JP2010236369A - インジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ニードルの最大リフト時に、ニードルをストッパに衝突させることなく停止させて、インジェクタの信頼性を高める。
【解決手段】 ノズル室3に高圧燃料を導く燃料導入路11は、ニードル摺動軸部8に傾斜して設けられ、燃料導入路11の下側開口端は、ニードル摺動軸部8の外周面において開口する摺動部開口端を備える。この摺動部開口端は、ニードル10のリフト時にノズル摺動孔5と重なることで塞がれる。これにより、インジェクタは、ニードル10の許容リフトの手前において、燃料導入路11が極めて絞られる。このため、ニードル10の上昇時に、「圧力制御室1の圧力とスプリング28による閉弁力」と、「ノズル室3の圧力による開弁力」との釣り合いが生じることで、ニードル10の上昇が停止し、最大リフトで衝突が生じず、信頼性を高めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高圧燃料が供給される圧力制御室の燃料圧力を制御して燃料噴射をコントロールするインジェクタに関するものであり、特に噴孔を開閉するニードルが最大リフトに達する際の技術に関する。
(従来の技術)
従来より、コモンレール等に蓄圧された高圧燃料をインジェクタからディーゼル機関に噴射する蓄圧式燃料噴射装置が知られている。
この蓄圧式燃料噴射装置に用いられるインジェクタは、コモンレールに蓄圧された高圧燃料が入口側燃料通路(通路途中に入口オリフィスを備える)を介して供給される圧力制御室と、この圧力制御室と低圧側とを連通させる出口側燃料通路(通路途中に出口オリフィスを備える)を開閉する電磁弁(電動弁の一例)とを備える(例えば、特許文献1参照)。
インジェクタは、ニードルとノズルボディからなる噴射ノズルを備える。ニードルとノズルボディの間に形成されるノズル室には、燃料導入路を介してコモンレールに蓄圧された高圧燃料が供給される。
インジェクタは、圧力制御室の圧力をニードルに付与するピストンを備えるものであり、圧力制御室の圧力はピストンを介してニードルに与えられる。
インジェクタは、ニードルに対して閉弁方向の力を付与するスプリングが設けられている。このスプリングは、例えばピストンに閉弁力を与えるものであり、スプリングの閉弁力がピストンを介してニードルに与えられる。
噴射開始時の作動は、電磁弁が出口側燃料通路を開いて圧力制御室の圧力を低下させる。すると、ノズル室の圧力が圧力制御室の圧力に対して相対的に上昇し、その圧力差による開弁力がスプリングの付勢力(具体的には、スプリングによる閉弁力と、ニードルのシート径の受圧面積差による閉弁力との合力)に打ち勝つことでニードルが上昇して、燃料噴射が実行される。
噴射停止時の作動は、電磁弁により出口側燃料通路を閉じて圧力制御室の圧力を上昇させる。すると、圧力制御室とノズル室の圧力差が小さくなる。その結果、圧力差によるニードルのリフト力が低下し、スプリングの付勢力によりニードルが下降して、燃料噴射が停止される。
(従来技術の問題点)
インジェクタの噴孔から大量の燃料を噴射させるには、長時間のノズル開弁が必要となる。この長時間のノズル開弁のためには、長時間に亘ってニードルをリフトさせる必要がある。
このように、長時間に亘ってニードルをリフトさせる場合、ニードルをスプリングが許容できるリフト内で停止させないと、ニードルは際限なくリフトを続けるため、ニードルのリフトをストップさせる機構が必要となる。
ニードルのリフトをストップさせる機構として、既存の技術では、ニードルが所定量リフトした際にニードルと機械的に当接するストッパを設け、ニードルをストッパに当接させることでニードルの最大リフト量を規制していた。
しかしながら、ニードルのリフト中にストッパに当接させてニードルのリフトを停止させようとすると、ニードルとストッパとの当接面には非常に大きな面圧や衝撃が加わる不具合がある。
