JP2010237298A - 彫刻モニタリング方法及び装置、製版装置、並びに印刷版の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】彫刻の異常を早期に検知でき、作業効率の向上を図ることができる彫刻モニタリング方法及び装置、製版装置、並びに印刷版の製造方法を提供する。
【解決手段】彫刻目標となる目標立体形状データに基づいてレーザビームの出力を制御し、このレーザビームを被加工材(14)の表面に照射して当該被加工材を彫刻する。入力画像データに対応する画像領域の立体形状の彫刻作業の完了を待たずに、彫刻された部分の形状を3D形状センサ(30)で測定し、得られた形状データと目標立体形状データとの比較結果に基づき異常を検知してユーザに報知し、或いは、レーザ制御パラメータを補正する。画像領域の彫刻開始前又は画像領域の彫刻とともに、非画像部に所定のテストチャートを彫刻し、チャートを測定して得た形状データとチャートの目標立体形状データとを比較する態様が好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】彫刻目標となる目標立体形状データに基づいてレーザビームの出力を制御し、このレーザビームを被加工材(14)の表面に照射して当該被加工材を彫刻する。入力画像データに対応する画像領域の立体形状の彫刻作業の完了を待たずに、彫刻された部分の形状を3D形状センサ(30)で測定し、得られた形状データと目標立体形状データとの比較結果に基づき異常を検知してユーザに報知し、或いは、レーザ制御パラメータを補正する。画像領域の彫刻開始前又は画像領域の彫刻とともに、非画像部に所定のテストチャートを彫刻し、チャートを測定して得た形状データとチャートの目標立体形状データとを比較する態様が好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は彫刻モニタリング方法及び装置、製版装置、並びに印刷版の製造方法に係り、特にフレキソ版などの印刷版の製造に好適なレーザ彫刻技術及びこれを適用した製版技術に関する。
CTP(Computer to Plate)におけるフレキソ版などの印刷版を作製する方法として、版材にレーザ光を照射して版材の表面に画像データに応じた凹凸形状を彫刻する技術が知られている。特許文献1には、原稿画像をRIP(RasterImage Processor)展開した画像データと、その画像データに基づいて作製した印刷版の完成後の画像面をスキャナやラインCCDで読み取って得られた画像データとの差異を検出し、その差異を表示装置に表示する構成が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、操作者は当該表示を見て、完成した印刷版の良否を判定することができる。
しかしながら、従来の方法では、版の作製工程の次にチェック(検版)工程があるため、チェックを開始するのが遅くなり、印刷版(完成品)の間違いに気付くのに時間がかっていた。また、検版工程で不備が発見された場合には、再度作り直さなければならず、版材も無駄になるなど作業効率が悪い。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、彫刻の異常を早期に検知でき、作業効率の向上を図ることができる彫刻モニタリング方法及び装置、製版装置、並びに印刷版の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る彫刻モニタリング方法は、彫刻目標となる目標立体形状データを生成する彫刻目標形状算出工程と、前記目標立体形状データに基づいてレーザビームの出力を制御するレーザ制御工程と、前記レーザビームを被加工材の表面に照射して当該被加工材を彫刻するレーザ彫刻工程と、入力画像データに対応する画像領域の彫刻完了を待たずに、当該被加工材について前記彫刻された部分の形状の測定を開始し、当該測定により前記彫刻された部分の形状データを取得する形状測定工程と、前記目標立体形状データと前記形状データとの比較から差異を検出する比較工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、入力画像データに対応する画像領域の彫刻の完成を待たずに、彫刻済みの部分の形状測定を開始するため、彫刻工程の不備を早期に発見でき、作業効率が向上する。また、検知した彫刻の異常をユーザに知らせたり、正しく彫刻されるようにレーザ制御のパラメータを補正したりすることが可能である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
<製版装置の構成例>
図1は、本発明の実施形態に係る製版装置の構成図である。図示の製版装置10は、円筒形を有するシリンダ(版胴に相当するドラム)12の外周面にシート状の版材14を固定し、シリンダ12を図1中の矢印R方向(主走査方向)に回転させると共に、版材14に向けて露光ヘッド16からレーザビームを射出し、露光ヘッド16を主走査方向と直交する副走査方向(図1矢印S方向)に走査させることで、版材14の表面に画像を彫刻(記録)するレーザ彫刻装置を用いたものである。ここでは、フレキソ印刷用のゴム版又は樹脂版を彫刻する場合を例に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る製版装置の構成図である。図示の製版装置10は、円筒形を有するシリンダ(版胴に相当するドラム)12の外周面にシート状の版材14を固定し、シリンダ12を図1中の矢印R方向(主走査方向)に回転させると共に、版材14に向けて露光ヘッド16からレーザビームを射出し、露光ヘッド16を主走査方向と直交する副走査方向(図1矢印S方向)に走査させることで、版材14の表面に画像を彫刻(記録)するレーザ彫刻装置を用いたものである。ここでは、フレキソ印刷用のゴム版又は樹脂版を彫刻する場合を例に説明する。
本例の露光ヘッド16は、光源ユニット18で生成された複数のレーザビームを同時に照射し得るマルチビームヘッドである。光源ユニット18の詳細な構成は図示しないが、光源ユニット18は複数の半導体レーザ(不図示のレーザダイオード)を備えており、各半導体レーザの光はそれぞれ個別に光ファイバー20を介して露光ヘッド16へと伝送される。
