JP2010235965A - 曲げ加工性および打抜き加工性に優れた鋼板 - Google Patents

曲げ加工性および打抜き加工性に優れた鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】チェーンのリンクプレート用鋼板として好適な打抜き性、曲げ加工性に優れた素材鋼板を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.25〜0.6%、Si:2%以下、Mn:2%以下、Cr:2%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、V:0.05〜0.5%であり、さらに必要に応じてMo:2%以下、あるいはさらにNb:0.1%以下、Ti:0.1%以下の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物、Mn+Cr:1.5%以上である化学組成を有する板厚3.5〜15mmの鋼板であって、板厚中央部の硬さHMが180〜350HVであり、HMと、表面からXμm深さ位置の硬さとの差ΔH=HM−HXが、(1)ΔH20≧50、(2)20≦ΔH100≦100、(3)ΔH500≦20、を満たすように表層部に軟化層を有する鋼板。
【選択図】図5

Description

本発明は、打抜きを経て各種機械部品に加工され、最終的に焼入れ焼戻し等の調質熱処理を受けて使用される、曲げ加工性および打抜き加工性に優れた厚物の鋼板であって、例えば駆動用や牽引用などの大型チェーンのリンクプレート(図1)に適した鋼板に関する。
板厚が例えば3.5mm以上という厚物の鋼板を打ち抜いて成形される部品は、機械の駆動力を担うような高強度部品に適用されることが多く、通常、部品への成形後に焼入れ焼戻し等の調質熱処理を受けて高硬度化される。この種の部品には、高硬度(高強度)、高靱性、高疲労特性が要求される。疲労特性は一般に高硬度化に伴って同時に向上するが、靱性は高硬度化によって逆に低下する。このため通常は、靱性が問題にならない範囲内で高硬度化を図り、適度な疲労特性を具備する部品に調質される。
一方、部品の製造段階においては、良好な打抜き性を呈することが重要でなる。図2に打抜き端面の形態を現す断面図を模式的に示す。打抜きに伴って端面には「ダレ」、および「カエリ(バリ)」が生じる。また、端面には「せん断面」と「破断面」が現れる。ダレ、カエリが多い場合や、破断面の割合が多い(せん断面の割合が少ない)場合は、製品の品質を損なうことにもなる。このため、ダレ、カエリが少なく、かつ、できるだけ破断面の割合が少ない(せん断面の割合が多い)打抜き端面が得られることが望ましい。特に破断面には微小クラックが存在しやすく、これが部品の靱性(特に切り欠き靱性)や疲労特性の低下を招く要因となる。打抜き部品は、打抜き端面のカエリ以外の部分を無手入れのままとして使用されることが多い。特に調質硬さを例えば450HV以上というように高くした場合には、切り欠き感受性が一層増大する。したがって、打抜き時の破断面の形成はできるだけ抑制したいところである。しかし、工業的な大量生産ラインで打抜き面性状を保証することは非常に難しい状況にある。
また、打抜き加工を行うと、打抜き後の部品に「わん曲(反り)」が生じることがある。例えば、図3に示すようなリンクプレートを模擬した小判型の部品を打ち抜いた場合、この部品を図3のAの方向から見ると、そのピッチ間距離の部分に、図4に示すような「わん曲量」が観測される(図4において、わん曲量およびカエリの量は誇張して模式的に描いてある)。わん曲ができるだけ小さくなることも、打抜き性として重要である。
特開平8−337843号公報 特開2001−200316号公報
これまでに、熱延鋼板の打抜き性や加工性を改善する検討は行われてきたが(例えば特許文献1、2)、鋼板素材としての打抜き性と、調質熱処理後の部品としての靱性(衝撃値)、疲労特性を同時に高いレベルで満足させることは難しかった。また、厚物の鋼板では、鋼板素材としての曲げ加工性が良好であることも重要である。
