JP2010236121A - 熱可塑性樹脂製モノフィラメントおよび工業用織物 - Google Patents

熱可塑性樹脂製モノフィラメントおよび工業用織物 Download PDF

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Abstract

【課題】PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂の混合組成物からなるモノフィラメントにおいて、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂の分散状態を均一化させることにより、モノフィラメントの引張破断強力のばらつきを減少させ、工業用織物への加工時において、安定した工程通過性を保有し、さらに、PPSが有する高圧蒸気雰囲気下における高耐久性を悪化させることの無いPPSアロイモノフィラメントおよびこのPPSアロイモノフィラメントを使用した各種工業用織物を提供する。
【解決手段】PPS95〜60重量%および熱可塑性ポリエステル樹脂5〜40重量%の合計100重量部に対し、脂肪酸金属塩0.0001〜0.5重量部を含有せしめた熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする熱可塑性樹脂製モノフィラメント。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと呼ぶ)に熱可塑性ポリエステル樹脂を混合して得られたPPSを主体とする熱可塑性樹脂製モノフィラメント(以下、PPSアロイモノフィラメントという)に関するものであり、さらに詳しくは、従来のPPSアロイモノフィラメントに比較し、PPS中における熱可塑性ポリエステル樹脂の分散状態がより均一で、例えばPPSアロイモノフィラメントを用いる工業用織物などの加工時における工程通過性が優れ、且つ、高圧蒸気雰囲気下にて使用した場合における高耐久性を保有したPPSアロイモノフィラメント及びそれを用いた工業用織物に関するものである。
PPSは、耐熱性や耐薬品性に優れた樹脂であることから、これらの優れた特性を生かして工業用部品、繊維、工業用織物、フィルム、シート、およびプレートなどの各種成型品として広く用いられてきた。
しかし、PPSからなる繊維、特にPPSモノフィラメントは、繰り返し屈曲や擦過を受けた時の耐摩耗性などの屈曲耐久性が劣ることから、工業用織物に製織するときに繊維軸方向に割れやすいという問題があり、これらの問題を解消するために種々の改善が検討されてきた。
例えば、押出温度においてPPSよりも高溶融粘度を有し、耐熱劣化性およびPPSとの化学的融和性を有する添加物として熱安定化ナイロン66を1〜20重量%添加し、その添加剤が細長い小球体として繊維軸と平行に存在している繊維(例えば、特許文献1参照) や、PPS樹脂(A)5〜99重量%と、ポリオレフィン系重合体、共役ジエン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリフェニレンエーテル系重合体、熱可塑性ポリエステルのうちから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂(B)1.0〜95重量%とからなる樹脂組成物に対して、Fe系触媒のごとき脱水素系触媒、Pd系触媒のごとき脱酸素系触媒、Cr2 系触媒のごとき脱アルキル系触媒の内から選ばれる少なくとも1種の触媒(C)を0.01〜20重量%含んでなる熱可塑性樹脂組成物からなる繊維(例えば、特許文献2参照)などが知られているが、これらの技術は屈曲耐久性を向上させる点に関しては、相応の効果を発揮するものの、繊維中におけるPPSと異種高分子の分散状態の均一性という点に関しては不十分であることから、これら技術をモノフィラメントに適応した場合には、繊維軸長さ方向の糸径のばらつきが大きくなってしまうばかりか、モノフィラメントの破断強力のばらつきが大きくなってしまうなどの問題があり、これを用い工業用織物を製造する場合には、加工時に糸切れが発生しやすくなるなどの不具合を生じていた。
また、前記の問題を解決する手段として、PPSと異種高分子の配合を均一に分散させるために、複数の異種高分子ポリマーを300トール以下の減圧中において溶融混連するポリマーアロイの製造方法(例えば、特許文献3参照)について知られているが、この方法は大掛かりな製造設備が必要となり、製造コストアップに繋がるなど実用性に乏しい技術であった。
特公平5−83678 特開平7−316428 特開平5−185425