本例では、半導体レーザとしてブロードエリア半導体レーザ(波長:915nm)が用いられる。各半導体レーザは、それぞれ個別の配線部材を介して、対応するLDドライバー回路22に接続されており、各々の半導体レーザは個別に駆動制御される。
なお、本実施の形態では、レーザビームを高出力とするために、コア径の比較的大きな、多モード光ファイバーを用いている。具体的には、本実施形態においては、コア径が105μmの光ファイバーが用いられている。また、半導体レーザには、最大出力が10W程度のものを使用している。具体的には、例えば、JDSユニフェーズ社から販売されているコア径105μmで出力10W(6398-L4)のものなどを採用することができる。
本例の製版装置10は、露光ヘッド16で彫刻が終了した部分の版材14の3次元形状を検出する手段として3D形状センサ30を備えている。3D形状センサ30の形態は特に限定されず、接触式、非接触式を問わず、公知の手段を適用できるが、非接触式であることがより好ましい。例えば、対象物にレーザ光を照射してその反射光を受光する方式で距離データを取得するもの、対象物にスリット光を照射してフォトセンサアレイで受光する光切断法によるもの、撮像デバイス(CCDやCMOSなど)を利用するもの、超音波を利用するものなど、各種の形態を採用することができる。
3D形状センサ30は露光ヘッド16とともにキャリッジ32に搭載されており、露光ヘッド16と3D形状センサ30は所定の相対位置の関係を保ちながら副走査方向に移動可能となっている。露光ヘッド16と3D形状センサ30の相対的位置関係を内部データとして把握しておくことにより、露光ヘッド16とともに移動する3D形状センサ30が検査している位置の情報(二次元位置情報)を把握することができる。
キャリッジ32の移動機構について詳細は図示しないが、例えば、ボールネジと直動レールの組合せなど公知の手段を適用できる。ボールネジを回転駆動する副走査モータ34を作動させることによって、ボールネジ上のキャリッジ32(露光ヘッド16及び3D形状センサ30)を直動レールに案内された状態で副走査方向に移動させることができる。
また、版材14を固定保持したシリンダ12は主走査モータ36を作動させることによって回転駆動させることができ、これによって主走査がなされる。
なお、図1では、露光ヘッド16と3D形状センサ30とが副走査方向に並んで描かれているが、両者は主走査方向について異なる位置(シリンダ12の周方向に沿って異なる位置)に配置されてもよい。
露光ヘッド16と3D形状センサ30とを主走査方向に沿って並べて配置することにより、彫刻直後にリアルタイムで彫刻結果を監視することも可能である。露光ヘッド16による光照射位置(加工位置)と3D形状センサ30による検査位置(モニタリング位置)との間の相対距離が近いほど検査のリアルタイム性は高くなる。ただし、必ずしも厳密なリアルタイム性は要求されないため、露光ヘッド16による彫刻工程と並行して3D形状センサ30による検査工程を行い、彫刻動作中にその彫刻結果をモニタするという目的達成の観点から実用上許容できる範囲で露光ヘッド16と3D形状センサ30の相対位置の関係を適宜設計することができる。
また、図1では、露光ヘッド16と3D形状センサ30を一体として副走査方向に移動させる構成を説明したが、露光ヘッド16と3D形状センサ30とを別々に移動可能な構成としてもよい。
製版装置10の制御ユニット40は、LDドライバー回路22の他、3D形状センサ30からの信号を処理する3D測定処理部42、副走査モータ34を駆動する副走査モータ駆動回路44、主走査モータ36を駆動する主走査モータ駆動回路46、制御回路50、画像入力インターフェース部52、ユーザインターフェースとしての入力装置54及び表示部56を備える。
制御回路50は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等を含んで構成され、所定のプログラムに従って製版装置10の各部を全体として制御する制御装置として機能するとともに各種演算を行う演算装置として機能する。
画像入力インターフェース部52には、USB(Universal SerialBus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)など、有線・無線を問わず各種方式の通信インターフェースを適用できるとともに、メモリカード、磁気ディスク、光ディスクその他の外部記憶媒体からデータを取り込むメディアインターフェースを適用できる。
版材14に彫刻(記録)する画像を示す原稿画像のデータは、画像入力インターフェース部52を介して制御回路50に供給される。制御回路50はこの入力画像データに基づき、露光走査系の走査モータ(34,36)の駆動を制御するとともに、光源ユニット18の各半導体レーザについて個別にその出力(オン・オフの制御並びにレーザビームのパワー制御)を制御する。なお、レーザビームの出力を制御する手段としては、半導体レーザの発光量を制御する態様に限らず、これに代えて、又はこれと組み合わせて、音響光変調器(AOM:Acoustic OpticalModulator)ユニットなどの光変調手段を用いてもよい。
図2は、露光ヘッド16内に配設される光ファイバーアレイ部60の光出射部の拡大図である。図示のように、光ファイバーアレイ部60の光出射部62は、等間隔に複数個(例えば、32個)の光を出射するコア径105μmの光ファイバー20が直線状の1列に並んで配置されている。なお、本発明の実施に際して光ファイバー20の本数は特に限定されない。また、必ずしもマルチビームである必要はなく、1本のビームで彫刻を行う態様も可能である。
光ファイバーアレイ部60は、基台(V溝基板)64を有し、該基台64には片面に、光源ユニット18(図1参照)における半導体レーザの個数と同数の(本例では、32個の)V字溝66が所定の間隔で隣接するように形成されている(図2参照)。基台64の各V字溝66には、光ファイバー20の端部21が1本ずつ嵌め込まれている。これにより、直線状に並んで配置された光ファイバー端部群68が構成され、当該光ファイバーアレイ部60の光出射部62からこれら複数本のレーザビームを同時に出射することが可能である。
