JP2010236630A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】登降坂路を走行する車両の走行状態に応じた適切なプレシフト制御を実行できる自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】ECUは、車両が登坂路を走行中であると判定した場合(ステップS12が肯定判定)、運転手から加速要求がなされる可能性が高いか否かを判定する加速要求判定処理を実行する(ステップS13)。そして、ECUは、運転手が加速を要求する可能性が高いと判定した場合(ステップS14が肯定判定)、ダウンシフト側へのプレシフト制御を実行する(ステップS15,S20)。
【選択図】図3

Description

本発明は、駆動源からの動力を断・接制御するためのクラッチ及び該クラッチに動力伝達可能な状態で連結される変速機構を有する動力伝達系を複数備える自動変速機の制御装置に関する。
従来、車両に搭載される自動変速機として、例えば特許文献1に記載の自動変速機が提案されている。この自動変速機は、所謂デュアルクラッチ式の自動変速機であって、2系統の動力伝達系を備えている。第1の動力伝達系には、第1のクラッチと、該第1のクラッチに動力伝達可能な状態で連結され、且つ奇数段(1速段、3速段及び5速段)の歯車列を有する第1の変速機構とが設けられている。また、第2の動力伝達系には、第2のクラッチと、該第2のクラッチに動力伝達可能な状態で連結され、且つ偶数段(2速段、4速段及び6速段)の歯車列を有する第2の変速機構とが設けられている。例えば変速段を1速段にして車両を走行させる場合は、第1の変速機構を1速段に設定し、第1のクラッチを係合状態にすることにより、駆動源であるエンジンからの動力が第1の動力伝達系を介して駆動輪に伝達され、車両が走行する。なお、変速段が1速段である場合、第2の動力伝達系の第2のクラッチは解放状態になっており、第2の動力伝達系にはエンジンからの動力が伝達されない。
ところで、特許文献1に記載の自動変速機の制御装置では、車両の走行状態に応じたプレシフト制御が実行される。例えば車両が加速中である場合には、自動変速機の変速段がアップシフトされる可能性が高い。そこで、自動変速機の制御装置は、現時点の自動変速機の変速段(例えば3速段)を特定し、現時点で動力が伝達されていない第2の動力伝達系における変速段を、第1の動力伝達系で設定される変速段(例えば3速段)よりも高速側の変速段(この場合、4速段)で準備させるべくプレシフト制御を実行する。すなわち、車両の加速中には、アップシフト側にプレシフト制御が実行される。そのため、実際に自動変速機の変速段をアップシフトさせる場合には、第1のクラッチを解放状態にして第2のクラッチを係合状態にするだけで、エンジンからの動力が第2の動力伝達系を介して駆動輪に伝達される。したがって、プレシフト制御が実行されない場合又はダウンシフト側にプレシフト制御が実行される場合に比して、速やかなアップシフトが提供可能とされていた。
特開2007−232047号公報
しかしながら、例えば運転手がアクセルペダルを操作する場合には、自動変速機の変速段が必ずしもアップシフトされるとは限らない。例えば、車両が登坂路を走行する際には、駆動輪に伝達される動力の不足に起因し、アクセルペダルが操作されるにも関わらず車両の加速度が小さくなることがある。こうした場合、車両の運転手によってアクセルペダルの操作量が多くされると共に、自動変速機の変速段がダウンシフトされ、駆動輪に伝達される動力をより大きくさせる。こうした状況でもアクセルペダルが操作中であることからアップシフト側にプレシフト制御が実行される場合には、まず始めに第2の動力伝達系における変速段を、第1の動力伝達系で設定される変速段よりも低速側の変速段で準備させた後、第1のクラッチを解放状態にして第2のクラッチを係合状態にする必要がある。したがって、車両の走行する道路に応じたプレシフト制御が実行されない場合には、シフト変更の要求がなされてから自動変速機のシフト変更が完了するまでに時間がかかってしまう問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、登降坂路を走行する車両の走行状態に応じた適切なプレシフト制御を実行できる自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、自動変速機の制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、駆動源からの動力を断・接制御するためのクラッチ及び該クラッチに動力伝達可能な状態で連結される変速機構を有する動力伝達系を2系統備え、車両走行時には、前記各動力伝達系の何れか一方の動力伝達系に前記駆動源からの動力が伝達されるように前記一方の動力伝達系が備える一方のクラッチを係合状態にさせると共に、他方の動力伝達系が備える他方のクラッチを解放状態にさせる制御を実行する自動変速機の制御装置であって、車両が登降坂路を走行中であるか否かを判定する登降坂路判定手段と、該登降坂路判定手段によって車両が登坂路を走行中であると判定される場合に、車両のアクセルペダルの操作中における車両の加速度の低下又は該車両の加速度の低下の検出後における前記アクセルペダルの操作量の増大を検出する加速要求検出手段と、該加速要求検出手段によって前記アクセルペダルの操作中における車両の加速度の低下又は該車両の加速度の低下の検出後における前記アクセルペダルの操作量の増大が検出された場合に、前記駆動源から動力が伝達されていない他方の動力伝達系の変速段を、前記駆動源から動力が伝達される一方の動力伝達系で選択される変速段よりも低速側の変速段で準備させるプレシフト制御を実行するプレシフト制御手段と、を備えることを要旨とする。
