JP2010235928A - 重合体及び重合体の製造方法 - Google Patents
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また、トリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、オクチルジエチルシリル基、2−エチルヘキシルジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基などが挙げられ、好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基が挙げられ、より好ましくはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基とは、芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。また、芳香族炭化水素基には、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が単結合又は2価の有機基で結合したものも含まれる。非置換の炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基、トリアルキルシリルフェニル基、トリアルキルゲルミルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。中でもフェニル基、アルキルフェニル基、アルコキシフェニル基が好ましい。
本実施形態に係る重合体の製造方法は、下記式(3)で表される繰り返し単位を含有する重合体と、N3―R3(ただし、R3は、上述したR3と同様である。)と、を接触させる工程を含む。なお、式(3)中、R1は、上述したR1と同様である。
上記重合体において複数含まれる式(3)で表される繰り返し単位は、互いにR1を有するフェニル基と、末端にアルキンを含む置換基を有するフェニル基との位置が左右反転していてもよい。また、上記重合体において複数含まれる式(3)で表される繰り返し単位は、それぞれ独立にシス型であってもトランス型であってもよい。シス型、トランス型については、重合体膜のラマン分光測定などにより、同定することができる。
なお、式(3)の重合体を膜状にする場合、例えば、重合体Aを重合体Bにする前に予め、重合体Aを溶媒に溶かして膜形成用塗布液を調製した後、当該塗布液を基板上に塗布し溶媒を蒸発させて、膜状の重合体Aを得ればよい。膜形成用塗布液の調製に用いる溶媒としては、重合体Aの溶解能を有するものが好ましい。このような溶媒としては、例えば、トルエン、アニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、テトラヒドロフランなどの有機溶媒等が挙げられる。
N3―R3で表されるアジド化合物もまた、例えば以下のような方法で得ることができる。
ジムロート及び三方コックをつけた300mlの三つ口フラスコに、3−ヨードフェノールを22.0g(100mmol)、Pd(PPh3)2Cl2を0.70g(1.0mmol)、PPh3を1.05g(4.0mmol)、CuIを1.14g(6.0mmol)秤取り、三つ口フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたEt3N21ml(150mmol)と、乾燥させたTHF60mlと、フェニルアセチレン11.0ml(100mmol)とを加え、混合液を得た。この混合液をスターラーにより撹拌した。80℃で3時間加熱しながら撹拌した後、室温まで放冷し、Et2Oを用いて有機層の抽出を行った。得られた有機層を減圧乾燥した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=4:1(体積比)、Rf=0.45)を行い、原料モノマーAを単離した。収量は16.4gであり、収率は、84.4%であった。原料モノマーAの得られる反応式を下記式(5)に示す。
得られた原料モノマーAの1H−NMRの結果は以下の通りであった。
1H−NMR(270MHz、CDCl3);
(δ/ppm):4.74(−OH,1H),7.28(Ar−H,5H),7.53(Ar−H,4H)