図3は、光ファイバーアレイ部60の結像系の概要図である。図3に示すように、露光ヘッド16内には、コリメータレンズ72と結像レンズ74が配設されている。これらレンズ(72,74)の組合せで構成される結像手段(結像光学系)によって、図2で説明した光ファイバーアレイ部60の光出射部62を所定の結像倍率で版材14の露光面(表面)14Aの近傍に結像させる(図3参照)。本実施形態では、結像倍率は1/3倍とされており、これにより、コア径105μmの光ファイバー端部21から出射されたレーザビームLAのスポット径は、φ35μmとなる。
このような結像系を有する露光ヘッド16において、図2で説明した光ファイバーアレイ部60の隣接ファイバー間隔(図2中のL1)及び光ファイバーアレイ部60を固定するときの光ファイバー端部群68の配列方向(アレイ方向)の傾斜角度(図4中の角度θ)を適宜設計することにより、図4に示すように、隣り合う位置に配置される光ファイバーから射出されるレーザビームで露光する走査線(主走査ライン)Kの間隔P1を10.58μm(副走査方向の解像度2400dpi相当)に設定することができる。
上記構成の露光ヘッド16を用いることにより、32ラインの範囲(1スワス分)を同時に走査して露光することができる。
図1で説明した主走査モータ36を駆動してシリンダ12を一定速度で回転させながら、シリンダ12上の版材14に対し、画像データに応じて露光ヘッド16から32チャンネルのレーザビームを照射することで、32チャンネル分(1スワス分)の露光範囲を露光し、版材14の表面に1スワス幅の彫刻(画像記録)を行う。
そして、シリンダ12の回転により、露光ヘッド16の前を非記録領域が通過するときに(例えば、版材14を固定するチャック部が通過するときに)、副走査モータ34を駆動して、露光ヘッド16をシリンダ12の軸線方向(副走査方向)に間欠送りし、次の1スワス分を露光する。このように、副走査方向の間欠送りによるマルチビーム露光走査を繰り返すことにより、版材14の全面に所望の画像を形成することができる。
なお、露光走査時に画素の間隔を空けずに、1スワス内の全画素を一斉に露光するノンインターレース露光を行う態様に限らず、副走査方向に1画素以上の間隔を空けるインターレース露光を行う態様も可能である。また、本例では、シート状の版材14を用いているが、円筒状記録媒体(スリーブタイプ)を用いることも可能である。
<本実施形態における彫刻モニタリング方法及び印刷版の製造方法の説明>
図5は、印刷版の製造手順を示したブロックチャートである。DTP(Desk Top Publishing)で作成された原稿画像(#1)のデータは、RIP処理(#2)後、2値画像のデータに変換される(#3)。この2値画像のデータから彫刻目標とする目標立体形状のデータが生成される(#4)。
図5は、印刷版の製造手順を示したブロックチャートである。DTP(Desk Top Publishing)で作成された原稿画像(#1)のデータは、RIP処理(#2)後、2値画像のデータに変換される(#3)。この2値画像のデータから彫刻目標とする目標立体形状のデータが生成される(#4)。
また、このとき原稿画像の内容に対応した2値画像のデータに加え、予め用意された所定のテストチャートのデータ(#5)が取り込まれ、原稿画像領域外の余白領域(非画像領域)の所定位置に当該テストチャートの立体形状を形成するため目標立体形状データが生成される(#4)。
こうして得られた原稿画像の2値画像及びテストチャートを含む目標立体形状のデータから画素ごとのレーザ光の照射光量(強度)など、彫刻時のレーザ制御に必要なパラメータが算出される(#6)。
この算出されたレーザ制御パラメータにしたがって彫刻装置(#7)のレーザ出力を制御する。ここでいう彫刻装置とは、図1で説明した製版装置10におけるシリンダ12、露光ヘッド16、光源ユニット18及び走査モータ(34,36)を具備したレーザ彫刻装置(マルチビーム露光走査装置)のことである。
この彫刻動作と並行して、その彫刻結果を3D形状センサ30によって読み取り、実際に彫刻された版のテストチャート及び必要に応じて画像彫刻部分の形状データを取得する(#8)。この形状データと目標立体形状データとを比較し(#9)、その比較結果を判断して異常を検知し(#10)、故障や設定ミス等であると判定した場合にはユーザに報知する(#11)。
或いはまた、異常検知(#10)に代えて、又はこれと併せて、3D形状センサ30から得られた形状データと目標立体形状データの比較結果に基づき、レーザ制御パラメータの補正を行い(#12)、レーザ彫刻の制御にフィードバックする。
こうして、露光走査が終了すると印刷版(#13)が得られ、同時に検版作業も終了している。このため作業効率が向上する。
なお、RIP処理を行う処理手段、2値画像データの生成手段、テストチャートデータを保持しておく記憶手段、目標立体形状データの生成手段(彫刻目標形状算出手段)、形状データと目標立体形状データとを比較する手段、その比較結果を判断して異常を検知する手段、レーザ制御パラメータを補正する手段等は、図1で説明した制御回路50が担う。
以下、具体的な適用例を説明する。
<第1例;テストチャートの読み取り形状と目標立体形状から異常を検知する例1>
図6にテストチャートの形態例を示す。同図に示すように、版材14における画像形成領域82の外側領域(非画像部84)に、副走査方向に沿った直線状のチャート86と、主走査方向に沿ったライン状のチャート88が形成される。なお、版材14に対して、図6の右から左に向かってレーザビームが移動(副走査)し、図6の上から下に向かってレーザビームが移動(主走査)して彫刻が行われるものとする。
図6にテストチャートの形態例を示す。同図に示すように、版材14における画像形成領域82の外側領域(非画像部84)に、副走査方向に沿った直線状のチャート86と、主走査方向に沿ったライン状のチャート88が形成される。なお、版材14に対して、図6の右から左に向かってレーザビームが移動(副走査)し、図6の上から下に向かってレーザビームが移動(主走査)して彫刻が行われるものとする。
副走査方向に沿ったチャート86は、画像形成領域82の副走査方向幅と同等以上の長さを持つ連続ラインとする。また、主走査方向に沿ったチャート88は、画像形成領域82の主走査方向幅と同等以上の長さを持つ連続ラインとする。
各チャート86,88の形状は、凸細線、凹細線のいずれでもよく、又はこれら両方を含んでもよい。図7は、チャート86,88の3次元形状を模式的に図示した説明図である。同図(a)に示す凸形状の場合には、トップ部の幅Wtopがある目標の範囲(所定の許容範囲)に入っているか否かを検出する。チャート彫刻から測定されたトップ部の幅Wtopと、所定の基準値との差が規定以上(許容値以上)になった場合に、異常があるものとしてユーザに報知する。