本発明は、以上のような状況を鑑み、従来技術における問題点を解決するために検討した結果達成されたものであり、その目的とするところは、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂の混合組成物からなるモノフィラメントにおいて、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂の分散状態を均一化させることにより、モノフィラメントの引張破断強力のばらつきを減少させ、工業用織物への加工時において、安定した工程通過性を保有し、さらに、PPSが有する高圧蒸気雰囲気下における高耐久性を悪化させることの無いPPSアロイモノフィラメントおよびこのPPSアロイモノフィラメントを使用した各種工業用織物を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明によれば、PPS95〜60重量%および熱可塑性ポリエステル樹脂5〜40重量%の合計100重量部に対し、脂肪酸金属塩0.0001〜0.5重量部を含有せしめた熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする熱可塑性樹脂製モノフィラメントが提供される。
なお、本発明の熱可塑性樹脂製モノフィラメントにおいては、
前記熱可塑性ポリエステルがポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)であること、
前記脂肪酸金属塩がステアリン酸カルシウムであること、
前記モノフィラメントをJIS2003 L1013 8.5項に準じ、繰り返し50回測定した引張強力の標準偏差sが5.0以下であること、および
前記モノフィラメントを138℃、2.5kg/cmの高圧蒸気雰囲気下で60日間の処理を行い、その処理前の強力をA、処理後の強力をBとした場合、式B÷AX100で示される強力保持率が70%以上であること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満足することによって、より一層の優れた効果の発揮が期待できる。
また、本発明の工業用織物は、上記PPSアロイモノフィラメントを緯糸および/または経糸の少なくとも一部に用いたことを特徴とし、これら本発明のPPSアロイモノフィラメントを実際の工業用織物として使用した場合には、良好な工程通過性および高圧蒸気雰囲気下における高耐久性を維持することから、抄紙ドライヤーカンバス、抄紙ワイヤー、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくはフィルターなどの分野へ極めて好適に利用し得る工業用織物の取得が可能となる。
本発明によれば、従来のPPSおよび熱可塑性ポリエステル樹脂の混合樹脂組成物からなるPPSアロイモノフィラメントに比較し、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂が均一に分散され、使用時における良好な工程通過性および高温蒸気雰囲気下における優れた高耐久性を保有する工業用織物用PPSアロイモノフィラメントおよび工業用織物を得ることができる。
従来のPPSアロイモノフィラメントの断面を走査型電子顕微鏡により1500倍で観察した写真である。 本発明のPPSアロイモノフィラメントの断面を走査型電子顕微鏡により1500倍で観察した写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のPPSアロイモノフィラメントは、PPS95〜60重量%および熱可塑性ポリエステル樹脂5〜40重量%の合計100重量部に対し、脂肪酸金属塩0.0001〜0.5重量部を含有せしめた熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする。
さらに本発明のPPSアロイモノフィラメントは、JIS−2003 L1013 8.5項に準じ、繰り返し50回測定した前記モノフィラメントの引張強力の標準偏差sが、5.0以下であること、また138℃、2.5kg/cmの高圧蒸気雰囲気下で60日間の処理を行い、その処理前の強力をA、処理後の強力をBとした場合、式B÷A×100で示される強力保持率が70%以上である場合には、より望ましい効果の発現が期待されることに繋がる。
ここで、本発明でいうPPSとは、ポリマーの繰り返し単位の90%以上がp−フェニレンサルファイドからなるポリマーであり、工業的には、p−ジクロルベンゼンに硫化ナトリウムを重縮合反応させて得ることができる。また、p−ジクロルベンゼンの10モル%未満のトリクロルベンゼンを分岐成分として共重縮合させたポリマーであってもよい。なお、原料PPSとしては、MFRが50〜180g/10分、特に50〜150g/10分で、実質的に直鎖分子構造のものが好ましく使用される。