上記構成によれば、車両が登坂路を走行中である場合において、車両のアクセルペダルの操作中における車両の加速度の低下又は車両の加速度の低下の検出後におけるアクセルペダルの操作量の増大が検出されたときには、運転手が加速を要求する可能性が高い又は運転手が加速を要求している。そのため、その後にダウンシフトが実行される可能性が高いことから、駆動源からの動力が伝達されていない他方の動力伝達系の変速段を、動力が伝達される一方の動力伝達系の変速段(即ち、自動変速機として現時点で選択される変速段)よりも低速側の変速段で準備させるプレシフト制御が実行される。したがって、登降坂路を走行する車両の走行状態に応じた適切なプレシフト制御を実行できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記登降坂路判定手段によって車両が降坂路を走行中であると判定される場合に、車両の減速要求があるか否かを判定する減速要求判定手段をさらに備え、前記プレシフト制御手段は、前記減速要求判定手段によって車両の減速要求があると判定される場合に、前記他方の動力伝達系の変速段を、前記一方の動力伝達系で選択される変速段よりも低速側の変速段で準備させるプレシフト制御を実行することを要旨とする。
上記構成によれば、車両が降坂路を走行中である場合において、車両の減速要求があると判定されるときには、運転手が車両の減速させる意志を有している可能性が高い。そのため、駆動源からの動力が伝達されていない他方の動力伝達系の変速段を、動力が伝達される一方の動力伝達系の変速段(即ち、自動変速機として現時点で選択される変速段)よりも低速側の変速段で準備させるプレシフト制御が実行される。したがって、降坂路の走行時には、車両の走行状態に応じた適切なプレシフト制御が実行される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、前記プレシフト制御手段は、前記減速要求判定手段によって車両の減速要求がないと判定される場合に、前記他方の動力伝達系の変速段を、前記一方の動力伝達系で選択される変速段よりも高速側の変速段で準備させるプレシフト制御を実行することを要旨とする。
上記構成によれば、車両が降坂路を走行中である場合において、車両の減速要求がないと判定されるときには、アップシフトが実行される可能性が高い。そのため、駆動源からの動力が伝達されていない他方の動力伝達系の変速段を、動力が伝達される一方の動力伝達系の変速段よりも高速側の変速段で準備させるプレシフト制御が実行される。したがって、降坂路の走行時には、車両の走行状態に応じた適切なプレシフト制御が実行される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の自動変速機の制御装置において、車両の走行する路面の勾配を取得する勾配取得手段と、車両の車体速度を算出する車体速度算出手段と、車両のアクセルペダルの開度を取得する開度取得手段と、をさらに備え、前記プレシフト制御の開始タイミングは、前記勾配取得手段によって取得される勾配、前記車体速度算出手段によって算出される車体速度、及び前記開度取得手段によって取得される開度のうち少なくとも一つによって設定されることを要旨とする。
上記構成によれば、車両が登降坂路を走行する場合、プレシフト制御の開始タイミングは、路面の勾配、車両の車体速度及びアクセルペダルの開度のうち少なくとも一つによって設定される。そのため、実際にシフト変更させる際には、確実にプレシフト制御が実行されているため、自動変速機の速やかなシフト変更に貢献できる。
第1の実施形態における自動変速機が搭載された車両のブロック図。 第1の実施形態の自動変速機を示すスケルトン図。 プレシフト判定処理ルーチンを説明するフローチャート。 坂路判定処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態における加速要求判定処理ルーチンを説明するフローチャート。 車体速度に応じた登坂路閾値及び降坂路閾値を設定するためのマップ。 第2の実施形態における加速要求判定処理ルーチンの一部を説明するフローチャート。
(第1の実施形態)
本発明を車両に搭載される自動変速機の制御装置に具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両は、走行時に路面に接触する複数(本実施形態では4つ)の車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)のうち、前輪FR,FLが駆動輪として機能し、且つ後輪RR,RLが従動輪として機能する所謂前輪駆動車である。こうした車両には、運転手によるアクセルペダル11の踏込み操作量に応じた動力(トルク)が発生する駆動源としてのエンジン12が設けられ、該エンジン12で発生する動力は、自動変速機13などを介して前輪FR,FLに伝達される。本実施形態の車両には、運転手によるアクセルペダル11の操作態様などに応じてエンジン12の駆動態様を制御する電子制御装置(以下、「エンジンECU」という。)14が設けられ、該エンジンECU14には、アクセルペダル11の開度(「アクセル開度」ともいう。)を検出するためのアクセルセンサSE1が電気的に接続されている。そして、エンジンECU14は、アクセルセンサSE1からの検出信号に基づきアクセル開度を算出し、該算出結果に関する情報などを後述する自動変速機13用のECU40に送信する。
次に、自動変速機13について図2に基づき説明する。
図2に示すように、本実施形態の自動変速機13は、所謂デュアルクラッチ式の前進7段後進1段の変速機である。こうした自動変速機13は、複数(本実施形態では2つ)のクラッチC1,C2と、第1のクラッチC1に連結される第1入力軸15と、第2のクラッチC2に連結される第2入力軸16と、奇数段(1速段、3速段、5速段及び7速段)用の第1歯車変速機構17と、偶数段(2速段、4速段、6速段)及び後進段用の第2歯車変速機構18と、各入力軸15,16と同軸回転可能な出力軸19とを備えている。この出力軸19からは、図示しないディファレンシャルなどを介して前輪FR,FLに動力が伝達される。