特表2003−529718号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ニードルの最大リフト時にニードルをストッパに当接させることなく停止させて信頼性を高めることのできるインジェクタの提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用するインジェクタは、ノズル室の圧力に対して圧力制御室の圧力を変化させることで燃料の噴射と停止の切り替えが行なわれるものであり、ノズル室に高圧燃料を供給する燃料導入路は、ニードルが開弁側へ移動するのに伴って閉塞されるように設けられている。具体的には、ニードルの許容リフトの手前で燃料導入路の通路面積を極めて縮小させる構造を採用するものである。
このように、ノズル室に高圧燃料を供給する燃料導入路が、ニードルが開弁側へ移動するに従って閉塞されることにより、噴孔からの燃料噴射によりノズル室の圧力が下がる。これにより、ニードルに作用する開弁力(リフト力)が低下して、その開弁力と、ニードルに加わる閉弁力(スプリングによる付勢力や、圧力制御室の圧力による閉弁力)とが釣り合うことで、ニードルの上昇を停止させることができる。
このように、ニードルとストッパとの当接を行なうことなくニードルのリフトを停止させることができるため、ニードルとストッパの機械的な当接が生じない。この結果、ニードルとストッパの当接面の摩耗、および衝突による割れ等が生じず、インジェクタの信頼性を高めることができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用するインジェクタのニードルは、圧力制御室の圧力を直接受けるピストンと一体に設けられる、あるいは結合手段(ジョイント等)によってピストンと一体化して設けられる。また、ピストンが挿通されるシリンダ孔の内部には、高圧燃料が供給される。そして、シリンダ孔の内部に供給された高圧燃料が、燃料導入路を介してノズル室へ導かれる。
このように、ピストンが挿通されるシリンダ孔が、噴射ノズルへ高圧燃料を供給する通路として利用されるため、インジェクタのボディ(ロアボディ等)に、噴射ノズルへ高圧燃料を供給する専用の燃料通路を設ける必要がなく、インジェクタの製造コストを抑えることができる。あるいは、噴射ノズルへ高圧燃料を供給する専用の燃料通路を廃止できることで、インジェクタのボディ(ロアボディ等)の外径を小径化することが可能になり、インジェクタの小径化が可能になる。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用するインジェクタの燃料導入路は、ニードル摺動軸部に設けられ、シリンダ孔の内部に供給された高圧燃料が、ニードル摺動軸部に設けられた燃料導入路を介してノズル室に供給される。
このように、ニードル摺動軸部に燃料導入路が形成されるため、ノズルボディに燃料導入路を設ける必要がなく、ノズルボディの外径を小径化することが可能になり、インジェクタの小径化が可能になる。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用するインジェクタは、シリンダ孔の内部にピストンを摺動自在に支持する摺動スリーブが配置される。この摺動スリーブの内側に圧力制御室が形成される。そして、シリンダ孔の内部に供給された高圧燃料は、摺動スリーブに形成された入口オリフィスを介して圧力制御室に導かれる。
このように、ピストンが挿通されるシリンダ孔が、入口オリフィスを介して圧力制御室へ高圧燃料を供給する通路として利用されるため、インジェクタのボディ(ロアボディ等)に、入口オリフィスを介して圧力制御室へ高圧燃料を供給する専用の燃料通路を設ける必要がなく、インジェクタの製造コストを抑えることができる。あるいは、入口オリフィスを介して圧力制御室へ高圧燃料を供給する専用の燃料通路を廃止できることで、インジェクタのボディ(ロアボディ等)の外径を小径化することが可能になり、インジェクタの小径化が可能になる。
[請求項5の手段]
請求項5の手段を採用するインジェクタは、燃料導入路の内部に、流路面積を絞るノズル絞りが設けられている。
インジェクタの断面図である(実施例1)。 噴射ノズルの断面図である(実施例1)。
図1、図2を参照して[発明を実施するための形態]を説明する。なお、以下(実施例を含む)では、図1の図示上側を上、図示下側を下として説明するが、この上下は説明のための一例であって限定されるものではない。
インジェクタは、高圧燃料が供給される圧力制御室1の燃料圧力を制御する電磁弁2(電動弁の一例)と、高圧燃料が供給されるノズル室3を有する噴射ノズル4とを具備し、ノズル室3の圧力に対して圧力制御室1の圧力を変化させることで燃料の噴射と停止の切り替えが行なわれるものである。