レーザパワーを一定にして彫刻した直線(チャート86,88)の形状が乱れていた場合には、何らかの異常があるものと推定される。
トップ部の幅Wtopは、版材14の表面から深さ方向に所定量u(例えば、u=10μm)などの閾値を設け、立体形状と閾値から判定することが好ましい。図7(a)の場合、表面から所定量uだけ下がった閾値の高さにおける立体形状の幅をトップ部の幅Wtopとしている。
図7(b)に示す凹形状の場合も同様に、開口部の幅Wopnがある目標の範囲(所定の許容範囲)に入っているか否かを検出し、所定の基準値との差が規定以上(許容値以上)になった場合に異常があるものとしてユーザに報知する。
開口部の幅Wopnは、版材14の表面から深さ方向に所定量u(例えば、u=10μm)などの閾値を設け、立体形状と閾値から判定することが好ましい(図7(b)参照)。
チャート86、88の異常原因としては、版材14の浮き上がり(シリンダ12への固定不良)やシリンダ12の傾き不正などが考えられる。異常を検知した際には、想定される要因も含めてユーザに通知することが好ましい。
副走査方向に沿うチャート86を測定することにより、シリンダ12の軸線方向の位置に関する版材14の浮き上がりを検知することができ、主走査方向に沿うチャート88を測定することにより、主走査方向の位置に関する浮き上がりを検知することができる。
また、副走査方向のチャート86の直線性を判断することにより、露光ヘッド16の副走査方向送りを行う駆動系(動力伝達系)のメカ的異常を検出することが可能であり、主走査方向のチャート88の直線性を判断することにより、シリンダ12の駆動歯車等のメカ的異常を検出することが可能である。
このように、チャート毎に異常内容に対応した推定原因を予め定めておき(異常原因を特定する目的に合わせて、複数種類のチャートを形成し)、異常を検知した際には、その対応関係のテーブルから推定した原因も併せてユーザに通知することが好ましい。
上記の第1例に係る彫刻モニタリング方法を適用した印刷版の製造方法のフローチャートを図8に示す。図示のように、まず、原稿データが入力され(ステップS102)、該原稿データについてRIP処理が施され(ステップS104)、2値画像データ(ドットデータ)が生成される(ステップS106)。ここまでは、一般的な印刷機(プリンタ)と共通する工程である。
ステップS106において2値画像データが生成されると、この2値画像データから彫刻目標とする立体形状データ(目標立体形状データ)が生成される(ステップS110)。また、このとき予め用意されているテストチャートデータが読み込まれ(ステップS108)、テストチャートの目標立体形状データも生成される。なお、テストチャートデータは、メモリ等の記憶手段に2値画像データとして保持していてもよいし、立体形状データとして保持していてもよい。
ステップS110で得られた目標立体形状データから彫刻信号変換処理が行われ(ステップS112)、露光走査系における画素(レーザ彫刻による描画の解像度に応じた画素)ごとの彫刻信号、すなわち、照射レーザ強度(照射光量)が算出される(ステップS112)。
こうして得られた彫刻信号に基づき、主副の走査送り制御とレーザ出力の制御が行われ、彫刻処理が実施される(ステップS114)。図6で説明したチャート88を彫刻する場合、画像形成領域82に彫刻(本彫刻)を行う前に、まず、その手前の非画像部分にチャート88が彫刻される。このチャート88の彫刻結果は3D形状センサ30で読み取られ、チャート88の3次元形状が測定される(図8のステップS116)。
こうして、ステップS116で得られた形状データとステップS110で生成した目標立体形状データとを比較し(ステップS118)、その差が許容範囲であるか否かが判断される(ステップS120)。規定値を超える差が検知された場合には、異常であると判断し、その旨をユーザに報知する(ステップS122)。報知手段は、特に限定されないが、図1で説明した表示部56に警告メッセージなどを表示する態様、音声による警告を出力する態様、或いはこれらの組合せなどがある。
また、異常が検知された場合には、彫刻を停止させ、ステップS130の彫刻終了判定でYESとなって、処理を終了する。
その一方、ステップS120の比較判定処理において、許容範囲内であると判断した場合には、ステップS130に進み、彫刻が未完了であれば、ステップS130でNOとなって、ステップS114に戻り、彫刻処理を継続する。図6で説明した副走査方向のチャート86についても同様であり、チャート86の彫刻結果を3D形状センサ30で測定し(図8のステップS116)、その形状データと目標立体形状データとの比較から、異常の有無を判定することができる(ステップS118〜S130)。
画像形成領域82への画像部分の彫刻工程と並行して、チャート彫刻(チャート86)の3次元形状をモニタリングし、異常検知時にはユーザに報知する(ステップS122)。
その一方、異常が検知されることなく、最後まで彫刻を終え、ステップS130でYES判定となった場合は、検版作業も終了しており、目的の彫刻精度を満たす印刷版が得られる。
その一方、異常が検知されることなく、最後まで彫刻を終え、ステップS130でYES判定となった場合は、検版作業も終了しており、目的の彫刻精度を満たす印刷版が得られる。
このように、本実施形態によれば、版の作製途中で彫刻状況をチェックでき、版の彫刻完成を待たずに異常を早期に検出することができるため、版材の節約、作業効率の向上を達成できる。
なお、印刷時には、版材14におけるチャート86,88の部分を裁断、分離して、画像形成領域82の部分のみを使うことも可能であるし、チャート86,88にインクを付与しなければ印刷上問題ないため、特に支障がなければ、チャート86,88の部分をそのまま残しておいてもよい。
<第2例;テストチャートの読み取り形状と目標立体形状から異常を検知する例2>
図9にテストチャートの形態例を示す。同図に示すように、版材14における画像形成領域82の外側領域(非画像部84)の画像彫刻が始まる部分よりも前の部分(副走査方向で画像形成領域82よりも前の部分)にチャート89、画像彫刻が終わった部分よりも後の部分(副走査方向で画像形成領域82よりも後ろ部分)にチャート90を彫刻する。