本発明はこのような現状に鑑み、打抜き性、曲げ加工性が良好な厚物の素材鋼板であって、打抜き後に調質熱処理を施して高硬度化させたときに良好な靱性および疲労特性を呈するようになる性質を備えた鋼板を提供することを目的とする。
発明者らは詳細な検討の結果、上記目的は、化学組成を適正化した上で、表面からの深さが非常に浅い部分だけに脱炭による軟化層を形成させた鋼板とすることによって達成されることを見出した。
すなわち本発明では、質量%で、C:0.25〜0.6%、Si:2%以下、Mn:2%以下、Cr:2%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、V:0.05〜0.5%であり、さらに必要に応じてMo:2%以下、あるいはさらにNb:0.1%以下、Ti:0.1%以下の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物、Mn+Cr:1.5%以上である化学組成を有する板厚3.5〜15mmの鋼板であって、板厚中央部の硬さ(内部硬さ)HMが180〜350HVであり、表面から20μm深さ、100μm深さおよび500μm深さ位置の表層部硬さ(HV)をそれぞれH20、H100およびH500とするとき、板厚中央部の硬さと前記各深さ位置での表層部硬さとの差ΔH20=HM−H20、ΔH100=HM−H100およびΔH500=HM−H500が下記(1)〜(3)式を満たすように表層部に軟化層を有する、曲げ加工性および打抜き加工性に優れた鋼板が提供される。この鋼板はチェーンのリンクプレート用鋼板として好適である。
ΔH20≧50 …(1)
20≦ΔH100≦100 …(2)
ΔH500≦20 …(3)
内部硬さHM、表層部硬さH20、H100、H500は、それぞれ鋼板の断面硬さ(例えばHV0.05)によって現される。
本発明によれば、打抜き性、曲げ加工性が良好で、かつ打抜き後に調質熱処理を施して高硬度化させた部品において良好な靱性および疲労特性を安定して呈する鋼板か提供可能となった。
チェーンの構成を模式的に示した図。 打抜き端面の形態を模式的に示した断面図。 リンクプレートを模擬した小判型部品の打抜き形状を示した図。 図3の打抜き部品に観測される「わん曲量」を説明するための図。 本発明の鋼板における表層部の軟化の適正範囲を概念的に示したグラフ。 平面曲げ疲労試験片の形状を示した図。 平面曲げ疲労試験片の表面に形成した打撃痕の外観写真および打撃痕の断面形状を模式的に示した図。
鋼板の打抜き性を評価する主な因子として、ダレ、カエリ、わん曲、破断面の面積率(せん断面の面積率)が挙げられるが、これらを同時に改善することは必ずしも容易ではない。これらの因子は打抜き加工に供する鋼板の硬さに大きく依存する。一般に、鋼板を軟質にすればダレ、カエリ、わん曲が大きくなり、著しい場合には寸法精度が確保できないこともある。逆に鋼板を硬質にすれば、ダレ、カエリ、わん曲は改善される反面、破断面の面積率が増大(せん断面の面積率が減少)する。破断面には微小クラックが存在しやすく、調質熱処理後の疲労特性や靱性を阻害する要因になる。
発明者らは詳細な検討の結果、鋼板の内部硬さをある程度高く維持しながら、表層部に脱炭による軟化層を形成させたとき、打抜き時に軟化層がせん断面の方に流動し、破断面の面積率が減少する(せん断面の面積率が増大する)ことを見出した。これにより、打抜き端面に起因した靱性、疲労特性の低下が回避される。また、表面からの深さが非常に浅い表層部だけを軟化させることによって、ダレ、カエリ、わん曲の問題は顕在化しないレベルに抑えられ、かつ、表面脱炭に起因する調質熱処理後の疲労特性低下の問題も回避されることが確認された。