噴射ノズル4は、ノズル摺動孔5および噴孔6を有するノズルボディ7と、ニードル摺動軸部8および弁部9を有するニードル10とを備え、ノズル摺動孔5より噴孔6側のノズルボディ7とニードル10との間にノズル室3が設けられる。
そして、ノズル室3に高圧燃料を供給する燃料導入路11は、ニードル10の開弁側への移動に伴って閉塞されるものである。具体的にインジェクタは、ニードル10の許容リフトの手前において、燃料導入路11の通路面積を極めて縮小させる構造を採用するものである。
次に、本発明をコモンレール(蓄圧)式燃料噴射装置のインジェクタに適用した実施例1を、図1、図2を参照して説明する。なお、この実施例1において、上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
(インジェクタの構成)
インジェクタは、例えばディーゼルエンジン用のコモンレール式燃料噴射装置に用いられ、図示しないコモンレールから供給される高圧燃料(例えば、160Mpa以上の超高圧燃料)をエンジンの気筒内に噴射するものであり、高圧燃料が供給される圧力制御室1の燃料圧力を制御する電磁弁2、および高圧燃料が供給されるノズル室3を備え、このノズル室3に対する圧力制御室1の燃料圧力を電磁弁2によって制御することで、燃料の噴射と停止を行なうものである。
具体的に、インジェクタは、ロアボディ21(ノズルホルダ)の上側に電磁弁2を締結するとともに、ロアボディ21の下側に噴射ノズル4を締結する構造を採用する。
ロアボディ21の内部には、上下方向に延びるシリンダ孔22、コモンレールから供給された高圧燃料をシリンダ孔22の上下方向の略中間部に導く高圧燃料通路23、および低圧側に連通する低圧燃料通路24等が形成されている。
シリンダ孔22は、上下方向に延びるピストン25を内側に挿入配置するものであり、シリンダ孔22とピストン25の間は、高圧燃料通路23から供給された高圧燃料をシリンダ孔22の上端および下端へ導く燃料通路として用いられる。
ピストン25は、ニードル10とジョイント26(結合手段の一例)により一体化されるものである。そして、一体化されたピストン/ニードル(ピストン25+ニードル10)は、ピストン25の上部に設けられた1箇所の摺動支持構造と、ニードル10に設けられた1箇所の摺動支持構造とにより、上下方向に摺動自在に支持される。
ピストン25の上部の摺動支持構造について説明する。なお、ニードル10の摺動支持構造については後述する。
ピストン25の上部は、シリンダ孔22の上部に配置される摺動スリーブ27の内周面によって摺動自在に支持される。
この摺動スリーブ27は、ピストン25の中間外周部に装着されたスプリング28の付勢力により、シリンダ孔22の上部に装着された弁座プレート29の下面に常に当接した状態で配置される。
摺動スリーブ27は、シリンダ孔22の内部に装着された円筒体であり、摺動スリーブ27の下側内周面には、ピストン25を摺動自在に支持するピストンガイド孔27aが形成されている。
なお、ピストン25においてピストンガイド孔27aに摺接する部分には、ピストンガイド孔27aにより摺動支持されるピストン摺動部25aが設けられている。そして、ピストンガイド孔27aとピストン摺動部25aの摺動クリアランスは、シール機能を果たすように小さく設けられている。
ここで、上述した圧力制御室1は、ピストン25の上端、弁座プレート29、摺動スリーブ27で囲まれる空間により形成されるものであり、ピストン25の上下移動に応じて容積が変化する。
摺動スリーブ27には、高圧燃料通路23からシリンダ孔22の上側に供給された高圧燃料の一部を、圧力制御室1に導く手段(入口側燃料通路)が設けられている。
具体的に、摺動スリーブ27の外周面は、シリンダ孔22の内周面より少し小径に設けられており、シリンダ孔22と摺動スリーブ27の間には、高圧燃料通路23からシリンダ孔22の内部に供給された高圧燃料が導入されるように設けられている。
摺動スリーブ27の上側には、内外を貫通した入口オリフィス30が形成されている。この入口オリフィス30は、摺動スリーブ27の外周に供給された高圧燃料を絞って圧力制御室1に供給するものである。