図9にテストチャートの形態例を示す。同図に示すように、版材14における画像形成領域82の外側領域(非画像部84)の画像彫刻が始まる部分よりも前の部分(副走査方向で画像形成領域82よりも前の部分)にチャート89、画像彫刻が終わった部分よりも後の部分(副走査方向で画像形成領域82よりも後ろ部分)にチャート90を彫刻する。
チャート86の役割は図6で説明した例と同様である。図9におけるチャート89,90は、複数のレーザチャンネルを持つマルチビーム露光走査系において、各チャンネル毎に主走査方向に沿った直線状の凹細線を彫刻するチャートとする。
図9では、図示の簡略化のために4本のライン(4チャンネルの例)を示したが、図2〜図4で説明した32チャンネルの場合は、画像形成領域82の前後にそれぞれ32本の凹細線によるチャートが彫刻される。
なお、各チャンネルに対応した凹細線は、それぞれの凹細線を個別に識別できる程度に互いに適度な間隔(副走査方向間隔)で彫刻される。また、凹細線とこれを彫刻したチャンネルとの対応関係が把握されればよいため、凹細線の並び順と露光ヘッド16におけるレーザチャンネルの配列順は必ずしも一致している必要はない。例えば、図9における4本のチャート89について、右端から左に向かって、第1チャンネル、第3チャンネル、第2チャンネル、第4チャンネルによって彫刻されるものであってもよい。
画像彫刻に入る前にこのチャート89の3D形状を測定し、その測定形状データと目標立体形状データとの比較から、半導体レーザ(LD)の故障やチャンネルの出力ばらつきを検出する。
各チャンネルについて一定のレーザ出力を指令して凹細線のチャート89を彫刻したときに、ラインの欠落や破断などの異常が検出された場合には、該当ラインに対応するチャンネルが故障していると判定することが可能である。また、各凹細線相互間の開口幅のばらつきから、チャンネルの出力ばらつきを検出することができる。
故障チャンネルが存在すると判定した場合には、その旨をユーザに報知する。また、チャンネル間にばらつきがあると判定した場合は、ばらつきを抑えるよう(チャンネル間の出力差が所定の許容範囲内に入るように)出力の補正を行う。
このように、画像彫刻に入る前に、レーザチャンネルの故障検出、ばらつき補正を行うことにより、画像領域について安定した彫刻が可能となる。
また、画像部の彫刻後に同様のチャート90を形成し、このチャート90の3D形状を測定することにより、画像彫刻の前後でレーザの故障や変化が生じたか否かを判断することができる。
画像彫刻開始前のチャート89の形状と、画像彫刻終了後のチャート90の形状との差が所定の許容範囲内であれば、その間に行われた画像彫刻の工程において異常なく彫刻が行われたものと推定される。
なお、画像彫刻後におけるチャンネル故障等の確認が不要であれば、図9における画像彫刻後のチャート90は省略する態様も可能である。また、図9で説明したチャート89,90に加えて、図6で説明したチャート86,88を組み合わせることも可能である。
上記の第2例に係る彫刻モニタリング方法を適用した印刷版の製造方法のフローチャートを図10に示す。図10において、図8と同一又は類似する工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図10におけるステップS114では、図9で説明したとおり、画像形成領域82に彫刻(本彫刻)を行う前に、まず、その手前の非画像部分にチャート89が彫刻される。このチャート89の彫刻結果は3D形状センサ30で読み取られ、チャート89の3次元形状が測定される(図10のステップS116)。
こうして、ステップS116で得られた形状データと目標立体形状データとを比較し(ステップS118)、半導体レーザ(LD)に故障があるか否かが判断される(ステップS121)。いずれかのチャンネルについて故障が検知された場合には、異常であると判断し、その旨をユーザに報知する(ステップS122)。
その一方、ステップS121で故障無しの判定(NO判定)となった場合は、ステップS124に進み、チャンネル間の出力のばらつきについて修正が必要か否かの判定が行われる。規定値(許容値)を超えるばらつきが検知されたときには、チャンネル単位でレーザ制御パラメータの補正を行う(ステップS126)。
したがって、画像彫刻の際には、この補正されたレーザ制御パラメータにしたがってレーザ制御が行われるため高精度の彫刻が可能である。
本実施形態によれば、異常を早期に検出することができ作業効率が向上するとともに、
レーザ制御パラメータの補正により良好な彫刻が可能である。
レーザ制御パラメータの補正により良好な彫刻が可能である。
<第3例;テストチャートの読み取り形状と目標立体形状の比較結果からレーザ制御パラメータを補正する例1>
図11にテストチャートの形態例を示す。同図(a)に示すように、版材14における画像形成領域82の外側領域(非画像部84)の画像彫刻が始まる部分よりも前の部分(副走査方向で画像形成領域82よりも前の部分)にチャート92を彫刻する。
図11にテストチャートの形態例を示す。同図(a)に示すように、版材14における画像形成領域82の外側領域(非画像部84)の画像彫刻が始まる部分よりも前の部分(副走査方向で画像形成領域82よりも前の部分)にチャート92を彫刻する。
このチャート92は、主・副の凸細線を有するものであり、主走査方向の凸細線92mと副走査方向の凸細線92sとを十字形に交差させせたパターンとなっている。図11(b)に、チャート92のB−B断面を示す。
このようなチャート92の彫刻を実施し、凸細線におけるトップ部の幅を3D形状センサ30にて計測する。この測定されたトップ部の幅と、目標幅(目標立体形状データから把握される目標値)との比較結果からレーザ制御パラメータに補正を加える。例えば、凸細線の幅が目標幅に対して規定値以内であればOKと判定し、規定値を超えて太すぎる場合や細すぎる場合には、レーザ制御パラメータを補正する。
<第4例;テストチャートの読み取り形状と目標立体形状の比較結果からレーザ制御パラメータを補正する例2>
図12にテストチャートの形態例を示す。同図(a)に示すように、版材14における画像形成領域82の外側領域(非画像部84)の画像彫刻が始まる部分よりも前の部分(副走査方向で画像形成領域82よりも前の部分)にチャート93を彫刻する。