第1入力軸15は、第1のクラッチC1から所定方向(図2では左右方向)に沿って延びる棒状の部材であって、クラッチ用アクチュエータ20の駆動によって第1のクラッチC1が係合状態になった場合に、所定方向に沿って延びる回転軸線(図示略)を中心に回転する。また、第2入力軸16は、第2のクラッチC2から所定方向に沿って延びる円筒状の部材であって、該第2入力軸16内には、第1入力軸15の第1のクラッチC1側の部位が収容される。そして、第2入力軸16は、クラッチ用アクチュエータ20の駆動によって第2のクラッチC2が係合状態になった場合に、第1入力軸15と同軸で回転する。なお、クラッチC1,C2の係合とは、クラッチC1,C2の入力側と出力側との係合のことをいい、クラッチC1,C2の解放とは、クラッチC1,C2の入力側と出力側とが離間して動力伝達不能になることをいう。
第1歯車変速機構17は、第1入力軸15に相対回転可能な状態で保持され、且つ所定方向に沿って順に配置される1速段用変速ギヤ211、7速段用変速ギヤ217、3速段用変速ギヤ213と、出力軸19に一体回転可能な状態で保持される5速段用変速ギヤ215とを備えている。また、第1歯車変速機構17には、各入力軸15,16及び出力軸19に平行に配置されるカウンタ軸22に一体回転可能な状態で固定され、且つ奇数段用の各変速ギヤ211,213,215,217に個別に噛合する複数(本実施形態では4つ)のカウンタギヤ231,233,235,237が設けられている。
また、第1歯車変速機構17には、1速段用変速ギヤ211又は7速段用変速ギヤ217を選択する第1変速段選択機構25と、3速段用変速ギヤ213又は5速段用変速ギヤ215を選択する第2変速段選択機構26とが設けられている。各変速段選択機構25,26には、第1入力軸15の外周側において該第1入力軸15と一体回転可能な円筒状のスリーブ24がそれぞれ設けられている。これらスリーブ24は、所定方向における一方側に位置する変速ギヤ(例えば1速段用変速ギヤ211)と所定方向における他方側に位置する変速ギヤ(例えば7速段用変速ギヤ217)との間をそれぞれ移動可能である。
また、各変速段選択機構25,26には、スリーブ24を所定方向に沿って移動させるための駆動部27がそれぞれ設けられており、該各駆動部27は、選択用アクチュエータ28A,28Bから駆動力がそれぞれ付与される。そして、駆動部27の駆動によって、スリーブ24が所定方向における一方側(図2では左側)に位置する変速ギヤと係合する第1係合位置又は所定方向における他方側(図2では右側)に位置する変速ギヤと係合する第2係合位置に配置された場合、スリーブ24と係合した変速ギヤは、第1入力軸15と一体回転可能になる。例えば、第2変速段選択機構26のスリーブ24が第2係合位置に配置される場合、5速段用変速ギヤ215には、第1入力軸15からの動力がスリーブ24を介して伝達される。一方、スリーブ24が所定方向における両側に位置する両変速ギヤの間の中立位置に配置される場合、各変速ギヤ211,213,215,217には、第1入力軸15を介して動力が伝達されない。
第2歯車変速機構18は、第2入力軸16に相対回転可能な状態で保持され、所定方向に沿って順に配置される偶数段用の各変速ギヤ(2速段用変速ギヤ212、4速段用変速ギヤ214、6速段用変速ギヤ216)及び後進段用変速ギヤ21Rを備えている。また、第2歯車変速機構18には、カウンタ軸22に一体回転可能な状態で固定され、且つ各変速ギヤ212,214,216,21Rに個別対応する複数(本実施形態では4つ)のカウンタギヤ232,234,236,23Rが設けられている。前進偶数段用の各カウンタギヤ232,234,236は、個別対応する各変速ギヤ212,214,216にそれぞれ噛合している。また、後進段用変速ギヤ21Rとカウンタギヤ23Rとの間には、後進段用変速ギヤ21R及びカウンタギヤ23Rに噛合するアイドラギヤ29が設けられ、該アイドラギヤ29は、後進段用変速ギヤ21Rからの動力をカウンタギヤ23Rに伝達可能である。
また、第2歯車変速機構18には、2速段用変速ギヤ212又は4速段用変速ギヤ214を選択する第3変速段選択機構31と、6速段用変速ギヤ216又は後進段用変速ギヤ21Rを選択する第4変速段選択機構32とが設けられている。これら各変速段選択機構31,32は、上記第1及び第2変速段選択機構25,26と同様に、第2入力軸16の外周側に配置されるスリーブ24と、選択用アクチュエータ28C,28Dからの駆動力が付与される駆動部27とをそれぞれ備えている。すなわち、第3及び第4変速段選択機構31,32において各スリーブ24は、駆動部27の駆動によって、第1係合位置、第2係合位置及び中立位置の何れかの位置にそれぞれ配置される。そして、スリーブ24と係合した変速ギヤ(例えば2速段用変速ギヤ212)は、第2入力軸16と一体回転可能になる。
こうした自動変速機13において変速段を1速段に設定して車両を走行させる場合、各選択用アクチュエータ28A,28Bの駆動によって、第1変速段選択機構25のスリーブ24は、第1係合位置に配置されて1速段用変速ギヤ211に係合する一方、第2変速段選択機構26のスリーブ24は、中立位置に配置される。続いて、クラッチ用アクチュエータ20の駆動によって、第1のクラッチ(一方のクラッチ)C1が係合状態にされると共に、第2のクラッチ(他方のクラッチ)C2が解放状態にされる。すると、エンジン12からの動力は、第1のクラッチC1、第1入力軸15、1速段用変速ギヤ211、カウンタギヤ231、カウンタ軸22、カウンタギヤ235、5速段用変速ギヤ215及び出力軸19などを介して前輪FR,FLに伝達され、車両が走行する。したがって、本実施形態では、第1のクラッチC1、第1入力軸15及び第1歯車変速機構17により、第1の動力伝達系が構成される。