なお、摺動スリーブ27の上側内周面は、上述したピストンガイド孔27aより少し大径に設けられ、摺動スリーブ27の上側に配置されるピストン25の上端部の外周面と、摺動スリーブ27との間に、圧力制御室1に通じる環状通路を形成している。
スプリング28は、ピストン25と摺動スリーブ27との間に介在されて、ピストン25を介してニードル10に閉弁力(下方に向かう付勢力)を与えるバネ手段である。
具体的に、スプリング28は、ピストン25の中間外周部に装着された圧縮コイルバネである。ピストン25には、下側が大径となる段差部が形成されており、その段差部にバネ座31を装着している。そして、スプリング28は、このバネ座31と上述した摺動スリーブ27との間に挟まれて圧縮された状態で配置される。これにより、スプリング28の復元力によって、ピストン25を介してニードル10に下方に向かう閉弁力が付与される。
次に、電磁弁2を説明する。
電磁弁2は、弁座プレート29に形成された出口側燃料通路を開閉するものであり、通電(ON)されると弁座プレート29に形成された出口側燃料通路を開き、通電が停止(OFF)されると出口側燃料通路を閉じるものである。
ここで、出口側燃料通路は、上述した圧力制御室1と低圧燃料通路24とを連通させる通路であり、その内部には出口側燃料通路を絞る出口オリフィス32が形成されている。ここで、出口オリフィス32の流路径(内径)は、入口オリフィス30の流路径(内径)よりも大きく設定されている。なお、「出口オリフィス32の流路径(内径)」≦「入口オリフィス30の流路径(内径)」であっても良い。
電磁弁2は、リテーニングナット33によってロアボディ21の上部に結合固着されるものであり、通電(ON)されると電磁力を発生するソレノイド34と、このソレノイド34の発生する電磁力によって上方(開弁方向)へ磁気吸引されるバルブ35と、このバルブ35を下方(閉弁方向)へ付勢するリターンスプリング36とを備える。
具体的に、バルブ35は、弁座プレート29に形成された出口側燃料通路を開閉するボール弁35aを備える。そして、ソレノイド34がOFFの状態では、リターンスプリング36の付勢力によってバルブ35が下方に押し付けられ、ボール弁35aが弁座プレート29の出口側燃料通路を塞ぐ。逆に、ソレノイド34がONの状態では、リターンスプリング36の付勢力に抗してバルブ35が上方に移動し、ボール弁35aがリフトして弁座プレート29の出口側燃料通路を開く。
次に、噴射ノズル4を図2を参照して説明する。
噴射ノズル4は、先端に噴孔6を有するノズルボディ7と、このノズルボディ7の内部に摺動自在に挿入されるニードル10とから構成され、リテーニングナット40によりロアボディ21の下部に締結されている。
ノズルボディ7の内部には、上方に開口したノズル孔が穿設されている。このノズル孔は、上側に設けられた径の大きいノズル摺動孔5と、その下側に設けられたノズル摺動孔5よりやや小径の燃料通路孔41とからなり、ノズルボディ7の上端の開口周縁部には面取りが施されている。なお、図2では、ノズル摺動孔5と燃料通路孔41の間に燃料溜42が形成される例を示す。
燃料通路孔41は、ノズルボディ7の下端部まで穿設されたものである。また、燃料通路孔41の下端部には、円錐状の弁座43が形成されており、その弁座43の下流側に1つまたは複数の噴孔6が穿設されている。
ノズルボディ7の下端には、下方に突出した頂部(円頂部、円錐頂部等)が形成されており、その頂部の内側には、サック室(サックボリューム)が形成されている。
噴孔6は、頂部の内外を貫通して設けられている。具体的に、噴孔6は、頂部の内壁面(サック室内)から外壁面(エンジンの気筒内に露出する面)まで斜めに貫通して形成されている。
ニードル10は、上下方向に延びる略円柱の棒形状を呈するものであり、ノズル摺動孔5の内周面に摺動自在に支持されるニードル摺動軸部8と、このニードル摺動軸部8の下部に設けられた小径軸状のシャフト44とを備える。そして、ニードル摺動軸部8とシャフト44の段差によって受圧面45が形成される。また、シャフト44の下端には、燃料通路孔41の下端部に形成された弁座43に着座および離脱して噴孔6を開閉する円錐形状の弁部9が設けられている。
ここで、ニードル10の上端とピストン25の下端を結合するジョイント26について説明する。