PPSは、重縮合後のPPSを水洗しただけのものの場合は、末端に主としてカルボン酸ナトリウム末端基を有している。また、重縮合後のPPSを酢酸水溶液で洗浄した後に水洗したものは、末端にカルボン酸末端基を有している。さらに、重縮合後のPPSを酢酸カルシウム水溶液で洗浄した後に水洗したものは、末端にカルボン酸カルシウム末端基を有している。ただし、カルボン酸末端基を有するPPSが少量の−COONa末端基を有していてもよく、カルボン酸金属末端基を有するPPSが少量のカルボン酸末端基を有していてもよい。
なお、PPSが、分岐・架橋されている場合には、紡糸性、延伸性が悪くなったり、得られる繊維の結節強度が低くなったりするなどの不都合が生じるので、本発明で用いるPPSは実質的に直鎖状高重合体であることが好ましい。
本発明においては、市販品のPPSを入手してこれを使用することができる。PPSの市販品としては、例えばカルボン酸金属末端基を有するPPSである東レ社製品のE1880(MFR:70g/10分)、E2080(MFR:100g/10分)、E2280(MFR:170g/10分)などを挙げることができる。
本発明でいう熱可塑性ポリエステルとは、芳香族または脂肪族ジカルボン酸およびその誘導体と脂肪族または芳香族ジオールとから得られるエステル結合を有する重合体すべてを意味する。熱可塑性ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、液晶ポリエステルなどが挙げられる。耐熱性ならびに溶融時の流動性の点からはポリエチレンテレフタレートが特に好ましく使用できる。
本発明でいう脂肪酸金属塩とは、脂肪族モノカルボン酸と金属元素との化合物を主体とする少なくとも常温で粉末状のものであり、例えば、ステアリン酸と、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、銅、ニッケルまたはコバルトなどの金属元素との化合物を好ましく挙げることができ、これらの中から選ばれた少なくとも1種類以上のものを使用することができるが、中でもステアリン酸カルシウムを主体としてなるものの使用が特に好ましい。
ここで、本発明におけるステアリン酸カルシウムを主体としてなるものとは、ステアリン酸カルシウムの他に、遊離の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸およびそれらの金属塩およびエステルなどの誘導体を含有するものを含んでもよい。
本発明のPPSアロイモノフィラメントに脂肪酸金属塩を添加する目的は、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂との均一分散性を改良することにある。すなわち、図1に示したように、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂との混合に際しては、両素材の相溶性が悪いことに起因して、単純に溶融混練しただけでは分散状態が非常に不均一となる問題があった(図1において、黒点が熱可塑性ポリエステル樹脂の分散粒子を示し、それらは直径が0.1〜1.8μmの大粒子径でPPS中に分散している)。しかし、脂肪酸金属塩、例えばステアリン酸カルシウムを含有させた場合には、図2に示したように、熱可塑性ポリエステル樹脂粒子は、直径が0.01〜0.3μmの小粒子径でPPS中に均一分散することになり、このことは、脂肪酸金属塩が保有する溶融した異素材樹脂同士の分散性向上効果により、PPS中における熱可塑性ポリエステル樹脂の分散状態が均一化することが明らかである。そして、分散性向上の結果、PPSアロイモノフィラメントの引張強力などの品質安定性が著しく改善されることになるのである。
さらに、本発明のPPSアロイモノフィラメントにおいては、脂肪酸金属塩を添加し、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂の分散状態を均一化することによって、従来のPPSアロイモノフィラメントより、優れた品質安定性、工業用織物への加工時における工程通過性および高温蒸気雰囲気下における優れた高耐久性の向上が実現するのである。
本発明のPPSアロイモノフィラメントにおいて、PPSへの熱可塑性ポリエステル樹脂の混合率は5〜40重量%の範囲内であれば、その目的に応じて調整すればよいが、熱可塑性ポリエステル樹脂の混合比が40重量%よりも多くなると、PPS中で熱可塑性ポリエステル樹脂が凝集しやすくなり、紡糸性、延伸性が悪くなるばかりか、繊度斑も大きくなるため好ましくない。ゆえにモノフィラメントの製造において安定した紡糸性、高強度の糸質を維持するには、PPSに混合する熱可塑性ポリエステル樹脂が5〜40重量%であることが重要であり、特に10〜25重量%の範囲であることが好ましい。
本発明のPPSアロイモノフィラメントでは、脂肪酸金属塩のモノフィラメント中の含有率が、PPSおよび熱可塑性ポリエステル樹脂の合計100重量部に対し、0.0001〜0.5重量部の範囲内であれば、その目的に応じ添加量を調整すればよいが、好ましくは0.0005〜0.3重量部、さらに0.005〜0.1重量部とした時は、所望とする効果の発現がより顕著に現れることから好ましい。