ジムロート及び三方コックをつけた300ml三つ口フラスコに、原料モノマーA(1−フェニル−2−(3−ヒドロキシ)フェニルアセチレン)を8.50g(43.8mmol)、クロロ−tert−ブチルジメチルシリル8.57g(56.9mmol)を秤取り、三つ口フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたEt3N18.2mlと、乾燥させたTHF76mlとを加え、混合液を得た。この混合液をスターラーにより撹拌した。80℃で一晩加熱しながら撹拌した後、室温まで放冷し、Et2Oを用いて有機層の抽出を行った。得られた有機層を減圧乾燥した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン、Rf=0.20)を行い、原料モノマーBを単離した。収量は、10.4gであり、収率は、81.3%であった。 原料モノマーBの得られる反応式を下記式(6)に示す。
得られた原料モノマーBの1H−NMR及び13C−NMRの結果は以下の通りであった。
1H−NMR (270MHz、CDCl3);
(δ/ ppm):4.74(−OH,1H),7.28(Ar−H,5H),7.53(Ar−H, 4H)
13C−NMR(270MHz,CDCl3)
(δ/ ppm): 155.33,131.50,129.29,128.22,128.14,124.77,124.17, 123.14,122.98,120.48,89.20,89.10,77.47,76.53,25.85,25.78,25.69,25.62,18.27
200ml三口フラスコに三方コックをつけて、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、トルエンを60.9ml、TaCl5を512mg(1.43mmol)含むトルエン溶液9.6mlと、n−Bu4Sn939μl(2.86mmol)とを加え、混合液A1を得た。この混合液をスターラーにより80℃で15分加熱しながら撹拌した。その後、この混合液A1に、原料モノマーB:1−フェニル−2−(3−tertブチルジメチルシロキシ)フェニルアセチレン6.62g(21.45mmol)を含むトルエン溶液10.0mlを加え、混合液A2を得た。この混合液A2を80℃で12時間加熱しながら撹拌すると、重合体(原料重合体A)が得られた。上記加熱攪拌後の混合溶液A2を、クロロホルム1.0Lを入れた2Lの三口フラスコに入れ、重合体が溶液に目視で完全に溶解するまで室温で撹拌し、これを多量のメタノールに滴下することで重合体を沈殿させた。沈殿した重合体を、濾紙を用いて吸引ろ過し、デシケーター内で真空乾燥を1日行った。
乾燥後の原料重合体Aの形状は、黄色固体であり、収量は、4.72gであり、収率は、71.3%であった。
原料重合体Aの得られる反応式を下記式(7)に示す。
得られた原料重合体AのIRスペクトルの結果は以下の通りであった。
IR(cm−1)[KBrペレット];
2955(−C−H),1475(−C−H),1420(−C−H),1361(−Si−CH3),1254(−O−Si),966(−O−Si),834(−C−H)
得られた原料重合体Aについてトルエン溶液を調整し(1.0wt%)、ガラスシャーレにキャストし、室温でゆっくり蒸発させた。溶媒を蒸発させ乾燥した後、膜を剥がすことにより製膜した。
300mlビーカーに100mlのCF3COOHと、25mlのH2Oとを入れ、そこに、製膜した原料重合体A:ポリ[1−フェニル−2−(3−tertブチルジメチルシロキシ)フェニルアセチレン]を39.1mg加え、室温で24時間撹拌した。膜をピンセットで回収し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に24時間浸漬した。再び膜をピンセットで回収し、12時間メタノール溶液に浸漬し、デシケーター内で12時間室温乾燥を行った。脱シリル化後の重合体の収量は、24.5mgであり、収率は、100%であった。
原料重合体Aの脱シリル化反応を下記式(8)に示す。
得られた膜状の原料重合体B:ポリ[1−フェニル−2−(3−ヒドロキシ)フェニルアセチレン]のIRスペクトルの結果は以下の通りであった。
IR(cm−1)[KBrペレット];
3385(−OH)
三方コックをつけた50ml三つ口フラスコに、18−クラウン−6−エーテルを1.60g(12.0mmol)、K2CO3を1.55g(12.0mmol)秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたDMF23.0mlを加え、混合液B1を得た。この混合液をスターラーにより撹拌した。更に窒素を循環させながら三つ口フラスコの密栓をはずし、原料重合体B:ポリ[1−フェニル−2−(3−ヒドロキシ)フェニルアセチレン]膜23.6mg(0.12mmol)、3−ブロモプロピン924μl(12.0mmol)を加え、混合物B2を得た。混合物B2を、250℃で24時間加熱しながら撹拌した後、室温まで放冷し、膜をピンセットで回収した。得られた重合体(原料重合体C)から形成された膜を、12時間メタノール溶液に浸漬しデシケーター内で12時間室温乾燥を行った。
