JP2010237260A - 重唱曲の主声部を際立たせるカラオケ装置 - Google Patents

重唱曲の主声部を際立たせるカラオケ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】それぞれにマイクロホンを持った複数の歌唱者が重唱曲の各歌唱パートを分担して歌唱する場合に、各声部のバランスが自動的に最適化されて、歌唱する側も聴く側も心地よくバランスのとれた重唱が行われるようにする。
【解決手段】重唱曲の演奏中、カラオケデータ中の主声部の旋律データと各マイクロホン21からの歌声信号とを個別に対比して、主声部の歌声が入力されているマイクロホンを特定し、拡声手段における複数のマイクロホン出力の増幅系171からそれぞれ出力される歌声音量レベルを比較し、この旋律分析および音量比較の出力に基づいて拡声手段における各マイクロホン出力増幅系のゲインを個別に調整する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、重唱曲の主声部を際立たせるカラオケ装置に関し、とくに、ポリフォニックな重唱曲の各歌唱パートを、それぞれにマイクロホンを持った複数の歌唱者が分担して歌唱する場合に、歌唱する側も聴く側も心地よくバランスのとれた重唱が行われるようにしたカラオケ装置に関する。
カラオケ装置の利用現場では、歌唱者が一人だけの独唱曲以外に、複数の歌唱者が各声部を分担する重唱曲もよく歌われる。重唱曲をより良く歌唱できるように工夫されたカラオケ装置も知られている。
特許文献1(特許第3452791号)のカラオケ装置は、デュエット曲についてマイクロホンから入力された歌声信号の歌唱パートを判定する機能を備えていて、パート別に歌唱採点を行うことができる。
特許文献2(特許第4068069号)のカラオケ装置は、カラオケ楽曲データに含まれるバックコーラスパートがカラオケ演奏と共に音響出力される場合において、マイクロホンから入力された歌声信号が、そのバックコーラスパートと同じパートを歌唱していると判定すると、そのバックコーラスの音量を低減する。
特許文献3(特開2007−072315号)のカラオケ装置は、カラオケ楽曲データに含まれる模範ボーカルがカラオケ演奏と共に音響出力される場合において、ポリフォニックな重唱曲についてマイクロホンから入力された歌声信号の歌唱パートを判定し、そのパートの模範ボーカルの音量を低減して、歌声と他の声部の模範ボーカルとほどよく混合させる。
特許第3452791号 特許第4068069号 特開2007−072315号
カラオケ装置は複数人のグループ単位で利用されることが多いが、ポリフォニックな重唱曲を歌唱する際は、そのグループ内の複数の利用者がそれぞれにマイクロホンを持って共に歌唱する方が、グループの連帯感や盛り上がり感が得られるなど、楽しさが増す。
この発明の目的は、それぞれにマイクロホンを持った複数の歌唱者が重唱曲の各歌唱パートを分担して歌唱する場合に、歌唱する側も聴く側も心地よくバランスのとれた重唱が行われるようにしたカラオケ装置を提供することにある。
この発明に係るカラオケ装置は、つぎの事項(1)〜(6)により特定されるものである。
(1)拡声手段と、複数のマイクロホンと、旋律分析手段と、音量比較手段と、歌声音量制御手段を備えたカラオケ装置であること
(2)拡声手段は、カラオケデータに基づいて生成される重唱曲のカラオケ伴奏音楽と複数のマイクロホンからの歌声とを音響出力すること、
(3)重唱曲のカラオケデータは、主声部の旋律データを含むこと
(4)旋律分析手段は、重唱曲の演奏中、カラオケデータ中の主声部の旋律データと各マイクロホンからの歌声信号とを個別に対比し、主声部の歌声が入力されているマイクロホンを特定すること
(5)音量比較手段は、拡声手段における複数のマイクロホン出力の増幅系からそれぞれ出力される歌声音量レベルを比較すること
(6)歌声音量制御手段は、旋律分析手段により特定されたマイクロホンからの主声部の歌声について音量比較手段により音量レベルが最大であると比較分析されるように、旋律分析手段および音量比較手段の出力に基づいて拡声手段における各マイクロホン出力増幅系のゲインを個別に調整すること
それぞれにマイクロホンを持った複数の歌唱者が重唱曲の各歌唱パートを分担して歌唱する場合に、各声部のバランスが自動的に最適化されて、歌唱する側も聴く側も心地よくバランスのとれた重唱が行われるようになる。
この発明の一実施例を構成するカラオケ装置全体の概略構成を示すブロック図である。 この発明に係るカラオケ装置の要部を抽出して示すブロック図である。
===カラオケ装置全体の概略構成===
この発明の実施例に係るカラオケ装置の概略構成を図1に例示する。
このカラオケ装置は、周知のパソコン相当のコンピュータ応用機器であって、その中核をなす中央処理装置11は、CPU・RAM・ROMを含むコンピュータ本体を形成する。