ここで、脂肪酸金属塩の含有量が0.5重量部より多い場合は、エクストルーダーなどの紡糸機における溶融原料の押出が不安定となり、PPSアロイモノフィラメントの製造時に紡糸操業安定性が悪くなるため好ましくない。
また、0.0001重量部未満では、PPS中に存在する熱可塑性ポリエステル樹脂の分散性改善効果が発揮されず、引張強力の安定度の低下やPPSアロイモノフィラメントの繊維軸長さ方向の直径ばらつきが不均一になるなどの点で好ましくない。
本発明のPPSアロイモノフィラメントにおいては、繊維中に熱可塑性ポリエステル樹脂が個々の紡錘体状で繊維中に均一分散していることが肝要である。
ここで、その熱可塑性ポリエステル樹脂の分散状態は、紡錘体状を呈する熱可塑性ポリエステル樹脂の長軸が繊維軸に対して平行であり、かつその短軸長、すなわち紡錘体の繊維軸に対する垂直方向断面における直径が1.0μm未満であることが望ましい。
PPSアロイモノフィラメント中に分散している熱可塑性ポリエステル樹脂の分散直径が1.0μm以上では、PPSアロイモノフィラメントにしたときに引張破断強力のばらつきが大きくなるばかりか、高圧蒸気雰囲気下での耐久性の低下が発生する傾向となる。ゆえにPPSアロイモノフィラメント中に分散している熱可塑性ポリエステル樹脂の分散直径は、1.0μm未満であることが望ましく、さらには0.1〜0.5μmの範囲であることが特に好ましい。
本発明のPPSアロイモノフィラメントは、JIS−2003 L1013 8.5項に準じ、繰り返し50回測定したときの引張強力の標準偏差sが5.0以下であることが好ましい。
すなわち、前記測定において標準偏差sが5.0以下であることは、引張破断強力が繊維軸長さ方向に亘って安定していることを示しており、従来のPPSアロイモノフィラメントを工業用織物へ加工するときに問題視されていた糸切れ等の工程通過上の不具合が軽減できるばかりか、織物の品質安定化に繋がるなど、極めて好ましい効果の発現が期待できる。
さらに、本発明のPPSアロイモノフィラメントは、138℃、2.5kg/cmの高圧蒸気雰囲気下で60日間の処理を行い、その処理前の強力をA、処理後の強力をBとした場合、式B÷A×100で示される強力保持率が70%以上であることが好ましい。
すなわち、前記処理を施したPPSアロイモノフィラメントの強力保持率が70%以上であれば、本発明のPPSアロイモノフィラメントを用いた工業用織物を高圧蒸気雰囲気下で使用した場合でも、極めて長期間の使用を実現することに繋がるため好ましい。
次に、本発明のPPSアロイモノフィラメントの製造方法について説明するが、本発明のPPSアロイモノフィラメントの製造方法は、これら製造方法に限定されるものではない。
本発明のPPSアロイモノフィラメントの製造方法としては、従来公知の一般的な方法を採用することが出来る。すなわち、PPS樹脂および熱可塑性ポリエステル樹脂を適当な混合機、例えばタンブラー、ヘンシェルミキサーなどで均一に混合する際に、同時に脂肪酸金属塩を添加したPPSを主体とする熱可塑性樹脂組成物を、二軸押出機などに供給して、PPSの融点以上の温度に加熱して溶融・混練した後に、必要に応じてフィルター類でろ過して異物を取り除き、ガット状に押し出して冷却後カッティングを行いペレット状に加工した後、このペレットをエクストルーダー型等の溶融紡糸機に供し、所望の紡糸口金を用いた溶融押出による製造方法などにより製造することができる。
本発明のPPSアロイモノフィラメントの製造方法においては、PPSを主体とする樹脂組成物を溶融紡糸するが、使用するPPS樹脂組成物のMFRは、250g/10分以下、特に200g/10分以下のものが好ましい。
まず、例えば、押出機により溶融温度約300〜350℃で溶融したPPS樹脂組成物をノズルから押出し、空気層もしくは不活性気体層を介し70℃以上の温水中で冷却する。次に、得られた未延伸糸を、引き続いてゲージ圧0.001〜0.1MPa、好ましくはゲージ圧0.005〜0.01MPaの加圧飽和水蒸気雰囲気下、かつ0.1〜10.0秒間、好ましくは0.5〜8.0秒間の間で、3.3〜4.1倍に1次延伸する。次いで、130〜180℃、好ましくは140〜170℃の雰囲気下で、1.05〜1.8倍の範囲でその全延伸倍率が4.0倍〜7.0倍になるよう多段延伸し、引き続いて110〜175℃、好ましくは110〜160℃の雰囲気下で0〜20%の弛緩熱処理することで、本発明のPPSアロイモノフィラメントを得ることができる。
一次延伸における加圧飽和水蒸気圧のゲージ圧が上記の範囲未満の場合には、屈曲耐久性の低下を招き、また上記の範囲を越える場合には、スーパードローが発生して安定した延伸の遂行が実施し得なくなる。