原料重合体C(クリック反応の原料となる重合体)の収量は、27.8gであり、収率は90.8%であった。
原料重合体Cの得られる反応式を下記式(9)に示す。
得られた重合体CのIRスペクトルの結果は以下の通りであった。IRスペクトルを図1に示す。
IR(cm−1)[KBrペレット];
32968(−C≡C−H),2955(−C−H),2120(−C≡C−H),1482(−C−H),1373(−C≡C−H),1245 (Ar−O−CH2),638(−C≡CH)
(1) 1−アジドオクタンの合成
三方コックをつけた100ml二口フラスコに、NaN3を3.3g(46.6mmol)秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたDMFを30.1mlと1−ヨードオクタンを3.0g(15.5mmol)加え、スターラーにより撹拌した。室温で24時間撹拌後、Et2Oを用いて有機層の抽出を行った。得られた有機層を減圧乾燥した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン,Rf=0.80)を行い、1−アジドオクタンを単離した。
1−アジドオクタンの収量は、2.16gであり、収率は、89.8%であった。1−アジドオクタンの得られる反応式を下記式(10)に示す。
また、得られた化合物の1H−NMR及びIRの結果は以下の通りであった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3);
(δ/ppm):4.74(−OH,1H),7.28(Ar−H,5H),7.53(Ar−H,4H)
IR(cm−1)[KBrペレット];
2955(−C−H),1128(−N3)
三方コックをつけた100ml三口フラスコに、NaN3 を1.43g(22.0mmol)秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたDMF14.0mlと2−(パーフルオロヘキシル)エチルヨージド3.48g(7.34mmol)を加え、スターラーにより撹拌した。室温で24時間撹拌後、Et2Oを用いて有機層の抽出を行った。得られた有機層を減圧乾燥した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、酢酸エチル)を行い、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアジドを単離した。
2−(パーフルオロヘキシル)エチルアジドの収量は、2.47gであり、収率は、86.3%であった。2−(パーフルオロヘキシル)エチルアジドの得られる反応式を下記式(10)に示す。
また、得られた化合物の1H−NMR及びIRの結果は以下の通りであった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3);
(δ/ppm):2.42(m,−CH2−,2H),3.60(m,−CH2−,2H)IR(cm−1)[KBrペレット];
2955(−C−H),1128(−N3),1208(−Cf2)
(3)2−(パーフルオロオクチル)エチルアジドの合成
三方コックをつけた100ml三口フラスコに、NaN3を1.46g(20.9mmol)秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、2−(パーフルオロオクチル)エチルヨージド4.00g(6.97mmol)を含む乾燥させたDMF14.0mlを加え、スターラーにより撹拌した。室温で24時間撹拌後、Et2Oを用いて有機層の抽出を行った。得られた有機層を減圧乾燥した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 : 酢酸エチル)を行い単離した。
2−(パーフルオロオクチル)エチルアジドの収量は、2.89gであり、収率は、84.9%であった。2−(パーフルオロオクチル)エチルアジドの得られる反応式を下記式(12)に示す。
また、得られた化合物の1H−NMR及びIRの結果は以下の通りであった。
1H−NMR(270MHz, CDCl3);