また、自動変速機13の変速段を2速段に設定して車両を走行させる場合、各選択用アクチュエータ28C,28Dの駆動によって、第3変速段選択機構31のスリーブ24は、第1係合位置に配置されて2速段用変速ギヤ212に係合する一方、第4変速段選択機構32のスリーブ24は、中立位置に配置される。続いて、クラッチ用アクチュエータ20の駆動によって、第2のクラッチ(一方のクラッチ)C2が係合状態にされると共に、第1のクラッチ(他方のクラッチ)C1が解放状態にされる。すると、エンジン12からの動力は、第2のクラッチC2、第2入力軸16、2速段用変速ギヤ212、カウンタギヤ232、カウンタ軸22、カウンタギヤ235、5速段用変速ギヤ215及び出力軸19などを介して前輪FR,FLに伝達され、車両が走行する。したがって、本実施形態では、第2のクラッチC2、第2入力軸16及び第2歯車変速機構18により、上記第1の動力伝達系と並列に設けた第2の動力伝達系が構成される。
次に、自動変速機13の駆動を制御する制御装置としての電子制御装置(以下、「ECU」という。)40について図1及び図2に基づき以下説明する。
図1及び図2に示すように、ECU40のインターフェースには、後輪RR,RLの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE2,SE3、各クラッチC1,C2の温度を検出するための温度センサSE4,SE5、車両の車体速度を検出するための車体速度センサSE6、及び車両の図示しないブレーキペダルが操作されたか否かを検出するためのブレーキスイッチSW1が電気的に接続されている。また、ECU40のインターフェースには、クラッチ用アクチュエータ20及び各選択用アクチュエータ28A〜28Dが電気的に接続されている。また、ECU40には、エンジンECU14から送信されるアクセル開度などに関する各種情報が受信される。
また、ECU40は、CPU41、ROM42及びRAM43などから構築されるデジタルコンピュータを有している。ROM42には、各アクチュエータ20,28A〜28Dを駆動させて自動変速機13を制御するための各種の制御プログラム(後述するプレシフト判定処理等)、及び各種閾値(後述する車体速度閾値、降坂路閾値、登坂路閾値等)などが記憶されている。また、RAM43には、車両の図示しないイグニッションスイッチの「オン」中に適宜書き換えられる各種の情報(後述する車体速度、実加速度、目標加速度、加速度差、プレシフト変速段、登坂路フラグ、降坂路フラグ、加速要求フラグ、減速要求フラグ等)などがそれぞれ記憶される。
次に、本実施形態のECU40が実行するプレシフト判定処理ルーチンについて図3及び図4に示す各フローチャートに基づき説明する。このプレシフト判定処理ルーチンは、車両の図示しないイグニッションスイッチが「ON」の間、予め設定された所定周期毎(例えば0.01秒毎)に実行される処理である。
さて、プレシフト判定処理ルーチンにおいて、ECU40は、車両の走行する路面が坂路であるか否かを判定する坂路判定処理(図4で詳述する。)を実行する(ステップS10)。この坂路判定処理では、登坂路フラグFLGu及び降坂路フラグFLGdがそれぞれセットされる。なお、登坂路フラグFLGuは、車両の走行する路面が登坂路である場合には「ON」にセットされ、路面が登坂路ではない場合には「OFF」にセットされるフラグである。また、降坂路フラグFLGdは、車両の走行する路面が降坂路である場合には「ON」にセットされ、路面が降坂路ではない場合には「OFF」にセットされるフラグである。
続いて、ECU40は、車両の走行する路面が平面(即ち、坂路ではない路面)であると仮定した場合の車両の走行状態に応じたプレシフト変速段を通常プレシフト変速段として設定する(ステップS11)。プレシフト変速段とは、現時点でエンジン12から動力が伝達されていない歯車変速機構において、入力軸と一体回転可能な状態で準備される変速段のことである。例えば、ECU40は、エンジンECU14から運転手がアクセルペダル11を操作中である旨の情報を受信する場合、現時点で設定される変速段(例えば4速段)よりも1段だけ高速側の変速段(この場合5速段)を通常プレシフト変速段として選択する。また、ECU40は、ブレーキスイッチSW1からの検出信号に基づき運転手がブレーキペダルを操作中であることを検出した場合、現時点で設定される変速段(例えば4速段)よりも1段だけ低速側の変速段(この場合3速段)を通常プレシフト変速段として選択する。
そして、ECU40は、登坂路フラグFLGuが「ON」であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が肯定判定(FLGu=ON)である場合、ECU40は、運転手から加速要求がなされる可能性が高いか否かを判定する加速要求判定処理(図5で詳述する。)を実行する(ステップS13)。この加速要求判定処理では、運転手が加速を要求する可能性が高いと判定される場合には加速要求フラグFLGaが「ON」にセットされ、運転手が加速を要求する可能性が低いと判定される場合には加速要求フラグFLGaが「OFF」にセットされる。続いて、ECU40は、加速要求フラグFLGaが「ON」であるか否かを判定する(ステップS14)。この判定結果が肯定判定(FLGa=ON)である場合、ECU40は、プレシフト変速段を自動変速機13において現時点で選択される変速段よりも1段だけ低速側の変速段に設定し(ステップS15)、その処理を後述するステップS20に移行する。一方、ステップS14の判定結果が否定判定(FLGa=OFF)である場合、ECU40は、プレシフト変速段をステップS11で設定された通常プレシフト変速段に設定し(ステップS16)、その処理を後述するステップS20に移行する。