また、一次延伸に加圧飽和水蒸気以外、例えば温水や乾熱空気などを熱媒として用いることも可能である。しかしながら、温水や乾熱空気などを用いて一次延伸を行った場合においては、工業用織物用途に使用するPPSアロイモノフィラメントに必要となる十分な結節強度や引掛強度が得られない場合があり、特に好ましい製造方法としては加圧飽和水蒸気雰囲気下での一次延伸が好適である。
なお、温水や乾熱空気などを用いて一次延伸を行った場合に、高い結節強度や引掛強度が得にくくなる原因については次のように推測される。
すなわち、加圧飽和水蒸気よりも温度の低い温水や、熱伝導率の低い乾熱空気では、一次延伸においてPPSをTg以上に加熱することができず、十分な分子を配向させられないため高い結節強度や引掛強度の実現が難しくなるためと考えられる。
さらに、多段延伸するにあたっては、二次延伸以降を130〜180℃、好ましくは140〜170℃の温度雰囲気下で行うことが望ましい。延伸温度が上記の範囲未満では、糸切れが発生し安定した製糸性を得ることができず、また上記の範囲を越えると、屈曲耐久性の低下を招くことになる。この原因については現時点では定かではないが、高い熱履歴により非晶部の結晶化が促進され、柔軟性が損なわれるために起こる現象であると推察される。この温度雰囲気下において、1.05〜1.8倍の範囲で、その全延伸倍率が4.0倍〜7.0倍になるよう多段延伸することにより、より高強度の糸質を持ったPPSアロイモノフィラメントが得られる。
次いで、弛緩熱処理をするにあたっては、110〜175℃、好ましくは110〜160℃の雰囲気下で行うことが望ましい。熱処理温度が上記の範囲未満では、十分な熱処理が行われず、上記の範囲を越えると、屈曲耐久性の低下を招くため好ましくない。この原因については現時点では定かではないが、高い熱歴により非晶部の結晶化が促進され、柔軟性が損なわれるために起こる現象であると推察される。この雰囲気下において、0〜20%の条件下で弛緩熱処理することにより、屈曲耐久性と強靱な機械的特性とを兼ね備えたPPSアロイモノフィラメントが得られる。
上記PPSアロイモノフィラメントの製造方法によれば、延伸や熱セット工程においてPPSの融点以上を含む高温を必要としないことから、特殊な製造設備を必要とせず、従来公知の溶融紡糸設備ならびに熱延伸工程で、一般的な製造条件が取りやすく、優れた生産性のもとに、PPSアロイモノフィラメントを効率的に製造することができる。
本発明のPPSアロイモノフィラメントは、直径が0.050mmから4.00mmのモノフィラメントである場合に特に優れた効果を発現するが、繊維の形態としては、単一構造の他に、芯鞘複合糸、海島型複合糸、バイメタル複合糸および多層複合糸などの種々の形態を含むものである。
本発明でいうPPSアロイモノフィラメントは、1本の単糸からなる連続糸である。モノフィラメントに代表される本発明のPPS繊維の繊維軸方向に垂直な断面の形状(以下、断面形状もしくは断面という)は、円、扁平、正方形、半月状、三角形、5角以上の多角形、多葉状、ドッグボーン状、繭型などいかなる断面形状を有するものでもよい。
本発明のモノフィラメントに代表されるPPS繊維を工業用織物の構成素材として用いる場合には、繊維の断面形状が円もしくは扁平の形状であることが好ましい。特に、PPSアロイモノフィラメントを抄紙用ドライヤーキャンバスの経糸として用いる場合には、防汚性を有効に発現させることとキャンバスの平坦性という観点から、モノフィラメントの断面形状が扁平なものが好ましく用いられる。本発明における扁平とは、楕円、正方形もしくは長方形のことであるが、数学的に定義される正確な楕円、正方形もしくは長方形以外に、概ね楕円、正方形もしくは長方形に類似した形状、例えば正方形および長方形の4角を丸くした形状を含むものである。また、楕円の場合は、この楕円の中心で直角に交わる長軸の長さ(LD)と短軸の長さ(SD)とが次式を満足する関係にあり、正方形もしくは長方形の場合は、長方形の長辺の長さ(LD)と短辺の長さ(SD)とが、それぞれ式1.0≦LD/SD≦10の関係を満足することが好ましい。
なお、上記PPSアロイモノフィラメント断面の重心を通る線分の長さは、用途によって適宜選択することができるが、0.05〜4.0mmの範囲であることが好ましい。
本発明の工業用織物とは、本発明のPPSアロイモノフィラメントに代表されるPPS繊維を、織物の緯糸および/または経糸の少なくとも一部に使用した抄紙ドライヤーキャンバス、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくは各種フィルターのことであり、これらの工業用織物は、屈曲耐久性、耐熱性および耐薬品性が優れるという有用な特性を発揮するものである。