図5に、本発明の鋼板における表層部の軟化の適正範囲を概念的に示す。表面に近い部分はできるだけ軟化していることが望ましく、かつ、表面から500μm程度の深さ位置において既に内部硬さに近い硬さが維持されていることが重要である。鋼板表層部の軟質化を進行させるための手段としては、熱間圧延の巻取温度を高めに制御して、主として巻取後の徐冷中におけるスケール生成による脱炭を十分に進行させることが有利となる。また、熱間圧延後に行う焼鈍時に脱炭を進行させることも有効である。特に熱延後に酸洗を行っていないスケール付きの鋼帯を焼鈍すること(黒皮焼鈍)が、酸洗でスケールを除去した鋼帯を焼鈍する場合(白皮焼鈍)よりも脱炭には有利である。ただし、過度に脱炭を進行させると、軟化層の厚さが過剰に厚くなり(すなわちΔH500が過大となり)、調質熱処理後の硬さ不足に起因した弊害(例えば疲労特性低下)が顕在化するようになる。鋼の化学組成、熱延条件等を考慮して焼鈍条件を設定すれば、表面から非常に浅い表層部だけが軟化した本発明の鋼板を得ることができる。
本発明の鋼板において表層部に軟化層を形成させることによる効果をまとめると以下のようになる。
〔表層部の軟化による効果〕
[1]曲げ加工性の向上
表層部の軟化層が、曲げ変形による微小亀裂の発生および伝播を遅らせるので、鋼帯製造プロセスの通板時(例えば酸洗工程などでの屈曲)において鋼帯が破断する危険性を低減できる。また、部品に加工するときの曲げ加工部において亀裂が発生しにくい。このため、より厳しい曲げ加工を施すことができる。
[2]打抜き面性状の改善
プレス打抜き時に、表層部の軟化層がせん断面側に流動することにより、せん断面の面積率が増大する(破断面の面積率が減少する)。破断面には微小クラック等の欠陥が多く存在しており、破断面の面積率が減少すれば調質熱処理後の靱性、疲労特性の向上につながる。
[3]金型寿命の向上
表層部に軟化層が存在すると、打抜き時に金型が鋼板に接触するときの衝撃力が低下し、金型先端の損傷が軽減される。また、表層部の軟化層は内部の金属組織と比べて炭化物粒子が少ないので、打抜き時に表層部の軟化層がせん断面側に流動することによってせん断過程でのポンチとダイスの摩耗が軽減される。これらの作用により金型寿命が向上する。
[4]調質熱処理後における疲労特性の向上
疲労特性を向上させるためには鋼材の高硬度化が有利であり、表層部の軟化層は基本的には疲労特性にとってマイナス要因となる。しかし、厚物の鋼板を打ち抜いて製造される機械部品では、打抜き端面において表層部の軟化層が露出するのはダレとカエリの部分のみであり、この部分は面取り加工が施された上で使用されることが多い。チェーンのリンクプレートの場合、疲労破壊を起こすのはピン穴であり、ピン穴は打抜き後に面取り加工されるので、表層部の軟化層は疲労破壊の起点になりにくい。すなわち、表層部の軟化層に起因する疲労特性の低下は回避される。一方、打抜き端面において「無手入れ」のままとなっている部分(面取り以外の部分)は、前述のように破断面の面積率が減少することによって疲労特性が向上している。したがって、結果的に使用時において優れた疲労特性を享受することができる。
以下、本発明を特定する事項について説明する。
〔板厚中央部の硬さ(内部硬さ)HM
板厚中央部の硬さHMが低いと、打抜き端面におけるダレ、カエリ、わん曲が大きくなり、打抜き品の寸法精度が確保できなくなる場合もある。種々検討の結果、本発明では板厚中央部の硬さHMを180HV以上とする必要がある。ただし、350HVを超えると、打抜き金型への負荷が大きくなり金型寿命の低下を招く要因となる。したがって、本発明の鋼板は、板厚中央部の硬さが180〜350HVであるものを対象とする。200〜330HVであることがより好ましい。ここで、HMは、鋼板の板厚方向に平行な断面における、厚さ中央部における硬さ(HV0.05)を意味する。
〔表層部硬さ〕
ΔH20=HM−H20(HV); 板厚中央部と、表面から非常に浅い位置(20μm深さ)の硬度差を表すΔH20は、できるだけ大きい方が望ましい。ΔH20が大きくなるほど、切り欠き感受性が低下し、厳しい曲げ加工がしやすくなる。また、金型の損傷が軽減され、金型寿命の向上につながる。種々検討の結果、ΔH20が50未満だと打抜き端面に破断面が多くなり、疲労特性の向上効果を安定して得ることが難しくなる。したがって、本発明では下記(1)式を満たすことを要件とする。