その一方で、ステップS12の判定結果が否定判定(FLGu=OFF)である場合、ECU40は、降坂路フラグFLGdが「ON」であるか否かを判定する(ステップS17)。この判定結果が否定判定(FLGd=OFF)である場合、ECU40は、その処理を前述したステップS16に移行する。一方、ステップS17の判定結果が肯定判定(FLGd=ON)である場合、ECU40は、減速要求があるか否かを判定するための減速要求判定処理を実行する(ステップS18−1)。すなわち、ECU40は、エンジンECU14から受信される各種情報に基づき、アクセルペダル11が操作中であるか否かを判定する。そして、アクセルペダル11が操作されていないと判定した場合、ECU40は、運転手が車両を減速させる意志があると判断し、減速要求フラグFLGbを「ON」にセットし、減速要求判定処理を終了する。一方、アクセルペダル11が操作中である可能性があると判定した場合、ECU40は、図示しないブレーキペダルが操作されているか否かを判定する。そして、ブレーキスイッチSW1が「ON」である場合、ECU40は、運転手が車両を減速させる意志があると判断し、減速要求フラグFLGbを「ON」にセットし、減速要求判定処理を終了する。一方、ブレーキスイッチSW1が「OFF」である場合、ECU40は、運転手が車両を減速させる意志がないと判断し、減速要求フラグFLGbを「OFF」にセットし、減速要求判定処理を終了する。この減速要求フラグFLGbは、運転手からの減速要求があると判定される場合には「ON」にセットされる一方、減速要求がないと判定される場合には「OFF」にセットされるフラグである。
続いて、ECU40は、減速要求フラグFLGbが「ON」であるか否かを判定する(ステップS18−2)。この判定結果が肯定判定(FLGb=ON)である場合、ECU40は、その処理を前述したステップS15に移行する。一方、ステップS18−2の判定結果が否定判定(FLGb=OFF)である場合、ECU40は、アクセルペダル11が操作中であると判断し、プレシフト変速段を自動変速機13において現時点で選択される変速段よりも1段だけ高速側の変速段に設定し(ステップS19)、その処理を次のステップS20に移行する。したがって、本実施形態では、ECU40が、減速要求判定手段としても機能する。
ステップS20において、ECU40は、各ステップS15,S16.S19の何れかのステップで設定されたプレシフト変速段に基づきプレシフト制御を実行する。なお、自動変速機13において現時点で選択される変速段が4速段である状態において、プレシフト変速段が3速段である場合のプレシフト制御について説明する。すなわち、ECU40は、第2変速段選択機構26のスリーブ24を第1係合位置に移動させるべく選択用アクチュエータ28Bを駆動させる。すると、3速段用変速ギヤ213がスリーブ24を介して第1入力軸15と一体回転可能になる。したがって、本実施形態では、ECU40が、現時点でエンジン12からの動力が伝達される一の動力伝達系とは異なる他の動力伝達系の変速段を、一の動力伝達系の歯車変速機構で選択される変速段よりも低速側の変速段で準備させるべくプレシフト制御を実行するプレシフト制御手段としても機能する。なお、自動変速機13において現時点で選択される変速段よりも低速側の変速段で準備させるプレシフト制御のことを「ダウンシフト側へのプレシフト制御」ともいい、高速側の変速段で準備させるプレシフト制御のことを「アップシフト側へのプレシフト制御」ともいう。
その後、ECU40は、プレシフト判定処理ルーチンを一旦終了する。
次に、上記ステップS10の坂路判定処理(坂路判定処理ルーチン)について図4に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、坂路判定処理ルーチンにおいて、ECU40は、車体速度センサSE6からの検出信号に基づき車両の車体速度VSを算出する(ステップS30)。したがって、本実施形態では、ECU40が、車体速度算出手段としても機能する。続いて、ECU40は、ステップS30で算出された車体速度VSを微分することにより、車両の実加速度DVSrを算出する(ステップS31)。そして、ECU40は、車両の目標加速度DVStを算出する(ステップS32)。具体的には、ECU40は、エンジンECU14から受信した情報からアクセル開度を取得すると共に、自動変速機13において現時点で選択される変速段を取得し、取得したアクセル開度及び変速段から出力軸19の回転速度を推定する。そして、ECU40は、推定した出力軸19の回転速度に基づき、車両の目標加速度DVStを算出する。なお、目標加速度DVStは、平坦な路面を走行する際の車両の実加速度に近い速度として算出される。
続いて、ECU40は、ステップS32で算出された目標加速度DVStからステップS31で算出された実加速度DVSrを減算して加速度差DVSdiffを算出する(ステップS33)。ここで、車両が平坦な路面を走行する場合、加速度差DVSdiffは、「0(零)」に近い値になる。しかし、車両が坂路を走行する場合、加速度差DVSdiffの絶対値は、「0(零)」とは大きく異なる値になる。また、坂路の勾配が大きいほど、加速度差DVSdiffの絶対値が大きくなる傾向がある。そのため、加速度差DVSdiffは、車両の走行する路面の勾配に相当する値として算出される。したがって、本実施形態では、ECU40が、車両の走行する路面の勾配(加速度差DVSdiff)を取得する勾配取得手段としても機能する。