ここで、抄紙ドライヤーキャンバスとは、平織り、二重織および三重織など様々な織物(相前後するスパイラル状の糸モノフィラメントをかみ合わせ、かみ合わせ部分をほぼ直線上のモノフィラメントによって織継がれた繰り返し構造のスパイラル状織物を含む)として、抄紙機のドライヤー内で紙を乾燥させるために使用される織物のことである。また、不織布の熱接着工程用ベルト布とは、不織布を構成する低融点のポリエチレンのような熱接着性繊維を融着させるために不織布を炉中に通過させるための織物であり、平織り、二重織などの織物である。さらに、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトとは、各種半製品の乾燥、熱硬化、殺菌、加熱調理のなどのために高温ゾーン内において半製品を搬送する織物のことである。さらにまた、各種フィルターとは、高温の液体、気体、粉体などをろ過するために使用する織物のことである。
かくしてなる本発明のPPSアロイモノフィラメントは、従来のPPSアロイモノフィラメントにはない優れた品質安定性を有すると共に、高圧蒸気雰囲気下で優れた耐久性をも維持し、工業用織物用の構成素材として好適に利用することができ、中でも高圧蒸気雰囲気下で優れた耐久性を有することから、抄紙ドライヤーカンバス、抄紙ワイヤー、サーマルボンド法不織布接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトさらにはフィルターなどとして極めて優れた特性を発揮するものであるといえる。
以下、本発明のPPSアロイモノフィラメントの実施例に関しさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
また、上記および下記に記載の本発明のPPSアロイモノフィラメントにおける、各特性は以下の方法により測定、評価したものである。
[引張強力の測定方法]
JIS2003 L1013.8.5項に準じて、試長:250mm、引張速度:300mm/分の条件で測定した。
[標準偏差算出式]
JIS2003 L1013.8.5項に準じて引張強力を繰り返し50回測定した結果から、式s=√1/(n−1)×[Σx−(Σx)/n]により標準偏差sを算出した。標準偏差が小さいほど破断強力が安定しており、工業用織物への加工において工程通過時の糸切れ等による不具合が発生しにくいことを表す。
n:繰り返し測定回数
x:個々の引張強力値
[PPSアロイモノフィラメント中の熱可塑性ポリエステル樹脂の分散直径]
PPSアロイモノフィラメントをその繊維軸に対して、90°垂直方向に断面を切り出し、断面を160℃のオルトクロロフェノール(片山化学(株)製、濃度99.0%以上 一級品)中で300分間浸漬処理を実施し、PPSアロイモノフィラメント中の熱可塑性ポリエステル樹脂を溶出させた。オルトクロロフェノール浸漬処理後のPPSアロイモノフィラメント断面を走査型電子顕微鏡により1500倍で観察し、100μm2 (10μm×10μm)中に存在する孔の直径を全て測定し、その平均値を分散直径とした。
[高圧蒸気雰囲気下における耐久性評価]
PPSアロイモノフィラメントを138℃、2.5kg/cm2の高圧蒸気雰囲気下の高圧釜で60日間処理した後、処理前および処理後のモノフィラメントの強力を上記の引張強力の測定方法に準じて測定し、処理前の強力をA、処理後の強力をBとし、式B÷A×100で算出された強力保持率を高圧蒸気雰囲気下での耐久性の尺度とした。強力保持率が高いほど高圧蒸気雰囲気下での耐久性が優れることを表す。
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D1238−86に準拠して、316℃、オリフィス径2.095mm、オリフィス長さ8.00mm、荷重5kgの条件で測定した値であり、10分あたりの流出ポリマー量(g)で表される。
[熱可塑性ポリエステルの固有粘度]
オストワルド粘度計を用いてオルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解した溶液の相対粘度ηrを25℃で測定し、近似式IV=0.0242ηr+0.2634により固有粘度(IV)を算出した。
但し、ηr=(t×d)/(t0 ×d0
t :溶液の落下時間(秒)
:オルソクロロフェノールの落下時間(秒)
d :溶液の密度(g/cc)
:オルソクロロフェノールの密度(g/cc)
[紡糸操業性]
24時間の連続紡糸を行ない、以下の基準で判定した。
◎(極めて良好):原料の噛込み不良による紡糸不能状態や紡糸中の糸切れが全くない、また、モノフィラメント平均直径に対して、+10%を超えるような、繊維軸方向の極短い長さの直径増大変動異常部(以下、コブ糸という)の発生が10回/トン未満であった。
なお、コブ糸の回数は、紡糸押出し総ポリマ重量(kg)/1000kg×コブ糸回数にて算出した。