ΔH20≧50 …(1)
ΔH100=HM−H100(HV); 板厚中央部と、表面から100μm深さ位置の硬度差を表すΔH100は、上記のΔH20と同様、切り欠き感受性の低減、曲げ加工性の改善、金型寿命の向上のためには大きいことが好ましく、その効果を十分に得るためにはΔH100は20以上であることが必要である。ただし、ΔH100が過剰に大きくなると調質熱処理後の表層部硬さが低くなりすぎ、疲労特性の低下を招く要因となる。種々検討の結果、ΔH100は100以下に抑えることが極めて効果的であることがわかった。したがって、本発明では下記(2)式を満たすことを要件とする。
20≦ΔH100≦100 …(2)
ΔH500=HM−H500(HV); 板厚中央部と、表層部の深層域(500μm深さ)の硬度差を表すΔH500は、できるだけ小さいことが望ましい。種々検討の結果、ΔH500が20を超えて大きいときには、表面からかなり深いところまでが広範囲に軟質化している状態であることから、打抜き時のダレ、カエリ、わん曲が大きくなって部品の寸法精度に悪影響を及ぼしやすい。ΔH500が20以下であれば、調質熱処理後において500μm深さ位置の硬さは板厚中央部とほぼ肩を並べるようになる。換言すれば、ΔH500が20を超えて大きい場合は、調質熱処理後に、500μm深さ位置においても軟質な状態が残存していることになる。この場合、表層部の硬さ不足によって疲労特性の低下が起こりやすい。したがって、本発明では下記(3)式を満たすことを要件とする。
ΔH500≦20 …(3)
〔化学組成〕
以下、鋼の化学組成における「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
Cは、鋼の硬さを確保するために必要な元素であり、本発明では0.25%以上のC含有量が必要である。ただし、C含有量が多くなると靱性低下を招きやすくなる。したがってC含有量は0.25〜0.6%に規定される。
Siは、製鋼段階での脱酸に有効な元素であるが、過剰に含有すると鋼板が硬質化し、曲げ加工性が低下しやすくなる。また熱延、焼鈍、調質熱処理において粒界酸化を招く要因となる。検討の結果、Si含有量は2%以下に制限される。
Mnは、焼入性を高める作用を有する。ただし、過剰のMn含有は鋼を硬質化させ、加工性の低下要因となる。また調質熱処理後の靱性低下の要因となる。このためMn含有量は2%以下に制限される。
Crは、焼戻し軟化抵抗を向上させる作用を有する。ただし、過剰のCr含有は鋼を硬質化させ、加工性の低下要因となる。また調質熱処理後の靱性低下の要因となる。このためCr含有量は2%以下に制限される。
P、Sは、ともに靱性低下の要因となるので、いずれも0.02%以下の含有量に制限される。
Vは、結晶粒の微細化、焼戻し軟化抵抗の向上、調質熱処理後の靱性向上に極めて有効であることがわかった。これらの作用を十分に発揮させるためには0.05%以上のV含有量を確保する必要がある。過剰のV含有は熱延材、焼鈍材を硬質化させ、曲げ加工性低下の要因となる。したがってV含有量は0.05〜0.5%の範囲とする。
Moは、焼戻し軟化抵抗の向上、強度向上、靱性向上に有効な元素であり、本発明では必要に応じて添加することができる。これらの作用を十分に引き出すためには0.1%以上のMo含有量を確保することがより効果的である。ただし、過剰のMo含有は逆に靱性を低下させる要因となる。したがってMoを添加する場合は2%以下の範囲で行う。
Nbは、結晶粒の微細化、靱性向上に有効な元素であり、本発明では必要に応じて添加することができる。これらの作用を十分に引き出すためには0.01%以上のNb含有量を確保することがより効果的である。ただし過剰のNb含有は熱延材、焼鈍材を硬質化させ、曲げ加工性低下の要因となる。また逆に靱性を低下させる要因ともなる。したがってNbを添加する場合は0.1%以下の範囲で行う。
