物の着色光硬化性組成物中における含有量としては、該着色光硬化性組成物の全固形分に対して、2質量%〜30質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜25質量%であり、特に好ましくは5質量%〜20質量%である。光重合性化合物が前記範囲内であると、硬化反応が充分に行うことができる。
本発明の着色光硬化性組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤は前記光重合性化合物を重合させられるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれることが好ましい。
ここで用いうる光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物、米国特許第4318791号、欧州特許出願公開第88050等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許発明第2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン類又はアクリジン類化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン類又はロフィンダイマー類等の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
上記以外に、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
増感剤、光安定剤、及び熱重合防止剤の具体例としては、特開2004−295116号公報の段落番号[0078]及び[0081]に記載される化合物が挙げられる。
本発明の着色光硬化性組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。着色光硬化性組成物にアルカリ可溶性樹脂を含有することで、該着色光硬化性組成物をフォトリソ法によるパターン形成に適用した際において、パターン形成性をより向上させることができる。
この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
好ましい共重合可能な他の単量体は、CH2=CR1R2、CH2=C(R1)(COOR3)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH2=CR1R2、及び/又は、CH2=C(R1)(COOR3)である。
本発明の着色光硬化性組成物は、一般に、前述の各成分と共に溶剤を用いることで、好適に調製することができる。
用いられる溶剤としては、特開2004−295116号公報の段落番号[0152]〜[0153]に記載される化合物を好ましく用いることができる。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色光硬化性組成物には、必要に応じて、増感色素、エポキシ樹脂、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、充填剤、前記特定分散剤及び前記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
カラーフィルタ層形成用の着色光硬化性組成物は、必要に応じて増感色素を添加してもよい。増感色素は、この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記光重合開始剤のラジカル発生反応等や、それによる前記光重合性化合物の重合反応が促進させることができる。
このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体(例えば、下記化合物)、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350nm〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
増感色素の含有量がこの範囲であることで、超高圧水銀灯の露光波長に対して高感度であり、膜深部硬化性が得られると共に、現像マージン、パターン形成性の点で好ましい。
本発明の着色光硬化性組成物は、形成された塗膜の強度を上げるために、熱重合成分として、エポキシ樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。
例えば、ビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成社製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセケムテックス社製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学工業社製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。また、Ebecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー社製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
また、1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
具体的な好ましい化合物としては、エポトートYD−115、118T、127、YDF−170、YDPN−638、YDPN−701、プラクセルGL−61、GL−62、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニル、セロキサイド2021、2081、エポリードGT−302、GT−403、EHPE−3150などが挙げられる。
本発明の着色光硬化性組成物は、フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に、流動性)を向上させ、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。