そして、ECU40は、ステップS30で算出された車体速度VSが予め設定された車体速度閾値VSth(例えば10km/h(時速10キロメータ))を超えるか否かを判定する(ステップS34)。この車体速度閾値VSthは、車両が停止中又は停止する可能性があるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS34の判定結果が肯定判定(VS>VSth)である場合、ECU40は、ステップS33で算出された加速度差DVSdiffが予め設定された降坂路閾値DVSddiffth以下であるか否かを判定する(ステップS35)。この降坂路閾値DVSddiffthは、車両が降坂路を走行中であるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。なお、車両が降坂路を走行する場合には実加速度DVSrが目標加速度DVStよりも大きくなるため、加速度差DVSdiffが負の値になる。そのため、降坂路閾値DVSddiffthは、負の値で設定される。
ステップS35の判定結果が肯定判定(DVSdiff≦DVSddiffth)である場合、ECU40は、車両が降坂路を走行中であるため、登坂路フラグFLGuを「OFF」にセットすると共に降坂路フラグFLGdを「ON」にセットし(ステップS36)、坂路判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS35の判定結果が否定判定(DVSdiff>DVSddiffth)である場合、ECU40は、ステップS33で算出された加速度差DVSdiffが予め設定された登坂路閾値DVSudiffth以上であるか否かを判定する(ステップS37)。この登坂路閾値DVSudiffthは、車両が登坂路を走行中であるか否かを判断するための基準値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。なお、車両が登坂路を走行する場合には実加速度DVSrが目標加速度DVStよりも小さくなるため、加速度差DVSdiffが正の値になる。そのため、登坂路閾値DVSudiffthは、正の値で設定される。
ステップS37の判定結果が肯定判定(DVSdiff≧DVSudiffth)である場合、ECU40は、車両が登坂路を走行中であるため、登坂路フラグFLGuを「ON」にセットすると共に降坂路フラグFLGdを「OFF」にセットし(ステップS38)、坂路判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS37の判定結果が否定判定(DVSdiff<DVSudiffth)である場合、ECU40は、車両の走行する路面が登坂路でも降坂路でもないと判断され、登坂路フラグFLGu及び降坂路フラグFLGdを共に「OFF」にセットし(ステップS39)、坂路判定処理ルーチンを終了する。したがって、本実施形態では、ECU40が、登降坂路判定手段としても機能する。
その一方で、ステップS34の判定結果が否定判定(VS≦VSth)である場合、ECU40は、その処理を前述したステップS39に移行する。
次に、上記ステップS13の加速要求判定処理(加速要求判定処理ルーチン)を図5に示すフローチャートに基づき説明する。
さて、加速要求判定処理ルーチンにおいて、ECU40は、エンジンECU14から受信される各種情報に基づき、アクセルペダル11が運転手によって操作中であるか否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が肯定判定(アクセルペダル11が操作中)である場合、ECU40は、ステップS31で算出された実加速度DVSrが予め設定された加速度要求判断閾値DVSth未満であるか否かを判定する(ステップS41)。この加速度要求判断閾値DVSthは、車両が加速中であるか否かを判断するための基準値であって、予め実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS41の判定結果が肯定判定(DVSr<DVSth)である場合、ECU40は、アクセルペダル11が操作されているにも関わらず車両の加速度が低下傾向にある可能性があると判断し、加速要求フラグFLGaを「ON」にセットし(ステップS42)、加速要求判定処理ルーチンを終了する。したがって、本実施形態では、ECU40が、加速要求検出手段としても機能する。
一方、ステップS40,S41の各判定結果の何れか一方が否定判定(アクセルペダル11が操作されていない、又はDVSr≧DVSth)である場合、ECU40は、運転手が車両を加速させる意志がない、又は前輪FR,FLに伝達される動力が現時点では十分であると判断する。そして、ECU40は、加速要求フラグFLGaを「OFF」にセットし(ステップS43)、加速要求判定処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)車両が登坂路を走行中である場合において、車両のアクセルペダル11が運転手によって操作される状態で車両の加速度が低下傾向にあるときには、運転手から加速が要求される可能性が高い。すなわち、その後にダウンシフトが実行される可能性が高い。そのため、ダウンシフト側へのプレシフト制御が実行される。したがって、登坂路を走行する車両の走行状態に応じた適切なプレシフト制御を実行できる。
(2)車両が降坂路を走行中である場合において、アクセルペダル11が運転手によって操作されていないとき又はブレーキペダルが操作中であるときには、運転手が車両の減速させる意志を有している可能性が高い。そのため、ダウンシフト側へのプレシフト制御が実行される。したがって、降坂路の走行時には、車両の走行状態に応じた適切なプレシフト制御を実行できる。