Tiは、結晶粒の微細化に有効な元素であり、本発明では必要に応じて添加することができる。その作用を十分に発揮させるためには0.01%以上のTi含有量を確保することがより効果的である。ただし過剰のTi含有は熱延材、焼鈍材を硬質化させ、曲げ加工性低下の要因となる。また粗大な窒化物が形成され、靱性、疲労特性の低下を招く要因となる。したがってTiを添加する場合は0.1%以下の範囲で行う。
また、本発明では上記の成分組成範囲内において、Mn+Cr(MnとCrの合計含有量)が1.5%以上となるようにする。Mn+Crが1.5%未満であると焼入性が不足しやすくなる。
〔板厚〕
本発明では、板厚3.5〜15mmの厚物の鋼板を対象とする。このような厚物の鋼板は、熱延鋼板(未焼鈍材、焼鈍材の両方を含む)として提供される。熱延鋼板においては、表面から非常に浅い表層部のみを脱炭により軟質化させることによって、上述の諸特性の大きな改善効果を得ることができる。ただし、板厚が15mmを超えると、一般的な大量生産ラインを通板させることが困難になる場合がある。
表1に示す鋼を溶製してスラブを製造し、熱延仕上温度850℃、巻取温度480〜720℃にて熱間圧延を行い、種々の板厚の熱延鋼帯を得た。仕上温度および板厚は表2−1、表2−2に記載してある。
各熱延鋼帯(熱延後に焼鈍を施していないもの)から試験片を切り出し、内部硬さ、内部硬さと表層部硬さの差(ΔH20、ΔH100、ΔH500)、曲げ加工性、打抜きわん曲量を以下の方法で調べた。
〔内部硬さ〕
鋼帯の圧延方向および板厚方向に平行な断面(L断面)について、板厚中央位置で無作為に3箇所の測定点を選択し、各測定点での硬さをHV0.05にて測定し、その平均値を当該鋼帯の内部硬さHM(HV)とした。HMが180〜350HVであるものを内部硬さ良好(○評価)、それ以外を内部硬さ不良(×評価)と判定した。
〔ΔH20、ΔH100、ΔH500
上記L断面について、表面から20μm深さ位置で無作為に3箇所の測定点を選択し、各測定点での硬さをHV0.05にて測定し、その平均値を当該鋼帯の20μm深さ位置の硬さH20(HV)とした。同様に、当該鋼帯の100μm深さ位置の硬さH100(HV)、500μm深さ位置の硬さH500(HV)を求めた。そして、ΔH20=HM−H20、ΔH100=HM−H100、ΔH500=HM−H500を算出した。ΔH20、ΔH100およびΔH500について、それぞれ前記(1)式、(2)式および(3)式を満たすものを合格、それ以外を不合格と判定した。
〔曲げ加工性〕
Vブロックによる90°突き曲げ試験を行った。試料は曲げ軸(試料の幅方向)が圧延方向となるようにした。ポンチ先端半径は4.0mmとした。曲げ加工部でクラックや欠陥が発生しなかったものを曲げ加工性良好(○評価)、それ以外を曲げ加工性不良(×評価)と判定した。
〔打抜きわん曲量〕
クリアランス10%にて図3に示す寸法形状のリンクプレートを模擬した小判型の部品を打ち抜いた。この部品を図3のAの方向から見た場合の、ピッチ間距離40mmの部分に生じているわん曲量(カエリの部分を除く;図4参照)を測定した。このわん曲量が40μm以下であれば、リンクプレートとして十分に実用に供することが可能であると判断されることから、わん曲量が40μm以下のものを打抜きわん曲量良好(○評価)、それ以外を打抜きわん曲量不良(×評価)と判定した。
これらの結果を表2−1、表2−2に示す。
本発明例のものは、熱延ラインのランアウトテーブル上での冷却が過剰にならないように調整して巻取温度を高くすることにより表面脱炭を十分に進行させ、熱延ままの状態でΔH20、ΔH100、ΔH500が本発明規定範囲となるようにコントロールしたものである。これらはいずれも曲げ加工性および打抜きわん曲量が良好であった。
これに対し、比較例C2、E2、F2(表2−1)は巻取温度が低かったので冷却が過剰であったので脱炭が不十分となり、ΔH20を十分に大きくすることができなかった。このため、曲げ加工性に劣った。