図12にテストチャートの形態例を示す。同図(a)に示すように、版材14における画像形成領域82の外側領域(非画像部84)の画像彫刻が始まる部分よりも前の部分(副走査方向で画像形成領域82よりも前の部分)にチャート93を彫刻する。
このチャート93は、所定の目標深さで形成される凹形状である(図12(b)参照)。
このようなチャート93の彫刻を実施し、凹部の深さ3D形状センサ30にて計測する。例えば、測定された深さと目標深さとを比較し、レーザのパワー補正を行う。
彫刻されたチャート93の深さは、照射したレーザのパワー、シリンダ12の回転速度、照射時間に依存する。シリンダ12の回転速度や照射時間がある決まった条件であれば、チャート彫刻の深さとレーザのパワーとの相関データから目標深さを実現するためのパワーの補正量を求めることができる。また、シリンダ12の回転速度を増加させた場合には、その分、レーザのパワーを増加させる必要があり、このような回転速度とパワーの相関から、回転速度に応じたパワー制御を行うことも可能である。
例えば、チャート93の深さが目標深さに比べて小さい(浅い)ときには、彫刻量を増やすべく、レーザパワーを大きくする向に補正する。また、目標深さに比べて測定値が示す深さが大きいときには、彫刻量を抑えるべく、レーザパワーを小さくする方向に補正する。
なお、図12では、1つのチャート93のみを示したが、レーザのパワー指令を変えて、目標深さの異なる複数のチャートを形成してもよい。
上記の第3例、第4例に係る彫刻モニタリング方法を適用した印刷版の製造方法のフローチャートを図13に示す。図13において、図8と同一又は類似する工程には同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
図13におけるステップS115では、図9で説明したとおり、画像形成領域82に彫刻(本彫刻)を行う前に、まず、その手前の非画像部分にチャート93が彫刻される。このチャート93の彫刻結果は3D形状センサ30で読み取られ、チャート93の3次元形状が測定される(図13のステップS116)。
こうして、ステップS116で得られた形状データと目標立体形状データとを比較し(ステップS118)、レーザの出力制御パラメータを補正する(ステップS128)。その後、この補正されたパラメータを反映させて、画像形成領域82に対して本彫刻を実施する(ステップS140)。
かかる態様によれば、高精度の彫刻が可能である。
本実施形態によれば、異常を早期に検出することができ作業効率が向上するとともに、
レーザ制御パラメータの補正により良好な彫刻が可能である。
レーザ制御パラメータの補正により良好な彫刻が可能である。
また、本実施形態によれば、本彫刻を始める前の部分にテストチャートを彫刻し、その計測結果からレーザ制御パラメータを補正した後に、当該版材に本彫刻を行うため、同じ版材上にチャート彫刻と本彫刻が行われることになる。このため、チャート彫刻版と本彫刻版とを取り違えることながく、作業効率がアップする。
なお、上述の第1例〜第4例は適宜組み合わせて実施することも可能である。
<変形例1>
上述の説明では、画像形成領域82外に形成したチャート彫刻の結果をモニタリングする例を述べたが、チャート彫刻に限らず、画像形成領域82の彫刻内容についても、彫刻が終了した部分から順次チェック(検査)を行うことが可能である。
上述の説明では、画像形成領域82外に形成したチャート彫刻の結果をモニタリングする例を述べたが、チャート彫刻に限らず、画像形成領域82の彫刻内容についても、彫刻が終了した部分から順次チェック(検査)を行うことが可能である。
この場合は、当該画像部の目標立体形状データと測定データとが比較される。かかる態様によれば、原稿の間違いを、早期に発見することができるとともに、画像形成領域82内における版材の浮き上がりの有無などを検知することが可能である。
<変形例2>
図13の説明では、本彫刻前に余白部分にチャート92又は93を形成し、そのチャート計測の結果をレーザ制御にフィードバックし、彫刻条件を動的に最適化する例を述べたが、画像部の彫刻中に本彫刻の結果を測定し、又は、本彫刻と並行して彫刻されるチャート彫刻の結果を測定し、彫刻しながらレーザ制御にフィードバックを係ることも可能である。
図13の説明では、本彫刻前に余白部分にチャート92又は93を形成し、そのチャート計測の結果をレーザ制御にフィードバックし、彫刻条件を動的に最適化する例を述べたが、画像部の彫刻中に本彫刻の結果を測定し、又は、本彫刻と並行して彫刻されるチャート彫刻の結果を測定し、彫刻しながらレーザ制御にフィードバックを係ることも可能である。
<変形例3>
図1で説明した副走査方向の間欠送りによる走査露光方式に限らず、ドラム回転中に副走査方向に一定速度で露光ヘッド16を移動させて版材14の表面をスパイラル(らせん)状に走査するスパイラル露光方式を採用してもよい。
図1で説明した副走査方向の間欠送りによる走査露光方式に限らず、ドラム回転中に副走査方向に一定速度で露光ヘッド16を移動させて版材14の表面をスパイラル(らせん)状に走査するスパイラル露光方式を採用してもよい。
間欠送りの方式は、ドラムの回転速度が比較的遅い場合に有効である。一方、スパイラル露光方式は、ドラムの回転速度が比較的速い場合に有効である。
<フレキソ版の製造工程について>
次に、レーザ彫刻によって印刷版を製造する工程について説明する。
次に、レーザ彫刻によって印刷版を製造する工程について説明する。
図14に製版工程の概要を示す。レーザ彫刻による製版に用いる生版700は、基板702の上に彫刻層704(ゴム層又は樹脂層)を有し、該彫刻層704の上に保護用のカバーフィルム706が貼着されている。製版加工時には、図14(a)に示すように、カバーフィルム706を剥離して彫刻層704を露出させ、該彫刻層704にレーザ光を照射することにより、彫刻層704の一部を除去して所望の3次元形状を形成する(図14(b)参照)。具体的なレーザ彫刻の方法については、図1〜図13で説明したとおりである。なお、レーザ彫刻中に発生するダストは、不図示の吸引装置によって吸引して回収する。
彫刻工程が終了した後は、図14(c)に示すように、洗浄装置710による水洗浄を行い(洗浄工程)、その後、乾燥工程(不図示)を経てフレキソ版が完成する。