(3)一方、車両が降坂路を走行中である場合において、アクセルペダル11が運転手によって操作されているときには、アップシフトが実行される可能性が高いため、アップシフト側にプレシフト制御が実行される。したがって、降坂路の走行時には、車両の走行状態に応じた適切なプレシフト制御を実行できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図6に従って説明する。なお、第2の実施形態は、登坂路閾値DVSudiffth及び降坂路閾値DVSddiffthを車体速度VSに応じて変更する点が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態のECU40のROM42には、図6に示すマップが記憶されている。このマップは、車両の車体速度VSに応じた登坂路閾値DVSudiffth及び降坂路閾値DVSddiffthを設定するためのマップである。すなわち、図6に示すように、車体速度VSが第1の速度VS1未満である場合、登坂路閾値DVSudiffthは正の値である第1の閾値DVSdiff1に設定され、降坂路閾値DVSddiffthは負の値である第2の閾値DVSdiff2に設定される。また、車体速度VSが第1の速度VS1以上であって且つ該第1の速度VS1よりも高速の第2の速度VS2未満である場合、登坂路閾値DVSudiffthは車体速度VSが高速になるに連れて次第に大きな値に設定される一方、降坂路閾値DVSddiffthは車体速度VSが高速になるに連れて次第に小さな値に設定される。そして、車体速度VSが第2の速度VS2以上である場合、登坂路閾値DVSudiffthは第1の閾値DVSdiff1よりも大きい値であって且つ正の値である第3の閾値DVSdiff3に設定され、降坂路閾値DVSddiffthは第2の閾値DVSdiff2よりも小さい値であって且つ負の値の第4の閾値DVSdiff4に設定される。
その結果、車両が登坂路を走行する際には、登坂路閾値DVSudiffthが車体速度VSに応じて変更されるため、登坂路フラグFLGuが「ON」にセットされるタイミングが変更される。すなわち、車両の車体速度VSが低速である場合には、車体速度VSが高速である場合よりも、登坂路走行に起因した減速率が高い傾向がある。そのため、本実施形態では、車両の車体速度VSが低速である場合は、車体速度VSが高速である場合よりも早いタイミングで登坂路フラグFLGuが「ON」にセットされ、ダウンシフト側へのプレシフト制御が早いタイミングで開始される。
同様に、車両が降坂路を走行する際には、降坂路閾値DVSddiffthが車体速度VSに応じて変更されるため、降坂路フラグFLGdが「ON」にセットされるタイミングが変更される。すなわち、車両の車体速度VSが低速である場合には、車体速度VSが高速である場合よりも、早いタイミングでアップシフトされる傾向がある。そのため、本実施形態では、車両の車体速度VSが低速である場合は、車体速度VSが高速である場合よりも早いタイミングで降坂路フラグFLGdが「ON」にセットされ、アップシフト側へのプレシフト制御が早いタイミングで開始される。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態における効果(1)〜(3)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(4)本実施形態では、車両が坂路を走行する場合には、その時点の車両の車体速度VSに応じた適切なタイミングでプレシフト制御が実行される。そのため、実際のシフト変更がECU40に要求された場合に、プレシフト制御が実行されていない、又はダウンシフト(又はアップシフト)の要求があった場合にアップシフト(又はダウンシフト)側へのプレシフト制御が未だ実行中であることの発生を抑制できる。したがって、実際のシフト変更がECU40に要求された場合には、自動変速機13の速やかなシフト変更に貢献できる。
なお、各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第2の実施形態において、登坂路閾値DVSudiffth及び降坂路閾値DVSddiffthを、アクセルペダル11のアクセル開度に応じて設定してもよい。
・第2の実施形態において、車体速度VSに応じてダウンシフト側へのプレシフト制御の開始タイミングを変更する方法は、登坂路閾値DVSudiffth及び降坂路閾値DVSddiffthを変更しない以下に示す方法でもよい。例えば、ステップS37の判定結果が肯定判定になった場合において、車両の車体速度VSが所定速度未満になったときに、登坂路フラグFLGuを「ON」にセットしてもよい。ただし、所定速度は、車体速度閾値VSthよりも大きな値であることが望ましい。このように構成しても第2の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
・各実施形態において、加速要求判定処理を以下に示すように変更してもよい。すなわち、図7に示すように、ステップS40の判定結果が肯定判定である場合、ECU40は、加速要求フラグFLGaが「ON」であるか否かを判定する(ステップS401)。この判定結果が否定判定(FLGa=OFF)である場合、ECU40は、その処理を上記ステップS41に移行する。一方、ステップS401の判定結果が肯定判定(FLGa=ON)である場合、ECU40は、エンジンECU14から受信された各種情報に基づきアクセル開度ARを取得し、該アクセル開度ARを微分してその変化量ARhを取得する(ステップS402)。この点で、ECU40が、開度取得手段としても機能する。続いて、ECU40は、ステップS402で取得されたアクセル開度ARの変化量ARhが予め設定された所定量ARhth(例えば0(零))を超えるか否かを判定する(ステップS403)。すなわち、ステップS403では、車両が減速傾向にある状態で運転手によるアクセルペダル11の操作量が多くなったか否かが判定される。ステップS403の判定結果が肯定判定(ARh>ARhth)である場合、ECU40は、アクセルフラグFLGhを「ON」にセットし(ステップS404)、加速要求判定処理ルーチンを終了する。一方、ステップS403の判定結果が否定判定(ARh≦ARhth)である場合、ECU40は、アクセルフラグFLGhを「OFF」にセットし(ステップS405)、加速要求判定処理ルーチンを終了する。