中央処理装置11の制御管理下に、大容量の外部記憶としてのハードディスク装置12、CD−ROMやDVD−ROMなどの光ディスク再生装置13、光通信回線などの公衆通信回線を介してカラオケホスト装置と通信する通信制御装置14、利用者からの入力と利用者に向けての応答をやりとりする利用者インターフェイス装置15、MIDI形式の音楽演奏データに基づいて伴奏音楽の音響信号を生成する音楽生成装置16、伴奏音楽やマイクロホン21からの音響信号等を増幅してスピーカ22から発音する音響装置17、LCDやPDPなどを用いたディスプレイ18、このディスプレイ18に表示すべき映像データを処理する映像処理装置19が設置されている。
ハードディスク装置12には多数のカラオケ楽曲について、MIDIデータを主体とした伴奏音楽データと、歌詞画像の生成起源となる歌詞文字データ(歌詞字幕データ)とを含むカラオケデータが蓄積されている。また、所定形式の長時間分の動画データと、動画データの処理シーケンス(処理すべき動画データの格納場所と処理順番など)を規定した台本データや、演奏可能なカラオケ楽曲について、曲名やアーティスト名、発表年、歌詞の歌い出し部分などの目次情報も格納されている。さらに、各楽曲のカラオケデータ(カラオケ楽曲データ)には歌唱旋律データが付属しているが、重唱曲のカラオケデータについては、主声部を含む複数の声部のそれぞれに歌唱旋律データが付属している。
音楽生成装置16はカラオケデータ中の伴奏音楽データによって伴奏音楽を生成する。歌詞文字データについては、伴奏音楽に同期して歌唱すべき箇所が色変わりする歌詞画像をビデオRAMに順次ビットマップ展開していく。また、台本データに基づいて所定の動画データを所定の順番で映像処理装置19に順次転送して歌詞画像の背景動画を復号させる。
音響装置17はミキシングアンプを含み、音楽生成装置16で生成された伴奏音楽と、マイクロホン21から入力された歌声音声とを混合・増幅してスピーカ22より音響出力する。マイクロホン21は複数が同時接続可能であって、各マイクロホン21の出力はそれぞれに独立の増幅系で増幅された後、最終的に伴奏音楽と混合されて音響出力される。
この音響装置17の動作は、旋律分析部31と、音量比較部32と、歌声音量制御部33を含む音響制御部30によって制御されるようになっている(図2参照)。
映像処理装置19は、復号した動画映像に歌詞画像をスーパーインポーズ処理してディスプレイ18に表示出力する。歌詞画像は、伴奏音楽の進行に同期した時系列の歌詞文字データから順次作成される。
利用者インターフェイス装置15には、カラオケ装置本体の操作パネル151やカラオケリモコン装置152が含まれ、双方向通信が可能な短距離無線通信手段(IrDAトランシーバ・赤外線LED・赤外線受光素子)を備えている。
中央処理装置11は、各楽曲のカラオケデータ、台本データ、および目次情報を楽曲IDによって識別し、これをカラオケデータベースとして管理する。
中央処理装置11は、利用者インターフェイス装置15から予約コマンド(リクエスト)を受信する。予約コマンドは楽曲ID(楽曲識別符号)を含む。この予約コマンドを受信すると、そのコマンドに含まれている楽曲IDを受け取った順に処理予約の待ち行列の末尾に登録する。そして待ち行列の先頭から楽曲IDを順次取り出す。
待ち行列から楽曲IDが取り出された場合は、カラオケデータベースから該当する楽曲用のカラオケデータを取りだして演奏処理に供する。予約コマンドは操作パネル151またはカラオケリモコン装置152の操作によって入力される。コマンドが入力されると、そこに含まれている楽曲IDはいったん待ち行列に登録される。そして、その待ち行列の先頭から順に読み出されて演奏または再生処理される。
===重唱曲に対応するための構成===
この発明の実施例に係るカラオケ装置は、重唱曲の歌唱に対応するため、図2に示すように、複数のマイクロホン21の出力をそれぞれ独立して増幅する複数の増幅系171と、各増幅系171のゲインを個別に制御する音響制御部30を有する。
各増幅系171の出力は、最終的にミキシングアンプ172で混合されてスピーカ22から音響出力される。音響制御部30は、旋律分析部31、音量比較部32、歌声音量制御部33によって構成されている。
旋律分析部31は、重唱曲の演奏中、カラオケデータ中の主声部の旋律データと各マイクロホン21からの歌声信号とを個別に対比し、主声部の歌声が入力されているマイクロホンを特定する。重唱曲のカラオケデータには、歌詞パート(声部)ごとの歌唱旋律データが付属している。この歌唱旋律データは歌唱採点の際の判定基準などに用いられているが、ここでは主声部の歌声を判定するのに用いる。各マイクロホン21から入力される歌声をそれぞれ、主旋律データと時系列上で比較することにより、どのマイクロホンからの歌声が主音声であるかを識別させることができる。