ジョイント26は、ニードル10の上端に形成されたニードル鍔部51と、ピストン25の下端に形成されたピストン鍔部52とを上下に当接させ、当接させたニードル鍔部51とピストン鍔部52にカプラ53を被せることでニードル10の上端とピストン25の下端を結合するものである。
受圧面45は、ニードル摺動軸部8の下端からテーパ状に縮径して設けられ、燃料溜42に面して配置される。
シャフト44は、ニードル摺動軸部8より外径が小さく、燃料溜42より下側の燃料通路孔41内に挿通され、燃料通路孔41との間に燃料通路を形成する。
ニードル摺動軸部8は、ノズル摺動孔5に微小クリアランスを介して摺動自在に支持されるものであり、ニードル摺動軸部8とノズル摺動孔5の摺動クリアランスは、シール機能を果たすように小さく設けられている。
ここで、上述したノズル室3は、ニードル摺動軸部8の下側において、ノズルボディ7とニードル10とで囲まれる空間により形成される。具体的にノズル室3は、燃料溜42および燃料通路孔41と、ニードル10とで区画される内部空間によって形成される。
噴射ノズル4は、高圧燃料通路23を介してシリンダ孔22の下端(ノズル摺動孔5の上端)に供給された高圧燃料をノズル室3に供給する燃料導入路11を備える。
この燃料導入路11は、ニードル摺動軸部8に設けられて、ニードル摺動軸部8の上側に供給された高圧燃料をノズル室3に導くものであり、軸方向に対して傾斜した長孔によって設けられている。
ニードル10の先端の弁部9は、テーパ角の異なる複数の円錐を組み合わせて構成された複数段の円錐であり、その境界部にシート線9aが形成されている。シート線9aより上側の広がり角度は、弁座43の広がり角度より小さいものであり、シート線9aより下側の広がり角度は、弁座43の広がり角度より大きいものである。
弁部9が弁座43に着座する際は、弁部9のシート線9aが弁座43に当接してノズル室3と噴孔6との連通を遮断し、弁部9が弁座43から離座する際は、弁部9のシート線9aが弁座43から離れて、ノズル室3と噴孔6とが連通され、高圧燃料が噴孔6から噴射される。
ここで、燃料導入路11の内部には、燃料導入路11の流路面積を絞るノズル絞り11aが設けられている。このノズル絞り11aは、燃料の噴射中におけるノズル室3の圧力を抑えることで、噴射停止時におけるニードル10の下降を早めて「噴射停止の応答性」を高めるものである。なお、燃料導入路11の途中にノズル絞り11aを形成しないものであっても良い。
燃料導入路11は、ニードル10の開弁側への移動に伴って閉塞される構造を採用している。即ち、この実施例1のインジェクタは、ニードル10の許容リフト(スプリング28の限界リフト)の手前において、燃料導入路11の通路面積を極めて縮小させる構造を採用するものである。
次に、ニードル10の開弁側への移動に伴って、燃料導入路11が塞がれる構造について説明する。
ノズル室3に高圧燃料を導くための燃料導入路11は、上述したように、ニードル摺動軸部8に設けられるものであり、軸方向に対して傾斜した直線孔によって設けられている。
燃料導入路11の下側(ノズル室3に近い側)には、燃料導入路11内を絞るノズル絞り11a(オリフィス)が形成されている。このため、燃料導入路11における下側開口端(ノズル室3側の開口端)は、図2に示すように、ノズル絞り11aによって小さな開口部となっている。
燃料導入路11の下側開口端は、図2に示すように、ニードル摺動軸部8の外周面において開口する摺動部開口端11bと、受圧面45に開口する受圧部開口端11cとからなる。燃料導入路11におけるノズル室3側の開口の大部分が摺動部開口端11bとして設けられ、僅かな部分が受圧部開口端11cとして設けられている(摺動部開口端11bの開口割合>受圧部開口端11cの開口割合)。
摺動部開口端11bは、ニードル10が開弁側へ移動してノズル摺動孔5と軸方向に重なることでノズル摺動孔5によって塞がれるものである。また、受圧部開口端11cは、ニードル10が大きくリフトしても常にノズル室3内と連通するものである。
さらに具体的に説明すると、燃料導入路11の下側開口端は、ニードル10が弁座43に着座する噴射停止状態の時、図2(b)に示すように、ノズル摺動孔5によって全く塞がれないものである。即ち、ノズル絞り11aの通路面積の100%が、ノズル室3内に連通した状態になっている。
そして、ニードル10が上昇を開始すると、燃料導入路11の下側開口端は、ニードル10の上昇に伴ってノズル摺動孔5によって徐々に閉塞される。