すなわち、フッ素系有機化合物を含有する着色光硬化性組成物は、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させて被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上するため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物の添加量は、着色光硬化性組成物の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
本発明の着色光硬化性組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。
熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられる。
前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
本発明の着色光硬化性組成物には、塗布性を改良する観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、前述のフッ素系界面活性剤の他に、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。
中でも、前記のノニオン系界面活性剤でパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファック(登録商標)シリーズ、3M社製のフロラード(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
更に、アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商社製)等が挙げられる。
上記以外に、着色光硬化性組成物には各種の添加物を添加することができる。
添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化社製)及びイソネットS−20(三洋化成社製);2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等がある。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、基板上に、前述の本発明の着色光硬化性組成物により形成された着色パターンを有する。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、前述の本発明の着色光硬化性組成物を、基板上に付与して着色光硬化性組成物層を形成する着色光硬化性組成物層形成工程と、該着色光硬化性組成物層をパターン状に露光する露光工程と、露光後の前記着色光硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する現像工程と、を有する。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
このような方法により、各種表示装置に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質で、かつ、低コストに作製することができる。
以下、各工程について詳細に説明する。
まず、着色光硬化性組成物層形成工程で用いられる基板について説明する。
本発明のカラーフィルタに用いられる基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板や、プラスチック基板が挙げられる。
これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層が設けられたりしていてもよい。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面に、窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板を用いることができる。
塗布法としては、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法という)が好ましい。
スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えば、スピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色光硬化性組成物の吐出量は、通常、500マイクロリットル/秒〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800マイクロリットル/秒〜1500マイクロリットル/秒であり、また、塗工速度は、通常、50mm/秒〜300mm/秒、好ましくは100mm/秒〜200mm/秒である。
なお、この着色光硬化性組成物の固形分濃度は、好ましくは、12質量%以上18質量%以下であり、より好ましくは13質量%以上17.5質量%以下であり、14質量%以上17質量%以下である。
着色光硬化性組成物層形成工程で用いられる着色光硬化性組成物の粘度が上記範囲であることで、塗布された着色光硬化性組成物による着色光硬化性組成物層の厚みの均一化が図れる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタの場合であれば、着色光硬化性組成物層の厚み(プリベーク処理後)は、0.5μm〜5.0μmの範囲が好ましい。
真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1torr〜1.0torr、好ましくは0.2torr〜0.5torrである。
また、プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50℃〜140℃の温度範囲で、好ましくは70℃〜110℃程度であり、10秒〜300秒の条件にて行なうことができる。なお、プリベーク処理には、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。