音量比較部32は、複数のマイクロホン21出力増幅系171からそれぞれに出力される歌声音量レベルを検出して相互に比較する。音量レベルの検出は、各増幅系171の出力レベルを周期的に巡回してサンプリングするとともに、増幅系171ごとに所定回数分の最近サンプリング値を平均演算することにより、増幅系171すなわちマイクロホン21ごとに歌声音量レベルが検出される。この検出に基づいて、複数のマイクロホン21出力増幅系171からそれぞれに出力される歌声音量レベルを比較分析する。
歌声音量制御部33は、旋律分析部31および音量比較部32の出力に基づいて、旋律分析部31により特定されたマイクロホン21からの主声部の歌声について音量比較部32により音量レベルが最大であると比較分析されるように、各マイクロホン出力増幅系171のゲインを個別に調整する。たとえば、第1〜第4の4つの声部からなる重唱曲であって、主声部が第1声部の場合、この第1声部の歌声が入力されていると判定されたマイクロホン21からの歌声信号が、他の声部のそれに対して、最大音量レベルとなるように、各増幅系171のゲインを個別に調整する。
ここで留意すべきは、そのゲイン調整が、音量比較部32にて検出・比較される主声部の歌声音量レベルが、他の声部の音量レベルに対して相対的に最大となるように行われることである。音量比較部32にて検出・比較される歌声音量レベルは、増幅系のゲイン値だけではなく、歌唱者の声量にも大きく依存する。
主声部を歌う歌唱者の声量が小さい場合は、それに応じてその歌唱者の歌声信号を出力する増幅系のゲインを上げればよい。しかし、主声部の歌唱者の音量が十分であって、他の声部の歌唱者のそれを最初から圧倒しているような場合には、その主声部の歌声信号を出力する増幅系のゲインをとくに上げる必要はなく、場合によっては、各声部のバランスをとるために下げることもあり得る。つまり、各マイクロホン出力増幅系171のゲイン調整は、音量比較部32での比較分析結果に基づき、重唱曲の各声部のバランスが自動的に最適化されて、歌唱する側も聴く側も心地よくバランスのとれた重唱が行われるように行われる。
===さらに好ましいゲイン調整の形態===
重唱曲のカラオケデータに付属する各声部の旋律データには、ピアニッシモやフォルティッシモのような音量の程度を指示する強弱データが含まれている。カラオケにおいても、より良い歌唱を楽しむためには、少なくとも、最終的にスピーカから音響出力される段階にて、その強弱データが歌唱に反映されていることが好ましい。
したがって、歌声音量制御部33による各マイクロホン出力増幅系のゲインの個別調整も、その強弱データが反映されることが好ましい。このためには、そのゲイン調整の基準となる音量比較部32の比較分析結果を、強弱データで重み付けするとよい。
重唱曲の旋律データに含まれる強弱データがフォルティッシモのような高音量を指示する場合は、その旋律データの歌声信号を出力する増幅系のゲインを相対的に高くするような重み付けを行い、逆に、旋律データに含まれる強弱データがピアニッシモのような低音量を指示する場合は、その旋律データの歌声信号を出力する増幅系のゲインを相対的に低くするような重み付けを行う。
これにより、重唱曲をその曲本来の味わいをより良く引き出しながら歌唱させることができるようになる。
11 中央処理装置
12 ハードディスク装置
13 光ディスク再生装置
14 通信制御装置
15 利用者インターフェイス装置
151 操作パネル
152 カラオケリモコン装置
16 音楽生成装置
17 音響装置
171 増幅系
172 ミキシングアンプ
18 ディスプレイ
19 映像処理装置
21 マイクロホン
22 スピーカ
30 音響制御部
31 旋律分析部
32 音量比較部
33 歌声音量制御部

Claims (2)

  1. 拡声手段と、複数のマイクロホンと、旋律分析手段と、音量比較手段と、歌声音量制御手段を備えたカラオケ装置であって、
    拡声手段は、カラオケデータに基づいて生成される重唱曲のカラオケ伴奏音楽と複数のマイクロホンからの歌声とを音響出力し、
    重唱曲のカラオケデータは、主声部の旋律データを含み、
    旋律分析手段は、重唱曲の演奏中、カラオケデータ中の主声部の旋律データと各マイクロホンからの歌声信号とを個別に対比し、主声部の歌声が入力されているマイクロホンを特定し、
    音量比較手段は、拡声手段における複数のマイクロホン出力の増幅系からそれぞれ出力される歌声音量レベルを比較し、
    歌声音量制御手段は、旋律分析手段により特定されたマイクロホンからの主声部の歌声について音量比較手段により音量レベルが最大であると比較分析されるように、旋律分析手段および音量比較手段の出力に基づいて拡声手段における各マイクロホン出力増幅系のゲインを個別に調整する
    カラオケ装置。
  2. 歌声音量制御手段は、各マイクロホン出力増幅系のゲインを個別に調整するに際し、そのゲイン調整量に対し、旋律データに含まれる強弱データが指示する音量程度が反映されるような重み付けを行う
    請求項1に記載のカラオケ装置。
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