そして、ニードル10のリフト量が所定リフトに達すると、図2(a)に示すように、全ての摺動部開口端11bがノズル摺動孔5により閉塞されて、受圧部開口端11cのみがノズル室3に連通する。
即ち、この実施例1のインジェクタは、ニードル10が少量リフトした後、さらにニードル10が上昇するのに伴って燃料導入路11の通路面積が縮小する構造を採用するものである。
(インジェクタの作動説明)
次に、インジェクタの作動を説明する。
(1)インジェクタの停止中は、電磁弁2の通電が停止されて、バルブ35が弁座プレート29に形成された出口側燃料通路を閉じる。これにより、ノズル室3とともに圧力制御室1の圧力が高圧に保たれる。その結果、スプリング28の付勢力によりニードル10が弁座43に押し付けられ、ノズル室3と噴孔6が遮断された状態となり、噴孔6から燃料の噴射は行われない。具体的に、ニードル10には、スプリング28の付勢力に加えて、シート線9aの内側の受圧面積差による閉弁力がニードル10に生じるものである。
(2)ECU(エンジンコントロールユニット)の噴射開始の指示(噴射指令ON)により、EDU(ドライブユニット)から電磁弁2に駆動電流(パルスON)が与えられると、ソレノイド34がバルブ35を磁気吸引する。バルブ35がリフトアップを開始すると、出口側燃料通路が開き、入口オリフィス30で燃料の流入が抑制されて圧力制御室1の圧力が低下を開始する。
圧力制御室1の圧力が低下することで、ノズル室3の圧力が圧力制御室1の圧力に対して相対的に上昇し、その圧力差により生じる開弁力(ニードル10のリフト力)が、「スプリング28の付勢力」と「シート線9aの内側の受圧面積差による閉弁力」との「合力」に打ち勝つことで、ニードル10が上昇を開始する。ニードル10が弁座43から離座すると、ノズル室3と噴孔6とが連通し、ノズル室3に供給された高圧燃料が噴孔6から噴射する。
(3)燃料の噴射中(電磁弁2のON中)は、燃料導入路11のノズル絞り11aを介してノズル室3の内部に燃料が供給(補充)される。
ノズル絞り11aによってノズル室3内が減圧され、ニードル摺動軸部8の上面と下面との間に圧力差が発生する。この圧力差は、ニードル10の開弁力を小さくするものである。
しかるに、ノズル絞り11aの絞り率は小さいため、圧力差は少量しか発生せず、ニードル10は上昇し続ける。
ニードル10が上昇し、ニードル10のリフト量が許容リフト(スプリング28の限界リフト)に近づくに従い、燃料導入路11の下側開口端とノズル摺動孔5との重なりが増加して、燃料導入路11の下側開口端の閉塞率が高まる。即ち、ノズル絞り11aの下端における開口面積が縮小する。
すると、燃料導入路11における燃料の流れが減少して、ノズル室3内の減圧度合が高まり、ニードル摺動軸部8の上面と下面との間の圧力差が大きくなる。
この圧力差は、上述したように、ニードル10の開弁力を小さくするように作用する。このため、ニードル10の上昇に伴って、ニードル摺動軸部8の上面と下面との間の圧力差が大きくなって開弁力が低下していくと、「圧力制御室1(圧力:小)とノズル室3(圧力:大)の差圧による開弁力」と、「スプリング28による閉弁力」とが釣り合うことで、ニードル10の上昇が停止する。
即ち、ニードル10が上昇し、燃料導入路11の閉塞率が高まることによる油圧の釣り合いが生じることで、ニードル10の上昇が停止する。
(4)ECUの噴射停止の指示(噴射指令OFF)により、EDUから電磁弁2に与えられていた駆動電流が停止(パルスOFF)されると、ソレノイド34がバルブ35の磁気吸引を停止して、バルブ35が下降を開始する。そして、電磁弁2のバルブ35が出口側燃料通路を閉じると、圧力制御室1の圧力が上昇を開始する。
圧力制御室1の圧力が上昇することで、上記「油圧の釣り合い」が崩れ、ニードル10が下降を開始する。そして、ニードル10が弁座43に着座すると、ノズル室3と噴孔6の連通が遮断されて、噴孔6からの燃料噴射が停止して、上記(1)の状態に戻る。
(実施例1の効果)
実施例1のインジェクタは、上述したように、ニードル10が開弁側へ移動するのに伴って燃料導入路11が閉塞されるように設けられている。このため、燃料の噴射開始後、ニードル10の上昇に伴って燃料導入路11の閉塞率が高まる。そして、「圧力制御室1の圧力とスプリング28による閉弁力」と、「ノズル室3の圧力による開弁力」との釣り合いが生じることで、ニードル10の上昇が停止する。