露光工程では、前述のようにして形成された着色光硬化性組成物層に対し、所定のマスクパターンを介してパターン状に露光を行う。
露光の際に使用される放射線としては、特に、g線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
なお、液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、ステッパー露光機にて、主として、i線を使用することが好ましい。
なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
現像工程では、露光後の着色光硬化性組成物層の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化部のみを基板上に残存させる。
本発明の着色光硬化性組成物は、既述のように、露光した光硬化性組成物の未硬化部の現像除去開始から、光硬化性組成物の硬化部が欠けたり、基板から剥がれる等の現像不良が始まるまでの時間である現像マージンが長い。そのため、現像工程において、現像時間や現像温度が変動した場合でも、現像不良が生じにくく、色ムラの少ないカラーフィルタを得ることができる。従って、本発明の着色光硬化性組成物を用いて形成された着色光硬化性組成物層の現像においては、現像条件の影響を受け難いが、透過率の高いカラーフィルタを形成する観点から、次の現像条件とすることが好ましい。
現像液としては、未硬化部における着色光硬化性組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。
具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
また、アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合にはパドル現像も用いられる。
リンス工処理は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
この加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行なうことができる。
このようなポストベークは、硬化を完全なものとする目的と、現像後のパターン形状を熱変形により順テーパー化させる目的のための工程であり、200℃以上250℃以下の加熱(ハードベーク)を行なうことが一般的である。
本発明の着色光硬化性組成物は、良好な断面形状を有し、硬度の高い皮膜を形成することができるため、リンス処理及び乾燥後において、カラーフィルタとして充分な硬度と、断面形状を有する場合には、カラーフィルタの製造工程におけるポストベークを省略することができる。
基板上のブラックマトリックスは、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料の加工顔料を含有する光硬化性組成物を用い、塗布、露光、及び現像の各工程を経て、その後、必要に応じて、ポストベークすることにより形成することができる。
本発明の表示装置は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。
本発明の表示装置は、例えば、透明基板上に、カラーフィルタ、TFT回路、有機EL層、共通電極を、この順に積層して構成されることができる。
透明基板としては、ガラス或いはプラスチックを用いることができる。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)などが使用できる。透明基板がプラスチックの場合、SiO2、SiON、Al2O3、Y2O3等のバリア膜を設けて、水分や酸素の透過を防止することが望ましい。
カラーフィルタの構成は、これに限定されず、例えば、RGBだけでなく、RGGBでもよいし、RGBWでもよい。ここで、Wは白を示し、有機EL層が白色発光の場合のみ使用できる。
また、RGBカラーフィルタは通常の透過帯域制限型でもよいし、青色光を受けて赤や緑に変換する色変換型でもよい。透過帯域制限型のカラーフィルタは、顔料を分散したレジストであり、色変換型のカラーフィルタは、蛍光色素を混合したレジストである。これらは、通常のネガ型レジストのように、露光・現像・焼成によって形成することができる。この詳細は前述の通りである。
また、本発明ではTFTの半導体層として酸化物半導体を用いることができる。酸化物半導体は透明なので、電極や絶縁層にも透明材料を用いれば透明なTFTとすることができ、開口率の悪化を防止できる。また、従来のアモルファスSiやポリSiの成膜には200℃以上の高温プロセスが必要なのに対し、酸化物半導体には室温〜200℃以下の低温成膜でも良好に動作するものが多く、以降の他の工程(フォトリソグラフィや有機EL層、共通電極の形成)も全て200℃以下で行うことができるため、カラーフィルタを熱により損傷する可能性が少ないという利点がある。さらには、カラーフィルタの作製をも200℃以下で行えば、基板としてプラスチックを用いることが可能になり、フレキシブルなELディスプレイとすることもできる。
特にInGaZn酸化物は、室温以上200℃以下のいずれの温度でスパッタ成膜しても移動度5cm2/Vs以上を容易かつ再現性よく得ることができ、好適な材料である。また、InGaZnMg酸化物はInGaZn酸化物と同等の移動度を有し、さらにバンドギャップが大きいので紫外線に強い(誤動作しにくい)という特徴を有している。ここで、InGaZn酸化物は、組成比がIn:Ga:Zn:O=1:1:1:4に近いものであるが、実際には若干の酸素空孔が存在し、若干の金属組成ずれがあっても特性は変わらないので、組成比はIn:Ga:Zn:O=(0.7〜1.3):(0.7〜1.3):(0.7〜1.3):(3〜4)が許容される。
また、アモルファス状態を基本とするが、一部微結晶構造を含有してもよい。また、InGaZnMg酸化物は、InGaZn酸化物のZnの一部(50%以下)をMgに置き換えたものである。スパッタとしては、RFあるいはDCの反応性スパッタが好適である。