○(良好):原料の噛込み不良による紡糸不能状態が無発生、また紡糸中の糸切れが2回以下、また、モノフィラメント平均直径に対して、+10%を超えるような、繊維軸方向の極短い長さの直径増大変動異常部(以下、コブ糸という)の発生が20回/トン未満であった。
×(不良):原料の噛込み不良による紡糸不能状態になる、または紡糸中に糸切れが3回以上発生する、またコブ糸が20回/トン以上発生するなど、連続操業に重篤な問題が発生した。
[実施例1]
MFRが100g/10分のPPS(東レ(株)社製、E2080)90重量%に、固有粘度0.71のポリエチレンテレフタレート(東レ(株)社製T301T、以下PETと略記)10重量%を混合したPPS/PETアロイペレットを135℃、8時間減圧下で乾燥して用意した。このPPS/PETアロイペレット100重量部にステアリン酸カルシウム(シグマアルドリッチジャパン(株)製)を0.01重量部添加し、Nシールされているブレンダーにて1時間ブレンドした後、直径φ40mm(L/D=2.5)の1軸エクストルーダーに連続供給し、320℃で溶融した溶融ポリマーをギアポンプを経て紡糸パック内の濾過層を通させた後、円形断面糸用紡糸口金から繊維状に押出し、80℃の温水で冷却した。次いで、冷却糸条をゲージ圧0.01MPaの加圧飽和水蒸気雰囲気下、かつ4.1秒間で3.8倍に一次延伸を行ない、150℃の熱風中で1.2倍に二次延伸し、次いで、170℃、0.98倍の条件で弛緩熱処理することにより、直径0.70mmの円形断面を有するモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの繰り返し50回測定した時の引張強力の標準偏差s 、138℃2.5kg/cm2の高圧蒸気雰囲気下の高圧釜で60日間処理した後の強力保持率、PPSアロイモノフィラメント中のPETの分散直径測定結果、紡糸時の操業性の評価結果を表1に示す。
[実施例2〜5]
実施例1と同じ原料組成にて、表1に示すように、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂原料混合比および脂肪酸金属塩含有率を変更して、0.70mmのPPSアロイモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの繰り返し50回測定した時の引張強力の標準偏差s、138℃2.5kg/cm2の高圧蒸気雰囲気下の高圧釜で60日間処理した後の強力保持率、PPSアロイモノフィラメント中のPETの分散直径測定結果、紡糸時の操業性の評価結果を表1に示す。
[実施例6〜7]
実施例1において、熱可塑性ポリエステル樹脂の種類をポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)およびポリエチレンナフタレート(以下、PENという)に変更した以外は同様にして、0.70mmのPPSアロイモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの繰り返し50回測定した時の引張強力の標準偏差、138℃2.5kg/cm2の高圧蒸気雰囲気下の高圧釜で60日間処理した後の強力保持率、PPSアロイモノフィラメント中のPETの分散直径測定結果、紡糸時の操業性の評価結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1において、脂肪酸金属塩種類をモンタン酸カルシウム(日東化成(株)社製)に変更し、このモンタン酸カルシウムを0.01重量%添加した以外は同様にして得られた直径0.70mmのPPSアロイモノフィラメントの繰り返し50回測定時の引張強力の標準偏差s、138℃2.5kg/cm2の高圧蒸気雰囲気下の高圧釜で60日間処理した後の強力保持率、PPSアロイモノフィラメント中のPETの分散直径測定結果、紡糸時の操業性の評価結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例8において、脂肪酸金属塩をモンタン酸ナトリウム(日東化成(株)社製)に変更した以外は同様にして得られた0.70mmのPPSアロイモノフィラメントの繰り返し50回測定時の引張強力の標準偏差s、138℃2.5kg/cm2の高圧蒸気雰囲気下の高圧釜で60日間処理した後の強力保持率、PPSアロイモノフィラメント中のPETの分散直径測定結果、紡糸時の操業性の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
脂肪酸金属塩を非添加にした以外は、実施例2と同様にして得られた直径0.70mmのPPSアロイモノフィラメントの繰り返し50回測定した時の引張強力の標準偏差s、138℃2.5kg/cm2の高圧蒸気雰囲気下の高圧釜で60日間処理した後の強力保持率、PPSアロイモノフィラメント中のPETの分散直径測定結果、紡糸時の操業性の評価結果を表2に示す。
[比較例2および4]