(δ/ppm):2.42(m,−CH2−,2H),3.60(m,−CH2−,2H)IR(cm−1)[KBrペレット]
2955(−C−H),1128(−N3),1208(−CF2)
三方コックをつけた100ml三口フラスコに、NaN32.89g(44.4mmol)と2−(パーフルオロデシル)エチルヨージド10.0g(14.8mmol)を秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたDMF液28.8mlを加え、60℃でスターラーにより撹拌した。60℃で24時間撹拌後、Et2Oを用いて有機層の抽出を行った。得られた有機層を減圧乾燥した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)を行い、2−(パーフルオロデシル)エチルアジドを単離した。
2−(パーフルオロデシル)エチルアジドの収量は、7.37gであり、収率は、84.5%であった。2−(パーフルオロデシル)エチルアジドの得られる反応式を下記式(13)に示す。
また、得られた化合物の1H−NMR及びIRの結果は以下の通りであった。
1H−NMR(270MHz, CDCl3);
(δ/ppm):2.42(m,−CH2−,2H),3.60(m,−CH2−,2H)IR(cm−1)[KBrペレット]
2955(−C−H),1128(−N3),1208(−CF2)
三方コックをつけた50ml三口フラスコに、CuIを1.26g(6.6mmol)とL−アスコルビン酸ナトリウム3.01g(155.2mmol))を秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたDMF9.0mlと蒸留水9.0mlとを加え、60℃でスターラーにより撹拌した。更に窒素を循環させながら三つ口フラスコの密栓をはずし、原料重合体C(ポリ[1−フェニル−2−(3−オキシプロピン)フェニルアセチレン])膜25.6mg(0.11mmol)と1−アジドオクタン512mg(3.3mmol)を加えた。上記化合物を混合した後、原料重合体Cは溶解せずに、膜状のままだった。60℃で12時間撹拌し、下記式(14)に示すクリック反応を進行させ、実施例1の重合体を得た。その後、室温まで放冷し、実施例1の重合体から形成された膜をピンセットで回収した。得られた膜(厚み54μm)を、DMF中に6時間浸漬し、再び膜をピンセットで回収し、メタノール中で6時間浸漬した。その後、デシケーター内で12時間室温乾燥を行った。得られた重合体の収量は、35.8mgであり、元素分析により得られた窒素原子含有量から算出した、クリック反応率は、82%であった。実施例1の重合体のIRスペクトルの結果は以下の通りであった。IRスペクトルを図2に示す。
IR(cm−1)[KBrペレット];
2955(−C−H),1475(−C−H),1420(−C−H),834(−C−H)
三方コックをつけた50ml三口フラスコに、CuIを1.26mg(6.6mmol)と2,2’−ビピリジンを2.37g(15.2mmol)秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたDMFを18.0ml加え、60℃でスターラーにより撹拌した。更に窒素を循環させながら三つ口フラスコの密栓をはずし、原料重合体C:ポリ[1−フェニル−2−(3−オキシプロピン)フェニルアセチレン]膜25.4mg(0.11mmol)と2−(パーフルオロヘキシル)エチルアジド1.28g(3.3mmol)を加えた。上記化合物を混合した後、原料重合体Cは溶解せずに、膜状のままだった。60℃で12時間撹拌し、下記式(15)に示すクリック反応を進行させ、実施例2の重合体を得た。その後、室温まで放冷し実施例2の重合体から形成された膜をピンセットで回収した。得られた膜(厚み84μm)を、DMF中に6時間浸漬し、再び膜をピンセットで回収し、メタノール中で6時間浸漬した。その後、デシケーター内で12時間室温乾燥を行った。
得られた重合体の収量は、56.6mgであり、元素分析により得られたフッ素原子含有量から算出したクリック反応率は、90%であった。実施例2の重合体のIRスペクトルの結果は以下の通りであった。IRスペクトルを図3に示す。
IR(cm−1)[KBrペレット];
2955(−C−H),1475(−C−H),1420(−C−H),1208(−CF2),834(−C−H)