絶縁層としては、酸化シリコンSiOx、窒化シリコンSiNx、酸化アルミニウムAl2O3、酸化タンタルTaOx、酸化イットリウムY2O3、窒素タンタルTaNx等の酸化膜や窒化膜等が好適に用いられる。
これらも、室温以上200℃以下の温度で、スパッタ、レーザアブレーション、蒸着等で成膜できる。特に、反応性スパッタが好適である。製膜後にはポストアニールを行ってもよい。このとき、ポストアニールの温度も、200℃以下であることが好ましい。
本発明では、さらに透明な有機絶縁層を用いることも可能である。例えばフッ素樹脂やポリビニルアルコール、エポキシ、アクリル等を使用できる。感光性樹脂を用いると、パターニングが容易となる。さらには、異種の絶縁層を重ねてもよい。
正孔輸送層を構成する材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(PEDOT:PSS)等の導電性高分子材料が挙げられる。
これらの正孔輸送材料は、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させ、スピンコート、バーコート、ワイヤーコート、スリットコート等のコーティング法により塗布できる。また、必要に応じてパターニングを行っても良い。
正孔輸送層には必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。正孔輸送層の膜厚は、10nmないし200nmの範囲が好ましい。あるいは、TPD(トリフェニルジアミン)、α−NPD(ビス[N−ナフチル−N−フェニル]ベンジディン)などの低分子材料を用いてもよい。
これらの高分子蛍光体はトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解し、スピンコート法、カーテンコート法、バーコート法、ワイヤーコート法、スリットコート法等のコーティング法により塗布できる。また、印刷法により発光層を形成することもできる。
発光層の膜厚は、単層または多層構造いずれの場合にも合わせて1000nm以下が好ましく、より好ましくは合わせて50nmないし150nmの範囲である。
他の材料として、アルミキノリン錯体やジスチリル誘導体等に、キナクリドン、クマリン誘導体、ルブレン、DCM(4−(Dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)誘導体、ペリレン、イリジウム錯体等をドーピングした低分子蛍光体を用いることができる。
本発明の表示装置における有機発光素子は、上記の如き発光特性を有する有機EL発光素子であれば、上記態様に制限されるものではなく、例えば、マクロキャビティ構造を有し、500nm〜600nmの範囲に最大発光強度の波長を持つ如き有機EL発光素子と、本発明における特定顔料を含有するカラーフィルタ層を組み合わせて用いた場合でも、本発明の優れた効果を奏するものである。
−顔料分散組成物(1)−
(顔料の微細化処理)
ピグメントグリーン7(BASF社製:HELIOGEN GREEN D8730)100g、塩化ナトリウム(平均粒径10μm)1000gをニーダー(井上製作所社製)に仕込み、次いで、ジエチレングリコール180gを加え、温度60℃に保ちながら8時間混練して混練物を得た。
得られた混練物を、温水(60℃、15リットル)に投入し、80℃に加熱しながら、ハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して、塩化ナトリウム及び溶剤を除き、80℃の熱風オーブンで12時間乾燥して、処理顔料1を得た。
・下記顔料誘導体(a) 6.50部
・下記分散剤αのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液
(固形分:30質量%) 116.67部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 318.33部
顔料分散組成物(1)の調製において、ピグメントグリーン7顔料をピグメントブルー15:3に変えた以外は、顔料分散組成物(1)の調製と同様にして、顔料分散組成物(2)を得た。
顔料分散組成物(1)の調製において、処理顔料1を、微細化処理をしていないピグメントブルー15:4に変え、顔料の添加量を60.00部とし、顔料誘導体を使用しなかった以外は、顔料分散組成物(1)の調製と同様にして、顔料分散組成物(3)を得た。
顔料分散組成物(1)の調製において、ピグメントグリーン7顔料をピグメントブルー15:6に変えた以外は、顔料分散組成物(1)の調製と同様にして、顔料分散組成物(4)を得た。
顔料分散組成物(1)の調製において、ピグメントグリーン7顔料をピグメントグリーン36に変え、顔料誘導体(a)を顔料誘導体(b)に変えた以外は、顔料分散組成物(1)の調製と同様にして、顔料分散組成物(5)を得た。
顔料分散組成物(1)の調製において、処理顔料1を、微細化処理をしていないアルミニウムフタロシアニンブルーに変えた以外は、顔料分散組成物(1)の調製と同様にして、顔料分散組成物(6)を得た。
顔料分散組成物(1)の調製において、ピグメントグリーン7顔料をピグメントイエロー185に変え、顔料誘導体(a)を顔料誘導体(b)に変えた以外は、顔料分散組成物(1)の調製と同様にして、顔料分散組成物(7)を得た。
顔料分散組成物(7)の調製において、ピグメントイエロー185顔料をピグメントイエロー139に変えた以外は、顔料分散組成物(7)の調製と同様にして、顔料分散組成物(8)を得た。
顔料分散組成物(7)の調製において、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート318.33部を218.33部とし、シクロヘキサノンを100.00部に変えた以外は、顔料分散組成物(7)の調製と同様にして、顔料分散組成物(9)を得た。
顔料分散組成物(9)の調製において、シクロヘキサノンをシクロペンタノンに変えた以外は、顔料分散組成物(9)の調製と同様にして、顔料分散組成物(10)を得た。