このように、ニードル10を機械的に当接させることなくニードル10のリフトを停止させることができるため、ニードル10とストッパの当接面の摩耗、および衝突による割れ等の破損が生じず、インジェクタの信頼性を高めることができる。
上記の実施例では、ピストン25とニードル10とをジョイント26で連結して一体化する例を示したが、ピストン25とニードル10とを1つの部材(ピストン/ニードル)で設けても良い。
上記の実施例では、ソレノイド34による作動によって出口側燃料通路の開閉を行なう電磁弁2を例に示したが、ピエゾアクチュエータなど他の電動アクチュエータにより出口側燃料通路の開閉を行なう他の電動弁を用いても良い。
上記の実施例では、ディーゼルエンジン用のインジェクタに本発明を適用する例を示したが、ガソリンエンジン用のインジェクタなど、他のエンジン形式に用いられるインジェクタに本発明を適用しても良い。
1 圧力制御室
2 電磁弁(電動弁)
3 ノズル室
4 噴射ノズル
5 ノズル摺動孔
6 噴孔
7 ノズルボディ
8 ニードル摺動軸部
9 弁部
10 ニードル
11 燃料導入路
11a ノズル絞り
22 シリンダ孔
25 ピストン
26 ジョイント(結合手段)
27 摺動スリーブ
30 入口オリフィス

Claims (5)

  1. 高圧燃料が供給される圧力制御室(1)の燃料圧力を制御する電動弁(2)と、
    内部に高圧燃料が供給されるノズル室(3)を有する噴射ノズル(4)とを具備し、
    前記ノズル室(3)の圧力に対して前記圧力制御室(1)の圧力を変化させることで燃料の噴射と停止の切り替えが行なわれるインジェクタにおいて、
    前記噴射ノズル(4)は、
    内部に軸方向に沿うノズル摺動孔(5)を有するとともに、先端部に燃料噴射用の噴孔(6)を有するノズルボディ(7)と、
    前記ノズル摺動孔(5)によって軸方向に摺動自在に支持されるニードル摺動軸部(8)を有するとともに、先端部に前記噴孔(6)を開閉する弁部(9)を有するニードル(10)とを備え、
    前記ノズル摺動孔(5)より前記噴孔(6)側の前記ノズルボディ(7)と前記ニードル(10)との間に前記ノズル室(3)が設けられるものであり、
    前記ノズル室(3)に高圧燃料を供給する燃料導入路(11)は、前記ニードル(10)の開弁側への移動に伴って閉塞されることを特徴とするインジェクタ。
  2. 請求項1に記載のインジェクタにおいて、
    前記ニードル(10)は、前記圧力制御室(1)の圧力を直接受けるピストン(25)と一体に設けられる、あるいは結合手段(26)によって前記ピストン(25)と一体化して設けられるとともに、
    前記ピストン(25)が挿通されるシリンダ孔(22)の内部に高圧燃料が供給されるものであり、
    前記シリンダ孔(22)の内部に供給された高圧燃料が、前記燃料導入路(11)を介して前記ノズル室(3)へ導かれることを特徴とするインジェクタ。
  3. 請求項2に記載のインジェクタにおいて、
    前記燃料導入路(11)は、前記ニードル摺動軸部(8)に設けられ、
    前記シリンダ孔(22)の内部に供給された高圧燃料が、前記ニードル摺動軸部(8)に設けられた前記燃料導入路(11)を介して前記ノズル室(3)に供給されることを特徴とするインジェクタ。
  4. 請求項2または請求項3に記載のインジェクタにおいて、
    前記シリンダ孔(22)の内部には、前記ピストン(25)を摺動自在に支持する摺動スリーブ(27)が配置され、この摺動スリーブ(27)の内側に前記圧力制御室(1)が形成されるものであり、
    前記シリンダ孔(22)の内部に供給された高圧燃料が、前記摺動スリーブ(27)に形成された入口オリフィス(30)を介して前記圧力制御室(1)に導かれることを特徴とするインジェクタ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインジェクタにおいて、
    前記燃料導入路(11)の内部には、流路面積を絞るノズル絞り(11a)が設けられていることを特徴とするインジェクタ。
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