その後、ECU40は、加速要求フラグFLGa及びアクセルフラグFLGhが共に「ON」であるか否かを判定する(ステップS14)。そして、ECU40は、各フラグFLGa,FLGhが共に「ON」である場合にはその処理をステップS15に移行し、各フラグFLGa,FLGhのうち少なくとも一方が「OFF」である場合にはその処理をステップS16にする。
この別の実施形態では、車両の登坂路走行に起因して車両が減速傾向である場合において、運転手によるアクセルペダル11の操作量が増大するときに、ダウンシフトの要求がECU40に入力される可能性が高くなるため、ダウンシフト側へのプレシフト制御が実行される。その結果、上記各実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
・各実施形態において、減速要求判定処理は、アクセルペダル11が操作されていないと共に、図示しないブレーキペダルが操作中である場合に、減速要求フラグFLGbを「ON」にセットする処理でもよい。また、減速要求判定処理は、アクセルペダル11が操作されて居合い場合に減速要求フラグFLGbを「ON」にセットする処理でもよい。
・各実施形態において、ステップS18−2の判定結果が否定判定である場合、プレシフト変速段を設定しなくてもよい。この場合、エンジン12から動力が伝達されない歯車変速機構(例えば第1歯車変速機構17)に対応する各スリーブ24をそれぞれ中立位置に配置してもよい。
・各実施形態において、ステップS41では、実加速度DVSrをさらに微分し、該微分結果(実加速度DVSrの単位時間あたりの変化量)が「0(零)」未満であるか否かが判定されてもよい。そして、実加速度DVSrを微分した値が「0(零)」未満である場合には、車両の加速度が低下傾向にあると判断し、加速要求フラグFLGaを「ON」にセットするようにしてもよい。
・各実施形態において、カーナビゲーションシステムなどの外部装置が車両に搭載される場合、該外部装置から各種情報がECU40に送信されるようにしてもよい。この場合、ECU40は、外部装置からの各種情報に基づき、登坂路を走行中であるか否か、及び降坂路を走行中であるか否かを判定してもよい。
11…アクセルペダル、12…駆動源としてのエンジン、13…自動変速機、15,16…動力伝達系を構成する入力軸、17,18…動力伝達系を構成する歯車変速機構、40…制御装置、登降坂路判定手段、加速要求検出手段、プレシフト制御手段、減速要求判定手段、勾配取得手段、車体速度算出手段、開度取得手段としてのECU、AR…アクセル開度、C1,C2…動力伝達系を構成するクラッチ、DVSdiff…勾配に相当する加速度差、VS…車体速度。

Claims (4)

  1. 駆動源からの動力を断・接制御するためのクラッチ及び該クラッチに動力伝達可能な状態で連結される変速機構を有する動力伝達系を2系統備え、車両走行時には、前記各動力伝達系の何れか一方の動力伝達系に前記駆動源からの動力が伝達されるように前記一方の動力伝達系が備える一方のクラッチを係合状態にさせると共に、他方の動力伝達系が備える他方のクラッチを解放状態にさせる制御を実行する自動変速機の制御装置であって、
    車両が登降坂路を走行中であるか否かを判定する登降坂路判定手段と、
    該登降坂路判定手段によって車両が登坂路を走行中であると判定される場合に、車両のアクセルペダルの操作中における車両の加速度の低下又は該車両の加速度の低下の検出後における前記アクセルペダルの操作量の増大を検出する加速要求検出手段と、
    該加速要求検出手段によって前記アクセルペダルの操作中における車両の加速度の低下又は該車両の加速度の低下の検出後における前記アクセルペダルの操作量の増大が検出された場合に、前記駆動源から動力が伝達されていない他方の動力伝達系の変速段を、前記駆動源から動力が伝達される一方の動力伝達系で選択される変速段よりも低速側の変速段で準備させるプレシフト制御を実行するプレシフト制御手段と、を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記登降坂路判定手段によって車両が降坂路を走行中であると判定される場合に、車両の減速要求があるか否かを判定する減速要求判定手段をさらに備え、
    前記プレシフト制御手段は、前記減速要求判定手段によって車両の減速要求があると判定される場合に、前記他方の動力伝達系の変速段を、前記一方の動力伝達系で選択される変速段よりも低速側の変速段で準備させるプレシフト制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記プレシフト制御手段は、前記減速要求判定手段によって車両の減速要求がないと判定される場合に、前記他方の動力伝達系の変速段を、前記一方の動力伝達系で選択される変速段よりも高速側の変速段で準備させるプレシフト制御を実行することを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 車両の走行する路面の勾配を取得する勾配取得手段と、
    車両の車体速度を算出する車体速度算出手段と、
    車両のアクセルペダルの開度を取得する開度取得手段と、をさらに備え、
    前記プレシフト制御の開始タイミングは、前記勾配取得手段によって取得される勾配、前記車体速度算出手段によって算出される車体速度、及び前記開度取得手段によって取得される開度のうち少なくとも一つによって設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の自動変速機の制御装置。
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