ステアリン酸カルシウムの添加量を表2に示したように変更した以外は実施例2と同様にして得られた直径0.70mmのPPSアロイモノフィラメントの繰り返し50回測定した時の引張強力の標準偏差s、138℃2.5kg/cm2の高圧蒸気雰囲気下の高圧釜で60日間処理した後の強力保持率、PPSアロイモノフィラメント中のPETの分散直径測定結果、紡糸時の操業性の評価結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1において、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂であるPETとの混合比をを表2に示したように変更した以外は同様にして得られた直径0.70mmのPPSアロイモノフィラメントの評価結果を表2に示す。
Figure 2010236121
Figure 2010236121
表1および表2の結果から明らかなように、本発明によるPPSアロイモノフィラメント(実施例1〜9)は、いずれも引張強力を測定した際の強力ばらつきが小さく品質が安定しており、且つ、高圧蒸気雰囲気下において高耐久性を有しているばかりか、紡糸操業性も良好であり、PPSアロイモノフィラメントを効率良く生産できることがわかる。
一方、本発明の規定を満たさないPPSアロイモノフィラメントは、紡糸性が悪い場合や、引張強力の安定性が無く、工業用織物を構成するPPSアロイモノフィラメントしては、いずれも好ましくないものとなることが明らかである。
すなわち、脂肪酸金属塩が非添加である比較例1のPPSアロイモノフィラメントは、紡糸操業性は良好であったものの、PPSと熱可塑性ポリエステル樹脂の分散が不均一であったため、品質安定性に欠け、高圧蒸気雰囲気下の耐久性が劣る結果であった。
また、脂肪酸金属塩の含有量が本発明の規定を満たさない比較例2および4のPPSアロイモノフィラメントでは、脂肪酸金属塩の含有量の少ない比較例2は、PPSアロイモノフィラメント中の脂肪酸金属塩の含有量が少なかったことが起因し、脂肪酸金属塩によるPPSに混合した熱可塑性ポリエステル樹脂の分散改善効果が発揮されなかった。一方、脂肪酸金属塩の含有量の多い比較例4は、脂肪酸金属塩の添加量が多すぎたため、原料噛み込み不良により、紡糸機による溶融混練後の押し出しができず、紡糸不能となった。
PPSを50重量%、熱可塑性ポリエステル樹脂を50重量%で混合した比較例3は、多量に混合された熱可塑性ポリエステル樹脂の影響によって、口金から吐出される溶融ポリマーが細太の状態となり、延伸が行なえず紡糸不能であった。
以上の説明から、本発明であるPPSアロイモノフィラメントは安定した引張強力と高圧蒸気雰囲気下における高い耐久性を保有することから、工業用織物として使用した場合、従来のPPSアロイモノフィラメントより良好な工程通過性と高圧蒸気雰囲気下における高耐久性を保有した工業用織物を供給できる。

Claims (7)

  1. ポリフェニレンサルファイド95〜60重量%および熱可塑性ポリエステル樹脂5〜40重量%の合計100重量部に対し、脂肪酸金属塩0.0001〜0.5重量部を含有せしめた熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする熱可塑性樹脂製モノフィラメント。
  2. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂製モノフィラメント。
  3. 前記脂肪酸金属塩がステアリン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂製モノフィラメント。
  4. JIS2003 L1013 8.5項に準じ、繰り返し50回測定したモノフィラメントの引張強力の標準偏差sが5.00以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂製モノフィラメント。
  5. モノフィラメントを138℃、2.5kg/cmの高圧蒸気雰囲気下で60日間の処理を行い、その処理前の強力をA、処理後の強力をBとした場合に、式B÷A×100で示される強力保持率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂製モノフィラメント。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂製モノフィラメントを経糸および/または緯糸の少なくとも一部に用いたことを特徴とする工業用織物。
  7. 抄紙ドライヤーカンバス、抄紙ワイヤー、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくはフィルターであることを特徴とする請求項6に記載の工業用織物。
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