このように、版自体を直接にレーザ彫刻する製版方式をダイレクト彫刻方式という。図1〜図4で説明したマルチビーム露光走査装置を適用した製版装置10は、CO2レーザを用いるレーザ彫刻機に比べて低価格を実現できる。また、マルチビーム化によって、加工速度の向上を達成でき、印刷版の生産性が向上する。
<他の応用例>
フレキソ版の製造に限らず、他の凸印刷版、或いは、凹印刷版の製造についても本発明を適用することができる。また、印刷版の製造に限らず、他の様々な用途の描画記録装置、彫刻装置について本発明を適用することができる。
フレキソ版の製造に限らず、他の凸印刷版、或いは、凹印刷版の製造についても本発明を適用することができる。また、印刷版の製造に限らず、他の様々な用途の描画記録装置、彫刻装置について本発明を適用することができる。
<付記>
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):彫刻目標となる目標立体形状データを生成する彫刻目標形状算出工程と、前記目標立体形状データに基づいてレーザビームの出力を制御するレーザ制御工程と、前記レーザビームを被加工材の表面に照射して当該被加工材を彫刻するレーザ彫刻工程と、入力画像データに対応する画像領域の彫刻完了を待たずに、当該被加工材について前記彫刻された部分の形状の測定を開始し、当該測定により前記彫刻された部分の形状データを取得する形状測定工程と、前記目標立体形状データと前記形状データとの比較から差異を検出する比較工程と、を有することを特徴とする彫刻モニタリング方法。
本発明によれば、入力画像データに対応する画像領域の立体形状の彫刻作業を完了する前、すなわち、入力画像データに対応する画像領域の彫刻を開始する前、或いは、彫刻工程と並行して、彫刻した部分の形状測定を行い、目標形状との比較から彫刻条件の設定の不備や彫刻不良などを早期に発見できるため、作業効率が向上する。
(発明2):発明1に記載の彫刻モニタリング方法において、前記彫刻目標形状算出工程は、前記入力画像データに基づき当該入力画像データの画像内容に応じた目標立体形状を示す画像部のデータを生成する工程と、予め定められたテストチャートの目標立体形状を示すデータを取得する工程と、を含み、前記レーザ彫刻工程は、前記画像部以外の領域に前記テストチャートの彫刻を行うチャート彫刻工程と、前記入力画像データに対応した画像部の彫刻を行う画像部彫刻工程とを含み、前記形状測定工程は、少なくとも前記テストチャートの彫刻形状について前記形状データを取得することを特徴とする彫刻モニタリング方法。
入力画像に対応した画像部の彫刻とは別に、非画像部に所定のテストチャートを彫刻し、そのチャート彫刻の測定結果と目標形状の比較を行う態様が好ましい。
(発明3):発明1又は2に記載の彫刻モニタリング方法において、前記比較工程の比較結果から、異常を検出する異常検出工程と、前記異常が検出された場合にその旨を報知する異常報知工程と、を有することを特徴とする彫刻モニタリング方法。
彫刻した部分を測定して得た形状データと目標立体形状データとの比較結果から彫刻の異常の有無を判定することができ、異常を検知した際にはユーザに対し、異常であることを知らせる警告等を行うことができる。
(発明4):発明1乃至3のいずれか1項に記載の彫刻モニタリング方法において、前記比較工程の比較結果に基づき前記レーザビームの制御パラメータを補正する補正工程と、を有することを特徴とする彫刻モニタリング方法。
彫刻した部分を測定して得た形状データと目標立体形状データとの比較結果をレーザの制御にフィードバックすることで、彫刻条件を自動的に最適化することが可能である。
(発明5):彫刻目標となる目標立体形状データを生成する彫刻目標形状算出手段と、前記目標立体形状データに基づいてレーザビームの出力を制御するレーザ制御手段と、前記レーザビームを被加工材の表面に照射して当該被加工材を彫刻するレーザ彫刻手段と、入力画像データに対応する画像領域の彫刻完了を待たずに、当該被加工材について前記彫刻された部分の形状の測定を開始し、当該測定により前記彫刻された部分の形状データを取得する形状測定手段と、前記目標立体形状データと前記形状データとの比較から差異を検出する比較手段と、を有することを特徴とする彫刻モニタリング装置。
本発明の彫刻モニタリング装置によれば、目標とする立体形状に対する彫刻結果の差を早期に検知することができ、作業効率が向上する。
(発明6):発明5に記載の彫刻モニタリング装置において、予め定められたテストチャートのデータを記憶する記憶手段を備え、前記彫刻目標形状算出手段は、前記入力画像データに基づき当該入力画像データの画像内容に応じた目標立体形状を示す画像部のデータを生成する手段と、前記記憶手段に記憶されているデータから前記テストチャートの目標立体形状を示すデータを取得する手段と、を含み、前記レーザ彫刻手段は、前記画像部以外の領域に前記テストチャートの彫刻を行うとともに、前記入力画像データに対応した画像部の彫刻を行い、前記形状測定手段は、少なくとも前記テストチャートの彫刻形状について前記形状データを取得することを特徴とする彫刻モニタリング装置。
かかる態様によれば、画像部の彫刻前或いは画像部の彫刻と併せて、非画像部へのテストチャートの彫刻とその測定検査を行うことにより、画像部での彫刻異常の発生を予防することができ、生産性を高めることができる。
(発明7):発明5又は6に記載の彫刻モニタリング装置において、前記比較手段の比較結果から、異常を検出する異常検出手段と、前記異常が検出された場合にその旨を報知する異常報知手段と、を有することを特徴とする彫刻モニタリング装置。
かかる態様によれば、画像部の彫刻前や彫刻中に異常が検知された場合に、すぐにその異常をユーザ(オペレータ)が認識することができ、彫刻の中止や彫刻条件の修正などの措置をとることができるため、作業効率が向上する。
また、各種の異常原因に対応した複数種類のテストチャートを用い、異常原因とテストチャートの対応関係を規定したテーブルデータから異常原因を推定・特定して、その情報も併せてユーザに知らせる態様も好ましい。
(発明8):発明5乃至7のいずれか1項に記載の彫刻モニタリング装置において、前記比較手段の比較結果に基づき前記レーザビームの制御パラメータを補正する補正手段を有することを特徴とする彫刻モニタリング装置。
かかる態様によればレーザの制御を自動的に最適化することが可能である。