下記組成成分を混合し、実施例1の着色光硬化性組成物を調製した。
・顔料分散組成物:前記顔料分散組成物(1) 37.78部
・顔料分散組成物:前記顔料分散組成物(2) 3.78部
・顔料分散組成物:前記顔料分散組成物(7) 43.64部
・アルカリ可溶性樹脂:
メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸(=70/30[質量比])共重合体
(重量平均分子量:10,000)のプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート溶液(固形分30質量%) 9.68部
・光重合性化合物:KAYARAD DPHA 4.50部
・光重合開始剤:
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)
フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム) 2.16部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.002部
・界面活性剤: 0.21部
(商品名:Megafac F−781−F、大日本インキ社製)
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.30部
実施例1の着色光硬化性組成物の調製において、顔料分散組成物の種類・含有量を、表2〜4に記載の種類・含有量に変え、各着色光硬化性組成物の固形分が、実施例1の着色光硬化性組成物の固形分と同じになるように、アルカリ可溶性樹脂および溶剤を加減して調整した以外は、同様にして各々の着色光硬化性組成物を調製した。
得られた実施例及び比較例の各着色光硬化性組成物を用いて、色度評価および現像性評価を行なった。
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737、コーニング社製)上に、前記着色光硬化性組成物を、着色光硬化性組成物層の層厚が3.7μmとなるように塗布し〔着色光硬化性組成物層形成工程〕、90℃のホットプレート上で80秒乾燥(プリベーク)した。その後、全面に100mJ/cm2の露光(照度は20mW/cm2)をし〔露光工程〕、大塚電子社製MCPD−3000にて、分光を測定した。
ついで、図3に示すOLEDバックライトの分光例を用いて、色度計算をした。
図3に示す分光スペクトルは、有機EL表示装置において一般的なOLEDバックライトの分光例である。具体的には、得られた分光から、図3に示すOLEDバックライトの分光例を介した際の色度を、CIE表色系のxyY表色系で表したときの色度座標(x、y)及び、明度(透過率)を示すYについて測定することによって評価した。この色度座標(x、y)及び、明度(透過率)を示すYの各々については、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100)を用い、ピンホール径5μmにて測定し、光源視野2度の結果として計算した。なお、計算にあたっては、光源として、図3に示すOLEDバックライト分光例を使用した。
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737、コーニング社製)上に、前記着色光硬化性組成物を膜厚3.7μmとなるように塗布し〔着色光硬化性組成物形成工程〕、90℃のホットプレート上で80秒乾燥(プリベーク)した。その後、20μmの線幅をもつパターン状のマスクで100mJ/cm2の露光(照度は20mW/cm2)をした〔露光工程〕。ついで、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液を用いて25℃で現像し〔現像工程〕、カラーフィルタを形成した。
得られたカラーフィルタについて、以下のように評価した。
× 現像マージン:20sec未満
比較例1〜比較例10の着色光硬化性組成物を用いて形成した着色パターンは、実施例に比較して、色相同等でY値も同等であったが、現像マージンが狭かった。
比較例11〜比較例13の着色光硬化性組成物を用いた着色パターンは、処方設計することができなかった(x=0.210、y=0.710の色相に合わせることができなかった)。
比較例14及び比較例15の着色光硬化性組成物を用いて形成した着色パターンは、色相は実施例と同等であり、現像マージンが長かったものの、Y値が低く、透過性が不十分であった。
また、図1及び図2に示される実施例の着色光硬化性組成物分光スペクトルは、波長515nm〜520nmに極大ピークを有し、特定波長の緑色の透過性が高いことがわかった。
Claims (4)
- C.I.ピグメントグリーン7と、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、及びアルミニウムフタロシアニンブルーから選択される少なくとも1種のフタロシアニンブルーと、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも1種のイソインドリン系顔料と、光重合性化合物とを含有する着色光硬化性組成物。
- さらに、光重合開始剤を含有する請求項1に記載の着色光硬化性組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載の着色光硬化性組成物を用いて形成された着色パターンを有するカラーフィルタ。
- 請求項1又は請求項2に記載の着色光硬化性組成物を、
基板上に付与して着色光硬化性組成物層を形成する着色光硬化性組成物層形成工程と、
該着色光硬化性組成物層をパターン状に露光する露光工程と、
露光後の前記着色光硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する現像工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。
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