比較例A1、C1、E1、F1(表2−1)はランアウトテーブル上での冷却をさらに大きくしたものであり、ΔH20、ΔH100が小さくなって曲げ加工性に劣った。また、巻取温度が同じ鋼種の本発明例のものよりかなり低くなり、内部硬さが硬くなった。このため、打抜き加工で100個のサンプルを打ち抜いた時点でダイスに欠損が生じており、金型寿命に劣った。
比較例D2(表2−1)は巻取温度を高くしたものであり、脱炭の進行が大きすぎてΔH500が過大となった。このため、打抜きわん曲量が大きかった。
比較例G1(表2−2)はC含有量が少ないため内部硬さが低くなり、打抜きわん曲量が大きくなった。
比較例K1、M1、P1(表2−2)はそれぞれMn、Si、Cを過剰に含有するため、内部硬さが硬く、曲げ加工性に劣った。比較例I1、L1、N1、O1(表2−2)はそれぞれMo、Ti、Nb、Crを過剰に含有するため、それらの元素の微細炭化物が多い組織状態となっており、当該炭化物が亀裂伝播を助長する要因となり、曲げ加工性に劣った。
実施例1で得られた熱延材(焼鈍を施していない熱延ままの鋼板)のうち、表2−1、表2−2に示した本発明例のもの、および一部の比較例のものについて、調質熱処理を施した。調質熱処理は以下の条件による焼入れ焼戻し処理とした。
〔焼入れ焼戻し条件〕
焼入れ; 880℃×20min保持後、60℃の油浴中に浸漬する方法にて急冷。
焼戻し; 内部硬さが450HV±25HVの範囲となるように組成に応じて200〜550℃の温度範囲で60min保持後、空冷。
得られた焼入れ焼戻し材について、前述の方法で内部硬さを測定した。また以下の方法で衝撃値および疲労特性を調べた。
〔衝撃値〕
2mmUノッチシャルピー衝撃試験片を作製し、これをドライアイスとエタノールで0℃に調整した液中に15min浸漬したのち取り出して、直ちにシャルピー衝撃試験に供した。ノッチの方向(ハンマーの運動方向)が圧延方向と一致するようにした。衝撃値が75J/cm2以上となるものを合格と判定した。
〔疲労特性〕
図6に示す形状の平面曲げ疲労試験片を切り出し、その中央部の片側表面に深さ100μmの打撃痕を形成した。試験片の長手方向が圧延方向に一致するようにした。図7に打撃痕の外観写真および断面形状を示す。打撃痕を形成した試験片を平面曲げ疲労試験機にセットし、最大曲げ応力700MPaの両振りで試験数n=10の疲労試験を行い、試験片10本のうち5本以上が106サイクルで破断しなかったものを疲労特性良好(○評価)、それ以外を疲労特性不良(×評価)と判定した。
これらの結果を表2−1、表2−2中に示す。
本発明例のものは、調質熱処理後において良好な衝撃値(靭性)および疲労特性を呈した。
これに対し、Vを含有しない比較例H1、およびMn+Cr含有量が不足する比較例J1は、本発明例のものと比べ、調質熱処理後の衝撃値(靭性)および疲労特性に劣った。C含有量の少ない比較例G1は、焼入れ焼戻し後の内部硬さも低くなり、疲労特性に劣った。さらに焼戻し温度が低すぎたため衝撃値(靭性)にも劣った。
表2−1に示したC1、E1、F1の各熱延材(熱延ままでは良好な特性が得られなかったもの)、および表2−2に示したI1、K1、L1、M1、N1、O1、P1の各熱延材(化学組成が本発明規定範囲外であるもの)について、焼鈍を施し、熱延焼鈍材を作製した。また、鋼C、鋼Iを用いて表2−1、表2−2に記載した以外の巻取温度で熱延を行った熱延材を作製し、それらについて焼鈍を施した熱延焼鈍材も試験に加えた(C3−4、I2−4)。焼鈍前に酸洗を行わなかった場合(スケールを表面に有する「黒皮」材)と、酸洗を行った場合(スケールを除去した「白皮」材)がある。焼鈍条件は下記aまたはbのいずれかを選択した。
焼鈍条件a; 710℃×18h保持→炉冷
焼鈍条件b; 750℃×4h保持→冷却速度10℃/hで690℃まで徐冷→その後、炉冷
各熱延焼鈍材について実施例1と同様の特性を調査し、同様の基準で評価した。