(発明9):版材に向けてレーザビームを照射して前記版材の表面を彫刻する露光ヘッドと、前記版材と前記露光ヘッドとを相対移動させて露光走査を行う走査手段と、彫刻目標となる目標立体形状データを生成する彫刻目標形状算出手段と、前記目標立体形状データに基づいて前記レーザビームの出力を制御するレーザ制御手段と、印刷対象の画像を表す入力画像データに対応する画像領域の彫刻完了を待たずに、当該版材について前記彫刻された部分の形状の測定を開始し、当該測定により前記彫刻された部分の形状データを取得する形状測定手段と、前記目標立体形状データと前記形状データとの比較から差異を検出する比較手段と、を有することを特徴とする製版装置。
発明5〜8に記載の彫刻モニタリング装置は、ダイレクト彫刻方式の製版装置に適用することができる。本発明の製版装置によれば、印刷版を効率良く製造することができる。
(発明10):発明1乃至4のいずれか1項に記載の彫刻モニタリング方法を実施し、前記被加工材に相当する版材の表面を彫刻することによって印刷版を得ることを特徴とする印刷版の製造方法。
本発明に係る印刷版の製造方法によれば、高精度に印刷版を製造することができ、生産性の向上、低コスト化を実現できる。
10…製版装置、16…露光ヘッド、18…光源ユニット、20…光ファイバー、32…キャリッジ、30…3D形状センサ、34…副走査モータ、36…主走査モータ、50…制御回路、82…画像形成領域、86,88…チャート、89,90…チャート、92,93…チャート
Claims (10)
- 彫刻目標となる目標立体形状データを生成する彫刻目標形状算出工程と、
前記目標立体形状データに基づいてレーザビームの出力を制御するレーザ制御工程と、
前記レーザビームを被加工材の表面に照射して当該被加工材を彫刻するレーザ彫刻工程と、
入力画像データに対応する画像領域の彫刻完了を待たずに、当該被加工材について前記彫刻された部分の形状の測定を開始し、当該測定により前記彫刻された部分の形状データを取得する形状測定工程と、
前記目標立体形状データと前記形状データとの比較から差異を検出する比較工程と、
を有することを特徴とする彫刻モニタリング方法。 - 請求項1に記載の彫刻モニタリング方法において、
前記彫刻目標形状算出工程は、
前記入力画像データに基づき当該入力画像データの画像内容に応じた目標立体形状を示す画像部のデータを生成する工程と、予め定められたテストチャートの目標立体形状を示すデータを取得する工程と、を含み、
前記レーザ彫刻工程は、
前記画像部以外の領域に前記テストチャートの彫刻を行うチャート彫刻工程と、前記入力画像データに対応した画像部の彫刻を行う画像部彫刻工程とを含み、
前記形状測定工程は、少なくとも前記テストチャートの彫刻形状について前記形状データを取得することを特徴とする彫刻モニタリング方法。 - 請求項1又は2に記載の彫刻モニタリング方法において、
前記比較工程の比較結果から、異常を検出する異常検出工程と、
前記異常が検出された場合にその旨を報知する異常報知工程と、
を有することを特徴とする彫刻モニタリング方法。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の彫刻モニタリング方法において、
前記比較工程の比較結果に基づき前記レーザビームの制御パラメータを補正する補正工程と、
を有することを特徴とする彫刻モニタリング方法。 - 彫刻目標となる目標立体形状データを生成する彫刻目標形状算出手段と、
前記目標立体形状データに基づいてレーザビームの出力を制御するレーザ制御手段と、 前記レーザビームを被加工材の表面に照射して当該被加工材を彫刻するレーザ彫刻手段と、
入力画像データに対応する画像領域の彫刻完了を待たずに、当該被加工材について前記彫刻された部分の形状の測定を開始し、当該測定により前記彫刻された部分の形状データを取得する形状測定手段と、
前記目標立体形状データと前記形状データとの比較から差異を検出する比較手段と、
を有することを特徴とする彫刻モニタリング装置。 - 請求項5に記載の彫刻モニタリング装置において、
予め定められたテストチャートのデータを記憶する記憶手段を備え、
前記彫刻目標形状算出手段は、
前記入力画像データに基づき当該入力画像データの画像内容に応じた目標立体形状を示す画像部のデータを生成する手段と、前記記憶手段に記憶されているデータから前記テストチャートの目標立体形状を示すデータを取得する手段と、を含み、
前記レーザ彫刻手段は、
前記画像部以外の領域に前記テストチャートの彫刻を行うとともに、前記入力画像データに対応した画像部の彫刻を行い、
前記形状測定手段は、少なくとも前記テストチャートの彫刻形状について前記形状データを取得することを特徴とする彫刻モニタリング装置。 - 請求項5又は6に記載の彫刻モニタリング装置において、
前記比較手段の比較結果から、異常を検出する異常検出手段と、
前記異常が検出された場合にその旨を報知する異常報知手段と、
を有することを特徴とする彫刻モニタリング装置。 - 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の彫刻モニタリング装置において、
前記比較手段の比較結果に基づき前記レーザビームの制御パラメータを補正する補正手段を有することを特徴とする彫刻モニタリング装置。 - 版材に向けてレーザビームを照射して前記版材の表面を彫刻する露光ヘッドと、
前記版材と前記露光ヘッドとを相対移動させて露光走査を行う走査手段と、
彫刻目標となる目標立体形状データを生成する彫刻目標形状算出手段と、
前記目標立体形状データに基づいて前記レーザビームの出力を制御するレーザ制御手段と、
印刷対象の画像を表す入力画像データに対応する入力画像データに対応する画像領域の彫刻完了を待たずに、当該版材について前記彫刻された部分の形状の測定を開始し、当該測定により前記彫刻された部分の形状データを取得する形状測定手段と、
前記目標立体形状データと前記形状データとの比較から差異を検出する比較手段と、
を有することを特徴とする製版装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の彫刻モニタリング方法を実施し、前記被加工材に相当する版材の表面を彫刻することによって印刷版を得ることを特徴とする印刷版の製造方法。
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