三方コックをつけた50ml三口フラスコに、CuIを1.26mg(6.6mmol)と2,2’−ビピリジン2.37g(15.2mmol)秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたDMF18.0mlを加え、60℃でスターラーにより撹拌した。更に窒素を循環させながら三つ口フラスコの密栓をはずし、原料重合体C:ポリ[1−フェニル−2−(3−オキシプロピン)フェニルアセチレン]膜25.5mg(0.11mmol)と2−(パーフルオロオクチル)エチルアジド1.61g(3.3mmol)を加えた。上記化合物を混合した後、原料重合体Cは溶解せずに、膜状のままだった。60℃で12時間撹拌し、下記式(16)に示すクリック反応を進行させ、実施例3の重合体を得た。その後、室温まで放冷し、実施例3の重合体から形成された膜をピンセットで回収した。得られた膜(厚み99μm)をDMF中に6時間浸漬し、再び膜をピンセットで回収し、メタノール中で6時間浸漬した。その後、デシケーター内で12時間室温乾燥を行った。
得られた重合体の収量は、70.6mgであり、元素分析により得られたフッ素原子含有量から算出した、クリック反応率は、96%であった。実施例3の重合体のIRスペクトルの結果は以下の通りであった。IRスペクトルを図4に示す。
IR(cm−1)[KBrペレット];
2955(−C−H),1475(−C−H),1420(−C−H),1208(−CF2),834(−C−H)
三方コックをつけた50ml三口フラスコに、CuIを1.26mg(6.6mmol)と2,2’−ビピリジンを2.37g(15.2mmol)秤取り、フラスコ内を窒素で置換した。これにラバーセプタムよりシリンジで、乾燥させたDMF18.0mlを加え、60℃でスターラーにより撹拌した。更に窒素を循環させながら三つ口フラスコの密栓をはずし、原料重合体C:ポリ[1−フェニル−2−(3−オキシプロピン)フェニルアセチレン]膜25.4mg(0.11mmol)と2−(パーフルオロデシル)エチルアジド 1.94g(3.3mmol)を加えた。上記化合物を混合した後、原料重合体Cは溶解せずに、膜状のままだった。60℃で12時間撹拌し、下記式(17)に示すクリック反応を進行させ、実施例4の重合体を得た。その後、室温まで放冷し、実施例4の重合体から形成された膜をピンセットで回収した。得られた膜(厚み127μm)をDMF中に6時間浸漬し、再び膜をピンセットで回収し、メタノール中で6時間浸漬した。その後、デシケーター内で12時間室温乾燥を行った。
得られた重合体の収量は、78.1mgであり、元素分析により得られたフッ素原子含有量から算出したクリック反応率は、96%であった。実施例4の重合体のIRスペクトルの結果は以下の通りであった。IRスペクトルを図5に示す。
IR(cm−1)[KBrペレット];
2955(−C−H),1475(−C−H),1420(−C−H),1208(−CF2),834(−C−H)
実施例1〜4により得られた膜のそれぞれを、気体透過率測定装置(GTRテック、TR−30X)を用いて、23℃、湿度60%における酸素、窒素、二酸化炭素の気体透過係数(PO2、PN2及びPCO2、単位はcm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHgである。)を測定した。酸素の透過試験の結果を表1に、窒素及び二酸化炭素の透過試験の結果を表2に示す。
表1より、本発明の重合体が、酸素透過膜用として、有用であることがわかる。
Claims (6)
- R3は直鎖又は分岐状の炭素数1〜12の置換アルキル基または炭素数6〜10の置換芳香族炭化水素基であり、前記置換されたアルキル基又は置換された芳香族炭化水素基は1以上の置換基を有し、前記置換基は―COOH、−OH、−SH、−NH2、―COH、−F、−Cl、−Br、−I、―COOR4、−OR4、−SR4、−N(R4)2および―NHR4(ただし、R4は炭素数1〜20の直鎖又は分岐状アルキル基である)からなる群より選択され、2つ以上の置換基が存在する場合、それらの置換基は互いに同一でも異なっていてもよい、請求項1に記載の重合体。
- 前記置換基が、−F、−Cl、−Brまたは−Iからなる群より選択される請求項2に記載の重合体。
- 前記置換基の少なくとも1つが−Fである請求項3に記載の重合体。
- 上記式(3)で表される繰り返し単位を含有する重合体が膜状であり、前記重合体が不溶の溶媒中で、前記重合体とN3―R3とを接触させる請求項5に記載の重合体の製造方法。
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