製造条件および特性を表3−1、表3−2に示す。なお、表3−1中には、表2−1に記載したC1、E1、F1(熱延後、焼鈍していないもの)のデータを再掲してある。
熱延ままの状態では表層部の軟化(脱炭)が不足し、また内部硬さが高すぎた熱延材(C1、E1、F1)であっても、その後に焼鈍を施すことによって、内部硬さ、および内部硬さと表層部硬さの差(ΔH20、ΔH100、ΔH500)を適正化することが可能になる場合があることがわかる(本発明例参照)。
酸洗後に焼鈍を行った場合(白皮焼鈍)でも、表層部を十分に軟化させることができる場合がある(表3−1、C1−2)。ただし、比較例E1−2、F1−2(表3−1)は、酸洗後に焼鈍を行った場合には脱炭が十分に進行せず、良好な結果は得られなかった。この点、E1−3、F1−3(表3−1)のように黒皮焼鈍を行うとスケールの存在によって脱炭が進行しやすくなることがわかる。比較例C3−4(表3−1)は、熱延ままの状態で良好な結果が得られた表2−1のC3について、さらに黒皮焼鈍を施したものであるが、脱炭が過剰に進行してΔH500が大きくなり、打抜きわん曲量が大きくなった。
本発明の化学組成を外れる熱延材I1、K1、L1、M1、N1、O1、P1について焼鈍を施した材料のうち、白皮焼鈍を施した比較例I1−2、K1−2、L1−2、M1−2、N1−2、O1−2、P1−2(表3−2)では、内部硬さの低下は認められたものの、曲げ加工性の改善には至らなかった。黒皮焼鈍を施した比較例I1−3、K1−3、L1−3、M1−3、N1−3、O1−3、P1−3(表3−2)では、さらに軟質化が進み、曲げ加工性は改善されたが、脱炭の過剰な進行によってΔH500が増大し、打抜きわん曲量が大きくなった。
実施例3で得られた熱延焼鈍材のうち、表3−1、表3−2に示した本発明例のもの、および一部の比較例のものについて、調質熱処理を施した。調質熱処理は実施例2に記載した条件の焼入れ焼戻し処理とした。
得られた焼入れ焼戻し材について、前述の方法で内部硬さを測定した。また実施例2と同様の方法で衝撃値および疲労特性を調べた。
これらの結果を表3−1、表3−2中に示す。
本発明例のものは、調質熱処理後において良好な衝撃値(靭性)および疲労特性を呈した。
これに対し、比較例I2−4(表3−2)はMoを過剰に含有するため、また比較例C3−4(表3−1)、I1−3、K1−3、L1−3、M1−3、N1−3、O1−3、P1−3は調質熱処理前のΔH500が過大であるため、いずれも疲労特性に劣った。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.25〜0.6%、Si:2%以下、Mn:2%以下、Cr:2%以下、P:0.02%以下、S:0.02%以下、V:0.05〜0.5%、残部Feおよび不可避的不純物、Mn+Cr:1.5%以上である化学組成を有する板厚3.5〜15mmの鋼板であって、板厚中央部の硬さ(内部硬さ)HMが180〜350HVであり、表面から20μm深さ、100μm深さおよび500μm深さ位置の表層部硬さ(HV)をそれぞれH20、H100およびH500とするとき、板厚中央部の硬さと前記各深さ位置での表層部硬さとの差ΔH20=HM−H20、ΔH100=HM−H100およびΔH500=HM−H500が下記(1)〜(3)式を満たすように表層部に軟化層を有する、曲げ加工性および打抜き加工性に優れた鋼板。
    ΔH20≧50 …(1)
    20≦ΔH100≦100 …(2)
    ΔH500≦20 …(3)
  2. さらにMo:2%以下を含有する化学組成を有する請求項1に記載の鋼板。
  3. さらにNb:0.1%以下、Ti:0.1%以下の1種以上を含有する化学組成を有する請求項1または2に記載の鋼板。
  4. 当該鋼板がチェーンのリンクプレート用鋼板である、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板。
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